JP2000217578A - Masl1遺伝子 - Google Patents
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Abstract
ポトーシスに重要な役割を演じ、例えば悪性腫瘍等の細
胞の分化に関与する疾患の病態解明、診断、治療などに
有用な、新しい遺伝子等の提供。 【解決手段】以下の(a)及び(b)のいずれかのポリ
ヌクレオチドを含む遺伝子: (a)特定のアミノ酸配列を含んでいるポリペプチドを
コードするポリヌクレオチド又は特定のポリヌクレオチ
ドに対して少なくとも95%の相同性を有するポリヌク
レオチド、 (b)上記(a)のポリヌクレオチドに対する相補鎖で
あるポリヌクレオチド。
Description
共通する領域から、蛋白結合分子の特徴である高く保存
されたロイシン縦列反復領域を含んでいる新規の遺伝子
を単離した。該遺伝子は、ATP/GTP結合部位、3つのロ
イシン−ジッパー・ドメイン、及びロイシン−リッチ縦
列反復有しており、それら全てが、細胞サイクルに関連
した蛋白間の相互作用に対して重要な構造叉は機能的な
構成要素である。かかる遺伝子のcDNA解析などによ
って、MFH(malignant fibrous histiocytomas:線維
性組織球腫)についての診断、治療、かかる治療のため
の新しい治療薬の開発などを行い得る新規な遺伝子(MA
SL1遺伝子)、該遺伝子を保有するcDNA、その発現
産物(MASL1蛋白質)、これらを利用した医薬組成物及
び遺伝子診断方法に関する。
組織肉腫である(Enzinger, F.M.andWeiss, S.W., malig
nant fibrohistocyttic tumors: Soft Tissue Tumors.
CVMosby: St.louis, pp.351-380 (1995))。近年のWH
Oのクラス分類では、MFHは「多形性紡錘細胞肉腫:ple
morphic spindle-cell sarcoma」として定義されて、通
常成人に生じ、未だ分化の明瞭な細胞株は示されていな
い(Weiss,S.W.,Histological Typing of Soft Tissue T
umors,Springer-Verlag:Berlin (1994))。組織学的に
は、MFHは、線維芽細胞、組織球細胞、及び奇型細胞
の混成された不均一な肉腫のグループと定義されてお
り、その間質はしばしば様々な量の炎症細胞、コラーゲ
ン、及び粘液様の物質から成り立っている。腫瘍が線維
芽細胞、組織球細胞又は未分化間葉細胞を起源とするか
どうかは知られていない。MFHの4つの組織学的なサ
ブ・タイプのうち、花むしろ状の多形性と奇型のサブ・
タイプがもっとも一般的であり、一方、巨大細胞叉は炎
症のサブ・タイプはまれにしか見られない。MFHの核
型の異常は通常、複雑な数的異常か構造異常を示す構造
的な再配列を持つ複合体である。MFHに対して特異的
な染色体異常は今までは特定されていない。しかしなが
ら、このタイプの腫瘍においてしばしば見られる染色体
の染色体末端部の融合、同定不能な環状染色体、二動原
体の染色体は、また、同様に、遺伝子増幅の染色体変化
として二重微小染色体や均一染色体領域が出現する(LeD
oussal,V., et al., Cancer, 77,1823-1830 (1992): Pe
zzi, M.E., et al., Cancer, 69, 2098-2103 (1992))。
軟組織における腫瘍の発生に対して潜在的な病因として
重要な役割を果たす幾つかの知られている癌原遺伝子が
MFHの関与のために研究されている:それは、SAS
遺伝子(SAS:the sarcoma-amplified-sequence gene)、
MDM2遺伝子(the murine double-minute 2 gene: MD
M2)のヒト・ホモログ、サイクリン依存性キナーゼ4(cy
cline-dependent kinase 4: CDK4)、C/EBPをコードする
遺伝子相同蛋白(CHOP)などである。前記した全ての遺伝
子が染色体12q13-15にマップされており、CHOPを除
く全てが、試験したMFHの3分の1以上において増幅
されている(Nilbert,M., et al., Cancer Genet. Cytog
enet., 83, 32-36(1995))。
3q14)に影響を与える変異がMFH腫瘍においてもおよ
そ3分の1に報告されている(Wadayama, B., et al., B
r.J.Cancer,68,1134-1139 (1993): Wunder, J.S., et a
l., J. Natl. Cancer Inst.,83,194-200 (1991))。
イプの腫瘍の発達及び/叉は進展に影響するかもしれな
いゲノムの変異を探究するためにCGHによって19例
のMFH腫瘍を解析した。本発明者らは異なった染色体
の幾つかの領域を含む欠失と増加を合わせて、明瞭な高
いレベルの増幅が6つの局座、染色体座位4q12-21、8p2
1-pter、8q24.1-qter、9q12-13、12p11.2-pter、及び15
q11.2-15にあることを見出した。これらの領域の各々
が、MFHの腫瘍の成立に関与する1又はそれ以上の潜
在的な癌原遺伝子を含んでいるかもしれない。そのよう
な遺伝子の特定に向けての第一段階として、本発明者ら
は、その分子の構造を詳細に特徴づけるために8pアン
プリコンに焦点を当てた。8p23.1での増幅の共通する領
域から、本発明者らは、蛋白結合分子の特徴である高く
保存されたロイシン縦列反復領域を含んでいるMASL
1と命名された新規の遺伝子を単離した。本発明は、か
かる知見を基礎として完成されたものである。
1に、以下の(a)及び(b)のいずれかのポリヌクレ
オチドを含む遺伝子: (a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含んでい
るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは配
列番号:2を持っているポリヌクレオチドに対して少な
くとも95%の相同性を持っているポリヌクレオチド、 (b)上記(a)のポリヌクレオチドに対する相補鎖で
あるポリヌクレオチド。
(b)のいずれかのポリヌクレオチドからなる遺伝子: (a)配列番号:2で示される塩基配列又はそれらの相
補鎖、 (b)上記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ
ヌクレオチド。
される塩基配列である遺伝子、又は配列番号:1で示さ
れるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする遺
伝子及びその遺伝子発現産物、遺伝子を有する組換え体
発現ベクター、並びに該組換え体発現ベクターを有する
宿主細胞、またはMASL1蛋白質を発現するクローン化c
DNA及びその断片、その誘導体及びその相同物。
号:2で示される塩基配列の少なくとも15又は30の
連続するヌクレオチド配列を含んでいるオリゴヌクレオ
チド、または。
示される塩基配列に対するアンチセンス・オリゴヌクレ
オチド、該アンチセンス・オリゴヌクレオチドが少なく
とも15又は30の連続するヌクレオチド配列を用いて
作成される配列を含んでいる前記アンチセンス・オリゴ
ヌクレオチド及びこれらのアンチセンス・オリゴヌクレ
オチドを有効成分として含有する遺伝子治療剤。
2で示される塩基配列からなるDNAプローブ、または
それらのオリゴヌクレオチドプローブであって、配列番
号:2で示される塩基配列の少なくとも15又は30の
連続するヌクレオチド配列を含んでいるオリゴヌクレオ
チドプローブ及びこれらのオリゴヌクレオチドプローブ
を用いる診断剤並びに診断用キットを提供することが出
来る。
(b)の蛋白質であるMASL1蛋白質: (a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋
白質、 (b)上記(a)のアミノ酸配列において1もしくは複
数のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列
からなり且つMASL1活性を有する蛋白質。
子又は遺伝子発現産物を用いる相互作用物のスクリーニ
ング方法。
ト、イヌ、サル、ウマ、ブタ、ヒツジ及びネコから選ば
れる哺乳動物の遺伝子相同物、本発明の遺伝子の発現産
物に結合性を有する抗体及び該抗体を癌の診断に用いる
診断方法および該抗体を有効成分とする癌治療剤が提供
される。
の発達及び/叉は進展に影響するかもしれないゲノムの
変異を探究するためにCGH(Comparative genomic hyb
ridization:比較ゲノムのハイブリダゼーション)によっ
て19例のMFH腫瘍を研究し、MFH患者の染色体上
において発現する新たな関連遺伝子の探索についての研
究結果として完成されたものである。
った染色体の幾つかの領域を含む欠失と増加を合わせ
て、明瞭な高いレベルの増幅が6つの局座染色体座位、
4q12-21、8p21-pter、8q24.1-qter、9q12-13、12p11.2-
pter、及び15q11.2-15にあることを見出した。本発明者
らは、その分子の構造を詳細に特徴づけるために8pア
ンプリコンに焦点を当てて、8p23.1での増幅の共通する
領域から、本発明者らは、蛋白結合分子の特徴である高
く保存されたロイシン縦列反復領域を含んでいるMAS
L1と命名された新規の遺伝子を単離した。
のサンプルからCGHによって染色体8の短腕上におい
て高いレベルの増幅が見られた患者サンプルからの全ゲ
ノムDNAを用いて逆染色体FISHを行い増幅物のバ
ンドを8p23.1に限局させた後、サザンブロット分析によ
り、増幅した領域内のゲノム断片を特定した。次いでサ
ザンブロット分析により、高い増幅コピー数を持つES
T、GEN−024H10をプローブとして、ヒト胎児
脳cDNAライブラリーをスクリーニングし、陽性クロ
ーンを単離し、塩基配列を決定することにより、その配
列が決定されたものである。
される1052アミノ酸をコードするオープンリーディ
ングフレームを有する遺伝子として特定される。
ミノ酸配列の計算された分子量は116890D(11
7kD)である。
配列は、ロイシン−リッチ縦列反復領域を有しており、
またMASL1の反復配列は酵母アデニレート・シクラ
ーゼに生じている遺伝子配列に大変類似しており、更に
MASL1の推定アミノ酸配列は、ALS(Kobe, B., a
nd Deisenhofer, J., Trends Biochem. Sci., 19, 415-
421 (1994))と高い相同性を有していた。
規なMASL1遺伝子のその推定産物の基本構造は、ATP/GTP
結合部位、3つのロイシン−ジッパー・ドメイン、及び
ロイシン−リッチ縦列反復を明らかにし、それら構造の
全てが、細胞の増殖や分化、アポトーシスさらにDNA
合成などにサイクルに関連した蛋白間の相互作用に対し
て重要な構造叉は機能的な構成要素であるので、MASL1
蛋白と結合すると予測できる分子、さらにはMASL1蛋白
の結合によって細胞の増殖や分化、さらに複合蛋白分子
の機能などの生体機能の調節に影響を与えると考えられ
る。
現がMFHに関しては癌遺伝子に属するものであると考え
られる。
胞での細胞の増殖、分化、アポトーシスを調節する作用
により、該作用に関与する疾患、例えば悪性腫瘍などの
病態解明や診断、治療などが可能である。
れらを利用する発現産物に結合する抗体の製造、並びに
抗体を用いる診断に利用できる。
配列のアンチセンス断片、これらの発現産物の利用によ
れば、上記疾患の形成を抑制することもできる。
ーブとして利用でき、該利用により、癌の診断並びに診
断用キットの一部として利用することができる。さらに
腫瘍においてMASL1遺伝子の遺伝子増幅・発現亢進は、
癌の診断ばかりでなく、癌の悪性度の判定にも利用可能
である。
いるMASL1蛋白相互作用物のスクリーニングに利用する
ことも出来る。
子の一例は、ヒト癌細胞起源のものであり、その利用に
よれば、ヒトを含む各種哺乳動物の相同遺伝子も提供で
きる。また、本発明遺伝子の利用によれば、本発明遺伝
子によりコードされるアミノ酸配列のC末端側と結合す
る遺伝子の同定を行うこともできる。
詳述する。
基配列、核酸などの略号による表示は、IUPAC、I
UBの規定、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書
等の作成のためのガイドライン」(特許庁編)及び当該
分野における慣用記号に従うものとする。
2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖及び
アンチセンス鎖といった各1本鎖DNAを包含する趣旨
であり、またその長さに何ら制限されるものではない。
従って、本発明の遺伝子(DNA)には、特に言及しない限
り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNA、及びcDN
Aを含む1本鎖DNA(センス鎖)、並びに該センス鎖
と相補的な配列を有する1本鎖DNA(アンチセンス
鎖)、およびそれらの断片のいずれもが含まれる。
後述する実施例に示されるクローンの有するDNA配列
から演繹されるものを挙げることができる。
中、配列番号:1に示される1052アミノ酸残基から
なる蛋白質をコードする3159ヌクレオチドのオープ
ンリーディングフレーム(配列番号:2に示される塩基
配列を示す)を有する。陽性クローンからcDNA配列
の一方向配列から上記3159bpの単一のオープン・
リーディング・フレームを含む6242bp転写体を確
認した。転写の開始(「コザックのルール」)の為のコン
センサス配列がよく保存されていることから、転写の為
の開始コドンは、ヌクレオチド番号の417−419番
目であることが考えられた。
号:3に示すとおり6345ヌクレオチドである。
ログラム(Nakai, K. and Kanehisa,M.A., Genomics, 1
4,897-911 (1992) )は、アミノ酸配列中央(486-502残
基)において一つの疎水性の領域を示した、しかしなが
ら、疎水性プロット(Kyte, J. and Doolittle, R.F.,
J. Mol. Biol., 157, 105-132 (1982))では疎水性領域
を予測しなかった。1つのATP/GTP結合サイト・
モチーフ「A」([AG]-X(4)-G-K-[ST])が416−423残基で
見出された。ロイシン残基が「ロイシン・ジッパー」と
して知られている構造的なモチーフを形成することが出
来る各7つのアミノ酸として反復していた(Landschulz,
W.H., et al., Science, 240, 1759-1764 (1988))。
ジッパー領域を含んでいるようで(68-89残基、102-123
残基、及び962-983残基)、4つのロイシン残基を持つ各
々は、7つのアミノ酸の繰り返しを持って一定の間隔を
空けていた。
号:1に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコード
する塩基配列を有するMASL1遺伝子を挙げることができ
るが、特にこれに限定されることなく、当該MASL1遺伝
子の相同物も包含される。
発明MASL1遺伝子(又はその遺伝子産物)と配列相同性
を有し、上記構造的特徴並びに遺伝子発現パターンにお
ける共通性、及び上記したようなその生物学的機能の類
似性によりひとつの遺伝子ファミリーと認識される一連
の関連遺伝子を意味し、MASL1遺伝子のアレル体(対立
遺伝子)も当然含まれる。
のアミノ酸配列において、一定の改変を有する蛋白質で
あって、且つ該特定のアミノ酸配列を有するMASL1蛋白
質と同様の活性を有する蛋白質をコードする遺伝子を挙
げることができる。
Genome Net:ゲノム・ネットを使用するFASTAプロ
グラムを使用した測定(Clustal,V., Methods Mol.Bio
l., 25, 307-318 (1994))において、通常、アミノ酸配
列の全体で約45%以上、好ましくは約50%以上であ
ることができる。
復モチーフ領域におけるそれが約35%以上、好ましく
は約45%以上のいずれか少なくとも一つを満たしてい
ることが望ましい。
号:1に示されるアミノ酸配列において1又は数個乃至
複数のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配
列からなる蛋白質をコードする塩基配列を含むDNA分子
もまた包含される。
加」の程度及びそれらの位置などは、改変された蛋白質
が、配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白
質(MASL1蛋白)と同様の機能を有する同効物であれば
特に制限されない。本発明において「MASL1活性」とは
配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質が
有する活性並びに機能を意味し、具体的には、細胞の増
殖、分化、アポトーシスを調節する蛋白質と結合した
り、解離したりすることで、結合蛋白の血中並びに組織
中の濃度や移行を調節したり、活性そのものを調節する
と予想される機能を指す。
天然において、例えば突然変異や翻訳後の修飾などによ
り生じることもあるが、天然由来の遺伝子(例えば本発
明のヒトMASL1又はヒトMASL1遺伝子)に基づいて人為的
に改変することもできる。本発明は、このような改変・
変異の原因及び手段などを問わず、上記特性を有する全
ての改変遺伝子を包含する。本発明の遺伝子(ヒトMASL
1遺伝子)には、配列番号:1で示されるアミノ酸配列
を有する蛋白質をコードする遺伝子の対立遺伝子(アレ
ル体)もまた包含される。
スペシフィック・ミュータゲネシス〔Methods in Enzym
ology, 154, 350, 367-382 (1987);同 100, 468 (198
3);Nucleic Acids Res., 12, 9441 (1984);続生化学
実験講座1「遺伝子研究法II」、日本生化学会編, p105
(1986)〕などの遺伝子工学的手法、リン酸トリエステ
ル法やリン酸アミダイト法などの化学合成手段〔J. Am.
Chem. Soc., 89, 4801(1967);同 91, 3350 (1969);S
cience, 150, 178 (1968);Tetrahedron Lett.,22, 185
9 (1981);同 24, 245 (1983)〕及びそれらの組合せ方
法などが例示できる。より具体的には、DNAの合成
は、ホスホルアミダイト法またはトリエステル法による
化学合成によることもでき、市販されている自動オリゴ
ヌクレオチド合成装置上で行うこともできる。二本鎖断
片は、相補鎖を合成し、適当な条件下で該鎖を共にアニ
ーリングさせるか、または適当なプライマー配列と共に
DNAポリメラーゼを用い相補鎖を付加するかによっ
て、化学合成した一本鎖生成物から得ることもできる。
番号:2に示される塩基配列を有する遺伝子を例示でき
る。この塩基配列中のコーディング領域は、配列番号:
1に示されるアミノ酸配列の各アミノ酸残基を示すコド
ンの一つの組合せ例を示している。本発明の遺伝子は、
かかる特定の塩基配列を有する遺伝子に限らず、各アミ
ノ酸残基に対して任意のコドンを組合せ、選択した塩基
配列を有することも可能である。コドンの選択は、常法
に従うことができ、例えば利用する宿主のコドン使用頻
度などを考慮することができる〔Ncleic Acids Res.,
9, 43 (1981)〕。
配列番号:2に示される塩基配列と一定の相同性を有す
る塩基配列からなるものも包含する。
ノ酸配列を含んでいるポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド又は配列番号:2に示される塩基配列と少な
くとも70%の同一性、好ましくは少なくとも90%の
同一性、より好ましくは少なくとも95%、更に最も好
ましくは少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレ
オチドおよびその相補鎖ポリヌクレオチドを言う。
SDSを含む0.2×SSC中50℃又は0.1%SD
Sを含む1×SSC中60℃のストリンジェントな条件
下で配列番号:2に示される塩基配列中、2361−3
858の塩基配列からなるDNAとハイブリダイズする
塩基配列を有する遺伝子を例示することもできる。
本発明遺伝子の具体例についての配列情報に基づいて、
一般的遺伝子工学的手法により容易に製造・取得するこ
とができる〔Molecular Cloning 2d Ed, Cold Spring H
arbor Lab. Press (1989);続生化学実験講座「遺伝子
研究法I、II、III」、日本生化学会編(1986)など参
照〕。
当な起源より、常法に従ってcDNAライブラリーを調
製し、該ライブラリーから、本発明遺伝子に特有の適当
なプローブや抗体を用いて所望クローンを選択すること
により実施できる〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 7
8, 6613 (1981);Science, 222, 778 (1983)など〕。
本発明の遺伝子を発現する各種の細胞、組織やこれらに
由来する培養細胞などが例示される。また、これらから
の全RNAの分離、mRNAの分離や精製、cDNAの
取得とそのクローニングなどはいずれも常法に従って実
施することができる。また、cDNAライブラリーは市
販されてもおり、本発明においてはそれらcDNAライ
ブラリー、例えばクローンテック社(Clontech Lab.In
c.)などより市販されている各種cDNAライブラリー
などを用いることもできる。
らスクリーニングする方法も、特に制限されず、通常の
方法に従うことができる。
される蛋白質に対して、該蛋白質の特異抗体を使用した
免疫的スクリーニングにより対応するcDNAクローン
を選択する方法、目的のDNA配列に選択的に結合する
プローブを用いたプラークハイブリダイゼーション、コ
ロニーハイブリダイゼーションなどやこれらの組合せな
どを例示できる。
明の遺伝子の塩基配列に関する情報をもとにして化学合
成されたDNAなどが一般的に使用できるが、既に取得
された本発明遺伝子やその断片も良好に利用できる。ま
た、本発明遺伝子の塩基配列情報に基づき設定したセン
ス・プライマー、アンチセンス・プライマーをスクリー
ニング用プローブとして用いることもできる。
ド配列は、配列番号2に対応する部分ヌクレオチド配列
であって、少なくとも15個の連続した塩基、好ましく
は20個の連続した塩基、より好ましくは30個の連続
した塩基、最も好ましくは50個の連続した塩基を有す
るものも含まれる、或いは前記配列を有する陽性クロー
ンそれ自体をプローブとして用いることも出来る。
法〔Science, 230, 1350 (1985)〕によるDNA/RN
A増幅法が好適に利用できる。殊に、ライブラリーから
全長のcDNAが得られ難いような場合には、RACE
法〔Rapid amplification ofcDNA ends;実験医学、12
(6), 35 (1994)〕、特に5'-RACE法〔M.A. Frohma
n, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 8, 8998
(1988)〕などの採用が好適である。
プライマーは、本発明によって明らかにされた本発明の
遺伝子の配列情報に基づいて適宜設定でき、これは常法
に従って合成できる。尚、増幅させたDNA/RNA断
片の単離精製は、前記の通り常法に従うことができ、例
えばゲル電気泳動法などによればよい。
各種DNA断片は、常法、例えばジデオキシ法〔Proc.
Natl. Acad. Sci., USA., 74, 5463 (1977)〕やマキサ
ム−ギルバート法〔Methods in Enzymology, 65, 499
(1980)〕などに従って、また簡便には市販のシークエン
スキットなどを用いて、その塩基配列を決定することが
できる。
よれば、例えば該遺伝子の一部又は全部の塩基配列を利
用することにより、個体もしくは各種組織における本発
明遺伝子の発現の有無を特異的に検出することができ
る。
き、例えばRT−PCR〔Reverse transcribed-Polyme
rase chain reaction; E.S. Kawasaki, et al., Amplif
ication of RNA. In PCR Protocol, A Guide to method
s and applications, AcademicPress,Inc.,SanDiego, 2
1-27 (1991)〕によるRNA増幅やノーザンブロッティ
ング解析〔Molecular Cloning, Cold Spring Harbor La
b. (1989)〕、in situRT−PCR〔Nucl. Acids Re
s., 21, 3159-3166 (1993)〕や in situハイブリダイゼ
ーションなどを利用した細胞レベルでの測定、NASB
A法〔Nucleic acid sequence-based amplification, N
ature, 350, 91-92 (1991)〕及びその他の各種方法を挙
げることができる。好適には、RT−PCRによる検出
法を挙げることができる。
られるプライマーとしては、本発明遺伝子のみを特異的
に増幅できる該遺伝子特有のものである限り、特に制限
はなく、本発明遺伝子の配列情報に基いて適宜設定する
ことができる。通常プライマーとして10〜35程度の
ヌクレオチド、好ましくは15〜30ヌクレオチド程度
の長さを有する本発明遺伝子の部分配列を有するものを
挙げることができる。
にかかるMASL1遺伝子を検出するための特異プライマー
及び/又は特異プローブとして使用されるDNA断片も
また包含される。
る塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズすることを特徴とするDNAとして規
定することできる。ここで、ストリンジェントな条件と
しては、プライマー又はプローブとして用いられる通常
の条件を挙げることができ、特に制限はされないが、例
えば、前述するような0.1%SDSを含む0.2×S
SC中50℃の条件又は0.1%SDSを含む1×SS
C中60℃の条件を例示することができる。
伝子工学的手法を用いることにより、該遺伝子産物(MA
SL1蛋白)又はこれを含む蛋白質を容易に大量に、安定
して製造することができる。
ードされるMASL1蛋白質などの蛋白質を始め、該蛋白質
の製造のための、例えば本発明遺伝子を含有するベクタ
ー、該ベクターによって形質転換された宿主細胞、該宿
主細胞を培養して上記本発明蛋白質を製造する方法など
をも提供するものである。
番号:1に示すアミノ酸配列を有するMASL1蛋白質を挙
げることができるが、本発明蛋白質には、該MASL1蛋白
質のみならず、その相同物も包含される。該相同物とし
ては、上記配列番号:1に示されるアミノ酸配列におい
て、1もしくは数個乃至複数のアミノ酸が欠失、置換又
は付加されたアミノ酸配列を有し、且つ前記MASL1活性
を有する蛋白質を挙げることができる。具体的には、前
記MASL1遺伝子の相同物(アレル体を含むMASL1同等遺伝
子)の遺伝子産物を挙げることができる。
配列番号:1に示されるアミノ酸配列のMASL1蛋白質と
同一活性を有する、哺乳動物、例えばヒト、ウマ、ヒツ
ジ、ウシ、イヌ、サル、ネコ、クマ、ラット、ウサギな
どのげっ歯類動物の蛋白質も包含される。
るMASL1遺伝子の配列情報に基づいて、常法の遺伝子組
換え技術〔例えば、Science, 224, 1431 (1984) ; Bioc
hem.Biophys. Res. Comm., 130, 692 (1985);Proc. Na
tl. Acad. Sci., USA., 80,5990 (1983)など参照〕に従
って調製することができる。
の蛋白をコードする遺伝子が宿主細胞中で発現できる組
換えDNA(発現ベクター)を作成し、これを宿主細胞
に導入して形質転換し、該形質転換体を培養し、次いで
得られる培養物から回収することにより行なわれる。
生物のいずれも用いることができ、例えば原核生物の宿
主としては、大腸菌や枯草菌といった一般的に用いられ
るものが広く挙げられ、好適には大腸菌、とりわけエシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12株に含まれ
るものを例示できる。また、真核生物の宿主細胞には、
脊椎動物、酵母等の細胞が含まれ、前者としては、例え
ばサルの細胞であるCOS細胞〔Cell, 23: 175 (198
1)〕やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞及びそのジヒ
ドロ葉酸レダクターゼ欠損株〔Proc. Natl. Acad. Sc
i., USA., 77: 4216(1980)〕などが、後者としては、サ
ッカロミセス属酵母細胞などが好適に用いられる。勿
論、これらに限定される訳ではない。
細胞中で複製可能なベクターを用いて、このベクター中
に本発明遺伝子が発現できるように該遺伝子の上流にプ
ロモーター及びSD(シャイン・アンド・ダルガーノ)
塩基配列、更に蛋白合成開始に必要な開始コドン(例え
ばATG)を付与した発現プラスミドを好適に利用でき
る。上記ベクターとしては、一般に大腸菌由来のプラス
ミド、例えばpBR322、pBR325、pUC1
2、pUC13などがよく用いられるが、これらに限定
されず既知の各種のベクターを利用することができる。
大腸菌を利用した発現系に利用される上記ベクターの市
販品としては、例えばpGEX−4T(Amersham Pharm
acia Biotech社)、pMAL−C2,pMAl−P2
(New England Biolabs社)、pET21,pET21
/lacq(Invitrogen社)、pBAD/His(Invi
trogen社)等を例示できる。
ターとしては、通常、発現しようとする本発明遺伝子の
上流に位置するプロモーター、RNAのスプライス部
位、ポリアデニル化部位及び転写終了配列を保有するも
のが挙げられ、これは更に必要により複製起点を有して
いてもよい。該発現ベクターの例としては、具体的に
は、例えばSV40の初期プロモーターを保有するpS
V2dhfr〔Mol. Cell. Biol., 1: 854 (1981)〕等が例
示できる。上記以外にも既知の各種の市販ベクターを用
いることができる。動物細胞を利用した発現系に利用さ
れるかかるベクターの市販品としては、例えばpEGF
P−N,pEGFP−C(Clontrech社)、pIND(I
nvitrogen社)、pcDNA3.1/His(Invitroge
n社)などの動物細胞用ベクターや、pFastBac
HT(GibciBRL社)、pAcGHLT(PharMi
ngen社)、pAc5/V5−His,pMT/V5−H
is,pMT/Bip/V5−his(以上Invitrogen
社)などの昆虫細胞用ベクターなどが挙げられる。
クターの具体例としては、例えば酸性ホスフアターゼ遺
伝子に対するプロモーターを有するpAM82〔Proc.
Natl. Acad. Sci., USA., 80: 1 (1983)〕などが例示で
きる。市販の酵母細胞用発現ベクターには、例えばpP
ICZ(Invitrogen社)、pPICZα(Invitrogen
社)なとが包含される。
シェリヒア属菌を宿主とする場合は、例えばトリプトフ
ァン(trp)プロモーター、lppプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、PL/PRプロモーターなどを
好ましく利用できる。宿主がバチルス属菌である場合
は、SP01プロモーター、SP02プロモーター、penPプロモ
ーターなどが好ましい。酵母を宿主とする場合のプロモ
ーターとしては、例えばpH05プロモーター、PGKプロモ
ーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどを好適
に利用できる。また、動物細胞を宿主とする場合の好ま
しいプロモーターとしては、SV40由来のプロモータ
ー、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネイン
プロモーター、ヒートショックプロモーター、サイトメ
ガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどを
例示できる。
は、通常の融合蛋白発現ベクターも好ましく利用でき
る。該ベクターの具体例としては、グルタチオン−S−
トランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白として発現
させるためのpGEX(Promega社)などを例示でき
る。
主細胞への導入法及びこれによる形質転換法としては、
特に限定されず、一般的な各種方法を採用することがで
きる。
養でき、該培養により所望のように設計した遺伝子によ
りコードされる本発明の目的蛋白質が、形質転換体の細
胞内、細胞外又は細胞膜上に発現、生産(蓄積、分泌)
される。
た宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択利
用でき、培養も宿主細胞の生育に適した条件下で実施で
きる。
は、所望により、その物理的性質、化学的性質などを利
用した各種の分離操作〔「生化学データーブックII」、
1175-1259 頁、第1版第1刷、1980年 6月23日株式会社
東京化学同人発行;Biochemistry, 25(25), 8274 (198
6); Eur. J. Biochem., 163, 313 (1987)など参照〕に
より分離、精製できる。
成処理、蛋白沈澱剤による処理(塩析法)、遠心分離、
浸透圧ショック法、超音波破砕、限外濾過、分子篩クロ
マトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロ
マトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)などの各種液体クロマトグラフィー、透析法、これ
らの組合せが例示でき、特に好ましい方法としては、本
発明蛋白質に対する特異的な抗体を結合させたカラムを
利用したアフィニティクロマトグラフィーなどを例示す
ることができる。
子の設計に際しては、配列番号:2に示されるMASL1遺
伝子の塩基配列を良好に利用することができる。該遺伝
子は、所望により、各アミノ酸残基を示すコドンを適宜
選択変更して利用することも可能である。
酸配列において、その一部のアミノ酸残基ないしはアミ
ノ酸配列を置換、欠失、付加などにより改変する場合に
は、例えばサイトスペシフィック・ミュータゲネシスな
どの前記した各種方法により行うことができる。
すアミノ酸配列に従って、一般的な化学合成法により製
造することができる。該方法には、通常の液相法及び固
相法によるペプチド合成法が包含される。
アミノ酸配列情報に基づいて、各アミノ酸を1個ずつ逐
次結合させて鎖を延長させていく所謂ステップワイズエ
ロンゲーション法と、アミノ酸数個からなるフラグメン
トを予め合成し、次いで各フラグメントをカップリング
反応させるフラグメント・コンデンセーション法とを包
含し、本発明蛋白質の合成は、そのいずれによってもよ
い。
常法に従うことができ、例えば、アジド法、混合酸無水
物法、DCC法、活性エステル法、酸化還元法、DPP
A(ジフェニルホスホリルアジド)法、DCC+添加物
(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ
サクシンアミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミドなど)法、ウッドワード法
などを例示できる。
ペプチド縮合反応に使用されることのよく知られている
一般的なものから適宜選択することができる。その例と
しては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、ヘキサホスホロアミ
ド、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸
エチルなど及びこれらの混合溶媒などを挙げることがで
きる。
に関与しないアミノ酸乃至ペプチドにおけるカルボキシ
ル基は、一般にはエステル化により、例えばメチルエス
テル、エチルエステル、第3級ブチルエステルなどの低
級アルキルエステル、例えばベンジルエステル、p−メ
トキシベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステル
などのアラルキルエステルなどとして保護することがで
きる。
えばチロシン残基の水酸基は、アセチル基、ベンジル
基、ベンジルオキシカルボニル基、第3級ブチル基など
で保護されてもよいが、必ずしもかかる保護を行う必要
はない。更に、例えばアルギニン残基のグアニジノ基
は、ニトロ基、トシル基、p−メトキシベンゼンスルホ
ニル基、メチレン−2−スルホニル基、ベンジルオキシ
カルボニル基、イソボルニルオキシカルボニル基、アダ
マンチルオキシカルボニル基などの適当な保護基により
保護することができる。
び最終的に得られる本発明蛋白質におけるこれら保護基
の脱保護反応もまた、慣用される方法、例えば接触還元
法や、液体アンモニア/ナトリウム、フッ化水素、臭化
水素、塩化水素、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、メタ
ンスルホン酸などを用いる方法などに従って実施するこ
とができる。
た各種の方法、例えばイオン交換樹脂、分配クロマトグ
ラフィー、ゲルクロマトグラフィー、向流分配法などの
ペプチド化学の分野で汎用される方法に従って、適宜精
製を行うことができる。
成するための免疫抗原としても好適に利用でき、この抗
原を利用することにより、所望の抗血清(ポリクローナ
ル抗体)及びモノクローナル抗体を取得することができ
る。
されているところであり、本発明においてもこれら常法
に従うことができる〔例えば、続生化学実験講座「免疫
生化学研究法」、日本生化学会編(1986)など参照〕。
白の精製及びその免疫学的手法による測定ないしは識別
などに有利に利用することができる。より具体的には、
本発明遺伝子の増幅および発現亢進が癌細胞において確
認されていることから、該抗体を用いて癌の診断叉は、
癌の悪性度の判定に利用することが出来る。
する癌の治療剤として利用することができる。
体は、これを有効成分とする医薬品として医薬分野にお
いて有用である。従って、本発明は本発明蛋白質を有効
成分とする医薬組成物をも提供するものである。
質には、その医薬的に許容される塩もまた包含される。
かかる塩には、当業界で周知の方法により調製される、
例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、
マグネシウム、バリウム、アンモニウムなどの無毒性ア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩な
どが包含される。更に上記塩には、本発明蛋白質と適当
な有機酸ないし無機酸との反応による無毒性酸付加塩も
包含される。代表的無毒性酸付加塩としては、例えば塩
酸塩、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸
塩、酢酸塩、蓚酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、ラウリ
ン酸塩、硼酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、p−
トルエンスルホン酸塩(トシレート)、クエン酸塩、マ
レイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、スル
ホン酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、アスコルビ
ン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩及びナプシレートなどが
例示される。
分として、その薬学的有効量を、適当な無毒性医薬担体
ないし希釈剤と共に含有するものが含まれる。
医薬担体としては、製剤の使用形態に応じて通常使用さ
れる、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面
活性剤、滑沢剤などの希釈剤或は賦形剤などを例示で
き、これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜
選択使用される。
白製剤などに使用され得る各種の成分、例えば安定化
剤、殺菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整
剤、界面活性剤などを適宜使用して調製される。
ルブミンや通常のL−アミノ酸、糖類、セルロース誘導
体などを例示でき、これらは単独で又は界面活性剤など
と組合せて使用できる。特にこの組合せによれば、有効
成分の安定性をより向上させ得る場合がある。
く例えばグリシン、システィン、グルタミン酸などのい
ずれでもよい。
ルコース、マンノース、ガラクトース、果糖などの単糖
類、マンニトール、イノシトール、キシリトールなどの
糖アルコール、ショ糖、マルトース、乳糖などの二糖
類、デキストラン、ヒドロキシプロピルスターチ、コン
ドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの多糖類など及びそ
れらの誘導体などを使用できる。
ン性及び非イオン性界面活性剤のいずれも使用でき、例
えばポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキル
エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル系、
ソルビタンモノアシルエステル系、脂肪酸グリセリド系
などを使用できる。
く、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースナトリウムなどを使用できる。
約0.0001mg程度以上、好ましくは約0.01〜
10mg程度の範囲とするのが適当である。界面活性剤
の添加量は、有効成分1μg当り約0.00001mg
程度以上、好ましくは約0.0001〜0.01mg程
度の範囲とするのが適当である。ヒト血清アルブミンの
添加量は、有効成分1μg当り約0.0001mg程度
以上、好ましくは約0.001〜0.1mg程度の範囲
とするのが適当である。アミノ酸は、有効成分1μg当
り約0.001〜10mg程度とするのが適当である。
また、セルロース誘導体の添加量は、有効成分1μg当
り約0.00001mg程度以上、好ましくは約0.0
01〜0.1mg程度の範囲とするのが適当である。
は、広範囲から適宜選択されるが、通常約0.0000
1〜70重量%、好ましくは0.0001〜5重量%程
度の範囲とするのが適当である。
例えば緩衝剤、等張化剤、キレート剤などをも添加する
ことができる。ここで緩衝剤としては、ホウ酸、リン
酸、酢酸、クエン酸、ε−アミノカプロン酸、グルタミ
ン酸及び/又はそれらに対応する塩(例えばそれらのナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩などのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩)などを
例示できる。等張化剤としては、例えば塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、糖類、グリセリンなどを例示でき
る。またキレート剤としては、例えばエデト酸ナトリウ
ム、クエン酸などを例示できる。
きる他に、これを凍結乾燥化し保存し得る状態にした
後、用時水、生埋的食塩水などを含む緩衝液などで溶解
して適当な濃度に調製した後に使用することも可能であ
る。
は、各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表
的なものとしては、錠剤、丸剤、散剤、粉末剤、顆粒
剤、カプセル剤などの固体投与形態や、溶液、懸濁剤、
乳剤、シロップ、エリキシルなどの液剤投与形態が含ま
れ、これらは更に投与経路に応じて経口剤、非経口剤、
経鼻剤、経膣剤、坐剤、舌下剤、軟膏剤などに分類さ
れ、それぞれ通常の方法に従い、調合、成形乃至調製す
ることができる。
は、上記製剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリ
ウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カ
オリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウムなど
の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロッ
プ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合
剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプ
ロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウ
ム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カルシウムなどの崩壊剤、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ス
テアリン酸モノグリセリドなどの界面活性剤、白糖、ス
テアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制
剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム
などの吸収促進剤、グリセリン、デンプンなどの保湿
剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイ
ド状ケイ酸などの吸着剤、精製タルク、ステアリン酸
塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコールなどの滑沢剤な
どを使用できる。
錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィ
ルムコーティング錠とすることができ、また二重錠ない
しは多層錠とすることもできる。
体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、
硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤、アラビア
ゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結
合剤、ラミナラン、カンテンなどの崩壊剤などを使用で
きる。
効成分を上記で例示した各種の製剤担体と混合して硬質
ゼラチンカプセル、軟質カプセルなどに充填して調整さ
れる。
活性希釈剤、例えば水、を含む医薬的に許容される溶
液、エマルジョン、懸濁液、シロップ、エリキシルなど
を包含し、更に湿潤剤、乳剤、懸濁剤などの助剤を含ま
せることができ、これらは常法に従い調製される。
水性乃至非水性溶液、エマルジョン、懸濁液などへの調
製に際しては、希釈剤として例えば水、エチルアルコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イ
ソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル及びオリーブ油などの植物油などを使
用でき、また注入可能な有機エステル類、例えばオレイ
ン酸エチルなどを配合できる。これらには更に通常の溶
解補助剤、緩衝剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、
分散剤などを添加することもできる。 滅菌は、例えば
バクテリア保留フィルターを通過させる濾過操作、殺菌
剤の配合、照射処理及び加熱処理などにより実施でき
る。また、これらは使用直前に滅菌水や適当な滅菌可能
媒体に溶解することのできる滅菌固体組成物形態に調製
することもできる。
しては、製剤担体として、例えばポリエチレングリコー
ル、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエス
テル類、ゼラチン及び半合成グリセライドなどを使用で
きる。
形態に成形するに際しては、希釈剤として、例えば白色
ワセリン、パラフイン、グリセリン、セルロース誘導
体、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
シリコン、ベントナイト及びオリーブ油などの植物油な
どを使用できる。
賦形剤を用いて、常法に従い調製することができる。
剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などや他の医薬品な
どを含有させることもできる。
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度などに応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、
液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与
され、注射剤は単独で又はブドウ糖やアミノ酸などの通
常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単
独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤
は直腸内投与され、経膣剤は膣内投与され、経鼻剤は鼻
腔内投与され、舌下剤は口腔内投与され、軟膏剤は経皮
的に局所投与される。
の量及びその投与量は、特に限定されず、所望の治療効
果、投与法、治療期間、患者の年齢、性別その他の条件
などに応じて広範囲より適宜選択される。一般的には、
該投与量は、通常、1日当り体重1kg当り、約0.0
1μg〜10mg程度、好ましくは約0.1μg〜1m
g程度とするのがよく、該製剤は1日に1〜数回に分け
て投与することができる。
現する細胞において、細胞内のmRNAに対して相補的
配列を持つRNAを作り出し、翻訳を阻害し、MASL
1遺伝子の発現を抑制するためのアンチセンス医薬の提
供による癌の遺伝子治療法を提供する。該治療法は、例
えばMASL1遺伝子を有する癌細胞本来のmRNAと結合
させるか、或いはDNA二重螺旋の間に入り込み三重鎖
を形成させることによって、転写或いは翻訳の過程を阻
害することによって、標的とする遺伝子の発現を抑制す
る方法である。そのためには遺伝子のmRNAと相補的
なアンチセンス・オリゴヌクレオチドを製造し、該アン
チセンス・オリゴヌクレオチドを標的細胞に供給する方
法としてとらえることができる。かかるMASL1遺伝子の
発現機能を抑制する作用を供給すれば、受容細胞/標的
細胞における新生物の増殖を抑制することができる。当
該アンチセンス・オリゴヌクレオチドを含有するベクタ
ーまたはプラスミドを用いて染色体外に維持し、目的の
細胞に導入することができる。
用いた癌遺伝子治療によれば、レトロウイルス、アデノ
ウイルス、AAV由来のベクターに該アンチセンス・オ
リゴヌクレオチドを組み込み、これを癌細胞に感染させ
てアンチセンス・オリゴヌクレオチドを過剰発現させる
ことにより、所望の抗腫瘍効果を得ることが出来る。
ンチセンス・オリゴヌクレオチドを導入してMASL1蛋白
の発現を抑制させる場合、当該アンチセンス・オリゴヌ
クレオチドは対応するMASL1遺伝子の全長に対応するも
のである必要はなく、例えば該MASL1遺伝子の発現
機能を抑制する機能と実質的に同質な機能を保持する限
りにおいて、前記した改変体であっても、また特定の機
能を保持した一部配列からなる遺伝子を使用することも
できる。
めの所望遺伝子の導入のためのベクターは、当該分野に
おいて既に知られており、本発明ではかかる既知のベク
ターのいずれもが使用できる。例えば、発現制御エレメ
ントに連結したMASL1 のアンチセンス・オリゴヌクレオ
チドのコピーを含み、かつ目的の細胞内で当該アンチセ
ンス・オリゴヌクレオチド産物を発現できるウイルスベ
クターまたはプラスミドベクターを挙げることができ
る。かかるベクターとして、通常前述する発現用ベクタ
ーを利用することもできるが、好適には、例えば起源ベ
クターとして、米国特許第5252479号明細書及び
PCT国際公開WO93/07282号明細書に開示さ
れたベクター(pWP−7A、pWP−19、pWU−
1、pWP−8A、pWP−21及び/又はpRSVL
など)又はpRC/CMV(Invitrogen社製)などを用
いて、調製されたベクターを挙げることができる。より
好ましくは、後述する各種ウイルス・ベクターである。
ベクターに使用されるプロモーターとしては、各種疾患
の治療対象となる患部組織に固有のものを好適に利用す
ることができる。
ては、アルブミン、α−フェトプロティン、α1−アン
チトリプシン、トランスフェリン、トランススチレンな
どを例示できる。結腸に対しては、カルボン酸アンヒド
ラーゼI、カルシノエンブロゲンの抗原などを例示でき
る。子宮及び胎盤に対しては、エストロゲン、アロマタ
ーゼ、サイトチトクロームP450、コレステロール側
鎖切断P450、17アルファーヒドロキシラーゼP4
50などを例示できる。
−フォックス遺伝子、前立腺特異的カリクレインなどを
例示できる。乳房に対しては、erb−B2、erb−
B3、β−カゼイン、β−ラクトグロビン、乳漿蛋白質
などを例示できる。肺に対しては、活性剤蛋白質Cウロ
グロブリンなどを例示できる。皮膚に対しては、K−1
4−ケラチン、ヒトケラチン1又は6、ロイクリンなど
を例示できる。
成熟アストロサイト特異蛋白質、ミエリン、チロシンヒ
ドロキシラーゼ膵臓ヴィリン、グルカゴン、ランゲルハ
ンス島アミロイドポリペプチドなどを例示できる。甲状
腺に対しては、チログロブリン、カルシトニンなどを例
示できる。骨に対しては、α1コラーゲン、オステオカ
ルシン、骨シアログリコプロティンなどを例示できる。
腎臓に対してはレニン、肝臓/骨/腎臓アルカリ性ホス
フォターゼ、エリスロポエチンなどを、膵臓に対して
は、アミラーゼ、PAP1などを例示できる。
入用ベクターの製造において、導入されるアンチセンス
・オリゴヌクレオチド(MASL1遺伝子配列に対応す
る相補配列全部又は一部)は、本発明のMASL1遺伝子の
塩基配列情報に基づいて、前記の如く、一般的遺伝子工
学的手法により容易に製造・取得することができる。
導入用ベクターの細胞への導入は、例えばエレクトロポ
レーション、リン酸カルシウム共沈法、ウイルス形質導
入などを始めとする、細胞にDNAを導入する当該分野
において既に知られている各種の方法に従って行うこと
ができる。なお、MASL1 でアンチセンス・オリゴヌクレ
オチドで形質転換された細胞は、それ自体単離状態で癌
の抑制ないしは癌転移の抑制のための医薬や、治療研究
のためのモデル系として利用することも可能である。
ス・オリゴヌクレオチド導入用ベクターは、患者の腫瘍
部位に局所的にまたは全身的に注射投与することにより
患者の腫瘍細胞内に導入することができる。この際全身
的投与によれば、他の部位に転移し得るいずれの腫瘍細
胞にも到達させることができる。形質導入された遺伝子
が各標的腫瘍細胞の染色体内に恒久的に取り込まれない
場合には、該投与を定期的に繰り返すことによって達成
できる。
チセンス・オリゴヌクレオチド導入用の材料(アンチセ
ンス・オリゴヌクレオチド導入用ベクター)を直接体内
に投与するインビボ(in vivo)法と、患者の体内より
一旦標的とする細胞を取り出して体外で遺伝子を導入し
て、その後、該細胞を体内に戻すエクスビボ(ex viv
o)法の両方の方法を包含する。
オチドを直接細胞内に導入し、RNA鎖を切断する活性
分子であるリボザイムによる遺伝子治療も可能である。
アンチセンス・オリゴヌクレオチド全部もしくはその断
片を含有する遺伝子導入用ベクター及び該ベクターによ
りヒトMASL1 がアンチセンス・オリゴヌクレオチド導入
された細胞を有効成分とする本発明の遺伝子治療剤は、
特に癌をその利用対象とするものであるが、上記の遺伝
子治療(処置)は、癌以外にも遺伝性疾患、AIDSの
ようなウイルス疾患の治療、並びに遺伝子標識をも目的
として行うことができる。
を導入する標的細胞は、遺伝子治療(処置)の対象によ
り適宜選択することができる。例えば、標的細胞とし
て、癌細胞や腫瘍組織以外に、リンパ球、線維芽細胞、
肝細胞、造血幹細胞、如き細胞などを挙げることができ
る。
リゴヌクレオチド導入方法には、ウイルス的導入方法及
び非ウイルス的導入方法が含まれる。
SL1 がアンチセンス・オリゴヌクレオチドが正常細胞に
発現する外来の物質であることに鑑みて、ベクターとし
てレトロウイルスベクターを用いる方法を挙げることが
できる。その他のウイルスベクターとしては、アデノウ
イルスベクター、HIV(human immunodeficiency vir
us)ベクター、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV,
adeno-associated virus)、ヘルペスウイルスベクタ
ー、単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクター及びエプ
スタイン−バーウイルス(EBV,Epstein-Barr viru
s)ベクターなどがあげられる。
リン酸カルシウム共沈法;DNAを封入したリポソーム
と予め紫外線で遺伝子を破壊した不活性化センダイウイ
ルスを融合させて膜融合リポソームを作成し、細胞膜と
直接融合させてDNAを細胞内に導入する膜融合リポソ
ーム法〔Kato,K.,et al.,J.Biol.Chem.,266,22071-2207
4 (1991)〕;プラスミドDNAを金でコートして高圧放
電によって物理的に細胞内にDNAを導入する方法〔Ya
ng,N.S. et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,87,9568-9572 (1
990)〕;プラスミドDNAを直接インビボで臓器や腫瘍
に注入するネイキッド(naked)DNA法〔Wolff,J.A.,
et al.,Science,247,1465-1467 (1990)〕;多重膜正電
荷リポソームに包埋した遺伝子を細胞に導入するカチオ
ニック・リポソーム法〔八木国夫, 医学のあゆみ, Vol.
175,No.9,635-637 (1995)〕;特定細胞のみに遺伝子を
導入し、他の細胞に入らないようにするために、目的と
する細胞に発現するレセプターに結合するリガンドをD
NAと結合させてそれを投与するリガンド−DNA複合
体法〔Frindeis,et al.,Trends Biotechnol.,11,202 (1
993); Miller,et al.,FASEB J.,9,190 (1995)〕などを
使用することができる。
ば肝細胞が発現するアシアロ糖蛋白レセプターをターゲ
ットとしてアシアロ糖蛋白をリガンドとして用いる方法
〔Wu, et al.,J.Biol.Chem.,266,14338 (1991); Ferko
l,et al.,FASEB J.,7,1081-1091 (1993)〕や、腫瘍細胞
が強く発現しているトランスフェリン・レセプターを標
的としてトランスフェリンをリガンドとして用いる方法
〔Wagner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA.,87,3410
(1990)〕などが含まれる。
上記の如き各種の生物学的及び物理学的な遺伝子導入法
を適宜組合せたものであってもよい。該組合せによる方
法としては、例えばあるサイズのプラスミドDNAをア
デノウイルス・ヘキソン蛋白質に特異的なポリリジン抱
合抗体と組合わせる方法を例示できる。該方法によれ
ば、得られる複合体がアデノウイルスベクターに結合
し、かくして得られる三分子複合体を細胞に感染させる
ことにより本発明アンチセンス・オリゴヌクレオチドの
導入を行い得る。この方法では、アデノアイルスベクタ
ーにカップリングしたDNAが損傷される前に、効率的
な結合、内在化及びエンドソーム分解が可能となる。ま
た、前記リポソーム/DNA複合体は、直接インビボに
て遺伝子導入を媒介できる。
リゴヌクレオチド導入用ウイルスベクターの作成法並び
に標的細胞又は標的組織へのアンチセンス・オリゴヌク
レオチド導入法について述べる。
イルスベクターとヘルパー細胞(パッケージング細胞)
からなっている。ここでヘルパー細胞は、レトロウイル
スの構造蛋白質gag(ウイルス粒子内の構造蛋白
質)、pol(逆転写酵素)、env(外被蛋白質)な
どの遺伝子を予め発現しているが、ウイルス粒子を生成
していない細胞を言う。一方、ウイルスベクターは、パ
ッケージングシグナルやLTR(long terminal repeat
s)を有しているが、ウイルス複製に必要なgag、po
l、envなどの構造遺伝子を持っていない。パッケー
ジングシグナルはウイルス粒子のアセンブリーの際にタ
グとなる配列で、選択遺伝子(neo,hyg)とクロ
ーニングサイトに組込まれた所望の導入アンチセンス・
オリゴヌクレオチド(MASL1 に対応する全アンチセンス
・オリゴヌクレオチドまたはその断片)がウイルス遺伝
子の代りに挿入される。ここで高力価のウイルス粒子を
得るにはインサートを可能な限り短くし、パッケージン
グシグナルをgag遺伝子の一部を含め広くとること
と、gag遺伝子のATGを残さぬようにすることが重
要である。
レオチド組み込んだベクターDNAをヘルパー細胞に移
入することによって、ヘルパー細胞が作っているウイル
ス構造蛋白質によりベクターゲノムRNAがパッケージ
されてウイルス粒子が形成され、分泌される。組換えウ
イルスとしてのウイルス粒子は、標的細胞に感染した
後、ウイルスゲノムRNAから逆転写されたDNAが細
胞核に組み込まれ、ベクター内に挿入されたアンチセン
ス遺伝子が発現する。
として、フイブロネクチンの細胞接着ドメインとヘパリ
ン結合部位と接合セグメントとを含む断片を用いる方法
〔Hanenberg,H.,et al.,Exp.Hemat.,23,747 (1995)〕を
採用することもできる。
テムにおいて用いられるベクターとしては、例えばマウ
スの白血病ウイルスを起源とするレトロウイルス〔McLa
chlin, J.R., et al., Proc. Natl. Acad. Res. Molec.
Biol., 38, 91-135 (1990)〕を例示することができ
る。
つき詳述すれば、該アデノウイルスベクターの作成は、
バークネル〔Berkner,K.L.,Curr.Topics Microbiol.Imm
unol., 158,39-66 (1992)〕、瀬戸口康弘ら〔Setoguch
i,Y.,et al., Blood, 84,2946-2953 (1994)〕、鐘カ江
裕美ら〔実験医学, 12,28-34 (1994)〕及びケナーら〔K
etner,G.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA., 91,6186-
6190 (1994)〕の方法に準じて行うことができる。
を作成するには、まずアデノウイルスの初期遺伝子のE
1及び/又はE3遺伝子領域を除去する。次に、目的と
する所望の外来遺伝子発現単位(目的とする導入アンチ
センス・オリゴヌクレオチド、即ち本発明MASL1 、アン
チセンス・オリゴヌクレオチドそのアンチセンス・オリ
ゴヌクレオチドを転写するためのプロモーター、転写さ
れた遺伝子の安定性を賦与するポリAから構成)及びア
デノウイルスゲノムDNAの一部を含むプラスミドベク
ターと、アデノウイルスゲノムを含むプラスミドとを、
例えば293細胞に同時にトランスフェクションする。
この2者間で相同性組換えを起こさせて、遺伝子発現単
位とE1とを置換することにより、所望のMASL1 アンチ
センス・オリゴヌクレオチドを包含する本発明遺伝子治
療用ベクターである非増殖性アデノウイルスベクターを
作成することができる。また、コスミドベクターにアデ
ノウイルスゲノムDNAを組み込んで、末端蛋白質を付
加した3’側アデノウイルスベクターを作成することも
できる。更に組換えアデノウイルスベクターの作成に
は、YACベクターも利用可能である。
製造につき概略すると、AAVはアデノウイルスの培養
系に混入してくる小型のウイルスとして発見された。こ
れには、ウイルス複製にヘルパーウイルスを必要とせず
宿主細胞内で自律的に増殖するパルボウイルス属と、ヘ
ルパーウイルスを必要とするディペンドウイルス属の存
在が確認されている。該AAVは宿主域が広く、種々の
細胞に感染するありふれたウイルスであり、ウイルスゲ
ノムは大きさが4680塩基の線状一本鎖DNAからな
り、その両端の145塩基がITR(inverted terminal
repeat)と呼ばれる特徴的な配列を持って存在してい
る。このITRの部分が複製開始点となり、プライマー
の役割をなす。更にウイルス粒子へのパッケージングや
宿主細胞の染色体DNAへの組込みにも、該ITRが必
須となる。また、ウイルス蛋白質に関しては、ゲノムの
左半分が非構造蛋白質、即ち複製や転写をつかさどる調
節蛋白質のRepをコードしている。
NAに組み込まれる性質を利用して行うことができ、か
くして所望の遺伝子導入用ベクターが作成できる。この
方法は、より詳しくは、まず野生型AAVの5'と3'の
両端のITRを残し、その間に所望の導入用アンチセン
ス・オリゴヌクレオチド(MASL1 アンチセンス・オリゴ
ヌクレオチド)を挿入したプラスミド(AAVベクター
プラスミド)を作成する。一方、ウイルス複製やウイル
ス粒子の形成に必要とされるウイルス蛋白質は、別のヘ
ルパープラスミドにより供給させる。この両者の間には
共通の塩基配列が存在しないようにし、遺伝子組換えに
よる野生型ウイルスが出現しないようにする必要があ
る。その後、両者のプラスミドを例えば293細胞への
トランスフェクションにより導入し、さらにヘルパーウ
イルスとしてアデノウイルス(293細胞を用いる場合
は非増殖型のものでもよい)を感染させると、非増殖性
の所望の組換えAAVが産生される。続いて、この組換
えAAVは核内に存在するので、細胞を凍結融解して回
収し、混入するアデノウイルスを56℃加熱により失活
させる。更に必要に応じて塩化セシウムを用いる超遠心
法により組換えAAVを分離濃縮する。上記のようにし
て所望の遺伝子導入用の組換えAAVを得ることができ
る。
方法に準じて行うことができる〔清水則夫、高田賢蔵、
細胞工学, 14(3), 280-287 (1995)〕。
ド導入用EBVベクターの製造につき概略すると、EB
ウイルス(Epstein-Barr virus: EBV)は、1964年にエ
プスタイン(Epstein)らによりバーキット(Burkitt)リ
ンパ腫由来の培養細胞より分離されたヘルペス科に属す
るウイルスである〔Kieff, E. and Liebowitz, D.: Vir
ology, 2nd ed. Raven Press, New York, 1990, pp.188
9-1920〕。該EBVには細胞をトランスフォームする活
性があるので、遺伝子導入用ベクターとするためには、
このトランスフォーム活性を欠いたウイルスを調製しな
ければならない。これは次の如くして実施できる。
標的DNA近傍のEBVゲノムをクローニングする。そ
こに外来遺伝子のDNA断片と薬剤耐性遺伝子を組込
み、組換えウイルス作製用ベクターとする。次いで適当
な制限酵素により切り出された組換えウイルス作製用ベ
クターをEBV陽性Akata細胞にトランスフェクト
する。相同組換えにより生じた組換えウイルスは抗表面
免疫グロブリン処理によるウイルス産生刺激により野生
型AkataEBVとともに回収できる。これをEBV
陰性Akata細胞に感染し、薬剤存在下で耐性株を選
択することにより、野生型EBVが共存しない所望の組
換えウイルスのみが感染したAkata細胞を得ること
ができる。さらに組換えウイルス感染Akata細胞に
ウイルス活性を誘導することにより、目的とする大量の
組換えウイルスベクターを産生することができる。
所望のアンチセンス・オリゴヌクレオチドを標的細胞に
導入する、非ウイルスベクターの製造は、例えば膜融合
リポソームによる遺伝子導入法により実施することがで
きる。これは膜リポソーム(脂質二重膜からなる小胞)
に細胞膜への融合活性をもたせることにより、リポソー
ムの内容物を直接細胞内に導入する方法である。
・オリゴヌクレオチドの導入は、例えば中西らの方法に
よって行うことができる〔Nakanishi,M.,et al.,Exp.Ce
ll Res.,159,399-499 (1985); Nakanishi,M.,et al.,Ge
ne introduction into animal tissues.In Trends and
Future Perspectives in Peptide and Protein DrugDel
ivery (ed. by Lee, V.H. et al.)., Harwood Academic
Publishers Gmbh. Amsterdam, 1995, pp.337-349〕。
ンス・オリゴヌクレオチドの導入法につき概略する。即
ち、紫外線で遺伝子を不活性化したセンダイウイルスと
所望のアンチセンス・オリゴヌクレオチドや発現蛋白質
などの高分子物質を封入したリポソームを37℃で融合
させる。この膜融合リポソームは、内側にリポソーム由
来の空洞を、外側にウイルス・エンベロープと同じスパ
イクがある疑似ウイルスともよばれる構造を有してい
る。更にショ糖密度勾配遠心法で精製後、標的とする培
養細胞又は組織細胞に対して膜融合リポソームを4℃で
吸着させる。次いで37℃にするとリポソームの内容物
が細胞に導入され、所望のアンチセンス・オリゴヌクレ
オチドを標的細胞に導入できる。ここでリポソームとし
て用いられる脂質としては、50%(モル比)コレステ
ロールとレシチン及び陰電荷をもつ合成リン脂質で、直
径300nmの1枚膜リポソームを作製して使用するの
が好ましい。
ス・オリゴヌクレオチドを標的細胞に導入する方法とし
ては、カチオニック・リポソームによるアンチセンス・
オリゴヌクレオチド導入法を挙げることができる。該方
法は、八木らの方法に準じて実施できる〔Yagi,K.,et a
l.,B.B.R.C.,196,1042-1048 (1993)〕。この方法は、プ
ラスミドも細胞も負に荷電していることに着目して、リ
ポソーム膜の内外両面に正の電荷を与え、静電気により
プラスミドの取り込みを増加させ、細胞との相互作用を
高めようとするものである。ここで用いられるリポソー
ムは正荷電を有する多重膜の大きなリポソーム(multil
amellar large vesicles: MLV)が有用であるが、大
きな1枚膜リポソーム(large unilamellar vesicles:
LUV)や小さな1枚膜リポソーム(small unilamella
r vesicles: SUV)を使用してプラスミドとの複合体
を作製し、所望のアンチセンス・オリゴヌクレオチドを
導入することも可能である。
法について概略すると、これはまず脂質TMAG(N-
(α-trimethylammonioacetyl)-didodecyl-D-glutamate
chloride)、DLPC(dilauroyl phosphatidylcholin
e)及びDOPE(dioleoyl phosphatidylethanolamin
e)をモル比が1:2:2となる割合で含むクロロホル
ム溶液(脂質濃度として1mM)を調製する。次いで総
量1μmolの脂質をスピッツ型試験管に入れ、ロータリ
ーエバポレーターでクロロホルムを減圧除去して脂質薄
膜を調製する。更に減圧下にクロロホルムを完全に除去
し、乾燥させる。次いで20μgの遺伝子導入用プラス
ミドを含む0.5mlのダルベッコのリン酸緩衝生理食塩
液−Mg,Ca含有を添加し、窒素ガス置換後、2分間
ボルテックスミキサーにより攪袢して、所望のアンチセ
ンス・オリゴヌクレオチドを含有するプラスミド包埋カ
チオニックMLV懸濁液を得ることができる。
クMLVを遺伝子治療剤として使用する一例としては、
例えば発現目的アンチセンス・オリゴヌクレオチドを組
み込んだ発現プラスミドを上記カチオニックMLVにD
NA量として0.6μg、リポソーム脂質量として30n
molになるように包埋し、これを2μlのリン酸緩衝生理
食塩液に懸濁させて患者より抽出した標的細胞または患
者組織に対して隔日投与する方法が例示できる。
目的として、遺伝子または遺伝子を導入した細胞をヒト
の体内に投与すること」と厚生省ガイドラインに定義さ
れている。しかしながら、本発明における遺伝子治療と
は、該ガイドラインの定義に加えて、前記した標的細胞
にMASL1 アンチセンス・オリゴヌクレオチドの癌抑制ア
ンチセンスDNAとして特徴付けられるアンチセンス・
オリゴヌクレオチドを導入することによって癌を始めと
する各種疾患の治療のみならず、更に標識となる遺伝子
または標識となる遺伝子を導入した細胞をヒト体内に導
入することも含むものとする。
の標的細胞または標的組織への導入方法には、代表的に
は2種類の方法が含まれる。
的細胞を採取した後、該細胞を体外で例えばインターロ
イキン−2(IL−2)などの添加の下で培養し、レトロ
ウイルスベクターに含まれる目的とするMASL1 をアンチ
センス・オリゴヌクレオチド導入した後、得られる細胞
を再移植する手法(ex vivo法)である。該方法はADA
欠損症を始め、欠陥遺伝子によって発生する遺伝子病や
癌、AIDSなどの治療に好適である。
レオチド(MASL1 アンチセンス・オリゴヌクレオチド)
を直接患者の体内や腫瘍組織などの標的部位に注入する
遺伝子直接導入法(直接法)である。
は、例えば次のようにして実施される。即ち、患者から
採取した単核細胞を血液分離装置を用いて単球から分取
し、分取細胞をIL−2の存在下にAIM−V培地など
の適当な培地で72時間程度培養し、導入すべきアンチ
センス・オリゴヌクレオチド(MASL1 アンチセンス・オ
リゴヌクレオチド)を含有するベクターを加える。アン
チセンス・オリゴヌクレオチドの導入効率をあげるため
に、プロタミン存在下に32℃で1時間、2500回転にて
遠心分離した後、37℃で10%炭酸ガス条件下で24
時間培養してもよい。この操作を数回繰り返した後、更
にIL−2存在下にAIM−V培地などで48時間培養
し、細胞を生理食塩水で洗浄し、生細胞数を算定し、ア
ンチセンス・オリゴヌクレオチド導入効率を前記in sit
u PCRや、例えば所望の対象が酵素活性であればその
活性の程度を測定することにより、目的アンチセンス・
オリゴヌクレオチド導入効果を確認する。
コプラズマの感染の有無、エンドトキシンの検索などの
安全度のチェックを行い、安全性を確認した後、予測さ
れる効果用量のアンチセンス・オリゴヌクレオチド(MA
SL1 アンチセンス・オリゴヌクレオチド)が導入された
培養細胞を患者に点滴静注により戻す。かかる方法を例
えば数週間から数カ月間隔で繰り返することにより遺伝
子治療が施される。
する標的細胞により適宜選択される。通常、ウイルス価
として、例えば標的細胞1×108細胞に対して1×1
03cfuから1×108cfuの範囲となる投与量を採
用することが好ましい。
ス・オリゴヌクレオチド(MASL1 アンチセンス・オリゴ
ヌクレオチド)を含有するレトロウイルスベクターを含
有するウイルス産生細胞と例えば患者の細胞とを共培養
して、目的とする細胞へアンチセンス・オリゴヌクレオ
チド(MASL1 アンチセンス・オリゴヌクレオチド)を導
入する方法を採用することもできる。
たっては、特に体外における予備実験によって、遺伝子
導入法によって、実際に目的アンチセンス・オリゴヌク
レオチド(MASL1 アンチセンス・オリゴヌクレオチド)
が導入されるか否かを、予めベクター遺伝子cDNAの
PCR法による検索やin situPCR法によって確認す
るか、或いは目的アンチセンス・オリゴヌクレオチド
(MASL1 アンチセンス・オリゴヌクレオチド)の導入に
基づく所望の治療効果である特異的活性の上昇や標的細
胞の増殖増加や増殖抑制などを確認することが望まし
い。また、ウイルスベクターを用いる場合は、増殖性レ
トロウイルスなどの検索をPCR法で行うか、逆転写酵
素活性を測定するか、或は膜蛋白(env)遺伝子をPCR
法でモニターするなどにより、遺伝子治療に際してアン
チセンス・オリゴヌクレオチド導入による安全性を確認
することが重要であることはいうまでもない。
性腫瘍を対象とする場合は、患者から癌細胞を採取後、
酵素処理などを施して培養細胞を樹立した後、例えばレ
トロウイルスにて所望のアンチセンス・オリゴヌクレオ
チドを標的とする癌細胞に導入し、G418細胞にてス
クリーニングした後、IL−12などの発現量を測定(i
n vivo測定)し、次いで放射線処理を施行し、患者腫瘍
内または傍腫瘍に接種する癌治療法を一例として挙げる
ことができる。
リゴヌクレオチド導入用ベクター又は目的アンチセンス
・オリゴヌクレオチド(MASL1 なアンチセンス・オリゴ
ヌクレオチドど)が導入された細胞を活性成分とし、そ
れを薬学的有効量、適当な無毒性医薬担体ないしは希釈
剤と共に含有する医薬組成物又は医薬製剤(遺伝子治療
剤)を提供する。
きる医薬担体としては、製剤の使用形態に応じて通常使
用される、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、
表面活性剤、滑沢剤などの希釈剤ないし賦形剤などを例
示でき、これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて
適宜選択使用できる。
前記したMASL1蛋白質抗体製剤の製剤例を同様に挙げる
ことができ、治療目的に応じて各種の形態から適宜選択
することができる。
クレオチド導入用ベクターを含む医薬製剤は、該ベクタ
ーをリポソームに包埋された形態あるいは所望のアンチ
センス・オリゴヌクレオチドが包含されるレトロウイル
スベクターを含むウイルスによって感染された培養細胞
の形態に調製される。
7.4)、リンゲル液、細胞内組成液用注射剤中に配合
した形態などに調製することもでき、またプロタミンな
どの遺伝子導入効率を高める物質と共に投与されるよう
な形態に調製することもできる。
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度などに応じて決定される。
の量及びその投与量は、特に限定されず、所望の治療効
果、投与法、治療期間、患者の年齢、性別その他の条件
などに応じて広範囲より適宜選択される。
ンス・オリゴヌクレオチド含有レトロウイルスベクター
の投与量は、1日当り体重1kg当り、例えばレトロウ
イルスの力価として約1×103pfuから1×1015
pfu程度とするのがよい。
クレオチドが導入された細胞の場合は、1×104細胞
/bodyから1×1015細胞/body程度の範囲から選ばれ
るのが適当である。
することもでき、1から数週間間隔で間欠的に投与する
こともできる。尚、好ましくは、プロタミンなど遺伝子
導入効率を高める物質又はこれを含む製剤と併用投与す
ることができる。
する場合は、前記した種々の遺伝子治療を適宜組合わせ
て行う(結合遺伝子治療)こともでき、前記した遺伝子
治療に、従来の癌化学療法、放射線療法、免疫療法など
を組合わせて行うこともできる。さらに本発明遺伝子治
療は、その安全性を含めて、NIHのガイドラインを参
考にして実施することができる〔Recombinant DNA Advi
sory Committee, Human Gene Therapy, 4, 365-389 (19
93)〕。
SL1遺伝子の存在を検出するために、血液又は血清のご
とき生物学的試料を調製し、所望により核酸を抽出し、
MASL1の感受性遺伝子が存在する否かについて分析する
ことが可能である。また、本発明によれば細胞叉は組織
における新生物、悪性の前駆障害への進行、または予後
指標としての存在を検出するためには、障害を有する生
物学的な試料を調製し、MASL1の新生物遺伝子が存在す
るか否かについて分析できる。この方法を用いることに
より細胞又は組織における新生物、悪性の前駆障害への
進行、または予後指標としての存在を検出することが可
能となり、これらの診断、例えば癌の診断並びに癌治療
効果の判定並びに予後の予測が可能となる。
患者サンプルから得られたMASL1遺伝子に関する情報を
基に、該DNA断片を作成し、MASL1遺伝子のスク
リーニング及び/又はその増幅に用いられるように設計
される。より具体的には、例えばプラークハイブリダイ
ゼーション、コロニーハイブリダイゼーション、サザン
ブロット法、ノーザンブロット法などにおけるプローブ
としての性質を有するもの、核酸配列をポリメラーゼで
増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、増幅
したMASL1の全部叉は一部のDNA断片を得ること
ができるためのプローブとしての性質を有するものを作
成できる。そのためにはまずMASL1と同じ配列を持
つプライマーを作成し、スクリーニング用プローブとし
て用い、生物学的試料(核酸試料)と反応させることに
より、当該MASL1配列を有する遺伝子の存在を確認する
ことができる。該核酸試料は、標的配列の検出を容易に
する種々の方法、例えば変性、制限消化、電気泳動又は
ドットブロッティングで調製してもよい。
CR法を用いるのが感度の点から好ましく、該方法は、
MASL1断片をプライマーとして用いる方法であればとく
に制限されず、従来公知の方法(Science, 230, 1350-13
54(1985))や新たに開発された、或いは将来使用される
PCR変法(榊佳之、ほか編、羊土社、実験医学、増刊,
8(9)(1990); 蛋白質・核酸・酵素、臨時増刊、共立出版
(株), 35(17)(1990))のいずれも利用することが可能で
ある。
は、化学合成したオリゴDNAであり、これらオリゴD
NAの合成は自動DNA合成装置など、例えばDNA合
成装置(PharmaciaLKB Gene Assembler Plus:ファルマシ
ア社製)を使用して合成することができる。合成される
プライマー(センスプライマー又はアンチセンスプライ
マー)の長さは約10〜30ヌクレオチド程度が好まし
く例示できる。上記スクリーニングに用いられるプロー
ブは、通常は標識したプローブを用いるが、非標識であ
ってもよく、直接的又は間接的に標識したリガンドとの
特異的結合によって検出してもよい。適当な標識、並び
にプローブ及びリガンドを標識する方法は、本発明の技
術分野で知られており、ニック・トランスレーション、
ランダム・プライミング又はキナーゼ処理のような、既
知の方法によって取り込ませることができる放射性標
識、ビオチン、蛍光性基、化学発光基、酵素、抗体など
がこれらの技術に包含される。
えばRT−PCR法が例示されるが、当該分野で用いら
れる種々の変法を適応することができる。
1遺伝子の検出のための試薬キットを利用することによ
って、簡便に実施することができる。
することを特徴とするMASL1の検出用試薬キットが提供
される。
に示される塩基配列もしくはその相補的塩基配列の一部
又は全てにハイブリダイズするDNA断片を必須構成成
分として含んでいれば、他の成分として、標識剤、PC
R法に必須な試薬(例えば、TaqDNAポリメラー
ゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸、プライマーなど)
が含まれていてもよい。
物質などの化学修飾物質などが挙げられるが、DNA断
片自身が予め該標識剤でコンジュゲートされていてもよ
い。更に当該試薬キットには、測定の実施の便益のため
に適当な反応希釈液、標準抗体、緩衝液、洗浄剤、反応
停止液などが含まれていてもよい。
診断方法及び該方法に用いる診断剤並びに診断用キット
をも提供するものである。
試料中から得られたMASL1配列を直接的若しくは間接的
に配列決定することにより、野生型MASL1と相同性の高
い相同物である新たなMASL1遺伝子に関連する関連遺伝
子を見出すことができる。
のMASL1 DNAの配列決定により、被検試料中のヒトMA
SL1遺伝子に関連する関連遺伝子のスクリーニング方法
をも提供するものである。
トMASL1遺伝子でコードされる蛋白質、又は該配列番
号:1において、1もしくは数個乃至複数のアミノ酸が
欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列、又はこれらの
断片から蛋白質を合成し、もしくは該蛋白質に対する抗
体を合成することによって、野生型MASL1及び/又は変
異MASL1の測定が可能となる。
は変異MASL1の抗体測定法、抗原測定法を提供するもの
である。該測定法によって新生物状態の障害の程度、或
いは悪性腫瘍の悪性度を野生型MASL1ポリペプチドの変
化に基づいて検出することも可能である。かかる変化
は、この分野における前記慣用技術によるMASL1配列分
析によっても決定できるが、更に好ましくは、抗体(ポ
リクローナル又はモノクローナル抗体)を用いて、MASL1
蛋白質中の相違、又はMASL1蛋白質の有無を検出するこ
とができる。本発明の測定法の具体的な例示としては、
MASL1抗体は、血液・血清などのヒトより採取した生体
材料試料含有溶液からMASL1蛋白質を免疫沈降し、かつ
ポリアクリルアミドゲルのウェスタン・ブロット又はイ
ムノブロット上でMASL1蛋白質と反応することができ
る。また、MASL1抗体は免疫組織化学的技術を用いてパ
ラフィン又は凍結組織切片中のMASL1蛋白質を検出する
ことができる。抗体産生技術及び精製する技術は当該分
野においてよく知られているので、これらの技術を適宜
選択することができる。
る方法に関連するより好ましい具体例には、モノクロー
ナル抗体及び/又は、ポリクローナル抗体を用いるサン
ドイッチ法を含む、酵素結合イムノソルベントアッセイ
(ELISA)、放射線免疫検定法(RIA)、免疫放射線
検定法(IRMA)、及び免疫酵素法(IEMA)が含まれ
る。
結合活性を有する細胞膜画分又は細胞表面上に存在する
MASL1レセプターをも提供することが可能である。該MAS
L1レセプターの取得は、細胞膜画分を含む生体材料試料
中において標識したMASL1蛋白をコンジュゲートさせ、M
ASL1結合反応物を抽出・単離、精製し、単離物のアミノ
酸配列を特定することによって達成され、該MASL1レセ
プター蛋白の取得並びに配列決定は、この分野の当業者
には容易に達成できる。
はその結合断片を種々の薬剤のいずれかをスクリーニン
グする技術に用いることによって、化合物(MASL1レセプ
ター反応物:化合物は低分子化合物、高分子化合物、蛋
白質、蛋白質部分断片、抗原、又は抗体など言う)をス
クリーニングすることに利用可能である。好ましくは、
MASL1レセプターを利用する。かかるスクリーニング試
験に用いるMASL1レセプターポリペプチド又はその断片
は、固体支持体に付着するか、又は細胞表面に運ばれて
いる溶液中の遊離物であってもよい。
ば、MASL1蛋白質又はその断片を発現する組換え蛋白質
で安定して形質転換した原核生物又は真核生物の宿主細
胞を、好ましくは競合的結合アッセイにおいて利用する
ことができる。また遊離の又は固定した形態のかかる細
胞を標準結合アッセイに用いることもできる。より具体
的には、MASL1レセプター蛋白質又はその断片と、試験
する物質との間の複合体の形成を測定し、MASL1レセプ
ター蛋白質又はその断片とMASL1蛋白質又はその断片と
の間の複合体の形成が試験する物質によって阻害される
程度を検出することによって化合物をスクリーニングす
ることが可能である。
法によって、かかる物質とMASL1レセプター蛋白質又は
その断片とを接触させ、次いで、該物質とMASL1レセプ
ター蛋白質又はその断片との間の複合体の存在、又はMA
SL1レセプター蛋白質又はその断片とリガンドとの間の
複合体の存在について測定することを特徴とする薬剤の
スクリーニング方法を提供することができる。さらに、
MASL1レセプター活性を測定して、かかる物質がMASL1レ
セプターを阻害でき、かくして上記定義されたMASL1の
活性、例えば細胞増殖や分化を調節する蛋白質と結合し
たり、解離したりすることで、結合蛋白の血中並びに組
織中の濃度や移行を調節したり、活性そのものを調節で
きるかどうか判断する。かかる競合結合アッセイにおい
て、より具体的には、MASL1レセプター蛋白質又はその
断片を標識する。遊離のMASL1レセプター蛋白質又はそ
の断片を、蛋白質:蛋白質複合体で存在するものから分
離し、遊離(複合体未形成)標識の量は、各々、試験さ
れる因子のMASL1レセプターに対する結合又はMASL1レセ
プター:MASL1蛋白質結合の阻害の尺度となる。MASL1蛋
白質の小さなペプチド(ペプチド疑似体)をこのように分
析し、MASL1レセプター阻害活性を有するものを測定で
きる。
めの他の方法は、MASL1レセプター蛋白質に対して適当
な結合親和性を有する化合物についてのスクリーニング
法であって、該略すると、多数の異なるペプチド試験化
合物をプラスチックのピンまたは他の物質の表面のごと
き固体支持体上で合成し、次いでペプチド試験化合物を
MASL1レセプター蛋白質と反応させ、洗浄する。次いで
既知の方法を用いて反応結合MASL1レセプター蛋白質を
検出する方法も例示できる(PCT特許公開番号:WO
84−03564号)。精製されたMASL1レセプター
は、直接、前記の薬剤スクリーニング技術で使用するプ
レート上に被覆することができる。しかしながら、ポリ
ペプチドに対する非−中和抗体を用いて抗体を補足し、
MASL1レセプター蛋白質を固相上に固定することができ
る。さらに本発明は、競合薬剤スクリーニングアッセイ
の使用をも目的とし、MASL1レセプター蛋白質又はその
断片に対する結合性につき、MASL1レセプター蛋白質に
特異的に結合できる中和抗体と試験化合物とを競合させ
る。抗体による該競合によって、MASL1レセプター蛋白
質の1又はそれ以上の抗原決定部位を有するいずれのペ
プチドの存在をも検出することが可能である。
る方法としては、非機能性MASL1遺伝子を含有する宿主
真核細胞系または細胞の使用が挙げられる。宿主細胞系
または細胞を薬剤化合物の存在下において一定期間増殖
させた後、該宿主細胞の増殖速度を測定して、該化合物
が例えば、細胞増殖や分化を調節する蛋白質と結合した
り、解離したりすることで、結合蛋白の血中並びに組織
中の濃度や移行を調節したり、活性そのものを調節でき
るかどうかを確認する。増殖速度を測定する1手段とし
て、MASL1レセプターの生物活性を測定することも可能
である。
た形態のMASL1蛋白質誘導体又は例えば、イン・ビボ(in
vivo)でMASL1蛋白質の機能を高めるかもしくは妨害す
る薬剤を開発するために、それらが相互作用する目的の
生物学的に活性な蛋白質又は構造アナログ、例えばMASL
1アゴニスト、MASL1アンタゴニスト、MASL1インヒビタ
ーなどを作製することが可能である。前記構造アナログ
は例えばMASL1と他の蛋白質の複合体の三次元構造をX
線結晶学、コンピューター・モデリング又は、これらの
組み合わせた方法によって決定することができる。ま
た、構造アナログの構造に関する情報は、相同性蛋白質
の構造に基づく蛋白質のモデリングによって得ることも
可能である。
1蛋白質誘導体を得る方法としては、例えばアラニン・
スキャンによって分析することが可能である。該方法は
アミノ酸残基をAlaで置換し、ペプチドの活性に対する
その影響を測定する方法でペプチドの各アミノ酸残基を
このように分析し、当該ペプチドの活性や安定性に重要
な領域を決定する方法である。該方法によって、より活
性な、または安定なMASL1誘導体を設計することができ
る。
−特異的抗体を単離し、次いでその結晶構造を解析する
ことも可能である。原則として、このアプローチによ
り、続く薬剤の設計の基本となるファーマコア(pharmac
ore)を得る。機能性の薬理学的に活性な抗体に対する抗
−イディオタイプ抗体を生成させることによって、化学
的または生物学的に生成したペプチドのバンクよりペプ
チドを同定したり単離したりすることが可能である。故
に選択されたペプチドもファーマコアとして作用すると
予測される。
安定性又はMASL1活性のインヒビター、アゴニスト、ア
ンタゴニストなどとしての作用を有する薬剤を設計・開
発することができる。
のMASL1蛋白質を入手して、X線結晶学のような分析研
究をも行うことができる。さらに、本発明の配列番号:
1に示されるアミノ酸配列よりなるMASL1蛋白質の提供
により、X線結晶学に代えるか又はこれに加えて、コン
ピューターモデリング技術に適応可能である。
ックアウト・マウス(変異マウス)を作成することによっ
てMASL1遺伝子配列のどの部位が生体内で上記したよう
な多様なMASL1活性に影響を与えるかどうか、即ちMASL1
遺伝子産物、並びに改変MASL1遺伝子産物が生体内でど
のような機能を有するかを確認することができる。
て、生物の遺伝情報を意図的に修飾する技術であり、マ
ウスの胚性幹細胞(ES細胞)を用いた方法を例示できる
(Capeccchi, M. R., Science, 244, 1288-1292 (198
9))。
の当業者にとって既に通常の技術であり、この改変技術
(野田哲生編、実験医学,増刊, 14 (20) (1996)、羊土
社)に、本発明のヒト野生型MASL1遺伝子及び変異MASL1
遺伝子を適応して容易に変異マウスを作製し得る。従っ
て前記技術の適応により、改善されたMASL1活性もしく
は安定性又はMASL1活性のインヒビター、アゴニスト、
アンタゴニストなどとしての作用を有する薬剤を設計・
開発することができる。
ポトーシスを調節する蛋白質と結合したり、解離したり
することで、結合蛋白の血中並びに組織中の濃度や移行
を調節したり、活性そのものを調節する作用を有する新
規なMASL1遺伝子が提供される。本発明遺伝子は、AL
Sと類似性を有し、このため、解析されたこれらの関連
遺伝子の機能と各種疾患との係わりについての研究に利
用でき、各種疾患への遺伝子診断並びに該遺伝子の発現
産物に対する抗体やアンチセンスによる医薬用途への応
用研究に用いることが可能である。また、本発明遺伝子
の利用によれば、各種組織での該遺伝子の発現状況が調
べられ、生体内におけるその機能を解析することが可能
となる。
ドするMASL1蛋白質を遺伝子工学的に大量に製造するこ
とができ、該蛋白質の提供によれば、MASL1蛋白質活性
やMASL1蛋白質の結合活性などの機能を調べることもで
きる。
産物が関与する疾患(例えば、細胞の増殖、分化、アポ
トーシス調節する蛋白質と結合したり、解離したりする
ことで、結合蛋白の血中並びに組織中の濃度や移行を調
節したり、活性そのものを調節する作用に関連する各種
疾患など、特に癌)の病態解明や診断、治療などに有用
である。
・オリゴヌクレオチドを含有する遺伝子治療に有用な遺
伝子導入用ベクター、該MASL1 がアンチセンス・オリゴ
ヌクレオチド導入された細胞及び該ベクター又は細胞を
有効成分とする遺伝子治療剤、並びにその利用による遺
伝子治療法などが提供される。
制作用を有し、該作用による各種癌の疾患及び病態の処
置などに使用されるMASL1 をアンチセンス・オリゴヌク
レオチド又はMASL1に結合性を有する抗体を有効成
分とする医薬も提供することができる。
施例を挙げる。 実施例1 1.材料及び方法 1)初期のMFH腫瘍 19例の全てのケースは、新らたに診断された未治療患者
からの初期腫瘍組織を外科切除時に集められた。凍結サ
ンプルからのDNAは標準的方法に従い抽出した。
l., Science, 258, 818-821 (1992))、腫瘍の標本から
単離されたDNAサンプルをスペクトラム−グリーン−
dUTP(Spectrum-green-dUTP:Vysis社製)で直接標識し
た、そして正常のDNAはニックトランスレーションを
使用するテキサス・レッド−dUTP(Texas red-dUTP:デュ
ポン社製)で標識した。
は、10μlのハイブリダゼーション溶液(50%ホルムアミ
ド、10%デキストラン硫酸、2xSSC)の中に15μgの
正常Cot−1DNA(ギブコ−BRL社製)と供に70
℃で5分間変性させ、次いで正常(リンパ球)分裂中期の
伸長に適応した。
出は、引用される文献に従って実施した(森俊樹、有山
洋二、阿部達生監修、稲澤譲治編、臨床FISHプロトコー
ル、細胞工学別冊、179−184(1997))。
and Texas-red fluoresence)は、エピフルオレッセン
ス(表面蛍光)・マイクロスコープ(epifluoresence micr
oscope:ニコン社製)、冷却充電連結装置 (cooled charg
e-coupled device: CCD)カメラ(フォトメトリックス:Ph
otometrics社製)を使用し、各分裂中期の伸長から収集
した。DNA配列のコピー数の相対的な変化をデジタル
式イメージ分析システム(Quips-XLソフトウェ
ア; Vysis, Inc.社製)を用いて分析した。蛍光比が1.
5を超えたとき、その染色体領域が高いレベルの増幅が
あると考えられた。動原体近傍と全Y染色体近傍の異質
染色質領域は、分析対象から外した。
ち16がゲノムの不均衡を呈した。重複の極小領域の下
方表出が3p25-pter(2ケース;11%)、10p12-pter (2ケー
ス;11%)、13q21 (2ケース;11%)、及び18q22-qter (2
ケース;11%)上に観察された、重複の極小領域の上方表
出が4q12-13(7ケース;39%)、5p15.3-pter (5ケース;28
%)、8q24.1-qter (4ケース;22%)、6p12-21(3ケース;1
8%)及び12p12-pter (3ケース;18%)上に観察さられ
た。DNAの高いレベルの増幅が1つの腫瘍の各々にお
いて6つの異なった局座において確認された:4q12-21、
8p21-pter、8q24.1-qter、9q12-13、12p11.2-pter、及
び15q11.2-15。また、染色体8の短腕上において高いレ
ベルの増幅が、腫瘍No.1においてみられた。 2)前期染色体上の逆染色FISH(Reverse-painting
FISH) CGH研究において、腫瘍No.1の高いレベルの増幅され
た8p21-23における領域を更に絞るために、本発明者ら
は、プローブとして腫瘍No.1からの全ゲノムDNAを用
いて前期染色体を伸長させるために逆染色FISHを実
施した(RevFISH: Joos, S., et al. , Hum. Genet., 9
0, 584-589 (1993))。伸長した前期染色体は、稲沢らの
方法に従い培養したリンパ球から調製した(Inazawa,
J., et al., Cytogenet. Cell Genet., 65, 130-135 (1
994))。
リコンのFISHシグナルが細胞遺伝学的にバンド8p2
3.1にアンプリコンを限局させた。 3)サザン・ブロット分析及び8pアンプリコンの広さ
の決定 サザン・ハイブリダゼーションは、8p21-23で増幅した
領域内のゲノム断片を特定するためにサンブロックらの
標準的なプロトコールに従い実施した(Sambrook,J., et
al., Molecular Cloning a Laboratory Manual. Cold
Spring Harbor Laboratory Press:NY.(1989))。
s(expressed-sequence tags)又はSTSs(sequence-ta
gged sites)を含む7つのコスミドであった:0757C03(G
EN-131E06)、0600H06(GEN-003G09)、cos.024H10(GEN-02
4H10)、cos.505G01(GEN-505G01)、0155D08(GEN-001B1
2)、cos.D8S1819(D8S1819)、及びcos.D8S550(D8S550)。
それらの染色体の局在に関するESTsとデータは、G
ENOTKヒトcDNAデータベース(http://genotk.g
enome.ad.jp)から得られた。
ト胎盤DNAを0.8%アガロース・ゲルにおいて電気泳
動し、ナイロン膜(BIODYNE社製)に転写した。各プロー
ブをランダム・プライマーを用いて[α-32PdCT
P]で標識し、そしてプレ・ハイブリダイズしたフィル
ターにハイブリダイズした。本発明者らは、BAS1000
イメージ・アナライザー(フジ社製)でシグナルを分析
し、増幅の程度を計算した。次いで−80℃で一晩オート
ラジオグラフィーのためにフィルターを露光させた。
おけるこれらの局座の各々の増幅の状態から、増幅され
たDNAがより小さく重複している領域は、D8S1819とD
8S550の間であった。この領域は、2つの腫瘍No.1及とN
o.4(13%)において増幅されたGEN-024H10とGEN-505G01
の2つのESTを含んでいた。しかしながら、高いコピ
ー数増幅を持つ腫瘍No.1のみが8p21-pterでCGHによ
って検出されている。増幅されたDNA対正常DNAの
ハイブリダゼーション・シグナルの比較に基づいて行っ
た。
N-024H10とGEN-505G01の増幅は約8倍と4倍であった、そ
して腫瘍No.4においては各々約6倍と3倍のDNA増幅で
あった。 4)cDNAライブラリーのスクリーニングとDNA配
列決定 本発明者らは、イシカワらのプロトコールに従って(Ish
ikawa, S., et al., DNA Res., 4, 35-43 (1997))、c
DNAライブラリーのスクリーニングとDNA配列決定
を行った。
ヒト胎児脳cDNAライブラリー(10 x 106プラーク:ス
トラタジーン社製)をスクリーニングし、次いで377
ABI自動シークエンサー(パーキン−エルマー社製)を
用いて陽性クローンのDNA配列を決定した。
NA配列の一方向配列が3159bpの単一のオープン
・リーディング・フレームを含む6242bp転写体を
確認した。転写の開始(「コザックのルール」)の為のコ
ンセンサス配列がよく保存されていることから、転写の
為の開始コドンは、ヌクレオチド番号の417−419
番目であることが考えられた。
52アミノ酸配列を示す。
の予測のためのPSORTプログラム(Nakai, K. and K
anehisa, M.A., Genomics, 14,897-911 (1992) )は、ア
ミノ酸配列中央(486-502残基)において一つの疎水性の
領域を示した、しかしながら、疎水性プロット(Kyte,
J. and Doolittle, R.F., J. Mol. Biol., 157, 105-13
2 (1982))では疎水性領域を予測しなかった。1つのA
TP/GTP結合サイト・モチーフ「A」([AG]-X(4)-G
-K-[ST])が416−423残基で見出された。ロイシン残基が
「ロイシン・ジッパー」として知られている構造的なモ
チーフを形成することが出来る各7つのアミノ酸として
反復していた(Landschulz,W.H., et al.,Science,240,1
759-1764 (1988))。
ジッパー領域を含んでいるようで(68-89残基、102-123
残基、及び962-983残基)、4つのロイシン残基を持つ各
々は、7つのアミノ酸の繰り返しを持って一定の間隔を
空けていた。
ネット)を使用するホモロジー検索によると、推定され
た蛋白が、ALS(acid-labile subunit protein: 酸不
安定サブユニット蛋白)、インシュリン成長因子のIG
F-I、IGF-II及びIGF-結合蛋白-3(IGFBP3)の3要
素からなる複合体の構成要素に対して類似していること
を明らかにした(Baxter, R.C., et al., J.Biol. Che
m.,264, 11843-11848 (1989))。ALSは、保存された
ロイシン−リッチの反復したモチーフを持つ蛋白のファ
ミリーに属する(Kobe, B., and Deisenhofer, J., Tren
ds Biochem. Sci., 19, 415-421 (1994))。
復(各23残基)を並べたとき、一部の残基が高く保存さ
れ、以下に続くコンセンサス配列が推論することが出来
ることが明白である:P−X−X−α−X−X−L−X
−X−L−X−X−L−X−L−X−X−N−X−α−
X−X−α (Xは全てのアミノ酸、αは脂肪族のアミノ
酸:L、I又はVを示す)。
この蛋白にとって重要な機能を提言する幾つかの特徴と
予期せぬ配列相同性を示した。著しい特徴は、23アミノ
酸の11のロイシン−リッチ縦列反復の存在であった。こ
のモチーフは最初の残基として通常プロリンを含んでい
て、幾つかの位置においてロイシンが繰り返されて、18
番目の残基としてアスパラギンを含んでいる。
イシン−リッチ反復領域が構造的な保全及び/又はそれ
らを含む蛋白の機能を維持するために重要であることを
指摘している。
能が蛋白−蛋白相互作用に関連しているので(Tan, F.,
et al., J. Biol. Chem., 265, 13-19 (1990): Delhant
y, Pand Baxter, R.C. , Biochem. Biophys. Res. Comm
un., 227, 897-902(1996))、このモチーフは結合に係わ
っているかもしれない。
ト・シクラーゼに生じている遺伝子に大変類似している
(Kataoka, T. et al., Cell, 43, 493-505 (1985))。該
酵母アデニレート・シクラーゼ酵素はRASによって活
性化され、酵母の細胞周期のG1期への移行を調節する
(Thevelein, J.M., Mol.Microbiol., 5, 1301-1307 (19
91))。この保存されたモチーフの保有は、MASL1蛋
白がヒトにおいてシグナル伝達と細胞の増殖、分化、ア
ポトーシスの調整において重要な役割を演ずると推測さ
れる。
列はALSと35.9%の相同性を生じている。IGFsと
IGFBPとの3つからなる複合体において、ALS
は、循環しているIGFの生物利用率を調整することに
おいて中心的な役割を持っている(Delhanty, P.J. and
Baxter,R.C., Prog. Growth Factor Res., 6,141−1
49(1995) )。ALSは血清においてのみIGFBP−3
に結合する;この3つの複合体において成長因子は明ら
かに毛細管のバリアーを通過することは出来ない(Binou
x, M. and Hossenlopp, P., Endocrinol. Metab., 67,
509-514(1988) )。
してレセプターとして作用することが出来る(Hook, M.
et al., Annu. Rev. Biochem., 53, 847-869 (1984)
)、細胞に関連したグリコサミノグリカンとALSがと
相互作用をしたとき、2成分の複合体における成長因子
が毛細管バリアーを通過することが出来るように3つの
複合体から簡単に分離する。組織中の循環からIGFs
の通過は、この特異的な分離メカニズムに依存するかも
しれない(Baxter, R.C., Biochem. J.,271,773-777(199
0))。それ故に、もしMASL1がALSに対する構造類
似物であり、IGFBP−3に類似の蛋白に結合するな
らば、細胞の増殖、分化、アポトーシスを調節するかも
しれない。
(MFH-amplified sequences with leucine-rich tandem
repeats)と命名した。 5)ノーザンブロット分析によるMASL1の発現 16の異なる正常ヒト組織(クローンテック社製)の一つ
から各レーン2μgのポリ(A)+RNAを含んでいるノー
ザンブロットを製品の説明書に従いMASL1の2361-3
858番目のヌクレオチドに対応するランダム・プライム
ド32P標識プローブでハイブリダイズさせた。ブロット
を0.1 xSSC/ 0.1%SDS、50℃の条件で洗浄し、
シグナルをBAS1000イメージ・アナライザー(フジ社
製)で分析した。
のレベルを特定するためにノーザンブロット分析を行っ
た。その結果6.6kbの転写体が普遍的に発現してい
た。 6)RT−PCR分析 MFH腫瘍と正常組織におけるMASL1転写体の発現レ
ベルを比較する為に定量的な発現試験をRT−PCRに
よって実施した。
zol(ギブコ−BRL社製)を用いてMFH腫瘍の凍結サ
ンプルから得た。Superscript II(ギブコ−BRL社製)
を持つ全RNAの0.2μgから産生したcDNAを各PC
Rのための鋳型として用いた。全反応は、GeneAmp PC
Rシステム9600(パーキン−エルマー社製)で、94℃で2
分間の最初の変性に続いて、94℃で30秒、58℃で30秒、
及び72℃で30秒を1サイクルとして25サイクル反応させ
た。
おいて類似のシグナルを示すβ−アクチンの増幅を通じ
て調製した。
以下に示される: MASL1: 5’−GCATTTCCAGCCACC
TCAG−3’及び5’−ACAGAAAGCCCTC
CACATAC−3’ β−アクチン:5’−CCAGAGATGGCCACG
GCTGCT−3’5’−TCCTTCTGCATCC
TGTCGGCT−3’ RT−PCR産物は3.0%GTGアガロース・ゲルを通
して電気泳動にかけ、ナイロン膜上にサザン−ブロット
し、次いでGEN-024H10の内部オリゴヌクレオチドの
5’−ATCCTCAATGTCTTCTTCCAG−
3’を[γ-32PdATP]で標識し、ハイブリダイズ
させた。
てだけでなく、腫瘍No.3、4、5、6、7、9及び11におい
ても過剰発現していた。
8p21-23で高いレベルの増幅が明らかとなった腫瘍のみ
の、腫瘍No.1において約10倍上昇していた。
伝子発現試験によると、MASL1の発現が腫瘍No.1とN
o.4において有意に上昇した、そしてこれらの両者は、
この局座でDNAの明瞭な増幅が見られた。その結果
は、例えそれらの一つのみがCGHによって8p23.1で高
いレベルの増幅が見られたとしても、MASL1の過剰
発現がRT−PCRによって試験した腫瘍の57%(8/14)
に見られたという事実において、DNA増幅がMASL
1のアップ・レギュレーションに導くことが出来るメカ
ニズムの一つであると強く提言できる。MASL1の推
定されたアミノ酸構造と合わせて、データは、この遺伝
子の調節不良は、MFHに対して重要な病原性因子であ
ることを指摘していると思われる。
Claims (26)
- 【請求項1】以下の(a)及び(b)のいずれかのポリ
ヌクレオチドを含む遺伝子: (a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含んでい
るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは配
列番号:2のポリヌクレオチドに対して少なくとも95
%の相同性を有するポリヌクレオチド、 (b)上記(a)のポリヌクレオチドに対する相補鎖で
あるポリヌクレオチド。 - 【請求項2】以下の(a)及び(b)のいずれかのポリ
ヌクレオチドからなる遺伝子: (a)配列番号:2で示される塩基配列又はそれらの相
補鎖、 (b)上記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ
ヌクレオチド。 - 【請求項3】配列番号:2で示される塩基配列である請
求項2に記載の遺伝子。 - 【請求項4】配列番号:1で示されるアミノ酸配列を有
するポリペプチドをコードする遺伝子。 - 【請求項5】請求項1に記載のアミノ酸配列を有するMA
SL1遺伝子発現産物。 - 【請求項6】請求項1又は2に記載の遺伝子を有する組
換え体発現ベクター。 - 【請求項7】請求項6に記載の組換え体発現ベクターを
有する宿主細胞。 - 【請求項8】MASL1蛋白質を発現するクローン化cDN
A及びその断片、その誘導体及びその相同物。 - 【請求項9】配列番号:2で示される塩基配列の少なく
とも15の連続するヌクレオチド配列を含んでいるオリ
ゴヌクレオチド。 - 【請求項10】配列番号:2で示される塩基配列の少な
くとも30の連続するヌクレオチド配列を含んでいる請
求項9に記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項11】請求項3に記載の塩基配列に対するアン
チセンス・オリゴヌクレオチド。 - 【請求項12】少なくとも15の連続するヌクレオチド
配列を含んでいる請求項11に記載のアンチセンス・オ
リゴヌクレオチド。 - 【請求項13】少なくとも30の連続するヌクレオチド
配列を含んでいる請求項12に記載のアンチセンス・オ
リゴヌクレオチド。 - 【請求項14】請求項11から請求項13に記載の配列
を用いて作成されるアンチセンス・オリゴヌクレオチ
ド。 - 【請求項15】請求項14に記載のアンチセンス・オリ
ゴヌクレオチドを有効成分として含有する遺伝子治療
剤。 - 【請求項16】請求項3に記載の塩基配列からなるオリ
ゴヌクレオチド・プローブ。 - 【請求項17】配列番号:2で示される塩基配列の少な
くとも15の連続するヌクレオチド配列を含んでいるオ
リゴヌクレオチド・プローブ。 - 【請求項18】配列番号:2で示される塩基配列の少な
くとも30の連続するヌクレオチド配列を含んでいる請
求項17に記載のオリゴヌクレオチド・プローブ。 - 【請求項19】請求項16から請求項18に記載のオリ
ゴヌクレオチド・プローブを用いる癌診断剤。 - 【請求項20】請求項16から請求項18に記載のオリ
ゴヌクレオチド・プローブを用いる癌診断用キット。 - 【請求項21】以下の(a)又は(b)の蛋白質である
MASL1蛋白質: (a)配列番号:1で示されるアミノ酸配列からなる蛋
白質、 (b)上記(a)のアミノ酸配列において1もしくは複
数のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列
からなり且つMASL1活性を有する蛋白質。 - 【請求項22】請求項1又は2に記載のMASL1遺伝子又
は遺伝子発現産物を用いる相互作用物のスクリーニング
方法。 - 【請求項23】請求項1に記載の遺伝子の相同物であっ
て、ヒト、イヌ、サル、ウマ、ブタ、ヒツジ及びネコか
ら選ばれる哺乳動物の遺伝子相同物。 - 【請求項24】請求項1または2に記載の遺伝子の発現
産物に結合性を有する抗体。 - 【請求項25】請求項24に記載の抗体を癌の診断に用
いる診断方法。 - 【請求項26】請求項24に記載の抗体を有効成分とす
る癌治療剤。
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1999
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