JP2000260469A - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 作製が容易でサイクル特性、信頼性に優れた
リチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウム化合物を電解質として含む非水
電解液を用いたリチウム二次電池である。非水電解液
に、ハロゲン、二酸化硫黄、有機塩基、アルコール類、
有機ハロゲン化物のうち、少なくとも1つを添加した。
リチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウム化合物を電解質として含む非水
電解液を用いたリチウム二次電池である。非水電解液
に、ハロゲン、二酸化硫黄、有機塩基、アルコール類、
有機ハロゲン化物のうち、少なくとも1つを添加した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、作製が容易でサ
イクル特性、信頼性に優れたリチウム二次電池に関す
る。
イクル特性、信頼性に優れたリチウム二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 リチウム二次電池は、近年、急速に小
型化が進んだ携帯型の通信機器やノート型パーソナルコ
ンピュータ等の電子機器の電源を担う、小型でエネルギ
ー密度の大きな充放電可能な二次電池として、広く用い
られるようになってきている。また、国際的な地球環境
の保護を背景として省資源化や省エネルギー化に対する
関心が高まる中、リチウム二次電池は、自動車業界にお
いて積極的な市場導入が検討されている電気自動車用の
モータ駆動用バッテリー、或いは夜間電力の保存による
電力の有効利用手段としても期待されており、これらの
用途に適する大容量リチウム二次電池の早期実用化が急
がれている。
型化が進んだ携帯型の通信機器やノート型パーソナルコ
ンピュータ等の電子機器の電源を担う、小型でエネルギ
ー密度の大きな充放電可能な二次電池として、広く用い
られるようになってきている。また、国際的な地球環境
の保護を背景として省資源化や省エネルギー化に対する
関心が高まる中、リチウム二次電池は、自動車業界にお
いて積極的な市場導入が検討されている電気自動車用の
モータ駆動用バッテリー、或いは夜間電力の保存による
電力の有効利用手段としても期待されており、これらの
用途に適する大容量リチウム二次電池の早期実用化が急
がれている。
【0003】 リチウム二次電池には、一般的に、リチ
ウム遷移金属複合酸化物等が正極活物質として、またハ
ードカーボンや黒鉛といった炭素質材料が負極活物質と
してそれぞれ用いられる。リチウム二次電池の反応電位
は、約4.1Vと高いために、電解液として、従来のよ
うな水系電解液を用いることができず、このため有機溶
媒にリチウムイオン(Li+)電解質を溶解した非水電
解液が用いられる。そして、充電反応は正極活物質中の
Li+が、非水電解液中を通って負極活物質へ移動して
捕捉されることで起こり、放電時には逆の電池反応が起
こる。
ウム遷移金属複合酸化物等が正極活物質として、またハ
ードカーボンや黒鉛といった炭素質材料が負極活物質と
してそれぞれ用いられる。リチウム二次電池の反応電位
は、約4.1Vと高いために、電解液として、従来のよ
うな水系電解液を用いることができず、このため有機溶
媒にリチウムイオン(Li+)電解質を溶解した非水電
解液が用いられる。そして、充電反応は正極活物質中の
Li+が、非水電解液中を通って負極活物質へ移動して
捕捉されることで起こり、放電時には逆の電池反応が起
こる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ここで、非水電解液
に微量でも水分が存在すると、電解質が分解して酸性物
質等が発生する。例えば、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6)は、溶解して高い電導度を示すため電解質と
して最も注目されているが、LiPF6を用いた場合
に、溶媒中に水分が存在するとフッ化水素酸(HF)が
発生し、このHFが電池容器等の金属材料を溶解、腐食
させ、Li+の作用をも阻害する等、電池劣化の原因と
なっている。このような電池特性の劣化は、充放電を繰
り返すサイクル運転において顕著に現れ、二次電池とし
ての致命的な欠点となる。
に微量でも水分が存在すると、電解質が分解して酸性物
質等が発生する。例えば、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6)は、溶解して高い電導度を示すため電解質と
して最も注目されているが、LiPF6を用いた場合
に、溶媒中に水分が存在するとフッ化水素酸(HF)が
発生し、このHFが電池容器等の金属材料を溶解、腐食
させ、Li+の作用をも阻害する等、電池劣化の原因と
なっている。このような電池特性の劣化は、充放電を繰
り返すサイクル運転において顕著に現れ、二次電池とし
ての致命的な欠点となる。
【0005】 そこで、非水電解液中の水分を除去する
方法として、特開平9−139232号公報には、非水
電解液にホウ素化合物やゼオライト等を含有させる方法
が、特開平7−122297号公報には非水電解液に無
水酢酸等の酸無水物を添加する方法が、それぞれ開示さ
れている。
方法として、特開平9−139232号公報には、非水
電解液にホウ素化合物やゼオライト等を含有させる方法
が、特開平7−122297号公報には非水電解液に無
水酢酸等の酸無水物を添加する方法が、それぞれ開示さ
れている。
【0006】 しかしながら、非水電解液にホウ素化合
物を添加する方法は、LiPF6と非水電解液中の水分
が反応して生ずるHFが更に金属容器等と反応して生じ
たフッ素イオン(F-)を、ホウ素化合物と反応させる
ため、結果的に金属容器等の腐食が起こった後の対処方
法となる。
物を添加する方法は、LiPF6と非水電解液中の水分
が反応して生ずるHFが更に金属容器等と反応して生じ
たフッ素イオン(F-)を、ホウ素化合物と反応させる
ため、結果的に金属容器等の腐食が起こった後の対処方
法となる。
【0007】 また、電気自動車用等に用いられる大容
量のリチウム二次電池においては、例えば、長さ数メー
トル、幅数十センチの金属箔の両面に電極活物質を塗工
した正負電極板をセパレータを介して密接に捲回してな
る内部電極体を電池ケースに収容した後に、非水電解液
を注入して内部電極体に含浸させる方法が一般的に採ら
れるが、ゼオライト等の固体粉末はこの内部電極体の内
部に含浸し難い。従って、ゼオライトは、電池に充填す
る前の非水電解液の水分除去処理に用いることは十分に
有効であっても、電池内に存在させたときの水分除去効
果には疑問がある。更に固体粉末は、内部電極体内に含
浸できたとしても、セパレータを部分的に目詰まりさ
せ、電池反応を阻害するおそれがある。
量のリチウム二次電池においては、例えば、長さ数メー
トル、幅数十センチの金属箔の両面に電極活物質を塗工
した正負電極板をセパレータを介して密接に捲回してな
る内部電極体を電池ケースに収容した後に、非水電解液
を注入して内部電極体に含浸させる方法が一般的に採ら
れるが、ゼオライト等の固体粉末はこの内部電極体の内
部に含浸し難い。従って、ゼオライトは、電池に充填す
る前の非水電解液の水分除去処理に用いることは十分に
有効であっても、電池内に存在させたときの水分除去効
果には疑問がある。更に固体粉末は、内部電極体内に含
浸できたとしても、セパレータを部分的に目詰まりさ
せ、電池反応を阻害するおそれがある。
【0008】 一方、酸無水物を用いた場合には、酸無
水物が水和することによって水分除去を行うことができ
るが、大電流の放電等を行って電池温度が上昇した場合
には、容易に水の脱離反応が起こり、再び水分が非水電
解液中へ溶け込むために、長期信頼性という観点から十
分な方法とは必ずしも言い難い。
水物が水和することによって水分除去を行うことができ
るが、大電流の放電等を行って電池温度が上昇した場合
には、容易に水の脱離反応が起こり、再び水分が非水電
解液中へ溶け込むために、長期信頼性という観点から十
分な方法とは必ずしも言い難い。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明は上述した従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、電池の電極体内に非水電解液と共に均一
な充填が可能であり、主に水分除去効果が電池温度の上
昇下でも維持されるように処理された非水電解液を用い
た、信頼性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を
提供することにある。
技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、電池の電極体内に非水電解液と共に均一
な充填が可能であり、主に水分除去効果が電池温度の上
昇下でも維持されるように処理された非水電解液を用い
た、信頼性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を
提供することにある。
【0010】 即ち、本発明によれば、リチウム化合物
を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次電
池であって、当該非水電解液に、ハロゲン、二酸化硫
黄、有機塩基、アルコール類、有機ハロゲン化物のう
ち、少なくとも1つが添加されていることを特徴とする
リチウム二次電池、が提供される。
を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次電
池であって、当該非水電解液に、ハロゲン、二酸化硫
黄、有機塩基、アルコール類、有機ハロゲン化物のう
ち、少なくとも1つが添加されていることを特徴とする
リチウム二次電池、が提供される。
【0011】 また、本発明によれば、リチウム化合物
を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次電
池であって、当該非水電解液に、ヨウ素若しくは臭素、
二酸化硫黄、ピリジン若しくはピリジン誘導体、メタノ
ール若しくはプロピレングリコールを、クロロホルムに
溶解してなる溶液が添加されていることを特徴とするリ
チウム二次電池、が提供される。
を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次電
池であって、当該非水電解液に、ヨウ素若しくは臭素、
二酸化硫黄、ピリジン若しくはピリジン誘導体、メタノ
ール若しくはプロピレングリコールを、クロロホルムに
溶解してなる溶液が添加されていることを特徴とするリ
チウム二次電池、が提供される。
【0012】 上述した本発明のリチウム二次電池にお
いては、リチウム化合物、即ち電解質として六フッ化リ
ン酸リチウムを用いた場合に、電解質の分解抑制効果が
顕著に現れて、サイクル特性の維持が図られ、好まし
い。また、本発明のリチウム二次電池に用いられる電極
活物質には特に制限はないが、正極活物質として、リチ
ウムとマンガンを主成分としたマンガン酸リチウムスピ
ネルを用いると、電池の内部抵抗を小さく抑えることが
でき、この場合に、非水電解液の劣化抑制との相乗効果
でサイクル特性の向上が図られ、好ましい。本発明のリ
チウム二次電池は、電池容量が2Ah以上の大型電池に
好適に採用され、また、大電流の放電が頻繁に行われる
電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用
電源等として好適に用いられる。
いては、リチウム化合物、即ち電解質として六フッ化リ
ン酸リチウムを用いた場合に、電解質の分解抑制効果が
顕著に現れて、サイクル特性の維持が図られ、好まし
い。また、本発明のリチウム二次電池に用いられる電極
活物質には特に制限はないが、正極活物質として、リチ
ウムとマンガンを主成分としたマンガン酸リチウムスピ
ネルを用いると、電池の内部抵抗を小さく抑えることが
でき、この場合に、非水電解液の劣化抑制との相乗効果
でサイクル特性の向上が図られ、好ましい。本発明のリ
チウム二次電池は、電池容量が2Ah以上の大型電池に
好適に採用され、また、大電流の放電が頻繁に行われる
電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用
電源等として好適に用いられる。
【0013】 なお、本発明は、前述したように非水電
解液中の水分除去を主目的としてなされたものである
が、その過程で水分除去以外の効果によってリチウム二
次電池のサイクル特性の向上が図られていると考えられ
る現象が種々観察された。即ち、本発明は、非水電解液
中の水分除去を主目的としながらも、必ずしも水分除去
の効果に限定されることのない、非水電解液の特性改善
によってなされたものである。
解液中の水分除去を主目的としてなされたものである
が、その過程で水分除去以外の効果によってリチウム二
次電池のサイクル特性の向上が図られていると考えられ
る現象が種々観察された。即ち、本発明は、非水電解液
中の水分除去を主目的としながらも、必ずしも水分除去
の効果に限定されることのない、非水電解液の特性改善
によってなされたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】 本発明のリチウム二次電池は、
リチウム化合物を電解質として含む非水電解液を用いた
ものであり、その他の材料や電池構造には何ら制限はな
い。リチウム二次電池の内部電極体の一つの構造は、小
容量のコイン電池にみられる積層型であり、これは、正
負各電極活物質を円板状にプレス成形したものでセパレ
ータを挟み込み、非水電解液を含浸させて電池ケースに
収容したものである。
リチウム化合物を電解質として含む非水電解液を用いた
ものであり、その他の材料や電池構造には何ら制限はな
い。リチウム二次電池の内部電極体の一つの構造は、小
容量のコイン電池にみられる積層型であり、これは、正
負各電極活物質を円板状にプレス成形したものでセパレ
ータを挟み込み、非水電解液を含浸させて電池ケースに
収容したものである。
【0015】 このような小容量電池に対して、容量の
大きい電池に用いられる内部電極体の1つの構造は捲回
型である。図1の斜視図に示されるように、捲回型内部
電極体1は、正極板2と負極板3とを、多孔性ポリマー
からなるセパレータ4を介して正極板2と負極板3とが
直接に接触しないように巻芯13の外周に捲回して構成
される。正極板2及び負極板3(以下、「電極板2・
3」と記す。)に取り付けられる電極リード5・6の数
は最低1本あればよく、複数の電極リード5・6を設け
て集電抵抗を小さくすることも容易に行うことができ
る。
大きい電池に用いられる内部電極体の1つの構造は捲回
型である。図1の斜視図に示されるように、捲回型内部
電極体1は、正極板2と負極板3とを、多孔性ポリマー
からなるセパレータ4を介して正極板2と負極板3とが
直接に接触しないように巻芯13の外周に捲回して構成
される。正極板2及び負極板3(以下、「電極板2・
3」と記す。)に取り付けられる電極リード5・6の数
は最低1本あればよく、複数の電極リード5・6を設け
て集電抵抗を小さくすることも容易に行うことができ
る。
【0016】 内部電極体のその他の構造としては、図
2に示されるような積層型が挙げられる。積層型内部電
極体7は、所定形状の正極板8と負極板9とをセパレー
タ10を挟みながら交互に積層したもので、1枚の電極
板8・9に少なくとも1本の電極リード11・12を取
り付ける。電極板8・9の使用材料や作製方法等は、後
述する捲回型内部電極体1における電極板2・3等と同
様である。
2に示されるような積層型が挙げられる。積層型内部電
極体7は、所定形状の正極板8と負極板9とをセパレー
タ10を挟みながら交互に積層したもので、1枚の電極
板8・9に少なくとも1本の電極リード11・12を取
り付ける。電極板8・9の使用材料や作製方法等は、後
述する捲回型内部電極体1における電極板2・3等と同
様である。
【0017】 そこで、以下、捲回型内部電極体1を例
に、その構成について説明する。正極板2は集電基板の
両面に正極活物質を塗工することによって作製される。
集電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極
電気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が用い
られるが、箔以外にパンチングメタル或いはメッシュ
(網)を用いることもできる。また、正極活物質として
は、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)やコバルト酸
リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(Li
NiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物が好適に用
いられ、好ましくは、これらにアセチレンブラック等の
炭素微粉末が導電助材として加えられる。
に、その構成について説明する。正極板2は集電基板の
両面に正極活物質を塗工することによって作製される。
集電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極
電気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が用い
られるが、箔以外にパンチングメタル或いはメッシュ
(網)を用いることもできる。また、正極活物質として
は、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)やコバルト酸
リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(Li
NiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物が好適に用
いられ、好ましくは、これらにアセチレンブラック等の
炭素微粉末が導電助材として加えられる。
【0018】 ここで、特に、立方晶スピネル構造を有
するマンガン酸リチウム(以下、「LiMn2O4スピネ
ル」と記す。)を用いると、他の電極活物質を用いた場
合と比較して、内部電極体の抵抗を小さくすることがで
き、好ましい。後述する本発明における非水電解液の特
性改善の効果は、この内部抵抗の低減の効果と組み合わ
せることで、より顕著に現れて電池のサイクル特性の向
上が図られ、好ましい。
するマンガン酸リチウム(以下、「LiMn2O4スピネ
ル」と記す。)を用いると、他の電極活物質を用いた場
合と比較して、内部電極体の抵抗を小さくすることがで
き、好ましい。後述する本発明における非水電解液の特
性改善の効果は、この内部抵抗の低減の効果と組み合わ
せることで、より顕著に現れて電池のサイクル特性の向
上が図られ、好ましい。
【0019】 なお、LiMn2O4スピネルは、このよ
うな化学量論組成のものに限定されるものではなく、M
nの一部を1以上の他の元素で置換した、一般式LiM
XMn2-XO4(Mは置換元素を表す。)で表されるスピ
ネルも好適に用いられる。置換元素Mとしては、以下元
素記号で列記するが、Li、Fe、Mn、Ni、Mg、
Zn、B、Al、Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、
V、Sb、Nb、Ta、Mo、Wが挙げられる。ここ
で、置換元素Mにあっては、理論上、Liは+1価、F
e、Mn、Ni、Mg、Znは+2価、B、Al、C
o、Crは+3価、Si、Ti、Snは+4価、P、
V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、Wは+6価のイ
オンとなり、LiMn2O4中に固溶する元素であるが、
Co、Snについては+2価の場合、Fe、Sb及びT
iについては+3価の場合、Mnについては+3価、+
4価の場合、Crについては+4価、+6価の場合もあ
り得る。従って、各種の置換元素Mは混合原子価を有す
る状態で存在する場合があり、また、酸素の量について
は、必ずしも理論化学組成で表されるように4であるこ
とを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲内で欠
損して、或いは過剰に存在していても構わない。
うな化学量論組成のものに限定されるものではなく、M
nの一部を1以上の他の元素で置換した、一般式LiM
XMn2-XO4(Mは置換元素を表す。)で表されるスピ
ネルも好適に用いられる。置換元素Mとしては、以下元
素記号で列記するが、Li、Fe、Mn、Ni、Mg、
Zn、B、Al、Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、
V、Sb、Nb、Ta、Mo、Wが挙げられる。ここ
で、置換元素Mにあっては、理論上、Liは+1価、F
e、Mn、Ni、Mg、Znは+2価、B、Al、C
o、Crは+3価、Si、Ti、Snは+4価、P、
V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、Wは+6価のイ
オンとなり、LiMn2O4中に固溶する元素であるが、
Co、Snについては+2価の場合、Fe、Sb及びT
iについては+3価の場合、Mnについては+3価、+
4価の場合、Crについては+4価、+6価の場合もあ
り得る。従って、各種の置換元素Mは混合原子価を有す
る状態で存在する場合があり、また、酸素の量について
は、必ずしも理論化学組成で表されるように4であるこ
とを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲内で欠
損して、或いは過剰に存在していても構わない。
【0020】 正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に
溶剤やバインダ等を添加して作製したスラリー或いはペ
ーストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布
・乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス
処理等が施される。
溶剤やバインダ等を添加して作製したスラリー或いはペ
ーストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布
・乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス
処理等が施される。
【0021】 負極板3は、正極板2と同様にして作製
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質とし
ては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモル
ファス系炭素質材料や、人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛
化炭素質粉末が用いられる。
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質とし
ては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモル
ファス系炭素質材料や、人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛
化炭素質粉末が用いられる。
【0022】 セパレータ4としては、マイクロポアを
有するリチウムイオン(Li+)透過性のポリエチレン
フィルム(PEフィルム)を、多孔性のLi+透過性の
ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層
構造としたものが好適に用いられる。これは、内部電極
体の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃
で軟化してマイクロポアが潰れ、Li+の移動すなわち
電池反応を抑制する安全機構を兼ねたものである。そし
て、このPEフィルムをより軟化温度の高いPPフィル
ムで挟持することによって、PEフィルムが軟化した場
合においても、PPフィルムが形状を保持して正極板2
と負極板3の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑
制と安全性の確保が可能となる。
有するリチウムイオン(Li+)透過性のポリエチレン
フィルム(PEフィルム)を、多孔性のLi+透過性の
ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層
構造としたものが好適に用いられる。これは、内部電極
体の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃
で軟化してマイクロポアが潰れ、Li+の移動すなわち
電池反応を抑制する安全機構を兼ねたものである。そし
て、このPEフィルムをより軟化温度の高いPPフィル
ムで挟持することによって、PEフィルムが軟化した場
合においても、PPフィルムが形状を保持して正極板2
と負極板3の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑
制と安全性の確保が可能となる。
【0023】 この電極板2・3とセパレータ4の捲回
作業時に、電極板2・3において電極活物質の塗工され
ていない集電基板が露出した部分に、タブ5・6がそれ
ぞれ取り付けられる。タブ5・6としては、それぞれの
電極板2・3の集電基板と同じ材質からなる箔状のもの
が好適に用いられる。タブ5・6の電極板2・3への取
付は、超音波溶接やスポット溶接等を用いて行うことが
できる。このとき、図1に示されるように、内部電極体
1の一端面に一方の電極のタブが配置されるようにタブ
5・6をそれぞれ取り付けると、タブ5・6間の接触を
防止することができ、好ましい。
作業時に、電極板2・3において電極活物質の塗工され
ていない集電基板が露出した部分に、タブ5・6がそれ
ぞれ取り付けられる。タブ5・6としては、それぞれの
電極板2・3の集電基板と同じ材質からなる箔状のもの
が好適に用いられる。タブ5・6の電極板2・3への取
付は、超音波溶接やスポット溶接等を用いて行うことが
できる。このとき、図1に示されるように、内部電極体
1の一端面に一方の電極のタブが配置されるようにタブ
5・6をそれぞれ取り付けると、タブ5・6間の接触を
防止することができ、好ましい。
【0024】 電池の組立に当たっては、先ず、電流を
外部に取り出すための端子とのタブ5・6との導通を確
保しつつ、作製された内部電極体1を電池ケースに挿入
して安定な位置にホールドする。その後、非水電解液を
含浸させた後に、電池ケースを封止することで電池が作
製される。
外部に取り出すための端子とのタブ5・6との導通を確
保しつつ、作製された内部電極体1を電池ケースに挿入
して安定な位置にホールドする。その後、非水電解液を
含浸させた後に、電池ケースを封止することで電池が作
製される。
【0025】 さて、次に本発明のリチウム二次電池に
用いられる非水電解液について説明する。溶媒として
は、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネ
ート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)とい
った炭酸エステル系のもの、プロピレンカーボネート
(PC)やγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、
アセトニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒が好適に
用いられる。
用いられる非水電解液について説明する。溶媒として
は、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネ
ート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)とい
った炭酸エステル系のもの、プロピレンカーボネート
(PC)やγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、
アセトニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒が好適に
用いられる。
【0026】 このような溶媒に溶解されるリチウム化
合物、即ち電解質としては、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等の
リチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム
(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物等が挙
げられ、1種類若しくは2種類以上を前記溶媒に溶解し
て用いる。特に、酸化分解が起こり難く、非水電解液の
導電性の高いLiPF6を用いることが好ましい。
合物、即ち電解質としては、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等の
リチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム
(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物等が挙
げられ、1種類若しくは2種類以上を前記溶媒に溶解し
て用いる。特に、酸化分解が起こり難く、非水電解液の
導電性の高いLiPF6を用いることが好ましい。
【0027】 このような非水電解液の作製に当たって
は、溶媒や電解質の製造段階、貯蔵段階で厳重な水分管
理がなされるが、不可避的に微量水分の混入は避けられ
ない。また、電池の組立工程を考えれば、非水電解液以
外の部品は、通常は大気中に保管されるので、その表面
に微量の水分を吸着している可能性は極めて高く、この
ような水分は電池組立時に乾燥等の処理を行っても、容
易に除去できるものではない。
は、溶媒や電解質の製造段階、貯蔵段階で厳重な水分管
理がなされるが、不可避的に微量水分の混入は避けられ
ない。また、電池の組立工程を考えれば、非水電解液以
外の部品は、通常は大気中に保管されるので、その表面
に微量の水分を吸着している可能性は極めて高く、この
ような水分は電池組立時に乾燥等の処理を行っても、容
易に除去できるものではない。
【0028】 そこで本発明においては、電池内に充填
する電解液として、前述した電解質を所定の溶媒に溶解
してなる一般的な非水電解液に、更に、ハロゲン、二酸
化硫黄、有機塩基、アルコール類、有機ハロゲン化物の
うち、少なくとも1つを添加したものを用いる。このよ
うな添加物を含有させることにより、サイクル特性の向
上が図られる。
する電解液として、前述した電解質を所定の溶媒に溶解
してなる一般的な非水電解液に、更に、ハロゲン、二酸
化硫黄、有機塩基、アルコール類、有機ハロゲン化物の
うち、少なくとも1つを添加したものを用いる。このよ
うな添加物を含有させることにより、サイクル特性の向
上が図られる。
【0029】 図3は、電解質としてLiPF6を用
い、表1に示した組成を有する添加液を、ECとDEC
の等量混合溶媒に外比で16容量%添加してなる非水電
解液を用いて作製した電池Aと、表1記載の添加液を添
加していない非水電解液を用いて作製した電池Bのサイ
クル特性を示すグラフである。
い、表1に示した組成を有する添加液を、ECとDEC
の等量混合溶媒に外比で16容量%添加してなる非水電
解液を用いて作製した電池Aと、表1記載の添加液を添
加していない非水電解液を用いて作製した電池Bのサイ
クル特性を示すグラフである。
【0030】
【表1】
【0031】 ここで、電池A・Bは、LiMn2O4を
正極活物質とし、これに導電助剤としてアセチレンブラ
ックを外比で4重量%ほど添加したものに、更に溶剤、
バインダを加えて作製した正極材料スラリーを、厚さ2
0μmのアルミニウム箔の両面にそれぞれ約100μm
の厚みとなるように塗工して作製した正極板と、同様の
方法を用いて、カーボン粉末を負極活物質として、厚さ
10μmの銅箔に約80μmの厚みとなるように塗工し
て作製した負極板とを用いて捲回型内部電極体を作製
し、電池ケースに収容後、前記電解液をそれぞれ充填し
て作製した。作製した電池A・Bの初回充電後の電池容
量は、共に10Ahであった。
正極活物質とし、これに導電助剤としてアセチレンブラ
ックを外比で4重量%ほど添加したものに、更に溶剤、
バインダを加えて作製した正極材料スラリーを、厚さ2
0μmのアルミニウム箔の両面にそれぞれ約100μm
の厚みとなるように塗工して作製した正極板と、同様の
方法を用いて、カーボン粉末を負極活物質として、厚さ
10μmの銅箔に約80μmの厚みとなるように塗工し
て作製した負極板とを用いて捲回型内部電極体を作製
し、電池ケースに収容後、前記電解液をそれぞれ充填し
て作製した。作製した電池A・Bの初回充電後の電池容
量は、共に10Ahであった。
【0032】 また、サイクル試験は、図4に示される
充放電サイクルを1サイクルとして、これを繰り返すこ
とにより行った。即ち、1サイクルは放電深度50%の
充電状態の電池を10C(放電レート)相当の電流10
0Aにて9秒間放電した後18秒間休止し、その後70
Aで6秒間充電後、続いて18Aで27秒間充電し、再
び50%の充電状態とするパターンに設定した。なお、
充電の2回目(18A)の電流値を微調整することによ
り、各サイクルにおける放電深度のずれを最小限に止め
た。また、この耐久試験中の電池容量の変化を知るため
に、適宜、0.2Cの電流強さで充電停止電圧4.1
V、放電停止電圧2.5Vとした容量測定を行い、所定
のサイクル数における電池容量を初回の電池容量で除し
た値により相対放電容量を求めた。
充放電サイクルを1サイクルとして、これを繰り返すこ
とにより行った。即ち、1サイクルは放電深度50%の
充電状態の電池を10C(放電レート)相当の電流10
0Aにて9秒間放電した後18秒間休止し、その後70
Aで6秒間充電後、続いて18Aで27秒間充電し、再
び50%の充電状態とするパターンに設定した。なお、
充電の2回目(18A)の電流値を微調整することによ
り、各サイクルにおける放電深度のずれを最小限に止め
た。また、この耐久試験中の電池容量の変化を知るため
に、適宜、0.2Cの電流強さで充電停止電圧4.1
V、放電停止電圧2.5Vとした容量測定を行い、所定
のサイクル数における電池容量を初回の電池容量で除し
た値により相対放電容量を求めた。
【0033】 試験結果は、図3に示されるように、従
来の電池Bと比較して、表1記載の添加液を用いた電池
Aでサイクル特性の改善がみられた。サイクル特性の向
上要因の一つとして、添加物による水分除去効果によ
り、LiPF6の分解が抑制されたことが考えられる。
来の電池Bと比較して、表1記載の添加液を用いた電池
Aでサイクル特性の改善がみられた。サイクル特性の向
上要因の一つとして、添加物による水分除去効果によ
り、LiPF6の分解が抑制されたことが考えられる。
【0034】 さて、本発明においては、表1記載の添
加液の組成に限られず、添加液として、ハロゲンとして
ヨウ素若しくは臭素、二酸化硫黄、ピリジン若しくはピ
リジン誘導体、メタノール若しくはプロピレングリコー
ルをクロロホルムに溶解してなる溶液が好適に用いられ
る。このような成分からなる添加液は、微量水分の検出
に用いられているカールフィッシャー溶液(以下、
「K.F.液」という。)と同等組成となるため、非水
電解液中の水分と反応してこれを除去する役割を果たし
ているものと考えられる。
加液の組成に限られず、添加液として、ハロゲンとして
ヨウ素若しくは臭素、二酸化硫黄、ピリジン若しくはピ
リジン誘導体、メタノール若しくはプロピレングリコー
ルをクロロホルムに溶解してなる溶液が好適に用いられ
る。このような成分からなる添加液は、微量水分の検出
に用いられているカールフィッシャー溶液(以下、
「K.F.液」という。)と同等組成となるため、非水
電解液中の水分と反応してこれを除去する役割を果たし
ているものと考えられる。
【0035】 K.F.液は、完全に液体化させること
ができるので、非水電解液中に均一に分散させることが
可能である。従って、ゼオライト等の固体吸水材を用い
た場合と比較して、電池内に充填した場合でも、内部電
極体の中に含浸され、電池反応が起こる領域における水
分除去に効果を発揮する。これによって電池ケース等の
金属部品の溶解が抑制されるとともに、電池化学反応が
良好に保たれ、サイクル特性が向上しているものと考え
られる。
ができるので、非水電解液中に均一に分散させることが
可能である。従って、ゼオライト等の固体吸水材を用い
た場合と比較して、電池内に充填した場合でも、内部電
極体の中に含浸され、電池反応が起こる領域における水
分除去に効果を発揮する。これによって電池ケース等の
金属部品の溶解が抑制されるとともに、電池化学反応が
良好に保たれ、サイクル特性が向上しているものと考え
られる。
【0036】 なお、本発明の添加液を含有してなる非
水電解液を用いた場合には、水分除去効果以外の効果が
得られている可能性もある。例えば、非水電解液中の水
分とLiPF6との反応生成物が、負極活物質中に取り
込まれているLiと反応し、負極活物質表面にその反応
生成物が被膜を形成して、負極活物質の反応面積を小さ
くすることが報告されているが、SO2の添加によりこ
の被膜形成が防止されているとも推定される。
水電解液を用いた場合には、水分除去効果以外の効果が
得られている可能性もある。例えば、非水電解液中の水
分とLiPF6との反応生成物が、負極活物質中に取り
込まれているLiと反応し、負極活物質表面にその反応
生成物が被膜を形成して、負極活物質の反応面積を小さ
くすることが報告されているが、SO2の添加によりこ
の被膜形成が防止されているとも推定される。
【0037】 このように、添加する各成分の機能は、
複数が集まって水分除去等の効果を生じているものか、
或いは単独成分が電池化学反応の進行を妨げる反応の抑
制に効果を生じているものかは明らかではないが、結果
としてサイクル特性の向上が実現されることは事実であ
る。
複数が集まって水分除去等の効果を生じているものか、
或いは単独成分が電池化学反応の進行を妨げる反応の抑
制に効果を生じているものかは明らかではないが、結果
としてサイクル特性の向上が実現されることは事実であ
る。
【0038】 上述した本発明のリチウム二次電池は、
電池構造を問うものではない。小容量のコイン電池で
は、電池自体が小さいために、その部品の作製、保管並
びに電池組立を不活性ガス雰囲気で行う等、水分管理が
容易であるが、前述した捲回型或いは積層型の内部電極
体1・7を用いる容量の大きい電池の作製に当たって
は、例えば、集電基板への電極活物質の塗工は大きな装
置を用いる必要もあり、室内であっても外気と同様の雰
囲気で行われ、特に水分管理を行う恒温恒湿室であって
も完全に水分を除去した環境で作製されることは、製造
コストの点から、現実的に考え難い。
電池構造を問うものではない。小容量のコイン電池で
は、電池自体が小さいために、その部品の作製、保管並
びに電池組立を不活性ガス雰囲気で行う等、水分管理が
容易であるが、前述した捲回型或いは積層型の内部電極
体1・7を用いる容量の大きい電池の作製に当たって
は、例えば、集電基板への電極活物質の塗工は大きな装
置を用いる必要もあり、室内であっても外気と同様の雰
囲気で行われ、特に水分管理を行う恒温恒湿室であって
も完全に水分を除去した環境で作製されることは、製造
コストの点から、現実的に考え難い。
【0039】 従って、本発明は、製造工程での水分管
理が容易ではない電池容量の大きな電池に好適に採用さ
れる。具体的には、捲回型或いは積層型の内部電極体1
・7が用いられる電池容量が2Ah以上のものに好適に
採用される。電池の用途も限定されるものでないことは
いうまでもないが、低内部抵抗と優れたサイクル特性が
要求される大容量電池として、電気自動車又はハイブリ
ッド電気自動車のモータ駆動用に特に好適に用いること
ができる。
理が容易ではない電池容量の大きな電池に好適に採用さ
れる。具体的には、捲回型或いは積層型の内部電極体1
・7が用いられる電池容量が2Ah以上のものに好適に
採用される。電池の用途も限定されるものでないことは
いうまでもないが、低内部抵抗と優れたサイクル特性が
要求される大容量電池として、電気自動車又はハイブリ
ッド電気自動車のモータ駆動用に特に好適に用いること
ができる。
【0040】 電気自動車等のモータ駆動用電池におい
ては、加速時や登坂時等に大電流の放電が必要とされ、
このときには電池温度の上昇が起こる。本発明の添加液
を含む非水電解液を用いた場合には、電池温度が上昇し
た場合であっても、添加液の効果により除去された水分
が、再び遊離して非水電解液中に溶け込み、電解質と反
応する等の劣化が回避され、サイクル特性の良好な維持
が図られる。
ては、加速時や登坂時等に大電流の放電が必要とされ、
このときには電池温度の上昇が起こる。本発明の添加液
を含む非水電解液を用いた場合には、電池温度が上昇し
た場合であっても、添加液の効果により除去された水分
が、再び遊離して非水電解液中に溶け込み、電解質と反
応する等の劣化が回避され、サイクル特性の良好な維持
が図られる。
【0041】
【発明の効果】 本発明によれば、非水電解液を電池内
へ充填する前後のいずれの時点においても、効率的かつ
確実に、非水電解液中の水分を除去することが可能であ
る。特に、電池を組み立てる間や部品に吸着等していた
水分が非水電解液へ溶け込むことで電池内において充填
後に非水電解液に含まれることとなる水分の除去をも均
一に行うことができる利点がある。本発明は、主にはこ
の水分除去効果により、サイクル特性の向上、即ち、電
池の超寿命化が図られるという優れた効果を奏する。
へ充填する前後のいずれの時点においても、効率的かつ
確実に、非水電解液中の水分を除去することが可能であ
る。特に、電池を組み立てる間や部品に吸着等していた
水分が非水電解液へ溶け込むことで電池内において充填
後に非水電解液に含まれることとなる水分の除去をも均
一に行うことができる利点がある。本発明は、主にはこ
の水分除去効果により、サイクル特性の向上、即ち、電
池の超寿命化が図られるという優れた効果を奏する。
【図1】 捲回型内部電極体の構造を示す斜視図であ
る。
る。
【図2】 積層型内部電極体の構造を示す斜視図であ
る。
る。
【図3】 サイクル試験結果を示すグラフである。
【図4】 サイクル試験における充放電パターンを示す
グラフである。
グラフである。
1…捲回型内部電極体、2…正極板、3…負極板、4…
セパレータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積
層型内部電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパ
レータ、11…電極リード、12…電極リード、13…
巻芯。
セパレータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積
層型内部電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパ
レータ、11…電極リード、12…電極リード、13…
巻芯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 宏 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA04 BB05 5H014 AA02 AA06 EE10 5H029 AJ05 AK03 AM00 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ09 HJ19
Claims (6)
- 【請求項1】 リチウム化合物を電解質として含む非水
電解液を用いたリチウム二次電池であって、 当該非水電解液に、ハロゲン、二酸化硫黄、有機塩基、
アルコール類、有機ハロゲン化物のうち、少なくとも1
つが添加されていることを特徴とするリチウム二次電
池。 - 【請求項2】 リチウム化合物を電解質として含む非水
電解液を用いたリチウム二次電池であって、 当該非水電解液に、ヨウ素若しくは臭素、二酸化硫黄、
ピリジン若しくはピリジン誘導体、メタノール若しくは
プロピレングリコールを、クロロホルムに溶解してなる
溶液が添加されていることを特徴とするリチウム二次電
池。 - 【請求項3】 当該リチウム化合物が六フッ化リン酸リ
チウムであることを特徴とする請求項1又は2記載のリ
チウム二次電池。 - 【請求項4】 正極活物質として、リチウムとマンガン
を主成分としたマンガン酸リチウムスピネルが用いられ
ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に
記載のリチウム二次電池。 - 【請求項5】 電池容量が2Ah以上であることを特徴
とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二
次電池。 - 【請求項6】 電気自動車又はハイブリッド電気自動車
に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
一項に記載のリチウム二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11062332A JP2000260469A (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | リチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11062332A JP2000260469A (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | リチウム二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000260469A true JP2000260469A (ja) | 2000-09-22 |
Family
ID=13197085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11062332A Withdrawn JP2000260469A (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | リチウム二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000260469A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001118599A (ja) * | 1999-10-20 | 2001-04-27 | Sony Corp | 非水電解液二次電池 |
JP2007504619A (ja) * | 2003-09-19 | 2007-03-01 | エルジー・ケム・リミテッド | サイクル特性及び/又は高温安定性が向上した非水系リチウム二次電池 |
JP2008218326A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Nec Corp | 蓄電デバイス |
JP2009026675A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Hitachi Maxell Ltd | 非水二次電池およびこれを用いた電子機器 |
JP2011034798A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Hitachi Vehicle Energy Ltd | リチウムイオン二次電池 |
WO2013018784A1 (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-07 | セントラル硝子株式会社 | テトラフルオロホウ酸リチウム溶液の製造方法 |
WO2024077514A1 (zh) * | 2022-10-12 | 2024-04-18 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 电解液、电池单体、电池和用电装置 |
-
1999
- 1999-03-09 JP JP11062332A patent/JP2000260469A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001118599A (ja) * | 1999-10-20 | 2001-04-27 | Sony Corp | 非水電解液二次電池 |
JP4505897B2 (ja) * | 1999-10-20 | 2010-07-21 | ソニー株式会社 | 非水電解液二次電池 |
JP2007504619A (ja) * | 2003-09-19 | 2007-03-01 | エルジー・ケム・リミテッド | サイクル特性及び/又は高温安定性が向上した非水系リチウム二次電池 |
JP2008218326A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Nec Corp | 蓄電デバイス |
JP2009026675A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Hitachi Maxell Ltd | 非水二次電池およびこれを用いた電子機器 |
JP2011034798A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Hitachi Vehicle Energy Ltd | リチウムイオン二次電池 |
WO2013018784A1 (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-07 | セントラル硝子株式会社 | テトラフルオロホウ酸リチウム溶液の製造方法 |
US9356319B2 (en) | 2011-08-03 | 2016-05-31 | Central Glass Company, Limited | Method for producing lithium tetrafluoroborate solution |
WO2024077514A1 (zh) * | 2022-10-12 | 2024-04-18 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 电解液、电池单体、电池和用电装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |