JP2000214533A - 透過型スクリ―ン - Google Patents
透過型スクリ―ンInfo
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- JP2000214533A JP2000214533A JP11012850A JP1285099A JP2000214533A JP 2000214533 A JP2000214533 A JP 2000214533A JP 11012850 A JP11012850 A JP 11012850A JP 1285099 A JP1285099 A JP 1285099A JP 2000214533 A JP2000214533 A JP 2000214533A
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- Japan
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- sheet
- lens sheet
- screen
- thickness
- fresnel lens
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- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 レンチキュラーレンズシート、フレネルレン
ズシート、あるいはプリズムレンズシート等のレンズシ
ート相互間の密着性を向上させながら、周囲の環境の変
化によるスクリーンの撓みを最小限に抑えて、常に最適
な画像を表示する透過型スクリーンを提供すること。 【解決手段】 フレネルレンズシート1aおよびレンチ
キュラーレンズシート1bを含む複数枚のシートから構
成され、各シートが密着するように背面投射型映像表示
装置に取付けられる透過型スクリーンであって、該複数
枚のシートのうち最も板厚が大きいシートの厚さが2m
m以上であり、当該最も板厚が大きいシートを拘束しな
い状態での該シートの反りの大きさが5mm以下であ
り、当該最も板厚が大きいシートの飽和吸水率が1%以
下であって、背面投射型映像表示装置に該透過型スクリ
ーンが取付けられた状態において、該透過型スクリーン
の反りの大きさが5mm以下である。
ズシート、あるいはプリズムレンズシート等のレンズシ
ート相互間の密着性を向上させながら、周囲の環境の変
化によるスクリーンの撓みを最小限に抑えて、常に最適
な画像を表示する透過型スクリーンを提供すること。 【解決手段】 フレネルレンズシート1aおよびレンチ
キュラーレンズシート1bを含む複数枚のシートから構
成され、各シートが密着するように背面投射型映像表示
装置に取付けられる透過型スクリーンであって、該複数
枚のシートのうち最も板厚が大きいシートの厚さが2m
m以上であり、当該最も板厚が大きいシートを拘束しな
い状態での該シートの反りの大きさが5mm以下であ
り、当該最も板厚が大きいシートの飽和吸水率が1%以
下であって、背面投射型映像表示装置に該透過型スクリ
ーンが取付けられた状態において、該透過型スクリーン
の反りの大きさが5mm以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は投射装置からの映像
がスクリーンの背面から投射される背面投射型映像表示
装置用の透過型スクリーンに関するものであって、液晶
パネル、DMDなどの多数の画素を持つ画像パネルを利
用した単一レンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像
表示装置に好適に用いられる透過型スクリーンである。
がスクリーンの背面から投射される背面投射型映像表示
装置用の透過型スクリーンに関するものであって、液晶
パネル、DMDなどの多数の画素を持つ画像パネルを利
用した単一レンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像
表示装置に好適に用いられる透過型スクリーンである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶パネル、DMDといった多数
の画素を持つ画像パネルを用いた単一レンズ系の投射装
置を備えた背面投射型映像表示装置の開発が盛んであ
る。この投射装置では、液晶パネル、DMD等の画像パ
ネルが自己発光するのではなく、画像パネルの裏側に配
置された光源から発せられる光のうち画像パネルで変調
されて透過した光が拡大レンズを介してスクリーンに向
けて投射される。液晶パネルなどを利用した単一レンズ
系の投射装置を備えた背面投射型映像表示装置の一例の
概略構成図を図3に示す。図3に示す従来の背面投射型
映像表示装置に用いられる透過型スクリーンはフレネル
レンズシート1a、レンチキュラーレンズシート1bお
よび前面板1cから構成されている。光源、画像パネル
等で構成された映像源2からの発散光束が、透明樹脂板
の表面にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズシ
ート1aの一方の面から投射され、この映像光束がフレ
ネルレンズシート1aによって平行光束または収束光束
に変えられる。フレネルレンズシート1aを透過した平
行光束または収束光束は両面にかまぼこ型凸レンズが水
平方向に繰り返すように形成されたレンチキュラーレン
ズシート1bを透過し、レンチキュラーレンズシート1
bによって観察側での水平視野角が拡大されて投射映像
が作り出される。前面板1cはレンチキュラーレンズシ
ート1bの保護等の機能を果たすものである。
の画素を持つ画像パネルを用いた単一レンズ系の投射装
置を備えた背面投射型映像表示装置の開発が盛んであ
る。この投射装置では、液晶パネル、DMD等の画像パ
ネルが自己発光するのではなく、画像パネルの裏側に配
置された光源から発せられる光のうち画像パネルで変調
されて透過した光が拡大レンズを介してスクリーンに向
けて投射される。液晶パネルなどを利用した単一レンズ
系の投射装置を備えた背面投射型映像表示装置の一例の
概略構成図を図3に示す。図3に示す従来の背面投射型
映像表示装置に用いられる透過型スクリーンはフレネル
レンズシート1a、レンチキュラーレンズシート1bお
よび前面板1cから構成されている。光源、画像パネル
等で構成された映像源2からの発散光束が、透明樹脂板
の表面にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズシ
ート1aの一方の面から投射され、この映像光束がフレ
ネルレンズシート1aによって平行光束または収束光束
に変えられる。フレネルレンズシート1aを透過した平
行光束または収束光束は両面にかまぼこ型凸レンズが水
平方向に繰り返すように形成されたレンチキュラーレン
ズシート1bを透過し、レンチキュラーレンズシート1
bによって観察側での水平視野角が拡大されて投射映像
が作り出される。前面板1cはレンチキュラーレンズシ
ート1bの保護等の機能を果たすものである。
【0003】通常、レンチキュラーレンズシート1b中
には、石英、ガラス、架橋高分子樹脂等の微粒子からな
る拡散剤が分散されており、これによって水平方向のみ
ならず垂直方向の視野角も拡大される。また、同様に水
平方向および垂直方向の視野角を拡大するため、フレネ
ルレンズシート1a中にも拡散剤が分散されることもあ
る。図4および図5は液晶パネルなどを利用した単一レ
ンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像表示装置の他
の一例の概略構成図であって、図4に示す背面投射型映
像表示装置では投射映像の指向性を上げる目的でプリズ
ムレンズシート1dが配置されており、図5に示す背面
投射型映像表示装置では構造上の強度を高めるために補
強板1eが配置されている。
には、石英、ガラス、架橋高分子樹脂等の微粒子からな
る拡散剤が分散されており、これによって水平方向のみ
ならず垂直方向の視野角も拡大される。また、同様に水
平方向および垂直方向の視野角を拡大するため、フレネ
ルレンズシート1a中にも拡散剤が分散されることもあ
る。図4および図5は液晶パネルなどを利用した単一レ
ンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像表示装置の他
の一例の概略構成図であって、図4に示す背面投射型映
像表示装置では投射映像の指向性を上げる目的でプリズ
ムレンズシート1dが配置されており、図5に示す背面
投射型映像表示装置では構造上の強度を高めるために補
強板1eが配置されている。
【0004】背面投射型映像表示装置の透過型スクリー
ンを構成する各シートは一般に合成樹脂を用いて作られ
ており、使用時に周囲の温度・湿度が変化することや、
シート作製時に残留した歪み等の影響によって当該透過
型スクリーンを構成する各シートが伸縮し、スクリーン
が撓んだり、スクリーンを構成する各シート間に隙間が
生じることがある。これにより、解像度の低下などの画
像不良が引き起こされる。このような周囲の温湿度変化
に起因するスクリーンの撓み等の問題を解消するため、
スクリーンの取付け構造を各シートの伸縮を吸収する構
造とする技術、スクリーンを構成するシートのうち少な
くとも一枚のシートをあらかじめ湾曲した形状にしてお
き、シートの弾性力を利用して各シート間を密着させて
浮きの発生を防止する技術(実開昭59−116938
号公報、特開平9−15727号公報などを参照)など
が開発されている。
ンを構成する各シートは一般に合成樹脂を用いて作られ
ており、使用時に周囲の温度・湿度が変化することや、
シート作製時に残留した歪み等の影響によって当該透過
型スクリーンを構成する各シートが伸縮し、スクリーン
が撓んだり、スクリーンを構成する各シート間に隙間が
生じることがある。これにより、解像度の低下などの画
像不良が引き起こされる。このような周囲の温湿度変化
に起因するスクリーンの撓み等の問題を解消するため、
スクリーンの取付け構造を各シートの伸縮を吸収する構
造とする技術、スクリーンを構成するシートのうち少な
くとも一枚のシートをあらかじめ湾曲した形状にしてお
き、シートの弾性力を利用して各シート間を密着させて
浮きの発生を防止する技術(実開昭59−116938
号公報、特開平9−15727号公報などを参照)など
が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】R、G、Bの3色に対
応した3つのライトバルブを利用した投射装置を備えた
CRT方式の背面投射型映像表示装置に比べ、液晶パネ
ルなどを利用した単一レンズ系の投射装置を備えた背面
投射型映像表示装置では、中心部と周辺部との歪みを補
正するために電気的処理をすることが難しい。このた
め、スクリーンを構成するシートを湾曲させておくこと
によってスクリーンを構成するシートの浮きを防止する
技術を液晶パネルなどを利用した単一レンズ系の投射装
置を備えた背面投射型映像表示装置の透過型スクリーン
に適用すると、スクリーンの湾曲等による画像のゆがみ
や焦点ずれが起きやすい。また、単一レンズ系の投射装
置を備えた背面投射型映像表示装置では焦点深度が浅い
ため、温湿度の変化による伸縮によってスクリーンが撓
んだときに画像のぼけが生じやすい。単一レンズ系の投
射装置を備えた背面投射型映像表示装置をコンピュータ
ー画面のような細部まで高精細な画像を要求される用途
に用いようとすると、これら画像のゆがみ、焦点ずれや
ぼけの影響は特に大きい。
応した3つのライトバルブを利用した投射装置を備えた
CRT方式の背面投射型映像表示装置に比べ、液晶パネ
ルなどを利用した単一レンズ系の投射装置を備えた背面
投射型映像表示装置では、中心部と周辺部との歪みを補
正するために電気的処理をすることが難しい。このた
め、スクリーンを構成するシートを湾曲させておくこと
によってスクリーンを構成するシートの浮きを防止する
技術を液晶パネルなどを利用した単一レンズ系の投射装
置を備えた背面投射型映像表示装置の透過型スクリーン
に適用すると、スクリーンの湾曲等による画像のゆがみ
や焦点ずれが起きやすい。また、単一レンズ系の投射装
置を備えた背面投射型映像表示装置では焦点深度が浅い
ため、温湿度の変化による伸縮によってスクリーンが撓
んだときに画像のぼけが生じやすい。単一レンズ系の投
射装置を備えた背面投射型映像表示装置をコンピュータ
ー画面のような細部まで高精細な画像を要求される用途
に用いようとすると、これら画像のゆがみ、焦点ずれや
ぼけの影響は特に大きい。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、レンチキュラーレンズシート、フレネ
ルレンズシート、プリズムレンズシート等の複数枚のシ
ートからなり、各シート相互間の密着性を高めるために
各シートに反りが与えられた透過型スクリーンについ
て、画像のゆがみや焦点ずれを解消し、さらに使用時に
おける周囲の環境の温・湿度変化によるスクリーンの撓
みを最小限に抑えて、常に最適な画像を表示することが
できるスクリーンを提供することを目的とする。
れたものであり、レンチキュラーレンズシート、フレネ
ルレンズシート、プリズムレンズシート等の複数枚のシ
ートからなり、各シート相互間の密着性を高めるために
各シートに反りが与えられた透過型スクリーンについ
て、画像のゆがみや焦点ずれを解消し、さらに使用時に
おける周囲の環境の温・湿度変化によるスクリーンの撓
みを最小限に抑えて、常に最適な画像を表示することが
できるスクリーンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の透過型スクリーンは、フレネルレンズシートおよ
びレンチキュラーレンズシートを含む複数枚のシートか
らなり、背面投射型映像表示装置に取付けられる透過型
スクリーンであって、密着するように背面投射型映像表
示装置に取付けられた複数枚のシートのうち最も板厚が
大きいシートの厚さが2mm以上であり、当該最も板厚
が大きいシートを拘束しない状態での該シートの反りの
大きさが5mm以下であり、当該最も板厚が大きいシー
トの飽和吸水率が1%以下であって、該透過型スクリー
ンが背面投射型映像表示装置に取付けられた状態におい
て、該透過型スクリーンの反りの大きさが5mm以下で
あることを特徴とする。ここで、本明細書においてシー
トを拘束しない状態での反りの大きさとは、当該シート
の一端を支持して釣り下げた状態から徐々に適当な盤上
に向かって該シートを降ろし、該シートの下端が当該盤
に当たった状態で該シートの上端部と下端部とを結んだ
直線を想定したときに、該直線から最も離れた該シート
上の点(反ったシートの内側の点)と該直線との距離の
ことを意味する(当該シートを横方向から見た図2にお
いて上記の距離をLで示す。)。反りの方向は短辺側お
よび長辺側の何れでも良い。また、観察者側が凹になる
ように反っていても、観察者側が凸になるように反って
いてもどちらでも良い。なお、飽和吸水率はASTM
D 570に規定された方法によって測定される値であ
る。
発明の透過型スクリーンは、フレネルレンズシートおよ
びレンチキュラーレンズシートを含む複数枚のシートか
らなり、背面投射型映像表示装置に取付けられる透過型
スクリーンであって、密着するように背面投射型映像表
示装置に取付けられた複数枚のシートのうち最も板厚が
大きいシートの厚さが2mm以上であり、当該最も板厚
が大きいシートを拘束しない状態での該シートの反りの
大きさが5mm以下であり、当該最も板厚が大きいシー
トの飽和吸水率が1%以下であって、該透過型スクリー
ンが背面投射型映像表示装置に取付けられた状態におい
て、該透過型スクリーンの反りの大きさが5mm以下で
あることを特徴とする。ここで、本明細書においてシー
トを拘束しない状態での反りの大きさとは、当該シート
の一端を支持して釣り下げた状態から徐々に適当な盤上
に向かって該シートを降ろし、該シートの下端が当該盤
に当たった状態で該シートの上端部と下端部とを結んだ
直線を想定したときに、該直線から最も離れた該シート
上の点(反ったシートの内側の点)と該直線との距離の
ことを意味する(当該シートを横方向から見た図2にお
いて上記の距離をLで示す。)。反りの方向は短辺側お
よび長辺側の何れでも良い。また、観察者側が凹になる
ように反っていても、観察者側が凸になるように反って
いてもどちらでも良い。なお、飽和吸水率はASTM
D 570に規定された方法によって測定される値であ
る。
【0008】本発明において透過型スクリーンを構成す
るレンチキュラーレンズシートの板厚をTL(mm)
で、フレネルレンズシートの板厚をTF(mm)でそれ
ぞれ表わしたとき、TLおよびTFがTF/TL>1.
3なる関係を満足することがスクリーンの撓みによる画
像の低下をより一層抑えることができて有効である。
るレンチキュラーレンズシートの板厚をTL(mm)
で、フレネルレンズシートの板厚をTF(mm)でそれ
ぞれ表わしたとき、TLおよびTFがTF/TL>1.
3なる関係を満足することがスクリーンの撓みによる画
像の低下をより一層抑えることができて有効である。
【0009】本発明において透過型スクリーンがフレネ
ルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの2
枚のシートから構成される場合、フレネルレンズシート
の厚さがレンチキュラーレンズシートの厚さよりも大き
いことが好ましく、このとき、拘束されない状態でのレ
ンチキュラーレンズシートの反りの大きさが80mm以
上であることが好ましい。
ルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの2
枚のシートから構成される場合、フレネルレンズシート
の厚さがレンチキュラーレンズシートの厚さよりも大き
いことが好ましく、このとき、拘束されない状態でのレ
ンチキュラーレンズシートの反りの大きさが80mm以
上であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成により奏され
る作用を説明する。上記した通り、液晶パネルなどを利
用した単一レンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像
表示装置では、中心部と周辺部との歪みを補正するため
に電気的処理をすることが難しい。本発明により背面投
射型映像表示装置に透過型スクリーンを取付けた状態に
おいて該透過型スクリーンの反りの大きさを5mm以下
とすることによって、スクリーンの湾曲が過大であるこ
とによる画像のゆがみや焦点ずれを解消することができ
る。また、厚さが2mm以上である最も板厚が大きいシ
ートについて、拘束しない状態での該シートの反りの
大きさを5mm以下とし、シートの飽和吸水率を1%
以下とすることによって、スクリーンが吸湿あるいは放
湿することにより伸縮してスクリーンの位置が前後する
量を小さくすることができ、焦点深度が浅いという特徴
をもつ単一レンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像
表示装置の画像のぼけを解消することができる。最も板
厚が大きいシートの飽和吸水率は0.8%以下であるこ
とが好ましい。
る作用を説明する。上記した通り、液晶パネルなどを利
用した単一レンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像
表示装置では、中心部と周辺部との歪みを補正するため
に電気的処理をすることが難しい。本発明により背面投
射型映像表示装置に透過型スクリーンを取付けた状態に
おいて該透過型スクリーンの反りの大きさを5mm以下
とすることによって、スクリーンの湾曲が過大であるこ
とによる画像のゆがみや焦点ずれを解消することができ
る。また、厚さが2mm以上である最も板厚が大きいシ
ートについて、拘束しない状態での該シートの反りの
大きさを5mm以下とし、シートの飽和吸水率を1%
以下とすることによって、スクリーンが吸湿あるいは放
湿することにより伸縮してスクリーンの位置が前後する
量を小さくすることができ、焦点深度が浅いという特徴
をもつ単一レンズ系の投射装置を備えた背面投射型映像
表示装置の画像のぼけを解消することができる。最も板
厚が大きいシートの飽和吸水率は0.8%以下であるこ
とが好ましい。
【0011】本発明の透過型スクリーンには、フレネル
レンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの2枚
のシートから構成されるもののみならず、従来例につい
ての図3に示すようなフレネルレンズシートおよびレン
チキュラーレンズシートに前面板が付加されたもの、図
4に示すようなこれら両シートにプリズムレンズシート
が付加されたもの、図5に示すようなこれら両シートに
補強板が付加されたもの等のいずれの態様も含まれる。
フレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシー
トに前面板または補強板が付加されて透過型スクリーン
が構成される場合、前面板または補強板がレンチキュラ
ーレンズシートまたはフレネルレンズシートから離れて
設置されることがあるが、このような場合は、フレネル
レンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの中で
より板厚が大きいシートの厚さが2mm以上であり、拘
束しない状態での該シートの反りの大きさを5mm以下
であり、飽和吸水率が1%以下である。
レンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの2枚
のシートから構成されるもののみならず、従来例につい
ての図3に示すようなフレネルレンズシートおよびレン
チキュラーレンズシートに前面板が付加されたもの、図
4に示すようなこれら両シートにプリズムレンズシート
が付加されたもの、図5に示すようなこれら両シートに
補強板が付加されたもの等のいずれの態様も含まれる。
フレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシー
トに前面板または補強板が付加されて透過型スクリーン
が構成される場合、前面板または補強板がレンチキュラ
ーレンズシートまたはフレネルレンズシートから離れて
設置されることがあるが、このような場合は、フレネル
レンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの中で
より板厚が大きいシートの厚さが2mm以上であり、拘
束しない状態での該シートの反りの大きさを5mm以下
であり、飽和吸水率が1%以下である。
【0012】
【実施例】以下、実施例を示しながら本発明を具体的に
説明する。図1は本発明の透過型スクリーンの一例の組
み立て前のものを概略縦断面図で示したものである。こ
の透過型スクリーン1はフレネルレンズシート1aおよ
びレンチキュラーレンズシート1bの2枚のシートから
なる。ここでテストに用いたフレネルレンズシートは板
厚が2.15mmであり(板厚が2mmのアクリルスチ
レン共重合樹脂製の板上に厚さが0.15mmの2P樹
脂層からなるフレネルレンズが形成されている。飽和吸
水率は0.8%である。)、拘束しない状態で3mmの
反りを有している。レンチキュラーレンズシートはアク
リル樹脂からなり、板厚が0.95mmで、拘束しない
状態で80mmの反りを有している。すなわち、フレネ
ルレンズシートがこの透過型スクリーンにおいて最も板
厚が大きいシートに該当する。この透過型スクリーンを
反りの大きさが4mmになるように背面投射型映像表示
装置の枠に取り付けた直後および40℃、90%R.
H.という高湿度下に24時間放置した後のそれぞれの
画像評価結果を実施例1として表1に示す。表1にフレ
ネルレンズシートの反りの大きさ(実施例2,4)、フ
レネルレンズシートの飽和吸水率(実施例3)、あるい
は背面投射型映像表示装置の枠に取り付けたときの透過
型スクリーンの反りの大きさ(実施例2〜4)を実施例
1とは異ならせたものについて、画像を評価した結果を
あわせて示す。さらに、フレネルレンズシートの反りの
大きさおよび背面投射型映像表示装置の枠に取り付けた
ときの透過型スクリーンの反りの大きさ(比較例1)、
フレネルレンズシートの板厚(比較例2)、あるいはフ
レネルレンズシートの飽和吸水率(比較例3)の大きさ
を本発明の範囲外としたものについて同様に画像を評価
した結果をあわせて表1に示す。
説明する。図1は本発明の透過型スクリーンの一例の組
み立て前のものを概略縦断面図で示したものである。こ
の透過型スクリーン1はフレネルレンズシート1aおよ
びレンチキュラーレンズシート1bの2枚のシートから
なる。ここでテストに用いたフレネルレンズシートは板
厚が2.15mmであり(板厚が2mmのアクリルスチ
レン共重合樹脂製の板上に厚さが0.15mmの2P樹
脂層からなるフレネルレンズが形成されている。飽和吸
水率は0.8%である。)、拘束しない状態で3mmの
反りを有している。レンチキュラーレンズシートはアク
リル樹脂からなり、板厚が0.95mmで、拘束しない
状態で80mmの反りを有している。すなわち、フレネ
ルレンズシートがこの透過型スクリーンにおいて最も板
厚が大きいシートに該当する。この透過型スクリーンを
反りの大きさが4mmになるように背面投射型映像表示
装置の枠に取り付けた直後および40℃、90%R.
H.という高湿度下に24時間放置した後のそれぞれの
画像評価結果を実施例1として表1に示す。表1にフレ
ネルレンズシートの反りの大きさ(実施例2,4)、フ
レネルレンズシートの飽和吸水率(実施例3)、あるい
は背面投射型映像表示装置の枠に取り付けたときの透過
型スクリーンの反りの大きさ(実施例2〜4)を実施例
1とは異ならせたものについて、画像を評価した結果を
あわせて示す。さらに、フレネルレンズシートの反りの
大きさおよび背面投射型映像表示装置の枠に取り付けた
ときの透過型スクリーンの反りの大きさ(比較例1)、
フレネルレンズシートの板厚(比較例2)、あるいはフ
レネルレンズシートの飽和吸水率(比較例3)の大きさ
を本発明の範囲外としたものについて同様に画像を評価
した結果をあわせて表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】フレネルレンズシート単独での反りが5m
m以下である各実施例では高湿度下に放置した後も画像
に問題は生じなかったが、フレネルレンズシート単独で
の反りが7mmで大きく、セット装着時の反りも大きい
比較例1では、背面投射型映像表示装置の枠に装着した
直後から周辺部の画質がやや劣っており、高湿度下に放
置した後では画質の低下が著しかった。フレネルレンズ
シートの板厚が小さい比較例2では、背面投射型映像表
示装置の枠に装着した直後には画質に問題はなかった
が、高湿度下に放置した後では反りが増大して画質の低
下が著しかった。フレネルレンズシートの基体樹脂であ
るアクリルスチレン共重合樹脂の組成比を変更して飽和
吸水率を1.3%に変更した比較例3においても、比較
例2と同様に高湿度下に放置した後に反りが増大して画
質の低下が著しかった。
m以下である各実施例では高湿度下に放置した後も画像
に問題は生じなかったが、フレネルレンズシート単独で
の反りが7mmで大きく、セット装着時の反りも大きい
比較例1では、背面投射型映像表示装置の枠に装着した
直後から周辺部の画質がやや劣っており、高湿度下に放
置した後では画質の低下が著しかった。フレネルレンズ
シートの板厚が小さい比較例2では、背面投射型映像表
示装置の枠に装着した直後には画質に問題はなかった
が、高湿度下に放置した後では反りが増大して画質の低
下が著しかった。フレネルレンズシートの基体樹脂であ
るアクリルスチレン共重合樹脂の組成比を変更して飽和
吸水率を1.3%に変更した比較例3においても、比較
例2と同様に高湿度下に放置した後に反りが増大して画
質の低下が著しかった。
【0015】本発明の透過型スクリーンを図4に示した
ようにレンチキュラーレンズシート、プリズムレンズシ
ートおよびフレネルレンズシートの3枚で構成した場合
(実施例5,6)および本発明の透過型スクリーンを図
3に示したようにレンチキュラーレンズシート、フレネ
ルレンズシートおよび前面板の3枚で構成した場合(実
施例7,8)について、各シートの板厚、反り等の条件
および画像評価の結果を表2に示す。ここで、実施例5
および6では、レンチキュラーレンズシート、プリズム
レンズシートおよびフレネルレンズシートが互いに密着
するように背面投射型映像表示装置にセットされてお
り、プリズムレンズシートが最も板厚が大きいシートに
該当する。実施例7および8では、レンチキュラーレン
ズシート、フレネルレンズシートおよび前面板が互いに
密着するように背面投射型映像表示装置にセットされて
おり、前面板が最も板厚が大きいシートに該当する。表
2に示すように、いずれの構成においても本発明の透過
型スクリーンはセット直後、高湿度放置後のいずれにお
いても画像は良好であった。
ようにレンチキュラーレンズシート、プリズムレンズシ
ートおよびフレネルレンズシートの3枚で構成した場合
(実施例5,6)および本発明の透過型スクリーンを図
3に示したようにレンチキュラーレンズシート、フレネ
ルレンズシートおよび前面板の3枚で構成した場合(実
施例7,8)について、各シートの板厚、反り等の条件
および画像評価の結果を表2に示す。ここで、実施例5
および6では、レンチキュラーレンズシート、プリズム
レンズシートおよびフレネルレンズシートが互いに密着
するように背面投射型映像表示装置にセットされてお
り、プリズムレンズシートが最も板厚が大きいシートに
該当する。実施例7および8では、レンチキュラーレン
ズシート、フレネルレンズシートおよび前面板が互いに
密着するように背面投射型映像表示装置にセットされて
おり、前面板が最も板厚が大きいシートに該当する。表
2に示すように、いずれの構成においても本発明の透過
型スクリーンはセット直後、高湿度放置後のいずれにお
いても画像は良好であった。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、吸放湿による変形が少
なく温・湿度の変化による画質の低下が小さい透過型ス
クリーンが得られる。
なく温・湿度の変化による画質の低下が小さい透過型ス
クリーンが得られる。
【図1】本発明の透過型スクリーンの一例を示す概略縦
断面図である。
断面図である。
【図2】透過型スクリーンの反りの測定箇所を説明する
図である。
図である。
【図3】本発明が適用される背面投射型映像装置の一例
の概略斜視図である。
の概略斜視図である。
【図4】本発明が適用される背面投射型映像装置の他の
一例の概略斜視図である。
一例の概略斜視図である。
【図5】本発明が適用される背面投射型映像装置の他の
一例の概略斜視図である。
一例の概略斜視図である。
1…透過型スクリーン 2…映像源 1a…フレネルレンズシート 1b…レンチキュラーレンズシート 1c…前面板 1d…プリズムレンズシート 1e…補強板
Claims (4)
- 【請求項1】 フレネルレンズシートおよびレンチキュ
ラーレンズシートを含む複数枚のシートからなり、背面
投射型映像表示装置に取付けられる透過型スクリーンで
あって、密着するように背面投射型映像表示装置に取付
けられた複数枚のシートのうち最も板厚が大きいシート
の厚さが2mm以上であり、当該最も板厚が大きいシー
トを拘束しない状態での該シートの反りの大きさが5m
m以下であり、当該最も板厚が大きいシートの飽和吸水
率が1%以下であって、該透過型スクリーンが背面投射
型映像表示装置に取付けられた状態において、該透過型
スクリーンの反りの大きさが5mm以下であることを特
徴とする透過型スクリーン。 - 【請求項2】 レンチキュラーレンズシートの板厚をT
L(mm)で、フレネルレンズシートの板厚をTF(m
m)でそれぞれ表わしたとき、TLおよびTFがTF/
TL>1.3なる関係を満足する請求項1記載の透過型
スクリーン。 - 【請求項3】 複数枚のシートのうち最も板厚が大きい
シートがフレネルレンズシートである請求項1または2
記載の透過型スクリーン。 - 【請求項4】 拘束されない状態でのレンチキュラーレ
ンズシートの反りの大きさが80mm以上である請求項
3記載の透過型スクリーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11012850A JP2000214533A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 透過型スクリ―ン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11012850A JP2000214533A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 透過型スクリ―ン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000214533A true JP2000214533A (ja) | 2000-08-04 |
Family
ID=11816884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11012850A Pending JP2000214533A (ja) | 1999-01-21 | 1999-01-21 | 透過型スクリ―ン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000214533A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-01-21 JP JP11012850A patent/JP2000214533A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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