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JP2000283188A - 流体継手装置 - Google Patents

流体継手装置

Info

Publication number
JP2000283188A
JP2000283188A JP11084925A JP8492599A JP2000283188A JP 2000283188 A JP2000283188 A JP 2000283188A JP 11084925 A JP11084925 A JP 11084925A JP 8492599 A JP8492599 A JP 8492599A JP 2000283188 A JP2000283188 A JP 2000283188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil passage
oil
fluid coupling
clutch
lock
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11084925A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Maeda
浩司 前田
Toshihiro Yamashita
智弘 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP11084925A priority Critical patent/JP2000283188A/ja
Publication of JP2000283188A publication Critical patent/JP2000283188A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0284Multiple disk type lock-up clutch

Landscapes

  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 流体継手の伝動媒介となる作動油の循環油路
の外にロックアップクラッチを制御する専用の油路を設
け、ロックアップクラッチを高精度に制御可能とするロ
ックアップ付き流体継手装置を提供する。 【解決手段】 発進時は、シリンダ室Bの油圧がクラッ
チ制御用油路43を介してドレーンされ、ロックアップ
クラッチ13は解放状態にあり、エンジン出力軸のトル
クは、流体継手11を介して入力軸31に伝達される。
この際、供給用油路41から流体継手室A内に作動油が
供給され、かつ排出用油路42から排出されて該室内の
作動油が循環される。車輌が比較的低速とすると、クラ
ッチ制御用油路43を介してシリンダ室Bに所定油圧の
作動油が供給され、ロックアップクラッチ13が所定ト
ルク容量を有すし、上記トルクが直接タービンハブ30
に伝達され、シリンダ室Bに供給される油圧は、適宜調
圧される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機等の動
力伝達装置に用いられる流体継手装置に係り、詳しくは
ロックアップクラッチを有する流体継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ロックアップ付き流体継手装置
は、作動油(ATF)がバルブボディ内から2本の油路
を介してフロントカバー及びリヤカバーにて構成される
流体継手室内に供給されて、タービンランナ及びポンプ
インペラとの間の動力伝達媒介として作用し、そして該
動力伝達に伴う発熱を上記2本の油路から上記作動油を
循環することにより放熱している。
【0003】また、上記バルブボディ内のロックアップ
リレーバルブ等により、上記2本の油路への作動油の流
れ方向を変更することにより、ロックアップクラッチの
接離を制御している。即ち、一方の油路はフロントカバ
ーとロックアップクラッチプレートとの間の油室(クラ
ッチ油室)に連通し、また他方の油路はリヤカバーとタ
ービンハブとの間の油室に連通し、一方の油路から他方
の油路に作動油が流れる場合、該油路から直接供給され
る前記クラッチ油室の油圧が他方の油室の油圧に比して
高くなり、ロックアップクラッチは解放状態となり、反
対に、他方の油路から一方の油路に作動油が流れる場
合、前記クラッチ油室の油圧が他方の油室の油圧に比し
て低くなり、ロックアップクラッチが係合状態となる。
【0004】また、この種ロックアップ付き流体継手装
置にあって、特開平3−9125号公報に示されるよう
に、リヤカバーボスとタービンハブとの間に介在するス
ラストベアリングの支持面に溝を形成して、該溝を前記
他方の油路の一部として、流体(作動油)の流れを滑ら
かにし、流体継手内で発生する熱の放熱性を向上するも
のが、本出願人より提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近時、自動変速機の多
段化例えば前進6速段及び無段変速機(CVT)等の出
現により、1速段(最低速位置)に大きなギヤ比(変速
比)を採用することが可能となり、これにより、発進装
置として、トルク増幅を行うトルクコンバータが必ずし
も必要ではなくなり、トルク増幅機能を有さない流体継
手装置にて対応することが可能となる。この場合、流体
継手の流体(作動油)を媒介とする動力伝達は、発進直
後の僅かな時間に限定し、後は専らロックアップクラッ
チによる機械的な結合により行うことが伝動効率上好ま
しい。
【0006】このため、ロックアップクラッチは、スリ
ップ制御を含めて高精度な制御を行うことが必要となる
が、上述した従来の技術による2個の油室の差圧により
ロックアップクラッチを制御する方式では、上記高精度
の制御を行うことは困難である。
【0007】そこで、本発明は、流体継手の伝動媒介と
なる作動油の循環油路の外に、ロックアップクラッチを
制御するための専用の油路を設け、該専用の油路からの
油圧に基づき、ロックアップクラッチを高精度に制御を
可能とするロックアップ付き流体継手装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、エンジン出力軸に連結される一体ケース(3,4)
と、変速機構の入力軸(31)に連結されるタービンハ
ブ(30)と、前記一体ケースに設けられるポンプイン
ペラ(7)及び前記タービンハブに連結されるタービン
ランナ(10)からなる流体継手(11)と、前記一体
ケースと前記タービンハブとの間に介在するロックアッ
プクラッチ(13)と、を備え、前記タービンハブ(3
0)、流体継手(11)及びロックアップクラッチ(1
3)が前記一体ケース(3,4)内に収納されてなる、
流体継手装置(1)において、前記ロックアップクラッ
チ(13)が、シリンダ室(B)の油圧に基づき操作さ
れるピストン部材(20)により制御され、該ピストン
部材により、前記一体ケース(3,4)内が、前記流体
継手(11)及びロックアップクラッチ(13)を収納
する流体継手室(A)と、前記シリンダ室(B)とに油
密状に区画してなり、前記流体継手室に作動油を供給す
る供給用油路と、該流体継手室の作動油を排出する排出
用油路と、前記シリンダ室に連通するクラッチ制御用油
路とをそれぞれ独立して設けたことを特徴とする、流体
継手装置にある。
【0009】請求項2に係る本発明は、前記一体ケース
のリヤ側(4)にボス(9)を固着すると共に、該ボス
をケース体(35)に回転自在に支持し、前記入力軸
(31)の外周と前記ボス(9)の内周との間に、前記
ケース体に支持されたスリーブ(37)を配置し、前記
ボス内周面とスリーブ外周面との隙間(41a)を経由
する第1の油路(41…)と、前記スリーブ内周面と前
記入力軸外周面との隙間(42a)を経由する第2の油
路(42…)と、前記入力軸内の軸方向に形成された油
孔(43a)を経由する第3の油路(43…)と、をそ
れぞれ油密状に分離して設け、前記第1、第2及び第3
の油路が、前記供給油路、排出油路及びクラッチ制御用
油路のいずれか1個にそれぞれ対応してなる、請求項1
記載の流体継手装置にある。
【0010】請求項3に係る本発明は(図1ないし図4
参照)、前記一体ケースが、前記エンジン出力軸に連結
されると共にその内径部にセンタピース(6)が一体に
固着されるフロントカバー(3)と、該フロントカバー
に一体に固着されると共にその内径部に前記ボス(9)
が一体に固着されるリヤカバー(4)と、からなり、前
記フロントカバー(3)内に前記ロックアップクラッチ
(13)を収納すると共に、該フロントカバーの一部
(3b)を前記シリンダ室(B)の底壁となし、前記リ
ヤカバー(4)に前記ポンプインペラ(7)を一体に設
け、前記スリーブ(37)の一端部を前記タービンハブ
(30)に嵌合すると共に該嵌合面(45)により前記
第1の油路(41…)と第2の油路(42…)を油密状
に分離し、かつ前記入力軸(31)とタービンハブ(3
0)とをスプライン係合(30a,31a)すると共
に、該スプライン係合部を前記第2の油路の一部(42
e,42f)となし、前記入力軸(31)の一端を前記
センタピース(6)の凹部(6c)内に嵌合すると共に
該嵌合面(46)により前記第2の油路と第3の油路を
油密状に分離し、かつ前記センタピースに前記凹部と外
周面とを貫通する油孔(43c)を設けて前記第3の油
路の一部となし、前記第1の油路及び第2の油路を、前
記供給用油路及び前記排出用油路のいずれか一方にそれ
ぞれ対応し、また前記第3の油路を前記クラッチ制御用
油路に対応してなる、請求項2記載の流体継手装置にあ
る。
【0011】請求項4に係る本発明は(図5及び図6参
照)、前記一体ケースが、前記エンジン出力軸に連結さ
れるフロントカバー(3)と、該フロントカバーに一体
に固着されると共にその内径部に前記ボス(9)が一体
に固着されるリヤカバー(4)と、からなり、前記フロ
ントカバー(3)に前記ポンプインペラ(7)を一体に
設け、前記リヤカバー(4)内に前記ロックアップクラ
ッチ(13)を収納すると共に、該リヤカバーの一部
(4c)を前記シリンダ室(B)の底壁となし、前記リ
ヤカバーボスの内周面と前記スリーブの外周面との間に
おける一端部分を油密状(49)に構成して、前記第1
の油路(41…)と第2の油路(42…)を油密状に分
離し、かつ前記リヤカバーボス(9)にその内周面と外
周面とを貫通する油路(41d)を設けて前記第1の油
路の一部となし、前記第1の油路(41…)を前記クラ
ッチ制御用油路に対応し、前記第2の油路(42…)及
び第3の油路(43…)を、前記供給用油路及び前記排
出用油路のいずれか一方にそれぞれ対応してなる、請求
項2記載の流体継手装置にある。
【0012】請求項5に係る本発明は(図7及び図8参
照)、前記タービンハブ(30)に前記ロックアップク
ラッチ(13)の被動側部(14)を一体に固着し、該
被動側部に前記タービンランナ(10)を固着すると共
に、該被動側部の一部(14e)を前記シリンダ室の底
壁となし、前記スリーブ(37)の一端を前記タービン
ハブ(30)に嵌合すると共に該嵌合面(45)により
前記第1の油路(41…)と第2の油路(42…)を油
密状に分離し、かつ前記タービンハブ(30)にその内
周面と外周面とを貫通する油孔(42k)を設けて前記
第2の油路の一部となし、前記入力軸(31)に前記タ
ービンハブ(30)を嵌合すると共に該嵌合面(46)
により前記第2の油路(42…)と第3の油路(43
…)を油密状に分離し、前記第1の油路及び第3の油路
を、前記供給用油路及び前記排出用油路のいずれか一方
にそれぞれ対応し、また前記第2の油路を前記クラッチ
制御用油路に対応してなる、請求項2記載の流体継手装
置にある。
【0013】請求項6に係る本発明は、前記ロックアッ
プクラッチ(13)が、ドラム部材(14)、ハブ部材
(15)、複数のクラッチプレート(16)及びクラッ
チディスク(17)を有する多板クラッチからなり、前
記ロックアップクラッチに直列にダンパ(25)を介在
してなる、請求項1ないし5のいずれか記載の流体継手
装置にある。
【0014】請求項7に係る本発明は(図1及び図5参
照)、前記ダンパ(25)が、ドライブプレート(2
6)、ドリブンプレート(27)及びこれら両プレート
間に介装される振動吸収手段(29)からなり、前記タ
ービンランナ(10)が前記ドリブンプレート(27
1 )に連結してなる、請求項6記載の流体継手装置にあ
る。
【0015】請求項8に係る本発明は(図4及び図6参
照)、前記ダンパ(25)が、ドライブプレート(2
6)、ドリブンプレート(27)及びこれら両プレート
間に介装される振動吸収手段(29)からなり、前記タ
ービンランナ(10)が前記ドライブプレート(26
b)に連結されてなる、請求項6記載の流体継手装置に
ある。
【0016】請求項9に係る本発明は(図1及び図4な
いし図6参照)、前記ドライブプレート(26)が前記
ハブ部材(15)に連結し、前記ドリブンプレート(2
7)が前記タービンハブ(30)に連結してなる、請求
項7又は8記載の流体継手装置にある。
【0017】請求項10に係る本発明は(図7及び図8
参照)、前記ドライブプレート(26′)が前記一体ケ
ース(3,4)に連結し、前記ドリブンプレート(2
7′)が前記ハブ部材(15)に連結してなる、請求項
7又は8記載の流体継手装置にある。
【0018】請求項11に係る本発明は、前記ドラム部
材(14)が、前記シリンダ室(B)の外径側壁面を構
成する軸方向突出部(14d)を有する、請求項6記載
の流体継手装置にある。
【0019】請求項12に係る本発明は(図1及び図4
ないし図6参照)、前記ドラム部材(14)が、前記一
体ケース(3,4)に一体に固着されてなる、請求項1
1記載の流体継手装置にある。
【0020】請求項13に係る本発明は(図7及び図8
参照)、前記ドラム部材(14)が、前記タービンハブ
(30)に固着されると共に、該ドラム部材に前記ター
ビンランナ(10)を固着してなる、請求項11記載の
流体継手装置にある。
【0021】請求項14に係る本発明は(図1ないし図
8参照)、前記入力軸(31)が、ブッシュ(39)を
介して前記スリーブ(37)に回転自在に支持され、前
記ブッシュに当接する前記スリーブ又は入力軸に、該ブ
ッシュを迂回して作動油を連通する凹溝(42d)を設
け、該凹溝を前記第2の油路(42…)の一部となすこ
とを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか記載の流
体継手装置にある。
【0022】[作用]以上構成に基づき、例えば車輌の
発進時は、シリンダ室(B)の油圧はクラッチ制御用油
路を介してドレーンされ、ロックアップクラッチ(1
3)は解放状態にある。この状態では、エンジン出力軸
のトルクは、一体カバー(3,4)を介してポンプイン
ペラ(7)に伝達され、更に流体継手室(A)内の作動
油を介してタービンランナ(10)に伝達され、そして
タービンハブ(30)を介して入力軸(31)に伝達さ
れる。この際、供給用油路から流体継手室(A)内に作
動油が供給され、かつ排出用油路から該室(A)内の作
動油が排出されることにより、該室内の作動油が循環さ
れて、前記流体継手の伝動媒体となる作動油が高温にな
ることを防止すると共に、ロックアップクラッチ(1
3)等を潤滑し得る。
【0023】また、例えば車輌が比較的低速の所定速度
とすると、クラッチ制御用油路を介してシリンダ室
(B)に所定油圧の作動油が供給され、ロックアップク
ラッチ(13)が所定トルク容量を有する。この状態で
は、上記トルク容量に基づくトルクがロックアップクラ
ッチを介して直接タービンハブ(30)に伝達される。
この際、前記シリンダ室(B)に供給される油圧は、適
宜調圧されると共に、専用のクラッチ制御用油路を介し
て供給されるので、ロックアップクラッチのトルク容量
を高い精度でかつ素速い応答速度にて調整でき、スリッ
プ制御等のきめ細かい制御が可能となる。
【0024】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、特許請求の範囲に何等影響を
与えるものではない。
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、流体継手
室の作動油を循環するための専用の供給用油路及び排出
用油路を備え、流体継手の伝動媒体となる作動油が高温
になることを防止できると共に、ロックアップクラッチ
等を確実に潤滑できるものでありながら、ピストン部材
のシリンダ室に専用のクラッチ制御用油路を連通するの
で、ロックアップクラッチを高い精度できめ細かい制御
を行うことができる。
【0026】請求項2に係る本発明によると、一体ケー
スのリヤ側ボス、スリーブ及び入力軸にて3重軸構造を
構成し、各軸の間隙にて、前記供給用油路、排出用油路
及びクラッチ制御用油路のいずれかにそれぞれ対応する
第1、第2及び第3の油路を構成するので、3本の各専
用の油路を簡単な構成にてかつそれぞれ油圧的に独立し
て構成することができる。
【0027】請求項3に係る本発明によると、第1、第
2,第3の油路を油密状に確実に分離し得ると共に、内
径側に位置する入力軸の油孔を経由する第3の油路をク
ラッチ制御用油路とするので、流体継手をリヤカバーに
設け、かつシリンダ室をフロントカバー側に設けた流体
継手装置に適用することが可能となる。
【0028】請求項4に係る本発明によると、第1、第
2、第3の油路を油密状に確実に分離し得ると共に、外
径側に位置するボスとスリーブとの隙間を経由する第1
の油路をクラッチ制御用油路とするので、流体継手をフ
ロントカバーに設け、かつシリンダ室をリヤカバー側に
設けた流体継手装置に適用することが可能となる。
【0029】請求項5に係る本発明によると、第1、第
2、第3の油路を油密状に確実に分離し得るとともに、
径方向中間に位置するスリーブと入力軸との隙間を経由
する第2の油路をクラッチ制御用油路とするので、流体
継手とロックアップクラッチとの間にシリンダ室を設け
た流体継手装置に適用することが可能となる。
【0030】請求項6に係る本発明によると、ロックア
ップクラッチを多板クラッチにて構成するので、充分な
トルク容量を確保できると共に、トルク容量の調整・制
御が正確かつ容易に行うことができ、またダンパにより
クラッチの接離及びエンジンのトルク振動等による急激
なトルク変動を吸収することができる。
【0031】請求項7に係る本発明によると、流体継手
を介してのトルクが、ダンパを介することなく直接ター
ビンハブに伝達される。
【0032】請求項8に係る本発明によると、流体継手
を介してのトルクが、ダンパを介してタービンハブに伝
達される。
【0033】請求項9に係る本発明によると、エンジン
出力トルクがロックアップクラッチを介した後にダンパ
に伝達される。
【0034】請求項10に係る本発明によると、エンジ
ン出力トルクが、ダンパを介した後にロックアップクラ
ッチに伝達される。
【0035】請求項11に係る本発明によると、ドラム
部材の一部にてシリンダ室を構成するので、構造が簡単
となり、コンパクト化が可能となる。
【0036】請求項12に係る本発明によると、ドラム
部材の一部及び該ドラム部材が固定される一体ケースの
一部にてシリンダ室を構成するので、軸方向寸法の短縮
化を図ることができる。
【0037】請求項13に係る本発明によると、シリン
ダ室を流体継手とロックアップクラッチとの間に配置し
たものに適用して、コンパクト化が可能となる。
【0038】請求項14に係る本発明によると、ブッシ
ュを介して入力軸を確実かつ正確に支持し得るものであ
りながら、該ブッシュにより作動油の流れが阻害される
ことを防止して、入力軸とスリーブとの隙間を経由する
第2の油路の油量を確保することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実
施例に係るロックアップ付き流体継手装置を示す断面図
であり、図中右方がガソリンエンジン等の内燃エンジン
(図示せず)に接続され、図中左方が前進6速、後進1
速等の多段変速機構に接続されている。
【0040】本流体継手装置1は、カップリングハウジ
ング2内に収納されており、該ハウジング2はその右方
にてエンジンブロックに、またその左方にてミッション
ケースに接続・固定される。該流体継手装置1は、溶接
により一体に結合されて一体ケースを構成するフロント
カバー3及びリヤカバー4を有しており、フロントカバ
ー3に固定されているピン5が可撓性のドライブプレー
ト(図示せず)を介してエンジンクランクシャフト(エ
ンジン出力軸)に連結されている。また、該フロントカ
バー3の内径基端部にはセンタピース6が一体に固着さ
れており、該センタピースはエンジンクランクシャフト
の凹部に嵌合して芯合せをする中央突部6aと、肉厚環
状のボス部6bと、入力軸を嵌合する凹部6cとを有し
ている。
【0041】前記リヤカバー4は、その外径部分4aが
ポンプインペラ7の外郭を形成すると共にその内径端に
カバーボス9が溶接により一体に固着されている。前記
ポンプインペラ7に対向して略々同形状のタービンラン
ナ10が配置されており、これらポンプインペラ及びタ
ービンランナは、その外郭にてトーラスを形成して、流
体(作動油)を媒介として動力伝達する流体継手11を
構成している。一方、前記フロントカバー3は、軸方向
に略々平行に延びている外径部分3aと、軸方向に略々
直交して延びている側面部分3bとを有しており、前記
外径部分の外周にスタータモータの駆動ギヤに係合し得
るリングギヤ12が溶接により固着されていると共に、
その内周部分に多板クラッチからなるロックアップクラ
ッチ13が収納されている。
【0042】ロックアップクラッチ13は、ドラム部材
14、ハブ部材15、外径側が上記ドラム部材のスプラ
イン14aに係合する3枚のクラッチプレート16、内
径側にハブ部材のスプライン15aに係合しかつ両側に
紙、石綿等の摩擦材が貼着されている2枚のクラッチデ
ィスク17を有しており、これらクラッチプレート1
6、ディスク17が交互に配置されていると共に、ドラ
ム部材14の先端部に装着されたスナップリング19に
より抜止めが図られている。
【0043】前記ドラム部材14は断面略々コ字状の円
環状からなり、その内周に前記スプライン14aを形成
した外径部14bが前記フロントカバーの外径部分3a
に僅かな間隔を隔てて平行に延びており、その略々垂直
な側面14cが前記フロントカバーの側面部分3bに平
行にかつその一部が溶接により一体に固着されて延びて
おり、更に軸方向に突出して突出部を構成する内径部1
4dは外径部に比して短く、かつその内周側面が前記フ
ロントカバーの側面部分3bの一部内面及びセンタピー
ス6のボス部外周面と相俟って円環状のシリンダ室Bを
形成する。即ち、上記内径部14dは、シリンダ室Bの
外径側壁面を構成する。
【0044】該円環状シリンダ室Bにはピストン部材2
0が嵌合しており、該ピストン部材は、前記ドラム部材
内径部14dを迂回するように屈曲して外径方向に延び
て押圧部20aを形成しており、該押圧部は前記クラッ
チプレート16の一端に対向して、前記ロックアップク
ラッチ13を操作し得る。また、ピストン部材は、環状
に軸方向に突出するピストン部20bを有しており、該
ピストン部20bの外周面にOリング21を収納する凹
溝が形成され、また前記センタピースボス部6bの外周
面にもOリング22を収納する凹溝が形成され、該ピス
トン部20bは、上記ドラム部材内径部14bの内周面
及びセンタピースボス部6bの外周面に油密状に嵌合し
て、前記フロントカバー3の側面部分3bの一部を底壁
とするシリンダ室Bを構成する。
【0045】一方、前記ハブ部材15はダンパ25のド
ライブプレート26の外径端を軸方向に屈曲して形成さ
れており、ダンパ25は、上記円板状のドライブプレー
ト26、該ドライブプレートを挟むように配置されかつ
一体に連結されている2枚のドリブンプレート27(2
1 )及び振動吸収手段であるコイルスプリング29か
らなる。該コイルスプリング29は、上記ドライブプレ
ート26の周方向に形成された長孔26a及び上記ドリ
ブンプレートに形成された膨出部27aに受け入れられ
て、前記ドライブプレート26及びドリブンプレート2
7の相対回転により圧縮して、両プレート間の急激なト
ルク変化を吸収する。なお、上記ダンパは、コイルスプ
リングを用いないもの、例えば板バネ式、油圧式のもの
でもよい。
【0046】前記2枚のドリブンプレート27はその基
端部にてタービンハブ30に複数のリベットにより一体
に固定されている。また、前記2枚のドリブンプレート
の内のタービンランナに近い側の1枚271 は外径方向
に延びて、前記タービンランナ10にリベット等により
一体に固着されている、上記タービンハブ30はスプラ
イン30a,31aにより入力シャフト(入力軸)31
に連結されており、該入力シャフトは自動変速機構に向
って延びている。また、上記タービンハブ30の後側面
とリヤカバーボス9のフランジ面との間にスラストベア
リング32が介在されており、また該タービンハブ30
の前側面とセンタピース6の後側端面との間にもスラス
トベアリング(スラストワッシャ)33が介在されてお
り、従って該タービンボス30及びそれと一体のドリブ
ンプレート27(271 )、タービンランナ10は、前
記フロント及びリヤカバー3,4にスラストベアリング
32,33を介して回転自在にかつ入力シャフト31と
一体に回転するように支持されている。更に、前記ドリ
ブンプレート27に挟持されかつダンパスプリング29
を介して支持されるドリブンプレート26及びハブ部材
15も同様に支持されている。
【0047】前記一体ケースとなるフロントカバー3及
びリヤカバー4内は、前記流体継手11、ロックアップ
クラッチ13及びダンパ25を収納する流体継手室A
と、前記ピストン部材20のピストン部20b及びOリ
ング21,22により上記室Aから油密状に分離されて
いるシリンダ室Bと、に区画されている。
【0048】前記カップリングハウジング2及びミッシ
ョンケース(図示せず)に一体に連結されてケース体を
構成するオイルポンプケース35には、その内周面にブ
ッシュ36を介して前記リヤカバーボス9が回転自在に
支持されており、また該ボスとハウジング2の内周面と
の間にはオイルシール38が介在されている。また、前
記ポンプケース35の内周にはその一端部37aをセレ
ーション圧入又は嵌合してカシメることによりスリーブ
37が一体に連結されており、該スリーブ37の内周
に、ブッシュ39及び40を介して前記入力シャフト3
1が回転自在に支持されている。なお、スリーブ37
は、ケース35に回転自在に支持されてもよい。
【0049】そして、前記リヤカバーボス9の内周面と
前記スリーブ37の外周面との間に隙間41aが形成さ
れており、また該スリーブ37の内周面と入力シャフト
31の外周面との間に隙間42aが形成されており、更
に入力シャフト31の中央には軸方向に延びる油孔43
aが形成されている。一方、前記スラストベアリング3
2にはローラ32aを支持する偏平リング状の肉厚レー
ス44がタービンハブ30との間に配置されており、該
肉厚レース44に当接するタービンハブ30の面に複数
の凹溝41bが形成されている。該凹溝41bは前記隙
間41aと前記流体継手室Aを連通しており、前記隙間
41a及び凹溝41bは、流体継手室Aに作動油を供給
又は排出する第1の油路41…を構成している。
【0050】また、前記スリーブ37と入力シャフト3
1との間の隙間42aはその一端部が前記ブッシュ40
により閉塞されていると共に、スリーブ37に形成され
た油路42b及び凹溝42c等の連絡油路に連通してい
る。更に、図2に詳示するように、前記ブッシュ39部
分のスリーブ37の内周面には軸方向に延びる凹溝42
d…が複数個(例えば4個)形成されており、該凹溝4
2dは、ブッシュ39の存在に拘らず、隙間42aの作
動油を迂回して連通する。なお、上記凹溝42dは入力
シャフト31側に形成してもよい。また、図3に詳示す
るように、前記タービンハブ30と入力シャフト31の
スプライン係合部分30a,31aは、タービンハブ内
周面のスプライン30aの所定歯数毎(例えば3個)に
1個の歯を切欠いて溝として凹溝42e…が多数形成さ
れており、該スプライン係合に拘らず、タービンハブ3
0の内周面と入力シャフト31の外周面にて構成される
隙間42fの作動油の連通を妨げることはない。
【0051】更に、前記スリーブ37の一端37bは内
周面が削られて、タービンハブ30の一端30bの外周
面が削られた部分に嵌合しており、該嵌合して重ねられ
た部分におけるボス30側にオイルシール45が配置さ
れて、前記隙間42aと42fとを上記第1の油路41
…から分離して油密状に連通している。なお、上記オイ
ルシール(シール手段)45は、シールリングでもOリ
ングでもよく、更にスリーブ37がケース35に回転自
在に支持される場合、圧入等でもよい。また、前記スラ
ストベアリング(スラストワッシャ)33のワッシャを
支える係止片33aには放射状の切欠き42gが複数個
形成されており、該切欠き42gは、前記スプラインの
切欠きからなる凹溝42eに連通している空隙42hと
前記流体継手室Aとを連通している。また、該空隙42
hは、センタピース6の凹部6c内周面と入力シャフト
31の先端部との間に介装されるオイルシール46にて
油密状になっている嵌合部にて閉塞され、上記凹部6c
及び入力シャフト31にて構成される空隙43bと油密
状に分離されている。なお、上記オイルシール(シール
手段)46は、シールリングでもOリングでもよく、更
に入力シャフト31とセンタピース6との相対回転は僅
かな時間なので、嵌合精度(圧入ではない)を高めて油
密状に構成してもよい。
【0052】従って、前記隙間42a、ブッシュ部凹溝
42d、隙間42f、スプライン部凹溝42e、空隙4
2h、スラストベアリング部切欠き42gは、前記第1
の油路41…が連通する流体継手油室A1 のダンパ25
を挟んで反対側の流体継手油室A2 に連通して、作動油
を流体油室Aから排出又は供給する第2の油路42…を
構成する。
【0053】また、前記入力シャフト31に形成された
油路43aの先端は、センタピース6の中央凹部6cに
て嵌合されかつ前記オイルシール46にて油密状となっ
ている空隙43bに連通している。一方、前記センタピ
ース6のボス部6bには前記中央凹部6cと外周面とを
貫通する複数の油孔43cが形成されており、該油孔4
3cは前記空隙43bと前記シリンダ室Bとを連通す
る。従って、前記入力シャフトの油孔43a、空隙43
b及びセンタピースの油孔43cは、シリンダ室Bに作
動油を供給又は排出する第3の油路43…を構成する。
【0054】ついで、上述した流体継手装置1の作用に
ついて説明する。まず、車輌発進時、バルブボディのロ
ックアップリレーバルブはドレーン状態にあり、前記第
3の油路43a,43b,43cを介してシリンダ室B
の作動油は排出される。この状態では、ピストン部材2
0は図示の状態にあって、ロックアップクラッチ13は
解放している。詳しくは、ピストン部材の押圧部20a
がクラッチプレート16とクラッチディスク17との押
圧を解除して、両プレートは摩擦によるトルク容量を有
さない状態にある。
【0055】そして、エンジンクランクシャフトからの
トルクは、フロントカバー3からポンプインペラ7に伝
達され、該インペラ7の回転に基づく作動油の流れを介
してタービンランナ10が回転し、更に一方のドリブン
プレート271 、タービンハブ30を介して入力シャフ
ト31に伝達され、そして自動変速機構を介して駆動車
輪に伝達される。
【0056】この際、第1の油路41a,41bを介し
て作動油が流体継手室Aの一方の室A1 に供給され、上
記ポンプインペラ7とタービンランナ10との間で動力
伝達媒体となっている作動油を循環しつつ変換して作動
油が高温となることを阻止し、更にロックアップクラッ
チ13及びダンパ25のスプリング29部分を通ってこ
れらを潤滑し、他方の室A2 に流れる。そして、第2の
油路42g,42h,42e,42f,42aを通って
ドレーンされ、上記流体継手室Aの作動油を循環する。
なお、第2の油路を供給側とし、第1の油路を排出側と
して、流体継手室Aの循環方向を逆(A2 →A1 )にし
てもよいことは勿論である。
【0057】また、車輌が比較的低速な所定速度に達す
ると、ロックアップリレーバルブが供給状態に切換わ
る。この状態では、第3の油路43a,43b,43c
を介してシリンダ室Bに油圧が供給され、ピストン部材
のピストン部20bを移動して押圧部20aがクラッチ
プレート16を押圧する。これにより、クラッチプレー
ト16とクラッチディスク17との間に摩擦力が生じ、
ロックアップクラッチ13が所定トルク容量を担持し得
る接続状態となる。
【0058】この状態では、エンジンクランクシャフト
のトルクは、フロントカバー3及び上記ロックアップク
ラッチ13を介してダンパ25に伝達され、更にタービ
ンハブ30を介して入力シャフト31に伝達される。詳
しくは、フロントカバー3のトルクは、ドラム部材1
4、クラッチプレート16、クラッチディスク17、ド
ライブプレート26に伝達され、そしてクラッチの接続
及びエンジンのトルク振動等に伴うトルクの急激な変動
をコイルスプリング29にて吸収して、ドリブンプレー
ト27に伝達される。
【0059】更に、上記ロックアップリレーバルブの供
給状態にあって、リニアソレノイドバルブ等の調圧手段
により、前記第3の油路を介して供給されるシリンダ室
Bの油圧が調圧される。これにより、ピストン部材20
の押圧部20aがクラッチプレート16及びディスク1
7に作用する押圧力が調整され、これらの間の摩擦力に
基づくロックアップクラッチのトルク容量が調整され
る。これにより、ロックアップクラッチ13は、エンジ
ン出力トルクの一部のトルクを伝達し、即ちクラッチプ
レート16及びディスク17をスリップしつつトルクを
伝達する、いわゆるスリップ制御を行い、自動変速機構
の変速段の切換えに伴う入力トルク及び出力トルクの差
を滑らかに吸収し得る。
【0060】なお、上記ロックアップクラッチの接続状
態(上記スリップ制御状態も含む)にあっても、前記第
1の油路41…及び第2の油路42…を経由しての流体
継手油室Aの作動油の循環は行われており、ロックアッ
プクラッチ13及びダンパ25は充分に潤滑され、例え
ばスリップ制御等によっても、クラッチプレート及びデ
ィスクが早期に劣化することを防止できる。
【0061】ついで、図4ないし図8に沿って一部変更
した実施例について説明する。なお、前述した実施例と
同一部分及び同一機能を有する部分は、同一符号を付し
て説明を省略する。
【0062】図4は、タービンランナ10をダンパ25
のドライブプレート26に連結した第2の実施例を示
す。即ち、ドライブプレート26の先端を折曲して形成
されているハブ部材15の一部を所定間隔毎に立上らせ
てハブ部材とせず、該ドライブプレートの一部先端26
bをリベット等によりタービンランナ10に固着する。
【0063】従って、本実施例によると、流体継手11
を介して伝達されるエンジン出力トルクも、ロックアッ
プクラッチ13を介して伝達されるものと同様に、ダン
パ25を介してタービンハブ30に伝達される。これに
より、流体継手を介してのトルク伝達時にも、エンジン
のトルク振動等をダンパ25により吸収し得る。
【0064】図5は、図1に示す第1の実施例に対し
て、流体継手11とロックアップクラッチ13との位置
を前後に入れ換えた第3の実施例を示す。即ち、フロン
トカバー3とリヤカバー4と入れ換えて、フロントカバ
ー3にポンプインペラ7の外郭を一部に形成して該ポン
プインペラを設け、またリヤカバー4にドラム部材14
を一体に固着してロックアップクラッチ13を収納して
ある。また、リヤカバーボス9のフランジ部9bを肉厚
に形成して、その内周面と外周面とを貫通する油孔41
dを放射状に複数個形成すると共に、その外周面にOリ
ング22を収納する凹部が形成されている。また、リヤ
カバー4の一部4cがシリンダ室Bの底壁となってお
り、該シリンダ室Bは、ドラム部材14の内径部(軸方
向突出部)14dを外径側壁面として、また前記リヤカ
バーボス9の外周面を内径側壁面として構成される。
【0065】そして、リヤカバーボス9とタービンハブ
30との間に切欠き42jを有するスラストベアリング
(ワッシャ)33を介在し、かつフロントカバー3とタ
ービンハブ30との間にスラストベアリング32を介在
すると共にその肉厚レース44と当接するタービンハブ
30の面に複数の凹溝42dが形成されている。また、
リヤカバーボス9の内周端とスリーブ37の外周一端と
の間にオイルシール49を介在して、第1の油路41…
と第2の油路42…とを油密状に分離している。なお、
上記オイルシール(シール手段)49は、シールリング
でもOリングでもよく、更にスリーブ37を回転自在に
支持した場合、リヤカバーボス9とスリーブ37の圧入
又はスリーブ37とタービンハブ30との圧入でもよ
い。
【0066】従って、リヤカバーボス9とスリーブ37
との隙間41a及び前記ボス9の油孔41dが第1の油
路41…を構成し、スリーブ37と入力シャフト31と
の隙間42a、ブッシュ39の迂回凹溝42d及び前記
切欠き42jが第2の油路42…を構成し、入力シャフ
トの中心油孔43a、先端空隙43b及び前記凹溝43
dが第3の油路43…を構成する。そして、前記第1の
油路41…がシリンダ室Bに連通し、第2の油路42…
及び第3の油路43…が流体継手室Aの供給油路又は排
出油路となっている。
【0067】図6は、上記図5に示す第3の実施例と同
様に、流体継手11をフロントカバー3に設け、ロック
アップクラッチ13をリヤカバー4内に収納したものに
おいて、前記図4に示す第2の実施例と同様に、タービ
ンランナ10をダンパのドライブプレート26に固着し
た第4の実施例である。
【0068】図7は、上記第1及び第2の実施例と同様
に、フロントカバー3内にロックアップクラッチ13を
収納し、リヤカバー4にポンプインペラ7を一体に設け
たものにおいて、ピストン部材20を流体継手11側に
配置した第5の実施例を示す。即ち、ロックアップクラ
ッチ13のドラム部材14は、外径部14a、該外径部
の後端に接続する側面部14e及び該側面部の中間から
軸方向前方に突出する内径部14dを有しており、該ド
ラム部材14の内径側にタービンハブ30が溶接により
一体に固着されている。そして、ピストン部材20のピ
ストン部20bが前記ドラム部材の内径部14dの内周
面及びタービンハブ30の外周面にOリング21,22
を介して油密状に嵌合しており、かつその押圧部20a
がクラッチプレートの後端側に対向して配置されてい
る。
【0069】更に、フロントカバー3と一体のセンタピ
ース6は、そのボス部6bに外径方向に膨出する鍔部6
dが一体に形成されており、該鍔部に2枚のドライブプ
レート26′が一体に固着されている。また、上記2枚
のドライブプレートに挟まれて1枚のドリブンプレート
27′が設けられており、該ドリブンプレートにクラッ
チハブ部材15が一体に形成されている。即ち、ダンパ
25が、先の実施例のものに対して入出力関係が反対に
構成されており、先の実施例のドライブプレートがドリ
ブンプレートに、ドリブンプレートがドライブプレート
になっている。
【0070】また、センタピース6とタービンハブ30
との間にスラストベアリング33が配置されており、か
つ該ベアリングに面するセンタピース側面に凹溝43d
が形成されている。また、タービンハブ30にはその内
周面と外周面とを貫通する複数の放射状油孔42kが形
成されている。従って、第1の油路41…は、リヤカバ
ーボス9とスリーブ37の間の隙間41a及びスラスト
ベアリング32部分の凹溝41bにて構成され、第2の
油路42…は、スリーブ37と入力シャフト31の隙間
42a、ブッシュ39部分の凹溝42d、スプライン係
合部分の凹溝42e及び前記タービンハブ30の油孔4
2kにて構成され、第3の油路43…は、入力シャフト
中心油孔43a、先端空隙43b及び前記スラストベア
リング33部分凹溝43dにて構成される。
【0071】そして、前記第2の油路42…がシリンダ
室Bに連通し、第1の油路41…及び第3の油路43…
が流体継手室Aの給排油路となる。この際、流体継手室
Aはクラッチドラム部材14にて仕切られており、例え
ば第1の油路41…から油室A1 に供給された作動油
は、その全量が流体継手11に導かれ、そしてロックア
ップクラッチ13及びダンパ25に導かれるので、流体
継手11による発熱を効率よく放熱し得る。
【0072】また、エンジンクランクシャフトのトルク
は、フロントカバー3及びリヤカバー4を介して流体継
手11に伝達されると共に、センタピース6を介してダ
ンパ25に伝達され、該ダンパにてエンジントルク振動
等が吸収された状態でロックアップクラッチ13に伝達
される。即ち、ドラム部材14がロックアップクラッチ
13の被動側部となる。
【0073】図8は、図5及び図6に示す第3及び第4
の実施例と同様に、フロントカバー3にポンプインペラ
7を設け、リヤカバー4内にロックアップクラッチ13
を収納したものにおいて、図7に示す第5の実施例と同
様に、クラッチドラム部材14にタービンランナ10を
一体に設け、かつロックアップクラッチ13のタービン
ランナ側にピストン部材20を配置した第6の実施例を
示す。なお、該実施例でも、エンジントルクはダンパ2
5を介してロックアップクラッチ13に伝達される。
【0074】そして、リヤカバーボス9とスリーブ37
との隙間41a及びスラストベアリング33部分凹溝4
1eからなる第1の油路41…が、流体継手室のロック
アップクラッチ側室A2 に連通し、スリーブ37と入力
シャフト31との隙間42a及びタービンハブ30に斜
めに形成された油路42k等からなる第2の油路42…
が、シリンダ室Bに連通し、入力シャフト中心油孔43
a及びスラストベアリング32部分の凹溝d等からなる
第3の油路43…が、流体継手室Aの流体継手側室A1
に連通している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による流体継手装置を示
す縦断面図。
【図2】そのブッシュ部分における横断面図。
【図3】そのスプライン係合部分における横断面図。
【図4】本発明の第2の実施例による流体継手装置を示
す縦断面図。
【図5】本発明の第3の実施例による流体継手装置を示
す縦断面図。
【図6】本発明の第4の実施例による流体継手装置を示
す縦断面図。
【図7】本発明の第5の実施例による流体継手装置を示
す縦断面図。
【図8】本発明の第6の実施例による流体継手装置を示
す縦断面図。
【符号の説明】
1 流体継手装置 2 カップリングハウジング 3,4 一体ケース(フロントカバー、リヤカバー) 6 センタピース 6c 凹部 7 ポンプインペラ 9 (リヤカバー)ボス 10 タービンランナ 11 流体継手 13 ロックアップクラッチ 14 ドラム部材 14d 軸方向突出部(内径部) 15 ハブ部材 16 クラッチプレート 17 クラッチディスク 25 ダンパ 26 ドライブプレート 27 ドリブンプレート 29 コイルスプリング 30 タービンハブ 30a スプライン 31 入力軸(シャフト) 31a スプライン 35 ケース体(オイルポンプケース) 37 スリーブ 41a,41b,41d 第1の油路(隙間、凹
溝、油孔) 42a,42d,42f,42e,42h,42g,4
2j,42k第2の油路(隙間、凹溝…) A 流体継手室 B シリンダ室

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力軸に連結される一体ケース
    と、 変速機構の入力軸に連結されるタービンハブと、 前記一体ケースに設けられるポンプインペラ及び前記タ
    ービンハブに連結されるタービンランナからなる流体継
    手と、 前記一体ケースと前記タービンハブとの間に介在するロ
    ックアップクラッチと、を備え、 前記タービンハブ、流体継手及びロックアップクラッチ
    が前記一体ケース内に収納されてなる、流体継手装置に
    おいて、 前記ロックアップクラッチが、シリンダ室の油圧に基づ
    き操作されるピストン部材により制御され、 該ピストン部材により、前記一体ケース内が、前記流体
    継手及びロックアップクラッチを収納する流体継手室
    と、前記シリンダ室とに油密状に区画してなり、 前記流体継手室に作動油を供給する供給用油路と、該流
    体継手室の作動油を排出する排出用油路と、前記シリン
    ダ室に連通するクラッチ制御用油路とをそれぞれ独立し
    て設けたことを特徴とする、 流体継手装置。
  2. 【請求項2】 前記一体ケースのリヤ側にボスを固着す
    ると共に、該ボスをケース体に回転自在に支持し、 前記入力軸の外周と前記ボスの内周との間に、前記ケー
    ス体に支持されたスリーブを配置し、 前記ボス内周面とスリーブ外周面との隙間を経由する第
    1の油路と、前記スリーブ内周面と前記入力軸外周面と
    の隙間を経由する第2の油路と、前記入力軸内の軸方向
    に形成された油孔を経由する第3の油路と、をそれぞれ
    油密状に分離して設け、 前記第1、第2及び第3の油路が、前記供給油路、排出
    油路及びクラッチ制御用油路のいずれか1個にそれぞれ
    対応してなる、 請求項1記載の流体継手装置。
  3. 【請求項3】 前記一体ケースが、前記エンジン出力軸
    に連結されると共にその内径部にセンタピースが一体に
    固着されるフロントカバーと、該フロントカバーに一体
    に固着されると共にその内径部に前記ボスが一体に固着
    されるリヤカバーと、からなり、 前記フロントカバー内に前記ロックアップクラッチを収
    納すると共に、該フロントカバーの一部を前記シリンダ
    室の底壁となし、 前記リヤカバーに前記ポンプインペラを一体に設け、 前記スリーブの一端部を前記タービンハブに嵌合すると
    共に該嵌合面により前記第1の油路と第2の油路を油密
    状に分離し、かつ前記入力軸とタービンハブとをスプラ
    イン係合すると共に、該スプライン係合部を前記第2の
    油路の一部となし、 前記入力軸の一端を前記センタピースの凹部内に嵌合す
    ると共に該嵌合面により前記第2の油路と第3の油路を
    油密状に分離し、かつ前記センタピースに前記凹部と外
    周面とを貫通する油孔を設けて前記第3の油路の一部と
    なし、 前記第1の油路及び第2の油路を、前記供給用油路及び
    前記排出用油路のいずれか一方にそれぞれ対応し、また
    前記第3の油路を前記クラッチ制御用油路に対応してな
    る、 請求項2記載の流体継手装置。
  4. 【請求項4】 前記一体ケースが、前記エンジン出力軸
    に連結されるフロントカバーと、該フロントカバーに一
    体に固着されると共にその内径部に前記ボスが一体に固
    着されるリヤカバーと、からなり、 前記フロントカバーに前記ポンプインペラを一体に設
    け、 前記リヤカバー内に前記ロックアップクラッチを収納す
    ると共に、該リヤカバーの一部を前記シリンダ室の底壁
    となし、 前記リヤカバーボスの内周面と前記スリーブの外周面と
    の間における一端部分を油密状に構成して、前記第1の
    油路と第2の油路を油密状に分離し、かつ前記リヤカバ
    ーボスにその内周面と外周面とを貫通する油路を設けて
    前記第1の油路の一部となし、 前記第1の油路を前記クラッチ制御用油路に対応し、前
    記第2の油路及び第3の油路を、前記供給用油路及び前
    記排出用油路のいずれか一方にそれぞれ対応してなる、 請求項2記載の流体継手装置。
  5. 【請求項5】 前記タービンハブに前記ロックアップク
    ラッチの被動側部を一体に固着し、 該被動側部に前記タービンランナを固着すると共に、該
    被動側部の一部を前記シリンダ室の底壁となし、 前記スリーブの一端を前記タービンハブに嵌合すると共
    に該嵌合面により前記第1の油路と第2の油路を油密状
    に分離し、かつ前記タービンハブにその内周面と外周面
    とを貫通する油孔を設けて前記第2の油路の一部とな
    し、 前記入力軸に前記タービンハブを嵌合すると共に該嵌合
    面により前記第2の油路と第3の油路を油密状に分離
    し、 前記第1の油路及び第3の油路を、前記供給用油路及び
    前記排出用油路のいずれか一方にそれぞれ対応し、また
    前記第2の油路を前記クラッチ制御用油路に対応してな
    る、 請求項2記載の流体継手装置。
  6. 【請求項6】 前記ロックアップクラッチが、ドラム部
    材、ハブ部材、複数のクラッチプレート及びクラッチデ
    ィスクを有する多板クラッチからなり、 前記ロックアップクラッチに直列にダンパを介在してな
    る、 請求項1ないし5のいずれか記載の流体継手装置。
  7. 【請求項7】 前記ダンパが、ドライブプレート、ドリ
    ブンプレート及びこれら両プレート間に介装される振動
    吸収手段からなり、 前記タービンランナが前記ドリブンプレートに連結して
    なる、 請求項6記載の流体継手装置。
  8. 【請求項8】 前記ダンパが、ドライブプレート、ドリ
    ブンプレート及びこれら両プレート間に介装される振動
    吸収手段からなり、 前記タービンランナが前記ドライブプレートに連結され
    てなる、 請求項6記載の流体継手装置。
  9. 【請求項9】 前記ドライブプレートが前記ハブ部材に
    連結し、前記ドリブンプレートが前記タービンハブに連
    結してなる、 請求項7又は8記載の流体継手装置。
  10. 【請求項10】 前記ドライブプレートが前記一体ケー
    スに連結し、前記ドリブンプレートが前記ハブ部材に連
    結してなる、 請求項7又は8記載の流体継手装置。
  11. 【請求項11】 前記ドラム部材が、前記シリンダ室の
    外径側壁面を構成する軸方向突出部を有する、 請求項6記載の流体継手装置。
  12. 【請求項12】 前記ドラム部材が、前記一体ケースに
    一体に固着されてなる、 請求項11記載の流体継手装置。
  13. 【請求項13】 前記ドラム部材が、前記タービンハブ
    に固着されると共に、該ドラム部材に前記タービンラン
    ナを固着してなる、 請求項11記載の流体継手装置。
  14. 【請求項14】 前記入力軸が、ブッシュを介して前記
    スリーブに回転自在に支持され、 前記ブッシュに当接する前記スリーブ又は入力軸に、該
    ブッシュを迂回して作動油を連通する凹溝を設け、該凹
    溝を前記第2の油路の一部となすことを特徴とする、 請求項2ないし5のいずれか記載の流体継手装置。
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