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JP2000263361A - 工具ホルダ - Google Patents

工具ホルダ

Info

Publication number
JP2000263361A
JP2000263361A JP11075433A JP7543399A JP2000263361A JP 2000263361 A JP2000263361 A JP 2000263361A JP 11075433 A JP11075433 A JP 11075433A JP 7543399 A JP7543399 A JP 7543399A JP 2000263361 A JP2000263361 A JP 2000263361A
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JP
Japan
Prior art keywords
cone
tapered
peripheral surface
tool holder
taper
Prior art date
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Granted
Application number
JP11075433A
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English (en)
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JP3083291B1 (ja
Inventor
Masaichi Matsumoto
政一 松本
Masahiro Taguchi
正博 田口
Yusaku Yamamoto
雄策 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikken Kosakusho Works Ltd
Original Assignee
Nikken Kosakusho Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikken Kosakusho Works Ltd filed Critical Nikken Kosakusho Works Ltd
Priority to JP11075433A priority Critical patent/JP3083291B1/ja
Priority to EP00302016A priority patent/EP1038619B1/en
Priority to DE60036430T priority patent/DE60036430T2/de
Priority to US09/525,253 priority patent/US6352395B1/en
Priority to KR1020000013685A priority patent/KR100632880B1/ko
Application granted granted Critical
Publication of JP3083291B1 publication Critical patent/JP3083291B1/ja
Publication of JP2000263361A publication Critical patent/JP2000263361A/ja
Priority to US09/897,642 priority patent/US20010049984A1/en
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  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Gripping On Spindles (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 引き込み力が小さくても、工作機械のス
ピンドル20に強く保持でき、高精度の切削加工ができ
る工具ホルダを提供する。 【解決手段】 ホルダ本体2のシャンク部3の前側に設
けたフランジ部4の後端部とシャンク部3に嵌めたテー
パコーンの前端面との間に弾性部材7を介在させ、前記
コーン8の後端面をシャンク部3にストッパ部材9で支
持した工具ホルダにおいて、後側が小径となる前記コー
ン8の外周をスピンドル20のテーパ孔21内周面21
aのテーパと等しい角度とし、前記コーン8内周面とシ
ャンク部3外周面とのテーパを互いに等しい角度で前記
コーン8の外周テーパよりもゆるい角度で後側が小径と
なるようにし、ホルダ本体2の引き込みにより前記コー
ン8が拡径して、これの外周面をテーパ孔21内周面に
強く保持できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械のスピ
ンドルに着脱可能に装着する工具ホルダに関するもので
ある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来の工具ホルダは、
シャンク部を後側が小外径となるテーパに形成し、工作
機械のスピンドル前端部に後側が小内径となるテーパ孔
を形成し、引き込み部材によって工具ホルダのシャンク
部を後側に引き込むことで、前記工具ホルダをスピンド
ルに装着している。しかし、工具ホルダのシャンク部の
前側に設けたフランジ部とスピンドルの前端面との間に
隙間を設け、シャンク部のテーパを有する外周面と、ス
ピンドルのテーパ孔内周面とのみによって、前記シャン
ク部を拘束していたので、大きな力でシャンク部を保持
することができず高速回転あるいは低速重切削加工にお
いて満足な切削ができなかった。そこで、スピンドルの
前端面に、工具ホルダのシャンク部前側に設けたフラン
ジ部後端面を押し付ける端面拘束を、前記テーパを有す
る外周面と、前記テーパ孔内周面とによる拘束を加える
ことで、拘束力を大きくするようにしたものもあった。
しかし、前記のような構成にするには、製作公差をシビ
アにしなければならないため、コスト高になり、また、
長期間にわたってスピンドルを使用していると、そのテ
ーパ孔の再研磨が必要となり、再研磨をしたものはテー
パ孔が拡がるために、工具ホルダのフランジ部とスピン
ドルとの端面とによる拘束のみになり、テーパ部は接触
せず、工具が振れてしまい使用出来なくなる。また、ス
ピンドルを高速回転させると、そのテーパ孔によってス
ピンドルの前端部が遠心力で拡がり、テーパ孔による拘
束力が低下し、工具ホルダによって保持した工具が振動
し、加工精度が低下する。
【0003】そこで、フランジ部を有する工具ホルダの
ホルダ本体のシャンク部にストレートを設け、そこにテ
ーパコーンを嵌め、このコーンの後端面と前記シャンク
部の前端面との間に皿ばねを介在させて、テーパコーン
にプリロードをかけることで、後側が小外径となるテー
パコーンの外周面をスピンドルの後側が小外径となるテ
ーパ孔内周面に押し付けて、前記ホルダ本体をスピンド
ルの後側に引き込むようにして、ある程度の成果を得る
ことができ、製作も比較的容易にしたものがあるが、ホ
ルダ本体の引き込み力を大きくしないと、テーパ孔の内
周面によるテーパコーンの拘束が十分にできない。ま
た、ホルダ本体のシャンク部の外周に大径端部と小径端
部とを2段のストレート部を形成し、テーパコーンの内
周にも前記端部と対応するようにストレートの小径端部
と大径端部とを形成したものもあるが、テーパコーンの
内周面がストレート状であるため、ホルダ本体を強大な
引き込み力で引き込まないと十分な効果が得られないと
いう問題点があった。
【0004】この発明は、前述した問題点を解決して、
ホルダ本体の引き込み力が比較的小さくても、ホルダ本
体のシャンク部外周面とこれに密着嵌合されるテーパコ
ーンの内周面に、それぞれ後側が小径となるスピンドル
のテーパ孔内周面およびテーパコーン外周面のテーパ角
度よりゆるい角度のテーパを形成することで、シャンク
部外周面がテーパコーンに対し、いわゆるくさび効果に
よるロック機能を有し、スピンドルのテーパ孔内周面に
対しテーパコーンの外周面の内張り力が作用する結果、
スピンドルのテーパ孔に装着される工具ホルダを大きな
拘束力で保持することができ、高速回転および低速重切
削に耐え得る工具ホルダを提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、後側
が小外径となるテーパ孔をもつ工作機械のスピンドルの
テーパ孔に着脱可能に嵌める工具ホルダであって、ホル
ダ本体の後側部に設けたシャンク部の前側に大外径のフ
ランジ部を設け、フランジ部の後端部とシャンク部に嵌
めたテーパコーンの前端部との間に弾性部材を介在さ
せ、後側が小外径となるテーパコーンを、テーパコーン
の後端面をシャンク部に設けたストッパ部材によって支
持した工具ホルダにおいて、前記テーパコーンの外周面
を前記スピンドルのテーパ孔内周面と等しい角度に形成
し、テーパコーンの内周面と前記シャンク部の外周面と
に後側が小径となる互いに等しい、テーパコーンの外周
面の角度よりゆるい角度のテーパを、前後方向の少なく
とも一部に形成したものである。
【0006】請求項2の発明は、後側が小径となる互い
に等しい角度のゆるいテーパを、テーパコーンの内周面
全体およびシャンク部の外周面のほぼ全体とに形成した
請求項1に記載の工具ホルダである。
【0007】請求項3の発明は、ホルダ本体のシャンク
部前側部の外周面およびテーパコーン前側部の内周面に
後側が小径となる互いに等しい角度のゆるいテーパをそ
れぞれ形成して、シャンク部の前側部にテーパコーンの
前側部を嵌合させ、シャンク部の中間部とテーパコーン
の中間部との間に隙間を設け、シャンク部の後側部外周
面およびテーパコーンの後側部内周面にストレート部を
設け、シャンク部の後側部にテーパコーンの後側部を嵌
合させた請求項1に記載の工具ホルダである。
【0008】請求項4の発明は、テーパコーンの全長に
わたり軸方向と傾斜させて切り割りを形成し、この切り
割りに弗素系のゴムなどの弾性体を充填させて接着した
請求項1〜3のいずれかの1つに記載した工具ホルダで
ある。
【0009】請求項5の発明は、テーパコーンに、前部
切り割りと後部切り割りとを前記テーパコーンの前端と
後端とから周方向に隙間を設けると共に、互いに等しい
角度に軸方向と傾斜させ、前記両切り割りに弗素系ゴム
などの弾性体を充填させて接着した請求項1〜3のいず
れかの1つに記載の工具ホルダである。
【0010】請求項6の発明は、シャンク部の前端部外
周に接し後側に開口する環状凹部を形成し、この環状凹
部に弾性部材の少なくとも一部を収容してテーパコーン
の前端面を支持させ、前記弾性部材を複数の皿ばねおよ
びこれらの前側と後側の少なくとも一方に座金を重ねて
構成した請求項1〜5のいずれか1つに記載の工具ホル
ダである。
【0011】請求項7の発明は、ストッパ部材が、座
金,ばね座金,シャンク部の後端部内周にねじ嵌合する
ナットのうちの少なくとも1つをテーパコーンの後端部
に設けてある請求項1〜6のいずれか1つに記載の工具
ホルダである。
【0012】請求項8の発明は、フランジ部に形成した
環状凹部の外周側の後端面に、1対の円弧状のシム板を
ビス留めなどにより着脱可能に固着し、前記シム板をス
ピンドルの前端面に当接するようにした請求項1〜7の
いずれか1つに記載の工具ホルダである。
【0013】請求項9の発明は、ホルダ本体、テーパコ
ーンなどの工具ホルダを構成する各部材に防錆処理を施
した請求項1〜8のいずれか1つに記載の工具ホルダで
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】
【0015】第1実施形態の工具ホルダ1は、図1,図
2に示すように、ホルダ本体2の後端側にシャンク部3
を設け、このシャンク部3の前端側に大外径のフランジ
部4を設け、このフランジ部4の前端側に前端部6を一
連に形成してある。
【0016】前記フランジ部4の後端面4aは、外周側
から中心側に向かって軸方向と直角に形成し、フランジ
部4の外周面には自動工具交換装置のアーム(図示省
略)が係脱可能に係合する台形溝4bを形成し、フラン
ジ部4の後端面4aには環状凹部4cを形成し、環状凹
部4cに後述する弾性部材7を嵌めてある。なお、4
e,4eはキ−溝である。
【0017】前記シャンク部3の外周には前端面が弾性
部材7に当接してテーパシャンクを構成するテーパコー
ン8を径方向および軸方向に摺動可能に嵌合させ、テー
パコーン8の後端部に後述するプリロード調節用のスト
ッパ部材9をシャンク部3に嵌め、ストッパ部材9の後
端面を支持するプルスタッド10をシャンク部3の後端
部にねじ嵌合させて固着し、ストッパ部材9を介してテ
ーパコーン8を弾性部材7に押し付け、弾性部材7を圧
縮させてプリロードを付与している。
【0018】前記テーパーコーン8は、図3に示すよう
に、前側から後側に向けて小径になるようにし、外周面
の全体を1/10テーパのテーパαに形成し、内周面の
全体を1/50テーパなどの外周面よりもゆるいテーパ
βに形成してある。
【0019】また、テーパコーン8は、図3,図4に示
すように、軸方向に対しゆるい傾斜を設けて全長にわた
って切り離した切り割り8aを周方向の1箇所に設け、
この切り割り8a内に弗素系のゴムなどの弾性体8bを
充填し、径方向に弾性変形可能にしてある。なお、前記
弾性体8bは、テーパコーン8の内,外周面から突出し
ないように前記切り割り8aに充填して、切り割り8a
の対向面に接着剤で固着させることで、防塵機能を有す
るようにしている。
【0020】前記弾性部材7は、鋼板などの弾性金属板
からなる複数の環状の皿ばね7aと、環状の金属板など
からなる薄板7bとを重ねて構成し、これらの少なくと
も一部を前記環状凹部4cに収容して、この凹部4cの
底とテーパコーン8の前端面との間に介在させてある。
前記ストッパ部材9は、弾性リング9aと座金9bとを
重ね、これらをプルスタッド10の大径支持部10bに
よってテーパコーン8の後端面を支持するようにしてあ
る。
【0021】さらに、シャンク部3のテーパコーン8が
嵌合する部分の外周面には、周方向に連続する山形状に
潤滑剤封入溝3aを形成し、この封入溝3にグリースな
どの潤滑剤を入れ、シャンク部3とテーパコーン8との
相対移動が長期間にわたってスムーズにできるようにし
てある。
【0022】前記ホルダ本体2の軸方向中間部と前端と
の間にはコレット保持用のテーパ孔11とテーパ孔11
の後端側に延びるストレート孔12とを形成し、ストレ
ート孔12の後端側には小径のボルト挿通孔13を形成
したボルト支持部14を環状に中心側に突出させ、ボル
ト挿通孔13の後端側にホルダ本体2の後端面に開口す
る後端部孔15を形成し、後端部孔15の軸方向の適所
にめねじ部15aを形成し、前記各孔11,12,1
3,15はホルダ本体2の軸心と同心に一連に設けてあ
る。
【0023】前記プルスタッド10は、前端おねじ部1
0aを後端部孔15のめねじ部15aに締め付け、大径
支持部10bをシャンク部3の後端面に当接させ、大径
支持部10bの後端側に係合部10cを突出させ、中心
部に貫通孔10dを形成してあり、大径支持部10bに
は相対向する平坦切欠部10eを形成してある。なお、
10fは前端おねじ部10aの上方に嵌合配設したシー
ル部材である。
【0024】ホルダ本体2のテーパ孔11およびストレ
ート孔12には、テーパコレット16に一連に形成した
前端側のテーパ部16aおよびストレート状の後端部1
6bを嵌挿してある。テーパコレット16の前記テーパ
部16aには、外周面にテーパ孔11と等しいテーパを
形成し、周方向の3箇所に切り割り部16cを等間隔で
形成し、切り割り部16c間の周方向中央部には切削液
供給溝16dをそれぞれ内周面に形成してあり、テーパ
コレット16の後端部16bには中央部を貫通するめね
じ孔16eが形成してある。なお、切り割り部16c
は、テーパ部16aの全長にわたって形成し、切削液供
給溝16dはテーパコレット16の前端から後端部16
bまで細長く形成してある。
【0025】ホルダ本体2の後端側から後端部孔15に
引きボルト17を挿入し、引きボルト17の脚部17a
をボルト挿通孔13に後端側から挿通し、脚部17aに
形成したおねじ部17bに前記コレット16の後端部1
6bに形成しためねじ孔16eにねじ嵌合させてある。
前記引きボルト17は、頭部17cに横断面が正六角形
状の係合凹部17dを形成し、係合凹部17dの底から
脚部17aの先端まで小径の切削液通路孔17eを引き
ボルト17の軸心部に貫通させて形成してある。また、
頭部17cは脚部17aに嵌めた座金18を介し、ホル
ダ本体2のボルト支持部14の後端面に支持してある。
なお、19はテーパコレット16にシャンク19aを嵌
めたエンドミル,ドリルなどの工具である。
【0026】また、図2において、20は工作機械のス
ピンドルであり、スピンドル20の前端部にはテーパ孔
21を形成し、このテーパ孔21は、スピンドル20の
前端に開口し、テーパ孔21の内周面21aを後端側が
小径となる1/10テーパに形成してある。そして、ス
ピンドル20のテーパ孔21後端側に引き込み部材22
を設けてある。さらに、ホルダ本体2,テーパコーン
8,テーパコレット16などの金属部材にはそれぞれ防
錆処理を施し、切削液などによる前記金属部材に錆が発
生しないようにしてある。
【0027】前記のように構成した第1実施形態の工具
ホルダ1を使用するには、自動工具交換装置のアーム
を、工具ホルダ1のフランジ部4に設けた台形溝4bに
係合させてフランジ部4を把持し、工作機械のスピンド
ル20内に設けた引き込み部材22の前端部に工具ホル
ダ1に設けたプルスタッド10の係合部10cを係合さ
せ、プルスタッド10をスピンドル20の後側に引き込
むことで、工具ホルダ1のテーパコーン8の外周面をス
ピンドル20の内周面に密着させる。そして、プルスタ
ッド10をスピンドル20の後側に引き込むと、プルス
タッド10に固着したホルダ本体2のシャンク部3とシ
ャンク部3に嵌めたテーパコーン8が後側に引き込ま
れ、シャンク部3の外周面とテーパコーン8の内周面と
に互いに等しい1/50テーパなどの後側が小径となる
ゆるいテーパが形成してあるので、シャンク部3の引き
込みによってテーパコーン8に対して図5に示す矢印K
の如く、くさび効果が働きテーパコーンの内周面が拡径
して矢印Nの如く内張り力が働く。
【0028】また、スピンドル20のテーパ孔21内周
面21aとテーパコーン8の外周面には互いに等しい1
/10テーパの後側が小径となるテーパが形成してある
ため、テーパコーン8の外周面に対し前記テーパ孔21
内周面21aの締付力Mが働きテーパコーン8を縮径し
ようとするが、テーパコーン8の矢印Nのような内張り
力が働き、両者を強力に拘束することが、工具ホルダ1
の引き込み力が比較的弱くても可能になる。なお、テー
パ角度が小さいほど、結合剛性が向上することは、既に
知られているところである。
【0029】図6は、この発明の工具ホルダ1と従来の
標準タイプの工具ホルダにおける、ホルダ本体2をスピ
ンドル20のテーパー孔21内にドローバーによって引
込む、引き込み力の状態を示した説明図である。例え
ば、ホルダ本体2の引き込み力の設定値を900kgと
設定した場合、スピンドル20のテーパ孔21に工具ホ
ルダ1を装着した時、ドローバー(図示せず)に連結さ
れた引込み部材22を引込むために配設された圧縮状態
の皿ばね(図示せず)などの瞬時の引き込み力は、ハン
マリング効果と称され、引き込み力設定値および引込み
早さで変化するが、瞬間的に1.3〜1.8倍の1200
kg程度の引き込み力に到達する。
【0030】しかるに、従来の標準タイプの工具ホルダ
では、テーパコーンの内周面とシャンク部外周面がそれ
ぞれ前後方向にストレートであるため直ちに点線で示す
引き込み力設定値である900kgの引き込み力に戻
り、この状態で切削作業が行われる。
【0031】これに対し、この発明による工具ホルダ1
によれば、スピンドル20のテーパ孔21に工具ホルダ
1を装着した時点で、ドローバーがプルスタッド10を
スピンドル20の後側に引き込むと、プルスタッド10
に固着したホルダ本体2のシャンク部3とシャンク部3
に嵌めたテーパコーン8が後側に引き込まれ、シャンク
部3の外周面とテーパコーン8の内周面とに互いに等し
い1/50テーパなどの後側が小径となるゆるいテーパ
が形成してあるので、シャンク部3の引き込みによって
シャンク部3外周面がテーパコーン8に対し所謂くさび
効果によるロック機能を呈し、且つスピンドル20のテ
ーパ孔21内周面21aに対しテーパコーン8の外周面
の内張り力が作用する結果、前記引き込み力の瞬時の到
達点である1200kgの引き込み力を維持した状態で
拘束が可能となる。したがって、スピンドル20のテー
パ孔21aに装着される工具ホルダ1を大きな拘束力で
密着保持することができ、高速回転および低速重切削に
耐え得る工具ホルダ1を提供できる。
【0032】前記引き込み力の瞬時の到達点である引き
込み力を維持した状態で拘束が可能となることは、引き
込み力が低下する4〜5年使用のスピンドルの引き込み
手段に対して適用した場合に、引き込み力を向上させる
効力を発揮できることは勿論である。なお、自動工具交
換装置は、アームを適時に台形溝4bから外して、動作
前の位置に復帰させる。
【0033】前述した加工を行なった後、工具ホルダ1
の自動工具交換を行なうには、自動工具交換装置のアー
ムを台形溝4bに係合させてフランジ部4を把持し、ス
ピンドル20の先端側に前記工具ホルダ1を引き抜く。
【0034】第1実施形態の工具ホルダ1に設けたテー
パコーン8は、ホルダ本体2のシャンク部3に嵌合させ
たテーパコーン8の後端面を、シャンク部3の後端部に
ねじ締めしたプルスタッド10の大径支持部10bをシ
ャンク部3の後端面に当接させて前端側に押し、フラン
ジ部4の後端面4aに形成した環状凹部4bに弾性部材
7を嵌め、テーパコーン8の前端面を弾性部材7を介し
てフランジ部4に押し付けているので、テーパコーン8
がシャンク部3の軸方向に移動可能であり、また、テー
パコーン8には全長にわたる切り割り8aを周方向の1
箇所に設け、切り割り8aに弾性体8bを充填してある
ので、テーパコーン8の拡径縮径が可能であり、テーパ
コーン8をスピンドル20のテーパ孔21に密着させて
嵌合させ、かつフランジ部4の後端面4aをスピンドル
20の前端面20aに確実に密着させることができる。
【0035】第1実施形態において、使用によって刃部
が磨耗または欠損した工具19を交換するには、工具ホ
ルダ1を工作機械から外して工具の交換作業場に運び、
ホルダ本体2のフランジ部4を万力台に固定した万力な
どによって固定し、プルスタッド10の後端側からL字
状に折り曲げた横断面正六角形状の操作棒の前端部を、
プルスタッド10の貫通孔10dに挿通して引きボルト
17の頭部17cに設けた係合凹部17dに係合させ
る。
【0036】そして、前記操作棒をプルスタッド10外
で弛め方向に回転させ、引きボルト17を同方向に回転
させることで、その頭部17cをプルスタッド10の前
端に当接させ、さらに弛め方向に回転させることで、引
きボルト17のおねじ17bとテーパコレット16のめ
ねじ孔16eとのねじ嵌合によって前記コレット16を
ホルダ本体2の前端側に押し出し、コレット16のテー
パ部16aに対するホルダ本体2前端部のテーパ孔11
による締め付けを弛める。
【0037】これによって、コレット16のテーパ部1
6aによる工具19のシャンク19aの締め付けも弛む
ので、工具19をコレット16から引き抜き、新しい工
具など使用可能な工具19のシャンク19aをコレット
16のテーパ部16aに嵌めることができる。その後、
前述した操作とは逆に前記操作棒によって引きボルト1
7を締め付け方向に回転させてホルダ本体2の後端側に
引き込むことで、コレット16のテーパ部16aをホル
ダ本体2のテーパ孔11周面に締め付け、コレット16
を介して工具のシャンクをホルダ本体2の前端部に保持
固定し、さらにその後、操作棒を工具ホルダ1の後端側
に抜き出し、そのフランジ部4を万力から外すことで、
工具ホルダ1を再使用できる。
【0038】また、スピンドル20に工具ホルダ1を装
着し、スピンドル20を回転させつつ工具19を前進さ
せ、工作物に加工を行う際に、スピンドル20の中心部
から切削液を供給し、この切削液を、プルスタッド10
の貫通孔10d,ホルダ本体2の後端部孔15,引きボ
ルト17の係合凹部17d,テーパコレット16の後端
部16bに通し、前記コレット16の切削液供給溝16
dを経てコレット16の前端から工具19外周面に沿っ
て噴出させ、工具19の刃部および刃部による工作物の
加工部を冷却することもできる。
【0039】なお、第1実施形態の発明において、フラ
ンジ部は、ホルダ本体と一体に形成したり、全部または
前端部以外を別部材とし、この部材を焼き嵌めなどによ
ってホルダ本体の外周に嵌合固定したりすることで構成
する。また、第1実施形態の発明において、スピンドル
の前端部に設けたテーパ孔の内周面およびテーパコーン
の外周面は、後側が小径となる7/24テーパなどのき
ついテーパにそれぞれ形成し、テーパコーンの内周面お
よびホルダ本体のシャンク部の外周面をそれぞれ後側が
小径となる1/50などのゆるいテーパに形成してもよ
い。
【0040】第2実施形態の工具ホルダ1は、図7に示
すように、ホルダ本体2の後端側にシャンク部3を設
け、シャンク部3の前端側に大径のフランジ部4を設け
てある。前記フランジ部4の後端面4aには環状凹部4
cを形成し、環状凹部4cに弾性部材7を嵌め、シャン
ク部3の外周にテーパコーン8を回動可能に嵌め、シャ
ンク部3の後端部にはプリロード調節用のストッパ部材
9を設けてある。
【0041】前記テーパーコーン8は、外周面の全体
を、7/24テーパのきついテーパに形成し、内周面の
前側部8gを、1/10 〜 1/100テーパ、好まし
くは、1/50テーパのゆるいテーパに形成し、前側部
8gに連なる中間部8hを段を介して中心側に僅かに突
出させ、中間部8hの後にストレート部8iを形成して
ある。
【0042】前記シャンク部3は、外周面の前側部3c
をテーパコーン8の前側部8gに等しい1/10 〜 1
/100テーパ、好ましくは1/50テーパのゆるいテ
ーパに形成し、前側部3cに連なる中間部3dを僅かに
小外径とし、中間部3dに連なる直筒状のストレート部
3eとし、後側ストレート部3eに連なる等外径の後端
部3fを設けてある。
【0043】前記テーパコーン8を前記シャンク部3に
嵌め、テーパコーン8の前側部8gをシャンク部3の前
側部3cに嵌合させ、テーパコーン8の中間部8hとシ
ャンク部3の中間部3dとの間に径方向の隙間aと前後
方向の隙間bとを形成し、テーパコーン8のストレート
部8iをシャンク部3のストレート部3fに嵌合させて
ある。
【0044】前記ストッパ部材9は、テーパコーン8の
後端面から突出するシャンク部3の後端部3fに座金9
bを嵌め、ナット9cを前記後端部3fに螺合させて締
め付け、座金9bをテーパコーン8の後端面に押し付け
ている。
【0045】また、シャンク部3の前側部3cおよびス
トレート部3eの外周面には、周方向に連続する山形状
に潤滑剤封入溝3aおよび潤滑剤封入溝3gをそれぞれ
形成し、これらの封入溝3a,3gにグリースなどの潤
滑剤を入れてある。工作機械のスピンドル20の前端部
にはその前端面に開口するテーパ孔21を形成し、テー
パ孔21の内周面21aを後側が小径となる7/24テ
ーパのきついテーパが形成してある。
【0046】なお、第2実施形態の工具ホルダの前述し
た以外の構成は、第1実施形態の工具ホルダと同様であ
る。そして、第2実施形態の工具ホルダの使用および効
果も第1実施形態の工具ホルダと同様であるが、第2実
施形態のものは、テーパコーン8の前側部8gとシャン
ク部3の前側部3cとをテーパがある嵌合としたので、
テーパを形成する部分の切削加工の長さが短く、加工が
容易にでき、また、テーパコーン8の後側部に設けたス
トレート部8iとシャンク部3の後側ストレート部3e
とを嵌合させたので、前,後2箇所でシャンク部3にテ
ーパコーン8を支持させることができ、使用時に振動を
少なくして、工具によるワークの加工精度を良好にでき
る。
【0047】第2実施形態の工具ホルダは、図8に示す
変形例のテーパコーン8を用いることができ、前部切り
割り8cと後部切り割り8dとを、前記テーパコーン8
の前端と後端とから前後方向の中間部迄の範囲に形成
し、前部切り割り8cと後部切り割り8dとを軸方向に
対し互いに等しい角度に傾斜させると共に、前部,後部
切り割り8c,8dの隙間に弗素系のゴムなどの弾性体
8e,8fをそれぞれ充填して、各切り割り8c,8d
の対向面に接着剤で固着し、防塵機能を有するように
し、また、各切り割り8c,8dが短いので、これらの
加工を容易にし、弾性体8e,8fの老化が遅く長期間
の使用を可能にしている。なお、このテーパコーン8の
内周面,外周面のテーパなどは図7に示したテーパコー
ンと同様にしてある。
【0048】第3実施形態の工具ホルダ1は、図9に示
すように、ホルダ本体2のフランジ部4の後端面4aに
2枚の平面円弧状のシム板24,24を、これらの両端
間に間隔を設けて支持させ、前記シム板24,24に複
数ずつ設けた孔24a,24aに皿ビス25,25を嵌
めてそれぞれ前記フランジ部4に予め形成してあるめね
じ孔4d,4dに着脱可能に固着し、シム板24,24
の後面が工作機械のスピンドル20の前端面20aに密
着するようにしたものである。
【0049】なお、第3実施形態の工具ホルダの前述し
た以外の構成は、第2実施形態の工具ホルダと同様であ
る。そして、第3実施形態の工具ホルダの使用および効
果も第2実施形態の工具ホルダと同様であるが、第3実
施形態のものは、スピンドル20に対する工具ホルダ1
の多数回の着脱によってシム板24,24が磨耗などの
損傷した場合に新品に交換したり、多数回の工具ホルダ
1の着脱によってシム板24,24が取り付けてないフ
ランジ部4の後端面4aが損傷した場合に、フランジ部
4の後端部を切削した後、後端面に所要の厚さのシム板
を支持して皿ビスによって固着してもよい。なお、シム
板は、複数の厚さの異なるものを用意しておき、適切な
厚さのシム板を使用することが好ましい。
【0050】前記各実施形態の工具ホルダは、縦形の工
作機械のスピンドルに装着した使用に限られることな
く、横形の工作機械のスピンドルに装着しても使用でき
る。前記各実施形態の工具ホルダのテーパコーンは、切
り割りを形成しなくてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明
は、後側が小外径となるテーパ孔をもつ工作機械のスピ
ンドルのテーパ孔に着脱可能に嵌める工具ホルダであっ
て、ホルダ本体の後側部に設けたシャンク部の前側に大
外径のフランジ部を設け、フランジ部の後端部と、シャ
ンク部に嵌めたテーパコーンの前端部との間に弾性部材
を介在させ、後側が小外径となるテーパコーンを、テー
パコーンの後端面をシャンク部に設けたストッパ部材に
よって支持した工具ホルダにおいて、前記テーパコーン
の外周面を前記スピンドルのテーパ孔内周面と等しい角
度に形成し、テーパコーンの内周面と前記シャンク部の
外周面とに後側が小径となる互いに等しい、テーパコー
ンの外周面の角度よりゆるい角度のテーパを、前後方向
の少なくとも一部に形成したので、前記スピンドル内に
設けた引き込み部材によって、ホルダ本体を後側に引き
込むことによって、シャンク部の外周面とテーパコーン
の内周面とが互いに等しく後側が小径となるテーパによ
ってテーパコーンが拡径してその外周面をスピンドルの
テーパ孔の内周面に押し付け、前記ホルダ本体の引き込
み力が弱くても、テーパコーンの外周面をテーパ孔の内
周面に密着させ、テーパコーンを十分に拘束して、強く
保持でき、スピンドルの駆動により工具ホルダに装着し
た工具によって重切削ができ且つ精度が高い切削加工が
できる。また、シャンク部外周面がテーパコーンに対
し、所謂くさび効果によるロック機能を呈し、且つスピ
ンドルのテーパ孔内周面に対しテーパコーンの外周面の
内張り力が作用する結果、前記引き込み力の瞬時の到達
点である引き込み力を維持した状態で拘束が可能とな
り、スピンドルのテーパ孔に装着される工具ホルダを大
きな拘束力で密着保持することで減衰効果が優れ、高速
回転および低速重切削に十分耐え得るものとすることが
できる。
【0052】請求項2の発明は、後側が小径となる互い
に等しい角度のゆるいテーパを、テーパコーンの内周面
全体およびシャンク部の外周面のほぼ全体とに形成した
ので、前記テーパコーンの内周面全体を有効に用いて1
/10テーパのテーパ孔を形成したスピンドルに使用す
るのに好ましい。
【0053】請求項3の発明は、請求項1に記載の工具
ホルダにおいて、シャンク部前側部の外周面およびテー
パコーンの内周面の前側部のみにゆるいテーパを形成
し、テーパ加工をする面積が小さく、またシャンク部の
外周面およびテーパコーンの内周面の後側部をストレー
ト状にして、シャンク部にテーパコーンを嵌めたので、
加工が容易でありながら、加工時の振動が少なく、精度
がよい切削加工ができ、7/24テーパのテーパ孔を形
成したスピンドルに使用するのに好ましい。
【0054】請求項4,5の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の工具ホルダにおいて、テーパコーンに切
り割りを設け、この切り割りに弗素系のゴムなどの弾性
体を充填させて接着させたので、防塵機能がある。
【0055】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の工具ホルダにおいて、複数の皿ばねおよびこ
れらの前側と後側の少なくとも一方に座金を重ねて構成
したので、テーパコーンを後側に付勢することができ、
また座金の数や厚さを変更することで、テーパコーンの
前後方向位置などを調節できる。
【0056】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かに記載の工具ホルダにおいて、座金,ばね座金,シャ
ンク部の後端部内周にねじ嵌合させるナットのうちの少
なくとも1つをテーパコーンの後端部に設けてテーパコ
ーンの後端を支持させるようにしたので、異なったプル
スタッドの使用を可能にする。
【0057】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
かに記載の工具ホルダにおいて、フランジ部の後端面
に、1対の円弧状のシム板を着脱可能に固着してスピン
ドルの前端面に当接するようにしたので、ホルダ本体を
長期間にわたって有効に使用でき、また、所要の厚さの
シム板を使用することで、工作機械のスピンドル端面と
工具ホルダフランジ後端面の隙間の差を吸収できる。
【0058】請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれ
かに記載の工具ホルにおいて、ホルダ本体、テーパコー
ンなどの工具ホルダを構成する各部材に防錆処理を施し
たので、ホルダ本体、テーパコーンなどを長期にわたっ
て使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る工具ホルダを示
した分解側面図。
【図2】図1に示した工具ホルダの縦断説明図。
【図3】図1に示した工具ホルダのテーパコーンの拡大
縦断面図。
【図4】図1に示した工具ホルダのテーパコーンの正面
図。
【図5】図1に示した工具ホルダの動作説明図。
【図6】この発明の工具ホルダと従来の標準タイプの工
具ホルダにおける、引き込み力を動作状態を示した説明
図。
【図7】この発明の第2実施形態に係る工具ホルダを示
した縦断説明図。
【図8】図7に示した工具ホルダのテーパコーンの正面
図。
【図9】この発明の第3実施形態に係る工具ホルダを示
した要部の縦断図
【符号の説明】
1 工具ホルダ 2 ホルダ本体 3 シャンク部 3a 潤滑剤封入溝 3c シャンク部外周面の前端部 3d 中間部 3e ストレート部 3f 後端部 4 フランジ部 4a 後端面 4b 台形溝 4c 環状凹部 4d めねじ孔 6 前端部 7 弾性部材 7a 皿ばね 8 テーパコーン 8a 切り割り 8b 弾性体 8c 前部切り割り 8d 後部切り割り 8e,8f 弾性体 8g 前側部 8h 中間部 8i ストレート部 9 ストッパ部材 9a 弾性リング 9b 座金 10 プルスタッド 10a 前端おねじ部 10b 大径支持部 10c 係合部 10d 貫通孔 10e 平坦切欠部 10f シール部材 11 テーパ孔 12 ストレート孔 13 ボルト挿通孔 14 ボルト支持部 15 後端部孔 15a めねじ部 16 テーパコレット 16a 前端側のテーパ部 16b 後端部 16c 切り割り部 16d 切削液供給溝 16e めねじ孔 17 引きボルト 17a 脚部 17b おねじ部 17c 頭部 17d 係合凹部 17e 切削液通路孔 18 座金 19 工具 19a 工具のシャンク 20 スピンドル 20a 前端面 21 テーパ孔 21a テーパ孔の内周面 22 引き込み部材 24,24 シム板 25,25 皿ビス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月28日(2000.3.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 工具ホルダ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械のスピ
ンドルに着脱可能に装着する工具ホルダに関するもので
ある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来の工具ホルダは、
そのシャンク部を後方に行くにしたがい小外径となるテ
ーパ面に形成し、このシャンク部を工作機械のスピンド
ルのテーパ孔を挿入し、引き込み部材によりシャンク部
を後方へ引き込むことにより、前記工具ホルダをスピン
ドルに装着している。しかし、工具ホルダのシャンク部
の前部側に設けたフランジ部とスピンドルの前端面との
間に隙間が生じるため、テーパ付きシャンク部をスピン
ドルのテーパ孔に密嵌合するのみにでは、工具ホルダに
対する拘束力が不足して、大きな力でシャンク部を保持
することができず、高速回転あるいは低速重切削加工に
おいてビビリなどが発生して満足な切削ができなかっ
た。そこで、スピンドルの前端面に、工具ホルダのシャ
ンク部前端側に設けたフランジ部の後端面を押し付ける
ことで得られる端面拘束を、前記テーパ付きシャンク部
の外周面と、前記テーパ孔内周面とによる拘束に加える
ことで、大きな拘束力を得るようにしている。しかし、
前記のような構成にするには、工具ホルダの製作公差を
シビアにしなければならないため、コスト高になり、ま
た、長期間にわたってスピンドルを使用していると、そ
のテーパ孔の再研磨が必要となり、再研磨をしたものは
テーパ孔が拡がるため、シャンク部の外周面とテーパ孔
内周面とによる拘束力が低下して工具ホルダのフランジ
部とスピンドルの端面による拘束のみになり、テーパ部
は接触せず、工具が振れてしまい使用出来なくなる。ま
た、スピンドルを高速回転させると、そのテーパ孔によ
ってスピンドルの前端部が遠心力で拡がり、テーパ孔に
よる拘束力が低下し、工具ホルダによって保持した工具
が振動し、加工精度が低下する。
【0003】そこで、フランジ部を有する工具ホルダの
ホルダ本体のシャンク部にストレートを設け、そこにテ
ーパコーンを嵌め、このテーパコーンの前端面とフラン
ジ部間に弾性部材を介在して、テーパコーンにプリロー
ドをかけることにより、後方に行くにしたがい小径とな
るテーパコーンの外周面をスピンドルのテーパ孔内周面
に押し付け、更に前記ホルダ本体をスピンドルの後方に
引き込むことで、ある程度の成果を得ることができ、製
作も比較的容易にしたものがある。しかし、ホルダ本体
の引き込み力を大きくしないと、テーパ孔の内周面によ
るテーパコーンの拘束が十分にできない。また、ホルダ
本体のシャンク部の外周に大径端部と小径端部とを2段
のストレート部を形成し、テーパコーンの内周にも前記
端部と対応するようにストレートの小径端部と大径端部
とを形成したものもあるが、テーパコーンの内周面がス
トレート状であるため、ホルダ本体を強大な引き込み力
で引き込まないと十分な効果が得られないという問題点
があった。
【0004】この発明は、前述した問題点を解決して、
ホルダ本体の引き込み力が比較的小さくても、ホルダ本
体のシャンク部外周面とこれに密着嵌合されるテーパコ
ーンの内周面に、後方に行くにしたがい小径となるスピ
ンドルのテーパ孔内周面およびテーパコーン外周面のテ
ーパ角度よりゆるい角度のテーパ面を形成することによ
り、シャンク部外周面がテーパコーンに対し、いわゆる
くさび効果によるロック機能を発揮させ、スピンドルの
テーパ孔内周面に対しテーパコーンの外周面の内張り力
が作用する結果、スピンドルのテーパ孔に装着される工
具ホルダを大きな拘束力で保持することができ、高速回
転および低速重切削に耐え得る工具ホルダを提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、工作
機械のスピンドルに該スピンドルの前端から後方に行く
にしたがい小径となるように形成したテーパ孔に嵌合さ
れるテーパコーンと、前記テーパコーンに軸方向に相対
移動できるように嵌合されたシャンク部を有するホルダ
本体と、前記ホルダ本体に一体に設けられ前記スピンド
ルの前端面に当接するフランジ部と、前記フランジ部と
前記テーパコーンの前端面間に設けられた弾性部材と、
前記テーパコーンの後端面に当接され、前記シャンク部
の後端に螺合したプルスタッドを締め付け得ることによ
り前記弾性部材にプリロードを付与するストッパ部材を
備える工具ホルダにおいて、前記テーパコーンの外周面
を前記スピンドルのテーパ孔内周面と等しい角度のテー
パ面に形成し、前記テーパコーンの内周面及び当該内周
面に嵌合する前記シャンク部の外周面の少なくとも一部
を後方に行くに従い小径となる互いに等しいテーパ面に
形成し、かつ当該テーパ面を前記テーパコーンの外周面
のテーパ角度よりゆるい角度にしたことを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、前記角度のゆるいテー
パ面は、前記テーパコーンの内周面全体および前記シャ
ンク部の外周面全体に形成されている請求項1に記載の
工具ホルダである。
【0007】請求項3の発明は、前記角度のゆるいテー
パ面は、前記シャンク部の前端部側の外周面および前記
テーパコーン前端部側の内周面にそれぞれ形成され、前
記シャンク部の後端部側外周面および前記テーパコーン
の後端部側内周面を軸方向に摺動可能に密嵌合するスト
レート面に形成し、かつ前記角度のゆるいテーパ面とス
トレート面間に位置する前記シャンク部の中間部とテー
パコーンの中間部との間に隙間を設けた請求項1に記載
の工具ホルダである。
【0008】請求項4の発明は、前記テーパコーンに該
テーパコーンの全長にわたり軸方向に対し傾斜する切り
割りを形成し、この切り割りに弗素系のゴムなどの弾性
体を充填させて接着した請求項1または2に記載した工
具ホルダである。
【0009】請求項5の発明は、前記テーパコーンの前
記角度のゆるいテーパ面と対向する箇所に軸方向に対し
傾斜する前部切り割りを設け、かつ前記テーパコーンの
前記ストレート面と対向する箇所に軸方向に対し傾斜す
る後部切り割りを設け、前記両切り割りに弗素系ゴムな
どの弾性体を充填させて接着した請求項3に記載の工具
ホルダである。
【0010】請求項6の発明は、前記テーパコーンの前
端面と対向する前記フランジ部の箇所に前記弾性部材を
収容する環状凹部を形成し、前記弾性部材は互いに積層
される複数の皿ばねと該積層皿ばねの少なくとも一方に
重ねられた座金とから構成されている請求項1に記載の
工具ホルダである。
【0011】請求項7の発明は、前記ストッパ部材は、
弾性リングと座金を重ねて構成される請求項1に記載の
工具ホルダである。
【0012】請求項8の発明は、前記スピンドルの前端
面と対向する前記フランジ部の箇所に1対の円弧状のシ
ム板を着脱可能に設け、前記シム板をスピンドルの前端
面に当接するようにした請求項1〜7のいずれか1つに
記載の工具ホルダである。
【0013】請求項9の発明は、前記ホルダ本体、テー
パコーンなどの工具ホルダを構成する各部材に防錆処理
を施した請求項1〜8のいずれか1つに記載の工具ホル
ダである。
【0014】
【発明の実施の形態】第1実施形態の工具ホルダ1は、
図1,図2に示すように、ホルダ本体2を備え、このホ
ルダ本体2は、後端側にシャンク部3を、このシャンク
部3の前端側に大外径のフランジ部4を有し、このフラ
ンジ部4の前端側には、工具を把持するための前端部6
が一体に形成されている。
【0015】前記フランジ部4の後端面4aは、外周側
から中心側に向かって軸方向と直角に形成され、フラン
ジ部4の外周面には自動工具交換装置のアーム(図示省
略)が係脱可能に係合する台形溝4bが形成され、フラ
ンジ部4の後端面4aには環状凹部4cが形成され、環
状凹部4c内には後述する弾性部材7が収納されてい
る。なお、4e,4eはキ−溝である。
【0016】前記シャンク部3の外周には前端面が弾性
部材7に当接してテーパシャンクを構成するテーパコー
ン8が縮径可能に、かつ軸方向に摺動可能に嵌合され、
テーパコーン8の後端部に後述するプリロード調節用の
ストッパ部材9が当接されており、さらに、ストッパ部
材9の後端面を支持するプルスタッド10がシャンク部
3の後端部にねじ結合され、このプルスタッド10を締
め付けることにより、ストッパ部材9を介してテーパコ
ーン8を弾性部材7に押し付けて、弾性部材7を圧縮し
プリロードを付与している。
【0017】前記テーパーコーン8は、図3に示すよう
に、前端部側から後端部側に行くにしたがい小径になる
ように構成され、外周面の全体は1/10テーパ面を呈
するテーパ角αに形成され、かつ、その内周面の全体は
1/50テーパ面を呈する、外周面よりもゆるいテーパ
角βに形成されている。
【0018】また、テーパコーン8には、図3,図4に
示すように、軸方向に対しゆるく傾斜する切り割り8a
がテーパコーン8の全長にわたって形成され、この切り
割り8a内には弗素系のゴムなどの弾性体8bが充填さ
れ、径方向に弾性変形可能にしてある。なお、前記弾性
体8bは、テーパコーン8の内,外周面から突出しない
ように前記切り割り8aに充填され、切り割り8aの対
向面に接着剤で固着させることで、防塵機能を有するよ
うにしている。
【0019】前記弾性部材7は、鋼板などの弾性金属板
からなる複数の環状の皿ばね7aと、環状の金属板など
からなる薄板(座金)7bとを重ねて構成され、これら
積層体は、その上層部分が前記環状凹部4cから突出す
るようにして環状凹部4c内に収容され、これにより、
環状凹部4cの底とテーパコーン8の前端面との間に介
在させてある。前記ストッパ部材9は、弾性リング9a
と座金9bとを重ね、これらをプルスタッド10の大径
支持部10bによってテーパコーン8の後端面を支持す
るようにしてある。
【0020】さらに、シャンク部3のテーパコーン8が
嵌合する部分の外周面には、周方向に連続する山形状の
潤滑剤封入溝3aが形成され、この封入溝3にグリース
などの潤滑剤を入れ、シャンク部3とテーパコーン8と
の相対移動が長期間にわたってスムーズにできるように
してある。
【0021】前記ホルダ本体2の軸方向中間部と前端と
の間にはコレット保持用のテーパ孔11と、このテーパ
孔11の後端側に延びるストレート孔12とが同軸に形
成され、ストレート孔12の後端側には小径のボルト挿
通孔13を形成することによりボルト支持部14が形成
され、さらに、ボルト挿通孔13の後端側にホルダ本体
2の後端面に開口する後端部孔15が形成され、後端部
孔15の軸方向の適所にめねじ部15aが形成されてい
る。前記各孔11,12,13,15はホルダ本体2の
軸心と同心に一連に設けられている。
【0022】前記プルスタッド10の前端おねじ部10
aを後端部孔15のめねじ部15aに螺合され、このプ
ルスタッド10を、その大径支持部10bがシャンク部
3の後端面に当接されるまで締め付けることにより、ス
トッパ部材9を介してテーパコーン8を弾性部材9に押
し付け、所定のプリロードをテーパコーン8に付与でき
るようになっている。また、大径支持部10bの後端側
に係合部10cが突設されており、また、プルスタッド
10の中心部に貫通孔10dが形成され、大径支持部1
0bには相対向する平坦切欠部10eが形成されてい
る。なお、10fは前端おねじ部10aの上方に嵌合配
設したシール部材である。
【0023】ホルダ本体2のテーパ孔11およびストレ
ート孔12には、テーパコレット16に一連に形成した
前端側のテーパ部16aおよびストレート状の後端部1
6bが嵌挿されている。テーパコレット16の前記テー
パ部16aには、外周面にテーパ孔11と等しいテーパ
を形成し、周方向の3箇所に切り割り部16cを等間隔
で形成し、切り割り部16c間の周方向中央部には切削
液供給溝16dが内周に貫通してそれぞれ形成されてお
り、テーパコレット16の後端部16bには中央部を貫
通するめねじ孔16eが形成されている。なお、切り割
り部16cは、テーパ部16aの全長にわたって形成
し、切削液供給溝16dはテーパコレット16の前端か
ら後端部16bまで細長く形成してある。
【0024】ホルダ本体2の後端側から後端部孔15に
引きボルト17が挿入され、この引きボルト17の脚部
17aをボルト挿通孔13に後端側から挿通し、脚部1
7aに形成したおねじ部17bは前記コレット16の後
端部16bに形成しためねじ孔16eに螺合される。前
記引きボルト17は、横断面が正六角形状の係合凹部1
7dを有する頭部17cを有し、そして、係合凹部17
dの底から脚部17aの先端まで小径の切削液通路孔1
7eが引きボルト17の軸心部に貫通して形成されてい
る。また、頭部17cは脚部17aに嵌めた座金18を
介し、ホルダ本体2のボルト支持部14の後端面に係合
される構成になっている。なお、19はテーパコレット
16にシャンク19aを嵌めたエンドミル,ドリルなど
の工具である。
【0025】また、図2において、20は工作機械のス
ピンドルであり、このスピンドル20には、その前端面
から後方に行くにしたがい小径となるテーパ孔21が形
成されており、このテーパ孔21は1/10テーパ面を
呈するテーパ角を有している。そして、スピンドル20
のテーパ孔21後端側に引き込み部材22が設けられて
いる。さらに、ホルダ本体2,テーパコーン8,テーパ
コレット16などの金属部材にはそれぞれ防錆処理を施
し、切削液などによる前記金属部材に錆が発生しないよ
うにしてある。
【0026】前記のように構成した第1の実施の形態に
おける工具ホルダ1を工作機械のスピンドル20装着す
る場合は、自動工具交換装置のアームにより工具ホルダ
1のフランジ部4を把持して、テーパコーン8を含むシ
ャンク部3を工作機械のスピンドル20のテーパ孔21
内に挿入する。その後、引き込み部材22の前端部にプ
ルスタッド10の係合部10cを係合させ、プルスタッ
ド10をスピンドル20の後側に引き込む。これによ
り、工具ホルダ1のテーパコーン8の外周面はスピンド
ル20の内周面に密着される。そして、プルスタッド1
0がスピンドル20の後方へ引き込まれることにより、
プルスタッド10に固着したホルダ本体2のシャンク部
3とシャンク部3に嵌めたテーパコーン8が後方に引き
込まれる。この時、シャンク部3の外周面とテーパコー
ン8の内周面とに互いに等しい1/50テーパなどの後
方に行くに従い小径となるゆるいテーパが形成してある
ので、シャンク部3の引き込みによってテーパコーン8
に対して図5に示す矢印Kの如く、くさび効果が働きテ
ーパコーンの内周面が拡径して矢印Nの如く内張り力が
働く。
【0027】また、スピンドル20のテーパ孔21内周
面21aとテーパコーン8の外周面には互いに等しい1
/10テーパの後方に行くに従い小径となるテーパが
成してあるため、テーパコーン8の外周面に対し前記テ
ーパ孔21内周面21aの締付力Mが働きテーパコーン
8を縮径しようとするが、テーパコーン8の矢印Nのよ
うな内張り力が働き、両者を強力に拘束することが、工
具ホルダ1の引き込み力が比較的弱くても可能になる。
なお、テーパ角度が小さいほど、結合剛性が向上するこ
とは、既に知られているところである。
【0028】図6は、この発明の工具ホルダ1と従来の
標準タイプの工具ホルダにおける、ホルダ本体2をスピ
ンドル20のテーパー孔21内にドローバーによって引
込む、引き込み力の状態を示した説明図である。例え
ば、ホルダ本体2の引き込み力の設定値を900kgと
設定した場合、スピンドル20のテーパ孔21に工具ホ
ルダ1を装着した時、ドローバー(図示せず)に連結さ
れた引込み部材22を引込むために配設された圧縮状態
の皿ばね(図示せず)などの瞬時の引き込み力(ハンマ
リング効果と称され、引き込み力設定値および引込み早
さで変化する)は、瞬間的に1. 3〜1. 8倍の120
0kg程度の引き込み力に到達する。
【0029】しかるに、従来の標準タイプの工具ホルダ
では、テーパコーンの内周面とシャンク部外周面がそれ
ぞれ前後方向にストレートであるため直ちに点線で示す
引き込み力設定値である900kgの引き込み力に戻
り、この状態で切削作業が行われる。
【0030】これに対し、この発明による工具ホルダ1
によれば、スピンドル20のテーパ孔21に工具ホルダ
1を装着した時点で、ドローバーがプルスタッド10を
スピンドル20の後方へ引き込むことにより、プルスタ
ッド10に固着したホルダ本体2のシャンク部3とシャ
ンク部3に嵌めたテーパコーン8が後方に引き込まれる
と、シャンク部3の外周面とテーパコーン8の内周面と
に互いに等しい1/50テーパなどの後方に行くにした
がい小径となるゆるいテーパが形成してあるので、シャ
ンク部3の引き込みによってシャンク部3外周面がテー
パコーン8に対し所謂くさび効果によるロック機能を呈
し、且つスピンドル20のテーパ孔21内周面21aに
対しテーパコーン8の外周面の内張り力が作用する結
果、前記引き込み力の瞬時の到達点である1200kg
の引き込み力を維持した状態で拘束が可能となる。した
がって、スピンドル20のテーパ孔21aに装着される
工具ホルダ1を大きな拘束力で密着保持することがで
き、高速回転および低速重切削に耐え得る工具ホルダ1
を提供できる。
【0031】前記引き込み力の瞬時の到達点である引き
込み力を維持した状態で拘束が可能となることは、引き
込み力が低下する4〜5年使用のスピンドルの引き込み
手段に対して適用した場合に、引き込み力を向上させる
効力を発揮できることは勿論である。なお、自動工具交
換装置は、アームを適時に台形溝4bから外して、動作
前の位置に復帰させる。
【0032】前述した工具ホルダ1の自動工具交換を行
なう場合は、自動工具交換装置のアームを台形溝4bに
係合させてフランジ部4を把持し、この状態でスピンド
ル20のテーパ孔21から前記工具ホルダ1を引き抜
く。
【0033】また、第1の実施の形態における工具ホル
ダ1において、テーパコーン8の前端面と、これに対向
するフランジ部4の後端面4a間には弾性部材7が介在
されているので、テーパコーン8がシャンク部3の軸方
向に移動可能であり、また、テーパコーン8には全長に
わたる切り割り8aが形成され、この切り割り8a内に
弾性体8bが充填されいるので、テーパコーン8の拡径
縮径が可能であり、テーパコーン8をスピンドル20の
テーパ孔21に密着させて嵌合させ、かつフランジ部4
の後端面4aをスピンドル20の前端面20aに確実に
密着させることができる。
【0034】また、第1の実施の形態において、使用に
よって刃部が磨耗または欠損した工具19を交換するに
は、工具ホルダ1を工作機械から外して工具の交換作業
場に運び、ホルダ本体2のフランジ部4を万力台に固定
した万力などによって固定し、プルスタッド10の後端
側からL字状に折り曲げた横断面正六角形状の操作棒の
前端部を、プルスタッド10の貫通孔10dに挿通して
引きボルト17の頭部17cに設けた係合凹部17dに
係合させる。
【0035】そして、前記操作棒をプルスタッド10外
から弛める方向に回転させ、引きボルト17を同方向に
回転させることで、その頭部17cをプルスタッド10
の前端に当接させ、この状態で、引きボルト17をさら
に弛め方向に回転させることにより、引きボルト17の
おねじ17bとテーパコレット16のめねじ孔16eと
のねじ嵌合によって前記コレット16をホルダ本体2の
前端側に押し出し、コレット16のテーパ部16aに対
するホルダ本体2前端部のテーパ孔11による締め付け
を弛める。
【0036】これによって、コレット16のテーパ部1
6aによる工具19のシャンク19aの締め付けも弛む
ので、工具19をコレット16から引き抜き、新しい工
具など使用可能な工具19のシャンク19aをコレット
16のテーパ部16aに嵌めることができる。その後、
前述した操作とは逆に前記操作棒によって引きボルト1
7を締め付け方向に回転させてホルダ本体2の後方へ引
き込むことで、コレット16のテーパ部16aをホルダ
本体2のテーパ孔11周面で締め付け、コレット16を
介して工具のシャンクをホルダ本体2の前端部6に把持
し、さらにその後、操作棒を工具ホルダ1の後端側に抜
き出し、そのフランジ部4を万力から外すことで、工具
ホルダ1を再使用できる。
【0037】また、スピンドル20に工具ホルダ1を装
着し、スピンドル20を回転させつつ工具19を前進さ
せ、工作物に加工を行う際に、スピンドル20の中心部
から切削液を供給し、この切削液を、プルスタッド10
の貫通孔10d,ホルダ本体2の後端部孔15,引きボ
ルト17の係合凹部17d,テーパコレット16の後端
部16bに通し、前記コレット16の切削液供給溝16
dを経てコレット16の前端から工具19外周面に沿っ
て噴出させ、工具19の刃部および刃部による工作物の
加工部を冷却することもできる。
【0038】なお、上記第1の実施の形態における工具
ホルダにおいて、フランジ部は、ホルダ本体と一体に形
成したり、全部または前端部以外を別部材とし、この部
材を焼き嵌めなどによってホルダ本体の外周に嵌合固定
したりすることで構成する。また、第1の実施の形態に
おける工具ホルダにおいて、スピンドルの前端部に設け
たテーパ孔の内周面およびテーパコーンの外周面を、後
方に行くにしたがい小径となる7/24テーパなどのき
ついテーパ面にそれぞれ形成し、テーパコーンの内周面
およびホルダ本体のシャンク部の外周面をそれぞれ後方
に行くにしたがい小径となる1/50などのゆるいテー
パに形成してもよい。
【0039】本発明にかかる第2の実施の形態における
工具ホルダ1は、図7に示すように、ホルダ本体2の後
端側に図1に示す場合より長いシャンク部3を設け、こ
のシャンク部3の前端側にシャンク部3より大径のフラ
ンジ部4が設けられている。前記フランジ部4の後端面
4aには環状凹部4cを形成し、この環状凹部4cに弾
性部材7を嵌め、シャンク部3の外周に当該シャンク部
3の長さに対応した長さのテーパコーン8を回転可能に
かつ軸方向に摺動可能に嵌合し、シャンク部3の後端部
にはプリロード調節用のストッパ部材9が設けられてい
る。
【0040】前記テーパーコーン8の外周面の全体は、
7/24テーパのきついテーパ面に形成され、その内周
面の前端部8g側は、1/10 〜 1/100テー
パ、好ましくは、1/50テーパのゆるいテーパ面に形
成され、前端部8gに連なる中間部8hの内周面は段状
にして、テーパーコーン8の外周面のテーパ面と同一に
形成され、さらに、この中間部8hに連なる後端部の内
周面にはストレート面を呈するストレート部8iが形成
されている。
【0041】前記シャンク部3の前端部3cの外周面
は、テーパコーン8の前端部8gに等しい1/10 〜
1/100テーパ、好ましくは1/50テーパのゆる
いテーパ面に形成され、この前端部3cに連なる中間部
3dの外周面はテーパコーン8の内周面と接しない小外
径に形成され、また、中間部3dに連なる後端部の外周
面にはテーパーコーン8のストレート部8iと同一のス
トレート面を呈するストレート部3eが形成され、さら
に、ストレート部3eに連なる等外径の後端部3fが設
けられている。
【0042】前記テーパコーン8を前記シャンク部3に
嵌合した時、テーパコーン8の前端部8gとシャンク部
3の前端部3cが密嵌合され、テーパコーン8の中間部
8hとシャンク部3の中間部3dとの間に径方向の隙間
aと前後方向の隙間bとが形成され、テーパコーン8の
ストレート部8iとシャンク部3のストレート部3fが
密嵌合される。
【0043】前記ストッパ部材9は、テーパコーン8の
後端面から突出するシャンク部3の後端部3fに係合さ
れる座金9bと、前記後端部3fに螺合されたナット9
cを備え、ナット9cを前記後端部3fに螺合させて締
め付けることにより、座金9bをテーパコーン8の後端
面に押し付ける。
【0044】また、シャンク部3の前端部3cおよびス
トレート部3eの外周面には、周方向に連続する山形状
の潤滑剤封入溝3aおよび潤滑剤封入溝3gをそれぞれ
形成され、これらの封入溝3a,3gにグリースなどの
潤滑剤が入れてある。工作機械のスピンドル20の前端
部にはその前端面に開口するテーパ孔21を形成し、テ
ーパ孔21の内周面21aを後側が小径となる7/24
テーパのきついテーパが形成してある。
【0045】なお、第2の実施の形態における工具ホル
ダの前述した以外の構成は、第1の実施の形態に示す工
具ホルダと同様である。また、第2実施の形態における
工具ホルダの使用および効果も第1の実施の形態におけ
る工具ホルダと同様であるが、この第2の実施の形態
は、シャンク部3を長くし、かつこれに対応してテーパ
コーン8を長くした場合に本発明を適用したものであ
り、これに伴い、テーパコーン8の前端部8gとシャン
ク部3の前端部3cとがテーパ面による密嵌合構造とし
たので、テーパを形成する部分の切削加工の長さが短
く、加工が容易にでき、また、テーパコーン8の後端部
に設けたストレート部8iとシャンク部3の後端部に設
けたストレート部3eとを密嵌合させる構成にしたの
で、前,後2箇所でシャンク部3にテーパコーン8を支
持させることができ、使用時に振動を少なくして、工具
によるワークの加工精度を良好にできる。
【0046】図8は、第2の実施の形態における工具ホ
ルダのテーパコーン8の変形例を示すもので、テーパコ
ーン8の前端部8gのゆるいテーパ面と対向する箇所に
軸方向に対し傾斜してしてテーパコーン8の前端から中
間部まで延在する前部切り割り8cを設け、かつテーパ
コーン8のストレート部8iと対向する箇所に軸方向に
対し傾斜してテーパコーン8の後端から中間部まで延在
する後部切り割り8dを設け、この両切り割り8c、8
dに弗素系ゴムなどの弾性体8e,8fをそれぞれ充填
して、各切り割り8c,8dの対向面に接着剤で固着
し、防塵機能を発揮できるようにし、また、各切り割り
8c,8dが短いので、これらの加工が容易になり、弾
性体8e,8fの劣化が遅く長期間の使用が可能にな
る。なお、このテーパコーン8の内周面,外周面のテー
パなどは図7に示したテーパコーンと同様にしてある。
【0047】図9は、本発明の第3の実施の形態を示す
もので、この実施の形態における工具ホルダ1は、図9
に示すように、スピンドル20の端面20aと対向する
ホルダ本体2のフランジ部4の後端面4aに2枚の平面
円弧状のシム板24,24をフランジ部3と同心にし
て、円周方向に間隔をおいて配置し、このシム板24,
24に複数ずつ設けた孔24a,24aに皿ビス25,
25を差し込んでそれぞれ前記フランジ部4に予め形成
してあるめねじ孔4d,4dに螺合することにより、シ
ム板24,24を着脱可能に固着し、シム板24,24
の後面が工作機械のスピンドル20の前端面20aに密
着するようにしたものである。
【0048】なお、第3の実施の形態における工具ホル
ダの前述した以外の構成は、第2の実施の形態における
工具ホルダと同様である。また、第3の実施の形態にお
ける工具ホルダの使用および効果も第2の実施の形態に
示す工具ホルダと同様であるが、この第3の実施の形態
では、スピンドル20に対する工具ホルダ1の多数回の
着脱によってシム板24,24が磨耗などの損傷した場
合に新品に交換したり、多数回の工具ホルダ1の着脱に
よってシム板24,24が取り付けてないフランジ部4
の後端面4aが損傷した場合に、フランジ部4の後端部
を切削した後、後端面に所要の厚さのシム板を支持して
皿ビスによって固着してもよい。なお、シム板は、複数
の厚さの異なるものを用意しておき、適切な厚さのシム
板を使用することが好ましい。
【0049】前記各実施形態の工具ホルダは、縦形の工
作機械のスピンドルに装着した使用に限られることな
く、横形の工作機械のスピンドルに装着しても使用でき
る。前記各実施形態の工具ホルダのテーパコーンは、切
り割りを形成しなくてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、工作機械のスピンドルに該スピンドルの前端か
ら後方に行くにしたがい小径となるように形成したテー
パ孔に嵌合されるテーパコーンと、前記テーパコーンに
軸方向に相対移動できるように嵌合されたシャンク部を
有するホルダ本体と、前記ホルダ本体に一体に設けられ
前記スピンドルの前端面に当接するフランジ部と、前記
フランジ部と前記テーパコーンの前端面間に設けられた
弾性部材と、前記テーパコーンの後端面に当接され、前
記シャンク部の後端に螺合したプルスタッドを締め付け
得ることにより前記弾性部材にプリロードを付与するス
トッパ部材を備える工具ホルダにおいて、前記テーパコ
ーンの外周面を前記スピンドルのテーパ孔内周面と等し
い角度のテーパ面に形成し、前記テーパコーンの内周面
及び当該内周面に嵌合する前記シャンク部の外周面の少
なくとも一部を後方に行くに従い小径となる互いに等し
いテーパ面に形成し、かつ当該テーパ面を前記テーパコ
ーンの外周面のテーパ角度よりゆるい角度にしたので、
前記スピンドル内に設けた引き込み部材によって、ホル
ダ本体を後方へ引き込むことにより、シャンク部外周面
がテーパコーンに対し、所謂くさび効果によるロック機
能を呈し、且つスピンドルのテーパ孔内周面に対しテー
パコーンの外周面の内張り力が作用する結果、前記引き
込み力の瞬時の到達点である引き込み力を維持した状態
で拘束が可能となり、スピンドルのテーパ孔に装着され
る工具ホルダを大きな拘束力で密着保持することで減衰
効果が優れ、高速回転および低速重切削に十分耐え得る
ものとすることができる。しかも、シャンク部の外周面
とテーパコーンの内周面にテーパコーンの外周面のテー
パ角度よりゆるい角度の互いに等しいテーパ面を形成す
ることにより、前記ホルダ本体の引き込み力が弱くて
も、テーパコーンの外周面をテーパ孔の内周面に密着さ
せ、テーパコーンを十分に拘束して、強く保持でき、ス
ピンドルの駆動により工具ホルダに装着した工具によっ
て重切削ができ且つ精度が高い切削加工ができる。
【0051】請求項2の発明によれば、後方に行くにし
たがい小径となる互いに等しい角度のゆるいテーパ面
を、テーパコーンの内周面全体およびシャンク部の外周
面の全体とに形成することにより、前記テーパコーンの
内周面全体を有効に用いて1/10テーパのテーパ孔を
形成したスピンドルに使用するのに好ましい。
【0052】請求項3の発明によれば、前記角度のゆる
いテーパ面は、前記シャンク部の前端部側の外周面およ
び前記テーパコーン前端部側の内周面にそれぞれ形成さ
れ、前記シャンク部の後端部側外周面および前記テーパ
コーンの後端部側内周面を軸方向に摺動可能に密嵌合す
るストレート面に形成し、かつ前記角度のゆるいテーパ
面とストレート面間に位置する前記シャンク部の中間部
とテーパコーンの中間部との間に隙間を設けることによ
り、長いシャンク部を有する工具ホルダであっても、テ
ーパ加工をする面積が小さて済み、テーパ加工が容易に
なるほか、加工時の振動が少なく、精度がよい切削加工
ができ、7/24テーパのテーパ孔を形成したスピンド
ルに使用するのに好ましい。
【0053】請求項4,5の発明によれば、テーパコー
ンに切り割りを設け、この切り割りに弗素系のゴムなど
の弾性体を充填させて接着させたので、防塵機能を発揮
できる。
【0054】請求項6の発明によれば、前記テーパコー
ンの前端面と対向する前記フランジ部の箇所に環状凹部
を形成し、この環状凹部内に互いに積層される複数の皿
ばねと該積層皿ばねの少なくとも一方に重ねられた座金
とからなる弾性部材を収容する構成にしたので、テーパ
コーンを後側に付勢することができ、また座金の数や厚
さを変更することで、テーパコーンの前後方向位置など
を調節できる。
【0055】請求項7の発明によれば、前記ストッパ部
材を、弾性リングと座金を重ねて構成することにより、
異なったプルスタッドの使用を可能にする。
【0056】請求項8の発明によれば、前記スピンドル
の前端面と対向する前記フランジ部の箇所に1対の円弧
状のシム板を着脱可能に設け、前記シム板をスピンドル
の前端面に当接するように構成することにより、ホルダ
本体を長期間にわたって有効に使用でき、また、所要の
厚さのシム板を使用することで、工作機械のスピンドル
端面と工具ホルダフランジ後端面の隙間の差を吸収でき
る。
【0057】請求項9の発明によれば、ホルダ本体、デ
ーパコーンなどの工具ホルダを構成する各部材に防錆処
理を施すことにより、ホルダ本体、デーパコーンなど長
期にわたって使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る工具ホルダを示
した分解側面図。
【図2】図1に示した工具ホルダの縦断説明図。
【図3】図1に示した工具ホルダのテーパコーンの拡大
縦断面図。
【図4】図1に示した工具ホルダのテーパコーンの正面
図。
【図5】図1に示した工具ホルダの動作説明図。
【図6】この発明の工具ホルダと従来の標準タイプの工
具ホルダにおける、引き込み力を動作状態を示した説明
図。
【図7】この発明の第2実施形態に係る工具ホルダを示
した縦断説明図。
【図8】図7に示した工具ホルダのテーパコーンの正面
図。
【図9】この発明の第3実施形態に係る工具ホルダを示
した要部の縦断図
【符号の説明】 1 工具ホルダ 2 ホルダ本体 3 シャンク部 3a 潤滑剤封入溝 3c シャンク部外周面の前端部 3d 中間部 3e ストレート部 3f 後端部 4 フランジ部 4a 後端面 4b 台形溝 4c 環状凹部 4d めねじ孔 6 前端部 7 弾性部材 7a 皿ばね 8 テーパコーン 8a 切り割り 8b 弾性体 8c 前部切り割り 8d 後部切り割り 8e,8f 弾性体 8g 前側部 8h 中間部 8i ストレート部 9 ストッパ部材 9a 弾性リング 9b 座金 10 プルスタッド 10a 前端おねじ部 10b 大径支持部 10c 係合部 10d 貫通孔 10e 平坦切欠部 10f シール部材 11 テーパ孔 12 ストレート孔 13 ボルト挿通孔 14 ボルト支持部 15 後端部孔 15a めねじ部 16 テーパコレット 16a 前端側のテーパ部 16b 後端部 16c 切り割り部 16d 切削液供給溝 16e めねじ孔 17 引きボルト 17a 脚部 17b おねじ部 17c 頭部 17d 係合凹部 17e 切削液通路孔 18 座金 19 工具 19a 工具のシャンク 20 スピンドル 20a 前端面 21 テーパ孔 21a テーパ孔の内周面 22 引き込み部材 24,24 シム板 25,25 皿ビス
フロントページの続き (72)発明者 山本 雄策 大阪府東大阪市元町1丁目6番53号 株式 会社日研工作所内 Fターム(参考) 3C016 AA02 FA03 FA36 3C032 AA01 AA18 BB16 3C046 KK02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後側が小外径となるテーパ孔をもつ工
    作機械のスピンドルのテーパ孔に着脱可能に嵌める工具
    ホルダであって、ホルダ本体の後側部に設けたシャンク
    部の前側に大外径のフランジ部を設け、フランジ部の後
    端部と、シャンク部に嵌めたテーパコーンの前端部との
    間に弾性部材を介在させ、後側が小外径となるテーパコ
    ーンを、テーパコーンの後端面をシャンク部に設けたス
    トッパ部材によって支持した工具ホルダにおいて、 前記テーパコーンの外周面を前記スピンドルのテーパ孔
    内周面と等しい角度に形成し、テーパコーンの内周面と
    前記シャンク部の外周面とに後側が小径となる互いに等
    しい、テーパコーンの外周面の角度よりゆるい角度のテ
    ーパを、前後方向の少なくとも一部に形成したことを特
    徴とする工具ホルダ。
  2. 【請求項2】 後側が小径となる互いに等しい角度のゆ
    るいテーパを、テーパコーンの内周面全体およびシャン
    ク部の外周面のほぼ全体とに形成したことを特徴とする
    請求項1に記載の工具ホルダ。
  3. 【請求項3】ホルダ本体のシャンク部前側部の外周面お
    よびテーパコーン前側部の内周面に後側が小径となる互
    いに等しい角度のゆるいテーパをそれぞれ形成して、シ
    ャンク部の前側部にテーパコーンの前側部を嵌合させ、
    シャンク部の中間部とテーパコーンの中間部との間に隙
    間を設け、シャンク部の後側部外周面およびテーパコー
    ンの後側部内周面にストレート部を設け、シャンク部の
    後側部にテーパコーンの後側部を嵌合させたことを特徴
    とする請求項1に記載の工具ホルダ。
  4. 【請求項4】テーパコーンの全長にわたり軸方向と傾斜
    させて切り割りを形成し、この切り割りに弗素系のゴム
    などの弾性体を充填させて接着したことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかの1つに記載した工具ホルダ。
  5. 【請求項5】 テーパコーンに、前部切り割りと後部切
    り割りとを前記テーパコーンの前端と後端とから周方向
    に隙間を設けると共に、互いに等しい角度に軸方向と傾
    斜させ、前記両切り割りに弗素系ゴムなどの弾性体を充
    填させて接着したことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかの1つに記載の工具ホルダ。
  6. 【請求項6】シャンク部の前端部外周に接し後側に開口
    する環状凹部を形成し、この環状凹部に弾性部材の少な
    くとも一部を収容してテーパコーンの前端面を支持さ
    せ、前記弾性部材を複数の皿ばねおよびこれらの前側と
    後側の少なくとも一方に座金を重ねて構成したことを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の工具ホル
    ダ。
  7. 【請求項7】ストッパ部材が、座金,ばね座金,シャン
    ク部の後端部内周にねじ嵌合するナットのうちの少なく
    とも1つをテーパコーンの後端部に設けてあることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の工具ホル
    ダ。
  8. 【請求項8】フランジ部に形成した環状凹部の外周側の
    後端面に、1対の円弧状のシム板を着脱可能に固着し、
    前記シム板をスピンドルの前端面に当接するようにした
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の
    工具ホルダ。
  9. 【請求項9】ホルダ本体、テーパコーンなどの工具ホル
    ダを構成する各部材に防錆処理を施したことを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか1つに記載の工具ホルダ。
JP11075433A 1999-03-19 1999-03-19 工具ホルダ Expired - Lifetime JP3083291B1 (ja)

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