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JP2000243289A - 電子源の放出電流測定方法および装置 - Google Patents

電子源の放出電流測定方法および装置

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Publication number
JP2000243289A
JP2000243289A JP11040555A JP4055599A JP2000243289A JP 2000243289 A JP2000243289 A JP 2000243289A JP 11040555 A JP11040555 A JP 11040555A JP 4055599 A JP4055599 A JP 4055599A JP 2000243289 A JP2000243289 A JP 2000243289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
measuring
measured
voltage
cold cathode
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11040555A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Fujii
明 藤井
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Publication of JP2000243289A publication Critical patent/JP2000243289A/ja
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  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子源の性能評価、および良品不良品判断、
および補正駆動等を行う際に必要とされる電子源の放出
電流値を正確に測定することを可能とする。 【解決手段】複数の冷陰極素子がマトリクス状に配線さ
れてなるマルチ電子源の(m,n)の素子の放出電流を測
定するにおいて、S1で高圧電極に加速電圧を印加しなが
ら各行方向及び列方向配線をグランドレベルにし、複数
の冷陰極素子から電子が放出しない状態で高圧電極に流
れる電流Isを測定し、S2で(m、n)の素子を駆動して高
圧電極に流れる電流Ie'を測定する。そして、m行の行
方向配線にスペーサが接続されていなければ、S3、S4に
より、Ie'-Isを放出電流とする。一方、m行の行方向配
線にスペーサが接続されていれば、S3〜S6により、高圧
電極をグランドレベルにするとともにm行の行方向配線
にのみ駆動電圧を印加して高圧電極に流れる電流Isdを
測定し、Ie'-Is-Isdを放出電流とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源およびその
応用である画像形成装置における放出電流の測定方法及
び装置に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出
型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型
放出素子(以下MIM型と記す)、などが知られてい
る。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson,Radio E−ng.El
ectron Phys.,10,1290,(196
5)や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:”Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]や、In23/S
nO2薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:”IEEE Trans.
ED Conf.”,519(1975)]や、カーボ
ン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図17に前述のM.Hartwel
lらによる素子の平面図を示す。同図において、300
1は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化
物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図
示のようにH字形の平面形状に形成されている。該導電
性薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成さ
れる。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm]、Wは、
0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0006】M.Hartwellらによる素子をはじ
めとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放
出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと
呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005
を形成するのが一般的であった。すなわち、通電フォー
ミングとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直
流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっく
りとしたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、
導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしく
は変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部30
05を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは
変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、
亀裂が発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜
3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付
近において電子放出が行われる。
【0007】また、FE型の例は、たとえば、W.P.
Dyke&W.W.Dolan,”Field emi
ssion”,Advance in Electro
nPhysics,8,89(1956)や、あるい
は、 C.A.Spindt,”Physicalpr
operties of thin−film fie
ld emission cathodes with
molybdenium cones”,J.App
l.Phys.,47,5248(1976)などが知
られている。
【0008】FE型の素子構成の典型的な例として、図
18に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面
図を示す。同図において、3010は基板で、3011
は導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタ
コーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極であ
る。本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極3
014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッ
タコーン3012の先端部より電界放出を起こさせるも
のである。
【0009】また、FE型の他の素子構成として、図1
8のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ
平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】また、MIM型の例としては、たとえば、
C.A.Mead,”Operation of tu
nnel−emission Devices,J.A
ppl.Phys.,32,646(1961)などが
知られている。MIM型の素子構成の典型的な例を図1
9に示す。同図は断面図であり、図において、3020
は基板で、3021は金属よりなる下電極、3022は
厚さ100オングストローム程度の薄い絶縁層、302
3は厚さ80〜300オングストローム程度の金属より
なる上電極である。MIM型においては、上電極302
3と下電極3021の間に適宜の電圧を印加することに
より、上電極3023の表面より電子放出を起こさせる
ものである。
【0011】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
ターを必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構
造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、
基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱
溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒ
ーターの加熱により動作するため応答速度が遅いのとは
異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利
点もある。
【0012】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0013】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31
332において開示されるように、多数の素子を配列し
て駆動するための方法が研究されている。
【0014】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0015】特に、画像表示装置への応用としては、た
とえば本出願人によるUSP5,066,883や特開
平2−257551や特開平4−28137において開
示されているように、表面伝導型放出素子と電子ビーム
の照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画
像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子と蛍
光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来の他
の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されてい
る。たとえば、近年普及してきた液晶表示装置と比較し
ても、自発光型であるためバックライトを必要としない
点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0016】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、たとえば本出願人によるUSP4,904,89
5に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応
用した例として、たとえば、R.Meyerらにより報
告された平板型表示装置が知られている。[R.Mey
er:”Recent Development on
Microtips Display at LET
I”,Tech.Digest of 4th In
t. Vacuum Microelectronic
s Conf.,Nagahama,pp.6〜9(1
991)]また、MIM型を多数個並べて画像表示装置
に応用した例は、たとえば本出願人による特開平3−5
5738に開示されている。
【0017】上記のような電子放出素子を用いた画像形
成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペ
ースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置
に置き換わるものとして注目されている。
【0018】図20は平面型の画像表示装置をなす表示
パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すた
めにパネルの一部を切り欠いて示している。
【0019】図中、3115はリアプレート、3116
は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレ
ート3115、側壁3116およびフェースプレート3
117により、表示パネルの内部を真空に維持するため
の外囲器(気密容器)を形成している。
【0020】リアプレート3115には基板3111が
固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子
3112が、N×M個形成されている。(N,Mは2以
上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適
宜設定される。)また、前記N×M個の冷陰極素子31
12は、図20に示すとおり、M本の行方向配線311
3とN本の列方向配線3114により配線されている。
これら基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線
3113および列方向配線3114によって構成される
部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線3
113と列方向配線3114の少なくとも交差する部分
には、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、
電気的な絶縁が保たれている。
【0021】フェースプエート3117の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図
示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をな
す上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあ
り、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の
面には、Al等からなるメタルバック(高圧電極とも呼
ぶ)3119が形成されている。
【0022】Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynおよ
びHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気
的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子で
ある。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配
線3113と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の
列方向配線3114と、Hvはメタルバック3119と
各々電気的に接続している。
【0023】また、上記気密容器の内部は10のマイナ
ス6乗Torr程度の真空に保持されており、画像表示
装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部
と外部の気圧差によるリアプレート3115およびフェ
ースプレート3117の変形あるいは破壊を防止する手
段が必要となる。リアプレート3115およびフェース
プレート3117を厚くすることによる方法は、画像表
示装置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見
たときに画像のゆがみや視差を生ずる。これに対し、図
20においては、比較的薄いガラス板からなり大気圧を
支えるための構造支持体(スペーサあるいはリブと呼ば
れる)3120が設けられている。このようにして、マ
ルチビーム電子源が形成された基板3111と蛍光膜3
118が形成されたフェースプレート3116間は通常
サブミリないし数ミリに保たれ、前述したように気密容
器内部は高真空に保持されている。
【0024】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加する
と、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート3117の
内面に衝突させる。これにより、蛍光膜3118をなす
各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0025】ところで、前述のスペーサは以下に述べる
ような理由により帯電を引き起こすことがある。このス
ペーサ帯電により冷陰極素子から放出された電子はその
軌道を曲げられ、蛍光体上の正規な位置とは異なる場所
に到達し、スペーサ近傍の画像がゆがんで表示されるこ
とがあった。
【0026】スペーサ帯電が起こる原因としては、スペ
ーサの近傍から放出された電子の一部がスペーサに当た
ることにより、あるいは放出電子の作用でイオン化した
イオンがスペーサに付着すること、またはフェースプレ
ートに到達した電子が一部反射、散乱され、その一部が
スペーサに当たること、等があることを発明者らは突き
止めている。
【0027】上述のスペーサ帯電に関しては、スペーサ
に微小電流が流れるようにして帯電を除去する提案がな
されている。そこでは絶縁性のスペーサの表面に高抵抗
薄膜を形成し、図20のようにスペーサ3102の上面
側をメタルバック3119と、さらに下面側を行方向配
線3113と、それぞれ電気的に接続することによりス
ペーサ表面に微小電流が流れるようにしている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】電子源の性能評価の目
的、または電子源の良品、不良品の判断の目的、または
冷陰極素子の放出電流ばらつきを補正して電子源を駆動
する(たとえば本出願人による特開平5−32377
3)目的で、電子源の放出電流の正確な測定値が必要な
場合が多々ある。
【0029】従来の電子源の放出電流を測定は次のよう
な方法によっていた。まず冷陰極素子に駆動電圧を印加
し電子を放出させる。同時に容器外端子を流れる電流を
計測し、この値を電子源の放出電流とする。放出された
電子はほぼすべて高圧を印加した高圧電極に衝突し容器
外端子を流れるため、容器外端子を流れる電流と電子源
の放出電流を等しいものとしていた。
【0030】しかしながら、従来の電子源の放出電流測
定方法には、十分な精度の測定値を得る事ができないと
いう問題があった。上述の問題は、以下の2つが主な原
因となって起こっていることを発明者らは確認してい
る。すなわち、1つ目の原因は、従来の方法においてス
ペーサの帯電を防ぐ目的でスペーサー表面に流している
電流が高圧電極に流れる影響を考慮していないことであ
り、2つ目の原因は、従来の方法において図20のよう
にスペーサが冷陰極素子に駆動電圧を印加する配線と電
気的に接続されていることによる。これを図21を用い
て説明する。
【0031】図21は放出電流の測定を行方向配線につ
いて順次行う場合に、行方向配線m s−1番に印加する
駆動電圧、および行方向配線ms番に印加する電圧、お
よびスペーサに加わる電圧をそれぞれ同一時間軸上に示
したものである。なお行方向配線ms番にはスペーサが
電気的に接続されており、行方向配線ms−1番にはス
ペーサが接続されていない。図21に示すように行方向
配線ms−1番に駆動電圧を印加した場合はスペーサに
加わる電圧に変化がない。一方スペーサと電気的に接続
している行方向配線ms番に駆動電圧を印加すると、駆
動電圧の変動に伴いスペーサに加わる電圧に変動が生
じ、スペーサから高圧電極に流れる電流にも変動が生ず
る。従来の測定方法では、上述したような駆動電圧の変
動により生ずる高圧電極に流れる電流の変動分を考慮し
ておらず、測定精度を悪化させる原因となっていた。
【0032】本発明は上記の問題に鑑みてなされたもの
であり、電子源の性能評価、および良品不良品判断、お
よび補正駆動等を行う際に必要とされる正確な電子源の
放出電流値を取得することを可能にすることを目的とす
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による電子源の放出電流測定装置は例えば以
下の構成を備える。すなわち、冷陰極素子が配置されて
いる基板と、該基板に対向して配置され前記冷陰極素子
からの放出電子を加速する高圧電極と、前記高圧電極と
電気的に接続され前記基板と高圧電極の間に設けられた
構造支持体とを備える電子源の放出電流を測定する装置
であって、前記高圧電極に加速電圧を印加した状態で、
前記冷陰極素子から電子を放出しないまたはきわめて少
ない状態で該高圧電極に流れる電流を測定する第1測定
手段と、前記高圧電極に前記加速電圧を印加するととも
に、前記冷陰極素子から電子を放出した状態で該高圧電
極に流れる電流を測定する第2測定手段と、前記第2測
定手段で測定された電流から前記第1測定手段で測定さ
れた電流を差し引くことにより前記冷陰極素子からの放
出電流を算出する算出手段とを備える。
【0034】また、上記の目的を達成する本発明の他の
構成によれば、例えば以下の構成を備える放出電流測定
装置が提供される。すなわち、複数の冷陰極素子が複数
の行方向配線と列方向配線によってマトリクス状に配線
されてなる基板と、該基板よりの放出電子を加速する高
圧電極と、所定の行方向配線と前記高圧電極に接続され
た構造支持体とを有する電子源における放出電流を測定
する装置であって、前記高圧電極に第1の電圧を印加す
るとともに、前記複数の冷陰極素子から電子が放出しな
いかまたは極めて少ない状態とすべく前記行方向配線と
列方向配線の電位を設定した状態で前記高圧電極に流れ
る電流Isを測定する第1測定手段と、前記高圧電極に
前記第1の電圧を印加するとともに、測定対象の冷陰極
素子に接続された行方向配線と列方向配線のそれぞれに
所定の駆動電圧を印加した状態で前記高圧電極に流れる
電流Ie’を測定する第2測定手段と、前記第2測定手
段で測定された電流Ie’と前記第1測定手段で測定さ
れた電流Isとの差を算出して前記測定対象の冷陰極素
子の放出電流とする第1算出手段とを備える。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら
本発明の実施形態を詳述する。
【0036】本実施形態では、図20により説明した表
面伝導型放出素子を用いた画像表示装置において、本発
明の電子源の放出電流測定方法を適用した例を示す。以
下、本実施形態で使用した冷陰極素子(表面伝導型放出
素子)の特性を説明し、次に本発明を適用した電子源の
放出電流測定方法を具体的に述べる。
【0037】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)図4に、表示装置に用いた素子の、(放出電流I
e)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素子電流I
f)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例を示す。
なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小さ
く、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、これらの
特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータを変更す
ることにより変化するものであるため、2本のグラフは
各々任意単位で図示した。
【0038】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。すなわ
ち、第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vthと呼ぶ)
以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に放出電流
Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧で
は放出電流Ieはほとんど検出されない。すなわち、放
出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持った非
線形素子である、第二に、放出電流Ieは素子に印加す
る電圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電
流Ieの大きさを制御できる、第三に、素子に印加する
電圧Vfに対して素子から放出される電流Ieの応答速
度が速いため、電圧Vfを印加する時間の長さによって
素子から放出される電子の電荷量を制御できる。
【0039】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。た
とえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表
示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を
順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値
電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次
切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表
示を行うことが可能である。
【0040】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0041】次に、本実施形態の放出電流測定方法を適
用する画像表示装置の表示パネルの構成及び製造方法、
図4で上述した特性を有する表面伝導型放出素子の構造
と製造方法について説明する。
【0042】(画像表示装置概要)まず、本実施形態を
適用した画像表示装置の表示パネルの構成と製造法につ
いて、具体的な例を示して説明する。
【0043】図5は、実施形態に用いた表示パネルの斜
視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り
欠いて示している。
【0044】図中、1015はリアプレート、1016
は側壁、1017はフェースプレートであり、1015
〜1017により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。また、上記気密容器の内部は1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空に保持される
ので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を
防止する目的で、スペーサ1020が設けられている。
【0045】リアプレート1015には、基板1011
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1012
がN×M個形成されている。(N,Mは2以上の正の整
数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした
表示装置においては、N=3000,M=1000以上
の数を設定することが望ましい。)前記N×M個の冷陰
極素子は、M本の行方向配線1013とN本の列方向配
線1014により単純マトリクス配線されている。前
記、1011〜1014によって構成される部分をマル
チ電子ビーム源と呼ぶ。
【0046】本実施形態の画像表示装置に用いるマルチ
電子ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した
電子源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法
に制限はない。したがって、たとえば表面伝導型放出素
子やFE型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用い
ることができる。
【0047】次に、冷陰極素子として表面伝導型放出素
子(後述)を基板上に配列して単純マトリクス配線した
マルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0048】図6に示すのは、図5の表示パネルに用い
たマルチ電子ビーム源の平面図である。基板1011上
には、後述の図10で示すものと同様な表面伝導型放出
素子が配列され、これらの素子は行方向配線1013と
列方向配線1014により単純マトリクス状に配線され
ている。行方向配線1013と列方向配線1014の交
差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)が形成され
ており、電気的な絶縁が保たれている。
【0049】図6のB−B’に沿った断面を、図7に示
す。
【0050】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線1013、列方向配線1
014、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導型放
出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方向配
線1013および列方向配線1014を介して各素子に
給電して通電フォーミング処理(後述)と通電活性化処
理(後述)を行うことにより製造した。
【0051】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を
固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板10
11が十分な強度を有するものである場合には、気密容
器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板10
11自体を用いてもよい。
【0052】また、フェースプレート1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。本実施形態はカ
ラー表示装置であるため、蛍光膜1018の部分にはC
RTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光体
が塗り分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図8
の(A)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍
光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設け
てある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビ
ームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが
生じないようにする事や、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐ事、電子ビームによる蛍光膜の
チャージアップを防止する事などである。黒色の導電体
1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目
的に適するものであればこれ以外の材料を用いても良
い。
【0053】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図8(A)に示したストライプ状の配列に限られるもの
ではなく、たとえば図8(B)に示すようなデルタ状配
列や、それ以外の配列であってもよい。
【0054】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0055】また、蛍光膜1018のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
を設けてある。メタルバック1019を設けた目的は、
蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜101
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1018を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1019は、蛍光膜1018をフェースプレート
基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。
なお、蛍光膜1018に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1019は用いない。
【0056】また、本実施形態では用いなかったが、加
速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フ
ェースプレート基板1017と蛍光膜1018との間
に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0057】図9は図5のA−A’の断面模式図であ
る。スペーサ1020は前述した大気圧や不意の衝撃な
どによる気密容器の破壊を防止する目的に必要な数だ
け、かつ必要な間隔をおいて基板1011およびフェー
スプレート1017との間に配置している。
【0058】またスペーサ1020は、帯電を防止する
ため前述したようにその表面に常時微少電流を流すこと
が好ましく、かつ基板1011(行方向配線1013)
とフェースプレート1017(内面のメタルバック10
19)との間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性
を有する必要がある。そのためスペーサ1020を以下
のように構成している。
【0059】スペーサ1020は絶縁性部材1の表面に
高抵抗膜2を成膜し、上下端面及び接する側面部に低抵
抗膜3を成膜した部材によって構成している。このよう
な構成のスペーサ1020をフェースプレート(内側の
メタルバック1019)および基板1011の表面(行
方向配線1013)に導電性を持つ接合材4により機械
的かつ電気的に接続した。このような構成によりスペー
サ表面に微弱電流を流し、かつ高電圧に耐えるだけの絶
縁性を有することを実現している。なお本実施形態では
スペーサ1020と行方向配線1013を電気的に接続
したが、列方向配線1014または別の配線を設けそれ
らと電気的に接続してもよい。
【0060】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynおよび
Hvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的
に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子であ
る。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線10
13と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線
1014と、Hvはフェースプレートのメタルバック1
019と電気的に接続している。
【0061】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、たと
えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしく
は高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、
該ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1x10マ
イナス5乗ないしは1x10マイナス7乗[Torr]
の真空度に維持される。
【0062】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子1012に電圧を印加する
と、各冷陰極素子1012から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート1017の
内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をなす
各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0063】通常、冷陰極素子である本発明の表面伝導
型放出素子への1012への印加電圧は12〜16
[V]程度、メタルバック1019と冷陰極素子101
2との距離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メ
タルバック1019と冷陰極素子1012間の電圧0.
1[kV]から10[kV]程度である。
【0064】以上、本発明の実施形態の表示パネルの基
本構成と製法、および画像表示装置の概要を説明した。
【0065】(マルチ電子ビーム源の製造方法)次に、
前記実施形態の表示パネルに用いたマルチ電子ビーム源
の製造方法について説明する。本発明の画像表示装置に
用いるマルチ電子ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリ
クス配線した電子源であれば、冷陰極素子の材料や形状
あるいは製法に制限はない。したがって、たとえば表面
伝導型放出素子やFE型、あるいはMIM型などの冷陰
極素子を用いることができる。
【0066】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や
製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしか
も均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コス
トの低減を達成するには不利な要因となる。その点、表
面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大
面積化や製造コストの低減が容易である。また、発明者
らは、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしく
はその周辺部を微粒子膜から形成したものがとりわけ電
子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見
いだしている。したがって、高輝度で大画面の画像表示
装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適であ
ると言える。そこで、上記実施形態の表示パネルにおい
ては、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成した表面伝導型放出素子を用いた。以下で、好適な表
面伝導型放出素子について基本的な構成と製法とを説明
する。
【0067】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0068】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図10に示すのは、平面型の表面伝導型
放出素子の構成を説明するための平面図(a)および断
面図(b)である。図中、1101は基板、1102と
1103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
113は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0069】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0070】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23−SnO2をはじめとする金属酸
化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜材
料を選択して用いればよい。電極を形成するには、たと
えば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、
エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて用い
れば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえば印
刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0071】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0072】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0073】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0074】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2,In23,PbO,Sb23,などをはじめと
する酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6
YB4,GdB4,などをはじめとする硼化物や、Ti
C,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,などをは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,などを
はじめとする窒化物や、Si,Ge,などをはじめとす
る半導体や、カーボン、などがあげられ、これらの中か
ら適宜選択される。
【0075】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0076】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図10の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0077】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図10においては模式的に示した。
【0078】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0079】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。
【0080】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図10においては模式
的に示した。また、平面図(a)においては、薄膜11
13の一部を除去した素子を図示した。
【0081】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0082】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。
【0083】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメータ]とした。
【0084】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。
【0085】図11の(a)〜(d)は、表面伝導型放
出素子の製造工程を説明するための断面図で、各部材の
表記は前記図10と同一である。
【0086】1)まず、図11(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。形成するにあたっては、あらかじめ基板1101
を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、素子電
極の材料を堆積させる。(堆積する方法としては、たと
えば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用れば
よい。)その後、堆積した電極材料を、フォトリソグラ
フィー・エッチング技術を用いてパターニングし、
(a)に示した一対の素子電極(1102と1103)
を形成する。
【0087】2)次に、同図(b)に示すように、導電
性薄膜1104を形成する。形成するにあたっては、ま
ず前記(a)の基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、
加熱焼成処理して微粒子膜を成膜した後、フォトリソグ
ラフィー・エッチングにより所定の形状にパターニング
する。ここで、有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる
微粒子の材料を主要元素とする有機金属化合物の溶液で
ある。(具体的には、本実施形態では主要元素としてP
dを用いた。また、実施形態では塗布方法として、ディ
ッピング法を用いたが、それ以外のたとえばスピンナー
法やスプレー法を用いてもよい。) また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成膜方法として
は、本実施形態で用いた有機金属溶液の塗布による方法
以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ法、あるいは化
学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0088】3)次に、同図(c)に示すように、フォ
ーミング用電源1110から素子電極1102と110
3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を
行って、電子放出部1105を形成する。
【0089】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0090】通電方法をより詳しく説明するために、図
12に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施形態の場合には同図に示したようにパルス
幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加
した。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順
次昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモ
ニターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三
角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計
1111で計測した。
【0091】実施形態においては、たとえば10のマイ
ナス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、た
とえばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を
10[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに
0.1[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス
印加するたびに1回の割りで、モニターパルスPmを挿
入した。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがない
ように、モニターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に
設定した。そして、素子電極1102と1103の間の
電気抵抗が1x10の6乗[オーム]になった段階、す
なわちモニターパルス印加時に電流計1111で計測さ
れる電流が1x10のマイナス7乗[A]以下になった
段階で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0092】なお、上記の方法は、本実施形態の表面伝
導型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微
粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0093】4)次に、図11の(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0094】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである。(図においては、炭
素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した。)なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0095】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0096】通電方法をより詳しく説明するために、図
13の(a)に、活性化用電源1112から印加する適
宜の電圧波形の一例を示す。本実施形態においては、一
定電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行
ったが、具体的には,矩形波の電圧Vacは14
[V],パルス幅T3は1[ミリ秒],パルス間隔T4
は10[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本
実施形態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件で
あり、表面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、
それに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0097】図10の(d)に示す1114は該表面伝
導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するた
めのアノード電極で、直流高電圧電源1115および電
流計1116が接続されている。(なお、基板1101
を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114
として用いる。)活性化用電源1112から電圧を印加
する間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電
活性化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源11
12の動作を制御する。電流計1116で計測された放
出電流Ieの一例を図13(b)に示すが、活性化電源
1112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経
過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和して
ほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieが
ほぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印
加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0098】なお、上述の通電条件は、本実施形態の表
面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
条件を適宜変更するのが望ましい。
【0099】以上のようにして、図11(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0100】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、すなわち
垂直型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0101】図14は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜、である。
【0102】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。し
たがって、前記図10の平面型における素子電極間隔L
は、垂直型においては段差形成部材1206の段差高L
sとして設定される。なお、基板1201、素子電極1
202および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1
204、については、前記平面型の説明中に列挙した材
料を同様に用いることが可能である。また、段差形成部
材1206には、たとえばSiO2のような電気的に絶
縁性の材料を用いる。
【0103】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図15の(a)〜(f)は、製造工
程を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図1
4と同一である。 (1)まず、図15(a)に示すように、基板1201
上に素子電極1203を形成する。 (2)次に、同図(b)に示すように、段差形成部材を
形成するための絶縁層を積層する。絶縁層は、たとえば
SiO2をスパッタ法で積層すればよいが、たとえば真
空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を用いてもよい。 (3)次に、同図(c)に示すように、絶縁層の上に素
子電極1202を形成する。 (4)次に、同図(d)に示すように、絶縁層の一部
を、たとえばエッチング法を用いて除去し、素子電極1
203を露出させる。 (5)次に、同図(e)に示すように、微粒子膜を用い
た導電性薄膜1204を形成する。形成するには、前記
平面型の場合と同じく、たとえば塗布法などの成膜技術
を用いればよい。 (6)次に、前記平面型の場合と同じく、通電フォーミ
ング処理を行い、電子放出部を形成する。(図11
(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミング処理
と同様の処理を行えばよい。) (7)次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処
理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を
堆積させる。(図11(d)を用いて説明した平面型の
通電活性化処理と同様の処理を行えばよい。) 以上のようにして、図15(f)に示す垂直型の表面伝
導型放出素子を製造した。
【0104】(放出電流測定方法)上述してきたような
表面伝導型放出素子を備えた画像表示装置における放出
電流の測定方法について、以下、説明する。
【0105】本実施形態において、放出電流の測定は図
1に示すような装置を用いて行う。図1において、画像
表示装置201は図5で説明したものを模式的に表わし
たものである。なお画像表示装置201の構造および製
造方法については上述したとおりである。
【0106】画像表示装置201のHvは不図示の高圧
電極(メタルバック)と外部の可変高圧電圧源203と
を電気的に接続するための端子である。端子Hvには電
流計202と、可変高圧電源203とを直列に接続し、
高圧電極Hvに電圧を供給している。
【0107】行方向配線は個々に配線切替器R204に
接続されている。配線切替器R204は各行方向配線を
個別に半導体素子またはリレーなどのスイッチング素子
を介して、パルス発生器R205或いはグランドに接続
しており、電圧の印加とグランドへの接続という切り替
え制御を各行方向配線ごとに個別にできるようにしてい
る。列方向配線にも配線切替器R204と同一構成の配
線切替器C206が接続されており、行方向配線側と同
様に各列方向配線に対し個別に「電圧の印加」または
「グランドへの接続」の切り替え制御を行えるようにな
っている。
【0108】配線切替器R204および配線切替器C2
06の制御、可変高圧電圧源203の制御、および電流
計202からのデータ転送等は、GBIPまたはI/O
等で接続したパーソナルコンピュータまたはワークステ
ーションなどで構成される制御装置208により行っ
た。
【0109】以上説明した装置により放出電流の測定を
行う方法を、行方向配線m番と列方向配線n番により接
続される素子S(m,n)の放出電流を例にして、図2
のフローチャートを参照しながら説明する。ただし行方
向配線m番にはスペーサ1020が接続されていないも
のとする。
【0110】(1)まず、すべての行方向配線および列
方向配線をすべてグランドする。この接続が終了して表
面伝導型放出素子から電子放出がされない状態にした
後、スペーサ1020を介し高圧電極に流れる電流Is
を電流計202で計測し、制御装置208に転送し、メ
モリに格納しておく(ステップS1)。
【0111】(2)次に、行方向配線m番をパルス発生
器R205に接続し、その他の行方向配線はすべてグラ
ンドとする。列方向配線n番はパルス発生器C207に
接続しその他の列方向配線はすべてグランドに接続す
る。この接続が終了した後パルス発生器R205から波
高値が−Vth[v]のパルスを印加、同時にパルス発
生器C307からは波高値が+Vth[v]のパルスを
印加する。このようにすると素子S(m,n)には絶対
値が2Vth[v]の電圧がかかり、その他の素子には
絶対値が0[v]もしくはVth[v]の電圧がかかる
ことになる。よって先に(表示装置に用いた表面伝導型
放出素子の特性)で説明した素子の第2の特性から素子
S(m,n)からのみ電子放出が起こるようにすること
ができる。このときパルスの立ち上がっている時点での
高圧電極に流れる電流Ie’を電流計202で計測し、
制御装置208に転送しメモリに格納する(ステップS
2)。
【0112】(3)処理対象となっている行方向配線m
はスペーサ1020が接続されていないので、制御装置
208で上述の計測値Ie’からIsを差し引く演算を
行い、素子S(m,n)の正確な放出電流Ieを算出す
る(ステップS3、S4)。
【0113】なお本実施形態ではIe’とIsを差し引
く演算を制御装置208で行っているが、電流計202
内にIsの値を保持するメモリ、およびIsとIe’の
差分を出力する回路を設け、その出力を計測することに
よって放出電流Ieを算出する方法をとってもよい。
【0114】次にスペーサ1020が接続されている行
方向配線ms番と列方向配線n番により接続される素子
S(ms,n)の放出電流測定について説明する。この
場合、スペーサ1020が接続されている行方向配線m
s番に測定パルスが印加されるため、図21を用いて上
述したように、スペーサ1020を介し高圧電極に流れ
る電流値が変動して放出電流の測定精度が悪化する原因
となる。そこで本実施形態の放出電流測定方法では、測
定パルスの印加に伴う高圧電極を流れる電流の変動分を
測定し、その値を放出電流の算出の補正値とすることで
放出電流の測定精度が悪化しないようにしている。以下
その手順を説明する。
【0115】(1)まず、すべての行方向配線および列
方向配線をすべてグランドに接続し、電気的にグランド
レベルとする。この接続が終了した後、スペーサ102
0を介し高圧電極に流れる電流Is(以下でスペーサ電
流とも呼ぶ)を電流計202で計測し、これを制御装置
208に転送し、メモリに格納しておく(ステップS
1)。
【0116】(2)次に、ms番の行方向配線をパルス
発生器R205に接続し、その他の行方向配線はすべて
グランドに接続する。また、n番の列方向配線をパルス
発生装置207に接続しその他の列方向配線を全てグラ
ンドに接続する。この接続が終了した後パルス発生器R
205から波高値が−Vth[v]のパルスを印加し、
同時にパルス発生器C307からは波高値が+Vth
[v]の電圧パルスを印加する。このときパルスの立ち
上がっている時点での高圧電極に流れる電流Ie’を電
流計202で計測し、制御装置208に転送しメモリす
る(ステップS2)。
【0117】(3)次に、処理対象となっているms
の行方向配線にはスペーサ1020が接続されているの
で、処理をステップS3からステップS5へ進める。ス
テップS5では、ms番の行方向配線に電圧パルスを印
加することにより、スペーサ1020を介して高圧電極
に流れる電流に生じる変動分Isdを以下の手順で測定
する。まず、行方向配線ms番を行方向配線側電圧パル
ス発生装置205に接続し、その他の行方向配線、およ
び列方向配線をすべてグランドに接続する。このとき、
同時に可変高圧電圧源203の電圧Vaを0[v]にす
る。上記の操作が終了した後パルス発生器R205から
波高値が−Vth[v]の電圧パルスを印加する。この
ときパルスの立ち上がっている時点での高圧電極Hvに
流れる電流Isdを電流計202で計測し、計測値を制
御装置208に転送してメモリに格納する。
【0118】(4)最後に、制御装置208でIe’か
らIsを差し引く演算を行い、さらにIsdを補正値と
して前記の演算結果から差し引くことで素子S(ms
n)の正確な放出電流Ieを算出することができる(ス
テップS6)。
【0119】なお、本実施形態では素子S(ms,n)
の放出電流の測定を、図2のS1,S2,S3,S5,
S6の手順で行っているが、例えば図3のフローチャー
トに示すような手順で行ってもよい。
【0120】図3において上述した実施形態の測定方法
と異なるのは、図2のステップS5、S6がステップS
8とS9で置き換わることである。ステップS8では高
圧電極Hvに印加する電圧Vaを0[v]にせず、行方
向配線m番に−Vthの電圧を印加してIs+Isdと
等価な電流Is’(変動分込みのスペーサ電流)を測定
している。そして,ステップS9でIe’からIs’を
差し引くことで素子S(ms,n)の正確な放出電流I
eを算出する。
【0121】以上の放出電流測定の際には、測定時に印
加する電圧により素子特性の変化を起こすことがないよ
う気密容器内を10のマイナス7乗[Torr]程度の
真空度まであらかじめ排気しておくことが望ましい。な
お本実施形態で測定の際に印加した電圧パルスの条件は
Vth=7.5[V]、パルス幅0.1[ms]、パル
ス周期16.6[ms]、可変高圧電源203の電圧V
aを1.0[kV]とした。
【0122】なおスペーサが列方向配線と接続されてい
る場合は、上述の測定手順で行方向配線と列方向配線を
入換ればよい。また、スペーサが行方向配線及び列方向
配線のいずれにも接続されていない場合(この場合はス
ペーサに専用の配線が設けられる)は、行方向配線或い
は列方向配線の選択による電圧の変動が無いので、ステ
ップS3の判断は不要であり、ステップS1、S2、S
4を実行すればよい。
【0123】以上説明したように、本実施形態の放出電
流測定方法によれば、計測精度の高い正確な放出電流値
を測定することができる。結果、正確な電子源の放出電
流値を必要とする電子源の性能評価、および良品不良品
判断、および補正駆動(たとえば本出願人による特開平
5−323773)等の精度を向上することができる。
【0124】(本実施形態における画像表示装置の応
用)以上のようにして製造され、放出電流が測定される
画像表示装置の応用について、以下、説明する。
【0125】図16は、前記説明の表面伝導型放出素子
を電子ビーム源として用いたディスプレイパネルに、た
とえばテレビジョン放送をはじめとする種々の画像情報
源より提供される画像情報を表示できるように構成した
多機能表示装置の一例を示すための図である。
【0126】図中、2100はディスプレイパネル、2
101はディスプレイパネルの駆動回路、2102はデ
ィスプレイコントローラ、2103はマルチプレクサ、
2104はデコーダ、2105は入出力インターフェー
ス回路、2106はCPU、2107は画像生成回路、
2108および2109および2110は画像メモリイ
ンターフェース回路、2111は画像入力インターフェ
ース回路、2112および2113はTV信号受信回
路、2114は入力部である。
【0127】なお、本表示装置は、たとえばテレビジョ
ン信号のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を
受信する場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生
するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声
情報の受信,分離,再生,処理,記憶などに関する回路
やスピーカなどについては説明を省略する。
【0128】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明してゆく。
【0129】まず、TV信号受信回路2113は、たと
えば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて
伝送されるTV画像信号を受信するための回路である。
受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、
たとえば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式
などの諸方式でもよい。また、これらよりさらに多数の
走査線よりなるTV信号(たとえばMUSE方式をはじ
めとするいわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数
化に適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに
好適な信号源である。TV信号受信回路2113で受信
されたTV信号は、デコーダ2104に出力される。
【0130】また、TV信号受信回路2112は、たと
えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送
系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。前記TV信号受信回路2113と同様に、受
信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、ま
た本回路で受信されたTV信号もデコーダ2104に出
力される。
【0131】また、画像入力インターフェース回路21
11は、たとえばTVカメラや画像読み取りスキャナな
どの画像入力装置から供給される画像信号を取り込むた
めの回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ2104
に出力される。
【0132】また、画像メモリインターフェース回路2
110は、ビデオテープレコーダ(以下VTRと略す)
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ2104に出力される。
【0133】また、画像メモリインターフェース回路2
109は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を
取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコー
ダ2104に出力される。
【0134】また、画像メモリインターフェース回路2
108は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像
データを記憶している装置から画像信号を取り込むため
の回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ21
04に出力される。
【0135】また、入出力インターフェース回路210
5は、本表示装置と、外部のコンピュータもしくはコン
ピュータネットワークもしくはプリンタなどの出力装置
とを接続するための回路である。画像データや文字デー
タ・図形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合
によっては本表示装置の備えるCPU2106と外部と
の間で制御信号や数値データの入出力などを行うことも
可能である。
【0136】また、画像生成回路2107は、前記入出
力インターフェース回路2105を介して外部から入力
される画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU
2106より出力される画像データや文字・図形情報に
基づき表示用画像データを生成するための回路である。
本回路の内部には、たとえば画像データや文字・図形情
報を蓄積するための書き換え可能メモリや、文字コード
に対応する画像パターンが記憶されている読みだし専用
メモリや、画像処理を行うためのプロセッサなどをはじ
めとして画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0137】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ2104に出力されるが、場合によっては
前記入出力インターフェース回路2105を介して外部
のコンピュータネットワークやプリンタに出力すること
も可能である。
【0138】また、CPU2106は、主として本表示
装置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わ
る作業を行う。
【0139】たとえば、マルチプレクサ2103に制御
信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号
を適宜選択したり組み合わせたりする。また、その際に
は表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコント
ローラ2102に対して制御信号を発生し、画面表示周
波数や走査方法(たとえばインターレースかノンインタ
ーレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作
を適宜制御する。
【0140】また、前記画像生成回路2107に対して
画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるい
は前記入出力インターフェース回路2105を介して外
部のコンピュータやメモリをアクセスして画像データや
文字・図形情報を入力する。
【0141】なお、CPU2106は、むろんこれ以外
の目的の作業にも関わるものであっても良い。たとえ
ば、パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどの
ように、情報を生成したり処理する機能に直接関わって
も良い。
【0142】あるいは、前述したように入出力インター
フェース回路2105を介して外部のコンピュータネッ
トワークと接続し、たとえば数値計算などの作業を外部
機器と協同して行っても良い。
【0143】また、入力部2114は、前記CPU21
06に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなど
を入力するためのものであり、たとえばキーボードやマ
ウスのほか、ジョイスティック,バーコードリーダー,
音声認識装置など多様な入力機器を用いる事が可能であ
る。
【0144】また、デコーダ2104は、前記2107
ないし2113より入力される種々の画像信号を3原色
信号、または輝度信号とI信号,Q信号に逆変換するた
めの回路である。なお、同図中に点線で示すように、デ
コーダ2104は内部に画像メモリを備えるのが望まし
い。これは、たとえばMUSE方式をはじめとして、逆
変換するに際して画像メモリを必要とするようなテレビ
信号を扱うためである。また、画像メモリを備えること
により、静止画の表示が容易になる、あるいは前記画像
生成回路2107およびCPU2106と協同して画像
の間引き,補間,拡大,縮小,合成をはじめとする画像
処理や編集が容易に行えるようになるという利点が生ま
れるからである。
【0145】また、マルチプレクサ2103は、前記C
PU2106より入力される制御信号に基づき表示画像
を適宜選択するものである。すなわち、マルチプレクサ
2103はデコーダ2104から入力される逆変換され
た画像信号のうちから所望の画像信号を選択して駆動回
路2101に出力する。その場合には、一画面表示時間
内で画像信号を切り替えて選択することにより、いわゆ
る多画面テレビのように、一画面を複数の領域に分けて
領域によって異なる画像を表示することも可能である。
【0146】また、ディスプレイパネルコントローラ2
102は、前記CPU2106より入力される制御信号
に基づき駆動回路2101の動作を制御するための回路
である。
【0147】まず、ディスプレイパネルの基本的な動作
に関わるものとして、たとえばディスプレイパネルの駆
動用電源(図示せず)の動作シーケンスを制御するため
の信号を駆動回路2101に対して出力する。
【0148】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、たとえば画面表示周波数や走査方法
(たとえばインターレースかノンインターレースか)を
制御するための信号を駆動回路2101に対して出力す
る。
【0149】また、場合によっては表示画像の輝度やコ
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路2101に対して出力する場
合もある。
【0150】また、駆動回路2101は、ディスプレイ
パネル2100に印加する駆動信号を発生するための回
路であり、前記マルチプレクサ2103から入力される
画像信号と、前記ディスプレイパネルコントローラ21
02より入力される制御信号に基づいて動作するもので
ある。
【0151】以上、各部の機能を説明したが、図16に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル2
100に表示する事が可能である。
【0152】すなわち、テレビジョン放送をはじめとす
る各種の画像信号はデコーダ2104において逆変換さ
れた後、マルチプレクサ2103において適宜選択さ
れ、駆動回路2101に入力される。一方、ディスプレ
イコントローラ2102は、表示する画像信号に応じて
駆動回路2101の動作を制御するための制御信号を発
生する。駆動回路2101は、上記画像信号と制御信号
に基づいてディスプレイパネル2100に駆動信号を印
加する。
【0153】これにより、ディスプレイパネル2100
において画像が表示される。これらの一連の動作は、C
PU2106により統括的に制御される。
【0154】また、本表示装置においては、前記デコー
ダ2104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路21
07およびCPU2106が関与することにより、単に
複数の画像情報の中から選択したものを表示するだけで
なく、表示する画像情報に対して、たとえば拡大,縮
小,回転,移動,エッジ強調,間引き,補間,色変換,
画像の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合
成,消去,接続,入れ換え,はめ込みなどをはじめとす
る画像編集を行う事も可能である。また、本実施形態の
説明では特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集
と同様に、音声情報に関しても処理や編集を行うための
専用回路を設けても良い。
【0155】したがって、本表示装置は、テレビジョン
放送の表示機器,テレビ会議の端末機器,静止画像およ
び動画像を扱う画像編集機器,コンピュータの端末機
器,ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器,
ゲーム機などの機能を一台で兼ね備える事が可能で、産
業用あるいは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0156】なお、上記図16は、表面伝導型放出素子
を電子ビーム源とするディスプレイパネルを用いた表示
装置の構成の一例を示したにすぎず、これのみに限定さ
れるものではない事は言うまでもない。たとえば、図1
6の構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる
回路は省いても差し支えない。またこれとは逆に、使用
目的によってはさらに構成要素を追加しても良い。たと
えば、本表示装置をテレビ電話機として応用する場合に
は、テレビカメラ,音声マイク,照明機,モデムを含む
送受信回路などを構成要素に追加するのが好適である。
【0157】本表示装置においては、とりわけ表面伝導
型放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルが
容易に薄形化できるため、表示装置全体の奥行きを小さ
くすることが可能である。それに加えて、表面伝導型放
出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルは大画
面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本
表示装置は臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良く
表示する事が可能である。
【0158】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子源の性能評価、および良品不良品判断、および補正
駆動等を行う際に必要とされる電子源の放出電流値を正
確に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による放出電流測定装置を示すブロ
ック図である。
【図2】本実施形態による放出電流測定手順を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本実施形態の他の方法による放出電流測定手順
を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態で用いた表面伝導型放出素子の典型
的な特性を示すグラフである。
【図5】本実施形態による画像表示装置の、表示パネル
の一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図6】本実施形態で用いたマルチ電子ビーム源の基板
の平面図である。
【図7】本実施形態で用いたマルチ電子ビーム源の基板
の一部断面図である。
【図8】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列を
例示した平面図である。
【図9】実施形態における表示パネルのA−A’断面図
である。
【図10】実施形態で用いた平面型の表面伝導型放出素
子の平面図(a)、断面図(b)である。
【図11】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図12】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形を
示す図である。
【図13】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a)、
放出電流Ieの変化(b)を示す図である。
【図14】実施形態で用いた垂直型の表面伝導型放出素
子の断面図である。
【図15】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図16】本発明の実施形態である画像表示装置を用い
た多機能画像表示装置のブロック図である。
【図17】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示
す図である。
【図18】従来知られたFE型素子の一例を示す図であ
る。
【図19】従来知られたMIM型素子の一例を示す図で
ある。
【図20】画像表示装置の表示パネルの一部を切り欠い
て示した斜視図である。
【図21】本発明が解決しようとする課題を説明する図
である。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷陰極素子が配置されている基板と、該
    基板に対向して配置され前記冷陰極素子からの放出電子
    を加速する高圧電極と、前記高圧電極と電気的に接続さ
    れ前記基板と高圧電極の間に設けられた構造支持体とを
    備える電子源の放出電流を測定する装置であって、 前記高圧電極に加速電圧を印加した状態で、前記冷陰極
    素子から電子を放出しないまたはきわめて少ない状態で
    該高圧電極に流れる電流を測定する第1測定手段と、 前記高圧電極に前記加速電圧を印加するとともに、前記
    冷陰極素子から電子を放出した状態で該高圧電極に流れ
    る電流を測定する第2測定手段と、 前記第2測定手段で測定された電流から前記第1測定手
    段で測定された電流を差し引くことにより前記冷陰極素
    子からの放出電流を算出する算出手段とを備えることを
    特徴とする電子源の放出電流測定装置。
  2. 【請求項2】 前記構造支持体に接続される配線を介し
    て該構造支持体に印加される電圧の変動に起因して該構
    造支持体を介し前記高圧電極に流れる電流の変動分を測
    定する第3測定手段を更に備え、 前記算出手段は、前記変動分を補正値として用いて前記
    冷陰極素子からの放出電流を算出することを特徴とする
    請求項1に記載の電子源の放出電流測定装置。
  3. 【請求項3】 前記冷陰極素子は複数の行方向配線と列
    方向配線によってマトリックス状に配線されており、前
    記第1及び第2測定手段は、該行方向配線と列方向配線
    へ印加する電圧によって該冷陰極素子の電子放出を制御
    することを特徴とする請求項2に記載の電子源の放出電
    流測定装置。
  4. 【請求項4】 前記構造支持体に接続される配線は前記
    複数の行方向配線の一つであることを特徴とする請求項
    3に記載の電子源の放出電流測定装置。
  5. 【請求項5】 複数の冷陰極素子が複数の行方向配線と
    列方向配線によってマトリクス状に配線されてなる基板
    と、該基板よりの放出電子を加速する高圧電極と、所定
    の行方向配線と前記高圧電極に接続された構造支持体と
    を有する電子源における放出電流を測定する装置であっ
    て、 前記高圧電極に第1の電圧を印加するとともに、前記複
    数の冷陰極素子から電子が放出しないかまたは極めて少
    ない状態とすべく前記行方向配線と列方向配線の電位を
    設定した状態で前記高圧電極に流れる電流Isを測定す
    る第1測定手段と、 前記高圧電極に前記第1の電圧を印加するとともに、測
    定対象の冷陰極素子に接続された行方向配線と列方向配
    線のそれぞれに所定の駆動電圧を印加した状態で前記高
    圧電極に流れる電流Ie’を測定する第2測定手段と、 前記第2測定手段で測定された電流Ie’と前記第1測
    定手段で測定された電流Isとの差を算出して前記測定
    対象の冷陰極素子の放出電流とする第1算出手段とを備
    えることを特徴とする電子源の放出電流測定装置。
  6. 【請求項6】 前記測定対象の冷陰極素子が前記特定の
    行方向配線に接続されている場合に、前記高圧電極をグ
    ランドレベルとするとともに当該行方向配線に所定の駆
    動電圧を印加して該高圧電極に流れる電流Isdを測定す
    る第3測定手段を更に備え、 前記算出手段は、前記測定対象の冷陰極素子が前記特定
    の行方向配線に接続されている場合に、前記第2測定手
    段で測定された電流Ie’から、前記第1測定手段で測
    定された電流Isと前記第3測定手段で測定された電流
    Isdの和を減算して前記測定対象の冷陰極素子の放出電
    流とすることを特徴とする請求項5に記載の電子源の放
    出電流測定装置。
  7. 【請求項7】 前記測定対象の冷陰極素子が前記特定の
    行方向配線に接続されている場合に、前記高圧電極に前
    記第1の電圧を印加するとともに、該特定の行方向配線
    のみに駆動電圧を印加して該高圧電極に流れる電流Is
    d’を測定する第4測定手段を更に備え、 前記算出手段は、前記測定対象の冷陰極素子が前記特定
    の行方向配線に接続されている場合に、前記第2測定手
    段で測定された電流Ie’から、前記第4測定手段で測
    定された電流Isd’を減算して前記測定対象の冷陰極素
    子の放出電流とすることを特徴とする請求項5に記載の
    電子源の放出電流測定装置。
  8. 【請求項8】 前記冷陰極素子は表面伝導型放出素子で
    あることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載
    の電子源の放出電流測定装置。
  9. 【請求項9】 前記電子源は、前記高圧電極側に前記冷
    陰極素子からの電子照射により可視光を発光する蛍光体
    を有したフェイスプレートを備える画像形成装置を構成
    することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載
    の電子源の放出電流測定装置。
  10. 【請求項10】 冷陰極素子が配置されている基板と、
    該基板に対向して配置され前記冷陰極素子からの放出電
    子を加速する高圧電極と、前記高圧電極と電気的に接続
    され前記基板と高圧電極の間に設けられた構造支持体と
    を備える電子源の放出電流を測定する装置であって、 前記高圧電極に加速電圧を印加した状態で、前記冷陰極
    素子から電子を放出しないまたはきわめて少ない状態で
    該高圧電極に流れる電流を測定する第1測定工程と、 前記高圧電極に前記加速電圧を印加するとともに、前記
    冷陰極素子から電子を放出した状態で該高圧電極に流れ
    る電流を測定する第2測定工程と、 前記第2測定工程で測定された電流から前記第1測定工
    程で測定された電流を差し引くことにより前記冷陰極素
    子からの放出電流を算出する算出工程とを備えることを
    特徴とする電子源の放出電流測定方法。
  11. 【請求項11】 前記構造支持体に接続される配線を介
    して該構造支持体に印加される電圧の変動に起因して該
    構造支持体を介し前記高圧電極に流れる電流の変動分を
    測定する第3測定工程を更に備え、 前記算出工程は、前記変動分を補正値として用いて前記
    冷陰極素子からの放出電流を算出することを特徴とする
    請求項10に記載の電子源の放出電流測定方法。
  12. 【請求項12】 前記冷陰極素子は複数の行方向配線と
    列方向配線によってマトリックス状に配線されており、
    前記第1及び第2測定工程は、該行方向配線と列方向配
    線へ印加する電圧によって該冷陰極素子の電子放出を制
    御することを特徴とする請求項11に記載の電子源の放
    出電流測定方法。
  13. 【請求項13】 前記構造支持体に接続される配線は前
    記複数の行方向配線の一つであることを特徴とする請求
    項12に記載の電子源の放出電流測定方法。
  14. 【請求項14】 複数の冷陰極素子が複数の行方向配線
    と列方向配線によってマトリクス状に配線されてなる基
    板と、該基板よりの放出電子を加速する高圧電極と、所
    定の行方向配線と前記高圧電極に接続された構造支持体
    とを有する電子源における放出電流を測定する装置であ
    って、 前記高圧電極に第1の電圧を印加するとともに、前記複
    数の冷陰極素子から電子が放出しないかまたは極めて少
    ない状態とすべく前記行方向配線と列方向配線の電位を
    設定した状態で前記高圧電極に流れる電流Isを測定す
    る第1測定工程と、 前記高圧電極に前記第1の電圧を印加するとともに、測
    定対象の冷陰極素子に接続された行方向配線と列方向配
    線のそれぞれに所定の駆動電圧を印加した状態で前記高
    圧電極に流れる電流Ie’を測定する第2測定工程と、 前記第2測定工程で測定された電流Ie’と前記第1測
    定工程で測定された電流Isとの差を算出して前記測定
    対象の冷陰極素子の放出電流とする第1算出工程とを備
    えることを特徴とする電子源の放出電流測定方法。
  15. 【請求項15】 前記測定対象の冷陰極素子が前記特定
    の行方向配線に接続されている場合に、前記高圧電極を
    グランドレベルとするとともに当該行方向配線に所定の
    駆動電圧を印加して該高圧電極に流れる電流Isdを測定
    する第3測定工程を更に備え、 前記算出工程は、前記測定対象の冷陰極素子が前記特定
    の行方向配線に接続されている場合に、前記第2測定工
    程で測定された電流Ie’から、前記第1測定工程で測
    定された電流Isと前記第3測定工程で測定された電流
    Isdの和を減算して前記測定対象の冷陰極素子の放出電
    流とすることを特徴とする請求項14に記載の電子源の
    放出電流測定方法。
  16. 【請求項16】 前記測定対象の冷陰極素子が前記特定
    の行方向配線に接続されている場合に、前記高圧電極に
    前記第1の電圧を印加するとともに、該特定の行方向配
    線のみに駆動電圧を印加して該高圧電極に流れる電流I
    sd’を測定する第4測定工程を更に備え、 前記算出工程は、前記測定対象の冷陰極素子が前記特定
    の行方向配線に接続されている場合に、前記第2測定工
    程で測定された電流Ie’から、前記第4測定工程で測
    定された電流Isd’を減算して前記測定対象の冷陰極素
    子の放出電流とすることを特徴とする請求項14に記載
    の電子源の放出電流測定方法。
  17. 【請求項17】 前記冷陰極素子は表面伝導型放出素子
    であることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか
    に記載の電子源の放出電流測定方法。
  18. 【請求項18】 前記電子源は、前記高圧電極側に前記
    冷陰極素子からの電子照射により可視光を発光する蛍光
    体を有したフェイスプレートを備える画像形成装置を構
    成することを特徴とする請求項10乃至17のいずれか
    に記載の電子源の放出電流測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007193190A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Sony Corp 平面型表示装置の駆動方法

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