JP2000282023A - 陰極線管用蛍光体およびそれを用いた陰極線管 - Google Patents
陰極線管用蛍光体およびそれを用いた陰極線管Info
- Publication number
- JP2000282023A JP2000282023A JP11095499A JP9549999A JP2000282023A JP 2000282023 A JP2000282023 A JP 2000282023A JP 11095499 A JP11095499 A JP 11095499A JP 9549999 A JP9549999 A JP 9549999A JP 2000282023 A JP2000282023 A JP 2000282023A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphor
- ray tube
- cathode ray
- dimethyl
- dihydropyridine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Luminescent Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 蛍光膜形成時の膜べりを抑制して、均一な膜
厚の蛍光膜を形成し、蛍光面の品位、特にWH品位を高
める。 【解決手段】 蛍光体の粒子表面に、ジアゾメチルアニ
リン塩化亜鉛のような光粘着性樹脂を付着させる。ま
た、このような蛍光体を用いて陰極線管の蛍光膜を形成
する。
厚の蛍光膜を形成し、蛍光面の品位、特にWH品位を高
める。 【解決手段】 蛍光体の粒子表面に、ジアゾメチルアニ
リン塩化亜鉛のような光粘着性樹脂を付着させる。ま
た、このような蛍光体を用いて陰極線管の蛍光膜を形成
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーブラウン管
などの陰極線管の蛍光膜の形成に用いられる蛍光体と、
それを用いた陰極線管に関する。
などの陰極線管の蛍光膜の形成に用いられる蛍光体と、
それを用いた陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管の蛍光膜は、一般に以
下のようにして作製される。
下のようにして作製される。
【0003】まず、蛍光体を、純水、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、重クロム酸アンモニウム、界面活性
剤、エマルジョンなどと混合して蛍光体スラリーを調製
し、これをフェースプレートと称するガラスパネル内面
に塗布し乾燥させて蛍光体の塗布膜を形成する。次い
で、蛍光体の塗布膜にシャドウマスクを通して紫外線を
照射して、照射部分のPVAを硬化させた後、現像によ
り硬化させた部分以外の蛍光膜を除去する。このように
して、ストライプ状またはドット状の蛍光膜が形成され
る。
ール(PVA)、重クロム酸アンモニウム、界面活性
剤、エマルジョンなどと混合して蛍光体スラリーを調製
し、これをフェースプレートと称するガラスパネル内面
に塗布し乾燥させて蛍光体の塗布膜を形成する。次い
で、蛍光体の塗布膜にシャドウマスクを通して紫外線を
照射して、照射部分のPVAを硬化させた後、現像によ
り硬化させた部分以外の蛍光膜を除去する。このように
して、ストライプ状またはドット状の蛍光膜が形成され
る。
【0004】ところで、近年、コンピュータの普及やマ
ルチメディア対応への動きに伴ってディスプレイ画面の
高品位化が強く求められているが、このような高品位化
を実現するためには、蛍光面の特性として、形成される
ストライプまたはドットが緻密でかつ小さいことに加
え、それらの厚みが全体に均一であることが必要であ
る。厚みが不均一であると、蛍光面を発光させて白色画
面を出そうとしても、均一な白色画面が得られないから
である。したがって、これをWhite Uniformity(WH)
品位と称し、陰極線管の品質を決める重要な特性となっ
ている。
ルチメディア対応への動きに伴ってディスプレイ画面の
高品位化が強く求められているが、このような高品位化
を実現するためには、蛍光面の特性として、形成される
ストライプまたはドットが緻密でかつ小さいことに加
え、それらの厚みが全体に均一であることが必要であ
る。厚みが不均一であると、蛍光面を発光させて白色画
面を出そうとしても、均一な白色画面が得られないから
である。したがって、これをWhite Uniformity(WH)
品位と称し、陰極線管の品質を決める重要な特性となっ
ている。
【0005】このため、従来は、蛍光体の塗布膜をでき
るだけ均一に形成し、これにより蛍光膜の均一性を得る
ようにしている。しかしながら、実際には、現像前の膜
厚がそのまま現像後も維持されるわけではなく、現像時
に膜の一部が剥げ落ちる、いわゆる膜べりを生じる。し
かも、この膜べりは、蛍光膜全体に均一に生ずるわけで
はないため、蛍光体の塗布膜を均一に形成するだけで
は、蛍光膜の均一性を確保することは困難であった。
るだけ均一に形成し、これにより蛍光膜の均一性を得る
ようにしている。しかしながら、実際には、現像前の膜
厚がそのまま現像後も維持されるわけではなく、現像時
に膜の一部が剥げ落ちる、いわゆる膜べりを生じる。し
かも、この膜べりは、蛍光膜全体に均一に生ずるわけで
はないため、蛍光体の塗布膜を均一に形成するだけで
は、蛍光膜の均一性を確保することは困難であった。
【0006】したがって、このような膜べりの発生を抑
えることが、蛍光面の品位を高める得る上で重要になっ
てくる。
えることが、蛍光面の品位を高める得る上で重要になっ
てくる。
【0007】膜べりの発生を抑える上で重要な特性因子
は、蛍光体の付着力であり、例えば、フェースプレート
に付着しうる蛍光体ドット(またはストライプ)の最小
サイズで表される。すなわち、蛍光体を塗布し、紫外線
で露光した後、現像して得られるドット(またはストラ
イプ)のサイズは、紫外線の露光量を下げていくにした
がって小さくなっていくが、ある露光量以下になると、
現像でドット(またはストライプ)がフェースプレート
より剥げ落ちるようになる。その剥げ落ちる一歩手前の
露光量で得られるサイズを付着力の値とするものであ
る。例えば付着力が170 と150 では、150 の場合の方が
付着力に優れる。
は、蛍光体の付着力であり、例えば、フェースプレート
に付着しうる蛍光体ドット(またはストライプ)の最小
サイズで表される。すなわち、蛍光体を塗布し、紫外線
で露光した後、現像して得られるドット(またはストラ
イプ)のサイズは、紫外線の露光量を下げていくにした
がって小さくなっていくが、ある露光量以下になると、
現像でドット(またはストライプ)がフェースプレート
より剥げ落ちるようになる。その剥げ落ちる一歩手前の
露光量で得られるサイズを付着力の値とするものであ
る。例えば付着力が170 と150 では、150 の場合の方が
付着力に優れる。
【0008】このような蛍光体の付着力は、蛍光体スラ
リーの特性に大きく関係するため、蛍光体スラリーに対
し、これまで様々な改良が加えられてきた。例えば、重
クロム酸塩、界面活性剤、エマルジョンなどの配合量を
調節することは、付着力を制御するために日常的に行わ
れている。その他、界面活性剤として、一般に用いられ
ているカルボン酸系アニオン活性剤に代えて、ある種の
スルホン酸系または硫酸系の有機物を使用することによ
り、付着力を高めたり、あるいは、蛍光体粒子の表面に
シリカ、アルミナなどを被覆したり、偏平な蛍光体粒子
を用いるなど、付着力を高めるため蛍光体自身に着目し
た方法も、実際に用いられている。
リーの特性に大きく関係するため、蛍光体スラリーに対
し、これまで様々な改良が加えられてきた。例えば、重
クロム酸塩、界面活性剤、エマルジョンなどの配合量を
調節することは、付着力を制御するために日常的に行わ
れている。その他、界面活性剤として、一般に用いられ
ているカルボン酸系アニオン活性剤に代えて、ある種の
スルホン酸系または硫酸系の有機物を使用することによ
り、付着力を高めたり、あるいは、蛍光体粒子の表面に
シリカ、アルミナなどを被覆したり、偏平な蛍光体粒子
を用いるなど、付着力を高めるため蛍光体自身に着目し
た方法も、実際に用いられている。
【0009】しかしながら、いずれも一定の効果をあげ
てはいるものの、未だ十分ではなく、膜べりの発生を抑
え、高品位な蛍光膜を形成し得る、より優れた付着力を
示す蛍光体の開発が強く望まれている。
てはいるものの、未だ十分ではなく、膜べりの発生を抑
え、高品位な蛍光膜を形成し得る、より優れた付着力を
示す蛍光体の開発が強く望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、蛍光
面の品位、特にWH品位を高めるべく、蛍光体の付着力
を高め、蛍光膜形成工程における膜べりなどの発生を抑
制して均一な膜厚に形成する要求がある。
面の品位、特にWH品位を高めるべく、蛍光体の付着力
を高め、蛍光膜形成工程における膜べりなどの発生を抑
制して均一な膜厚に形成する要求がある。
【0011】しかしながら、従来より知られる、蛍光体
の付着力を増強させる方法では、膜べりの発生を十分に
抑制するまでには至らず、より優れた付着力を示す蛍光
体の開発が強く望まれている。
の付着力を増強させる方法では、膜べりの発生を十分に
抑制するまでには至らず、より優れた付着力を示す蛍光
体の開発が強く望まれている。
【0012】本発明はこのような課題に対処してなされ
たもので、蛍光膜形成時の膜べりが抑制され、均一な膜
厚の蛍光膜を形成することができる、付着性に優れた陰
極線管用蛍光体を提供することを目的としており、また
そのような蛍光体を用いることによって、高品位化を図
った陰極線管を提供することを目的としている。
たもので、蛍光膜形成時の膜べりが抑制され、均一な膜
厚の蛍光膜を形成することができる、付着性に優れた陰
極線管用蛍光体を提供することを目的としており、また
そのような蛍光体を用いることによって、高品位化を図
った陰極線管を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管用蛍光
体は、請求項1に記載したように、蛍光体粒子の表面
に、光粘着性樹脂が付着されていることを特徴としてい
る。
体は、請求項1に記載したように、蛍光体粒子の表面
に、光粘着性樹脂が付着されていることを特徴としてい
る。
【0014】ここで、光粘着性樹脂とは、光を照射する
と粘着性を示すようになる物質であり、フォトタッキー
樹脂などと呼ばれているものである。このような光粘着
性樹脂としては、例えばジアゾメチルアニリン塩化亜
鉛、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒ
ドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジメチルエステル、2,
6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピ
リジン -3,5-ジカルボン酸ジエチルエステル、2,6-ジメ
チル -4-(2′ -ニトロ-4′,5′- ジメトキシフェニル)-
1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジメチルエス
テル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジ
ヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジイソプロピルエス
テル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジ
ヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジ(β- エトキシエ
チル)エステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニ
ル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸 -3-メチ
ル-5- エチルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロ
フェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸 -
3-イソプロピル -5-メチルエステル、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-3-アセト -1,4-ジヒドロピリジ
ン -5-ジカルボン酸エチルエステルなどがあげられる。
本発明においては、なかでも請求項3に記載したよう
に、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジメチルエステル、および2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジエチルエステルの群から選ばれる少なくと
も 1種の使用が好ましく、さらに、請求項4に記載した
ように、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛を使用するとよ
り好ましい。
と粘着性を示すようになる物質であり、フォトタッキー
樹脂などと呼ばれているものである。このような光粘着
性樹脂としては、例えばジアゾメチルアニリン塩化亜
鉛、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒ
ドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジメチルエステル、2,
6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピ
リジン -3,5-ジカルボン酸ジエチルエステル、2,6-ジメ
チル -4-(2′ -ニトロ-4′,5′- ジメトキシフェニル)-
1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジメチルエス
テル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジ
ヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジイソプロピルエス
テル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジ
ヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジ(β- エトキシエ
チル)エステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニ
ル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸 -3-メチ
ル-5- エチルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロ
フェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸 -
3-イソプロピル -5-メチルエステル、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-3-アセト -1,4-ジヒドロピリジ
ン -5-ジカルボン酸エチルエステルなどがあげられる。
本発明においては、なかでも請求項3に記載したよう
に、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジメチルエステル、および2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジエチルエステルの群から選ばれる少なくと
も 1種の使用が好ましく、さらに、請求項4に記載した
ように、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛を使用するとよ
り好ましい。
【0015】また、本発明の陰極線管用蛍光体におい
て、光粘着性樹脂の付着量は、請求項5に記載したよう
に、蛍光体に対して0.05重量% 以上 0.5重量% 以下であ
ることが好ましく、請求項6に記載したように 0.1重量
% 以上 0.5重量% 以下であるとさらに好ましい。
て、光粘着性樹脂の付着量は、請求項5に記載したよう
に、蛍光体に対して0.05重量% 以上 0.5重量% 以下であ
ることが好ましく、請求項6に記載したように 0.1重量
% 以上 0.5重量% 以下であるとさらに好ましい。
【0016】本発明の陰極線管は、請求項7に記載した
ように、外囲器を構成するパネルと、前記パネルの内面
に形成された蛍光膜と、前記蛍光膜に電子線を照射する
電子銃とを具備する陰極線管において、前記蛍光膜を構
成する蛍光体粒子はその表面に光粘着性樹脂が付着され
ていることを特徴としている。
ように、外囲器を構成するパネルと、前記パネルの内面
に形成された蛍光膜と、前記蛍光膜に電子線を照射する
電子銃とを具備する陰極線管において、前記蛍光膜を構
成する蛍光体粒子はその表面に光粘着性樹脂が付着され
ていることを特徴としている。
【0017】本発明の陰極線管用蛍光体においては、蛍
光体の粒子表面に光粘着性樹脂を付着させている。光粘
着性樹脂は、前述したように、光を照射すると粘着性を
示すものである。したがって、このような光粘着性樹脂
を付着させた蛍光体を用いることにより、蛍光膜の形成
工程における露光現像時に光粘着性樹脂の粘着性が発現
して、蛍光体粒子間の結合力が増大する。よって、例え
ば現像の際の蛍光膜の膜べりなどが大幅に抑制される。
光体の粒子表面に光粘着性樹脂を付着させている。光粘
着性樹脂は、前述したように、光を照射すると粘着性を
示すものである。したがって、このような光粘着性樹脂
を付着させた蛍光体を用いることにより、蛍光膜の形成
工程における露光現像時に光粘着性樹脂の粘着性が発現
して、蛍光体粒子間の結合力が増大する。よって、例え
ば現像の際の蛍光膜の膜べりなどが大幅に抑制される。
【0018】また、本発明の陰極線管においては、この
ような光粘着性樹脂を付着させた蛍光体を用いているの
で、膜べりの抑制された蛍光膜を再現性よく得ることが
可能となり、蛍光面の品位、特にWH品位を向上させる
ことができる。
ような光粘着性樹脂を付着させた蛍光体を用いているの
で、膜べりの抑制された蛍光膜を再現性よく得ることが
可能となり、蛍光面の品位、特にWH品位を向上させる
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
態について説明する。
【0020】本発明の陰極線管用蛍光体は、蛍光体粒子
の表面に、光粘着性樹脂を付着させたものである。蛍光
体の材料は、特に限定されるものではなく、従来より陰
極線管用の蛍光体として用いられてきた各種の青色発光
蛍光体、緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体を使用するこ
とができる。
の表面に、光粘着性樹脂を付着させたものである。蛍光
体の材料は、特に限定されるものではなく、従来より陰
極線管用の蛍光体として用いられてきた各種の青色発光
蛍光体、緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体を使用するこ
とができる。
【0021】例えば、青色発光蛍光体としては、銀付活
硫化亜鉛に代表される硫化亜鉛を母体としたもの、緑色
発光蛍光体としては、銅付活硫化亜鉛に代表される硫化
亜鉛を母体としたもの、赤色発光蛍光体としては、ユー
ロピウム付活酸硫化イットリウムに代表される酸硫化イ
ットリウムを母体としたものなどがあげられる。
硫化亜鉛に代表される硫化亜鉛を母体としたもの、緑色
発光蛍光体としては、銅付活硫化亜鉛に代表される硫化
亜鉛を母体としたもの、赤色発光蛍光体としては、ユー
ロピウム付活酸硫化イットリウムに代表される酸硫化イ
ットリウムを母体としたものなどがあげられる。
【0022】また、このような蛍光体からなる粒子表面
に付着させる光粘着性樹脂としては、蛍光膜を形成する
際の光の照射によって粘着性を示すようなものであれば
よく、例えばジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、ジアゾメ
チルアニリン塩化亜鉛、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロ
フェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジ
メチルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニ
ル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジエチル
エステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロ-4′,5′- ジ
メトキシフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカル
ボン酸ジメチルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニト
ロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸
ジイソプロピルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニト
ロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸
ジ(β- エトキシエチル)エステル、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸 -3-メチル-5- エチルエステル、2,6-ジメチ
ル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -
3,5-ジカルボン酸 -3-イソプロピル -5-メチルエステ
ル、および2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-3-
アセト -1,4-ジヒドロピリジン -5-ジカルボン酸エチル
エステルなどがあげられる。本発明においては、なかで
もジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジメチルエステル、および2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジエチルエステルの群から選ばれる少なくと
も 1種を使用することが望ましく、特にジアゾメチルア
ニリン塩化亜鉛は水溶性であることから、その使用が望
ましい。
に付着させる光粘着性樹脂としては、蛍光膜を形成する
際の光の照射によって粘着性を示すようなものであれば
よく、例えばジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、ジアゾメ
チルアニリン塩化亜鉛、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロ
フェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジ
メチルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニ
ル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジエチル
エステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロ-4′,5′- ジ
メトキシフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカル
ボン酸ジメチルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニト
ロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸
ジイソプロピルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニト
ロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸
ジ(β- エトキシエチル)エステル、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸 -3-メチル-5- エチルエステル、2,6-ジメチ
ル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -
3,5-ジカルボン酸 -3-イソプロピル -5-メチルエステ
ル、および2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-3-
アセト -1,4-ジヒドロピリジン -5-ジカルボン酸エチル
エステルなどがあげられる。本発明においては、なかで
もジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジメチルエステル、および2,6-ジメチル -4-
(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジ
カルボン酸ジエチルエステルの群から選ばれる少なくと
も 1種を使用することが望ましく、特にジアゾメチルア
ニリン塩化亜鉛は水溶性であることから、その使用が望
ましい。
【0023】光粘着性樹脂は、蛍光体粒子に対して0.05
重量% 以上 0.5重量% 以下の範囲で付着させることが好
ましい。蛍光体粒子に対する光粘着性樹脂の付着量が0.
05重量% 未満の場合には、蛍光膜の膜べり抑制効果が十
分に得られないおそれがあり、一方 0.5重量% を超える
と、現像時に除去されるべきところまで蛍光体が残るお
それがある。特に、蛍光体粒子に対する光粘着性樹脂の
付着量は、膜べり抑制効果が顕著で、かつ、不要部分に
蛍光体が残存するおそれのない、 0.1重量% 以上 0.5重
量% 以下とすることが望ましい。
重量% 以上 0.5重量% 以下の範囲で付着させることが好
ましい。蛍光体粒子に対する光粘着性樹脂の付着量が0.
05重量% 未満の場合には、蛍光膜の膜べり抑制効果が十
分に得られないおそれがあり、一方 0.5重量% を超える
と、現像時に除去されるべきところまで蛍光体が残るお
それがある。特に、蛍光体粒子に対する光粘着性樹脂の
付着量は、膜べり抑制効果が顕著で、かつ、不要部分に
蛍光体が残存するおそれのない、 0.1重量% 以上 0.5重
量% 以下とすることが望ましい。
【0024】図1は、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛を
ユーロピウム付活酸硫化イットリウムからなる赤色発光
蛍光体の表面に後述するような方法で付着させ、得られ
た蛍光体を用いて常法により塗膜形成、露光、現像を行
った後、 4cm四方の面積の蛍光膜を剥がし取り、その重
量を現像前後で比較して膜べり率を算出して求めた、ジ
アゾメチルアニリン塩化亜鉛の付着量に対する膜べり率
の変化を示したものである。図1からも明らかなよう
に、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛の蛍光体粒子に対す
る付着量が0.05重量% 以上で膜べり抑制効果が有意に現
れ、 0.1重量% 以上になると効果がさらに明瞭に現れて
いることがわかる。
ユーロピウム付活酸硫化イットリウムからなる赤色発光
蛍光体の表面に後述するような方法で付着させ、得られ
た蛍光体を用いて常法により塗膜形成、露光、現像を行
った後、 4cm四方の面積の蛍光膜を剥がし取り、その重
量を現像前後で比較して膜べり率を算出して求めた、ジ
アゾメチルアニリン塩化亜鉛の付着量に対する膜べり率
の変化を示したものである。図1からも明らかなよう
に、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛の蛍光体粒子に対す
る付着量が0.05重量% 以上で膜べり抑制効果が有意に現
れ、 0.1重量% 以上になると効果がさらに明瞭に現れて
いることがわかる。
【0025】なお、このような光粘着性樹脂による膜べ
り抑制効果は、露光時の光粘着性樹脂の粘着性の発現に
よって、蛍光体粒子間の結合力が増し、蛍光体粒子が剥
がれ落ち難くなることによると考えられる。
り抑制効果は、露光時の光粘着性樹脂の粘着性の発現に
よって、蛍光体粒子間の結合力が増し、蛍光体粒子が剥
がれ落ち難くなることによると考えられる。
【0026】本発明の蛍光体は、例えば以下に示すよう
な方法にしたがって作製することができる。
な方法にしたがって作製することができる。
【0027】すなわち、まず純水中にユーロピウム付活
酸硫化イットリウム蛍光体などの蛍光体を入れ、これを
十分に撹拌し、蛍光体の分散液を得る。これとは別に純
水中にジアゾメチルアニリン塩化亜鉛などの光粘着性樹
脂を入れて十分に撹拌し、光粘着性樹脂分散液を得る。
酸硫化イットリウム蛍光体などの蛍光体を入れ、これを
十分に撹拌し、蛍光体の分散液を得る。これとは別に純
水中にジアゾメチルアニリン塩化亜鉛などの光粘着性樹
脂を入れて十分に撹拌し、光粘着性樹脂分散液を得る。
【0028】次いで、光粘着性樹脂分散液の所定量を、
蛍光体粒子の分散液中によく撹拌しながら加える。この
とき、事前に珪酸亜鉛、シリカなどの無機化合物、ある
いはポリアクリル酸などの有機化合物で、蛍光体粒子を
表面処理しておいてもよい。光粘着性樹脂分散液を添加
して十分に撹拌した後、ろ過することなくそのまま十分
に乾燥させる。その後、例えば 500メッシュ篩を通して
篩別することによって、本発明の蛍光体が得られる。
蛍光体粒子の分散液中によく撹拌しながら加える。この
とき、事前に珪酸亜鉛、シリカなどの無機化合物、ある
いはポリアクリル酸などの有機化合物で、蛍光体粒子を
表面処理しておいてもよい。光粘着性樹脂分散液を添加
して十分に撹拌した後、ろ過することなくそのまま十分
に乾燥させる。その後、例えば 500メッシュ篩を通して
篩別することによって、本発明の蛍光体が得られる。
【0029】本発明の陰極線管は、上述したような本発
明の蛍光体を用いた蛍光膜を具備するものである。すな
わち、外囲器を構成するパネルの内面に形成され、電子
銃からの電子線照射により発光する蛍光膜の蛍光体とし
て、本発明の蛍光体を用いたものである。本発明におい
ては、カラーブラウン管の蛍光膜を構成する青色発光蛍
光体、緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体のすべての蛍光
体に本発明の蛍光体を使用することが望ましい。
明の蛍光体を用いた蛍光膜を具備するものである。すな
わち、外囲器を構成するパネルの内面に形成され、電子
銃からの電子線照射により発光する蛍光膜の蛍光体とし
て、本発明の蛍光体を用いたものである。本発明におい
ては、カラーブラウン管の蛍光膜を構成する青色発光蛍
光体、緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体のすべての蛍光
体に本発明の蛍光体を使用することが望ましい。
【0030】また、本発明の陰極線管における蛍光膜
は、ストライプ形状またはドット形状を有する。ストラ
イプ状の蛍光膜はカラーテレビ用ブラウン管に対して有
効であり、ドット状の蛍光膜はコンピュータディスプレ
イ用ブラウン管に対して有効である。
は、ストライプ形状またはドット形状を有する。ストラ
イプ状の蛍光膜はカラーテレビ用ブラウン管に対して有
効であり、ドット状の蛍光膜はコンピュータディスプレ
イ用ブラウン管に対して有効である。
【0031】上述したように、本発明の陰極線管は光粘
着性樹脂を付着させた蛍光体による蛍光膜を具備してい
るので、従来に比べ、現像時の膜べりが抑制され、均一
性の高い蛍光膜を得ることができる。その結果、品位、
特にWhite Uniformity(WH)品位の向上したカラーブ
ラウン管を提供することが可能となる。
着性樹脂を付着させた蛍光体による蛍光膜を具備してい
るので、従来に比べ、現像時の膜べりが抑制され、均一
性の高い蛍光膜を得ることができる。その結果、品位、
特にWhite Uniformity(WH)品位の向上したカラーブ
ラウン管を提供することが可能となる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
価結果について述べる。
【0033】実施例1 まず、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体100g
を 800ccの純水中に分散させた。この分散液に水硝子
(Siを 25%含む)を 0.5ccおよび 25%コロイダルシリ
カ溶液を1g添加し、さらに0.4mol/L(リットル)の硝酸
亜鉛水溶液を 2cc加えて 1時間撹拌した。撹拌後、蛍光
体を沈降させ、上澄み液をデカンテーションにて除去し
た。そして、純水で 5回洗浄し、残った蛍光体分散液
(上澄み液除去後)に、1%ジアゾメチルアニリン塩化亜
鉛分散液(溶媒:水)を 4g を添加し、撹拌した後、ろ
過することなく乾燥し、篩別して、本発明の蛍光体を得
た。
を 800ccの純水中に分散させた。この分散液に水硝子
(Siを 25%含む)を 0.5ccおよび 25%コロイダルシリ
カ溶液を1g添加し、さらに0.4mol/L(リットル)の硝酸
亜鉛水溶液を 2cc加えて 1時間撹拌した。撹拌後、蛍光
体を沈降させ、上澄み液をデカンテーションにて除去し
た。そして、純水で 5回洗浄し、残った蛍光体分散液
(上澄み液除去後)に、1%ジアゾメチルアニリン塩化亜
鉛分散液(溶媒:水)を 4g を添加し、撹拌した後、ろ
過することなく乾燥し、篩別して、本発明の蛍光体を得
た。
【0034】得られた本発明の蛍光体を用いて、通常の
方法で蛍光体スラリーを調製した。これを通常の方法で
カラーブラウン管用ガラスパネル上に塗布し、ドット形
状の蛍光膜を形成した。このようにして形成した蛍光膜
の状態を光学顕微鏡で観察するとともに、前記した 4cm
四方の面積の蛍光膜を剥がし取り、その重量を現像前後
で比較する方法で、現像後の現像前に対する膜べり率を
求めたところ、70% であった。
方法で蛍光体スラリーを調製した。これを通常の方法で
カラーブラウン管用ガラスパネル上に塗布し、ドット形
状の蛍光膜を形成した。このようにして形成した蛍光膜
の状態を光学顕微鏡で観察するとともに、前記した 4cm
四方の面積の蛍光膜を剥がし取り、その重量を現像前後
で比較する方法で、現像後の現像前に対する膜べり率を
求めたところ、70% であった。
【0035】実施例2 1%ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液の添加量を 6g
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
【0036】得られた蛍光体を用いて、実施例1と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
72% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
72% であった。
【0037】実施例3 1%ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液の添加量を 9g
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
【0038】得られた蛍光体を用いて、実施例1と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
76% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
76% であった。
【0039】実施例4 1%ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液の添加量を15g
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
【0040】得られた蛍光体を用いて、実施例1と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
82% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
82% であった。
【0041】実施例5 1%ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液の添加量を50g
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
とした以外は、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
【0042】得られた蛍光体を用いて、実施例1と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
95% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
95% であった。
【0043】実施例6 ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液として1%濃度のも
のを用いるとともに、その添加量を100gとした以外は、
実施例1と同様にして本発明の蛍光体を得た。得られた
蛍光体を用いて、実施例1と同様にして、蛍光体スラリ
ーを調製し、これをカラーブラウン管用ガラスパネル上
に塗布して、ドット形状の蛍光膜を形成した。また、こ
の蛍光膜の、現像後の現像前に対する膜べり率を、実施
例1と同様にして求めたところ、98% であった。
のを用いるとともに、その添加量を100gとした以外は、
実施例1と同様にして本発明の蛍光体を得た。得られた
蛍光体を用いて、実施例1と同様にして、蛍光体スラリ
ーを調製し、これをカラーブラウン管用ガラスパネル上
に塗布して、ドット形状の蛍光膜を形成した。また、こ
の蛍光膜の、現像後の現像前に対する膜べり率を、実施
例1と同様にして求めたところ、98% であった。
【0044】比較例1 従来の方法にしたがい、まず、ユーロピウム付活酸硫化
イットリウム蛍光体100gを 800ccの純水中に分散させ
た。この分散液に水硝子(Siを 25%含む)を0.5ccお
よび 25%コロイダルシリカ溶液を1g添加し、さらに0.4m
ol/L(リットル)の硝酸亜鉛水溶液を 2cc加えて 1時間
撹拌した。撹拌後、蛍光体を沈降させ、上澄み液をデカ
ンテーションにて除去した。そして、純水で 5回洗浄し
た後、ろ過し、乾燥した。十分に乾燥させた後、 500メ
ッシュ篩で篩別することによって、蛍光体を得た。
イットリウム蛍光体100gを 800ccの純水中に分散させ
た。この分散液に水硝子(Siを 25%含む)を0.5ccお
よび 25%コロイダルシリカ溶液を1g添加し、さらに0.4m
ol/L(リットル)の硝酸亜鉛水溶液を 2cc加えて 1時間
撹拌した。撹拌後、蛍光体を沈降させ、上澄み液をデカ
ンテーションにて除去した。そして、純水で 5回洗浄し
た後、ろ過し、乾燥した。十分に乾燥させた後、 500メ
ッシュ篩で篩別することによって、蛍光体を得た。
【0045】得られた蛍光体を用いて、実施例1と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
68% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例1と同様にして求めたところ、
68% であった。
【0046】実施例7 まず、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体100g
を 700ccの純水中に分散させた。この分散液に水硝子
(Siを 25%含む)を 0.2ccおよび 20%コロイダルアル
ミナ溶液を0.5g添加し、さらに1mol/L(リットル)の硝
酸亜鉛水溶液を 1cc加えて 1時間撹拌した。撹拌後、蛍
光体を沈降させ、上澄み液をデカンテーションにて除去
した。そして、純水で 5回洗浄し、残った蛍光体分散液
(上澄み液除去後)に、1%ジアゾメチルアニリン塩化亜
鉛分散液(溶媒:水)を 8g を添加し、撹拌した後、ろ
過することなく乾燥し、篩別して、本発明の蛍光体を得
た。得られた本発明の蛍光体を用いて、通常の方法で蛍
光体スラリーを調製した。これを通常の方法でカラーブ
ラウン管用ガラスパネル上に塗布し、ドット形状の蛍光
膜を形成した。このようにして形成した蛍光膜の状態を
光学顕微鏡で観察するとともに、前記した 4cm四方の面
積の蛍光膜を剥がし取り、その重量を現像前後で比較す
る方法で、現像後の現像前に対する膜べり率を求めたと
ころ、74% であった。
を 700ccの純水中に分散させた。この分散液に水硝子
(Siを 25%含む)を 0.2ccおよび 20%コロイダルアル
ミナ溶液を0.5g添加し、さらに1mol/L(リットル)の硝
酸亜鉛水溶液を 1cc加えて 1時間撹拌した。撹拌後、蛍
光体を沈降させ、上澄み液をデカンテーションにて除去
した。そして、純水で 5回洗浄し、残った蛍光体分散液
(上澄み液除去後)に、1%ジアゾメチルアニリン塩化亜
鉛分散液(溶媒:水)を 8g を添加し、撹拌した後、ろ
過することなく乾燥し、篩別して、本発明の蛍光体を得
た。得られた本発明の蛍光体を用いて、通常の方法で蛍
光体スラリーを調製した。これを通常の方法でカラーブ
ラウン管用ガラスパネル上に塗布し、ドット形状の蛍光
膜を形成した。このようにして形成した蛍光膜の状態を
光学顕微鏡で観察するとともに、前記した 4cm四方の面
積の蛍光膜を剥がし取り、その重量を現像前後で比較す
る方法で、現像後の現像前に対する膜べり率を求めたと
ころ、74% であった。
【0047】実施例8 1%ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液の添加量を10g
とした以外は、実施例7と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
とした以外は、実施例7と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
【0048】得られた蛍光体を用いて、実施例7と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
80% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
80% であった。
【0049】実施例9 1%ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液の添加量を 20g
とした以外は、実施例7と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
とした以外は、実施例7と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
【0050】得られた蛍光体を用いて、実施例7と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
88% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
88% であった。
【0051】実施例10 1%ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛分散液の添加量を40g
とした以外は、実施例7と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
とした以外は、実施例7と同様にして本発明の蛍光体を
得た。
【0052】得られた蛍光体を用いて、実施例7と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
93% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
93% であった。
【0053】比較例2 従来の方法にしたがい、まず、ユーロピウム付活酸硫化
イットリウム蛍光体100gを 700ccの純水中に分散させ
た。この分散液に水硝子(Siを 25%含む)を0.2ccお
よび 25%コロイダルアルミナ溶液を0.5g添加し、さらに
1mol/L(リットル)の硝酸亜鉛水溶液を 1cc加えて 1時
間撹拌した。撹拌後、蛍光体を沈降させ、上澄み液をデ
カンテーションにて除去した。そして、純水で 5回洗浄
した後、ろ過し、乾燥した。十分に乾燥させた後、篩別
して、蛍光体を得た。
イットリウム蛍光体100gを 700ccの純水中に分散させ
た。この分散液に水硝子(Siを 25%含む)を0.2ccお
よび 25%コロイダルアルミナ溶液を0.5g添加し、さらに
1mol/L(リットル)の硝酸亜鉛水溶液を 1cc加えて 1時
間撹拌した。撹拌後、蛍光体を沈降させ、上澄み液をデ
カンテーションにて除去した。そして、純水で 5回洗浄
した後、ろ過し、乾燥した。十分に乾燥させた後、篩別
して、蛍光体を得た。
【0054】得られた蛍光体を用いて、実施例7と同様
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
69% であった。
にして、蛍光体スラリーを調製し、これをカラーブラウ
ン管用ガラスパネル上に塗布して、ドット形状の蛍光膜
を形成した。また、この蛍光膜の、現像後の現像前に対
する膜べり率を、実施例7と同様にして求めたところ、
69% であった。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
用蛍光体によれば、蛍光膜形成時の膜べりを抑制し、そ
の均一性を高めることができる。したがって、そのよう
な蛍光膜を具備する本発明の陰極線管は品位、特にWH
品位に優れたものとなる。
用蛍光体によれば、蛍光膜形成時の膜べりを抑制し、そ
の均一性を高めることができる。したがって、そのよう
な蛍光膜を具備する本発明の陰極線管は品位、特にWH
品位に優れたものとなる。
【図1】 ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛の蛍光体粒子
に対する付着量と膜べり率との関係を示す図である。
に対する付着量と膜べり率との関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 牧野 泰久 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4H001 CA01 CA06 CC13 XA08 XA16 XA39 YA63
Claims (8)
- 【請求項1】 蛍光体粒子の表面に、光粘着性樹脂が付
着されていることを特徴とする陰極線管用蛍光体。 - 【請求項2】 請求項1記載の陰極線管用蛍光体におい
て、 前記光粘着性樹脂は、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、
2,6-ジメチル -4-(2′-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロ
ピリジン -3,5-ジカルボン酸ジメチルエステル、2,6-ジ
メチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジ
ン -3,5-ジカルボン酸ジエチルエステル、2,6-ジメチル
-4-(2′ -ニトロ-4′,5′- ジメトキシフェニル)-1,4-
ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジメチルエステ
ル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒ
ドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジイソプロピルエステ
ル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒ
ドロピリジン -3,5-ジカルボン酸ジ(β- エトキシエチ
ル)エステル、2,6-ジメチル-4-(2′ -ニトロフェニル)
-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸 -3-メチル-
5- エチルエステル、2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフ
ェニル)-1,4-ジヒドロピリジン -3,5-ジカルボン酸 -3-
イソプロピル -5-メチルエステル、および2,6-ジメチル
-4-(2′ -ニトロフェニル)-3-アセト -1,4-ジヒドロピ
リジン -5-ジカルボン酸エチルエステルの群から選ばれ
る少なくとも 1種からなることを特徴とする陰極線管用
蛍光体。 - 【請求項3】 請求項1記載の陰極線管用蛍光体におい
て、 前記光粘着性樹脂は、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛、
2,6-ジメチル -4-(2′-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロ
ピリジン -3,5-ジカルボン酸ジメチルエステル、および
2,6-ジメチル -4-(2′ -ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロ
ピリジン -3,5-ジカルボン酸ジエチルエステルの群から
選ばれる少なくとも 1種からなることを特徴とする陰極
線管用蛍光体。 - 【請求項4】 請求項1記載の陰極線管用蛍光体におい
て、 前記光粘着性樹脂は、ジアゾメチルアニリン塩化亜鉛で
あることを特徴とする陰極線管用蛍光体。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記
載の陰極線管用蛍光体において、 前記光粘着性樹脂の付着量は、前記蛍光体粒子に対して
0.05重量% 以上 0.5重量% 以下であることを特徴とする
陰極線管用蛍光体。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記
載の陰極線管用蛍光体において、 前記光粘着性樹脂の付着量は、前記蛍光体の粒子に対し
て 0.1重量% 以上 0.5重量% 以下であることを特徴とす
る陰極線管用蛍光体。 - 【請求項7】 外囲器を構成するパネルと、前記パネル
の内面に形成された蛍光膜と、前記蛍光膜に電子線を照
射する電子銃とを具備する陰極線管において、 前記蛍光膜を構成する蛍光体粒子は、その表面に光粘着
性樹脂が付着されていることを特徴とする陰極線管。 - 【請求項8】 請求項7記載の陰極線管において、 前記蛍光膜はストライプ形状またはドット形状を有する
ことを特徴とする陰極線管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11095499A JP2000282023A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 陰極線管用蛍光体およびそれを用いた陰極線管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11095499A JP2000282023A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 陰極線管用蛍光体およびそれを用いた陰極線管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000282023A true JP2000282023A (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=14139302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11095499A Withdrawn JP2000282023A (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 陰極線管用蛍光体およびそれを用いた陰極線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000282023A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107353892A (zh) * | 2017-07-13 | 2017-11-17 | 长春海谱润斯科技有限公司 | 一种热激活延迟荧光材料及其有机电致发光器件 |
-
1999
- 1999-04-01 JP JP11095499A patent/JP2000282023A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107353892A (zh) * | 2017-07-13 | 2017-11-17 | 长春海谱润斯科技有限公司 | 一种热激活延迟荧光材料及其有机电致发光器件 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100199557B1 (ko) | 플리커리스 브라운관용 형광막 및 그 제조 방법 | |
US5394055A (en) | Color picture tube with the fluorescent film of the red emission component having a mixture of europium activated rare earth oxide phosphors | |
JP2000282023A (ja) | 陰極線管用蛍光体およびそれを用いた陰極線管 | |
JP2593125B2 (ja) | カラーブラウン管用蛍光体スラリー液組成物 | |
US6268691B1 (en) | Red emitting phosphor for cathode ray tube | |
JP3148333B2 (ja) | カラーブラウン管 | |
JPH04236294A (ja) | 蛍光体の表面処理方法 | |
JPH10195429A (ja) | カラーテレビジョン用蛍光体 | |
JP2718000B2 (ja) | 蛍光表示管 | |
JP2885894B2 (ja) | 蛍光体 | |
JP3491448B2 (ja) | 陰極線管用蛍光体および蛍光体スラリー | |
JPH10212475A (ja) | 蛍光体およびその製造方法 | |
KR100191560B1 (ko) | 형광 디스플레이 장치에서 저속 전자- 여기 형광막을 생성하는데 사용하기 위한 형광체 슬러리 및 그 형광막의 제조방법 | |
JPH11228953A (ja) | 蛍光体 | |
JPH0559357A (ja) | 窒化ホウ素で表面処理された蛍光体 | |
JP3379973B2 (ja) | 赤色発光組成物 | |
JPH09255951A (ja) | 青色発光蛍光体 | |
JPH0815041B2 (ja) | 蛍光体の表面処理方法 | |
JP2002088358A (ja) | 陰極線管用蛍光体および陰極線管 | |
JPH09263755A (ja) | 蛍光体およびカラー陰極線管 | |
JP3964578B2 (ja) | 陰極線管用赤色発光蛍光体および陰極線管 | |
JP2002371272A (ja) | 陰極線管用蛍光体とそれを用いたカラー陰極線管 | |
JPS5973830A (ja) | デイスプレ−用陰極線管 | |
JP2002363553A (ja) | 陰極線管用蛍光体とそれを用いたカラー陰極線管 | |
JPH07188650A (ja) | 陰極線管用蛍光体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |