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JP2000226430A - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法

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Publication number
JP2000226430A
JP2000226430A JP11289716A JP28971699A JP2000226430A JP 2000226430 A JP2000226430 A JP 2000226430A JP 11289716 A JP11289716 A JP 11289716A JP 28971699 A JP28971699 A JP 28971699A JP 2000226430 A JP2000226430 A JP 2000226430A
Authority
JP
Japan
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novolak resin
novolak
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resin
epoxy resin
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Pending
Application number
JP11289716A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Morimoto
尚 森本
Hide Sakamoto
秀 坂本
Shoichi Takahashi
正一 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP11289716A priority Critical patent/JP2000226430A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノボラック樹脂取り扱い時の手作業をなくし、
かつ粉塵の発生もなく、エポキシ樹脂の品質も安定する
と共に、物性の異なる種々のエポキシ樹脂の製造にも容
易に対応できるエポキシ樹脂の製造方法を提供すること
である。 【解決手段】フェノール類とアルデヒド類とを反応させ
て得たノボラック樹脂を不活性ガス雰囲気下に溶融状態
で貯蔵し、ついで該ノボラック樹脂をエピハロヒドリン
とエポキシ化反応させる製造方法であり、軟化点が異な
る複数のノボラック樹脂をそれぞれ別個に溶融状態で貯
蔵し、必要に応じてそれらを混合してエピハロヒドリン
と反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気や電子産業に
おける封止材等に使用されるノボラック型エポキシ樹脂
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のo−クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂の製造では、まずo−クレゾールとホルマリン
とを反応させて中間原料となるo−クレゾールノボラッ
ク樹脂を製造し、ついでo−クレゾールノボラック樹脂
をエピクロルヒドリンおよび必要に応じて溶媒と共にエ
ポキシ化反応槽に仕込み、エポキシ化反応を行わせる。
このようにして製造されるエポキシ樹脂の物性または品
質を決定する大きな要因は、ノボラック樹脂の分子構造
(特に骨格構造)である。
【0003】ノボラック樹脂が目的の分子構造を有する
か否かの管理は、通常、軟化点測定によって行われる。
すなわち、特定の軟化点を有するノボラック樹脂を使用
してエポキシ化反応を行わせることにより、目的とする
分子構造または物性(軟化点等)を有するエポキシ樹脂
を製造することができる。従って、目的の用途に適合し
たエポキシ樹脂を製造するためには、所定の軟化点を有
するノボラック樹脂を用意する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のノボラック樹脂
製造工程では、反応槽にて生成したノボラック樹脂が品
質低下する恐れがあるなどのため、該ノボラック樹脂を
一旦冷却固化させてフレーク状固体とし、これを適当な
容器に入れて貯蔵し、エポキシ樹脂製造時にその所定量
を反応槽に投入していた。
【0005】しかし、ノボラック樹脂を容器に入れた
り、容器から所定量を取り出して反応槽に投入する作業
は、殆ど人手に頼った手作業であるため、それらの作業
において発生するノボラック樹脂の粉塵が作業環境を悪
くするおそれがあった。
【0006】また、エポキシ樹脂が着色し、エポキシ樹
脂の色相が安定しにくくなるという問題があった。特に
夏季等の高温条件下でノボラック樹脂を貯蔵する場合、
酸化劣化が起こって、エポキシ樹脂の着色が顕著になる
ほか、エポキシ当量の増大、軟化点の変動といった品質
低下をひき起こす。
【0007】本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭
意検討した結果、得られたノボラック樹脂を不活性ガス
雰囲気下に溶融状態で貯蔵することによって、ノボラッ
ク樹脂の品質低下が起こらず、またインラインで扱うこ
とが可能になるため、作業性の向上および作業環境の向
上が図られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の主たる目的は、ノボラ
ック樹脂取り扱い時の手作業をなくし、かつ粉塵の発生
もなく、しかもエポキシ樹脂の品質が安定したエポキシ
樹脂の製造方法を提供することである。本発明の他の目
的は、所望の物性を有するエポキシ樹脂を簡単に製造す
ることができるエポキシ樹脂の製造方法を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、フェノール類と
アルデヒド類とを反応させてノボラック樹脂を得、得ら
れたノボラック樹脂を不活性ガス雰囲気下に溶融状態で
貯蔵し、ついで貯蔵したノボラック樹脂をエポキシ化反
応槽に導入してエピハロヒドリンと反応させることを特
徴とする。
【0010】かかる本発明によれば、中間原料であるノ
ボラック樹脂は、従来のように一旦フレーク状の固体と
して外部に取り出されることなく、溶融状態で貯蔵され
ているので、インラインでエポキシ化反応に供給するこ
とが可能になる。そのため、ノボラック樹脂の運搬、投
入等の手作業がなくなり、かつ粉塵の発生もなくなると
共に、ノボラック樹脂が高温下で空気に曝されることに
よるエポキシ樹脂の品質低下も抑制できる。
【0011】また、本発明では、軟化点が異なる複数の
ノボラック樹脂をそれぞれ別個に溶融状態で貯蔵するの
がよい。これにより、軟化点等の物性が異なる種々のエ
ポキシ樹脂を製造する場合にも容易に対応することがで
きる。さらに、本発明では、溶融状態で貯蔵される軟化
点が異なる複数のノボラック樹脂を混合してエピハロヒ
ドリンとエポキシ化反応を行わせてもよい。
【0012】なお、軟化点でノボラック樹脂を分けてい
るのは、前記のように軟化点がノボラック樹脂の分子
量、分子量分布等の分子構造を表す指標となるからであ
る。従って、軟化点に代えて、軟化点と同様な指標とな
る粘度や融点を使用してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、主としてノ
ボラック製造工程とノボラック貯蔵工程とエポキシ化反
応工程とからなる。ノボラック製造工程では、フェノー
ル類および酸触媒を反応槽内に仕込み、所定温度に加熱
して攪拌しながらアルデヒド類を滴下して重合反応を行
わせる。反応終了後、中和等の処理を行い、さらに常圧
ないし減圧下で加熱して、水および未反応物を除去し、
ノボラック樹脂を得る。
【0014】フェノール類としては、例えばフェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、レゾルシノール、臭素化フェノール、臭素化クレゾ
ール、臭素化レゾルシノール、ナフトール等があげられ
る。酸触媒としては、例えばp−トルエンスルホン酸、
蓚酸、硫酸、塩酸等があげられる。前記アルデヒド類と
しては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等があげられる。
【0015】得られるノボラック樹脂は重合度が通常2
〜約20である。製造されるノボラック樹脂の分子構造
[平均分子量(縮重合度)、分子量分布、結合形態等の
骨格構造]は、アルデヒド類/フェノール類の仕込みモ
ル比率、アルデヒド類の滴下速度、反応時間、反応温
度、触媒量等の反応条件を調節することによってコント
ロールすることができる。アルデヒド類/フェノール類
の仕込みモル比率は、通常0.4〜0.9の範囲から選
択される。
【0016】ノボラック樹脂の分子構造を示す指標とし
て、一般的には軟化点が用いられ、上記した製造条件を
調節することによって軟化点が通常室温〜200℃の範
囲内にある種々のノボラック樹脂を製造することができ
る。得られるノボラック樹脂は、該ノボラック樹脂を製
造した反応槽でそのまま溶融状態で貯蔵してもよく、あ
るいは別の貯蔵槽で溶融状態で貯蔵してもよい。軟化点
が異なる種々のノボラック樹脂を製造した場合、各ノボ
ラック樹脂は軟化点に応じてそれぞれ異なる貯蔵槽で別
個に貯蔵される。
【0017】本発明においてノボラック樹脂は、酸素と
接触すると品質低下を起こすので、溶融ノボラック樹脂
の貯蔵は不活性ガス雰囲気下で行う。不活性ガスとして
は、溶融ノボラック樹脂に対して不活性であれば特に制
限されるものではなく、窒素ガス、ヘリウムガス、水素
ガスなどが例示されるが、経済性および取り扱いのし易
さから、通常、窒素ガスが用いられる。不活性ガス中の
酸素濃度は、通常、約1000ppm以下、好ましくは
約500ppm以下、更に好ましくは約250ppm以
下である。
【0018】窒素ガスを用いる場合は、特に精製したも
のでなく、一般的な工業用窒素を用いることができる。
通常、この窒素ガス中の酸素濃度は約1000ppm以
下である。溶融ノボラック樹脂を貯蔵するには、槽内を
不活性ガスで置換し、その後、溶融ノボラック樹脂を入
れ、気相部を不活性ガス源と導通させておいて不活性雰
囲気とし、空気の進入を防止して貯蔵する。
【0019】貯蔵槽には適当な加熱手段が設けられ、ノ
ボラック樹脂を溶融状態で貯蔵する。その際、加熱温度
があまり低いと、適当な流動状態を保持することが困難
になる。その一方、いたずらに高温で貯蔵すると、ノボ
ラック樹脂の化学結合の開裂や再配列等に起因する品質
劣化が発生するおそれがある。従って、適当な流動状態
を与える最低の温度で貯蔵するのが好ましく、通常はノ
ボラック樹脂の軟化点を基準にすると、これよりも約2
0〜60℃、好ましくは約20〜40℃高い温度である
のが適当である。また、貯蔵時のノボラック樹脂のpH
も品質劣化に関するため、一般にはノボラック樹脂のp
Hを6〜9の範囲に調整して貯蔵するのが好ましい。
【0020】さらに、各貯蔵槽には、攪拌装置または槽
内を循環する循環装置を設けて、ノボラック樹脂を流動
状態に維持しているのが好ましい。循環装置は、例えば
貯蔵槽の底部から内容物を抜き出し、循環ポンプにて槽
の上部に送り、再び槽内に戻す装置である。
【0021】ノボラック樹脂の貯蔵期間は短いほうが好
ましく、一般には1週間以内であるのがよい。例えば軟
化点が90℃程度のo−クレゾールノボラック樹脂を1
20℃で貯蔵した場合、1週間程度では大きな物性変化
は認められない。次工程のエポキシ化反応を行うため
に、各貯蔵槽のうちから目的とする軟化点のノボラック
樹脂を抜き出し、これをエピハロヒドリンと共に有機溶
媒に溶解する。
【0022】エピハロヒドリンとしては、例えばエピク
ロルヒドリン、エピブロムヒドリン等があげられる。エ
ピハロヒドリンは、ノボラック樹脂のフェノール性水酸
基に対して2〜15倍モルの範囲で使用される。また、
有機溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等
の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール
類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソル
ブ類、ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等があげ
られる。
【0023】上記のようにして混合溶解された溶液を用
いて、常法に従いエポキシ化反応が行われる。すなわ
ち、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基に対して0.
9〜1.1当量の苛性アルカリ水溶液を常圧ないし減圧
下30〜100℃の温度で徐々に添加して、反応を行わ
せる。その際、系中の水分を制御する目的で、共沸脱水
させるのが好ましい。
【0024】苛性アルカリとしては、例えば水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム等があげられ、これらは通常2
0〜55重量%の水溶液形態で添加される。前記したエ
ポキシ化反応は、1段で行ってもよく、あるいは2段階
に分けて行っても良い。反応終了後、過剰のエピハロヒ
ドリンと溶剤を回収して、生成した塩等を除去し、エポ
キシ樹脂を得る。
【0025】所望の軟化点、粘度、分子量分布等を有す
るエポキシ樹脂を製造するには、中間原料であるノボラ
ック樹脂として所定の軟化点を有するものを使用する。
その際、前記のように軟化点が異なる複数のノボラック
樹脂を溶融状態で貯蔵していると、それらの2種または
それ以上を混合して、所望の軟化点を有するノボラック
樹脂を調製することができる。例えば軟化点TA を有す
るノボラック樹脂Aの混合重量比率をWとし、このノボ
ラック樹脂AのW重量部と、軟化点TB を有するノボラ
ック樹脂Bの(1−W)重量部とを混合して軟化点TC
を有するノボラック樹脂Cの1重量部を得たとき、下記
式で表される関係が成り立つ。従って、この式からノボ
ラック樹脂Aの混合量Wを求めることができ、これから
ノボラック樹脂Bの混合量(1−W)も求めることがで
きる。
【0026】
【数1】 通常、混合される複数のノボラック樹脂相互の軟化点差
は約30℃以下であるのが好ましい。すなわち、軟化点
差が約30℃以下であれば、それらを混合してエポキシ
樹脂製造の中間原料として使用しても、得られるエポキ
シ樹脂は、混合物と同じ軟化点を有する単一のノボラッ
ク樹脂を使用した場合に比べて軟化点や粘度、さらに分
子量分布その他の物性に大きな相違は認められない。
【0027】軟化点が異なる複数のノボラック樹脂を混
合する基準としては、下記式に示されるブレンド係数が
好適に採用され、所望の軟化点を有するノボラック樹脂
を得るためにはブレンド係数が10以下であるのが好ま
しい。下記式はi個のノボラック樹脂を混合する場合の
一般式を示している。
【0028】
【数2】 n :n番目のノボラック樹脂の軟化点 Sx :ノボラック樹脂の平均軟化点(上記混合されたノ
ボラック樹脂の軟化点TC と同じである) Vn :n番目のノボラック樹脂の重量 Vt :ノボラック樹脂の総量
【0029】なお、混合するノボラック樹脂は、化学構
造(すなわち、使用するフェノール類および/またはア
ルデヒド類)が同種のもの同士であってもよく、あるい
は化学構造が異なるノボラック樹脂同士であってもよ
い。
【0030】
【実施例】以下、実施例および参考例をあげて本発明の
エポキシ樹脂の製造方法を詳細に説明する。
【0031】実施例1 (ノボラック樹脂の製造および貯蔵)o−クレゾール1
00重量部に対して37%ホルマリン67.6重量部を
仕込み、p−トルエンスルホン酸1.2重量部を触媒と
して103℃で6時間反応させた。水酸化ナトリウムで
中和後、水49.2重量部を仕込み、水溶性の不純物を
分液により除去し、さらに減圧下155℃で濃縮した。
得られたo−クレゾールノボラック樹脂の軟化点は12
5.6℃であった。以下、該o−クレゾールノボラック
樹脂をサンプルAという。サンプルAを攪拌機および底
抜き循環ポンプの装備された貯蔵槽に入れ、窒素ガス
(工業用、以下同じ)雰囲気下、160℃にて溶融状態
で貯蔵した。
【0032】実施例2 (ノボラック樹脂の製造および貯蔵)o−クレゾール1
00重量部に対して37%ホルマリン61.5重量部を
仕込み、p−トルエンスルホン酸1.2重量部を触媒と
して103℃で5時間反応させた。水酸化ナトリウムで
中和後、水49重量部を仕込み、水溶性の不純物を分液
により除去し、さらに減圧下160℃で濃縮した。得ら
れたo−クレゾールノボラック樹脂の軟化点は104.
5℃であった。以下、該o−クレゾールノボラック樹脂
をサンプルBという。サンプルBを攪拌機および底抜き
循環ポンプの装備された貯蔵槽に入れ、窒素ガス雰囲気
下、140℃にて溶融状態で貯蔵した。
【0033】実施例3 (ノボラック樹脂の製造および貯蔵)o−クレゾール1
00重量部に対して37%ホルマリン56.9重量部を
仕込み、p−トルエンスルホン酸0.7重量部を触媒と
して103℃で4時間反応させた。水酸化ナトリウムで
中和後、水46.8重量部を仕込み、水溶性の不純物を
分液により除去し、さらに減圧下160℃で濃縮した。
得られたo−クレゾールノボラック樹脂の軟化点は8
9.3℃であった。以下、該o−クレゾールノボラック
樹脂をサンプルCという。サンプルCを攪拌機および底
抜き循環ポンプの装備された貯蔵槽に入れ、窒素ガス雰
囲気下、130℃にて溶融状態で貯蔵した。
【0034】参考例1 (ノボラック樹脂の製造および貯蔵)o−クレゾール1
00重量部に対して37%ホルマリン62重量部を仕込
み、p−トルエンスルホン酸1.2重量部を触媒として
103℃で5時間反応させた。水酸化ナトリウムで中和
後、水49.0重量部を仕込み、水溶性の不純物を分液
により除去し、さらに減圧下160℃で濃縮した。得ら
れたo−クレゾールノボラック樹脂の軟化点は109.
7℃であった。以下、該o−クレゾールノボラック樹脂
をサンプルREF1という。サンプルREF1は圧延冷却してフ
レーク状の形態で容器に貯蔵した。
【0035】参考例2 (ノボラック樹脂の製造および貯蔵)o−クレゾール1
00重量部に対して37%ホルマリン60.5重量部を
仕込み、p−トルエンスルホン酸1.2重量部を触媒と
して103℃で5時間反応させた。水酸化ナトリウムで
中和後、水49.0重量部を仕込み、水溶性の不純物を
分液により除去し、さらに減圧下160℃で濃縮した。
得られたo−クレゾールノボラック樹脂の軟化点は9
9.3℃であった。以下、該o−クレゾールノボラック
樹脂をサンプルREF2という。サンプルREF2は圧延冷却し
てフレーク状の形態で容器に貯蔵した。
【0036】参考例3および4 (溶融ノボラック樹脂の貯蔵試験)実施例2と同様にし
て得た溶融ノボラック樹脂を窒素ガス雰囲気下およびエ
アー雰囲気下に125℃の溶融状態で7日間、攪拌しな
がら貯蔵した。その結果、エアー雰囲気下に貯蔵した溶
融ノボラック樹脂は、著しい着色を生じていた。色相を
ガードナーNo.で評価したところ、それぞれ1(窒素
ガス雰囲気下に貯蔵)および7(エアー雰囲気下に貯
蔵)であった。
【0037】実施例4 (エポキシ樹脂の製造)混合後の軟化点が109.7℃
になるように前記サンプルAとBを重量比で0.24
6:0.754の割合で混合した(前記したブレンド係
数は7.14)。これらを混合したo−クレゾールノボ
ラック樹脂100重量部に対してエピクロルヒドリン5
39.6重量部および1,4−ジオキサン188.8重
量部を仕込み、60torrに減圧下、39℃にて48%水
酸化カリウム水溶液19.4重量部を1時間かけて滴下
し、同条件下で3.5時間熟成させた。この間、留出分
は分液ポットにて水相を除去し、油相は系内に戻した。
ついで、系内を150torr、60℃に調節し、48%水
酸化ナトリウム53.5重量部を3.5時間かけて滴下
した。この間も、留出する水分を除去した。
【0038】反応終了後、過剰のエピクロロヒドリン、
1,4−ジオキサンを留去し、残渣にメチルイソブチル
ケトンを添加し、水洗およびろ過により、副生した塩化
ナトリウムを除去した。最後にメチルイソブチルケトン
を留去してo−クレゾールノボラック樹脂型エポキシ樹
脂を得た。
【0039】実施例5 (エポキシ樹脂の製造)混合後の軟化点が99.3℃に
なるように前記サンプルBとCを重量比で0.658:
0.342の割合で混合したo−クレゾールノボラック
樹脂100重量部を使用したほかは実施例4と同様にし
てo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を得た。な
お、サンプルBとCのブレンド係数は6.89である。
【0040】比較例1 (エポキシ樹脂の製造)軟化点が109.7℃であるサ
ンプルREF1の100重量部に対してエピクロルヒドリン
539.6重量部および1,4−ジオキサン188.8
重量部を仕込み、60torr減圧下、39℃にて48%水
酸化カリウム水溶液19.4重量部を1時間かけて滴下
し、同条件下で3.5時間熟成させた。この間、留出分
は分液ポットにて水相を除去し、油相は系内に戻した。
ついで、系内を150torr、60℃に調節し、48%水
酸化ナトリウム53.5重量部を3.5時間かけて滴下
した。この間も、留出する水分を除去した。
【0041】反応終了後、過剰のエピクロロヒドリン、
1,4−ジオキサンを留去し、残渣にメチルイソブチル
ケトンを添加し、水洗およびろ過により、副生した塩化
ナトリウムを除去した。最後にメチルイソブチルケトン
を留去してo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を
得た。
【0042】比較例2 (エポキシ樹脂の製造)サンプルREF1に代えて、軟化点
が99.3℃であるサンプルREF2の100重量部を使用
したほかは比較例1と同様にしてo−クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂を得た。実施例4,5および比較例
1,2で得た各エポキシ樹脂の軟化点、動粘度およびゲ
ル浸透クロマトグラフィー分散比(以下、GPC分散比
という)を測定した。その結果を表1に示す。
【0043】なお、エポキシ樹脂の軟化点、動粘度およ
びGPC分散比はそれぞれ次の方法にて測定した。 (1) 軟化点 自動軟化点測定装置(エレック科学(株)製のEX−8
20)を用いてボールアンドリング法にて測定した。
【0044】(2) 動粘度 サンプルが50重量%の1,4−ジオキサン溶液を調製
して、キャノンフェンスケ粘度計(200,300番)
を用いて25℃における粘度を測定した。 (3) GPC分散比 サンプルをテトラヒドロフランに溶解させ、キャリア液
としてテトラヒドロフランを、カラムとしてポリマーラ
ボラトリー社製の商品名Plegel-MIXED-E(2本)を用い
てGPC分散比を求めた。
【0045】
【表1】
【0046】表1から、比較例1で出発原料として使用
されたサンプルREF1と同じ軟化点となるようにサンプル
AとBとを混合した実施例4では、得られたエポキシ樹
脂の軟化点、動粘度およびGPC分散比が殆ど比較例1
のそれらの値と同一であることがわかる。実施例5と比
較例2も同様である。
【0047】従って、上記のように溶融状態にあり軟化
点が異なる複数のノボラック樹脂を混合してエポキシ樹
脂製造の原料として使用することにより、所望のエポキ
シ樹脂を簡単に製造できることがわかる。
【0048】実施例6 (エポキシ樹脂の製造)実施例3において、37%ホル
マリンの量を58.7重量部に変更した以外は実施例3
と同様にしてo−クレゾールノボラック樹脂を製造し、
pH6.7で軟化点96.7℃のノボラック樹脂を得
た。得られたノボラック樹脂の一部を窒素ガス雰囲気下
で120℃に調節された容器に入れ、18日間攪拌下で
溶融貯蔵した後、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂を
製造した。
【0049】なお、ノボラック樹脂のpHは以下のよう
にして測定した。 <ノボラック樹脂のpH測定方法>樹脂試料2gをクロ
ロホルム40gに溶解し、純水40gを加えて十分混合
後、静置分液して水層のpHをpHメーターで測定し
た。
【0050】比較例3 (エポキシ樹脂の製造)実施例6において得られたノボ
ラック樹脂の残部をバットに流し出し、冷却固化させ
た。ついで、大気との接触下、平均気温が15℃の冷暗
所に実施例6と同じ18日間貯蔵した後、実施例4と同
様にしてエポキシ樹脂を製造した。
【0051】比較例4 (エポキシ樹脂の製造)比較例3において、冷却固化し
たノボラック樹脂を、温度50℃に設定した空気循環式
恒温器中で14日間貯蔵したほかは、比較例3と同様に
してエポキシ樹脂を製造した。
【0052】実施例6、比較例3,4で得た各エポキシ
樹脂について、エポキシ当量、軟化点および色相を測定
した。なお、エポキシ当量は以下のようにして測定し
た。 <エポキシ当量の測定方法>試料に0.1N−塩酸のジ
オキサン溶液を加え、15分間攪拌しながら反応させ
た。これを0.1N−水酸化ナトリウムのメタノール溶
液で電位差滴定を行い、ブランクの滴定量との差から塩
酸と反応したエポキシ基の当量を求め、これで試料量を
除した値をエポキシ当量(g/eq)とした。
【0053】また、軟化点は前記と同様にして測定し
た。色相はガードナーNo.で評価した。試験結果を表
2に示す。
【表2】
【0054】表2から、固体状で貯蔵されるノボラック
樹脂は、空気との接触下、夏季等の貯蔵温度が上昇する
おそれがある条件下で貯蔵した場合(比較例4)、エポ
キシ当量の増大、軟化点の下降、エポキシ樹脂の着色な
どの酸化劣化を起し、エポキシ樹脂の品質を著しく低下
させることがわかる。これに対して、120℃で溶融貯
蔵した実施例6では、上記のような劣化を殆ど起してい
ないことがわかる。
【0055】実施例7および8 実施例3において、水酸化ナトリウムによる中和を、ノ
ボラック樹脂のpHが8になるように調整したほかは、
実施例3と同様にしてo−クレゾールノボラック樹脂を
製造した。このノボラック樹脂を窒素ガス雰囲気下、1
20℃および150℃のいずれかの温度で攪拌しながら
溶融貯蔵し、10日目および20日目に経時変化を調べ
た。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】表3から明らかなように、120℃および
150℃のいずれの温度条件下で貯蔵されたノボラック
樹脂にも、製造直後(貯蔵期間0日)のものと比較し
て、軟化点に異常は認められなかった。
【0058】次に、上記120℃および150℃の温度
で10日間および20日間貯蔵した各ノボラック樹脂を
用いて、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂を製造し
た。また、ブランクとして、製造直後のノボラック樹脂
を用いてエポキシ樹脂を製造した。得られた各エポキシ
樹脂について、前記と同様にしてエポキシ当量および軟
化点を測定した。結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】表3および表4から、ノボラック樹脂の貯
蔵時の熱安定性を高めかつブランクとほぼ同等品質のエ
ポキシ樹脂を製造するには、貯蔵するノボラック樹脂の
pHを約6〜9に調整し、貯蔵温度をノボラック樹脂の
軟化点より約20〜60℃、好ましくは約20〜40℃
高い温度とするのが適していることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、中間原料であるノボラ
ック樹脂は、従来のような固体状でなく、溶融状態で貯
蔵されるため、インラインでエポキシ化反応に供給する
ことができ、そのため粉塵の発生がなくなり作業環境が
改善されると共に、生産効率もアップし生産コストも低
減でき、さらに固体状のノボラック樹脂が高温下で空気
に曝されることによって生じるエポキシ樹脂の着色等の
品質劣化も抑制できるという効果がある。
【0062】また、軟化点の異なる複数のノボラック樹
脂をそれぞれ別個に溶融状態で貯蔵するときは、それら
を混合するなどして、物性の異なる種々のエポキシ樹脂
の製造にも容易に対応することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類とアルデヒド類とを反応させ
    てノボラック樹脂を得、得られたノボラック樹脂を不活
    性ガス雰囲気下に溶融状態で貯蔵し、ついで貯蔵したノ
    ボラック樹脂をエポキシ化反応槽に導入してエピハロヒ
    ドリンと反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製
    造方法。
  2. 【請求項2】ノボラック樹脂の貯蔵を貯蔵槽で行う請求
    項1記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】軟化点が異なる複数のノボラック樹脂をそ
    れぞれ別個に溶融状態で貯蔵する請求項1または2記載
    のエポキシ樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】溶融状態で貯蔵する軟化点が異なる複数の
    ノボラック樹脂を混合してエピハロヒドリンと反応させ
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂の
    製造方法。
  5. 【請求項5】不活性ガス雰囲気中の酸素濃度が約100
    0ppm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載
    のエポキシ樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】ノボラック樹脂をpH6〜9に調整して貯
    蔵する請求項1ないし5のいずれかに記載のエポキシ樹
    脂の製造方法。
  7. 【請求項7】ノボラック樹脂を該ノボラック樹脂の軟化
    点よりも20〜60℃高い温度で貯蔵する請求項1ない
    し6のいずれかに記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】フェノール類がo−クレゾールであり、ア
    ルデヒド類がホルムアルデヒドである請求項1記載のエ
    ポキシ樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2447093C1 (ru) * 2011-01-19 2012-04-10 Открытое акционерное общество "Институт пластмасс имени Г.С. Петрова" Способ получения орто-крезолноволачной эпоксидной смолы и полимерная композиция на ее основе

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2447093C1 (ru) * 2011-01-19 2012-04-10 Открытое акционерное общество "Институт пластмасс имени Г.С. Петрова" Способ получения орто-крезолноволачной эпоксидной смолы и полимерная композиция на ее основе

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