JP2000133201A - 冷陰極蛍光ランプの電極 - Google Patents
冷陰極蛍光ランプの電極Info
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Abstract
(57)【要約】
[課題] ホローカソード効果等を奏する形状の電極を
高融点物質により構成し、点灯中におけるガラスバルブ
内の水銀消耗量を減少せしめ、冷陰極蛍光ランプの長寿
命化、及び高輝度化を図ることを目的とする。 [解決手段] 冷陰極蛍光ランプの1対の内部電極3、
3は、対向面側が開口した金属製円筒状部を備えた円筒
形状に形成されている。この金属製円筒状部は、モリブ
デン、モリブデンを有する化合物、タンタル、タンタル
を有する化合物の内、選択された少なくとも1種の金属
若しくは金属化合物からなることを特徴とする。
高融点物質により構成し、点灯中におけるガラスバルブ
内の水銀消耗量を減少せしめ、冷陰極蛍光ランプの長寿
命化、及び高輝度化を図ることを目的とする。 [解決手段] 冷陰極蛍光ランプの1対の内部電極3、
3は、対向面側が開口した金属製円筒状部を備えた円筒
形状に形成されている。この金属製円筒状部は、モリブ
デン、モリブデンを有する化合物、タンタル、タンタル
を有する化合物の内、選択された少なくとも1種の金属
若しくは金属化合物からなることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にOA機器、液
晶テレビ等の液晶表示画面の背面光源として使用される
細管型の冷陰極蛍光ランプの円筒形電極に関し、詳しく
は水銀の消耗量を低減せしめて長寿命化、低電力化、高
効率化を図った冷陰極蛍光ランプの電極に関する。
晶テレビ等の液晶表示画面の背面光源として使用される
細管型の冷陰極蛍光ランプの円筒形電極に関し、詳しく
は水銀の消耗量を低減せしめて長寿命化、低電力化、高
効率化を図った冷陰極蛍光ランプの電極に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置等の背面光源として用いる
冷陰極蛍光ランプの電極は、ニッケル(Ni)、アルミ
ニウム(Al)、鉄(Fe)、タングステン(W)等を
材料として用い、円筒形、平行平板形や円柱(棒)状に
形成していた。また、これらの電極構成金属の電子放射
特性の低さをカバーするために、電極表面にホウ化ラン
タン(LaB6)、酸化バリウム(BaO)等の電子放
射特性の良好な物質を塗布、スパッタ、CVD等の方法
によってコーティングし発光効率を高めている。その具
体例を以下に説明する。
冷陰極蛍光ランプの電極は、ニッケル(Ni)、アルミ
ニウム(Al)、鉄(Fe)、タングステン(W)等を
材料として用い、円筒形、平行平板形や円柱(棒)状に
形成していた。また、これらの電極構成金属の電子放射
特性の低さをカバーするために、電極表面にホウ化ラン
タン(LaB6)、酸化バリウム(BaO)等の電子放
射特性の良好な物質を塗布、スパッタ、CVD等の方法
によってコーティングし発光効率を高めている。その具
体例を以下に説明する。
【0003】特開平3−184252号公報開示の冷陰
極蛍光ランプの電極は、両端を開口したタングステンよ
りなる円筒状に形成し、若しくはこの円筒状電極の側面
に無数の穴を穿設した穴あき円筒状電極に形成すること
により、円筒状内径部に放電時ホロー電極とし、大電流
での長寿命化を図るようにしている。
極蛍光ランプの電極は、両端を開口したタングステンよ
りなる円筒状に形成し、若しくはこの円筒状電極の側面
に無数の穴を穿設した穴あき円筒状電極に形成すること
により、円筒状内径部に放電時ホロー電極とし、大電流
での長寿命化を図るようにしている。
【0004】又、特開平9−82275号公報記載の発
明は、対向内側面を開口し、外側端を閉塞したニッケル
スリーブの内側に、水銀合金を充填した管径及び全長
(軸長)の短小なニッケルスリーブを挿入し、これら大
小異なる2本のニッケルスリーブ間及び外側のニッケル
スリーブの内面にエミッタが被着されている電極構造を
有している。
明は、対向内側面を開口し、外側端を閉塞したニッケル
スリーブの内側に、水銀合金を充填した管径及び全長
(軸長)の短小なニッケルスリーブを挿入し、これら大
小異なる2本のニッケルスリーブ間及び外側のニッケル
スリーブの内面にエミッタが被着されている電極構造を
有している。
【0005】又、特開平10−21876号公報記載の
発明は、両端を開口したニッケルスリーブの外側開口よ
り導電性金属棒の先端を挿入し、外部からかしめ等の手
段によりニッケルスリーブの下部を内側方に窪ませて、
導電性金属棒をニッケルスリーブに物理的に固定し、電
極の表面積を大にし、相互に対向する電極面がホローカ
ソード効果を最も出す構造にし、このホローカソード効
果により、陰極降下電圧が低減する一方、発光輝度特性
を向上させ、黒化の発生を低減し、スパッタリングによ
る水銀消耗を低減するようにしている。
発明は、両端を開口したニッケルスリーブの外側開口よ
り導電性金属棒の先端を挿入し、外部からかしめ等の手
段によりニッケルスリーブの下部を内側方に窪ませて、
導電性金属棒をニッケルスリーブに物理的に固定し、電
極の表面積を大にし、相互に対向する電極面がホローカ
ソード効果を最も出す構造にし、このホローカソード効
果により、陰極降下電圧が低減する一方、発光輝度特性
を向上させ、黒化の発生を低減し、スパッタリングによ
る水銀消耗を低減するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のうち特開平3−184252号公報開示の電極で
あると、円筒状の電極をタングステンにより構成してい
る。このタングステンを円筒状電極に加工することは製
造技術上困難で、寸法、形状の自由度が少なく、製造コ
スト高である。その結果、タングステン製円筒状電極を
用いた冷陰極蛍光ランプも高コスト化し、非実用的であ
るという問題点を有していた。
来例のうち特開平3−184252号公報開示の電極で
あると、円筒状の電極をタングステンにより構成してい
る。このタングステンを円筒状電極に加工することは製
造技術上困難で、寸法、形状の自由度が少なく、製造コ
スト高である。その結果、タングステン製円筒状電極を
用いた冷陰極蛍光ランプも高コスト化し、非実用的であ
るという問題点を有していた。
【0007】特開平9−82275号公報、特開平10
−21876号公報開示の電極においては、円筒状電極
の材料が比較的融点の低いニッケル等であるので、電極
を構成する金属が点灯中に放電により発生する管内のイ
オンによりスパッタされやすく、このスパッタされた電
極物質が蛍光体被膜の内側表面や、ガラスバルブ内面に
付着し、長時間点灯中の光束の低下度合を増大させると
いう問題点があった。
−21876号公報開示の電極においては、円筒状電極
の材料が比較的融点の低いニッケル等であるので、電極
を構成する金属が点灯中に放電により発生する管内のイ
オンによりスパッタされやすく、このスパッタされた電
極物質が蛍光体被膜の内側表面や、ガラスバルブ内面に
付着し、長時間点灯中の光束の低下度合を増大させると
いう問題点があった。
【0008】又、上記スパッタされた電極物質は、管内
の水銀と反応してアマルガムを形成し、このアマルガム
化した水銀は、水銀蒸気になることができない為、放電
に寄与しなくなる。即ち、ニッケルの様にスパッタし易
い物質で電極が構成されていると、放電に寄与し得る水
銀が迅速に消耗される為、冷陰極蛍光ランプが短寿命化
するという問題点を招来していた。
の水銀と反応してアマルガムを形成し、このアマルガム
化した水銀は、水銀蒸気になることができない為、放電
に寄与しなくなる。即ち、ニッケルの様にスパッタし易
い物質で電極が構成されていると、放電に寄与し得る水
銀が迅速に消耗される為、冷陰極蛍光ランプが短寿命化
するという問題点を招来していた。
【0009】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
であり、点灯中の水銀消耗量及び管端黒化を低減し、長
寿命化及び高輝度化を図った冷陰極蛍光ランプを提供す
ることを目的とする。
であり、点灯中の水銀消耗量及び管端黒化を低減し、長
寿命化及び高輝度化を図った冷陰極蛍光ランプを提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のうち請求項1記載の発明は、内面に蛍光体被
膜を形成したガラスバルブに放電媒体を封入し、且つ両
端内側に対向面側が開口した1対の金属製円筒状部を具
備してなる電極を封着してなる冷陰極蛍光ランプの電極
において、前記金属製円筒状部が、モリブデン、モリブ
デンを有する化合物、タンタル、タンタルを有する化合
物の内、選択された少なくとも1種の金属若しくは金属
化合物からなることを特徴とする。
に本発明のうち請求項1記載の発明は、内面に蛍光体被
膜を形成したガラスバルブに放電媒体を封入し、且つ両
端内側に対向面側が開口した1対の金属製円筒状部を具
備してなる電極を封着してなる冷陰極蛍光ランプの電極
において、前記金属製円筒状部が、モリブデン、モリブ
デンを有する化合物、タンタル、タンタルを有する化合
物の内、選択された少なくとも1種の金属若しくは金属
化合物からなることを特徴とする。
【0011】本発明のうち請求項2記載の発明は、上記
金属製円筒状部に、アルカリ土類金属元素、希土類金属
元素の内、選ばれた少なくとも1種類以上の元素を有す
る金属化合物を材料とするエミッタを備えたことを特徴
とする。
金属製円筒状部に、アルカリ土類金属元素、希土類金属
元素の内、選ばれた少なくとも1種類以上の元素を有す
る金属化合物を材料とするエミッタを備えたことを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の1例
を図に基づいて説明する。
を図に基づいて説明する。
【0013】図1は冷陰極蛍光ランプの一部切欠説明
図、図2は本発明の実施の形態の1例における電極の構
成を示す要部拡大断面図である。これらの図において、
外径約2.2mm、内径約1.8mm程度のガラスバル
ブ1の内面には紫外線を可視光線に変換させる蛍光体被
膜2を形成し、内部には数mmgの水銀と封入ガスとし
て希ガスが60Torrの封入圧で封入されている。ガ
ラスバルブ1の両端内側には、1対の電極3、3が対向
的な位置に封着されている。電極3は、タンタル、タン
タル化合物、モリブデン、モリブデン化合物等の高融点
金属の内から選ばれたいずれか1種を材料として用いた
両端を開口したスリーブ4と、このスリーブ4のガラス
バルブ1の管端側開口より先端部が挿入されたコバール
製の導電性金属棒5とより構成されており、この導電性
金属棒5に電気的に接続された導入線6をガラスバルブ
1の両端封止部を気密に貫通して外部に導出させること
により外部電源より給電可能にし、放電電極として機能
させるように構成されている。スリーブ4は、例えば内
径0.4〜1.5mm、全長2.0〜5.0mm程度の
円筒形状に、導電性金属棒5は直径0.3〜1.4mm
程度の円柱形状に形成されており、スリーブ4の下部に
内側方に窪む凹部7を設けることによりスリーブ4に導
電性金属棒5を物理的に固定している。このように、電
極3を対向内側面が開口する円筒形状部を備えた構造に
すると、ホローカソード効果等の形状による効果により
電極内面から電子放射が行なわれ易く、陰極降下電圧が
低減し、効率の良い電子放射により管端黒化が低減す
る。又、電極材料にタンタル、モリブデン若しくはこれ
らの化合物から選ばれた1種を用いる。これらの金属
は、成形が容易で低コストであり、融点及び導電性が高
く、放電中にスパッタが抑制され、そのためガラスバル
ブ内の水銀と化合することが殆どないため水銀の消耗が
低減し、且つ放電中の経時変化の低さより管端黒化を抑
制し、冷陰極蛍光ランブが長寿命化する。
図、図2は本発明の実施の形態の1例における電極の構
成を示す要部拡大断面図である。これらの図において、
外径約2.2mm、内径約1.8mm程度のガラスバル
ブ1の内面には紫外線を可視光線に変換させる蛍光体被
膜2を形成し、内部には数mmgの水銀と封入ガスとし
て希ガスが60Torrの封入圧で封入されている。ガ
ラスバルブ1の両端内側には、1対の電極3、3が対向
的な位置に封着されている。電極3は、タンタル、タン
タル化合物、モリブデン、モリブデン化合物等の高融点
金属の内から選ばれたいずれか1種を材料として用いた
両端を開口したスリーブ4と、このスリーブ4のガラス
バルブ1の管端側開口より先端部が挿入されたコバール
製の導電性金属棒5とより構成されており、この導電性
金属棒5に電気的に接続された導入線6をガラスバルブ
1の両端封止部を気密に貫通して外部に導出させること
により外部電源より給電可能にし、放電電極として機能
させるように構成されている。スリーブ4は、例えば内
径0.4〜1.5mm、全長2.0〜5.0mm程度の
円筒形状に、導電性金属棒5は直径0.3〜1.4mm
程度の円柱形状に形成されており、スリーブ4の下部に
内側方に窪む凹部7を設けることによりスリーブ4に導
電性金属棒5を物理的に固定している。このように、電
極3を対向内側面が開口する円筒形状部を備えた構造に
すると、ホローカソード効果等の形状による効果により
電極内面から電子放射が行なわれ易く、陰極降下電圧が
低減し、効率の良い電子放射により管端黒化が低減す
る。又、電極材料にタンタル、モリブデン若しくはこれ
らの化合物から選ばれた1種を用いる。これらの金属
は、成形が容易で低コストであり、融点及び導電性が高
く、放電中にスパッタが抑制され、そのためガラスバル
ブ内の水銀と化合することが殆どないため水銀の消耗が
低減し、且つ放電中の経時変化の低さより管端黒化を抑
制し、冷陰極蛍光ランブが長寿命化する。
【0014】
【試験例1】前述の図1及び図2に示される冷陰極蛍光
ランプについて点灯時間と輝度維持率の関係を試験し
た。電極構成材料としてはモリブデンを用い、周囲温度
25℃、ランプ電流5mAの条件下で行なった。比較の
ために、電極構成材料がニッケルで、ガラスバルブ内径
や電極形状、封入水銀量等の他の条件が同一の冷陰極蛍
光ランプについても、同一条件下で試験を行なった。そ
の結果は、図3に示す通りである。図中実線で示される
電極構成材料がモリブデンの本実施の形態における冷陰
極蛍光ランプは20000時間を経過しても輝度維持率
が60%の高輝度を維持することが試験によって裏付け
られた。これに対し、図中点線で示される電極材料がニ
ッケルの従来例の冷陰極蛍光ランプは17000時間経
過時に、輝度維持率が60%から10%に急降下し、短
寿命であることが判明した。これは、ガラスバルブ1内
の水銀が消耗され、希ガス放電になったことを示す。
ランプについて点灯時間と輝度維持率の関係を試験し
た。電極構成材料としてはモリブデンを用い、周囲温度
25℃、ランプ電流5mAの条件下で行なった。比較の
ために、電極構成材料がニッケルで、ガラスバルブ内径
や電極形状、封入水銀量等の他の条件が同一の冷陰極蛍
光ランプについても、同一条件下で試験を行なった。そ
の結果は、図3に示す通りである。図中実線で示される
電極構成材料がモリブデンの本実施の形態における冷陰
極蛍光ランプは20000時間を経過しても輝度維持率
が60%の高輝度を維持することが試験によって裏付け
られた。これに対し、図中点線で示される電極材料がニ
ッケルの従来例の冷陰極蛍光ランプは17000時間経
過時に、輝度維持率が60%から10%に急降下し、短
寿命であることが判明した。これは、ガラスバルブ1内
の水銀が消耗され、希ガス放電になったことを示す。
【0015】図4を参照にして本発明の実施の形態につ
いて説明する。電極3は、タンタル、タンタル化合物、
モリブデン、モリブデン化合物等の高融点金属の内から
選ばれたいずれか1種を電極材料として用いている。電
極3は、内経が0.8mm、外径が1.0mm、全長
(軸長)が3.0mmの対向面側を開口し、ガラスバル
ブ管端側を閉塞した有底円筒形状に加工形成されてお
り、導入線6と電気的に接続されている。他の構成は前
述の図1及び図2に示される実施の形態と同様である。
いて説明する。電極3は、タンタル、タンタル化合物、
モリブデン、モリブデン化合物等の高融点金属の内から
選ばれたいずれか1種を電極材料として用いている。電
極3は、内経が0.8mm、外径が1.0mm、全長
(軸長)が3.0mmの対向面側を開口し、ガラスバル
ブ管端側を閉塞した有底円筒形状に加工形成されてお
り、導入線6と電気的に接続されている。他の構成は前
述の図1及び図2に示される実施の形態と同様である。
【0016】図5を参照にして本発明の実施の形態につ
いて説明する。前述の図1及び図2と同様の構成につい
ては説明を省略する。スリーブ4は、タンタル、タンタ
ルを有する化合物、モリブデン、モリブデンを有する化
合物等の高融点金属の内から選ばれたいずれか1種を材
料として用いている。スリーブ4の内面に於いてはスリ
ーブ4の上端縁から導電性金属棒5の先端面までの範
囲、スリーブ4の外面に於いてはスリーブ4の上端縁か
ら一部の範囲にエミッタ8が被着されている。エミッタ
8は、スリーブ4の外面全体に被着してもよい。エミッ
タ8は、電極3を構成する材料(Ta、Mo若しくはこ
れらの化合物)と比較してより低温、低電界で多量の電
子を放出する作用をなす物質で、ある物質の表面から真
空中へ電子が遊離されるために必要なエネルギー量であ
る仕事関数が小さく、且つ蒸気圧の低い金属化合物であ
ることが、冷陰極蛍光ランプの長寿命化のためには好適
である。つまり、仕事関数が小さい物質ほど電子放射性
が高く、又、蒸気圧の低い物質ほど使用中に蒸発消失し
て経時変化しにくいので好ましい。
いて説明する。前述の図1及び図2と同様の構成につい
ては説明を省略する。スリーブ4は、タンタル、タンタ
ルを有する化合物、モリブデン、モリブデンを有する化
合物等の高融点金属の内から選ばれたいずれか1種を材
料として用いている。スリーブ4の内面に於いてはスリ
ーブ4の上端縁から導電性金属棒5の先端面までの範
囲、スリーブ4の外面に於いてはスリーブ4の上端縁か
ら一部の範囲にエミッタ8が被着されている。エミッタ
8は、スリーブ4の外面全体に被着してもよい。エミッ
タ8は、電極3を構成する材料(Ta、Mo若しくはこ
れらの化合物)と比較してより低温、低電界で多量の電
子を放出する作用をなす物質で、ある物質の表面から真
空中へ電子が遊離されるために必要なエネルギー量であ
る仕事関数が小さく、且つ蒸気圧の低い金属化合物であ
ることが、冷陰極蛍光ランプの長寿命化のためには好適
である。つまり、仕事関数が小さい物質ほど電子放射性
が高く、又、蒸気圧の低い物質ほど使用中に蒸発消失し
て経時変化しにくいので好ましい。
【0017】このような条件を満足する物質として、具
体的には、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属
複酸化物、希土類金属酸化物、希土類金属ホウ化物等か
らなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属化合物
を掲げることができる。アルカリ土類金属酸化物として
は例えばCaO、BaO、SrO等が、アルカリ土類金
属複酸化物としては例えばBaAl2O4、BaW
O4、CaWO4、希土類金属酸化物としては例えばY
2O3、La2O3、希土類金属ホウ化物としては例え
ばLaB6、CeB6、YB6等を掲げることができる
が、これらの内でBaO、BaAl2O4、Y2O3、
LaB6が最も好ましい。
体的には、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属
複酸化物、希土類金属酸化物、希土類金属ホウ化物等か
らなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属化合物
を掲げることができる。アルカリ土類金属酸化物として
は例えばCaO、BaO、SrO等が、アルカリ土類金
属複酸化物としては例えばBaAl2O4、BaW
O4、CaWO4、希土類金属酸化物としては例えばY
2O3、La2O3、希土類金属ホウ化物としては例え
ばLaB6、CeB6、YB6等を掲げることができる
が、これらの内でBaO、BaAl2O4、Y2O3、
LaB6が最も好ましい。
【0018】図5に示される冷陰極蛍光ランプについて
点灯時間と輝度維持率の関係を試験した。電極構成材料
にはモリブデンを用い、エミッタを備えた電極により構
成される冷陰極蛍光ランプを用い、周囲温度25℃、ラ
ンプ電流5mAの条件下で行なった。比較のために、ガ
ラスバルブ内径や電極形状、封入水銀量等の他の条件が
同一で電極構成材料がニッケルでエミッタを備えた従来
の冷陰極蛍光ランプについても、同一条件下で試験を行
なった。その結果は、図6に示す通りである。図中点線
で示される図5を参照にして説明した冷陰極蛍光ランプ
は4000時間を経過しても輝度維持率が85%を維持
することが、試験によって裏付けられた。これに対し、
図中点線で示される電極材料がニッケルの従来品は30
00時間程度経過時に、輝度維持率が85%から18%
に急降下し、短寿命であることが判明した。この急降下
はガラスバルブ内の水銀消耗による希ガス放電によるた
めである。
点灯時間と輝度維持率の関係を試験した。電極構成材料
にはモリブデンを用い、エミッタを備えた電極により構
成される冷陰極蛍光ランプを用い、周囲温度25℃、ラ
ンプ電流5mAの条件下で行なった。比較のために、ガ
ラスバルブ内径や電極形状、封入水銀量等の他の条件が
同一で電極構成材料がニッケルでエミッタを備えた従来
の冷陰極蛍光ランプについても、同一条件下で試験を行
なった。その結果は、図6に示す通りである。図中点線
で示される図5を参照にして説明した冷陰極蛍光ランプ
は4000時間を経過しても輝度維持率が85%を維持
することが、試験によって裏付けられた。これに対し、
図中点線で示される電極材料がニッケルの従来品は30
00時間程度経過時に、輝度維持率が85%から18%
に急降下し、短寿命であることが判明した。この急降下
はガラスバルブ内の水銀消耗による希ガス放電によるた
めである。
【0019】
【発明の効果】本発明は、ホローカソード効果等の陰極
からの電子放出効率が良好な形状の電極を高融点物質を
材料として構成したので、放電中に経時変化が極めて少
なく、安定した発光が長時間得られ、かつ蒸発やスパッ
タが抑制されてガラスバルブの電極周辺部の黒化度が低
く、水銀消耗も少ない長寿命性の冷陰極蛍光ランプを提
供し得るという効果がある。
からの電子放出効率が良好な形状の電極を高融点物質を
材料として構成したので、放電中に経時変化が極めて少
なく、安定した発光が長時間得られ、かつ蒸発やスパッ
タが抑制されてガラスバルブの電極周辺部の黒化度が低
く、水銀消耗も少ない長寿命性の冷陰極蛍光ランプを提
供し得るという効果がある。
【0020】又、エミッタ材料として仕事関数が小さ
く、蒸気圧が低い高融点物質を用いるので、上記電極構
造及び構成材料による効果と相俟って、より一層電子放
射性物質の蒸発やスパッタが抑制され、ガラスバルブ内
の封入水銀の消耗量が低減し、高輝度性、長寿命性の冷
陰極蛍光ランプを提供し得るという効果がある。
く、蒸気圧が低い高融点物質を用いるので、上記電極構
造及び構成材料による効果と相俟って、より一層電子放
射性物質の蒸発やスパッタが抑制され、ガラスバルブ内
の封入水銀の消耗量が低減し、高輝度性、長寿命性の冷
陰極蛍光ランプを提供し得るという効果がある。
【図1】冷陰極蛍光ランプの一部切欠説明図である。
【図2】電極の構成を示す要部拡大断面図である。
【図3】点灯時間と輝度維持率の関係を示すグラフ図で
ある。
ある。
【図4】電極の構成を示す要部拡大断面図である。
【図5】電極の構成を示す要部拡大断面図である。
【図6】点灯時間と輝度維持率の関係を示すグラフ図で
ある。
ある。
1 ガラスバルブ 2 蛍光体被膜 3 電極 8 エミッタ
Claims (2)
- 【請求項1】 内面に蛍光体被膜を形成したガラスバル
ブに放電媒体を封入し、かつ両端内側に対向面側が開口
した一対の金属製円筒状部を具備してなる電極を封着し
てなる冷陰極蛍光ランプの電極において、前記金属製円
筒状部がモリブデン(Mo)、モリブデンを有する化合
物、タンタル(Ta)、及びタンタルを有する化合物の
内、選ばれた少なくとも1種の金属若しくは金属化合物
からなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプの電極。 - 【請求項2】 上記金属製円筒状部に、アルカリ土類金
属元素、希土類金属元素の内、選ばれた少なくとも1種
類以上の元素を有する金属化合物を材料とするエミッタ
を備えたことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ラ
ンプの電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10340950A JP2000133201A (ja) | 1998-10-22 | 1998-10-22 | 冷陰極蛍光ランプの電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10340950A JP2000133201A (ja) | 1998-10-22 | 1998-10-22 | 冷陰極蛍光ランプの電極 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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1998
- 1998-10-22 JP JP10340950A patent/JP2000133201A/ja active Pending
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