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JP2000244743A - フィルタバンク構成方法及びフィルタバンク装置 - Google Patents

フィルタバンク構成方法及びフィルタバンク装置

Info

Publication number
JP2000244743A
JP2000244743A JP4555699A JP4555699A JP2000244743A JP 2000244743 A JP2000244743 A JP 2000244743A JP 4555699 A JP4555699 A JP 4555699A JP 4555699 A JP4555699 A JP 4555699A JP 2000244743 A JP2000244743 A JP 2000244743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
signal
pass
low
filter means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4555699A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Fukuhara
隆浩 福原
Seiji Kimura
青司 木村
Hitoshi Takaya
仁志 貴家
Hiroyuki Kobayashi
弘幸 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP4555699A priority Critical patent/JP2000244743A/ja
Priority to US09/457,822 priority patent/US6553396B1/en
Publication of JP2000244743A publication Critical patent/JP2000244743A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/0248Filters characterised by a particular frequency response or filtering method
    • H03H17/0264Filter sets with mutual related characteristics
    • H03H17/0266Filter banks

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な画像信号を効率よく帯域分割すること
が可能であるフィルタバンクを効率的に構成する。 【解決手段】 2分割分析フィルタバンク10において
は、ステップS1において、フィルタ係数の次数が奇数
でありかつインパルス応答が偶対称性を有する直線位相
ローパスフィルタ(H1’(z))を決定し、ステップ
S2において、決定したH1’(z)を用いて、ハイパ
ス分析フィルタ(H1(z))を決定する。続いて、2
分割分析フィルタバンク10においては、ローパス分析
フィルタ(H0(z))の次数Jを決定し、ステップS
4において、直線位相特性を有する直線位相フィルタf
(z)の係数を決定する。そして、2分割分析フィルタ
バンク10においては、ステップS5において、H
1(z)と、f(z)と、H0(z)の初期解H0
(z)とを用いて、H0(z)を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばディジタル
画像信号等のディジタル化された信号を効率的に帯域分
割するフィルタバンクを構成するフィルタバンク構成方
法及びこのフィルタバンク構成方法により構成されるフ
ィルタバンク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な画像圧縮方式として、I
SO(International Organization for Standardizati
on)により標準化されたJPEG(Joint Photographic
Experts Group)方式がある。このJPEG方式は、そ
の変換方式にDCT(DiscreteCosine Transform;離散
コサイン変換)を用い、比較的高いビットが割り当てら
れる場合には、良好な符号化・復号化画像を供する。と
ころが、JPEG方式において、ある程度符号化ビット
数を少なくした場合には、符号化・復号化画像は、DC
T特有のブロック歪みが顕著に現れ、主観的に劣化が目
立つものになる。
【0003】このような方式とは別に、最近では、フィ
ルタバンクと呼ばれるハイパス・フィルタとローパス・
フィルタとを組み合わせたフィルタによって、画像信号
を複数の帯域に分割し、それらの帯域毎に符号化を行う
方式に関する研究が盛んに行われている。このような方
式の中でも、ウェーブレット符号化は、DCTとは異な
り、高圧縮時にブロック歪みが顕著になるという欠点が
ないことから、DCTに代わる新たな技術として有力視
されている。
【0004】現在、電子スチルカメラやビデオムービに
おいては、画像圧縮方式として、JPEGやMPEG
(Moving Picture Experts Group)といった国際標準方
式を採用しており、圧縮のキーとなる変換方式にはDC
Tを用いている。
【0005】このようなDCTをベースとした符号化方
式に代わり、ウェーブレット変換をベースとした符号化
方式の効率向上のための検討が、各研究機関で盛んに行
われており、現在、JPEGの後継ともいえる次世代の
静止画像圧縮方式に関する国際標準方式として、JPE
Gと同一組織であるISO/IEC/JTC1SC29
/WG1により作業が進められているJPEG−200
0がある。このJPEG−2000においては、画像圧
縮の基本である変換方式として、既存のJPEGにおけ
るDCTに代わり、ウェーブレット変換を採用すること
がほぼ決定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、ウェーブレット変換は、フィルタバンクと呼ばれ
るハイパス・フィルタとローパス・フィルタとを組み合
わせたフィルタにより画像信号を複数の帯域に分割し変
換する方式である。しかしながら、このフィルタバンク
を効率的に構成する手段は、現在のところ知られていな
い。今後、ウェーブレット変換をベースとした符号化方
式を行うためにも、様々な画像信号を効率よく帯域分割
することが可能であるフィルタバンクを構成する手段を
確立する必要性は、増大していくものと考えられ、その
ようなフィルタバンクを構成する手段に対する要求が高
まりつつある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、上述したフィルタバンクを効率的に構成
するフィルタバンク構成方法を提供することを目的とす
るものである。また、本発明は、このフィルタバンク構
成方法により構成されるフィルタバンク装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明にかかるフィルタバンク構成方法は、入力信号を
低域と高域とに分割する分割フィルタバンクを構成する
フィルタバンク構成方法であって、入力信号のうち所定
の周波数以下の周波数成分を通過する低域通過分析フィ
ルタ手段(H0(z))を、入力信号のうち所定の周波
数以上の周波数成分を通過する高域通過分析フィルタ手
段(H1(z))と、直線位相特性を有する直線位相フ
ィルタ手段(f(z))とにより決定することを特徴と
している。
【0009】このような本発明にかかるフィルタバンク
構成方法は、高域通過分析フィルタ手段と、直線位相フ
ィルタ手段とを決定することによって、低域通過分析フ
ィルタ手段を決定する。
【0010】また、上述した目的を達成する本発明にか
かるフィルタバンク構成方法は、入力信号をダウンサン
プルして得られた第1の信号(偶数成分信号)を予測フ
ィルタ手段(P(z))に入力し、入力信号をダウンサ
ンプルして得られた第2の信号(奇数成分信号)と、予
測フィルタ手段により生成した予測信号とを減算手段に
入力して差分信号を生成し、差分信号を高域成分出力信
号として出力するとともに、差分信号を更新フィルタ手
段(U(z))に入力して生成した更新信号と第1の信
号とを加算手段により加算して低域成分出力信号として
出力する分割フィルタバンクを構成するフィルタバンク
構成方法であって、予測フィルタ手段を、フィルタ係数
の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶対称性を有
する直線位相低域通過フィルタ手段(H1’(z))に
より決定し、更新フィルタ手段を、直線位相特性を有す
る直線位相フィルタ手段(f(z))により決定するこ
とを特徴としている。
【0011】このような本発明にかかるフィルタバンク
構成方法は、直線位相低域通過フィルタ手段を決定する
ことによって、予測フィルタ手段を決定するとともに、
さらに直線位相フィルタ手段を決定することによって、
更新フィルタ手段をも決定する。
【0012】さらに、上述した目的を達成する本発明に
かかるフィルタバンク構成方法は、原信号のうち所定の
周波数以下の周波数成分を通過する低域通過分析フィル
タ手段(H0(z))と、原信号のうち所定の周波数以
上の周波数成分を通過する高域通過分析フィルタ手段
(H1(z))とによりそれぞれ分割された低域信号と
高域信号とを入力して合成する合成フィルタバンクを構
成するフィルタバンク構成方法であって、低域信号を入
力して所定の周波数以下の周波数成分を通過する低域通
過合成フィルタ手段(F0(z))を、高域通過分析フ
ィルタ手段により決定し、高域信号を入力して所定の周
波数以上の周波数成分を通過する高域通過合成フィルタ
手段(F1(z))を、低域通過分析フィルタ手段によ
り決定することを特徴としている。
【0013】このような本発明にかかるフィルタバンク
構成方法は、決定された高域通過分析フィルタ手段に基
づいて、低域通過合成フィルタ手段を決定するととも
に、決定された低域通過分析フィルタ手段に基づいて、
高域通過合成フィルタ手段を決定する。
【0014】さらにまた、上述した目的を達成する本発
明にかかるフィルタバンク構成方法は、原信号を分割し
て得られた低域成分出力信号と、原信号を分割して得ら
れた高域成分出力信号を更新フィルタ手段(U(z))
に入力して生成した更新信号とを減算手段に入力して差
分信号を生成し、差分信号を予測フィルタ手段(P
(z))に入力して生成した予測信号と高域成分出力信
号とを第1の加算手段により加算して得られた加算信号
と、差分信号とを第2の加算手段により加算して出力信
号として出力する合成フィルタバンクを構成するフィル
タバンク構成方法であって、予測フィルタ手段を、フィ
ルタ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶対
称性を有する直線位相低域通過フィルタ手段(H1
(z))により決定し、更新フィルタ手段を、直線位相
特性を有する直線位相フィルタ手段(f(z))により
決定することを特徴としている。
【0015】このような本発明にかかるフィルタバンク
構成方法は、直線位相低域通過フィルタ手段を決定する
ことによって、予測フィルタ手段を決定するとともに、
さらに直線位相フィルタ手段を決定することによって、
更新フィルタ手段をも決定する。
【0016】また、上述した目的を達成する本発明にか
かるフィルタバンク装置は、入力信号を低域と高域とに
分割するフィルタバンク装置であって、入力信号のうち
所定の周波数以下の周波数成分を通過する低域通過分析
フィルタ手段(H0(z))と、入力信号のうち所定の
周波数以上の周波数成分を通過する高域通過分析フィル
タ手段(H1(z))とを備え、低域通過分析フィルタ
手段は、高域通過分析フィルタ手段と、直線位相特性を
有する直線位相フィルタ手段(f(z))とにより決定
されることを特徴としている。
【0017】このように構成された本発明にかかるフィ
ルタバンク装置は、高域通過分析フィルタ手段と直線位
相フィルタ手段とにより決定された低域通過分析フィル
タ手段を備える。
【0018】さらに、上述した目的を達成する本発明に
かかるフィルタバンク装置は、入力信号を低域と高域と
に分割するフィルタバンク装置であって、入力信号をダ
ウンサンプルして得られた第1の信号(偶数成分信号)
を入力して予測信号を生成する予測フィルタ手段(P
(z))と、入力信号をダウンサンプルして得られた第
2の信号(奇数成分信号)と予測信号とを入力して差分
信号を生成する減算手段と、差分信号を入力して更新信
号を生成する更新フィルタ手段(U(z))と、更新信
号と第1の信号とを加算する加算手段とを備え、予測フ
ィルタ手段は、フィルタ係数の次数が奇数でありかつイ
ンパルス応答が偶対称性を有する直線位相低域通過フィ
ルタ手段(H1’(z))により決定され、更新フィル
タ手段は、直線位相特性を有する直線位相フィルタ手段
(f(z))により決定されることを特徴としている。
【0019】このように構成された本発明にかかるフィ
ルタバンク装置は、直線位相低域通過フィルタ手段によ
り決定された予測フィルタ手段と、直線位相フィルタ手
段により決定された更新フィルタ手段とを備える。
【0020】さらにまた、上述した目的を達成する本発
明にかかるフィルタバンク装置は、原信号のうち所定の
周波数以下の周波数成分を通過する低域通過分析フィル
タ手段(H0(z))と、原信号のうち所定の周波数以
上の周波数成分を通過する高域通過分析フィルタ手段
(H1(z))とによりそれぞれ分割された低域信号と
高域信号とを入力して合成するフィルタバンク装置であ
って、低域信号を入力して所定の周波数以下の周波数成
分を通過する低域通過合成フィルタ手段(F0(z))
と、高域信号を入力して所定の周波数以上の周波数成分
を通過する高域通過合成フィルタ手段(F1(z))
と、低域通過合成フィルタ手段と高域通過合成フィルタ
手段とをそれぞれ通過した信号を加算する加算手段とを
備え、低域通過合成フィルタ手段は、高域通過分析フィ
ルタ手段により決定され、高域通過合成フィルタ手段
は、低域通過分析フィルタ手段により決定されることを
特徴としている。
【0021】このように構成された本発明にかかるフィ
ルタバンク装置は、高域通過分析フィルタ手段に基づい
て決定された低域通過合成フィルタ手段と、低域通過分
析フィルタ手段に基づいて決定された高域通過合成フィ
ルタ手段とを備える。
【0022】また、上述した目的を達成する本発明にか
かるフィルタバンク装置は、原信号を分割して得られた
低域成分出力信号と高域成分出力信号とを入力して合成
するフィルタバンク装置であって、高域成分出力信号を
入力して更新信号を生成する更新フィルタ手段(U
(z))と、低域成分出力信号と更新信号とを入力して
差分信号を生成する減算手段と、差分信号を入力して予
測信号を生成する予測フィルタ手段(P(z))と、予
測信号と高域成分出力信号とを入力して加算信号を生成
する第1の加算手段と、加算信号と差分信号とを入力し
て加算する第2の加算手段とを備え、予測フィルタ手段
は、フィルタ係数の次数が奇数でありかつインパルス応
答が偶対称性を有する直線位相低域通過フィルタ手段
(H1’(z))により決定され、更新フィルタ手段
は、直線位相特性を有する直線位相フィルタ手段(f
(z))により決定されることを特徴としている。
【0023】このように構成された本発明にかかるフィ
ルタバンク装置は、直線位相低域通過フィルタ手段によ
り決定された予測フィルタ手段と、直線位相フィルタ手
段により決定された更新フィルタ手段とを備える。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0025】本発明を適用した実施の形態は、ウェーブ
レット変換を用いて、画像信号を複数の帯域に分割して
変換する帯域分割フィルタバンクに適用したものであ
る。この具体的な説明を行う前に、まず、一般的な帯域
分割フィルタバンクに関する説明を行う。
【0026】最も代表的な帯域分割フィルタバンクとし
ては、例えば、“貴家仁志著,マルチレート信号処理,
昭晃堂”に概略が記載されている2分割フィルタバンク
がある。この2分割フィルタバンクには、図1に示すよ
うに、2分割分析フィルタバンク10と2分割合成フィ
ルタバンク20とがある。
【0027】2分割分析フィルタバンク10は、入力信
号X(z)のうち所定の周波数以下の周波数成分を通過
させる低域通過分析フィルタ手段であるローパス分析フ
ィルタ(H0(z))11と、入力信号X(z)のうち
所定の周波数以上の周波数成分を通過させる高域通過分
析フィルタ手段であるハイパス分析フィルタ(H
1(z))12と、ローパス分析フィルタ11を通過し
た低域信号を2分の1倍にダウンサンプルする第1のダ
ウンサンプル手段であるダウンサンプラ13と、ハイパ
ス分析フィルタ12を通過した高域信号を2分の1倍に
ダウンサンプルする第2のダウンサンプル手段であるダ
ウンサンプラ14とを備える。
【0028】この2分割分析フィルタバンク10は、入
力信号X(z)の帯域を高域と低域とに分割し、2分の
1倍にダウンサンプルしたダウンサンプル低域信号及び
ダウンサンプル高域信号を出力する。
【0029】一方、2分割合成フィルタバンク20は、
2分割分析フィルタバンク10に対応した各部を備え
る。すなわち、2分割合成フィルタバンク20は、ダウ
ンサンプル低域信号を入力して2倍にアップサンプルす
る第1のアップサンプル手段であるアップサンプラ21
と、ダウンサンプル高域信号を入力して2倍にアップサ
ンプルする第2のアップサンプル手段であるアップサン
プラ22と、アップサンプラ21を通過したアップサン
プル低域信号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通
過させる低域通過合成フィルタ手段であるローパス合成
フィルタ(F0(z))23と、アップサンプラ22を
通過したアップサンプル高域信号のうち所定の周波数以
上の周波数成分を通過させる高域通過合成フィルタ手段
であるハイパス合成フィルタ(F1(z))24と、ロ
ーパス合成フィルタ23を通過したローパス合成フィル
タ処理信号と、ハイパス合成フィルタ24を通過したハ
イパス合成フィルタ処理信号とを加算する加算手段であ
る加算器25とを備える。
【0030】この2分割合成フィルタバンク20は、例
えば2分割分析フィルタバンク10により分割されて得
られたダウンサンプル低域信号及びダウンサンプル高域
信号を、再び元の入力信号X(z)と等価な出力信号Y
(z)を復元する機能を有する。このときの信号の入出
力関係は、次式(1)のように表される。
【0031】 Y(z)=1/2[H0(z)F0(z)+H1(z)F1(z)]X(z)+1/2[H0(-z)F0(z)+H1(-z)F1(z)]X(-z) …(1)
【0032】また、帯域分割フィルタバンクは、2分割
フィルタバンクを用いて、画像信号を2帯域以上の多数
の帯域に分割することもできる。このようなフィルタバ
ンクとしては、例えば、図2(A)に示すように、2分
割フィルタバンクを2ステージ分用いて、低域をツリー
状に分割した分析フィルタバンク30がある。
【0033】この分析フィルタバンク30は、入力信号
X(z)のうち所定の周波数以下の周波数成分を通過さ
せるローパス分析フィルタ(H(z))31と、入力
信号X(z)のうち所定の周波数以上の周波数成分を通
過させるハイパス分析フィルタ(H1(z))32と、
これらのローパス分析フィルタ31及びハイパス分析フ
ィルタ32をそれぞれ通過した低域信号及び高域信号
を、2分の1倍にダウンサンプルするダウンサンプラ3
3,34と、ダウンサンプラ33を通過したダウンサン
プル低域信号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通
過させるローパス分析フィルタ(H0(z))35と、
ダウンサンプラ33を通過したダウンサンプル低域信号
のうち所定の周波数以上の周波数成分を通過させるハイ
パス分析フィルタ(H1(z))36と、これらのロー
パス分析フィルタ35及びハイパス分析フィルタ36を
それぞれ通過した低域信号及び高域信号を、2分の1倍
にダウンサンプルするダウンサンプラ37,38とを備
える。
【0034】この分析フィルタバンク30は、入力信号
X(z)の帯域を高域と低域とに分割し、2分の1倍に
ダウンサンプルして得たダウンサンプル低域信号及びダ
ウンサンプル高域信号のうち、ダウンサンプル高域信号
を出力する。また、分析フィルタバンク30は、2分の
1倍にダウンサンプルされたダウンサンプル低域信号の
帯域をさらに高域と低域とに分割し、4分の1倍にダウ
ンサンプルしたダウンサンプル低域信号及びダウンサン
プル高域信号を出力する。
【0035】このようなツリー構造を有する分析フィル
タバンク30は、同図(B)に示すような並列フィルタ
バンク40を用いて、等価構成を表現することができ
る。
【0036】この並列フィルタバンク40は、入力信号
X(z)のうち所定領域の周波数成分を通過させるフィ
ルタ41,42,43(S(z),W1(z),W
2(z))と、フィルタ41,42のそれぞれからの出
力信号を、4分の1倍にダウンサンプルするダウンサン
プラ44,45と、フィルタ43からの出力信号を、2
分の1倍にダウンサンプルするダウンサンプラ46とを
備える。
【0037】分析フィルタバンク30は、このような並
列フィルタバンク40を用いた等価構成によっても表現
できることから、S(z),W1(z),W2(z)は、
それぞれ、次式(2),(3),(4)のように表現す
ることができる。
【0038】S(z)=H0(z)H0(z2) …(2) W1(z)=H0(z)H1(z2) …(3) W2(z)=H1(z) …(4) ここで、分析フィルタバンク30における最も低域のパ
スは、スケーリング関数に相当するフィルタとなり、そ
れ以外のパスは、ウェーブレット関数に相当するフィル
タとなる。
【0039】つぎに、帯域分割フィルタバンクを構成す
る上で重要となる完全再合成条件について説明する。
【0040】上述した著書にも記載されているように、
フィルタバンクの応用例である帯域分割符号化において
は、信号を帯域分割すると同時に、帯域分割された信号
から元の信号を再構成・復元することが可能なフィルタ
バンクを必要とする。
【0041】この完全再合成条件は、次式(5),
(6)で表すことができる。
【0042】H0(-z)F0(z)+H1(-z)F1(z)=0 …(5) H0(z)F0(z)+H1(z)F1(z)=2z-L …(6)
【0043】ここで、次式(7),(8)が上式(5)
を満たすことを利用する。
【0044】F(z)=H(−z) …(7) F1(z)=-H0(-z) …(8)
【0045】これらの式(7),(8)を上式(6)に
代入すると、次式(9)が得られる。
【0046】H0(z)H1(-z)-H1(z)H0(-z)=2z-L …(9)
【0047】このように、完全再合成条件は、H
0(z),H1(z)のみの関数で表すことができる。こ
こで、先に図1に示した2分割フィルタバンクが完全再
合成条件を満たす場合について考える。まず、上式
(5),(6)を上式(1)に代入すると、次式(1
0)が得られる。
【0048】 Y(z)=1/2[H0(z)H1(-z)-H1(z)H0(-z)]X(z) …(10)
【0049】そして、上式(10)に上式(9)を代入
すると、次式(11)が得られる。
【0050】Y(z)=z-LX(z) …(11)
【0051】すなわち、先に図1に示した2分割フィル
タバンクが完全再合成条件を満たす場合には、システム
として単なる遅延となることがわかる。このようなフィ
ルタバンクを完全再合成フィルタバンクという。
【0052】以上で、帯域分割フィルタバンクに関する
一般的な説明を終了し、本発明の具体的な説明を行う。
【0053】まず、本発明を適用した第1の実施の形態
としては、先に図1に示した2分割フィルタバンクにお
ける2分割分析フィルタバンク10を決定するための処
理について説明する。この2分割分析フィルタバンク1
0を決定することは、ローパス分析フィルタ(H
0(z))11と、ハイパス分析フィルタ(H1(z))
12とを決定することである。これらのローパス分析フ
ィルタ(H0(z))11及びハイパス分析フィルタ
(H1(z))12は、図3に示すような一連の処理に
より決定される。
【0054】まず、2分割分析フィルタバンク10にお
いては、同図に示すように、ステップS1において、ハ
ーフバンド・ハイパスフィルタであるハイパス分析フィ
ルタ(H1(z))12を決定するために、直線位相低
域通過フィルタ手段である直線位相ローパスフィルタ
(H1’(z))を決定する。
【0055】ここで、直線位相フィルタ及びハーフバン
ド・フィルタに関する説明を簡単に行う。
【0056】まず、直線位相フィルタについて説明す
る。直線位相特性については、上述した著書に記載され
ているように、画像処理・圧縮やレート変換を行う場合
には直線位相特性を有するシステムを用いる必要があ
る。直線位相フィルタは、通常FIR(Finite Impulse
Response;有限長インパルス応答)フィルタによって
実現可能である。また、このFIRフィルタが直線位相
特性を有するための必要十分条件は、インパルス応答を
h(n)とすると、h(n)が図4に示す4つのケース
のいずれかに属することである。すなわち、FIRフィ
ルタが直線位相特性を有するための必要十分条件は、そ
のインパルス応答が表1に示す4つのケースのいずれか
に相当する。
【0057】
【表1】
【0058】一方、ハーフバンド・フィルタとは、図5
(A)に示すように、ω=π/2を中心に通過域と阻止
域の奇対称な特性を有するフィルタである。すなわち、
ハーフバンド・フィルタは、フィルタの伝達関数をz関
数表現したものをH(z)としたとき、次式(12)が成立
するフィルタである。
【0059】 H(z)-H(-z)=z-L (ただし、L=(N-1)/2) …(12)
【0060】ハーフバンド・フィルタにおけるインパル
ス応答h(n))は、図5(B)に示すような性質を有
する。すなわち、ハーフバンド・フィルタにおけるイン
パルス応答h(n))は、第1に、インパルス応答の個
数Nが奇数であり、かつ(N−1)/2も奇数である性
質を有する。また、ハーフバンド・フィルタにおけるイ
ンパルス応答h(n))は、第2に、n=(N−1)/
2を除き、奇数番目のh(n)は、零値である性質を有
する。
【0061】2分割分析フィルタバンク10において
は、図3中ステップS1において、このようなハーフバ
ンド・ハイパスフィルタであるハイパス分析フィルタ
(H1(z))12を決定するために、上述した直線位
相ローパスフィルタ(H1’(z))を決定する。そし
て、2分割分析フィルタバンク10においては、ステッ
プS2において、決定した直線位相ローパスフィルタ
(H1’(z))を用いて、ハイパス分析フィルタ(H1
(z))12を決定する。
【0062】2分割分析フィルタバンク10において
は、直線位相ローパスフィルタ(H1’(z))を、例
えば、次数Dを奇数、通過域端周波数を任意、阻止域端
周波数をπとして、この直線位相ローパスフィルタ(H
1’(z))からハイパス分析フィルタ(H1(z))1
2が次式(13)により導出できるものとする。
【0063】H1(z)=z-D-H1'(z2) …(13)
【0064】このとき、ハイパス分析フィルタ(H
1(z))12は、上式(13)を用いることにより直
ちに次式(14)が得られ、単なる時間遅延の表現にな
ることから、次数2Dの直線位相ハーフバンド・フィル
タの条件を満たしている。
【0065】H1(z)-H1(-z)=2z-D …(14)
【0066】また、直線位相ローパスフィルタ(H1
(z))が、ローパスフィルタであるときには、上式
(13)がハイパスフィルタの特性を示すことは自明で
ある。
【0067】このように2分割分析フィルタバンク10
においては、まず、直線位相ローパスフィルタ(H1
(z))を決定してから、ハイパス分析フィルタ(H1
(z))12を決定する。
【0068】続いて、2分割分析フィルタバンク10に
おいては、ステップS3乃至ステップS5において、得
られたハイパス分析フィルタ(H1(z))12から、
ローパス分析フィルタ(H0(z))11を導出する。
【0069】ローパス分析フィルタ(H0(z))11
は、例えば次式(15)を用いて、ハイパス分析フィル
タ(H1(z))12と、新たに設計される直線位相フ
ィルタ手段である直線位相フィルタ(f(z))と、ロ
ーパス分析フィルタ(H0(z))11の初期解H0
(z)とから決定される。
【0070】H0(z)=H0'(z)z-J+f(z)H1(z) …(15)ここ
で、初期解H0’(z)は、何でもよいが、ここでは簡
単のため、例えばH0’(z)=1とする。なお、この
初期解H0’(z)を上式(9)に代入すると、次式
(16)を満たす直線位相ローパスフィルタ(H1
(z))が存在することは自明である。
【0071】H1'(-z)-H1'(z)=2z-L …(16)
【0072】これによって、上式(15)は、次式(1
7)に変形される。
【0073】H0(z)=z-J+f(z)H1(z) …(17)
【0074】ここで、ローパス分析フィルタ(H
0(z))11と、ハイパス分析フィルタ(H1(z))
12とが、完全再合成条件を満足する直線位相フィルタ
バンクであるための第1の条件は、直線位相フィルタ
(f(z))が、2K次(K:任意の奇数)であり、先
に表1に示した場合2(次数が奇数であり、かつ偶対
称)の直線位相フィルタであることである。また、同じ
く第2の条件は、ローパス分析フィルタ(H0(z))
11の次数Jを次式(18)とすることである。
【0075】J=(2D+2K)/2 …(18)
【0076】以上のことにより、第1及び第2の条件に
適合した直線位相フィルタ(f(z))及び次数Jを決
定することによって、2分割分析フィルタバンク10に
おいては、ローパス分析フィルタ(H0(z))11を
決定することができる。すなわち、2分割分析フィルタ
バンク10においては、ステップS3において、次数J
を決定し、ステップS4において、直線位相フィルタ
(f(z))の係数を決定する。そして、2分割分析フ
ィルタバンク10においては、ステップS5において、
ハイパス分析フィルタ(H1(z))12と、直線位相
フィルタ(f(z))と、初期解H0’(z)とを用い
て、ローパス分析フィルタ(H0(z))11を決定す
る。
【0077】このような一連の処理を行うことによっ
て、2分割分析フィルタバンク10においては、ローパ
ス分析フィルタ(H0(z))11及びハイパス分析フ
ィルタ(H1(z))12が決定される。この2分割分
析フィルタバンク10は、先に図2(A)に示した分析
フィルタバンク30に用いることができる。このように
設計された分析フィルタバンク30は、低域成分を階層
的に2分割フィルタリングすることによって、ウェーブ
レット分割を行うことができる。
【0078】一方、2分割フィルタバンクにおけるエン
コード側である2分割分析フィルタバンク10に対応す
るデコード側である2分割合成フィルタバンク20は、
2分割分析フィルタバンク10が決定されることによっ
て、自動的に決定される。
【0079】この2分割合成フィルタバンク20を決定
することは、ローパス合成フィルタ(F0(z))23
と、ハイパス合成フィルタ(F1(z))24とを決定
することである。
【0080】すなわち、2分割合成フィルタバンク20
を決定する際には、2分割フィルタバンクが完全再合成
条件を満足する条件として、上述したローパス分析フィ
ルタ(H0(z))11及びハイパス分析フィルタ(H1
(z))12により表される次式(19)及び次式(2
0)を与える。
【0081】F0(z)=H1(-z) …(19) F1(z)=-H0(-z) …(20)
【0082】このようにして、2分割合成フィルタバン
ク20においては、実際に上式(19)及び上式(2
0)によって、ローパス合成フィルタ(F0(z))2
3及びハイパス合成フィルタ(F1(z))24が一意
に決定される。
【0083】なお、これらのローパス合成フィルタ(F
0(z))23及びハイパス合成フィルタ(F1(z))
24は、それぞれ、上述したローパス分析フィルタ(H
0(z))11及びハイパス分析フィルタ(H1(z))
12に対応していることはいうまでもない。
【0084】このように、2分割合成フィルタバンク2
0は、2分割分析フィルタバンク10とともに、容易に
設計され得る。このように設計された2分割合成フィル
タバンク20は、低域成分に再帰的に施すことによっ
て、ウェーブレット合成を行うことができる。
【0085】つぎに、本発明を適用した第2の実施の形
態として図6乃至図8を参照して説明する。ここでは、
第1の実施の形態として述べたローパス分析フィルタ
(H0(z))11及びハイパス分析フィルタ(H
1(z))12を設計するための処理を、リフティング
手段を用いた整数係数型ウェーブレット変換に発展させ
たものについて説明する。
【0086】この場合、2分割分析フィルタバンク10
においては、先に図3に示した一連の処理を行うことに
よって、ローパス分析フィルタ(H0(z))11及び
ハイパス分析フィルタ(H1(z))12を決定する。
【0087】まず、2分割分析フィルタバンク10にお
いては、ステップS1において、次式(21)を用い
て、直線位相ローパスフィルタ(H1’(z))を決定
する。
【0088】H1'(z)=(1+z-1)/2 …(21)
【0089】続いて、2分割分析フィルタバンク10に
おいては、ステップS2において、上式(21)を上式
(13)に代入して、次式(22)によりハイパス分析
フィルタ(H1(z))12を決定する。
【0090】H1(z)=(-1+2z-1-z-2)/2 …(22)
【0091】さらに、2分割分析フィルタバンク10に
おいては、ステップS3及びステップS4において、上
述したローパス分析フィルタ(H0(z))11と、ハ
イパス分析フィルタ(H1(z))12とが、完全再合
成条件を満足する直線位相フィルタバンクであるための
第1及び第2の条件を満足する解として、直線位相フィ
ルタ(f(z))を次式(23)により与える。
【0092】f(z)=(1+z-2)/2 …(23)
【0093】このとき、直線位相ローパスフィルタ(H
1’(z))の次数D=1、直線位相フィルタ(f
(z))の次数2K=2(K=1)となることから、ロ
ーパス分析フィルタ(H0(z))11の次数J=2と
なる。
【0094】したがって、2分割分析フィルタバンク1
0においては、ステップS5において、これらの値を上
式(17)に代入して整理すると、次式(24)に示さ
れるローパス分析フィルタ(H0(z))11が得られ
る。
【0095】 H0(z)=(-1+2z-1+2z-2+2z-3+2z-3-z-4)/4 …(24)
【0096】上式(22)及び上式(24)より、それ
ぞれ、ハイパス分析フィルタ(H1(z))12及びロ
ーパス分析フィルタ(H0(z))11は、明らかに整
数係数を有するフィルタであることがわかる。
【0097】このようにして、2分割分析フィルタバン
ク10においては、整数係数を有するローパス分析フィ
ルタ(H0(z))11及びハイパス分析フィルタ(H1
(z))12が決定される。
【0098】つぎに、リフティング手段を用いた整数係
数フィルタを構成するための処理について説明する。
【0099】リフティング構成による2分割分析フィル
タバンク(アナライザ)50は、図6に示すように、入
力信号X(z)を時刻1だけ遅延させる第1の遅延手段
である遅延器51と、入力信号X(z)を2分の1倍に
ダウンサンプルする第1のダウンサンプル手段であるダ
ウンサンプラ52と、遅延器51により入力信号X
(z)を1時刻遅延させた信号を2分の1倍にダウンサ
ンプルする第2のダウンサンプル手段であるダウンサン
プラ53と、このダウンサンプラ53を通過した第2の
信号である奇数成分信号を時刻(D−1)/2だけ遅延
させる第2の遅延手段である遅延器54と、ダウンサン
プラ52を通過した第1の信号である偶数成分信号を入
力して予測信号を生成する予測フィルタ手段であるプリ
ディクト・フィルタ(P(z))55と、遅延器54に
より(D−1)/2時刻遅延させた奇数成分信号とプリ
ディクト・フィルタ(P(z))55を通過した予測信
号との間の差分をとる減算手段である減算器56と、ダ
ウンサンプラ52を通過した偶数成分信号を時刻J/2
だけ遅延させる第3の遅延手段である遅延器57と、減
算器56からの差分信号を入力して更新信号を生成する
更新フィルタ手段であるアップデート・フィルタ(U
(z))58と、遅延器57によりJ/2時刻遅延させ
た偶数成分信号とアップデート・フィルタ(U(z))
58を通過した更新信号とを加算する加算手段である加
算器59とを備える。
【0100】この2分割分析フィルタバンク50は、入
力信号X(z)から偶数成分信号と奇数成分信号とをサ
ンプルし、加算器59から偶数成分側の出力信号である
低域成分出力信号を出力し、減算器56から奇数成分側
の出力信号である高域成分出力信号を出力する。
【0101】一方、リフティング構成による2分割合成
フィルタバンク(シンセサイザ)60は、図7に示すよ
うに、2分割分析フィルタバンク50の逆処理を行うた
めに、2分割分析フィルタバンク50と等価な各部を備
える。すなわち、2分割合成フィルタバンク60は、奇
数成分である高域成分出力信号を入力して更新信号を生
成する更新フィルタ手段であるアップデート・フィルタ
(U(z))61と、偶数成分である低域成分出力信号
とアップデート・フィルタ(U(z))61を通過した
更新信号との間の差分をとる減算手段である減算器62
と、高域成分出力信号を時刻J/2だけ遅延させる第1
の遅延手段である遅延器63と、減算器62からの差分
信号を入力して予測信号を生成する予測フィルタ手段で
あるプリディクト・フィルタ(P(z))64と、遅延
器63によりJ/2時刻遅延させた高域成分出力信号と
プリディクト・フィルタ(P(z))64を通過した予
測信号とを加算する第1の加算手段である加算器65
と、減算器63からの差分信号を時刻(D−1)/2だ
け遅延させる第2の遅延手段である遅延器66と、加算
機65からの加算信号を入力して2倍にアップサンプル
する第1のアップサンプル手段であるアップサンプラ6
7と、遅延器66により(D−1)/2時刻遅延させた
差分信号を入力して2倍にアップサンプルする第2のア
ップサンプル手段であるアップサンプラ68と、このア
ップサンプラ68を通過したアップサンプル低域信号を
時刻1だけ遅延させる第3の遅延手段である遅延器69
と、アップサンプラ67を通過したアップサンプル高域
信号と遅延器69により1時刻遅延させたアップサンプ
ル低域信号とを加算する第2の加算手段である加算器7
0とを備える。
【0102】この2分割合成フィルタバンク60は、ア
ップデート・フィルタ(U(z))61やプリディクト
・フィルタ(P(z))64を、例えば2分割分析フィ
ルタバンク50が備えるアップデート・フィルタ(U
(z))58やプリディクト・フィルタ(P(z))5
5と等価に構成することによって、2分割分析フィルタ
バンク50により分割されて得られた低域成分出力信号
及び高域成分出力信号を、再び元の入力信号X(z)と
等価な出力信号Y(z)を復元する機能を有する。
【0103】また、2分割分析フィルタバンク50と2
分割合成フィルタバンク60とを直接接続した場合に
は、プリディクト・フィルタ(P(z))55,64及
びアップデート・フィルタ(U(z))58,61の値
に関わらず、システムとして常に単なる遅延となること
は自明である。すなわち、2分割フィルタバンクにおい
ては、このリフティング構成に基づくことにより、完全
再合成を容易に実現することができる。
【0104】なお、図6に示したリフティング構成によ
る2分割分析フィルタバンク50は、先に図1に示した
ローパス分析フィルタ(H0(z))11及びハイパス
分析フィルタ(H1(z))12を備える2分割分析フ
ィルタバンク10と等価な表現をとることができる。
【0105】すなわち、2分割分析フィルタバンク50
を2分割分析フィルタバンク10に変形した場合、ハイ
パス分析フィルタ(H1(z))12及びローパス分析
フィルタ(H0(z))11は、それぞれ、次式(2
5)及び次式(26)で表される。
【0106】H1(z)=-P(z2)+z-D …(25) H0(z)=z-J+U(z2){-P(z2)+z-D}=z-J+U(z2)H1(z) …(26)
【0107】ここで、上式(25)及び上式(26)
を、上式(13)及び上式(17)と比較すると、次式
(27)及び次式(28)が導出される。
【0108】P(z)=H1'(z) …(27) U(z2)=f(z) …(28)
【0109】したがって、2分割分析フィルタバンク5
0においては、リフティング構成の際のフィルタの伝達
関数P(z),U(z)は、上述した直線位相ローパス
フィルタの伝達関数H’(z)と、直線位相フィルタ
の伝達関数f(z)とを決定することによって、直ちに
決定されることがわかる。
【0110】このことを踏まえ、2分割分析フィルタバ
ンク10と等価な表現をとる整数係数型の2分割分析フ
ィルタバンク50は、図8に示すような一連の処理によ
り決定される。
【0111】すなわち、2分割分析フィルタバンク50
においては、ステップS11において、上式(21)を
用いて、直線位相ローパスフィルタ(H1’(z))を
決定することによって、ステップS12において、上式
(27)を用いて、プリディクト・フィルタ(P
(z))55の係数が決定される。
【0112】続いて、2分割分析フィルタバンク50に
おいては、ステップS13において、上式(21)を上
式(13)に代入して、上式(22)によりハイパス分
析フィルタ(H1(z))12を決定する。
【0113】さらに、2分割分析フィルタバンク50に
おいては、ステップS14及びステップS15におい
て、上述したローパス分析フィルタ(H0(z))11
と、ハイパス分析フィルタ(H1(z))12とが、完
全再合成条件を満足する直線位相フィルタバンクである
ための第1及び第2の条件を満足する解として、ローパ
ス分析フィルタ(H0(z))11の次数Jを決定する
とともに、直線位相フィルタ(f(z))を上式(2
3)により与える。
【0114】2分割分析フィルタバンク50において
は、直線位相フィルタ(f(z))の係数が決定される
ことによって、ステップS16において、アップデート
・フィルタ(U(z))58の係数が決定される。
【0115】そして、2分割分析フィルタバンク50に
おいては、ステップS17において、上式(24)に示
されるローパス分析フィルタ(H0(z))11が得ら
れる。
【0116】このような一連の処理を行うことによっ
て、2分割分析フィルタバンク50においては、整数係
数を有するローパス分析フィルタ(H0(z))11及
びハイパス分析フィルタ(H1(z))12を備える2
分割分析フィルタバンク10を決定する過程において、
プリディクト・フィルタ(P(z))55及びアップデ
ート・フィルタ(U(z))58を決定することがで
き、2分割分析フィルタバンク10と等価な表現をとる
ことができる。このように設計された2分割分析フィル
タバンク50は、低域成分を2分割フィルタリングする
ことによって、整数係数型ウェーブレット分割を行うこ
とができる。勿論、2分割分析フィルタバンク50は、
先に図2(A)に示した分析フィルタバンク30のよう
に、低域成分を複数ステージに構成することによって、
低域成分を階層的に2分割フィルタリングし、整数係数
型ウェーブレット分割を行うこともできる。
【0117】一方、この2分割分析フィルタバンク50
に対応する2分割合成フィルタバンク60は、2分割分
析フィルタバンク50が決定されることにより、一意に
決定されることはいうまでもない。
【0118】このように、2分割合成フィルタバンク6
0は、2分割分析フィルタバンク50とともに、容易に
設計され得る。このように設計された2分割合成フィル
タバンク60は、2分割合成フィルタバンク20と等価
な表現をとるものである。また、2分割合成フィルタバ
ンク60は、低域成分に再帰的に施すことによって、ウ
ェーブレット合成を実現することができる。
【0119】つぎに、本発明を適用した第3の実施の形
態について説明する。ここでは、第1及び第2の実施の
形態として述べたローパス分析フィルタ(H0(z))
11をはじめとする各フィルタの次数又は係数を実際に
決定する処理について説明する。
【0120】上述したように、直線位相ローパスフィル
タ(H1’(z))の次数をD、直線位相フィルタ(f
(z))の次数を2Kとするとともに、簡単のために1
としていたローパス分析フィルタ(H0(z))11の
初期解H0’(z)の次数をIとする。このとき、ハイ
パス分析フィルタ(H1(z))12及びローパス分析
フィルタ(H0(z))11の次数は、それぞれ、次式
(29)及び次式(30)のように表される。
【0121】H1(z)の次数=2D (∵式(13)) …(29) H0(z)の次数=max(2D+2K,I+D+K) …(30)
【0122】ここで、上述したように、ローパス分析フ
ィルタ(H0(z))11の初期解H0’(z)を1と定
めた場合には、ローパス分析フィルタ(H0(z))1
1の次数は、上式(30)により2D+2Kとなる。
【0123】これらのことは、とりも直さず、フィルタ
を設計する際の自由度が存在することを意味している。
【0124】このような各フィルタの次数又は係数を決
定する処理について具体的に説明する。まず、上式(2
9)におけるハイパス分析フィルタ(H1(z))12
の次数を2(D=1)とした場合には、直線位相ローパ
スフィルタ(H1’(z))の次数が1となることか
ら、自由度は存在せず、直線位相ローパスフィルタ(H
1’(z))は、自動的に次式(31)に示すように表
される。
【0125】H1'(z)=(1+z-1)/2 …(31)
【0126】そして、上式(31)を上式(13)に代
入して整理すると、次式(32)が導出される。
【0127】H1(z)=(-1+2z-1-z-2)/2 …(32)
【0128】また、ローパス分析フィルタ(H
0(z))11の初期解H0’(z)を1とすると、その
次数Iは1であることから、ローパス分析フィルタ(H
0(z))11の次数は、上式(30)より2+2Kと
なる。したがって、ローパス分析フィルタ(H
0(z))11の次数を4とすると、自動的にK=1と
定まり、直線位相フィルタ(f(z))の次数は、2と
なることから、自由度が存在しない。ここでは、直線位
相フィルタ(f(z))の伝達関数を、次式(33)と
する。
【0129】f(z)=(1+z-2)/4 …(33)
【0130】さらに、上式(33)を上式(17)に代
入して整理すると、直ちに次式(34)が得られる。
【0131】 H0(z)=(-1+2z-1+6z-2+2z-3-z-4)/23 …(34)
【0132】以上より、この場合においては、上式(2
7),(28),(31),(33)間の関係を考慮し
て、次式(35)及び次式(36)に示すフィルタ係数
が得られる。
【0133】P=[1,1]/2 …(35) U=[1,1]/4 …(36)なお、上式(35)及び上式(3
6)における表記は、プリディクト・フィルタ(P
(z))55のz0の係数及びz-1の係数がともに1で
あることを示し、アップデート・フィルタ(U(z))
58のz0の係数及びz-1の係数がともに1であること
を示している。このフィルタは、JPEG(Joint Phot
ographic Experts Group)−2000で知られている
[5×3]のフィルタ係数と一致する。
【0134】なお、ここでは、直線位相フィルタ(f
(z))を決定する際に選択肢が存在しなかったが、例
えばローパス分析フィルタ(H0(z))11の次数を
2+2K=12とした場合、K=5となる。このとき、
直線位相フィルタ(f(z))の奇数係数は、0であ
り、偶対称であることから、直線位相フィルタ(f
(z))は、次式(37)で表される。
【0135】f(z)=(a0+a2z-2+a2z-4+a0z-6)/2k …(37)
【0136】ここで、上式(37)における係数を決定
するために、直線位相フィルタ(f(z))の直流利得
を1に制限すると、次式(38)に示す関係が得られ
る。
【0137】a2=2k-1-a0 …(38)
【0138】上式(27)を満足する係数群は、多数存
在するが、ここでは、例えばa0=1、a2=63、k=
7とすると、直線位相フィルタ(f(z))は、次式
(39)で表される。
【0139】f(z)=(1+63z-2+63z-4+z-6)/27 …(39)
【0140】上式(39)を上式(17)に代入し、次
式(40)が得られる。このとき、2K=10よりK=
5であることから、J=D+K=6となる。
【0141】 H0(z)=(-1+2z-1-64z-2+126z-3+130z-4+126z-5-64z-6+2z-7-z-8)/28 …(40)
【0142】したがって、この場合においては、上式
(27),(28),(31),(39)間の関係を考
慮して、次式(41)及び次式(42)に示すフィルタ
係数が得られる。
【0143】P=[1,1]/2 …(41) U=[1,63,63,1]/27 …(42) このフィルタは、[9×3]タップ長のフィルタとな
る。
【0144】また、他の例として、次式(43)及び次
式(44)に示すハイパス分析フィルタ(H1(z))
12及びローパス分析フィルタ(H0(z))11の場
合には、同様にして、次式(45)及び次式(46)に
示す[9×3]タップ長のフィルタのフィルタ係数が得
られる。
【0145】 H1(z)=(-1+2z-1-z-2)/2 …(43) H0(z)=(-1+2z-1-64z-2+126z-3+386z-4+126z-5-64z-6+2z-7-z-8)/29 …(44) P=[1,1]/2 …(45) U=[1,63,63,1]/28 …(46)
【0146】さらに、他の例として、次式(47)及び
次式(48)に示すハイパス分析フィルタ(H
1(z))12及びローパス分析フィルタ(H0(z))
11の場合にも、同様にして、次式(49)及び次式
(50)に示す[13×3]タップ長のフィルタのフィ
ルタ係数が得られる。
【0147】 H1(z)=(-1+2z-1-z-2)/2 …(47) H0(z)=(-1+2z-1-4z-2-10z-3-31z-4+72z-5+184z-6+72z-7-31z-8-10z-9+4z-10+2z- 11 -z-12)/28 …(48) P=[1,1]/2 …(49) U=[1,-5,36,36,-5,1]/27 …(50)
【0148】このように、直線位相フィルタ(f
(z))の次数を増やすことにより、すなわち、ローパ
ス分析フィルタ(H0(z))11と、ハイパス分析フ
ィルタ(H1(z))12との次数差を増やすことによ
り、自由度が増加する。したがって、ローパス分析フィ
ルタ(H0(z))11と、ハイパス分析フィルタ(H1
(z))12との次数差を増やすことにより、非常に多
くの自由度を有して、リフティング構造を有する整数係
数のフィルタ係数を設計することができる。また、この
ようにして設計されたフィルタにより構成される2分割
フィルタバンクは、先に図2(A)に示した分析フィル
タバンク30のように、低域成分を階層的に2分割フィ
ルタリングすることによって、ウェーブレット分割を実
現することが可能であることはいうまでもない。
【0149】以上説明してきたように、本発明の実施の
形態として示す帯域分割フィルタバンクは、ウェーブレ
ット変換を行うことを可能とし、ウェーブレット変換を
用いて、画像信号を複数の帯域に分割して変換するもの
であって、この帯域分割フィルタバンクを用いることに
よって、画像圧縮・伸長を効率的に行うことができるも
のである。この帯域分割フィルタバンクを具体的に適用
することが可能な応用例としては、電子カメラ、携帯・
移動体画像送受信端末(PDA;Personal Digital Ass
istant)、プリンタ、衛星画像、医用用画像等の圧縮・
伸張器又はそのソフトウェアモジュール、ゲーム、3次
元コンピュータ・グラフィックス(CG;Computer Gra
phics)で用いるテクスチャの圧縮・伸長器又はそのソ
フトウェアモジュール等がある。
【0150】本発明は、このような帯域分割フィルタバ
ンクの具体的な構成として示したローパス分析フィルタ
(H0(z))11及びハイパス分析フィルタ(H
1(z))12から構成される2分割分析フィルタバン
ク10や、ローパス合成フィルタ(F0(z))23及
びハイパス合成フィルタ(F1(z))24から構成さ
れる2分割合成フィルタバンク20を効率よく構成する
ことができる。
【0151】また、本発明は、これらの2分割分析フィ
ルタバンク10や2分割合成フィルタバンク20を、容
易にリフティング構成による2分割分析フィルタバンク
50や2分割合成フィルタバンク60に変更することが
できる。
【0152】さらに、本発明は、リフティング構成にお
いて必要となるプリディクト・フィルタ(P(z))5
5,64や、アップデート・フィルタ(U(z))5
8,61を、ローパス分析フィルタ(H0(z))11
及びハイパス分析フィルタ(H1(z))12を決定す
る過程にて求めることができる。したがって、本発明に
おいては、リフティング構成において効果的となるフィ
ルタ特性を、設計時に予め考慮することが可能となる。
【0153】さらにまた、本発明は、ローパス分析フィ
ルタ(H0(z))11とハイパス分析フィルタ(H
1(z))12との次数差を決定することによって、直
線位相フィルタ(f(z))のフィルタ係数を決定する
際の自由度が得られる。したがって、本発明において
は、非常に多くのバリエーションを有して、フィルタを
設計することが可能となる。
【0154】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、例えば、上述した2分割フィル
タバンクを複数ステージを有する帯域分割フィルタバン
クにも適用可能であることは勿論である。また、その
他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能で
あることはいうまでもない。
【0155】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かるフィルタバンク構成方法は、入力信号のうち所定の
周波数以下の周波数成分を通過する低域通過分析フィル
タ手段(H0(z))を、入力信号のうち所定の周波数
以上の周波数成分を通過する高域通過分析フィルタ手段
(H1(z))と、直線位相特性を有する直線位相フィ
ルタ手段(f(z))とにより効率よく決定することが
できる。
【0156】また、本発明にかかるフィルタバンク構成
方法は、フィルタ係数の次数が奇数でありかつインパル
ス応答が偶対称性を有する直線位相低域通過フィルタ手
段(H1’(z))を決定することによって、リフティ
ング構成において予測信号を生成する予測フィルタ手段
(P(z))を効率よく決定することができるととも
に、さらに直線位相特性を有する直線位相フィルタ手段
(f(z))を決定することによって、リフティング構
成において更新信号を生成する更新フィルタ手段(U
(z))をも効率よく決定することができる。
【0157】さらに、本発明にかかるフィルタバンク構
成方法は、原信号のうち所定の周波数以上の周波数成分
を通過する高域通過分析フィルタ手段(H1(z))を
決定することによって、低域信号を入力して所定の周波
数以下の周波数成分を通過する低域通過合成フィルタ手
段(F0(z))を自動的に決定することができ、原信
号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通過する低域
通過分析フィルタ手段(H0(z))を決定することに
よって、高域信号を入力して所定の周波数以上の周波数
成分を通過する高域通過合成フィルタ手段(F
1(z))を自動的に決定することができる。
【0158】さらにまた、本発明にかかるフィルタバン
ク構成方法は、フィルタ係数の次数が奇数でありかつイ
ンパルス応答が偶対称性を有する直線位相低域通過フィ
ルタ手段(H1’(z))を決定することによって、リ
フティング構成において予測信号を生成する予測フィル
タ手段(P(z))を容易に決定することが可能であ
り、さらに直線位相特性を有する直線位相フィルタ手段
(f(z))を決定することによって、リフティング構
成において更新信号を生成する更新フィルタ手段(U
(z))をも容易に決定することが可能である。
【0159】また、本発明にかかるフィルタバンク装置
は、入力信号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通
過する低域通過分析フィルタ手段(H0(z))が、入
力信号のうち所定の周波数以上の周波数成分を通過する
高域通過分析フィルタ手段(H1(z))と、直線位相
特性を有する直線位相フィルタ手段(f(z))とによ
り効率よく決定され、この低域通過分析フィルタ手段と
高域通過分析フィルタ手段とにより入力信号をウェーブ
レット分割することが可能となる。
【0160】さらに、本発明にかかるフィルタバンク装
置は、リフティング構成において予測信号を生成する予
測フィルタ手段(P(z))が、フィルタ係数の次数が
奇数でありかつインパルス応答が偶対称性を有する直線
位相低域通過フィルタ手段(H1’(z))により効率
よく決定されるとともに、さらに直線位相特性を有する
直線位相フィルタ手段(f(z))を決定することによ
って、リフティング構成において更新信号を生成する更
新フィルタ手段(U(z))をも効率よく決定される。
したがって、本発明にかかるフィルタバンク装置は、こ
のように効率よく決定された予測フィルタ手段と更新フ
ィルタ手段とによりリフティング構成をとることがで
き、入力信号をウェーブレット分割することができる。
【0161】さらにまた、本発明にかかるフィルタバン
ク装置は、低域信号を入力して所定の周波数以下の周波
数成分を通過する低域通過合成フィルタ手段(F
0(z))が、原信号のうち所定の周波数以上の周波数
成分を通過する高域通過分析フィルタ手段(H
1(z))を決定することにより自動的に決定され、高
域信号を入力して所定の周波数以上の周波数成分を通過
する高域通過合成フィルタ手段(F1(z))が、原信
号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通過する低域
通過分析フィルタ手段(H0(z))を決定することに
より自動的に決定される。したがって、本発明にかかる
フィルタバンク装置は、このように容易に決定された低
域通過合成フィルタ手段と高域通過合成フィルタ手段と
を用いて、低域信号と高域信号とをウェーブレット合成
することができる。
【0162】また、本発明にかかるフィルタバンク装置
は、リフティング構成において予測信号を生成する予測
フィルタ手段(P(z))が、フィルタ係数の次数が奇
数でありかつインパルス応答が偶対称性を有する直線位
相低域通過フィルタ手段(H1’(z))を決定するこ
とによって、容易に決定されるとともに、さらに直線位
相特性を有する直線位相フィルタ手段(f(z))を決
定することによって、リフティング構成において更新信
号を生成する更新フィルタ手段(U(z))をも容易に
決定され、このような予測フィルタ手段と更新フィルタ
手段とを備えることによって、低域成分出力信号と高域
成分出力信号とに対するウェーブレット合成を実現する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す最も基本的な2
分割フィルタバンクの構成を説明するブロック図であ
る。
【図2】2ステージのウェーブレット分割を行う分析フ
ィルタバンクと、この分析フィルタバンクの等価構成を
表現する並列フィルタバンクとの構成を説明するブロッ
ク図である。
【図3】図1に示す2分割分析フィルタバンクを決定す
る際の一連の工程を説明するフローチャートである。
【図4】直線位相フィルタの条件を説明する図であっ
て、直線位相フィルタのインパルス応答を示す図であ
る。
【図5】ハーフバンド・フィルタを説明する図あって、
ハーフバンド・フィルタにおける振幅特性とインパルス
応答とを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態として示すリフティング構
成による2分割分析フィルタバンクの構成を説明するブ
ロック図である。
【図7】本発明の実施の形態として示すリフティング構
成による2分割合成フィルタバンクの構成を説明するブ
ロック図である。
【図8】図6に示すリフティング構成による2分割分析
フィルタバンクを決定する際の一連の工程を説明するフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10,50 2分割分析フィルタバンク、 11,3
1,35 ローパス分析フィルタ(H0(z))、 1
2,32,36 ハイパス分析フィルタ(H
1(z))、 13,14,33,34,37,38,
52,53 2分の1倍のダウンサンプラ、 20,6
0 2分割合成フィルタバンク、 21,22,67,
68 2倍のアップサンプラ、 23 ローパス合成フ
ィルタ(F0(z))、24 ハイパス合成フィルタ
(F1(z))、 25,59,65,70 加算器、
30 分析フィルタバンク、 40 並列フィルタバ
ンク、 51,54,57,63,66,69 遅延
器、 55,64 プリディクト・フィルタ(P
(z))、 56,62 減算器、 58,61 アッ
プデート・フィルタ(U(z))
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 青司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 貴家 仁志 東京都八王子市南大沢1−1 東京都立大 学 工学部電子情報工学科内 (72)発明者 小林 弘幸 東京都品川区東大井1−10−40 東京都立 工業高等専門学校 電気工学科内 Fターム(参考) 5C059 KK00 LB01 MA00 MA24 UA12 UA14 5C078 BA53 DA00 DA01 DB00 9A001 BB06 EE02 EE04 HH23 HH27 KK31

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を低域と高域とに分割する分割
    フィルタバンクを構成するフィルタバンク構成方法であ
    って、 上記入力信号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通
    過する低域通過分析フィルタ手段を、上記入力信号のう
    ち所定の周波数以上の周波数成分を通過する高域通過分
    析フィルタ手段と、直線位相特性を有する直線位相フィ
    ルタ手段とにより決定することを特徴とするフィルタバ
    ンク構成方法。
  2. 【請求項2】 上記高域通過分析フィルタ手段を、フィ
    ルタ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶対
    称性を有する直線位相低域通過フィルタ手段により決定
    することを特徴とする請求項1記載のフィルタバンク構
    成方法。
  3. 【請求項3】 上記直線位相フィルタ手段は、フィルタ
    係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶対称性
    を有することを特徴とする請求項1記載のフィルタバン
    ク構成方法。
  4. 【請求項4】 入力信号をダウンサンプルして得られた
    第1の信号を予測フィルタ手段に入力し、上記入力信号
    をダウンサンプルして得られた第2の信号と、上記予測
    フィルタ手段により生成した予測信号とを減算手段に入
    力して差分信号を生成し、上記差分信号を高域成分出力
    信号として出力するとともに、上記差分信号を更新フィ
    ルタ手段に入力して生成した更新信号と上記第1の信号
    とを加算手段により加算して低域成分出力信号として出
    力する分割フィルタバンクを構成するフィルタバンク構
    成方法であって、 上記予測フィルタ手段を、フィルタ係数の次数が奇数で
    ありかつインパルス応答が偶対称性を有する直線位相低
    域通過フィルタ手段により決定し、 上記更新フィルタ手段を、直線位相特性を有する直線位
    相フィルタ手段により決定することを特徴とするフィル
    タバンク構成方法。
  5. 【請求項5】 上記分割フィルタバンクは、上記入力信
    号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通過する低域
    通過分析フィルタ手段と、上記入力信号のうち所定の周
    波数以上の周波数成分を通過する高域通過分析フィルタ
    手段とにより等価に構成され、 上記高域通過分析フィルタ手段を、上記直線位相低域通
    過フィルタ手段により決定し、 上記低域通過分析フィルタ手段を、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段と、上記直線位相フィルタ手段とにより決定
    することを特徴とする請求項4記載のフィルタバンク構
    成方法。
  6. 【請求項6】 上記低域通過分析フィルタ手段、上記高
    域通過分析フィルタ手段及び上記直線位相フィルタ手段
    は、いずれも整数係数を有することを特徴とする請求項
    5記載のフィルタバンク構成方法。
  7. 【請求項7】 上記直線位相フィルタ手段の直流利得
    を、1に制限することを特徴とする請求項4記載のフィ
    ルタバンク構成方法。
  8. 【請求項8】 上記低域通過分析フィルタ手段と上記高
    域通過分析フィルタ手段との次数差に基づいて、上記予
    測フィルタ手段及び上記更新フィルタ手段のフィルタ係
    数の自由度を変更することを特徴とする請求項5記載の
    フィルタバンク構成方法。
  9. 【請求項9】 原信号のうち所定の周波数以下の周波数
    成分を通過する低域通過分析フィルタ手段と、上記原信
    号のうち所定の周波数以上の周波数成分を通過する高域
    通過分析フィルタ手段とによりそれぞれ分割された低域
    信号と高域信号とを入力して合成する合成フィルタバン
    クを構成するフィルタバンク構成方法であって、 上記低域信号を入力して所定の周波数以下の周波数成分
    を通過する低域通過合成フィルタ手段を、上記高域通過
    分析フィルタ手段により決定し、 上記高域信号を入力して所定の周波数以上の周波数成分
    を通過する高域通過合成フィルタ手段を、上記低域通過
    分析フィルタ手段により決定することを特徴とするフィ
    ルタバンク構成方法。
  10. 【請求項10】 上記低域通過分析フィルタ手段は、上
    記高域通過分析フィルタ手段と、直線位相特性を有する
    直線位相フィルタ手段とにより決定されることを特徴と
    する請求項9記載のフィルタバンク構成方法。
  11. 【請求項11】 上記高域通過分析フィルタ手段は、フ
    ィルタ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶
    対称性を有する直線位相低域通過フィルタ手段により決
    定されることを特徴とする請求項9記載のフィルタバン
    ク構成方法。
  12. 【請求項12】 上記直線位相フィルタ手段は、フィル
    タ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶対称
    性を有することを特徴とする請求項9記載のフィルタバ
    ンク構成方法。
  13. 【請求項13】 原信号を分割して得られた低域成分出
    力信号と、上記原信号を分割して得られた高域成分出力
    信号を更新フィルタ手段に入力して生成した更新信号と
    を減算手段に入力して差分信号を生成し、上記差分信号
    を予測フィルタ手段に入力して生成した予測信号と上記
    高域成分出力信号とを第1の加算手段により加算して得
    られた加算信号と、上記差分信号とを第2の加算手段に
    より加算して出力信号として出力する合成フィルタバン
    クを構成するフィルタバンク構成方法であって、 上記予測フィルタ手段を、フィルタ係数の次数が奇数で
    ありかつインパルス応答が偶対称性を有する直線位相低
    域通過フィルタ手段により決定し、 上記更新フィルタ手段を、直線位相特性を有する直線位
    相フィルタ手段により決定することを特徴とするフィル
    タバンク構成方法。
  14. 【請求項14】 上記合成フィルタバンクは、上記原信
    号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通過する低域
    通過分析フィルタ手段からの低域信号を入力して所定の
    周波数以下の周波数成分を通過する低域通過合成フィル
    タ手段と、上記原信号のうち所定の周波数以上の周波数
    成分を通過する高域通過分析フィルタ手段からの高域信
    号を入力して所定の周波数以上の周波数成分を通過する
    高域通過合成フィルタ手段とにより等価に構成され、 上記高域通過分析フィルタ手段を、上記直線位相低域通
    過フィルタ手段により決定し、 上記低域通過分析フィルタ手段を、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段と、上記直線位相フィルタ手段とにより決定
    し、 上記低域通過合成フィルタ手段を、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段により決定し、 上記高域通過合成フィルタ手段を、上記低域通過分析フ
    ィルタ手段により決定することを特徴とする請求項13
    記載のフィルタバンク構成方法。
  15. 【請求項15】 上記低域通過分析フィルタ手段、上記
    高域通過分析フィルタ手段及び上記直線位相フィルタ手
    段は、いずれも整数係数を有することを特徴とする請求
    項14記載のフィルタバンク構成方法。
  16. 【請求項16】 入力信号を低域と高域とに分割するフ
    ィルタバンク装置であって、 上記入力信号のうち所定の周波数以下の周波数成分を通
    過する低域通過分析フィルタ手段と、 上記入力信号のうち所定の周波数以上の周波数成分を通
    過する高域通過分析フィルタ手段とを備え、 上記低域通過分析フィルタ手段は、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段と、直線位相特性を有する直線位相フィルタ
    手段とにより決定されることを特徴とするフィルタバン
    ク装置。
  17. 【請求項17】 上記高域通過分析フィルタ手段は、フ
    ィルタ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶
    対称性を有する直線位相低域通過フィルタ手段により決
    定されることを特徴とする請求項16記載のフィルタバ
    ンク装置。
  18. 【請求項18】 上記直線位相フィルタ手段は、フィル
    タ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶対称
    性を有することを特徴とする請求項16記載のフィルタ
    バンク装置。
  19. 【請求項19】 上記入力信号は、画像信号であること
    を特徴とする請求項16記載のフィルタバンク装置。
  20. 【請求項20】 上記低域通過分析フィルタ手段を通過
    した低域信号を入力してダウンサンプルする第1のダウ
    ンサンプル手段と、 上記高域通過分析フィルタ手段を通過した高域信号を入
    力してダウンサンプルする第2のダウンサンプル手段と
    を備えることを特徴とする請求項16記載のフィルタバ
    ンク装置。
  21. 【請求項21】 上記低域通過分析フィルタ手段と、上
    記第1のダウンサンプル手段とを複数段を備え、 上記低域信号を階層的にフィルタリングすることによっ
    て、上記入力信号をウェーブレット分割することを特徴
    とする請求項20記載のフィルタバンク装置。
  22. 【請求項22】 入力信号を低域と高域とに分割するフ
    ィルタバンク装置であって、 上記入力信号をダウンサンプルして得られた第1の信号
    を入力して予測信号を生成する予測フィルタ手段と、 上記入力信号をダウンサンプルして得られた第2の信号
    と上記予測信号とを入力して差分信号を生成する減算手
    段と、 上記差分信号を入力して更新信号を生成する更新フィル
    タ手段と、 上記更新信号と上記第1の信号とを加算する加算手段と
    を備え、 上記予測フィルタ手段は、フィルタ係数の次数が奇数で
    ありかつインパルス応答が偶対称性を有する直線位相低
    域通過フィルタ手段により決定され、 上記更新フィルタ手段は、直線位相特性を有する直線位
    相フィルタ手段により決定されることを特徴とするフィ
    ルタバンク装置。
  23. 【請求項23】 上記入力信号のうち所定の周波数以下
    の周波数成分を通過する低域通過分析フィルタ手段と、
    上記入力信号のうち所定の周波数以上の周波数成分を通
    過する高域通過分析フィルタ手段とにより等価に構成さ
    れ、 上記高域通過分析フィルタ手段は、上記直線位相低域通
    過フィルタ手段により決定され、 上記低域通過分析フィルタ手段は、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段と、上記直線位相フィルタ手段とにより決定
    されることを特徴とする請求項22記載のフィルタバン
    ク装置。
  24. 【請求項24】 上記低域通過分析フィルタ手段、上記
    高域通過分析フィルタ手段及び上記直線位相フィルタ手
    段は、いずれも整数係数を有することを特徴とする請求
    項23記載のフィルタバンク装置。
  25. 【請求項25】 上記直線位相フィルタ手段の直流利得
    は、1に制限されることを特徴とする請求項22記載の
    フィルタバンク装置。
  26. 【請求項26】 上記低域通過分析フィルタ手段と上記
    高域通過分析フィルタ手段との次数差に基づいて、上記
    予測フィルタ手段及び上記更新フィルタ手段のフィルタ
    係数の自由度を変更することを特徴とする請求項23記
    載のフィルタバンク装置。
  27. 【請求項27】 上記入力信号は、画像信号であること
    を特徴とする請求項22記載のフィルタバンク装置。
  28. 【請求項28】 上記入力信号をダウンサンプルして上
    記第1の信号を生成する第1のダウンサンプル手段と、 上記入力信号を入力して所定時間遅延する第1の遅延手
    段と、 上記第1の遅延手段により遅延した信号を入力してダウ
    ンサンプルし、上記第2の信号を生成する第2のダウン
    サンプル手段と、 上記第2の信号を入力して所定時間遅延する第2の遅延
    手段と、 上記第1の信号を入力して所定時間遅延する第3の遅延
    手段とを備えることを特徴とする請求項22記載のフィ
    ルタバンク装置。
  29. 【請求項29】 原信号のうち所定の周波数以下の周波
    数成分を通過する低域通過分析フィルタ手段と、上記原
    信号のうち所定の周波数以上の周波数成分を通過する高
    域通過分析フィルタ手段とによりそれぞれ分割された低
    域信号と高域信号とを入力して合成するフィルタバンク
    装置であって、 上記低域信号を入力して所定の周波数以下の周波数成分
    を通過する低域通過合成フィルタ手段と、 上記高域信号を入力して所定の周波数以上の周波数成分
    を通過する高域通過合成フィルタ手段と、 上記低域通過合成フィルタ手段と上記高域通過合成フィ
    ルタ手段とをそれぞれ通過した信号を加算する加算手段
    とを備え、 上記低域通過合成フィルタ手段は、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段により決定され、 上記高域通過合成フィルタ手段は、上記低域通過分析フ
    ィルタ手段により決定されることを特徴とするフィルタ
    バンク装置。
  30. 【請求項30】 上記低域通過分析フィルタ手段は、上
    記高域通過分析フィルタ手段と、直線位相特性を有する
    直線位相フィルタ手段とにより決定されることを特徴と
    する請求項29記載のフィルタバンク装置。
  31. 【請求項31】 上記高域通過分析フィルタ手段は、フ
    ィルタ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶
    対称性を有する直線位相低域通過フィルタ手段により決
    定されることを特徴とする請求項29記載のフィルタバ
    ンク装置。
  32. 【請求項32】 上記直線位相フィルタ手段は、フィル
    タ係数の次数が奇数でありかつインパルス応答が偶対称
    性を有することを特徴とする請求項29記載のフィルタ
    バンク装置。
  33. 【請求項33】 上記加算手段から出力される出力信号
    は、画像信号であることを特徴とする請求項29記載の
    フィルタバンク装置。
  34. 【請求項34】 上記低域信号を入力してアップサンプ
    ルする第1のアップサンプル手段と、 上記高域信号を入力してアップサンプルする第2のアッ
    プサンプル手段とを備えることを特徴とする請求項29
    記載のフィルタバンク装置。
  35. 【請求項35】 上記低域通過合成フィルタ手段と、上
    記第1のアップサンプル手段とを複数段を備え、 上記低域信号を再帰的にフィルタリングし、上記高域通
    過合成フィルタ手段を通過した信号と加算することによ
    って、ウェーブレット合成を行うことを特徴とする請求
    項34記載のフィルタバンク装置。
  36. 【請求項36】 原信号を分割して得られた低域成分出
    力信号と高域成分出力信号とを入力して合成するフィル
    タバンク装置であって、 上記高域成分出力信号を入力して更新信号を生成する更
    新フィルタ手段と、 上記低域成分出力信号と上記更新信号とを入力して差分
    信号を生成する減算手段と、 上記差分信号を入力して予測信号を生成する予測フィル
    タ手段と、 上記予測信号と上記高域成分出力信号とを入力して加算
    信号を生成する第1の加算手段と、 上記加算信号と上記差分信号とを入力して加算する第2
    の加算手段とを備え、 上記予測フィルタ手段は、フィルタ係数の次数が奇数で
    ありかつインパルス応答が偶対称性を有する直線位相低
    域通過フィルタ手段により決定され、 上記更新フィルタ手段は、直線位相特性を有する直線位
    相フィルタ手段により決定されることを特徴とするフィ
    ルタバンク装置。
  37. 【請求項37】 上記原信号のうち所定の周波数以下の
    周波数成分を通過する低域通過分析フィルタ手段からの
    低域信号を入力して所定の周波数以下の周波数成分を通
    過する低域通過合成フィルタ手段と、上記原信号のうち
    所定の周波数以上の周波数成分を通過する高域通過分析
    フィルタ手段からの高域信号を入力して所定の周波数以
    上の周波数成分を通過する高域通過合成フィルタ手段と
    により等価に構成され、 上記高域通過分析フィルタ手段は、上記直線位相低域通
    過フィルタ手段により決定され、 上記低域通過分析フィルタ手段は、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段と、上記直線位相フィルタ手段とにより決定
    され、 上記低域通過合成フィルタ手段は、上記高域通過分析フ
    ィルタ手段により決定され、 上記高域通過合成フィルタ手段は、上記低域通過分析フ
    ィルタ手段により決定されることを特徴とする請求項3
    6記載のフィルタバンク装置。
  38. 【請求項38】 上記低域通過分析フィルタ手段、上記
    高域通過分析フィルタ手段及び上記直線位相フィルタ手
    段は、いずれも整数係数を有することを特徴とする請求
    項37記載のフィルタバンク装置。
  39. 【請求項39】 上記加算手段から出力される出力信号
    は、画像信号であることを特徴とする請求項36記載の
    フィルタバンク装置。
  40. 【請求項40】 上記高域成分出力信号を入力して所定
    時間遅延する第1の遅延手段と、 上記差分信号を入力して所定時間遅延する第2の遅延手
    段と、 上記加算信号を入力してアップサンプルする第1のアッ
    プサンプル手段と、 上記第2の遅延手段により遅延した信号を入力してアッ
    プサンプルする第2のアップサンプル手段と、 上記第2のアップサンプル手段を通過した信号を入力し
    て所定時間遅延する第3の遅延手段とを備えることを特
    徴とする請求項36記載のフィルタバンク装置。
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