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JP2000206347A - 光ファイバ回折格子を有する光学装置 - Google Patents

光ファイバ回折格子を有する光学装置

Info

Publication number
JP2000206347A
JP2000206347A JP11010629A JP1062999A JP2000206347A JP 2000206347 A JP2000206347 A JP 2000206347A JP 11010629 A JP11010629 A JP 11010629A JP 1062999 A JP1062999 A JP 1062999A JP 2000206347 A JP2000206347 A JP 2000206347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
base material
diffraction grating
optical
bracket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11010629A
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English (en)
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JP3063849B1 (ja
Inventor
Mitsuaki Tamura
充章 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP11010629A priority Critical patent/JP2000206347A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3063849B1 publication Critical patent/JP3063849B1/ja
Publication of JP2000206347A publication Critical patent/JP2000206347A/ja
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバの光学特性を悪化させることな
く、回折格子が形成された光ファイバ部分を基材に対し
て確実に固定することが可能な光ファイバ回折格子を有
する光学装置を提供すること。 【解決手段】 回折格子部4を有する光ファイバ1が固
定される基材2は、同一の負の熱膨張係数を有する第1
基材5と第2基材6とにより構成される。第1基材5と
第2基材6とは概ね同一形状に形成されており、互いに
当接された状態で固定される。光ファイバ1の中心軸に
直交する面でみて、第1基材5のフランジ面5a及び第
2基材6のフランジ面6aの略中央位置には、略V字状
の溝部5b、6bが形成されている。第1基材5及び第
2基材6とで光ファイバ1を挟持した状態において、光
ファイバ1は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で見
て、基材2内の略対称軸α1上の位置に配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバのコア
部の屈折率を中心軸に沿って周期的に変化させた回折格
子が形成されている光ファイバ回折格子を有する光学装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ回折格子は、入射光に対して
特定の反射波長の光を出射することができるため、波長
の異なる光信号を1本の光ファイバを介して多重伝送す
る分割多重伝送波長分割多重伝送方式の光通信システム
等における重要な光部品として注目されている。
【0003】光ファイバ回折格子では、一般に、クラッ
ド部の周囲に設けられ樹脂からなる被覆層を軸方向の所
定長さにわたって除去し、クラッド部を露出させた状態
で紫外線を照射することにより、露出したクラッド部の
内側に位置するコア部の中心軸方向に沿った所定領域に
回折格子を形成している。このように構成した光ファイ
バ回折格子は、使用温度範囲では光ファイバが正の熱膨
張係数を有しているため、周囲温度が変化すると、光フ
ァイバが伸縮して、光ファイバに応力が印加されること
になる。したがって、光弾性効果により、光ファイバガ
ラス部の屈折率が変化するため、回折格子によるブラッ
グ波長が変化することになる。この回折格子によるブラ
ッグ波長の温度依存性を無くすためには、回折格子が形
成された光ファイバに加わる張力を低温時には増加さ
せ、高温時には低下させる必要がある。
【0004】このため、温度補償デバイスに回折格子が
形成された光ファイバを固定することが行われている。
例えば、熱膨張係数の小さいアンバーから成る基材の両
端にそれぞれ熱膨張係数の比較的大きいAlブラケット
を取り付け、このAlブラケットに回折格子が形成され
た光ファイバを所定の張力を付与した状態で固定した構
造のものが提案されている。この構造では、2つの留め
金間の距離が高温時には収縮し、低温時には拡大するの
で、回折格子が形成された光ファイバに加わる張力を低
温時には増加させ、高温時には低下させることができ
る。
【0005】また、回折格子が形成された光ファイバを
負の熱膨張係数を有する基材に設けられた凸部に接合す
ることで、ブラッグ波長がほぼ温度に依存しなくなるよ
うにし、上述した光ファイバ回折格子における温度変化
に対する反射波長の不安定性に関する問題を解決した構
造のものも提案されている。(特開平10−96827
号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの調査研究の結果、上述した光ファイバの固定構造
では以下のような問題があることが判明した。上述した
光ファイバの固定構造では、光ファイバの中心軸の一方
側に基材等の温度補償デバイスが配設されており、光フ
ァイバの中心軸に対して非対称構造となる。このため、
基材が温度変化により反り変形が発生することになり、
光ファイバの基材に固定されている部分に曲げの応力が
発生して、所望の光学特性を得ることができない可能性
があることが判明した。
【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、光ファイバの光学特性を悪化させることなく、回折
格子が形成された光ファイバ部分を基材等の温度補償デ
バイスに対して確実に固定することが可能な光ファイバ
回折格子を有する光学装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、中心軸方向の所定長さにわたって回折格子が形成さ
れた光ファイバと、光ファイバの使用温度範囲で所定の
熱膨張係数を有し、光ファイバが固定される基材とを備
え、基材の温度変化に伴う伸縮によって光ファイバの中
心軸方向に生じる変位を光ファイバに印加するようにし
た光ファイバ回折格子を有する光学装置であって、回折
格子が形成された光ファイバ部分は、光ファイバの中心
軸に直交する面で見て、基材内における略対称軸上の位
置に配設されていることを特徴としている。
【0009】請求項1に記載の光ファイバ回折格子を有
する光学装置によれば、回折格子が形成された光ファイ
バ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見て、基
材内の略対称軸上の位置に配設されているので、基材の
温度変化による反り変形の発生が抑制され、光ファイバ
の基材に固定されている部分への曲げ応力の作用が抑制
される。従って、回折格子が形成された光ファイバに加
わる張力を温度変化に応じて適切に変化させることがで
き、光ファイバの光学特性を悪化させることなく、回折
格子が形成された光ファイバ部分を基材に対して確実に
固定することが可能となる。また、基材に反り変形が生
じた場合には、光ファイバの中心軸方向での実質的に光
ファイバに印加される基材の変位の量が減少するため、
所望の変位量が確保できないことにもなるが、基材の反
り変形の発生が抑制されるため、基材の温度変化に伴う
伸縮よって生じる変位が光ファイバに適切に印加される
ことになり、所望の特性を確保することが可能となる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、回折格子が形成された光ファイバ部分
は、光ファイバの中心軸に直交する面で見て、基材内に
おける略対称中心の位置に配設されていることを特徴と
している。この場合には、回折格子が形成された光ファ
イバ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見て、
基材の略対称中心の位置に配設されているので、基材の
温度変化による反り変形の発生がより抑制される。従っ
て、光ファイバの基材に固定されている部分への曲げ応
力の作用をより抑制した上で、回折格子が形成された光
ファイバに加わる張力を温度変化に応じてより適切に変
化させることが可能となる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、基材は、略同一形状の第1基材
及び第2基材により構成されており、第1基材及び第2
基材は、溝部が形成された光ファイバ固定面を有してお
り、光ファイバは、各溝部と当接した状態で各光ファイ
バ固定面の間に挟持されることにより基材に固定されて
いることを特徴としている。この場合には、回折格子が
形成された光ファイバ部分を基材の略対称軸上又は略対
称中心の位置に配設し得る構造を簡易且つ低コストで実
現することが可能となる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、第1基材及び第2基材は、回折格子が
形成された光ファイバ部分の両側部に位置して設けら
れ、光ファイバ固定面が形成される固定部と、光ファイ
バの中心軸方向に延び且つ光ファイバの径方向に光ファ
イバから所定間隔置いて設けられ、固定部を接続する接
続部とにより構成されていることを特徴としている。光
ファイバを導波してきた導波光が回折格子を透過すべき
波長のものであるときには、その導波光の殆どは導波光
として回折格子形成領域を透過するが、回折格子形成領
域において屈折率変化に伴いモードフィールド径が変化
するため、一部は、放射光としてクラッド部へ放射され
る。この放射光は、クラッド部とその外側の層(空気層
または被覆層)との界面で反射した後、再び導波光にな
り、再結合を起こすことがある。回折格子からクラッド
部へ放射される放射光がクラッド部と保護する層との界
面、あるいは保護する層とその外側の層との界面で反射
した後コア部にて再結合する可能性を極力小さくするた
めに、回折格子が形成された光ファイバ部分の周囲にク
ラッド部より高いもしくは同等の屈折率を有する保護層
を設けることが考えられる。固定部間に設けられる接続
部が光ファイバの中心軸方向に延び且つ光ファイバの径
方向に光ファイバから所定間隔置いて設けられているの
で、回折格子が形成された光ファイバ部分に上述したよ
うな保護層を設ける等、回折格子が形成された光ファイ
バ部分の再被覆(リコート)を容易に行うことが可能と
なる。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、基材には、光ファイバを埋め込
むための溝部が形成されており、光ファイバが、溝部に
埋め込まれた状態で基材に固定されていることを特徴と
している。この場合には、回折格子が形成された光ファ
イバ部分を基材の略対称軸上又は略対称中心の位置に配
設し得る構造をより簡易で且つより低コストで実現する
ことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。なお、図面の説明において同一の要素に
は同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】(第1の実施形態)先ず、第1の実施形態
について説明する。図1〜図3は、本発明にかかる第1
の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置を示
している。
【0016】光ファイバ1が温度補償デバイスとしての
基材2に固定されている。光ファイバ1には、波長をモ
ニターしながら、光ファイバ1の中心軸方向に沿って光
ファイバ1のコア部3の屈折率が変化する回折格子部4
が所定領域形成されている。
【0017】基材2は、負の熱膨張係数を有する第1基
材5と第1基材5と同じ負の熱膨張係数を有する第2基
材6とにより構成されている。第1基材5及び第2基材
6は概ね直角柱状に形成されており、光ファイバ1の中
心軸方向(図2において左右方向)での長さ、光ファイ
バ1の径方向での高さ(図1において上下方向)及び幅
(図1において左右方向)が同等に設定されている。第
1基材5と第2基材6とは当接された状態で互いに接着
固定される。図3に示すように、光ファイバ1の中心軸
に直交する面でみて、第1基材5の第2基材6に対向し
たフランジ面5a及び第2基材6の第1基材5に対向し
たフランジ面6aの略中央位置には、略V字状の溝部5
b、6bが形成されている。両溝部5b、6bとも、光
ファイバ1の径方向での深さ及び幅が同等に設定されて
いる。従って、第1基材5及び第2基材6は、略同一形
状に形成されることになる。
【0018】第1基材5及び第2基材6は、例えば、L
iO5l2O3−SiO2系結晶化ガラスにBaOを添
加したものであって、(−83〜−94)E−7/Kの
熱膨張係数を有するものを使用している。BaOを添加
するのは、第1基材5及び第2基材6の熱膨張係数を調
整するためである。これにより、光ファイバ1の使用温
度範囲にわたって、温度変化に対するブラッグ波長の安
定性を確保することが可能となる。
【0019】光ファイバ1の基材2への固定は、光ファ
イバ1は、回折格子部4の中心波長をモニターしながら
回折格子部4に所定の張力が与えられた状態で、第1基
材5と第2基材6とを接着固定することにより行われ
る。光ファイバ1を固定する際には、基材2と光ファイ
バ1の回折格子部4は所定の温度に加熱している。この
ようにして光ファイバ1を固定することにより、光ファ
イバ1の使用温度範囲において、基材2の熱変位が光フ
ァイバ1に適切に伝えられるとこになり、回折格子部4
での温度変化に対するブラッグ波長の安定性を保つこと
が可能となる。
【0020】以上のように、本実施形態によれば、第1
基材5及び第2基材6が略同一形状に形成されているの
で、第1基材5のフランジ面5aと第2基材6のフラン
ジ面6aの当接位置に、基材2の対称軸(対称面)α1
が存在することになる。また、第1基材5及び第2基材
6の両溝部5b、6bも略同一形状に形成されているこ
とから、第1基材5及び第2基材6とで光ファイバ1を
挟持した状態において、光ファイバ1(回折格子部4)
は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で見て、基材2
内の略対称軸α1上の位置に配設されることになる。こ
れにより、第1基材5及び第2基材6の温度変化による
反り変形の発生が抑制されるため、光ファイバ1の基材
2に固定されている部分への曲げ応力の作用が抑制さ
れ、基材2の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光
ファイバ1により適切に印加される。従って、回折格子
部4が形成された光ファイバ1に加わる張力を温度変化
に応じて適切に変化させることができ、光ファイバ1の
光学特性を悪化させることなく、回折格子部4が形成さ
れた光ファイバ部分を基材2に対して確実に固定するこ
とが可能となる。
【0021】また、光ファイバ1を挟持する第1基材5
及び第2基材6を略同一形状に形成する、第1基材5及
び第2基材6の両溝部5b、6bを略同一形状に形成す
ることにより、回折格子部4が形成された光ファイバ部
分を基材2の略対称軸α1上の位置に配設し得る構造が
実現される。従って、光学装置が複雑化せず、高コスト
化を抑制することができる。
【0022】更に、本実施形態においては、溝部5b、
6bが第1基材5のフランジ面5a又は第2基材6のフ
ランジ面6aの略中央位置に設けられているので、基材
2の幅方向(図1において左右方向)での中央位置に対
称軸(対称面)α1に直交する対称軸(対称面)β1も
存在し、光ファイバ1(回折格子部4)は、基材2内の
対称軸β1上の位置にも配設されることになる。従っ
て、光ファイバ1の基材2にねじれ等の変形の発生も抑
制することになり、光ファイバ1の基材2に固定されて
いる部分への曲げ応力の作用をより抑制することが可能
となる。
【0023】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について説明する。図4及び図5は、本発明にかかる第
2の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置を
示している。
【0024】第1の実施形態における光ファイバ回折格
子を有する光学装置と第2の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置とは、基材の形状に関して
相違する。
【0025】温度補償デバイスとしての基材12は、負
の熱膨張係数を有する第1基材15と第1基材15と同
じ負の熱膨張係数を有する第2基材16とにより構成さ
れている。第1基材15及び第2基材16は、断面が略
半真円のかまぼこ形状に形成されている。第1基材15
と第2基材16とは当接された状態で互いに接着固定さ
れる。図5に示すように、光ファイバ1の中心軸に直交
する面でみて、第1基材15の第2基材16に対向した
フランジ面15a及び第2基材16の第1基材15に対
向したフランジ面16aの略中央位置には、略V字状の
溝部15b、16bが形成されている。両溝部15b、
16bとも、光ファイバ1の径方向での深さ及び幅が同
等に設定されている。従って、第1基材15及び第2基
材16は略同一形状に形成され、第1基材15及び第2
基材16とを接合した状態では、光ファイバ1の中心軸
に直交する面でみて、基材12の外形は略真円形状を呈
することになる。
【0026】以上のように、本実施形態によれば、第1
基材15及び第2基材16とで光ファイバ1を挟持した
状態において、第1基材15及び第2基材16はその断
面が略半真円状のかまぼこ形状に形成されているので、
第1基材15のフランジ面15aと第2基材16のフラ
ンジ面16aとを当接させて固定した状態では、基材1
2の断面が略真円形状に形成されることになる。従っ
て、基材12の中心位置に光ファイバ1(回折格子部
4)が存在することになり、光ファイバ1(回折格子部
4)は、基材12内の略対称中心γ1の位置に配設され
ることになる。これにより、第1の実施形態のものよ
り、更に、光ファイバ1の基材12に固定されている部
分への曲げ応力の作用がより抑制され、基材12の温度
変化に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイバ1により
適切に印加される。従って、回折格子部4が形成された
光ファイバ部分に加わる張力を温度変化に応じて変化さ
せることが可能となり、光ファイバ1の光学特性をより
悪化させることなく、回折格子部4が形成された光ファ
イバ部分を基材12に対して確実に固定することが可能
となる。
【0027】また、第1の実施形態と同様に、光ファイ
バ1を挟持する第1基材15及び第2基材16を略同一
形状に形成する、第1基材15及び第2基材16の両溝
部15b、16bを略同一形状に形成することで、回折
格子部4が形成された光ファイバ部分を基材12の略対
称軸上の位置に配設し得る構造が実現される。従って、
光学装置が複雑化せず、高コスト化を抑制することがで
きる。
【0028】(第3の実施形態)次に、第3の実施形態
について説明する。図6〜図8は、本発明にかかる第3
の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置を示
している。
【0029】第1及び第2の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置と第3の実施形態における
光ファイバ回折格子を有する光学装置とは、基材の形状
及び光ファイバの固定方法に関して相違する。
【0030】光ファイバ1は、温度補償デバイスである
基材22に対して接着剤23により固定されている。基
材22は、負の熱膨張係数を有している。接着剤23に
よる固定は、図7に示すように、基材22の光ファイバ
1の中心軸方向での両端部においてなされている。基材
22は、断面が長方形状に形成された直角柱とされてい
る。基材22には、図8に示すように、光ファイバ1を
埋め込むための溝部24が、基材22の光ファイバ1の
中心軸方向での両端部間にわたって設けられている。溝
部24は、光ファイバ1の中心軸方向に直交する面でみ
て、基材22の長軸方向(図6において左右方向)に延
びる第1面22aの中央部から、基材22の短軸方向
(図6において上下方向)に延びて形成されている。溝
部24の底部24aは、光ファイバ1の外形と略同一の
形状を有した円弧形状に形成されており、底部24aの
曲率中心が、基材22の短軸方向(図6において上下方
向)及び基材22の長軸方向(図6において左右方向)
において、基材22の中心位置に略一致するように設定
されている。従って、光ファイバ1を溝部24に接触さ
せて載置させた状態で、光ファイバ1の中心軸が基材2
2の短軸方向及び長軸方向ので略中心位置に配設される
ことになる。
【0031】以上のように、本実施形態によれば、溝部
24の底部24aは、光ファイバ1の外形と略同一の形
状を有した円弧形状に形成されており、底部24aの曲
率中心が、基材22の短軸方向及び基材の長軸方向にお
いて、基材22の中心位置に略一致するように設定され
ているので、光ファイバ1が基材22の溝部24に埋め
込まれ固定された状態において、光ファイバ1(回折格
子部4)は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で見
て、基材22内の略対称軸α2上の位置に配設されるこ
とになる。これにより、基材22の温度変化による反り
変形の発生が抑制されるため、光ファイバ1の基材22
に固定されている部分への曲げ応力の作用を抑制され、
基材22の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光フ
ァイバ1により適切に印加される。従って、回折格子部
4が形成された光ファイバ1に加わる張力を温度変化に
応じて変化させることができ、光ファイバ1の光学特性
を悪化させることなく、回折格子が形成された光ファイ
バ部分を基材に対して確実に固定することが可能とな
る。
【0032】1つの基材22に形成される溝部24の形
状を適切に設定することにより、回折格子部4が形成さ
れた光ファイバ部分を基材22の略対称軸上の位置に配
設し得る構造が実現される。従って、複数の基材を有す
る第1又は第2の実施形態のものより、光学装置がより
複雑化せず、高コスト化をより抑制することができる。
【0033】更に、本実施形態においては、溝部24が
基材22の長軸方向の中央部に設けられているので、基
材22の長軸方向(図6において左右方向)での中央位
置に対称軸(対称面)α2に直交する対称軸(対称面)
β2も存在し、光ファイバ1(回折格子部4)は、基材
22内の略対称軸β2上の位置にも配設されることにな
る。従って、光ファイバ1の基材22にねじれ等の変形
の発生も抑制することになり、光ファイバ1の基材22
に固定されている部分への曲げ応力の作用をより抑制す
ることが可能となる。
【0034】(第4の実施形態)次に、第4の実施形態
について説明する。図9及び図10は、本発明にかかる
第4の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置
を示している。
【0035】第3の実施形態における光ファイバ回折格
子を有する光学装置と第4の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置とは、基材の形状に関して
相違する。
【0036】光ファイバ1は、負の熱膨張係数を有する
基材32に対して接着剤23により固定されている。接
着剤23による固定は、第3の実施形態と同様に、基材
32の両端部近傍においてなされている。基材32は、
断面が略真円形状に形成された円柱とされている。基材
32には、光ファイバ1を埋め込むための溝部34が、
第3の実施形態と同様に、基材32の光ファイバ1の中
心軸方向での両端部間にわたって設けられている。溝部
34は、光ファイバ1の中心軸方向に直交する面でみ
て、基材32の外周部分から中心部方向(図9において
上下方向)に向かって延びて形成されている。溝部34
の底部34aは、光ファイバ1の外形と略同一の形状を
有して形成されており、底部34aの曲率中心が、基材
32の中心位置に略一致するように設定されている。従
って、光ファイバ1を溝部34に接触させて載置させた
状態で、光ファイバ1の中心軸方向に直交する面でみて
光ファイバ1の中心軸が基材32の略中心位置に配設さ
れることになる。
【0037】以上のように、本実施形態によれば、溝部
34の底部34aは、光ファイバ1の外形と略同一の形
状を有した円弧状に形成されており、底部34aの曲率
中心が、基材32の略中心位置に略一致するように設定
されているので、光ファイバ1が基材32の溝部34に
埋め込まれ固定された状態において、光ファイバ1(回
折格子部4)は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で
見て、基材32内の略対象中心γ2の位置に配設される
ことになる。これにより、第3の実施形態のものより、
更に、光ファイバ1の基材32に固定されている部分へ
の曲げ応力の作用がより抑制され、基材32の温度変化
に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイバ1により適切
に印加される。従って、回折格子部4が形成された光フ
ァイバ1に加わる張力を温度変化に応じて変化させるこ
とが可能となり、光ファイバ1の光学特性をより悪化さ
せることなく、回折格子部4が形成された光ファイバ部
分を基材32に対して確実に固定することが可能とな
る。
【0038】また、第3の実施形態と同様に、1つの基
材32に形成される溝部34の形状を適切に設定するこ
とで、回折格子部4が形成された光ファイバ部分を基材
32の略対称軸上の位置に配設し得る構造が実現され
る。従って、複数の基材を有する第1又は第2の実施形
態のものより、光学装置がより複雑化せず、高コスト化
をより抑制することができる。
【0039】(第5の実施形態)次に、第5の実施形態
について説明する。図11〜図14は、本発明にかかる
第5の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置
を示している。
【0040】温度補償デバイス41は、光ファイバ1を
固定するための第1及び第2Alブラケット42、43
と、第1Alブラケット42、42間又は第2Alブラ
ケット43、43間を接続する第1及び第2ガラス基材
44、45とにより構成されている。第1及び第2Al
ブラケット42、43は、回折格子部4が形成された光
ファイバ部分の両側に位置して設けられている。第1及
び第2ガラス基材44、45は石英ガラス等からなり、
光ファイバ1の中心軸方向に延び且つ光ファイバ1の径
方向に光ファイバ1から所定間隔を有して設けられてい
る。第1ガラス基材44及び第2ガラス基材45は、第
1Alブラケット42と第2Alブラケット43とによ
り挟持されて固定されている。本実施形態においては、
第1及び第2Alブラケット42、43が請求項におけ
る固定部を構成し、第1及び第2ガラス基材44、45
が請求項における接続部を構成している。また、第1A
lブラケット42と第1ガラス基材44とが請求項にお
ける第1基材を構成し、第2Alブラケット43と第2
ガラス基材45とが請求項における第2基材を構成して
いる。
【0041】第1ガラス基材44と第2ガラス基材45
とは、図12又は図13に示すように、互いに同一形状
を有し、円柱状に形成されている。第1ガラス基材44
と第2ガラス基材45とは、光ファイバ1の中心軸を含
んで光ファイバ1の中心軸方向に延びる平面上で、光フ
ァイバ1の中心軸を挟んで、対称位置に設けられてい
る。
【0042】第1及び第2Alブラケット42、43
は、図12又は図13に示すように、互いに同一形状を
有する第1ブラケット46、48と第2ブラケット4
7、49とにより構成されている。第1ブラケット4
6、48及び第2ブラケット47、49は、光ファイバ
1を挟持して固定するための光ファイバ固定部46a、
47a、48a、49aと、第1ガラス基材44又は第
2ガラス基材45を固定するためのガラス基材固定部4
6b、47b、48b、49bとを有している。光ファ
イバ固定部46a、47a、48a、49aは、光ファ
イバ1の中心軸に直交する面での断面が矩形に形成され
ている。光ファイバ1の中心軸方向でみて、光ファイバ
固定部46a、47a、48a、49aの長さは、光フ
ァイバ1を固定するための側圧を確保するために、所望
の長さを確保する必要があり、本実施例においては、ガ
ラス基材固定部46b、47b、48b、49bの長さ
より長く設定されているが、ガラス基材固定部46b、
47b、48b、49bの長さを光ファイバ固定部46
a、47a、48a、49aの長さと同等に設定しても
よい。
【0043】図14に示すように、第1Alブラケット
42の第1及び第2ブラケット46、47の第2Alブ
ラケット43に対向したフランジ面46c、47c及び
第2Alブラケット43の第1及び第2ブラケット4
8、49の第1AIブラケット42に対向したフランジ
面48c、49cの、光ファイバ1の中心軸に直交する
面でみて略中央位置には、略V字形状の溝部46d、4
7d、48d、49dが形成されている。溝部46d、
47d、48d、49dも、光ファイバ1の径方向での
深さ及び幅が同等に設定されている。また、第1Alブ
ラケット42のフランジ面46c、47c及び第2Al
ブラケット43のフランジ面48c、49cのガラス基
材固定部46b、47b、48b、49bに位置する部
分には、略V字形状の溝部46e、47e、48e、4
9eが形成されており、光ファイバ1の径方向での深さ
及び幅が同等に設定されている。溝部46dと溝部47
dとで、あるいは、溝部48dと溝部49dとで光ファ
イバ1を挟持した状態、及び、溝部46eと溝部47e
とで、あるいは、溝部48eと溝部49eとで第1又は
第2ガラス基材44、45を挟持した状態で、第1ブラ
ケット46、48同士又は第2ブラケット47、49同
士は、互いに当接された状態で接着固定される。
【0044】以上のように、本実施形態によれば、第1
ブラケット46、48及び第2ブラケット47、49が
略同一形状に形成されているので、第1Alブラケット
42の第1ブラケット46のフランジ面46cと第2A
lブラケット43の第1ブラケット48のフランジ面4
8cの当接位置に、及び、第1Alブラケット42の第
2ブラケット47のフランジ面47cと第2Alブラケ
ット43の第2ブラケット49のフランジ面49cの当
接位置に、第1Alブラケット42及び第2Alブラケ
ット43の対称軸(対称面)α3が存在することにな
る。また、第1ブラケット46、48及び第2ブラケッ
ト47、49の溝部46d、47d、48d、49dも
略同一形状に形成されていることから、第1Alブラケ
ット42及び第2Alブラケット43とで光ファイバ1
を挟持した状態において、光ファイバ1(回折格子部
4)は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で見て、第
1Alブラケット42及び第2Alブラケット43内の
対称軸α3上の位置に配設されることになる。これによ
り、第1Alブラケット42及び第2Alブラケット4
3の温度変化による反り変形の発生が抑制されるため、
光ファイバ1の第1Alブラケット42及び第2Alブ
ラケット43に固定されている部分への曲げ応力の作用
が抑制され、温度補償デバイス41(第1Alブラケッ
ト42及び第2Alブラケット43)の温度変化に伴う
伸縮よって生じる変位が光ファイバ1により適切に印加
される。従って、回折格子部4が形成された光ファイバ
1に加わる張力を温度変化に応じて変化させることがで
き、光ファイバ1の光学特性を悪化させることなく、回
折格子部4が形成された光ファイバ部分を温度補償デバ
イス41に対して確実に固定することが可能となる。
【0045】更に、第1及び第2ガラス基材44、45
が光ファイバ1の中心軸方向に延び且つ光ファイバ1の
径方向に光ファイバ1から所定間隔置いて設けられてい
るので、温度補償デバイス41の温度変化による熱変位
は第1及び第2Alブラケット42、43を介して光フ
ァイバ1に伝えられることになる。これにより、光ファ
イバ1の温度補償デバイス41に固定されている部分へ
の曲げ応力の作用を抑制した上で、温度補償デバイス4
1の熱変位をより適切に光ファイバ1に伝えることがで
き、光ファイバ1(回折格子部4)を第1Alブラケッ
ト42及び第2Alブラケット43内の対称軸α3上に
配設したことと相まって、回折格子部4が形成された光
ファイバ1に加わる張力をより適切に変化させることが
できる。
【0046】また、回折格子部4からクラッド部へ放射
される放射光がクラッド部と保護する層との界面、ある
いは保護する層とその外側の層との界面で反射した後コ
ア部3にて再結合する可能性を極力小さくするために、
回折格子部4が形成された光ファイバ部分の周囲にクラ
ッド部より高いもしくは同等の屈折率を有する保護層を
設けることが考えられる。この際に、第1及び第2ガラ
ス基材44、45が光ファイバ1の中心軸方向に延び且
つ光ファイバ1の径方向に光ファイバ1から所定間隔置
いて設けられているので、回折格子部4が形成された光
ファイバ部分に上述したような保護層を設ける等の再被
覆(リコート)を容易に行うことが可能となる。
【0047】(第6の実施形態)最後に、第6の実施形
態について説明する。図15〜図18は、本発明にかか
る第6の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装
置を示している。
【0048】第5の実施形態における光ファイバ回折格
子を有する光学装置と第6の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置とは、第1及び第2Alブ
ラケットの形状に関して相違する。
【0049】温度補償デバイス51は、第1及び第2A
lブラケット52、53並びに第1及び第2ガラス基材
44、45とにより構成されている。
【0050】第1及び第2Alブラケット52、53
は、図16又は図17に示すように、互いに同一形状を
有する第1ブラケット56、58と第2ブラケット5
7、59とにより構成されている。第1ブラケット5
6、58及び第2ブラケット57、59は、光ファイバ
1を固定するための光ファイバ固定部56a、57a、
58a、59aと、第1ガラス基材44又は第2ガラス
基材45を固定するためのガラス基材固定部56b、5
7b、58b、59bとを有している。光ファイバ固定
部56a、57a、58a、59aは、光ファイバ1の
中心軸に直交する面での断面が略半真円状に形成された
かまぼこ形状を呈している。ガラス基材固定部56b、
57b、58b、59bは、光ファイバ固定部56a、
57a、58a、59aの径方向に延びてフランジ状に
形成されており、その外周は略半真円状に形成されてい
る。従って、第1Alブラケット52と第2Alブラケ
ット53とを固定した状態では、光ファイバ1の中心軸
に直交する面でみて、第1Alブラケット52及び第2
Alブラケット53の外形は略真円形状を呈することに
なる。
【0051】図18に示すように、第1Alブラケット
52の第1及び第2ブラケット56、57の第2Alブ
ラケット53に対向したフランジ面56c、57c及び
第2Alブラケット53の第1及び第2ブラケット5
8、59の第1AIブラケット52に対向したフランジ
面58c、59cの、光ファイバ1の中心軸に直交する
面でみて略中央位置には、略V字状の溝部56d、57
d、58d、59dが形成されている。溝部56d、5
7d、58d、59dも、光ファイバ1の径方向での深
さ及び幅が同等に設定されている。また、第1Alブラ
ケット52のフランジ面56c、57c及び第2Alブ
ラケット53のフランジ面58c、59cのガラス基材
固定部56b、57b、58b、59bに位置する部分
には、略V字形状の溝部56e、57e、58e、59
eが形成されており、光ファイバ1の径方向での深さ及
び幅が同等に設定されている。溝部56dと溝部57d
とで、あるいは、溝部58dと溝部59dとで光ファイ
バ1を挟持した状態、及び、溝部56eと溝部57eと
で、あるいは、溝部58eと溝部59eとで第1又は第
2ガラス基材44、45を挟持した状態で、第1ブラケ
ット46、48同士又は第2ブラケット47、49同士
は、互いに当接された状態で接着固定される。
【0052】以上のように、本実施形態によれば、第1
Alブラケット52と第2Alブラケット53とで光フ
ァイバ1を挟持した状態において、第1Alブラケット
52及び第2Alブラケット53(第1ブラケット5
6、58及び第2ブラケット57、59)はその断面が
略半真円状のかまぼこ形状に形成されているので、第1
Alブラケット52のフランジ面56c、58cと第2
Alブラケット53のフランジ面57c、59cとを当
接させて固定した状態では、光ファイバ1の中心軸に直
交する面における断面が略真円形状に形成されることに
なる。従って、第1Alブラケット52及び第2Alブ
ラケット53にて構成される固定部の略中心位置に光フ
ァイバ1(回折格子部4)が存在することになり、光フ
ァイバ1(回折格子部4)は、第1Alブラケット52
及び第2Alブラケット53内の略対称中心γ3の位置
に配設されることになる。これにより、第5の実施形態
のものより、光ファイバ1の第1Alブラケット52及
び第2Alブラケット53に固定されている部分への曲
げ応力の作用がより抑制され、温度補償デバイス51
(第1Alブラケット52及び第2Alブラケット5
3)の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイ
バ1により適切に印加される。従って、回折格子部4が
形成された光ファイバ1に加わる張力を温度変化に応じ
て変化させることが可能となl、光ファイバ1の光学特
性をより悪化させることなく、回折格子部4が形成され
た光ファイバ部分を第1Alブラケット52及び第2A
lブラケット53に対して確実に固定することが可能と
なる。
【0053】更に、第1及び第2ガラス基材44、45
が光ファイバ1の中心軸方向に延び且つ光ファイバ1の
径方向に光ファイバ1から所定間隔置いて設けられてい
るので、温度補償デバイス51の温度変化による熱変位
は第1及び第2Alブラケット52、53を介して光フ
ァイバ1に伝えられることになる。これにより、光ファ
イバ1の温度補償デバイス51に固定されている部分へ
の曲げ応力の作用を抑制した上で、温度補償デバイス5
1の熱変位をより適切に光ファイバ1に伝えることがで
き、光ファイバ1(回折格子部4)を第1Alブラケッ
ト52及び第2Alブラケット53内の対称中心γ3上
に配設したことと相まって、回折格子部4が形成された
光ファイバ1に加わる張力をより適切に変化させること
ができる。また、第5の実施形態と同様に、回折格子部
4が形成された光ファイバ部分に保護層を設ける等の再
被覆(リコート)を容易に行うことが可能となる。
【0054】上述した各実施形態の変形例として、光フ
ァイバ1のクラッド部の周囲に設けられた被覆層が所定
長さにわたって除去されてクラッド部が露出している露
出部分に対して、光ファイバ1の中心軸方向に沿って光
ファイバ1のコア部の屈折率が変化する回折格子部4を
所定領域形成し、この被覆層が除去された状態の光ファ
イバを温度補償デバイスに固定するように構成してもよ
い。
【0055】また、第1、第3及び第5の実施形態にお
いて、回折格子部4が形成された1本の光ファイバ1を
基材2、22(第5の実施形態においては、第1Alブ
ラケット42及び第2Alブラケット43)内の略対称
軸α1、α2、α3上の位置に配設しているが、略対称
軸α1、α2、α3上の位置に配設される光ファイバ1
の本数は1本に限られるものではない。回折格子部4が
形成された複数本の光ファイバ1を略対称軸α1、α
2、α3上に沿って配設するようにしても良い。例え
ば、第1の実施形態の変形例として、フランジ面5a及
びフランジ面6aに、V字状の溝部5b、6bを各々複
数形成し、この複数形成されたV字状の溝部5b、6b
間にそれぞれの光ファイバ1を配設するように構成する
ことが考えられる。
【0056】また、第1及び第2の実施形態において
は、第1基材5、15と第2基材6、16とを接着固定
しているが、機械的なクランプ機構により光ファイバ1
を基材2に固定するように構成しても良い。更に、第1
基材5、15と第2基材6、16として、第1基材5、
15及び第2基材6、16の両端部に所定高さを有する
凸部が形成されているものを用いてもよい。この場合に
は、凸部に光ファイバ1を挟持するための溝部を形成
し、凸部を当接させ光ファイバ1を挟持した状態で第1
基材5、15と第2基材6、16とを接合固定して、光
ファイバ1を基材2、12固定することになる。
【0057】また、第3及び第4の実施形態において
は、接着剤23による光ファイバ1の固定が基材22、
32の光ファイバ1の中心軸方向での両端部においてな
されているが、光ファイバ1の中心軸方向での両端部間
にわたって接着剤23により光ファイバ1を基材22、
32に固定するように構成しても良い。
【0058】また、第5又は第6の実施形態において、
第1Alブラケット42、52及び第2Alブラケット
43、53(第1ブラケット46、48、56、58及
び第2ブラケット47、49、57、59)とにより光
ファイバ1を挟持として固定する構成の代わりに、図8
又は図9に示すような、光ファイバ1を埋め込むことが
できる溝部を有する形状のAlブラケットを設け、この
Alブラケットに光ファイバ1を接着固定する構成のも
のでもよい。
【0059】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、光ファイバの光学特性を悪化させることなく、
回折格子が形成された光ファイバ部分を基材等の温度補
償デバイスに対して確実に固定することができる光ファ
イバ回折格子を有する光学装置を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第1の実施形態における第1又は第2基材の斜
視図である。
【図4】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第2の実施形態を示す正面図である。
【図5】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第2の実施形態における第1又は第2基材の斜
視図である。
【図6】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第3の実施形態を示す正面図である。
【図7】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第3の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第3の実施形態における基材の斜視図である。
【図9】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する光
学装置の第4の実施形態を示す正面図である。
【図10】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する
光学装置の第4の実施形態における基材の斜視図であ
る。
【図11】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する
光学装置の第5の実施形態を示す正面図である。
【図12】図11のA−A線に沿った断面図である。
【図13】図11のB−B線に沿った断面図である。
【図14】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する
光学装置の第5の実施形態における第1又は第2ブラケ
ットの斜視図である。
【図15】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する
光学装置の第6の実施形態を示す正面図である。
【図16】図15のC−C線に沿った断面図である。
【図17】図15のD−D線に沿った断面図である。
【図18】本発明にかかる光ファイバ回折格子を有する
光学装置の第6の実施形態における第1又は第2ブラケ
ットの斜視図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2…基材、4…回折格子部、5…第1
基材、5b…溝部、6…基材、6b…溝部、7…クラン
プ装置、12…基材、15…第1基材、15b…溝部、
16…第2基材、16b…溝部、22…基材、23…接
着剤、24…溝部、24a…底部、32…基材、34…
溝部、34a…底部、41…温度補償デバイス、42…
第1Alブラケット、43…第2Alブラケット、44
…第1ガラス基材、45…第2ガラス基材、46、48
…第1ブラケット、47、49…第2ブラケット、46
a、47a、48a、49a…光ファイバ固定部、46
b、47b、48b、49b…ガラス基材固定部、46
d、47d、48d、49d…溝部、51…温度補償デ
バイス、52…第1Alブラケット、53…第2Alブ
ラケット、56、58…第1ブラケット、57、59…
第2ブラケット、56a、57a、58a、59a…光
ファイバ固定部、56b、57b、58b、59b…ガ
ラス基材固定部、56d、57d、58d、59d…溝
部、α1、α2、α3…対称軸、β1、β2…対称軸、
γ1、γ2、γ3…対称中心。
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月15日(1999.12.
15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバのコア
部の屈折率を中心軸に沿って周期的に変化させた回折格
子が形成されている光ファイバ回折格子を有する光学装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ回折格子は、入射光に対して
特定の反射波長の光を出射することができるため、波長
の異なる光信号を1本の光ファイバを介して多重伝送す
る分割多重伝送波長分割多重伝送方式の光通信システム
等における重要な光部品として注目されている。
【0003】光ファイバ回折格子では、一般に、クラッ
ド部の周囲に設けられ樹脂からなる被覆層を軸方向の所
定長さにわたって除去し、クラッド部を露出させた状態
で紫外線を照射することにより、露出したクラッド部の
内側に位置するコア部の中心軸方向に沿った所定領域に
回折格子を形成している。このように構成した光ファイ
バ回折格子は、使用温度範囲では光ファイバが正の熱膨
張係数を有しているため、周囲温度が変化すると、光フ
ァイバが伸縮して、光ファイバに応力が印加されること
になる。したがって、光弾性効果により、光ファイバガ
ラス部の屈折率が変化するため、回折格子によるブラッ
グ波長が変化することになる。この回折格子によるブラ
ッグ波長の温度依存性を無くすためには、回折格子が形
成された光ファイバに加わる張力を低温時には増加さ
せ、高温時には低下させる必要がある。
【0004】このため、温度補償デバイスに回折格子が
形成された光ファイバを固定することが行われている。
例えば、熱膨張係数の小さいアンバーから成る基材の両
端にそれぞれ熱膨張係数の比較的大きいAlブラケット
を取り付け、このAlブラケットに回折格子が形成され
た光ファイバを所定の張力を付与した状態で固定した構
造のものが提案されている。この構造では、2つの留め
金間の距離が高温時には収縮し、低温時には拡大するの
で、回折格子が形成された光ファイバに加わる張力を低
温時には増加させ、高温時には低下させることができ
る。
【0005】また、回折格子が形成された光ファイバを
負の熱膨張係数を有する基材に設けられた凸部に接合す
ることで、ブラッグ波長がほぼ温度に依存しなくなるよ
うにし、上述した光ファイバ回折格子における温度変化
に対する反射波長の不安定性に関する問題を解決した構
造のものも提案されている。(特開平10−96827
号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの調査研究の結果、上述した光ファイバの固定構造
では以下のような問題があることが判明した。上述した
光ファイバの固定構造では、光ファイバの中心軸の一方
側に基材等の温度補償デバイスが配設されており、光フ
ァイバの中心軸に対して非対称構造となる。このため、
基材が温度変化により反り変形が発生することになり、
光ファイバの基材に固定されている部分に曲げの応力が
発生して、所望の光学特性を得ることができない可能性
があることが判明した。
【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、光ファイバの光学特性を悪化させることなく、回折
格子が形成された光ファイバ部分を基材等の温度補償デ
バイスに対して確実に固定することが可能な光ファイバ
回折格子を有する光学装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、中心軸方向の所定長さにわたって回折格子が形成さ
れた光ファイバと、光ファイバの使用温度範囲で所定の
熱膨張係数を有し、光ファイバが固定される基材とを備
え、基材の温度変化に伴う伸縮によって光ファイバの中
心軸方向に生じる変位を光ファイバに印加するようにし
た光ファイバ回折格子を有する光学装置であって、回折
格子が形成された光ファイバ部分は、光ファイバの中心
軸に直交する面で見て、基材内における略対称軸上の位
置に配設され、基材は、略同一形状の第1基材及び第2
基材により構成されており、第1基材及び第2基材は、
溝部が形成された光ファイバ固定面を有しており、光フ
ァイバは、各溝部と当接した状態で各光ファイバ固定面
の間に挟持されることにより基材に固定されていること
を特徴としている。
【0009】請求項1に記載の光ファイバ回折格子を有
する光学装置によれば、回折格子が形成された光ファイ
バ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見て、基
材内の略対称軸上の位置に配設されているので、基材の
温度変化による反り変形の発生が抑制され、光ファイバ
の基材に固定されている部分への曲げ応力の作用が抑制
される。従って、回折格子が形成された光ファイバに加
わる張力を温度変化に応じて適切に変化させることがで
き、光ファイバの光学特性を悪化させることなく、回折
格子が形成された光ファイバ部分を基材に対して確実に
固定することが可能となる。また、基材に反り変形が生
じた場合には、光ファイバの中心軸方向での実質的に光
ファイバに印加される基材の変位の量が減少するため、
所望の変位量が確保できないことにもなるが、基材の反
り変形の発生が抑制されるため、基材の温度変化に伴う
伸縮よって生じる変位が光ファイバに適切に印加される
ことになり、所望の特性を確保することが可能となる。
更に、基材は、略同一形状の第1基材及び第2基材によ
り構成されており、第1基材及び第2基材は、溝部が形
成された光ファイバ固定面を有しており、光ファイバ
は、各溝部と当接した状態で各光ファイバ固定面の間に
挟持されることにより基材に固定されているので、回折
格子が形成された光ファイバ部分を基材の略対称軸上の
位置に配設し得る構造を簡易且つ低コストで実現するこ
とが可能となる。
【0010】請求項2に記載の発明は、中心軸方向の所
定長さにわたって回折格子が形成された光ファイバと、
光ファイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有し、
光ファイバが固定される基材とを備え、基材の温度変化
に伴う伸縮によって光ファイバの中心軸方向に生じる変
位を光ファイバに印加するようにした光ファイバ回折格
子を有する光学装置であって、回折格子が形成された光
ファイバ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見
て、基材内における略対称中心の位置に配設され、基材
は、略同一形状の第1基材及び第2基材により構成され
ており、第1基材及び第2基材は、溝部が形成された光
ファイバ固定面を有しており、光ファイバは、各溝部と
当接した状態で各光ファイバ固定面の間に挟持されるこ
とにより基材に固定されていることを特徴としている。
【0011】請求項2に記載の光ファイバ回折格子を有
する光学装置によれば、回折格子が形成された光ファイ
バ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見て、基
材の略対称中心の位置に配設されているので、基材の温
度変化による反り変形の発生がより抑制される。従っ
て、光ファイバの基材に固定されている部分への曲げ応
力の作用をより抑制した上で、回折格子が形成された光
ファイバに加わる張力を温度変化に応じてより適切に変
化させることができ、光ファイバの光学特性を悪化させ
ることなく、回折格子が形成された光ファイバ部分を基
材に対して確実に固定することが可能となる。また、基
材に反り変形が生じた場合には、光ファイバの中心軸方
向での実質的に光ファイバに印加される基材の変位の量
が減少するため、所望の変位量が確保できないことにも
なるが、基材の反り変形の発生がより抑制されるため、
基材の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイ
バに適切に印加されることになり、所望の特性を確保す
ることが可能となる。更に、基材は、略同一形状の第1
基材及び第2基材により構成されており、第1基材及び
第2基材は、溝部が形成された光ファイバ固定面を有し
ており、光ファイバは、各溝部と当接した状態で各光フ
ァイバ固定面の間に挟持されることにより基材に固定さ
れているので、回折格子が形成された光ファイバ部分を
基材の略対称中心の位置に配設し得る構造を簡易且つ低
コストで実現することが可能となる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、第1基材及び第2基材は、回折
格子が形成された光ファイバ部分の両側部に位置して設
けられ、光ファイバ固定面が形成される固定部と、光フ
ァイバの中心軸方向に延び且つ光ファイバの径方向に光
ファイバから所定間隔置いて設けられ、固定部を接続す
る接続部とにより構成されていることを特徴としてい
る。光ファイバを導波してきた導波光が回折格子を透過
すべき波長のものであるときには、その導波光の殆どは
導波光として回折格子形成領域を透過するが、回折格子
形成領域において屈折率変化に伴いモードフィールド径
が変化するため、一部は、放射光としてクラッド部へ放
射される。この放射光は、クラッド部とその外側の層
(空気層または被覆層)との界面で反射した後、再び導
波光になり、再結合を起こすことがある。回折格子から
クラッド部へ放射される放射光がクラッド部と保護する
層との界面、あるいは保護する層とその外側の層との界
面で反射した後コア部にて再結合する可能性を極力小さ
くするために、回折格子が形成された光ファイバ部分の
周囲にクラッド部より高いもしくは同等の屈折率を有す
る保護層を設けることが考えられる。固定部間に設けら
れる接続部が光ファイバの中心軸方向に延び且つ光ファ
イバの径方向に光ファイバから所定間隔置いて設けられ
ているので、回折格子が形成された光ファイバ部分に上
述したような保護層を設ける等、回折格子が形成された
光ファイバ部分の再被覆(リコート)を容易に行うこと
が可能となる。
【0013】請求項4に記載の発明は、中心軸方向の所
定長さにわたって回折格子が形成された光ファイバと、
光ファイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有し、
光ファイバが固定される基材とを備え、基材の温度変化
に伴う伸縮によって光ファイバの中心軸方向に生じる変
位を光ファイバに印加するようにした光ファイバ回折格
子を有する光学装置であって、回折格子が形成された光
ファイバ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見
て、基材内における略対称軸上の位置に配設され、基材
には、光ファイバを基材内に埋め込むための溝部が形成
されており、光ファイバが、溝部に埋め込まれた状態で
基材に固定されていることを特徴としている。
【0014】請求項4に記載の光ファイバ回折格子を有
する光学装置によれば、回折格子が形成された光ファイ
バ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見て、基
材内の略対称軸上の位置に配設されているので、基材の
温度変化による反り変形の発生が抑制され、光ファイバ
の基材に固定されている部分への曲げ応力の作用が抑制
される。従って、回折格子が形成された光ファイバに加
わる張力を温度変化に応じて適切に変化させることがで
き、光ファイバの光学特性を悪化させることなく、回折
格子が形成された光ファイバ部分を基材に対して確実に
固定することが可能となる。また、基材に反り変形が生
じた場合には、光ファイバの中心軸方向での実質的に光
ファイバに印加される基材の変位の量が減少するため、
所望の変位量が確保できないことにもなるが、基材の反
り変形の発生が抑制されるため、基材の温度変化に伴う
伸縮よって生じる変位が光ファイバに適切に印加される
ことになり、所望の特性を確保することが可能となる。
更に、基材には、光ファイバを埋め込むための溝部が形
成されており、光ファイバが、溝部に埋め込まれた状態
で基材に固定されているので、回折格子が形成された光
ファイバ部分を基材の略対称軸上の位置に配設し得る構
造をより簡易で且つより低コストで実現することが可能
となる。
【0015】請求項5に記載の発明は、中心軸方向の所
定長さにわたって回折格子が形成された光ファイバと、
光ファイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有し、
光ファイバが固定される基材とを備え、基材の温度変化
に伴う伸縮によって光ファイバの中心軸方向に生じる変
位を光ファイバに印加するようにした光ファイバ回折格
子を有する光学装置であって、回折格子が形成された光
ファイバ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見
て、基材内における略対称中心の位置に配設され、基材
には、光ファイバを基材内に埋め込むための溝部が形成
されており、光ファイバが、溝部に埋め込まれた状態で
基材に固定されていることを特徴としている。
【0016】請求項5に記載の光ファイバ回折格子を有
する光学装置によれば、回折格子が形成された光ファイ
バ部分は、光ファイバの中心軸に直交する面で見て、基
材の略対称中心の位置に配設されているので、基材の温
度変化による反り変形の発生がより抑制される。従っ
て、光ファイバの基材に固定されている部分への曲げ応
力の作用をより抑制した上で、回折格子が形成された光
ファイバに加わる張力を温度変化に応じてより適切に変
化させることができ、光ファイバの光学特性を悪化させ
ることなく、回折格子が形成された光ファイバ部分を基
材に対して確実に固定することが可能となる。また、基
材に反り変形が生じた場合には、光ファイバの中心軸方
向での実質的に光ファイバに印加される基材の変位の量
が減少するため、所望の変位量が確保できないことにも
なるが、基材の反り変形の発生がより抑制されるため、
基材の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイ
バに適切に印加されることになり、所望の特性を確保す
ることが可能となる。更に、基材には、光ファイバを埋
め込むための溝部が形成されており、光ファイバが、溝
部に埋め込まれた状態で基材に固定されているので、回
折格子が形成された光ファイバ部分を基材の略対称中心
の位置に配設し得る構造をより簡易で且つより低コスト
で実現することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。なお、図面の説明において同一の要素に
は同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】(第1の実施形態)先ず、第1の実施形態
について説明する。図1〜図3は、本発明にかかる第1
の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置を示
している。
【0019】光ファイバ1が温度補償デバイスとしての
基材2に固定されている。光ファイバ1には、波長をモ
ニターしながら、光ファイバ1の中心軸方向に沿って光
ファイバ1のコア部3の屈折率が変化する回折格子部4
が所定領域形成されている。
【0020】基材2は、負の熱膨張係数を有する第1基
材5と第1基材5と同じ負の熱膨張係数を有する第2基
材6とにより構成されている。第1基材5及び第2基材
6は概ね直角柱状に形成されており、光ファイバ1の中
心軸方向(図2において左右方向)での長さ、光ファイ
バ1の径方向での高さ(図1において上下方向)及び幅
(図1において左右方向)が同等に設定されている。第
1基材5と第2基材6とは当接された状態で互いに接着
固定される。図3に示すように、光ファイバ1の中心軸
に直交する面でみて、第1基材5の第2基材6に対向し
たフランジ面5a及び第2基材6の第1基材5に対向し
たフランジ面6aの略中央位置には、略V字状の溝部5
b、6bが形成されている。両溝部5b、6bとも、光
ファイバ1の径方向での深さ及び幅が同等に設定されて
いる。従って、第1基材5及び第2基材6は、略同一形
状に形成されることになる。
【0021】第1基材5及び第2基材6は、例えば、L
iO5l2O3−SiO2系結晶化ガラスにBaOを添
加したものであって、(−83〜−94)E−7/Kの
熱膨張係数を有するものを使用している。BaOを添加
するのは、第1基材5及び第2基材6の熱膨張係数を調
整するためである。これにより、光ファイバ1の使用温
度範囲にわたって、温度変化に対するブラッグ波長の安
定性を確保することが可能となる。
【0022】光ファイバ1の基材2への固定は、光ファ
イバ1は、回折格子部4の中心波長をモニターしながら
回折格子部4に所定の張力が与えられた状態で、第1基
材5と第2基材6とを接着固定することにより行われ
る。光ファイバ1を固定する際には、基材2と光ファイ
バ1の回折格子部4は所定の温度に加熱している。この
ようにして光ファイバ1を固定することにより、光ファ
イバ1の使用温度範囲において、基材2の熱変位が光フ
ァイバ1に適切に伝えられるとこになり、回折格子部4
での温度変化に対するブラッグ波長の安定性を保つこと
が可能となる。
【0023】以上のように、本実施形態によれば、第1
基材5及び第2基材6が略同一形状に形成されているの
で、第1基材5のフランジ面5aと第2基材6のフラン
ジ面6aの当接位置に、基材2の対称軸(対称面)α1
が存在することになる。また、第1基材5及び第2基材
6の両溝部5b、6bも略同一形状に形成されているこ
とから、第1基材5及び第2基材6とで光ファイバ1を
挟持した状態において、光ファイバ1(回折格子部4)
は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で見て、基材2
内の略対称軸α1上の位置に配設されることになる。こ
れにより、第1基材5及び第2基材6の温度変化による
反り変形の発生が抑制されるため、光ファイバ1の基材
2に固定されている部分への曲げ応力の作用が抑制さ
れ、基材2の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光
ファイバ1により適切に印加される。従って、回折格子
部4が形成された光ファイバ1に加わる張力を温度変化
に応じて適切に変化させることができ、光ファイバ1の
光学特性を悪化させることなく、回折格子部4が形成さ
れた光ファイバ部分を基材2に対して確実に固定するこ
とが可能となる。
【0024】また、光ファイバ1を挟持する第1基材5
及び第2基材6を略同一形状に形成する、第1基材5及
び第2基材6の両溝部5b、6bを略同一形状に形成す
ることにより、回折格子部4が形成された光ファイバ部
分を基材2の略対称軸α1上の位置に配設し得る構造が
実現される。従って、光学装置が複雑化せず、高コスト
化を抑制することができる。
【0025】更に、本実施形態においては、溝部5b、
6bが第1基材5のフランジ面5a又は第2基材6のフ
ランジ面6aの略中央位置に設けられているので、基材
2の幅方向(図1において左右方向)での中央位置に対
称軸(対称面)α1に直交する対称軸(対称面)β1も
存在し、光ファイバ1(回折格子部4)は、基材2内の
対称軸β1上の位置にも配設されることになる。従っ
て、光ファイバ1の基材2にねじれ等の変形の発生も抑
制することになり、光ファイバ1の基材2に固定されて
いる部分への曲げ応力の作用をより抑制することが可能
となる。
【0026】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について説明する。図4及び図5は、本発明にかかる第
2の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置を
示している。
【0027】第1の実施形態における光ファイバ回折格
子を有する光学装置と第2の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置とは、基材の形状に関して
相違する。
【0028】温度補償デバイスとしての基材12は、負
の熱膨張係数を有する第1基材15と第1基材15と同
じ負の熱膨張係数を有する第2基材16とにより構成さ
れている。第1基材15及び第2基材16は、断面が略
半真円のかまぼこ形状に形成されている。第1基材15
と第2基材16とは当接された状態で互いに接着固定さ
れる。図5に示すように、光ファイバ1の中心軸に直交
する面でみて、第1基材15の第2基材16に対向した
フランジ面15a及び第2基材16の第1基材15に対
向したフランジ面16aの略中央位置には、略V字状の
溝部15b、16bが形成されている。両溝部15b、
16bとも、光ファイバ1の径方向での深さ及び幅が同
等に設定されている。従って、第1基材15及び第2基
材16は略同一形状に形成され、第1基材15及び第2
基材16とを接合した状態では、光ファイバ1の中心軸
に直交する面でみて、基材12の外形は略真円形状を呈
することになる。
【0029】以上のように、本実施形態によれば、第1
基材15及び第2基材16とで光ファイバ1を挟持した
状態において、第1基材15及び第2基材16はその断
面が略半真円状のかまぼこ形状に形成されているので、
第1基材15のフランジ面15aと第2基材16のフラ
ンジ面16aとを当接させて固定した状態では、基材1
2の断面が略真円形状に形成されることになる。従っ
て、基材12の中心位置に光ファイバ1(回折格子部
4)が存在することになり、光ファイバ1(回折格子部
4)は、基材12内の略対称中心γ1の位置に配設され
ることになる。これにより、第1の実施形態のものよ
り、更に、光ファイバ1の基材12に固定されている部
分への曲げ応力の作用がより抑制され、基材12の温度
変化に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイバ1により
適切に印加される。従って、回折格子部4が形成された
光ファイバ部分に加わる張力を温度変化に応じて変化さ
せることが可能となり、光ファイバ1の光学特性をより
悪化させることなく、回折格子部4が形成された光ファ
イバ部分を基材12に対して確実に固定することが可能
となる。
【0030】また、第1の実施形態と同様に、光ファイ
バ1を挟持する第1基材15及び第2基材16を略同一
形状に形成する、第1基材15及び第2基材16の両溝
部15b、16bを略同一形状に形成することで、回折
格子部4が形成された光ファイバ部分を基材12の略対
称軸上の位置に配設し得る構造が実現される。従って、
光学装置が複雑化せず、高コスト化を抑制することがで
きる。
【0031】(第3の実施形態)次に、第3の実施形態
について説明する。図6〜図8は、本発明にかかる第3
の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置を示
している。
【0032】第1及び第2の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置と第3の実施形態における
光ファイバ回折格子を有する光学装置とは、基材の形状
及び光ファイバの固定方法に関して相違する。
【0033】光ファイバ1は、温度補償デバイスである
基材22に対して接着剤23により固定されている。基
材22は、負の熱膨張係数を有している。接着剤23に
よる固定は、図7に示すように、基材22の光ファイバ
1の中心軸方向での両端部においてなされている。基材
22は、断面が長方形状に形成された直角柱とされてい
る。基材22には、図8に示すように、光ファイバ1を
埋め込むための溝部24が、基材22の光ファイバ1の
中心軸方向での両端部間にわたって設けられている。溝
部24は、光ファイバ1の中心軸方向に直交する面でみ
て、基材22の長軸方向(図6において左右方向)に延
びる第1面22aの中央部から、基材22の短軸方向
(図6において上下方向)に延びて形成されている。溝
部24の底部24aは、光ファイバ1の外形と略同一の
形状を有した円弧形状に形成されており、底部24aの
曲率中心が、基材22の短軸方向(図6において上下方
向)及び基材22の長軸方向(図6において左右方向)
において、基材22の中心位置に略一致するように設定
されている。従って、光ファイバ1を溝部24に接触さ
せて載置させた状態で、光ファイバ1の中心軸が基材2
2の短軸方向及び長軸方向ので略中心位置に配設される
ことになる。
【0034】以上のように、本実施形態によれば、溝部
24の底部24aは、光ファイバ1の外形と略同一の形
状を有した円弧形状に形成されており、底部24aの曲
率中心が、基材22の短軸方向及び基材の長軸方向にお
いて、基材22の中心位置に略一致するように設定され
ているので、光ファイバ1が基材22の溝部24に埋め
込まれ固定された状態において、光ファイバ1(回折格
子部4)は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で見
て、基材22内の略対称軸α2上の位置に配設されるこ
とになる。これにより、基材22の温度変化による反り
変形の発生が抑制されるため、光ファイバ1の基材22
に固定されている部分への曲げ応力の作用を抑制され、
基材22の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光フ
ァイバ1により適切に印加される。従って、回折格子部
4が形成された光ファイバ1に加わる張力を温度変化に
応じて変化させることができ、光ファイバ1の光学特性
を悪化させることなく、回折格子が形成された光ファイ
バ部分を基材に対して確実に固定することが可能とな
る。
【0035】1つの基材22に形成される溝部24の形
状を適切に設定することにより、回折格子部4が形成さ
れた光ファイバ部分を基材22の略対称軸上の位置に配
設し得る構造が実現される。従って、複数の基材を有す
る第1又は第2の実施形態のものより、光学装置がより
複雑化せず、高コスト化をより抑制することができる。
【0036】更に、本実施形態においては、溝部24が
基材22の長軸方向の中央部に設けられているので、基
材22の長軸方向(図6において左右方向)での中央位
置に対称軸(対称面)α2に直交する対称軸(対称面)
β2も存在し、光ファイバ1(回折格子部4)は、基材
22内の略対称軸β2上の位置にも配設されることにな
る。従って、光ファイバ1の基材22にねじれ等の変形
の発生も抑制することになり、光ファイバ1の基材22
に固定されている部分への曲げ応力の作用をより抑制す
ることが可能となる。
【0037】(第4の実施形態)次に、第4の実施形態
について説明する。図9及び図10は、本発明にかかる
第4の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置
を示している。
【0038】第3の実施形態における光ファイバ回折格
子を有する光学装置と第4の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置とは、基材の形状に関して
相違する。
【0039】光ファイバ1は、負の熱膨張係数を有する
基材32に対して接着剤23により固定されている。接
着剤23による固定は、第3の実施形態と同様に、基材
32の両端部近傍においてなされている。基材32は、
断面が略真円形状に形成された円柱とされている。基材
32には、光ファイバ1を埋め込むための溝部34が、
第3の実施形態と同様に、基材32の光ファイバ1の中
心軸方向での両端部間にわたって設けられている。溝部
34は、光ファイバ1の中心軸方向に直交する面でみ
て、基材32の外周部分から中心部方向(図9において
上下方向)に向かって延びて形成されている。溝部34
の底部34aは、光ファイバ1の外形と略同一の形状を
有して形成されており、底部34aの曲率中心が、基材
32の中心位置に略一致するように設定されている。従
って、光ファイバ1を溝部34に接触させて載置させた
状態で、光ファイバ1の中心軸方向に直交する面でみて
光ファイバ1の中心軸が基材32の略中心位置に配設さ
れることになる。
【0040】以上のように、本実施形態によれば、溝部
34の底部34aは、光ファイバ1の外形と略同一の形
状を有した円弧状に形成されており、底部34aの曲率
中心が、基材32の略中心位置に略一致するように設定
されているので、光ファイバ1が基材32の溝部34に
埋め込まれ固定された状態において、光ファイバ1(回
折格子部4)は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で
見て、基材32内の略対象中心γ2の位置に配設される
ことになる。これにより、第3の実施形態のものより、
更に、光ファイバ1の基材32に固定されている部分へ
の曲げ応力の作用がより抑制され、基材32の温度変化
に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイバ1により適切
に印加される。従って、回折格子部4が形成された光フ
ァイバ1に加わる張力を温度変化に応じて変化させるこ
とが可能となり、光ファイバ1の光学特性をより悪化さ
せることなく、回折格子部4が形成された光ファイバ部
分を基材32に対して確実に固定することが可能とな
る。
【0041】また、第3の実施形態と同様に、1つの基
材32に形成される溝部34の形状を適切に設定するこ
とで、回折格子部4が形成された光ファイバ部分を基材
32の略対称軸上の位置に配設し得る構造が実現され
る。従って、複数の基材を有する第1又は第2の実施形
態のものより、光学装置がより複雑化せず、高コスト化
をより抑制することができる。
【0042】(第5の実施形態)次に、第5の実施形態
について説明する。図11〜図14は、本発明にかかる
第5の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装置
を示している。
【0043】温度補償デバイス41は、光ファイバ1を
固定するための第1及び第2Alブラケット42、43
と、第1Alブラケット42、42間又は第2Alブラ
ケット43、43間を接続する第1及び第2ガラス基材
44、45とにより構成されている。第1及び第2Al
ブラケット42、43は、回折格子部4が形成された光
ファイバ部分の両側に位置して設けられている。第1及
び第2ガラス基材44、45は石英ガラス等からなり、
光ファイバ1の中心軸方向に延び且つ光ファイバ1の径
方向に光ファイバ1から所定間隔を有して設けられてい
る。第1ガラス基材44及び第2ガラス基材45は、第
1Alブラケット42と第2Alブラケット43とによ
り挟持されて固定されている。本実施形態においては、
第1及び第2Alブラケット42、43が請求項におけ
る固定部を構成し、第1及び第2ガラス基材44、45
が請求項における接続部を構成している。また、第1A
lブラケット42と第1ガラス基材44とが請求項にお
ける第1基材を構成し、第2Alブラケット43と第2
ガラス基材45とが請求項における第2基材を構成して
いる。
【0044】第1ガラス基材44と第2ガラス基材45
とは、図12又は図13に示すように、互いに同一形状
を有し、円柱状に形成されている。第1ガラス基材44
と第2ガラス基材45とは、光ファイバ1の中心軸を含
んで光ファイバ1の中心軸方向に延びる平面上で、光フ
ァイバ1の中心軸を挟んで、対称位置に設けられてい
る。
【0045】第1及び第2Alブラケット42、43
は、図12又は図13に示すように、互いに同一形状を
有する第1ブラケット46、48と第2ブラケット4
7、49とにより構成されている。第1ブラケット4
6、48及び第2ブラケット47、49は、光ファイバ
1を挟持して固定するための光ファイバ固定部46a、
47a、48a、49aと、第1ガラス基材44又は第
2ガラス基材45を固定するためのガラス基材固定部4
6b、47b、48b、49bとを有している。光ファ
イバ固定部46a、47a、48a、49aは、光ファ
イバ1の中心軸に直交する面での断面が矩形に形成され
ている。光ファイバ1の中心軸方向でみて、光ファイバ
固定部46a、47a、48a、49aの長さは、光フ
ァイバ1を固定するための側圧を確保するために、所望
の長さを確保する必要があり、本実施例においては、ガ
ラス基材固定部46b、47b、48b、49bの長さ
より長く設定されているが、ガラス基材固定部46b、
47b、48b、49bの長さを光ファイバ固定部46
a、47a、48a、49aの長さと同等に設定しても
よい。
【0046】図14に示すように、第1Alブラケット
42の第1及び第2ブラケット46、47の第2Alブ
ラケット43に対向したフランジ面46c、47c及び
第2Alブラケット43の第1及び第2ブラケット4
8、49の第1AIブラケット42に対向したフランジ
面48c、49cの、光ファイバ1の中心軸に直交する
面でみて略中央位置には、略V字形状の溝部46d、4
7d、48d、49dが形成されている。溝部46d、
47d、48d、49dも、光ファイバ1の径方向での
深さ及び幅が同等に設定されている。また、第1Alブ
ラケット42のフランジ面46c、47c及び第2Al
ブラケット43のフランジ面48c、49cのガラス基
材固定部46b、47b、48b、49bに位置する部
分には、略V字形状の溝部46e、47e、48e、4
9eが形成されており、光ファイバ1の径方向での深さ
及び幅が同等に設定されている。溝部46dと溝部47
dとで、あるいは、溝部48dと溝部49dとで光ファ
イバ1を挟持した状態、及び、溝部46eと溝部47e
とで、あるいは、溝部48eと溝部49eとで第1又は
第2ガラス基材44、45を挟持した状態で、第1ブラ
ケット46、48同士又は第2ブラケット47、49同
士は、互いに当接された状態で接着固定される。
【0047】以上のように、本実施形態によれば、第1
ブラケット46、48及び第2ブラケット47、49が
略同一形状に形成されているので、第1Alブラケット
42の第1ブラケット46のフランジ面46cと第2A
lブラケット43の第1ブラケット48のフランジ面4
8cの当接位置に、及び、第1Alブラケット42の第
2ブラケット47のフランジ面47cと第2Alブラケ
ット43の第2ブラケット49のフランジ面49cの当
接位置に、第1Alブラケット42及び第2Alブラケ
ット43の対称軸(対称面)α3が存在することにな
る。また、第1ブラケット46、48及び第2ブラケッ
ト47、49の溝部46d、47d、48d、49dも
略同一形状に形成されていることから、第1Alブラケ
ット42及び第2Alブラケット43とで光ファイバ1
を挟持した状態において、光ファイバ1(回折格子部
4)は、光ファイバ1の中心軸に直交する面で見て、第
1Alブラケット42及び第2Alブラケット43内の
対称軸α3上の位置に配設されることになる。これによ
り、第1Alブラケット42及び第2Alブラケット4
3の温度変化による反り変形の発生が抑制されるため、
光ファイバ1の第1Alブラケット42及び第2Alブ
ラケット43に固定されている部分への曲げ応力の作用
が抑制され、温度補償デバイス41(第1Alブラケッ
ト42及び第2Alブラケット43)の温度変化に伴う
伸縮よって生じる変位が光ファイバ1により適切に印加
される。従って、回折格子部4が形成された光ファイバ
1に加わる張力を温度変化に応じて変化させることがで
き、光ファイバ1の光学特性を悪化させることなく、回
折格子部4が形成された光ファイバ部分を温度補償デバ
イス41に対して確実に固定することが可能となる。
【0048】更に、第1及び第2ガラス基材44、45
が光ファイバ1の中心軸方向に延び且つ光ファイバ1の
径方向に光ファイバ1から所定間隔置いて設けられてい
るので、温度補償デバイス41の温度変化による熱変位
は第1及び第2Alブラケット42、43を介して光フ
ァイバ1に伝えられることになる。これにより、光ファ
イバ1の温度補償デバイス41に固定されている部分へ
の曲げ応力の作用を抑制した上で、温度補償デバイス4
1の熱変位をより適切に光ファイバ1に伝えることがで
き、光ファイバ1(回折格子部4)を第1Alブラケッ
ト42及び第2Alブラケット43内の対称軸α3上に
配設したことと相まって、回折格子部4が形成された光
ファイバ1に加わる張力をより適切に変化させることが
できる。
【0049】また、回折格子部4からクラッド部へ放射
される放射光がクラッド部と保護する層との界面、ある
いは保護する層とその外側の層との界面で反射した後コ
ア部3にて再結合する可能性を極力小さくするために、
回折格子部4が形成された光ファイバ部分の周囲にクラ
ッド部より高いもしくは同等の屈折率を有する保護層を
設けることが考えられる。この際に、第1及び第2ガラ
ス基材44、45が光ファイバ1の中心軸方向に延び且
つ光ファイバ1の径方向に光ファイバ1から所定間隔置
いて設けられているので、回折格子部4が形成された光
ファイバ部分に上述したような保護層を設ける等の再被
覆(リコート)を容易に行うことが可能となる。
【0050】(第6の実施形態)最後に、第6の実施形
態について説明する。図15〜図18は、本発明にかか
る第6の実施形態の光ファイバ回折格子を有する光学装
置を示している。
【0051】第5の実施形態における光ファイバ回折格
子を有する光学装置と第6の実施形態における光ファイ
バ回折格子を有する光学装置とは、第1及び第2Alブ
ラケットの形状に関して相違する。
【0052】温度補償デバイス51は、第1及び第2A
lブラケット52、53並びに第1及び第2ガラス基材
44、45とにより構成されている。
【0053】第1及び第2Alブラケット52、53
は、図16又は図17に示すように、互いに同一形状を
有する第1ブラケット56、58と第2ブラケット5
7、59とにより構成されている。第1ブラケット5
6、58及び第2ブラケット57、59は、光ファイバ
1を固定するための光ファイバ固定部56a、57a、
58a、59aと、第1ガラス基材44又は第2ガラス
基材45を固定するためのガラス基材固定部56b、5
7b、58b、59bとを有している。光ファイバ固定
部56a、57a、58a、59aは、光ファイバ1の
中心軸に直交する面での断面が略半真円状に形成された
かまぼこ形状を呈している。ガラス基材固定部56b、
57b、58b、59bは、光ファイバ固定部56a、
57a、58a、59aの径方向に延びてフランジ状に
形成されており、その外周は略半真円状に形成されてい
る。従って、第1Alブラケット52と第2Alブラケ
ット53とを固定した状態では、光ファイバ1の中心軸
に直交する面でみて、第1Alブラケット52及び第2
Alブラケット53の外形は略真円形状を呈することに
なる。
【0054】図18に示すように、第1Alブラケット
52の第1及び第2ブラケット56、57の第2Alブ
ラケット53に対向したフランジ面56c、57c及び
第2Alブラケット53の第1及び第2ブラケット5
8、59の第1AIブラケット52に対向したフランジ
面58c、59cの、光ファイバ1の中心軸に直交する
面でみて略中央位置には、略V字状の溝部56d、57
d、58d、59dが形成されている。溝部56d、5
7d、58d、59dも、光ファイバ1の径方向での深
さ及び幅が同等に設定されている。また、第1Alブラ
ケット52のフランジ面56c、57c及び第2Alブ
ラケット53のフランジ面58c、59cのガラス基材
固定部56b、57b、58b、59bに位置する部分
には、略V字形状の溝部56e、57e、58e、59
eが形成されており、光ファイバ1の径方向での深さ及
び幅が同等に設定されている。溝部56dと溝部57d
とで、あるいは、溝部58dと溝部59dとで光ファイ
バ1を挟持した状態、及び、溝部56eと溝部57eと
で、あるいは、溝部58eと溝部59eとで第1又は第
2ガラス基材44、45を挟持した状態で、第1ブラケ
ット46、48同士又は第2ブラケット47、49同士
は、互いに当接された状態で接着固定される。
【0055】以上のように、本実施形態によれば、第1
Alブラケット52と第2Alブラケット53とで光フ
ァイバ1を挟持した状態において、第1Alブラケット
52及び第2Alブラケット53(第1ブラケット5
6、58及び第2ブラケット57、59)はその断面が
略半真円状のかまぼこ形状に形成されているので、第1
Alブラケット52のフランジ面56c、58cと第2
Alブラケット53のフランジ面57c、59cとを当
接させて固定した状態では、光ファイバ1の中心軸に直
交する面における断面が略真円形状に形成されることに
なる。従って、第1Alブラケット52及び第2Alブ
ラケット53にて構成される固定部の略中心位置に光フ
ァイバ1(回折格子部4)が存在することになり、光フ
ァイバ1(回折格子部4)は、第1Alブラケット52
及び第2Alブラケット53内の略対称中心γ3の位置
に配設されることになる。これにより、第5の実施形態
のものより、光ファイバ1の第1Alブラケット52及
び第2Alブラケット53に固定されている部分への曲
げ応力の作用がより抑制され、温度補償デバイス51
(第1Alブラケット52及び第2Alブラケット5
3)の温度変化に伴う伸縮よって生じる変位が光ファイ
バ1により適切に印加される。従って、回折格子部4が
形成された光ファイバ1に加わる張力を温度変化に応じ
て変化させることが可能となl、光ファイバ1の光学特
性をより悪化させることなく、回折格子部4が形成され
た光ファイバ部分を第1Alブラケット52及び第2A
lブラケット53に対して確実に固定することが可能と
なる。
【0056】更に、第1及び第2ガラス基材44、45
が光ファイバ1の中心軸方向に延び且つ光ファイバ1の
径方向に光ファイバ1から所定間隔置いて設けられてい
るので、温度補償デバイス51の温度変化による熱変位
は第1及び第2Alブラケット52、53を介して光フ
ァイバ1に伝えられることになる。これにより、光ファ
イバ1の温度補償デバイス51に固定されている部分へ
の曲げ応力の作用を抑制した上で、温度補償デバイス5
1の熱変位をより適切に光ファイバ1に伝えることがで
き、光ファイバ1(回折格子部4)を第1Alブラケッ
ト52及び第2Alブラケット53内の対称中心γ3上
に配設したことと相まって、回折格子部4が形成された
光ファイバ1に加わる張力をより適切に変化させること
ができる。また、第5の実施形態と同様に、回折格子部
4が形成された光ファイバ部分に保護層を設ける等の再
被覆(リコート)を容易に行うことが可能となる。
【0057】上述した各実施形態の変形例として、光フ
ァイバ1のクラッド部の周囲に設けられた被覆層が所定
長さにわたって除去されてクラッド部が露出している露
出部分に対して、光ファイバ1の中心軸方向に沿って光
ファイバ1のコア部の屈折率が変化する回折格子部4を
所定領域形成し、この被覆層が除去された状態の光ファ
イバを温度補償デバイスに固定するように構成してもよ
い。
【0058】また、第1、第3及び第5の実施形態にお
いて、回折格子部4が形成された1本の光ファイバ1を
基材2、22(第5の実施形態においては、第1Alブ
ラケット42及び第2Alブラケット43)内の略対称
軸α1、α2、α3上の位置に配設しているが、略対称
軸α1、α2、α3上の位置に配設される光ファイバ1
の本数は1本に限られるものではない。回折格子部4が
形成された複数本の光ファイバ1を略対称軸α1、α
2、α3上に沿って配設するようにしても良い。例え
ば、第1の実施形態の変形例として、フランジ面5a及
びフランジ面6aに、V字状の溝部5b、6bを各々複
数形成し、この複数形成されたV字状の溝部5b、6b
間にそれぞれの光ファイバ1を配設するように構成する
ことが考えられる。
【0059】また、第1及び第2の実施形態において
は、第1基材5、15と第2基材6、16とを接着固定
しているが、機械的なクランプ機構により光ファイバ1
を基材2に固定するように構成しても良い。更に、第1
基材5、15と第2基材6、16として、第1基材5、
15及び第2基材6、16の両端部に所定高さを有する
凸部が形成されているものを用いてもよい。この場合に
は、凸部に光ファイバ1を挟持するための溝部を形成
し、凸部を当接させ光ファイバ1を挟持した状態で第1
基材5、15と第2基材6、16とを接合固定して、光
ファイバ1を基材2、12固定することになる。
【0060】また、第3及び第4の実施形態において
は、接着剤23による光ファイバ1の固定が基材22、
32の光ファイバ1の中心軸方向での両端部においてな
されているが、光ファイバ1の中心軸方向での両端部間
にわたって接着剤23により光ファイバ1を基材22、
32に固定するように構成しても良い。
【0061】また、第5又は第6の実施形態において、
第1Alブラケット42、52及び第2Alブラケット
43、53(第1ブラケット46、48、56、58及
び第2ブラケット47、49、57、59)とにより光
ファイバ1を挟持として固定する構成の代わりに、図8
又は図9に示すような、光ファイバ1を埋め込むことが
できる溝部を有する形状のAlブラケットを設け、この
Alブラケットに光ファイバ1を接着固定する構成のも
のでもよい。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、光ファイバの光学特性を悪化させることなく、
回折格子が形成された光ファイバ部分を基材等の温度補
償デバイスに対して確実に固定することができる光ファ
イバ回折格子を有する光学装置を提供することが可能と
なる。更に、回折格子が形成された光ファイバ部分を基
材の略対称軸上の位置に、あるいは、略対称中心の位置
に配設し得る構造を簡易且つ低コストで実現することが
可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸方向の所定長さにわたって回折格
    子が形成された光ファイバと、 前記光ファイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有
    し、前記光ファイバが固定される基材とを備え、 前記基材の温度変化に伴う伸縮によって前記光ファイバ
    の中心軸方向に生じる変位を前記光ファイバに印加する
    ようにした光ファイバ回折格子を有する光学装置であっ
    て、 前記回折格子が形成された光ファイバ部分は、前記光フ
    ァイバの中心軸に直交する面で見て、前記基材内におけ
    る略対称軸上の位置に配設されていることを特徴とする
    光ファイバ回折格子を有する光学装置。
  2. 【請求項2】 前記回折格子が形成された光ファイバ部
    分は、前記光ファイバの中心軸に直交する面で見て、前
    記基材内における略対称中心の位置に配設されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ回折格子を
    有する光学装置。
  3. 【請求項3】 前記基材は、略同一形状の第1基材及び
    第2基材により構成されており、 前記第1基材及び第2基材は、溝部が形成された光ファ
    イバ固定面を有しており、 前記光ファイバは、前記各溝部と当接した状態で前記各
    光ファイバ固定面の間に挟持されることにより前記基材
    に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の光ファイバ回折格子を有する光学装置。
  4. 【請求項4】 前記第1基材及び第2基材は、 前記回折格子が形成された光ファイバ部分の両側部に位
    置して設けられ、前記光ファイバ固定面が形成される固
    定部と、 前記光ファイバの中心軸方向に延び且つ前記光ファイバ
    の径方向に前記光ファイバから所定間隔を有して設けら
    れ、前記固定部を接続する接続部とにより構成されてい
    ることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ回折格
    子を有する光学装置。
  5. 【請求項5】 前記基材には、前記光ファイバを前記基
    材内に埋め込むための溝部が形成されており、 前記光ファイバが、前記溝部に埋め込まれた状態で前記
    基材に固定されていることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の光ファイバ回折格子を有する光学装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008293004A (ja) * 2007-04-24 2008-12-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバグレーティングデバイスおよび光ファイバレーザ

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