JP2000258366A - 微小部x線回折装置 - Google Patents
微小部x線回折装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微小部X線回折装置における2軸回転系間で
の交差誤差を解消することにより、正確な微小部測定を
行うことができるようにする。 【解決手段】 試料Sの微小部にX線R0 を照射して該
微小部に発生する回折X線R1 を検出する微小部X線回
折装置である。この装置は、試料Sをそれ自身を通るφ
軸線を中心として面内回転させるφ回転装置9と、試料
Sの回りに配設された1次元X線検出器2と、その1次
元X線検出器2を入射X線光軸Z0 を中心として回転さ
せる検出器回転装置26とを有する。試料Sを直交する
2軸回転系で支持する必要が無くなるので、2軸間の交
差誤差が測定に悪影響を及ぼすということがなくなる。
の交差誤差を解消することにより、正確な微小部測定を
行うことができるようにする。 【解決手段】 試料Sの微小部にX線R0 を照射して該
微小部に発生する回折X線R1 を検出する微小部X線回
折装置である。この装置は、試料Sをそれ自身を通るφ
軸線を中心として面内回転させるφ回転装置9と、試料
Sの回りに配設された1次元X線検出器2と、その1次
元X線検出器2を入射X線光軸Z0 を中心として回転さ
せる検出器回転装置26とを有する。試料Sを直交する
2軸回転系で支持する必要が無くなるので、2軸間の交
差誤差が測定に悪影響を及ぼすということがなくなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の微小部にX
線を照射して該微小部に発生する回折X線を検出する微
小部X線回折装置に関する。
線を照射して該微小部に発生する回折X線を検出する微
小部X線回折装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線測定において、多数の結晶粒から成
る試料すなわち多結晶試料にビーム径の大きいX線を照
射する場合を考えると、その場合にはX線照射領域すな
わち照射野の中に多数の結晶粒が存在することになるの
で、回折条件を満足する結晶粒の数も多くなり、さらに
所定位置に配置したX線検出器へ回折X線を向かわせる
ことのできる結晶粒も多数存在することになる。よって
その場合には、一定位置に置いたX線検出器によって回
折X線を検出できる。
る試料すなわち多結晶試料にビーム径の大きいX線を照
射する場合を考えると、その場合にはX線照射領域すな
わち照射野の中に多数の結晶粒が存在することになるの
で、回折条件を満足する結晶粒の数も多くなり、さらに
所定位置に配置したX線検出器へ回折X線を向かわせる
ことのできる結晶粒も多数存在することになる。よって
その場合には、一定位置に置いたX線検出器によって回
折X線を検出できる。
【0003】ところが場合によっては、微小試料や、多
結晶試料の微小領域例えば100μm以下の領域等(こ
れ以降、これらを総称して試料の微小部ということにす
る)についての回折X線情報を知りたいということがあ
る。このような場合には、X線照射野が狭くなり、その
中に含まれる結晶粒の数が少なくなるので、いずれかの
結晶粒でX線の回折が生じる場合でも、一定の位置に配
置したX線検出器ではその回折X線を検出できないとい
う事態が大きな頻度で発生する。
結晶試料の微小領域例えば100μm以下の領域等(こ
れ以降、これらを総称して試料の微小部ということにす
る)についての回折X線情報を知りたいということがあ
る。このような場合には、X線照射野が狭くなり、その
中に含まれる結晶粒の数が少なくなるので、いずれかの
結晶粒でX線の回折が生じる場合でも、一定の位置に配
置したX線検出器ではその回折X線を検出できないとい
う事態が大きな頻度で発生する。
【0004】また、X線照射野中の結晶の数が1個にな
る場合もあり、この場合は正に単結晶状態であり、回折
X線は特定の回折角度だけで発生する。単結晶状態の場
合も含めてX線照射野中に存在する結晶粒が少ない場合
には、試料を揺動させないと回折X線を観測することが
できない。
る場合もあり、この場合は正に単結晶状態であり、回折
X線は特定の回折角度だけで発生する。単結晶状態の場
合も含めてX線照射野中に存在する結晶粒が少ない場合
には、試料を揺動させないと回折X線を観測することが
できない。
【0005】微小部X線回折装置は、試料の微小部に対
するX線回折測定を可能とするX線回折装置であって、
従来は、X線の照射点で交差する少なくとも2つの軸線
(通常は、χ(カイ)軸線及びφ軸線と呼ぶことが多
い)を中心としてそれぞれ独自に回転する回転系を設
け、それらの回転系によって試料を支持し、試料の微小
部にX線を照射する間、それらの回転系によって試料を
直交2軸線のまわりに独自に回転させる。
するX線回折測定を可能とするX線回折装置であって、
従来は、X線の照射点で交差する少なくとも2つの軸線
(通常は、χ(カイ)軸線及びφ軸線と呼ぶことが多
い)を中心としてそれぞれ独自に回転する回転系を設
け、それらの回転系によって試料を支持し、試料の微小
部にX線を照射する間、それらの回転系によって試料を
直交2軸線のまわりに独自に回転させる。
【0006】この回転により、入射X線ビームに対する
結晶粒の結晶格子面の方向分布を無秩序化でき、その結
果、試料のX線照射領域中に少数の結晶粒しか存在しな
い場合でも、それらの結晶粒で回折するX線を一定位置
に配置したX線検出器によって漏れなく検出できるよう
にする。
結晶粒の結晶格子面の方向分布を無秩序化でき、その結
果、試料のX線照射領域中に少数の結晶粒しか存在しな
い場合でも、それらの結晶粒で回折するX線を一定位置
に配置したX線検出器によって漏れなく検出できるよう
にする。
【0007】このような従来の微小部X線回折装置は、
例えば図3に示すように構成できる。この図では、試料
Sに入射するX線R0 の光軸X0 に一致させてχ軸線を
とり、そのχ軸線上にχ回転装置51を配置する。この
χ回転装置51はχ軸線を中心としてχアーム52を回
転駆動する。χアーム52はω回転装置53を支持し、
そのω回転装置53はω軸線を中心としてωアーム54
を回転駆動する。ω軸線はχ軸線すなわちX線光軸X0
に直交する軸線である。
例えば図3に示すように構成できる。この図では、試料
Sに入射するX線R0 の光軸X0 に一致させてχ軸線を
とり、そのχ軸線上にχ回転装置51を配置する。この
χ回転装置51はχ軸線を中心としてχアーム52を回
転駆動する。χアーム52はω回転装置53を支持し、
そのω回転装置53はω軸線を中心としてωアーム54
を回転駆動する。ω軸線はχ軸線すなわちX線光軸X0
に直交する軸線である。
【0008】ωアーム54はφ回転装置56を支持し、
そのφ回転装置56はφ軸線を中心として試料Sを回転
駆動すなわち面内回転駆動する。φ軸線は、X線光軸X
0 を含むと共にω軸線に直交する面に含まれ、さらにω
軸線とχ軸線の交点を通る軸線である。試料Sは、χ軸
線、ω軸線及びφ軸線の各軸線の交点に配置されること
により、X線R0 の照射位置に配置される。
そのφ回転装置56はφ軸線を中心として試料Sを回転
駆動すなわち面内回転駆動する。φ軸線は、X線光軸X
0 を含むと共にω軸線に直交する面に含まれ、さらにω
軸線とχ軸線の交点を通る軸線である。試料Sは、χ軸
線、ω軸線及びφ軸線の各軸線の交点に配置されること
により、X線R0 の照射位置に配置される。
【0009】試料Sから適宜の距離だけ離れた位置に
は、X線検出器としての湾曲PSPC(Position Sensi
tive Proportional Counter:位置敏感型比例計数管)
57が配置される。このPSPC57は、PC(Propor
tional Counter:比例計数管)の芯線の両端に生じるパ
ルスの時間差を検出することにより、PCの芯線方向す
なわち直線方向に位置分解能を持たせたものである。図
3の場合は、ω軸線と直交する面内で直線方向の位置分
解能を持たせてあり、これにより、その直線方向に沿っ
た異なる回折角度のX線を同時に検出できる。
は、X線検出器としての湾曲PSPC(Position Sensi
tive Proportional Counter:位置敏感型比例計数管)
57が配置される。このPSPC57は、PC(Propor
tional Counter:比例計数管)の芯線の両端に生じるパ
ルスの時間差を検出することにより、PCの芯線方向す
なわち直線方向に位置分解能を持たせたものである。図
3の場合は、ω軸線と直交する面内で直線方向の位置分
解能を持たせてあり、これにより、その直線方向に沿っ
た異なる回折角度のX線を同時に検出できる。
【0010】この微小部X線回折装置では、試料Sをχ
軸線及びφ軸線のそれぞれを中心として独立して回転さ
せることにより、X線R0 の照射点に試料Sの任意の微
小部分を持ち運ぶことができ、これにより、試料Sから
の回折X線R1 を漏れなくPSPC57によって検出で
きる。
軸線及びφ軸線のそれぞれを中心として独立して回転さ
せることにより、X線R0 の照射点に試料Sの任意の微
小部分を持ち運ぶことができ、これにより、試料Sから
の回折X線R1 を漏れなくPSPC57によって検出で
きる。
【0011】ω軸線を中心とする試料Sの回転は、試料
Sへ入射するX線の入射角度を調節するために行われる
ものであり、その入射角度が所定値、例えば20°〜3
0°程度に設定された後は、そのω軸線まわりの試料S
の位置は固定される。
Sへ入射するX線の入射角度を調節するために行われる
ものであり、その入射角度が所定値、例えば20°〜3
0°程度に設定された後は、そのω軸線まわりの試料S
の位置は固定される。
【0012】なお、図3の装置では、χ軸線をX線光軸
X0 に一致するように設定し、さらにχ軸回転系の上に
ω回転系を載せる構造とした。しかしながら従来の微小
部X線回折装置はそのような構造に限られず、図4に示
すように、ω軸回転系の上にχ軸回転系を載せることに
より、χ軸線が必ずしもX線光軸X0 に一致しない構造
とすることもできる。
X0 に一致するように設定し、さらにχ軸回転系の上に
ω回転系を載せる構造とした。しかしながら従来の微小
部X線回折装置はそのような構造に限られず、図4に示
すように、ω軸回転系の上にχ軸回転系を載せることに
より、χ軸線が必ずしもX線光軸X0 に一致しない構造
とすることもできる。
【0013】ところで、微小部X線回折装置ではない
が、PSPCを用いたX線回折装置として、特開平2−
253144号公報に開示されたものがある。このX線
回折装置では、試料に入射するX線の光軸を中心として
PSPCを回動させる構造が示されている。
が、PSPCを用いたX線回折装置として、特開平2−
253144号公報に開示されたものがある。このX線
回折装置では、試料に入射するX線の光軸を中心として
PSPCを回動させる構造が示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の微小部X線回折
装置は図3や図4に示す構造を有していたため、測定に
あたって少なくともφ軸回転系及びχ軸回転系の2つの
回転系が必要となり、それ故、構造が複雑であった。
装置は図3や図4に示す構造を有していたため、測定に
あたって少なくともφ軸回転系及びχ軸回転系の2つの
回転系が必要となり、それ故、構造が複雑であった。
【0015】また、それらの2軸線の交点が正確に規定
されない場合、すなわちそれらの軸線間に交差誤差が生
じる場合には、試料Sに対するX線の照射野が広がって
微小部測定の意味が無くなるので、それら2軸線の位置
関係は厳格に調整されなければならない。しかしなが
ら、この光軸調整は非常に難しかった。
されない場合、すなわちそれらの軸線間に交差誤差が生
じる場合には、試料Sに対するX線の照射野が広がって
微小部測定の意味が無くなるので、それら2軸線の位置
関係は厳格に調整されなければならない。しかしなが
ら、この光軸調整は非常に難しかった。
【0016】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、微小部X線回折装置における2軸回転系
間での交差誤差を解消することにより、正確な微小部測
定を行うことができるようにすることを目的とする。
ものであって、微小部X線回折装置における2軸回転系
間での交差誤差を解消することにより、正確な微小部測
定を行うことができるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係る微小部X線回折装置は、試料
の微小部にX線を照射して該微小部に発生する回折X線
を検出する微小部X線回折装置において、試料をそれ自
身を通るφ軸線を中心として面内回転させるφ回転手段
と、試料の回りに配設された1次元X線検出器と、その
1次元X線検出器を入射X線光軸を中心として回転させ
る検出器回転手段とを有することを特徴とする。
成するため、本発明に係る微小部X線回折装置は、試料
の微小部にX線を照射して該微小部に発生する回折X線
を検出する微小部X線回折装置において、試料をそれ自
身を通るφ軸線を中心として面内回転させるφ回転手段
と、試料の回りに配設された1次元X線検出器と、その
1次元X線検出器を入射X線光軸を中心として回転させ
る検出器回転手段とを有することを特徴とする。
【0018】X線検出器としては、PC(Proportional
Counter)、SC(ScintillationCounter:シンチレー
ション計数管)等のように、X線を点状に取り込む構造
の、いわゆる0次元X線検出器がある。また、PSPC
のようにX線を直線状に取り込む構造の、いわゆる1次
元X線検出器がある。さらに、X線フィルム、輝尽性蛍
光体等のように平面内の任意の点においてX線を検出で
きる構造の、いわゆる2次元X線検出器がある。本発明
で用いる1次元X線検出器は、PSPCのようにX線を
直線状に取り込む構造のX線検出器である。
Counter)、SC(ScintillationCounter:シンチレー
ション計数管)等のように、X線を点状に取り込む構造
の、いわゆる0次元X線検出器がある。また、PSPC
のようにX線を直線状に取り込む構造の、いわゆる1次
元X線検出器がある。さらに、X線フィルム、輝尽性蛍
光体等のように平面内の任意の点においてX線を検出で
きる構造の、いわゆる2次元X線検出器がある。本発明
で用いる1次元X線検出器は、PSPCのようにX線を
直線状に取り込む構造のX線検出器である。
【0019】上記構成の微小部X線回折装置によれば、
X線検出器として1次元X線検出器を用い、それを入射
X線光軸を中心として回転できるようにし、しかも試料
を面内回転できるようにしたので、従来の微小部X線回
折装置におけるχ軸回転を行うことなく、試料を面内回
転すなわちφ軸回転させるだけで、試料の微小部からの
回折X線を1次元X線検出器によって漏れなく検出でき
る。
X線検出器として1次元X線検出器を用い、それを入射
X線光軸を中心として回転できるようにし、しかも試料
を面内回転できるようにしたので、従来の微小部X線回
折装置におけるχ軸回転を行うことなく、試料を面内回
転すなわちφ軸回転させるだけで、試料の微小部からの
回折X線を1次元X線検出器によって漏れなく検出でき
る。
【0020】また、従来であれば、測定に際して試料を
χ軸線及びφ軸線の2軸線のまわりに回転させなければ
ならず、それら2軸線の公差誤差に起因して試料におけ
るX線の照射野の広がりが大きくなってしまうことが多
く、微小部領域をX線によって精度高く照射することに
関して不十分であった。これに対し、χ軸線が不要であ
る本発明によれば、X線の照射野の広がりによる測定精
度の低下を回避できる。
χ軸線及びφ軸線の2軸線のまわりに回転させなければ
ならず、それら2軸線の公差誤差に起因して試料におけ
るX線の照射野の広がりが大きくなってしまうことが多
く、微小部領域をX線によって精度高く照射することに
関して不十分であった。これに対し、χ軸線が不要であ
る本発明によれば、X線の照射野の広がりによる測定精
度の低下を回避できる。
【0021】また、試料のための回転駆動系を1つ省略
できるので、装置の構造を簡単にできる。
できるので、装置の構造を簡単にできる。
【0022】特開平2−253144号公報に開示され
たX線回折装置も回転移動するPSPCを使用している
が、ここに開示されたX線回折装置は通常のX線回折装
置であって微小部X線回折装置ではない。そのため、こ
こに示されたX線回折装置はφ軸回転系を備えておら
ず、従って、試料の微小部を測定することができず、さ
らに直交2軸線の交差誤差に起因する問題点がそもそも
生じない。
たX線回折装置も回転移動するPSPCを使用している
が、ここに開示されたX線回折装置は通常のX線回折装
置であって微小部X線回折装置ではない。そのため、こ
こに示されたX線回折装置はφ軸回転系を備えておら
ず、従って、試料の微小部を測定することができず、さ
らに直交2軸線の交差誤差に起因する問題点がそもそも
生じない。
【0023】(2) 上記構成の微小部X線回折装置に
おいては、前記試料を回転させてその試料に対するX線
入射角度を変化させるω回転手段を設けることができ
る。こうすれば、試料に入射するX線の入射角度を自由
に調節できる。
おいては、前記試料を回転させてその試料に対するX線
入射角度を変化させるω回転手段を設けることができ
る。こうすれば、試料に入射するX線の入射角度を自由
に調節できる。
【0024】(3) 上記構成の微小部X線回折装置に
おいては、試料を平面内で平行移動させる面内スライド
手段と、試料を前記平面に対して直角方向へ平行移動さ
せる面直角スライド手段とを設けることができる。こう
すれば、試料における希望の微小領域をX線の照射野に
持ち運んで、測定の対象とすることができる。
おいては、試料を平面内で平行移動させる面内スライド
手段と、試料を前記平面に対して直角方向へ平行移動さ
せる面直角スライド手段とを設けることができる。こう
すれば、試料における希望の微小領域をX線の照射野に
持ち運んで、測定の対象とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る微小部X線
回折装置の一実施形態を示している。この微小部X線回
折装置は、X線を放射するX線源としてのX線焦点F
と、X線焦点Fから放射されるX線を単色化するモノク
ロメータ3と、モノクロメータ3で単色化されたX線を
微小断面径の平行X線ビームとして取り出すコリメータ
4と、試料Sを支持する試料台1と、そして試料Sの試
料面に対向して配設された一次元X線検出器としてのP
SPC(位置敏感型比例計数管)2とを有する。
回折装置の一実施形態を示している。この微小部X線回
折装置は、X線を放射するX線源としてのX線焦点F
と、X線焦点Fから放射されるX線を単色化するモノク
ロメータ3と、モノクロメータ3で単色化されたX線を
微小断面径の平行X線ビームとして取り出すコリメータ
4と、試料Sを支持する試料台1と、そして試料Sの試
料面に対向して配設された一次元X線検出器としてのP
SPC(位置敏感型比例計数管)2とを有する。
【0026】試料Sは、それ自体が微小試料である場合
もあるし、あるいは、ある程度の大きさを有する試料の
微小部である場合もある。X線焦点Fは、例えばポイン
トフォーカスのX線焦点として形成される。また、モノ
クロメータ3は、例えば平板グラファイト結晶によって
構成される。また、コリメータ4は、例えば断面径が1
0〜100μmの平行X線ビームを形成する。
もあるし、あるいは、ある程度の大きさを有する試料の
微小部である場合もある。X線焦点Fは、例えばポイン
トフォーカスのX線焦点として形成される。また、モノ
クロメータ3は、例えば平板グラファイト結晶によって
構成される。また、コリメータ4は、例えば断面径が1
0〜100μmの平行X線ビームを形成する。
【0027】試料台1はアーク支持台6に支持され、ア
ーク支持台6は面内スライダ7に支持され、そして面内
スライダ7は面直角スライダ8に支持される。試料台1
にはφ回転装置9が付設され、このφ回転装置9によっ
て駆動されて試料Sがφ軸線を中心として回転する。こ
のφ軸線は、試料Sに入射するX線(すなわち、入射X
線)R0 の光軸X0 と試料Sとが交わる点を通る軸線で
あって、試料Sを面内回転させるときの回転中心軸線と
なるものである。
ーク支持台6は面内スライダ7に支持され、そして面内
スライダ7は面直角スライダ8に支持される。試料台1
にはφ回転装置9が付設され、このφ回転装置9によっ
て駆動されて試料Sがφ軸線を中心として回転する。こ
のφ軸線は、試料Sに入射するX線(すなわち、入射X
線)R0 の光軸X0 と試料Sとが交わる点を通る軸線で
あって、試料Sを面内回転させるときの回転中心軸線と
なるものである。
【0028】アーク支持台6にはω回転装置11が付設
され、このω回転装置11によって駆動されて試料Sが
ω軸線を中心として回転する。このω軸線は、図1の紙
面垂直方向に延びると共に入射X線光軸X0 と試料Sと
が交わる点を通る軸線であって、入射X線R0 の試料S
に対する入射角度θを変化させるときの回転中心となる
ものである。
され、このω回転装置11によって駆動されて試料Sが
ω軸線を中心として回転する。このω軸線は、図1の紙
面垂直方向に延びると共に入射X線光軸X0 と試料Sと
が交わる点を通る軸線であって、入射X線R0 の試料S
に対する入射角度θを変化させるときの回転中心となる
ものである。
【0029】面内スライダ7は、水平面内を自由に平行
移動できる、いわゆるX−Yスライダを用いて構成で
き、この平行移動により試料Sを平面内で平行移動させ
ることができる。この面内スライダ7は面内駆動装置1
2によって駆動されて平行移動する。
移動できる、いわゆるX−Yスライダを用いて構成で
き、この平行移動により試料Sを平面内で平行移動させ
ることができる。この面内スライダ7は面内駆動装置1
2によって駆動されて平行移動する。
【0030】面直角スライダ8は、入射X線光軸X0 と
試料Sとが交わる点に近づき又は遠ざかる方向へ往復平
行移動、図1の場合は上下方向へ往復移動できるスライ
ダを用いて構成でき、この移動により試料Sを面内スラ
イダ7の平行移動方向に対して直角の方向へ移動させる
ことができる。この面直角スライダ8は面直角駆動装置
13によって駆動されて平行移動する。
試料Sとが交わる点に近づき又は遠ざかる方向へ往復平
行移動、図1の場合は上下方向へ往復移動できるスライ
ダを用いて構成でき、この移動により試料Sを面内スラ
イダ7の平行移動方向に対して直角の方向へ移動させる
ことができる。この面直角スライダ8は面直角駆動装置
13によって駆動されて平行移動する。
【0031】上述したφ回転装置9、ω回転装置11,
面内駆動装置12及び面直角駆動装置13は、それぞれ
任意の構造の駆動機構を用いて構成できるが、例えばパ
ルスモータ等といった駆動源を含んで構成される。
面内駆動装置12及び面直角駆動装置13は、それぞれ
任意の構造の駆動機構を用いて構成できるが、例えばパ
ルスモータ等といった駆動源を含んで構成される。
【0032】PSPC2は、周知の一次元X線検出器で
あり、例えば湾曲形状のケーシング14の内部に信号線
16及びX線から電荷を誘導するための適宜の構造が格
納される。X線から電荷を誘導する構造としては、例え
ばアノード線及びカソード線を信号線16に平行に配設
する構造が考えられる。ケーシング14のうち試料Sに
対向する面には、X線の回折角度(2θ)方向の広い範
囲からX線を取り込むための細長い開口17が設けられ
る。
あり、例えば湾曲形状のケーシング14の内部に信号線
16及びX線から電荷を誘導するための適宜の構造が格
納される。X線から電荷を誘導する構造としては、例え
ばアノード線及びカソード線を信号線16に平行に配設
する構造が考えられる。ケーシング14のうち試料Sに
対向する面には、X線の回折角度(2θ)方向の広い範
囲からX線を取り込むための細長い開口17が設けられ
る。
【0033】PSPC2に取り込まれたX線の強度及び
回折角度を検知するためのX線演算回路18は、信号線
16の両端からの信号を入力する位置演算回路19と、
位置演算回路19の出力信号をピーク波形の波高に変換
する位置/波高変換回路21と、そして位置/波高変換
回路21の出力信号に基づいて回折角度(2θ)に関す
るX線強度分布を求めるMCA(Multi-Channel Height
Analyzer:多重波高分析器)22を含んで構成され
る。MCA22の出力端子には、必要に応じて、演算結
果を映像として表示するディスプレイ23及び演算結果
を紙等の印材上にプリントするプリンタ24が接続され
る。
回折角度を検知するためのX線演算回路18は、信号線
16の両端からの信号を入力する位置演算回路19と、
位置演算回路19の出力信号をピーク波形の波高に変換
する位置/波高変換回路21と、そして位置/波高変換
回路21の出力信号に基づいて回折角度(2θ)に関す
るX線強度分布を求めるMCA(Multi-Channel Height
Analyzer:多重波高分析器)22を含んで構成され
る。MCA22の出力端子には、必要に応じて、演算結
果を映像として表示するディスプレイ23及び演算結果
を紙等の印材上にプリントするプリンタ24が接続され
る。
【0034】開口17の適宜の位置を通してPSPC2
の内部にX線が取り込まれると、そのX線によって電荷
が誘導され、その電荷に応じたパルス信号が信号線16
の両端に現れる。これらのパルス信号は回折角度(2
θ)方向の距離に比例した時間差をもって出力されるよ
うになっており、位置演算回路19はその時間差を測定
して、その時間差に応じた信号を出力する。この出力信
号は回折角度(2θ)方向におけるX線入射位置を示し
ている。
の内部にX線が取り込まれると、そのX線によって電荷
が誘導され、その電荷に応じたパルス信号が信号線16
の両端に現れる。これらのパルス信号は回折角度(2
θ)方向の距離に比例した時間差をもって出力されるよ
うになっており、位置演算回路19はその時間差を測定
して、その時間差に応じた信号を出力する。この出力信
号は回折角度(2θ)方向におけるX線入射位置を示し
ている。
【0035】位置/波高変換回路21は、位置演算回路
19によって演算された2θ角度位置情報に対応した波
高値のパルス信号を生成して出力する。MCA22は、
所定幅の測定ウインドウを異なる波高値間で連続的に多
段階にわたって接続することによって構成された多重波
高分析器であり、種々の波高値のパルス信号がそれに入
力されたときに、それらの波高値に対応するウインドウ
を持ったチャンネル内でそのパルス信号をカウントする
ものである。PSPC2に取り込まれたX線の強度が強
ければ、MCA22内の同じチャンネルにカウントされ
る計数値が大きくなる。
19によって演算された2θ角度位置情報に対応した波
高値のパルス信号を生成して出力する。MCA22は、
所定幅の測定ウインドウを異なる波高値間で連続的に多
段階にわたって接続することによって構成された多重波
高分析器であり、種々の波高値のパルス信号がそれに入
力されたときに、それらの波高値に対応するウインドウ
を持ったチャンネル内でそのパルス信号をカウントする
ものである。PSPC2に取り込まれたX線の強度が強
ければ、MCA22内の同じチャンネルにカウントされ
る計数値が大きくなる。
【0036】つまり、MCA22を構成する各チャンネ
ルの違いによって回折角度(2θ)を知ることができ、
さらに各チャンネルにカウントされたカウント値によっ
てX線の強度を知ることができる。その結果、MCA2
2に接続されたディスプレイ23又はプリンタ24によ
って、回折角度(2θ)に関するX線強度分布を表示で
きる。
ルの違いによって回折角度(2θ)を知ることができ、
さらに各チャンネルにカウントされたカウント値によっ
てX線の強度を知ることができる。その結果、MCA2
2に接続されたディスプレイ23又はプリンタ24によ
って、回折角度(2θ)に関するX線強度分布を表示で
きる。
【0037】なお、本実施形態では、PSPC2に検出
器回転装置26が付設され、この検出器回転装置26に
よって駆動されてPSPC2が入射X線光軸X0 を中心
として試料Sのまわりを回転できるようになっている。
この回転の角度範囲は90°以上であることが望まし
い。また、検出器回転装置26の構造は特定の構造に限
られるものではないが、例えばパルスモータを駆動源と
する回転機構を用いて構成できる。
器回転装置26が付設され、この検出器回転装置26に
よって駆動されてPSPC2が入射X線光軸X0 を中心
として試料Sのまわりを回転できるようになっている。
この回転の角度範囲は90°以上であることが望まし
い。また、検出器回転装置26の構造は特定の構造に限
られるものではないが、例えばパルスモータを駆動源と
する回転機構を用いて構成できる。
【0038】以下、上記構成より成る微小部X線回折装
置の動作について説明する。まず、試料台1に試料Sを
取り付ける。この取り付け方法は従来から知られた通常
の方法を採用できる。次に、ω回転装置11を作動して
試料Sに対するX線の入射角度θを所定角度、例えば2
0°〜30°に設定する。
置の動作について説明する。まず、試料台1に試料Sを
取り付ける。この取り付け方法は従来から知られた通常
の方法を採用できる。次に、ω回転装置11を作動して
試料Sに対するX線の入射角度θを所定角度、例えば2
0°〜30°に設定する。
【0039】その後、φ回転装置9を作動して試料Sを
φ軸線を中心として回転すなわち面内回転させながら、
X線焦点Fから放射されてモノクロメータ3及びコリメ
ータ4を通過したX線を面内回転する微小試料Sへ、あ
るいは試料Sの微小部へ入射させる。このとき、入射し
たX線と試料Sの結晶格子面との間でブラッグの回折条
件が満足されると試料SでX線の回折が生じる。
φ軸線を中心として回転すなわち面内回転させながら、
X線焦点Fから放射されてモノクロメータ3及びコリメ
ータ4を通過したX線を面内回転する微小試料Sへ、あ
るいは試料Sの微小部へ入射させる。このとき、入射し
たX線と試料Sの結晶格子面との間でブラッグの回折条
件が満足されると試料SでX線の回折が生じる。
【0040】試料Sに入射するX線は微小部に限られる
ので、その照射野に含まれる結晶粒は数が少ない。試料
Sが単結晶物質であれば、照射野に含まれる結晶粒は1
個である。それ故、その結晶粒から発生する回折X線は
特定の回折角度方向だけへ進むことになり、よって、S
C(シンチレーション計数管)等といった0次元X線検
出器や、位置固定の1次元X線検出器例えばPSPC等
では、それらの回折X線を取り込むことができないこと
が大きな頻度で発生する。
ので、その照射野に含まれる結晶粒は数が少ない。試料
Sが単結晶物質であれば、照射野に含まれる結晶粒は1
個である。それ故、その結晶粒から発生する回折X線は
特定の回折角度方向だけへ進むことになり、よって、S
C(シンチレーション計数管)等といった0次元X線検
出器や、位置固定の1次元X線検出器例えばPSPC等
では、それらの回折X線を取り込むことができないこと
が大きな頻度で発生する。
【0041】これに対し、本実施形態では、試料SにX
線を照射する間、検出器回転装置26を作動してPSP
C2を望ましくは90°以上の走査角度範囲にわたって
所定の角速度で間欠的又は連続的に回転させる。これに
より、試料Sから発生する回折X線をPSPC2の回転
移動軌跡内、すなわち球面状の平面軌跡内で漏れなく測
定できる。つまり、従来の微小部X線回折装置のように
試料に関してχ軸回転を行うことなくφ回転を行うだけ
で、従来のχ軸及びφ軸の2軸線に関する回転と同様の
測定を行うことができる。
線を照射する間、検出器回転装置26を作動してPSP
C2を望ましくは90°以上の走査角度範囲にわたって
所定の角速度で間欠的又は連続的に回転させる。これに
より、試料Sから発生する回折X線をPSPC2の回転
移動軌跡内、すなわち球面状の平面軌跡内で漏れなく測
定できる。つまり、従来の微小部X線回折装置のように
試料に関してχ軸回転を行うことなくφ回転を行うだけ
で、従来のχ軸及びφ軸の2軸線に関する回転と同様の
測定を行うことができる。
【0042】また、φ軸回転に加えてχ軸回転させなけ
ればならない従来の方法では、それら2軸線の交差誤差
に起因して試料におけるX線の照射野の広がりが大きく
なってしまうことが多く、微小部領域をX線によって精
度高く照射することに関して不十分であった。これに対
し、χ軸線が不要である本実施形態によれば、X線の照
射野の広がりによる測定精度の低下を回避できる。
ればならない従来の方法では、それら2軸線の交差誤差
に起因して試料におけるX線の照射野の広がりが大きく
なってしまうことが多く、微小部領域をX線によって精
度高く照射することに関して不十分であった。これに対
し、χ軸線が不要である本実施形態によれば、X線の照
射野の広がりによる測定精度の低下を回避できる。
【0043】入射X線光軸X0 を中心としてPSPC2
を回転させながら測定を行う際、そのPSPC2の開口
17が試料Sからの回折X線R1 を取り込める位置に到
来すると、その回折X線R1 がそれに固有の回折角度
(2θ)の位置においてPSPC2の内部へ取り込ま
れ、該回折角度位置の信号線16に電荷が誘導され、そ
の位置からの距離に応じた時間差をもって信号線16の
両端にパルス信号が出力され、それらの出力信号に基づ
いて位置演算回路19によって回折角度(2θ)が演算
される。
を回転させながら測定を行う際、そのPSPC2の開口
17が試料Sからの回折X線R1 を取り込める位置に到
来すると、その回折X線R1 がそれに固有の回折角度
(2θ)の位置においてPSPC2の内部へ取り込ま
れ、該回折角度位置の信号線16に電荷が誘導され、そ
の位置からの距離に応じた時間差をもって信号線16の
両端にパルス信号が出力され、それらの出力信号に基づ
いて位置演算回路19によって回折角度(2θ)が演算
される。
【0044】そして、その演算された回折角度が位置/
波高変換回路21によって特定の波高値を有するパルス
信号に変換され、さらに、MCA22においてその波高
値に対応したチャンネルにカウント値が加算される。P
SPC2の入射X線光軸X0を中心とした走査回転が終
了した後、MCA22の各チャンネルに記憶されたカウ
ント合計値を調べることにより、試料Sからの回折X線
の回折角度及びX線強度を知ることができる。
波高変換回路21によって特定の波高値を有するパルス
信号に変換され、さらに、MCA22においてその波高
値に対応したチャンネルにカウント値が加算される。P
SPC2の入射X線光軸X0を中心とした走査回転が終
了した後、MCA22の各チャンネルに記憶されたカウ
ント合計値を調べることにより、試料Sからの回折X線
の回折角度及びX線強度を知ることができる。
【0045】この測定結果は、ディスプレイ23によっ
て映像として表示されたり、あるいはプリンタ24によ
って印材上にプリントされる。具体的には、例えば図2
に示すように、横軸に回折角度(2θ)をとり、縦軸に
X線強度をとったグラフ上に回折X線の強度分布として
表示される。
て映像として表示されたり、あるいはプリンタ24によ
って印材上にプリントされる。具体的には、例えば図2
に示すように、横軸に回折角度(2θ)をとり、縦軸に
X線強度をとったグラフ上に回折X線の強度分布として
表示される。
【0046】以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を
説明したが、本発明はその実施形態に限定されるもので
なく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変
できる。
説明したが、本発明はその実施形態に限定されるもので
なく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変
できる。
【0047】例えば、図1の実施形態では、アーク支持
台6及びそれを駆動するω回転装置11を設けたが、こ
れは請求項1に記載の発明から見れば、必ずしも必須の
要素ではない。また、面内スライダ7及びそれを駆動す
る面内駆動装置11、並びに面直角スライダ8及びそれ
を駆動する面直角駆動装置13も、請求項1記載の発明
から見れば必須の要素ではない。
台6及びそれを駆動するω回転装置11を設けたが、こ
れは請求項1に記載の発明から見れば、必ずしも必須の
要素ではない。また、面内スライダ7及びそれを駆動す
る面内駆動装置11、並びに面直角スライダ8及びそれ
を駆動する面直角駆動装置13も、請求項1記載の発明
から見れば必須の要素ではない。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る微小部X線回折装置によれ
ば、X線検出器として1次元X線検出器を用い、それを
入射X線光軸を中心として回転できるようにし、しかも
試料を面内回転できるようにしたので、従来の微小部X
線回折装置におけるχ軸回転を行うことなく、試料を面
内回転すなわちφ軸回転させるだけで、試料の微小部か
らの回折X線を検出できる。
ば、X線検出器として1次元X線検出器を用い、それを
入射X線光軸を中心として回転できるようにし、しかも
試料を面内回転できるようにしたので、従来の微小部X
線回折装置におけるχ軸回転を行うことなく、試料を面
内回転すなわちφ軸回転させるだけで、試料の微小部か
らの回折X線を検出できる。
【0049】また、従来であれば、測定に際して試料を
χ軸線及びφ軸線の2軸線のまわりに回転させなければ
ならず、それら2軸線の公差誤差に起因して試料におけ
るX線の照射野の広がりが大きくなってしまうことが多
く、微小部領域をX線によって精度高く照射することに
関して不十分であった。これに対し、χ軸線が不要であ
る本発明によれば、X線の照射野の広がりによる測定精
度の低下を回避できる。
χ軸線及びφ軸線の2軸線のまわりに回転させなければ
ならず、それら2軸線の公差誤差に起因して試料におけ
るX線の照射野の広がりが大きくなってしまうことが多
く、微小部領域をX線によって精度高く照射することに
関して不十分であった。これに対し、χ軸線が不要であ
る本発明によれば、X線の照射野の広がりによる測定精
度の低下を回避できる。
【0050】また、試料のための回転駆動系を1つ省略
できるので、装置の構造を簡単にできる。
できるので、装置の構造を簡単にできる。
【図1】本発明に係る微小部X線回折装置の一実施形態
を示す図である。
を示す図である。
【図2】微小部X線回折装置を用いて行った測定の結果
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
【図3】従来の微小部X線回折装置の一例を示す斜視図
である。
である。
【図4】従来の微小部X線回折装置の他の一例を示す斜
視図である。
視図である。
1 試料台 2 PSPC(1次元X線検出器) 3 モノクロメータ 4 コリメータ 6 アーク支持台(ω回転手段) 7 面内スライダ(面内スライド手段) 8 面直角スライダ(面直角スライド手段) 9 φ回転装置(φ回転手段) 11 ω回転装置(ω回転手段) 12 面内駆動装置(面内スライド手段) 13 面直角駆動装置(面直角スライド手段) 14 ケーシング 16 信号線 F X線焦点 R0 入射X線 R1 回折X線 S 試料 X0 入射X線光軸 θ X線入射角度 2θ X線回折角度
Claims (3)
- 【請求項1】 試料の微小部にX線を照射して該微小部
に発生する回折X線を検出する微小部X線回折装置にお
いて、 試料をそれ自身を通るφ軸線を中心として面内回転させ
るφ回転手段と、 試料の回りに配設された1次元X線検出器と、 その1次元X線検出器を入射X線光軸を中心として回転
させる検出器回転手段とを有することを特徴とする微小
部X線回折装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記試料を回転させ
てその試料に入射するX線の入射角度を変化させるω回
転手段を有することを特徴とする微小部X線回折装置。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記試
料を平面内で平行移動させる面内スライド手段と、前記
試料を前記平面に対して直角方向へ平行移動させる面直
角スライド手段とを有することを特徴とする微小部X線
回折装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5831599A JP2000258366A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 微小部x線回折装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5831599A JP2000258366A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 微小部x線回折装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000258366A true JP2000258366A (ja) | 2000-09-22 |
Family
ID=13080839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5831599A Pending JP2000258366A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 微小部x線回折装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000258366A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1510811A1 (de) * | 2003-08-30 | 2005-03-02 | Bruker AXS GmbH | Aufnahme eines zweidimensionalen Beugungsmusters durch Rotation eines eindimensional ortsauflösenden Detektors |
US7206378B2 (en) | 2004-02-27 | 2007-04-17 | Rigaku Corporation | X-ray analysis apparatus |
KR101206993B1 (ko) * | 2010-08-20 | 2012-11-30 | 한국과학기술연구원 | 극소각 중성자 산란 장치 |
KR101312276B1 (ko) | 2012-08-07 | 2013-09-25 | 한국과학기술연구원 | 백래쉬 측정 장치 및 방법 |
CN104181181A (zh) * | 2013-05-24 | 2014-12-03 | 株式会社岛津制作所 | X射线分析装置 |
CN111527400A (zh) * | 2017-12-28 | 2020-08-11 | 株式会社理学 | X射线检查装置 |
-
1999
- 1999-03-05 JP JP5831599A patent/JP2000258366A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1510811A1 (de) * | 2003-08-30 | 2005-03-02 | Bruker AXS GmbH | Aufnahme eines zweidimensionalen Beugungsmusters durch Rotation eines eindimensional ortsauflösenden Detektors |
US7206378B2 (en) | 2004-02-27 | 2007-04-17 | Rigaku Corporation | X-ray analysis apparatus |
KR101206993B1 (ko) * | 2010-08-20 | 2012-11-30 | 한국과학기술연구원 | 극소각 중성자 산란 장치 |
KR101312276B1 (ko) | 2012-08-07 | 2013-09-25 | 한국과학기술연구원 | 백래쉬 측정 장치 및 방법 |
WO2014025201A1 (en) * | 2012-08-07 | 2014-02-13 | Korea Institute Of Science And Technology | Apparatus and method for detecting backlash and slip |
US9329144B2 (en) | 2012-08-07 | 2016-05-03 | Korea Institute Of Science And Technology | Apparatus and method for detecting backlash and slip |
CN104181181A (zh) * | 2013-05-24 | 2014-12-03 | 株式会社岛津制作所 | X射线分析装置 |
CN104181181B (zh) * | 2013-05-24 | 2017-07-14 | 株式会社岛津制作所 | X射线分析装置 |
CN111527400A (zh) * | 2017-12-28 | 2020-08-11 | 株式会社理学 | X射线检查装置 |
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