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JP2000257717A - 金属中空oリング - Google Patents

金属中空oリング

Info

Publication number
JP2000257717A
JP2000257717A JP11057844A JP5784499A JP2000257717A JP 2000257717 A JP2000257717 A JP 2000257717A JP 11057844 A JP11057844 A JP 11057844A JP 5784499 A JP5784499 A JP 5784499A JP 2000257717 A JP2000257717 A JP 2000257717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
ring
elastic member
hollow
jacket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11057844A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Taguchi
口 浩 田
Eisuke Tada
田 栄 介 多
Hajime Nonogaki
肇 野々垣
Minoru Asahina
稔 朝比奈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Valqua Industries Ltd
Japan Atomic Energy Agency
Nihon Valqua Kogyo KK
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Atomic Energy Research Institute, Nippon Valqua Industries Ltd, Nihon Valqua Kogyo KK filed Critical Japan Atomic Energy Research Institute
Priority to JP11057844A priority Critical patent/JP2000257717A/ja
Publication of JP2000257717A publication Critical patent/JP2000257717A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Gasket Seals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気密に必要な応力が簡単に得られてシール性
が良好で、しかも、繰り返し使用の可能な金属中空0リ
ングを提供する。 【解決手段】 周方向に連続した開口部11が形成さ
れ、横断面が略C字形状を有する周方向に連続した金属
外被12と、この金属外被の内部に収容され、この金属
外被の弾力性を向上させる金属弾性部材13とから成る
金属中空Oリング10において、金属弾性部材を形状記
憶合金から構成するとともに、シール扉、管継手部など
のシール部分に装着し締め付け変形させた後に、前記金
属弾性部材に通電することにより加熱して、元の形状に
回復させることによってシール力を増大させるようにし
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、原子力機
器関連のシール扉、管継手などのシール部分のシール用
として用いられる金属中空Oリングに関する。
【0002】
【従来の技術】原子力機器関連、例えば、核融合実験炉
の炉外搬出装置などのシール扉などのシール部分に用い
られるガスケットとしては、従来より一般的に広範に用
いられているゴム、樹脂系のガスケットでは、放射線環
境下で使用されるために、その信頼性に問題がある。一
方、従来の金属ガスケットは、耐放射線性を有してお
り、なかでも、気密性が高く、また、ガス透過の問題も
ない金属中空Oリングが使用されている。この金属中空
Oリングは、例えば、シール扉、管継手部などのフラン
ジ部に形成されたOリング溝に装着して、両端フランジ
部を相互に締付けることによってシールするものであ
り、図18に示すように、中空リング状に成形された金
属外被102内にリング状の弾性部材としての金属コイ
ルスプリング101等を内在させたタイプの金属中空O
リング103が原子力機器用等として多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな金属中空ガスケットでは、シールに必要な締付力が
高く、どうしても装置が大型化してしまう。また、従来
の金属ガスケットでは、いったん締め付けてガスケット
が変形してしまった後は、元の形状に戻らないために、
繰り返しの使用ができないため、シール扉などの繰り返
し開閉使用する部位に適用するには不向きである。
【0004】このため、従来より、Ni−Ti、Cu−
Zn、Cu−Sn系合金などの形状記憶効果を示す金属
材料(以下、「形状記憶合金」と言う)を用いて、使用
前の形状に回復させることによって、繰り返しの使用を
可能とする技術が種々提案されている。しかしながら、
このような形状記憶合金は、表面硬度が高く、シールに
必要ないわゆる「なじみ性」を得るには過大な締付力が
必要になる。
【0005】そのため、特開昭59−11371号公報
に開示されるように、形状記憶合金を用いてコイルバネ
として、このバネの少なくとも一部分を覆い部材で取り
囲んだ構成のガスケットが提案されている。
【0006】しかしながら、このガスケットでは、バネ
を加熱して変形前の元の形状に回復させるためには、温
水などの加熱手段によって、フランジなどのシール部分
全体を加熱しなければならず、温水通路をフランジなど
のシール部分に設けなければならないため、装置が大型
化するとともに、複雑な制御が必要となる。
【0007】本発明は、このような現状に鑑み、気密に
必要な応力が簡単に得られてシール性が良好で、しか
も、繰り返し使用の可能な金属中空0リングを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するために発明
なされたものであって、本発明の金属中空0リングは、
周方向に連続した開口部が形成され、横断面が略C字形
状を有する周方向に連続した金属外被と、この金属外被
の内部に収容され、この金属外被の弾力性を向上させる
金属弾性部材とから成る金属中空Oリングにおいて、前
記金属弾性部材を形状記憶合金から構成するとともに、
シール扉、管継手部などのシール部分に装着し締め付け
変形させた後に、前記金属弾性部材に通電することによ
り加熱して、元の形状に回復させることによってシール
力を増大させるようにしたことを特徴とする。
【0009】このように構成することにより、金属中空
OリングをOリング溝に装着して、フランジなどのシー
ル部分を相互に締付けた後、金属弾性部材に所定の電流
を通電するだけで、金属弾性部材を発熱させて加熱し
て、元の形状に回復することができる。そのため、金属
弾性部材の形状回復効果によって金属中空Oリングの反
発力が高くなり、気密を得るために必要な締付応力が得
られ、シール性が増大する。従って、初期の締付力は低
くてすみ、かつ加熱作業が通電だけであるので、その制
御が容易で、遠隔操作なども可能であり、簡単な構造で
よいため装置のコンパクト化が可能であり、しかも、繰
り返しの使用が可能である。
【0010】また、本発明の金属中空Oリングは、前記
金属外被と金属弾性部材との間に絶縁層を設けたことを
特徴とする。
【0011】このように、金属外被と金属弾性部材との
間に絶縁層を設けることによって、金属弾性部材のみに
通電して加熱することができるため、通電効率が向上す
るとともに、フランジなどへ電流が漏洩して制御機器な
どの誤作動などが発生するのを防止することができる。
【0012】さらに、前記金属外被と金属弾性部材との
間に金属内被を介装した構成としてもよい。すなわち、
アルミニウム、銅、銀などの比較的軟質の軟質金属材で
金属外被を構成し、SUSなどのステンレス鋼、ニッケ
ル、タンタルなど比較的硬質な金属材を金属内被とすれ
ば、軟質金属からなる金属外被によって、被シール部材
の金属のシール面との良好ななじみ性を付与し、安定し
たシール性を実現でき、硬質金属から金属内被によっ
て、コイルスプリングなどの金属弾性部材のくい込みを
抑制し、それによりコイルスプリングのピッチ間におけ
る応力低下を防止し、確実にコイルスプリングの反発力
を表面層に伝えることができる。
【0013】この場合には、前記金属内被と金属弾性部
材との間に絶縁層を設けても、金属外被と金属内被との
間に絶縁層を設けてもよく、また、前記金属内被と金属
弾性部材との間、ならびに前記金属外被と金属内被との
間の両方にそれぞれ絶縁層を設けてもよい。
【0014】さらに、低真空用途などのようなガス流体
の透過や耐放射線性が無視できる場合には、金属外被の
外面に絶縁層を設けてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(実施
例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の金属中空Oリングの第1
の実施例の要部断面図、図2は、図1の実施例の金属中
空Oリングの取付状態を示す要部断面図、図3は、図2
の金属中空Oリングに通電する前の状態を模式的に示す
断面図、図4は、図2の金属中空Oリングに通電した状
態を模式的に示す断面図である。
【0017】図1に示したように、本発明に係る金属中
空Oリング10は、周方向に連続した開口部11が形成
され、横断面が略C字形状を有する周方向に連続した金
属製の金属外被12とこの金属外被12の内部に収容さ
れる弾性部材13としての金属コイルスプリングとを備
えている。
【0018】金属外被12は、軟質金属材で断面略C字
形状に成形され、軟質金属材としてアルミニウム、銅、
銀などの比較的軟質の金属材を選択する。金属製であれ
ば、放射線により劣化することなく、耐熱性ないし耐腐
食性に優れているからである。また、このように表面層
側に軟質金属材を配置するのは、フランジなどのOリン
グ溝や相手金属のシール面に良好ななじみ性を付与し、
安定したシール性を実現するためであり、金属外被の厚
さは、0.05〜1.00mmとするのが好ましい。
【0019】金属外被内に収容される弾性部材13とし
ては、図1に示すような断面円形の金属製コイルスプリ
ングが好ましい。金属製であれば、放射線により劣化す
ることなく、耐熱性ないし耐腐食性に優れているからで
ある。
【0020】そして、本発明では、この弾性部材13
に、形状記憶合金を用いている。形状記憶合金として
は、Ni−Ti、Cu−Zn、Cu−Sn系合金などの
形状記憶効果を示す金属材料、例えば、Ni−Ti系合
金、などのように、熱弾性型マルテンサイト変態をする
合金を使用することができる。このような形状記憶合金
は、母相状態で冷却されることによって、マルテンサイ
ト相になり、逆に、マルテンサイト相状態で変態点温度
(Af点)以上に加熱すれば、母相状態になる性質を有
している。すなわち、母相状態で、例えば、断面円形形
状を記憶させた後、変態点以下に冷却してマルテンサイ
ト相状態とし、この状態で変形させて、断面楕円形とし
た後、変態点温度(Af点)以上に加熱すれば、母相状
態に戻り、元の形状に回復しようとする形状記憶効果
(超弾性)を有するものである。
【0021】そして、再度、変態点温度(Af点)以下
に冷却しても、マルテンサイト相状態で記憶された変形
状態、すなわち、楕円形状に戻らないものを、一方向性
形状記憶合金と言い、本発明では、このような一方向性
形状記憶合金を用いるのが好ましい。
【0022】従って、本発明ではこの形状記憶合金の形
状記憶効果を利用して、予め、変態点温度(Af点)以
上の母相状態で、金属弾性部材13の形状として、例え
ば、断面円形形状を記憶させた後、変態点以下に冷却し
てマルテンサイト相状態とする。この状態で、フランジ
などのシール部分のOリング溝に装着して、フランジな
どのシール部分を相互に締付けて変形させて断面楕円形
とした後、変態点温度(Af点)以上に加熱して、母相
状態の元の形状に戻ろうとする復元力を用いて、金属中
空Oリングの反発力を高くして、気密を得るために必要
な締付応力を得て、シール性を増大するようにしてい
る。このため、本発明の金属中空Oリングでは、図1に
示したように、金属弾性部材13に導電線14を電気的
に接続して通電して金属弾性部材を加熱するようにして
いる。
【0023】具体的には、図2に示したように、核融合
実験炉の炉外搬出装置などのシール扉などのシール部分
において、搬出装置本体16のフランジ17の端部に形
成されたOリング溝18内に、本発明の金属中空Oリン
グ10を装着する。なお、金属中空Oリング10は、予
め、変態点温度(Af点)以上の母相状態で、金属弾性
部材13の断面円形形状を記憶させた後冷却して、マル
テンサイト相状態に戻している。
【0024】そして、シール扉19を、図示しないボル
トなどの締め付け手段で、フランジ17に対して締め付
ける。この状態では、図3に示したように、金属中空O
リング10全体が、断面楕円形状に押し潰されて変形
し、フランジ17内部に配設された導電線14、15の
Oリング溝18内に露出した電気端子14a、15a
が、金属弾性部材13に接触して電気的に導通されるよ
うになっている。そして、この状態で、図示しない電源
から導電線14、15に電流を流して、金属弾性部材1
3に所定の大きさの電流を通電することにより、金属弾
性部材13を変態点温度(Af点)以上に加熱する。こ
れにより、金属弾性部材13が元の断面円形形状に回復
させることによって、図4に示したように、締付応力F
が、図3の通電前の締付応力fに比較して大きくなり、
気密を得るために必要な締付応力が得られるようになっ
ている。
【0025】なお、本実施例では、導電線14、15を
金属弾性部材13の対向する位置に接続するように設け
たが、図5に示したように、発熱効率は低くなるが、金
属弾性部材13の相互に近接する位置に設けてもかまわ
ない。また、本実施例では、金属中空Oリング10が変
形した際に、金属弾性部材13が導電線14、15の電
気端子14a、15aと電気的に接触するようにした
が、金属弾性部材13自体に導電線を接続しておいて、
この導電線を電気端子14a、15aに接続して、常に
電気的に導通を確保するようにしてもよい。さらに、図
1に示したように、金属弾性部材13に導電線14、1
5を直接接続することも勿論可能である。
【0026】また、金属外被12内に収容される金属弾
性部材13としては断面円形のコイルスプリングに限ら
ず、その他の断面形状のコイルスプリングであっても良
いし、またはコイルスプリング以外の金属弾性部材13
であっても良い。このようなコイルスプリング等の金属
弾性部材13が金属外被12の内周側に圧接するので、
金属外被12の弾力性を向上させることが可能となる。
【0027】図6は、本発明の金属中空Oリングの第2
の実施例の要部断面図である。
【0028】この実施例の金属中空Oリングは、図1に
示した実施例の金属中空Oリングと基本的には同様な構
成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して
いる。この実施例の金属中空Oリング10では、第1の
実施例の金属中空Oリングにおいて、金属外被12と金
属弾性部材13との間に絶縁層20を設けた点が相違す
る。
【0029】この場合、絶縁層20としては、ポリイミ
ド樹脂、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)等の絶縁性
のある樹脂を、金属外被12の内面または金属弾性部材
13の外面に塗設して樹脂コーティングを施して、絶縁
層20を設ける。また、ポリイミド樹脂、PTFEなど
の絶縁フィルム、クラフト紙などの絶縁紙を金属外被1
2と金属弾性部材13との間に挿入して、絶縁層20を
設けてもよい。なお、これらの絶縁樹脂コーティング、
絶縁フィルム、絶縁紙の厚さは、電気絶縁を得るために
必要最低限の厚さでよく、逆に、厚すぎれば応力緩和の
原因となり、シール性が確保されないことになるので、
0.5〜100μm、好ましくは、5〜50μmとする
のが望ましい。
【0030】このように、金属外被と金属弾性部材との
間に絶縁層を設けることによって、金属弾性部材のみに
通電して加熱することができるため、通電効率が向上す
るとともに、フランジなどへ電流が漏洩して制御機器な
どの誤作動などが発生するのを防止することができる。
【0031】図7は、本発明の金属中空Oリングの第3
の実施例の要部断面図である。
【0032】この実施例の金属中空Oリングは、図1に
示した実施例の金属中空Oリングと基本的には同様な構
成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して
いる。この実施例の金属中空Oリング10では、第1の
実施例の金属中空Oリングにおいて、金属外被12の外
面に絶縁層21を設けている。
【0033】なお、絶縁層21については、図6に示し
た実施例の絶縁層20とその材料など同様であるのでそ
の説明は省略する。
【0034】この実施例の金属中空Oリングでは、低真
空用途などのガス流体の透過や耐放射線性が無視できる
場合に用いられるものであり、金属外被12の外面に金
属外被よりも軟質な絶縁層21を設けることによって、
なじみをよくし、シール性を向上させる効果がある。
【0035】図8は、本発明の金属中空Oリングの第4
の実施例の要部断面図である。
【0036】この実施例の金属中空Oリングは、図1に
示した実施例の金属中空Oリングと基本的には同様な構
成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して
いる。この実施例の金属中空Oリング10では、第1の
実施例の金属中空Oリングにおいて、金属外被12と金
属弾性部材13との間に、さらに金属内被22を介装し
てある点が相違する。
【0037】すなわち、アルミニウム、銅、銀などの比
較的軟質の軟質金属材で金属外被12を構成し、SUS
などのステンレス鋼、ニッケル、タンタルなど比較的硬
質な金属材を金属内被22とすれば、軟質金属からなる
金属外被12によって、被シール部材の金属のシール面
との良好ななじみ性を付与し、安定したシール性を実現
でき、硬質金属からなる金属内被21によって、コイル
スプリングなどの金属弾性部材13のくい込みを抑制
し、それによりコイルスプリングのピッチ間における応
力低下を防止し、確実にコイルスプリングの反発力を表
面層に伝えることができるため、締付応力が大きくな
り、シール性がより向上することになる。
【0038】なお、金属内被21の厚さは、弾性部材の
くい込みを考慮すれば、0.05〜1.00mmとする
のが好ましい。
【0039】この場合、軟質金属からなる金属外被12
と硬質金属から金属内被22とを積層してなる金属クラ
ッド材で構成しても良い。金属クラッド材とは地金の表
または裏に被覆金属板を密着させ、高温圧延して成形さ
れる2種以上の金属複合体であり、この金属複合体の異
種金属材料が金属結合で一体化しているものであり、金
属中空Oリングを製造するのが容易となる。また、クラ
ッド材としては、上述したように、通常2層のクラッド
材(シングルオーバーレイ)を使用するのがこの他に3
層(ダブルオーバーレイ)またはこれ以上の層で複合し
ていてもよい。ただし、この場合、最表面層側の金属材
は、裏面層側の金属材の少なくとも1層より軟質金属で
あることを条件とする。
【0040】この場合、図6に示した実施例のように、
金属内被22と金属弾性部材13との間に絶縁層23を
設けてもよい(図9参照)。また、図10に示したよう
に、金属外被12と金属内被22との間に絶縁層24を
設けてもよく、この場合には、絶縁層24が金属弾性部
材13と接触していないので、繰り返しの使用によって
金属弾性部材13との接触によって、絶縁層が剥離する
などして劣化して電気絶縁性が低下することがない。さ
らに、図11に示したように、金属内被22と金属弾性
部材13との間、ならびに金属外被12と金属内被22
との間の両方にそれぞれ絶縁層23,24を設けてもよ
く、この場合には、二重の絶縁が確保されることにな
り、繰り返し使用によって、絶縁層23の絶縁性が低下
したとしても、絶縁層24で絶縁性が確保されることに
なる。
【0041】なお、この場合、図12〜図15に示した
ように、図7の実施例と同様に、金属外被12の外面に
絶縁層25を設けてもよい。
【0042】
【実施例】図8に示した実施例のように、金属外被12
として、厚さ0.5mmのアルミニウム、金属内被22
として、厚さ0.3mmのステンレス鋼(SUS30
4)、金属弾性材13として、Ni−Ti合金(Ni5
4〜56,Ti残Bal)からなるコイルスプリング
(バネ線径0.6mmφ、巻径4.0)を用いて、内径
176mmφ、断面径5.6mmφの金属中空Oリング
を作製した。
【0043】なお、Ni−Ti合金のコイルスプリング
は、予め形状記憶処理を施し、形状回復温度(Af点)
を80℃に調整した。
【0044】このように構成される本発明の金属中空0
リングについて、高さ4.5mmの溝(歪量)を締め切
るために必要な締付力について測定した。
【0045】図16に示した圧縮復元曲線からわかるよ
うに、Af点以下に加熱した場合、必要な締付力は、1
30kN/mであり、その時の漏洩量は、10-7Pa・
3/sであったのに対して、Af点以上に加熱した場
合、溝締切応力は190kN/mであり、その時の漏洩
量は、ヘリウムリークディテクターの検出感度である1
-2Pa・m3/s以下の漏洩量であった。
【0046】また、図17に示した電流値とバネ温度お
よび通電時間の関係から明らかように、900mAの電
流を通電することによって、4分間でAf点以上に達し
た。すなわち、本実施例の金属中空Oリングを溝内に装
着して締め切った後、所定の電流を通電することによっ
て、気密を得ることができる締付応力を発生することが
できた。なお、この電流値は、Oリング寸法、バネ線径
等により異なり、また事前の形状記憶処理時のAf点の
調整によって調整することが可能である。
【0047】さらに、本実施例の金属中空Oリングを用
いて、応力0〜溝締切応力での100サイクルのシール
試験を実施したところ、Af点以上に加熱した場合、安
定したシール性能を示し、繰り返し使用が可能であるこ
とが確認された。
【0048】
【発明の効果】本発明の金属中空Oリングによれば、金
属中空OリングをOリング溝に装着して、フランジなど
のシール部分を相互に締付けた後、金属弾性部材に所定
の電流を通電するだけで、金属弾性部材を発熱させて加
熱して、元の形状に回復することができる。そのため、
金属弾性部材の形状回復効果によって金属中空Oリング
の反発力が高くなり、気密を得るために必要な締付応力
が得られ、シール性が増大する。従って、初期の締付力
は低くてすみ、また加熱作業が通電だけであるので、そ
の制御が容易で、遠隔操作なども可能であり、簡単な構
造でよいため装置のコンパクト化が可能であり、しか
も、繰り返しの使用が可能である。
【0049】従って、本発明の金属中空Oリングは、例
えば、原子力機器関連のシール扉、管継手などのシール
部分のシール用として、また、その他の超真空機器など
の、厳しい条件下で、気密が要求されるシールなどに用
いるのに適している等極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の金属中空Oリングの第1の実
施例の要部断面図である。
【図2】図2は、図1の実施例の金属中空Oリングの取
付状態を示す要部断面図である。
【図3】図3は、図2の金属中空Oリングに通電する前
の状態を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、図2の金属中空Oリングに通電した状
態を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の金属中空Oリングの導電線の
配置状態を説明する概略平面図である。
【図6】図6は、本発明の金属中空Oリングの第2の実
施例の要部断面図である。
【図7】図7は、本発明の金属中空Oリングの第3の実
施例の要部断面図である。
【図8】図8は、本発明の金属中空Oリングの第4の実
施例の要部断面図である。
【図9】図9は、本発明の金属中空Oリングの別の実施
例の要部断面図である。
【図10】図10は、本発明の金属中空Oリングの別の
実施例の要部断面図である。
【図11】図11は、本発明の金属中空Oリングの別の
実施例の要部断面図である。
【図12】図12は、本発明の金属中空Oリングの別の
実施例の要部断面図である。
【図13】図13は、本発明の金属中空Oリングの別の
実施例の要部断面図である。
【図14】図14は、本発明の金属中空Oリングの別の
実施例の要部断面図である。
【図15】図15は、本発明の金属中空Oリングの別の
実施例の要部断面図である。
【図16】図16は、本発明の金属中空0リングについ
ての圧縮復元曲線を示すグラフである。
【図17】図17は、本発明の金属中空0リングについ
ての電流値とバネ温度および通電時間の関係を示すグラ
フである。
【図18】図18は、従来の金属中空Oリングの要部断
面図である。
【符号の説明】
10・・・・金属中空Oリング 12・・・・金属外被 13・・・・弾性部材 14、15・・・・導電線 18・・・・Oリング溝 20、21、23、24、25・・・・絶縁層 22・・・・金属内被
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多 田 栄 介 茨城県那珂郡東海村白方字白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 野々垣 肇 大阪府八尾市安中町5−5−5 日本バル カー工業株式会社シール事業部研究開発部 内 (72)発明者 朝比奈 稔 大阪府八尾市安中町5−5−5 日本バル カー工業株式会社シール事業部研究開発部 内 Fターム(参考) 3J040 AA17 BA02 BA05 HA15 HA22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に連続した開口部が形成され、横
    断面が略C字形状を有する周方向に連続した金属外被
    と、この金属外被の内部に収容され、この金属外被の弾
    力性を向上させる金属弾性部材とから成る金属中空Oリ
    ングにおいて、 前記金属弾性部材を形状記憶合金から構成するととも
    に、シール扉、管継手部などのシール部分に装着し低い
    締付力により締め付け変形させた後に、前記金属弾性部
    材に通電することにより加熱して、元の形状に回復させ
    ることによってシール力を増大させるようにしたことを
    特徴とする金属中空Oリング。
  2. 【請求項2】 前記金属外被と金属弾性部材との間に絶
    縁層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の金属中
    空Oリング。
  3. 【請求項3】 前記金属外被の外面に絶縁層を設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の金属
    中空Oリング。
  4. 【請求項4】 前記金属外被と金属弾性部材との間に金
    属内被を介装したことを特徴とする請求項1に記載の金
    属中空Oリング。
  5. 【請求項5】 前記金属内被と金属弾性部材との間に絶
    縁層を設けたことを特徴とする請求項4に記載の金属中
    空Oリング。
  6. 【請求項6】 前記金属外被と金属内被との間に絶縁層
    を設けたことを特徴とする請求項4に記載の金属中空O
    リング。
  7. 【請求項7】 前記金属内被と金属弾性部材との間、な
    らびに前記金属外被と金属内被との間にそれぞれ絶縁層
    を設けたことを特徴とする請求項4に記載の金属中空O
    リング。
  8. 【請求項8】 前記金属外被の外面に絶縁層を設けたこ
    とを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の金属
    中空Oリング。
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