JP2000279121A - フラワーペースト類及びその製造法 - Google Patents
フラワーペースト類及びその製造法Info
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Abstract
し、且つ、爽やかでありながらコクのあるカスタード味
の風味付けも可能なフラワーペスト類を提供する事を目
的とする。 【解決手段】必須成分として澱粉、糖質、油脂及び乳酸
発酵乳を含むフラワーペースト類であって、当該フラワ
ーペースト類全量に対し、油脂を15〜30重量%、乳酸発
酵乳を20〜80重量% 含む事を特徴とするフラワーペース
ト類、及び、澱粉と糖質及び油脂を使用してフラワーペ
ースト類を製造するに際して、当該フラワーペースト類
全量に対し油脂を15〜30重量% 、乳酸発酵乳を20〜80重
量% 使用する事を特徴とするフラワーペースト類の製造
法。
Description
及びその製造法に関し、詳細には澱粉、糖質、油脂をベ
ースとし、これに乳酸発酵乳を混合乳化する事により、
食感が非常になめらかで、風味の良好なフラワーペース
ト類及びその製造法に関する。
ーペーストと言えば、小麦粉や澱粉を主要原料とし、こ
れに糖質、油脂、乳製品、卵、その他風味原料を加え、
加熱殺菌及び糊化して得られる、独特のボディを呈した
ペースト状物である。その為、澱粉質特有の強い粘りを
呈し、口溶けや食感の重いものが多い。
ングとして、ナチュラルクリームチーズを主原料とし、
これにマーガリン、澱粉質材料、低甘味糖及び発酵乳を
加えたフラワーペースト類が提案されているが(特開昭
57-194748 号公報)、かかるフラワーペースト類はそこ
に使用される発酵乳の使用目的が最終製品のpHを4.8よ
り上昇させないためのものであって使用量が少なく、製
品の風味も限定されたものであった。
たりとした口溶けの悪い食感を無くし、且つ、爽やかで
ありながらコクがありカスタード味の風味付けも可能な
フラワーペスト類を製造する事を目的とする。
課題に対して鋭意検討を行った結果、乳酸発酵乳と油脂
を主成分としてフラワーペースト類を製造したとき、従
来のフラワーペーストと比較して口溶けが良好で且つ風
味に優れたフラワーペースト類が製造出来る事を見出
し、本発明を完成するに至った。
糖質、油脂及び乳酸発酵乳を含むフラワーペースト類で
あって、当該フラワーペースト類全量に対し、油脂を15
〜30重量% 、乳酸発酵乳を20〜80重量% 含む事を特徴と
するフラワーペースト類、及び、澱粉と糖質及び油脂を
使用してフラワーペースト類を製造するに際して、当該
フラワーペースト類全量に対し油脂を15〜30重量% 、乳
酸発酵乳を20〜80重量% 使用する事を特徴とするフラワ
ーペースト類の製造法、である。
ースト類中に20〜80重量% 、好ましくは40〜70重量% 含
まれるのが良い。乳酸発酵乳の量が少なければ、フラワ
ーペースト類の口溶けが悪くなり、なめらかさが無くな
る。又、風味面でもコクが無くなり、水臭い味となって
しまう。逆に、多すぎると、発酵乳由来の酸味が強くな
り、又、糖質の含量も減る為、甘味質が少なくなる傾向
を示す。
ムや牛乳、加工乳、あるいは脱脂乳、脱脂粉乳、全脂粉
乳、酸カゼイン、レンネットカゼイン、若しくはカゼイ
ンナトリウム等のカゼイン類、または乳清蛋白質等に由
来する乳蛋白質、その他各種動物性由来の蛋白質を含ん
だクリームミックスを発酵させることによって調製する
ことができる。このようにして調製される乳酸発酵乳
は、その無脂乳固形分が約10重量% 程度であるのが好ま
しい。また、乳酸発酵に供する乳酸菌の種類としては、
代表的にはラクトバチルス属の単独菌、またはラクトバ
チルス属と高温菌に分類されるストレプトコッカス属の
混合菌が例示できるが、その他、如何なる乳酸菌であっ
てもよい。
薯、タピオカ、小麦、甘薯などから得られる澱粉類及び
それらのリン酸化澱粉、α化澱粉などの加工澱粉類が例
示できる。これらの澱粉類は、その種類により、焼成後
も良好な保形性を示す焼成用に適したものがあり、例え
ばリン酸化架橋澱粉が例示できる。
30以上になるように使用するのが好ましく、BRIXがそれ
より低いと、フラワーペースト類自体の保存性の点で日
持ちし難い傾向を示す。このような糖質としては、蔗
糖、マルトース、ブドウ糖、ラクトース、ソルビトー
ル、グルコース、転化糖、果糖等の如何なる糖質であっ
ても良い。
量% 、好ましくは15〜25重量% 含まれる様に使用するの
が良い。油脂分が少なすぎると、製品に適度なボディー
性を付与する事が困難となり、食感のなめらかさも低減
する。逆に、多すぎると油脂分と乳酸発酵乳に由来する
蛋白質とのバランスが不均一になり、乳化状態や耐熱性
の点で好ましくない。このような油脂原料として例え
ば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花
生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、
カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア油、サ
ル油、カカオ油、ヤシ油、パーム各油等の植物性並びに
乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示で
き、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬
化、分別、エステル交換等を施した加工油脂等、如何な
る油脂であっても良く、また、バター、生クリーム等の
乳製品を乳脂源として利用出来る。なお、上記油脂分と
しては乳酸発酵乳に由来する油脂分が含まれる。
ラワーペースト類中に40〜70重量%含まれるのがよく、
これより少なすぎると乳化状態が不安定となり、また食
感の水々しさが損なわれる傾向にある。逆に、多すぎる
と柔らかくなりすぎて、ボディー性が無くなり、パン等
のフィリング材として使用し難くなる傾向を示す。な
お、乳酸発酵乳に由来する水分が不足する場合には別途
水分を補給する。
いが、フラワーペースト類中に3〜10重量% 、好ましく
は3.5 〜5重量% 添加することにより、フィリング材と
しての使用に適するボディー性を付与することができる
ので好ましい。かかる安定剤としては、ローカストビー
ンガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガムの
ようなガム類、微細化セルロース誘導体等が例示でき
る。
添加することによりフラワーペースト類に良好なカスタ
ード風味を付与することができるので好ましい。従っ
て、このような卵黄風味源の添加量はフラワーペースト
類全量に対し0〜10重量% 、好ましくは2〜5重量% が
適当である。このような卵黄風味源としては、全卵、卵
黄、卵黄油、卵黄レシチン等が例示できる。
類を調製するのであるが、調製に際し乳化剤を使用する
のが好ましい。乳化剤としては特に限定されるものでは
なく、従来公知の乳化剤が使用出来、例えば、レシチ
ン、アルコール等による分画レシチン、酸またはアルカ
リあるいは酵素等による部分加水分解レシチン、ショ糖
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テルおよびポリグリセロール脂肪酸エステル、さらに酢
酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸
混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセ
チル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハ
ク酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド等各種有
機酸モノグリセリドが例示出来、これらの1種または2
種以上の乳化剤を油脂に対し0.05〜5重量% 、好ましく
は0.1 〜2重量% 使用するのが良い。以上の乳化剤の他
に、公知の添加剤、例えば、カルシウム塩、リン酸塩等
を使用することもできる。
各原料を混合し予備乳化した後、pHを5 〜7.5 、好まし
くはpHを5.5 〜7.0 に調整する。pHが低すぎると酸味が
強くなり過ぎ、逆に高すぎると保存性が悪化する傾向を
示す。次いで、均質化、殺菌(α化)、冷却の工程を経
る。予備乳化の調合温度としては40℃〜70℃、好ましく
は50℃〜60℃が望ましく、均質化圧力は0〜200 kg/cm2
、殺菌条件は80℃〜140 ℃、10秒〜20分が適してい
る。また、冷却は冷蔵庫中での冷却で十分である。
は、なめらかな食感で適度なフィリング性を有するボデ
ィを示し、且つ、良好な風味を有している。これらの製
品の硬さはレオメーター測定値として、50〜800 g/7.06
5cm2 、好ましくは80〜600 g/cm2(但し、測定条件: 品
温20℃、直径3cm プランジャー、テーブルスピード5cm/
分、不動工業(株)製) の範囲内にあるのがフィリング
材としての充填適性において好ましい。
には、チョコレート、ココア、アーモンド、ピーナッ
ツ、胡麻、各種フルーツピューレ、フルーツ果汁、練
乳、コーヒー、紅茶、抹茶、合成甘味料等の各種風味源
を添加する事でカスタード以外の風味を付与することが
出来る。その際の添加時期については、先述の製造工程
中の乳化混合時に添加を行うのが好ましい。
明の効果をより一層明確にするが、これらは例示であっ
て本発明が特に限定されるものでは無い。尚、部及び%
は何れも重量基準である。
スターチの化工澱粉)5 部、卵黄1 部、水24部、レシチ
ン0.01部、カスタードフレーバー及びミルクフレーバー
を各0.1 部を添加し、60℃で10分間調合した後、混合液
のpHが5.5 〜6.2 になる様に炭酸Naにて調整を行い、さ
らに100 kg/cm2 の圧力下に均質化した後、連続熱交換
機に通して95〜100 ℃に加熱し、澱粉をα化して糊状と
した。乳酸発酵乳は乳脂20% の普通脂肪クリーム(四訂
食品成分表に記載の普通市販クリーム類で、油分20% 、
水分70% 、蛋白5.9%、糖質3.5%、灰分0.6%)を乳酸菌で
発酵させたものを使用した。かくして得た、全油脂分19
% 、水分55.5% 、BRIX 38 のフラワーペースト類は、以
下の比較例等の対比からも明らかな様に、良好なコクの
あるカスタード味で食感のなめらかさに優れた良好なフ
ィリング材となり、従来の市販フラワーペーストに比べ
て口溶けが極めて良好であった。
酵の普通脂肪クリームで代替して使用し、水分29部を使
用した以外は実施例1に準じて行い、製造工程において
は、pHの調整を発酵乳の酸からではなく、乳酸を用い同
じpHに調整して製造した。このようにして得られたフラ
ワーペースト類は実施例1のフラワーペースト類に比べ
て若干なめらかさの点で劣るものの、風味、口溶けの良
好なフラワーペースト類であった。
以外は実施例1に準じて行い、pHについても同じく炭酸
Naを用いて調整した。このようにして得られたフラワー
ペースト類は実施例1のフラワーペーストに比べて若干
酸味が強く感じられたが、食感はなめらかであり、良好
なカスタード味を有するものであった。
例1に準じて行い、pHについても同じく炭酸Naを用いて
調整した。このようにして得られたフラワーペースト類
は実施例1のフラワーペーストに比べて乳化状態が若干
不安定であり、また若干硬く感じられたが、食感はなめ
らかであり、カスタード味も良好で、製品としては合格
範囲内であった。
例1に準じて行い、pHについても同じく炭酸Naを用いて
調整した。このようにして得られたフラワーペースト類
は実施例1のフラワーペーストに比べてボディー性が若
干劣り、また食感のなめらかさも若干低減していたが、
製品としては合格範囲内であった。
クリームに代替し、その他の原料配合及び工程は実施例
1に準じて実施し、pHについては50% 乳酸にて同じ範囲
になる様調整を行った。こうして得られたものは、澱粉
の糊感が強く、非常に重たい口溶けを有しており、風味
も水臭い希薄なものであった。
前に普通脂肪クリームに代替し、その他は実施例に準じ
て実施した。こうして得られたものは、発酵乳を使用す
る事からくる風味のコク味に欠け、希薄な風味となっ
た。
加し、糖質10部を加え、水及び油脂は加えず、他は同様
にして実施した。こうして得られたものは、酸味が若干
強くて甘味に欠け、全体に水臭く、風味的に好ましくな
いものであった。
して実施した。こうして得られたものは、pHが4.8 で酸
味が強くて甘味に欠け、カスタードらしくなく全体に水
臭くて風味的に好ましくないものであった。
の通り。 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 (1) (2) (3) (4) (5) ─────────────────────────────────── 乳酸発酵乳 45 25 75 60 45 普通脂肪クリーム - 20 - - - 油脂 10 10 4 16 7 糖質 15 15 15 15 15 澱粉 5 5 5 5 4 卵黄 1 1 1 1 1 水 24 29 - 3 28 乳化剤 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 香料 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 (pH調整は炭酸Naもしくは50% 乳酸にて、pH6.0 に調整した) ───────────────────────────────── 全油脂分(%) 19 19 19 28 16 BRIX 38 38 38 40 38 水分 55.5 55.5 52.5 45.0 59.5 ───────────────────────────────────
ワーペースト類に比較して、もったりとした口溶けの悪
い食感を無くし、且つ、爽やかでありながらコクのある
カスタード味の風味付けも可能なフラワーペスト類を提
供することができるという効果を有する。
Claims (7)
- 【請求項1】必須成分として澱粉、糖質、油脂及び乳酸
発酵乳を含むフラワーペースト類であって、当該フラワ
ーペースト類全量に対し、油脂を15〜30重量% 、乳酸発
酵乳を20〜80重量% 含む事を特徴とするフラワーペース
ト類。 - 【請求項2】フラワーペースト類がpH5 〜7.5 である、
請求項1記載のフラワーペースト類。 - 【請求項3】フラワーペースト類全量に対し、澱粉を3
〜10重量% 含有する、請求項1又は請求項2記載のフラ
ワーペースト類。 - 【請求項4】BRIXが30% 以上になる量の糖質を含有す
る、請求項1ないし請求項3の何れかに記載のフラワー
ペースト類。 - 【請求項5】レオメーター測定値による硬さが、50〜80
0 g/7.065cm2 (但し、測定条件:品温20℃、直径3 cm
プランジャー、テーブルスピード5 cm/ 分、不動工業
(株)製)の範囲内にある、請求項1ないし請求項4の
何れかに記載のフラワーペースト類。 - 【請求項6】澱粉と糖質及び油脂を使用してフラワーペ
ースト類を製造するに際して、当該フラワーペースト類
全量に対し油脂を15〜30重量% 、乳酸発酵乳を20〜80重
量% 使用する事を特徴とする、フラワーペースト類の製
造法。 - 【請求項7】予備乳化物をpH5 〜7.5 に調整した後、均
質化する、請求項6記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08779099A JP3368866B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | フラワーペースト類及びその製造法 |
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---|---|---|---|
JP08779099A JP3368866B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | フラワーペースト類及びその製造法 |
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JP2000279121A true JP2000279121A (ja) | 2000-10-10 |
JP3368866B2 JP3368866B2 (ja) | 2003-01-20 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP08779099A Expired - Lifetime JP3368866B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | フラワーペースト類及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3368866B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008061504A (ja) * | 2006-09-04 | 2008-03-21 | Q P Corp | フラワーペースト |
JP2008307062A (ja) * | 2002-02-06 | 2008-12-25 | Indopco Inc | 安定化シロップ調製方法 |
JP2011217646A (ja) * | 2010-04-07 | 2011-11-04 | Adeka Corp | フラワーペースト類 |
US9101158B2 (en) | 2011-06-07 | 2015-08-11 | Fuji Oil Company Limited | Application of soybean emulsion composition to soybean-derived raw material-containing food or beverage |
JP2017176109A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 不二製油株式会社 | ベイクドチーズケーキ類製造用組成物 |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP08779099A patent/JP3368866B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008307062A (ja) * | 2002-02-06 | 2008-12-25 | Indopco Inc | 安定化シロップ調製方法 |
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JP2011217646A (ja) * | 2010-04-07 | 2011-11-04 | Adeka Corp | フラワーペースト類 |
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JP2017176109A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 不二製油株式会社 | ベイクドチーズケーキ類製造用組成物 |
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