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JP2000130471A - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

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Publication number
JP2000130471A
JP2000130471A JP10302774A JP30277498A JP2000130471A JP 2000130471 A JP2000130471 A JP 2000130471A JP 10302774 A JP10302774 A JP 10302774A JP 30277498 A JP30277498 A JP 30277498A JP 2000130471 A JP2000130471 A JP 2000130471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sprag
guide surface
sprags
contact point
way clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10302774A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Nagatani
修一 永谷
Hirobumi Miyata
博文 宮田
Shinichiro Nishikawa
真一郎 西川
Masakazu Domoto
正和 堂本
Masahiko Satoda
雅彦 里田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
NTN Corp
Bando Chemical Industries Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, Bando Chemical Industries Ltd, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP10302774A priority Critical patent/JP2000130471A/ja
Priority to US09/422,082 priority patent/US6220414B1/en
Priority to DE19951051A priority patent/DE19951051A1/de
Publication of JP2000130471A publication Critical patent/JP2000130471A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車エンジンの微小角速度変動を伴って回
転するクランク軸のトルクが伝動ベルトを介して伝達さ
れるオルタネータ機のオルタネータ軸に、スプラグ5が
保持器4のガイド面8に案内されて内外輪1,2間に食
い込む方向に傾動するように板ばね6により常時押圧さ
れる一方向クラッチ内蔵プーリAを取り付ける際に、ス
プラグ5をガイド面8との間の摩擦力F3 に拘わらず上
記食込み方向に傾動させることができるようにし、エン
ジンの高速回転域におけるロック不良の解消に寄与でき
るようにする。 【解決手段】 スプラグ5のガイド面8との接触点Qに
該スプラグ5を食込み方向に傾動させるように作用する
傾動力F2 が、接触点Qに作用するスプラグ5及びガイ
ド面8間の摩擦力F3 よりも大きくなるように設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば微小角速度
変動を伴って回転する自動車エンジンのクランク軸のト
ルクを伝動ベルトを介して補機の補機軸に伝達するトル
ク伝達経路に配設される一方向クラッチに関し、特に高
周波の微小角速度変動における角速度増加時のロック不
良対策に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開昭61−228153号公
報に記載されているように、自動車エンジンのクランク
軸のトルクを伝動ベルトを介して補機の補機軸に伝達す
るトルク伝達経路に、一方向クラッチを配設すること
で、上記エンジンの爆発行程に起因するトルクの微小角
速度変動を吸収して上記伝動ベルトの負荷を軽減できる
ようになることは知られている。特に、補機がオルタネ
ータである場合には、そのロータの慣性トルクが大きい
ことからベルト負荷の軽減効果も大きい。
【0003】その際に、エンジンの高速回転域(例え
ば、5000rpm)における高周波の微小角速度変動
については、その振幅が小さくて伝動ベルトの弾性によ
り十分に吸収される範囲であるので伝動ベルトの負荷も
小さいのに対し、エンジンの低速回転域(例えば、アイ
ドリング時)の低周波の微小角速度変動については、そ
の振幅が大きくて伝動ベルトに大きな負荷が加わること
から、上記一方向クラッチの役割としては、特にエンジ
ンの低速回転域における低周波の微小角速度変動を吸収
することに重点が置かれる。
【0004】ここで、上記トルク伝達経路に配設される
従来の一方向クラッチの構造について説明する。このも
のは、図4に模式的に示すように、内外輪a,b間に該
内外輪a,bの回転軸と直交する平面内で揺動可能に配
置されていて、内外輪a,b間に食い込む方向(同図の
時計回り方向)に傾動して該内外輪a,b間のトルク伝
達を行う一方、内外輪a,bに摺接する方向(同図の反
時計回り方向)に傾動して上記トルク伝達を遮断するス
プラグc,c,…を備えており、これらスプラグc,
c,…は、各板ばねdの押圧力F1 により保持器eのガ
イド面fに摺動可能に案内されつつ上記食込み方向に傾
動するように常時押圧されている。
【0005】具体的には、上記スプラグcの揺動平面上
において、スプラグcが板ばねdの押圧力F1 を受ける
押圧点Pから該押圧力F1 の方向に延びる直線(図4の
一点鎖線)よりもスプラグcのガイド面fとの接触点Q
が外周側に位置付けられるようになっており、このこと
で、上記押圧力F1 を、スプラグcの接触点Qに接線方
向に作用して該スプラグcを上記食込み方向に傾動させ
る傾動力F2 に変換するようになされている。
【0006】そして、例えば上記外輪bにクランク軸か
らのトルクが入力される場合で説明すると、各スプラグ
cは、クランク軸の微小角速度変動における角速度増加
時には、板ばねdの押圧力F1 を受けながら、外輪bの
ロック方向の相対回転によりガイド面fとの接触点Qを
外周側に移動しつつ上記食込み方向に傾動して内外輪
a,b間のトルク伝達を行い、一方、角速度減少時に
は、外輪bのフリー方向の相対回転により板ばねdの押
圧力F1 に抗して接触点Qを内周側に移動しつつ内外輪
a,bに摺接する方向に傾動し、このことで上記トルク
伝達を遮断するようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記一方向クラッチでは、エンジンの高速回転域におけ
る高周波(例えば、160Hz)の微小角速度変動によ
りロック不良が発生し易いという問題がある。
【0008】その理由は、外輪bのフリー方向の相対回
転によりスプラグcが内外輪a,bに摺接する方向に傾
動したときに、該スプラグcが板ばねd及びガイド面f
間に食い込むことから、このガイド面fとの間の摩擦力
によって外輪bのロック方向の相対回転時にスプラグc
の内外輪a,b間に食い込む方向の傾動が抑制されるよ
うになり、その結果、一般にスプラグcの微小角速度変
動に対する追従性がエンジン回転数の上昇に応じて低下
することと相俟って、ロック不良が生じ易くなるものと
考えられる。
【0009】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その主な目的は、微小角速度変動を伴うトルクの
伝達経路に、スプラグが保持器のガイド面に案内されて
内外輪間に食い込む方向に傾動するように押圧部材によ
り常時押圧される一方向クラッチを配設する際に、上記
スプラグをガイド面との間の摩擦力に拘わらず上記食込
み方向に傾動させることができるようにし、もって、自
動車エンジンのベルト式補機駆動装置に用いられる場合
に、エンジンの高速回転域での高周波の微小角速度変動
における角速度増加時のロック不良の解消に寄与できる
ようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、スプラグの揺動平面上における保持
器のガイド面との間の接触点を、従来の場合よりも外周
側に位置付けるようにすることで、上記接触点に作用す
る傾動力を、該接触点に作用するガイド面との間の摩擦
力よりも大きくするようにした。
【0011】具体的には、請求項1の発明では、内輪
と、この内輪に相対回転可能に組み付けられた外輪と、
各々、内外輪間に該内外輪の回転軸と直交する平面内で
揺動可能に配置されていて、内外輪の相対回転をロック
する方向に傾動して該内外輪間のトルク伝達を行う一
方、内外輪の相対回転をフリーにする方向に傾動して上
記トルク伝達を遮断する複数のスプラグと、これらスプ
ラグの揺動平面と直交するように設けられていて対応す
るスプラグの揺動時に該スプラグを摺動可能に案内する
複数のガイド面を有し、内外輪間に同心上に配置された
リング状の保持器と、各々、対応するスプラグをその揺
動平面上における保持器のガイド面との接触点を移動し
つつ内外輪間に食い込む方向に傾動するように常時押圧
する複数の押圧部材とを備えた一方向クラッチが前提で
ある。
【0012】そして、上記各スプラグの対応するガイド
面との接触点に該スプラグを内外輪間に食い込む方向に
傾動させるように作用する接線方向の傾動力F2 が、上
記接触点に作用するスプラグ及びガイド面間の摩擦力F
3 よりも大きく(F2 >F3)なるように設定されてい
るものとする。
【0013】上記の構成において、微小角速度変動を伴
うトルクが一方向クラッチに入力されると、その微小角
速度変動に応じて内外輪間のトルク伝達を断接するよう
に、スプラグが保持器のガイド面に摺動可能に案内され
つつ揺動する。つまり、微小角速度変動の角速度増加時
には、スプラグは、押圧部材の押圧力を受けながら、内
外輪のロック方向の相対回転により保持器のガイド面と
の接触点を移動しつつ内外輪間に食い込む方向に傾動し
て内外輪間のトルク伝達を行う。一方、微小角速度変動
の角速度減少時には、スプラグは、内外輪のフリー方向
の相対回転により押圧部材の押圧力に抗してガイド面と
の接触点を移動しつつ内外輪に摺接する方向に傾動し、
このことで上記トルク伝達を遮断する。すると、この摺
接方向の傾動により、スプラグがガイド面及び押圧部材
間に食い込むことになるので、次の角速度増加時に内外
輪がロック方向に相対回転したときには、スプラグはガ
イド面との接触点に作用するスプラグ及びガイド面間の
摩擦力F3 により上記食込み方向の傾動が抑制されるこ
とになる。
【0014】このとき、上記スプラグの接触点には、押
圧部材の押圧力を受けて該スプラグを食込み方向に傾動
させようとする接線方向の傾動力F2 が作用しており、
この傾動力F2 は、上記摩擦力F3 よりも大きい(F2
>F3 )。よって、微小角速度変動における角速度減少
時に保持器のガイド面と押圧部材との間に食い込んだス
プラグは、次の角速度増加時には、ガイド面との間の摩
擦力F3 に抗して内外輪間に食い込む方向に傾動できる
ようになる。
【0015】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、スプラグが鋼鉄からなっているとともに、保
持器の少なくともガイド面が樹脂により形成されてお
り、かつ、図1に模式的に示すように、各押圧部材6
が、上記スプラグ5をガイド面8と直交する方向に常時
押圧するように構成されている場合に、上記各スプラグ
5の揺動平面上において、該スプラグ5が押圧部材6の
押圧力F1 を受ける押圧点Pからガイド面8と直交する
方向に延びる基準線Lに対し、該スプラグ5の押圧点P
及び接触点Q間の直線Mのなすスプラグ支持角θが、θ
≧12°に設定されているものとする。
【0016】上記の構成において、各スプラグ5のガイ
ド面8との接触点Qに該スプラグ5を内外輪1,2間に
食い込む方向(図1の時計回り方向)に傾動させるよう
に作用する接線方向の力(傾動力)F2 は、F2 =F1
×tanθで表される。一方、上記スプラグ5とガイド
面8との間の摩擦係数をμとすると、押圧部材6の押圧
力F1 によりスプラグ5の接触点Qに作用する摩擦力F
3 は、F3 =F1 ×μで表される。よって、F2 >F3
を成立させるには、tanθ>μ(θ>tan-1μ)が
条件となる。換言すると、tanθ>μでれば、押圧部
材6の押圧力F1 の大きさに関係なく、F2 >F3 は成
立する。
【0017】ここで、鋼鉄及び樹脂間の摩擦係数μは、
一般に、μ=0.1〜0.2(tan-1μ=5.710
5... 〜11.3099... )である。そして、上記ス
プラグ支持角θが、θ≧12°(>11.3099...
≧tan-1μ)であって、tan-1μよりも大きいの
で、上記のtanθ>μ(θ>tan-1μ)の条件は満
たされる。したがって、上記請求項1の発明での作用は
具体的にかつ効率よく営まれることとなる。
【0018】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の発明に係る一方向クラッチは、自動車エンジンの爆発
行程による微小角速度変動を伴って回転するクランク軸
のトルクを伝動ベルトを介して補機の補機軸に伝達する
トルク伝達経路に配設されるものであるとする。
【0019】上記の構成において、自動車エンジンのク
ランク軸から微小角速度変動を伴うトルクが一方向クラ
ッチに入力されるとき、スプラグの接触点に作用する食
込み方向の傾動力が、該接触点に作用するスプラグ及び
ガイド面間の摩擦力よりも大きいので、エンジンの高速
回転域での高周波の微小角速度変動に対し、その角速度
増加時における一方向クラッチのロック不良の解消に寄
与することができるようになる。
【0020】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
において、外輪の外周には、伝動ベルトを巻き掛けるた
めのプーリが設けられているものとする。
【0021】上記の構成において、一方向クラッチの外
輪の外周には、伝動ベルトを巻き掛けるためのプーリが
設けられていて、一方向クラッチ内蔵プーリを構成して
いるので、この一方向クラッチ内蔵プーリが例えば補機
の補機軸に取り付けられることで、自動車エンジンのク
ランク軸と補機の補機軸との間の上記伝動ベルトを介し
てのトルク伝達経路が構成される。よって、上記請求項
3の発明での作用は適正に営まれることとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図3は、本発明の実施形態に係る一
方向クラッチ内蔵プーリAが配設された自動車エンジン
のベルト式補機駆動装置のレイアウトを概略的に示して
おり、この補機駆動装置は、自動車が搭載する4気筒の
4サイクルエンジン20の一端側に配置されていて、エ
ンジン20の爆発行程に起因する角速度の微小変動を伴
って回転するクランク軸20aに取り付けられた駆動プ
ーリ21と、オルタネータ22を含む複数の補機の各補
機軸にそれぞれ取り付けられた複数の従動プーリとの間
に伝動ベルトとしての1本のVリブドベルト23が蛇行
状に巻き掛けられた、いわゆるサーペンタインレイアウ
トと称されるものである。
【0023】具体的には、上記駆動プーリ21から図3
に矢印で示すVリブドベルト23の走行方向の順に、オ
ートテンショナのテンションプーリ24、パワーステア
リング装置の油圧ポンプ用プーリ25、アイドラプーリ
26、エアコンディショナの圧縮機用プーリ27及びエ
ンジン冷却ファン用プーリ28が配置されている。そし
て、上記一方向クラッチ内蔵プーリAは、オートテンシ
ョナのテンションプーリ24と、パワーステアリング装
置の油圧ポンプ用プーリ25との間に配置されていて、
ロータが比較的大きい慣性トルクを有するオルタネータ
22のオルタネータ軸22aに取り付けられている。
【0024】上記一方向クラッチ内蔵プーリAは、図1
及び図2に示すように、オルタネータ軸22aに一体回
転するように取り付けられる内輪1と、外周にVリブド
ベルト23を巻き掛けるプーリ3が一体回転するように
設けられていて、内輪1に相対回転可能に組み付けられ
る外輪2と、これら内外輪1,2間において該内外輪の
回転軸と直交する単一平面上に配置された鋼球4a,4
a,…を有するとともに、これら鋼球4a,4a,…を
転動可能に保持するリング状の保持器4bを有する深溝
玉軸受からなる単列軸受4と、各々、内外輪1,2間に
上記回転軸と直交する平面内で揺動可能に配置されてい
て、内外輪1,2間に食い込む方向(図1の時計回り方
向)に傾動して該内外輪1,2間のトルク伝達を行う一
方、内外輪1,2に摺接する方向(同図の反時計回り方
向)に傾動して上記トルク伝達を遮断するスプラグ5,
5,…と、各々、対応するスプラグ5を内外輪1,2間
に食い込む方向に傾動するように常時押圧する押圧部材
としての板ばね6,6,…とを備えている。
【0025】上記単列軸受4の保持器4bには、半径方
向に貫通するように設けられた断面円形状の保持孔7
a,7a,…と、同じく半径方向に貫通するように設け
られた断面矩形状の保持孔7b,7b,…とが周方向に
所定ピッチをおいて一定のパターンで(例えば交互に)
配置されており、前者の保持孔7a,7a,…には鋼球
4a,4a,…が、また後者の保持孔7b,7b,…に
はスプラグ5,5,…がそれぞれ収容されている。つま
り、単列軸受4の鋼球4a,4a,…とスプラグ5,
5,…とは、互いに同じ平面内に配置されている。ま
た、内輪1の外周面1a及び外輪2の内周面2aには、
それぞれ鋼球4a,4a,…を転動可能に案内する断面
円弧状の深溝1b及び2bが周設されている。
【0026】上記スプラグ5,5,…を収容する各保持
孔7bの周方向に対向する2つの内壁面のうち、図1及
び図2の左側の内壁面は、対応するスプラグ5の揺動時
に該スプラグ5を摺動可能に案内するガイド面8とされ
ている。この保持器4bは、各々、対応する保持孔7の
3方の内壁面を形成するように軸方向一端側(図2の下
側)が開放された複数の凹部を有する樹脂製の保持器本
体9と、この保持器本体9の軸方向一端側に各保持孔7
の残りの内壁面をそれぞれ形成するように接合された補
助板10とからなっている。また、保持器本体9には、
対応する保持孔7を軸方向他端側(図2の上側)に開放
する挿通孔11が設けられている。
【0027】上記各板ばね6は、保持器本体9の軸方向
他端面に接合された1枚のリング状の板ばね材12から
それぞれ軸方向一端側に曲げ起こされてなっていて、対
応する挿通孔11を経由して保持孔7のガイド面8とは
周方向の反対側の内壁面13とスプラグ5との間に割り
込むように配置されており、このことでスプラグ5をガ
イド面8に押し付ける方向に常時押圧するようになされ
ている。また、その押圧力F1 の方向は、ガイド面8と
直交するように設定されている。この板ばね6は、先端
側に向かって幅寸法が漸次小さくなるテーパ状に形成さ
れている。
【0028】上記各スプラグ5は、内輪1の外周面1a
及び外輪2の内周面2aとの各接触面がカム面5a,5
bとされていて、内輪1に対する外輪2の相対回転方向
に応じてその相対回転により傾動するようになってい
る。つまり、各スプラグ5は、クランク軸20aの微小
角速度変動における角速度増加時に外輪2がロック方向
に相対回転したときには、その相対回転により内外輪
1,2間に食い込む方向に傾動し、一方、角速度減少時
に外輪2がフリー方向に相対回転したときには、その相
対回転により内外輪1,2に摺接する方向に傾動するよ
うになっている。
【0029】また、上記板ばね6の押圧力F1 を受ける
スプラグ5の部分は、該板ばね6に向かって膨出するよ
うに設けられた凸部5cとされており、一方、板ばね6
の押圧力F1 によりガイド面8に押し付けられるスプラ
グ5の部分は、該ガイド面8に摺接可能な断面略円弧状
の接触面5dとされている。この接触面5dは凸部5c
よりも外周側に位置するようになされており、このこと
で、スプラグ5が受ける板ばね6の押圧力F1 を、該ス
プラグ5のガイド面8との揺動平面上における接触点Q
に作用する接線方向の傾動力F2 に変換するようになさ
れている。つまり、この傾動力F2 により、スプラグ5
は、外輪2のロック方向の相対回転時に接触点Qをガイ
ド面8に沿って外周側に移動させつつ内外輪1,2間に
食い込む方向に傾動するようになっている。
【0030】そして、本実施形態では、上記スプラグ5
のガイド面8との接触点Qに作用する接線方向の傾動力
2 が、この傾動力F2 とは反対の方向に上記接触点Q
に作用するスプラグ5及びガイド面8間の摩擦力F3
りも大きく(F2 >F3 )なるように設定されている。
【0031】具体的には、上記保持器4のガイド面8と
スプラグ5との間の摩擦係数μが、μ=0.1〜0.2
であることを前提に、スプラグ5の揺動平面上におい
て、スプラグ5が板ばね6の押圧力F1 を受ける押圧点
Pから該押圧力F1 の方向に延びる基準線Lに対し、ス
プラグ5の押圧点P及び接触点Q間の直線Mのなすスプ
ラグ支持角θが、θ≧12°に設定されている。
【0032】ここで、上記のように構成された一方向ク
ラッチ内蔵プーリAの作動について説明する。自動車エ
ンジン20のサーペンタイン式補機駆動装置において、
微小角速度変動を伴うクランク軸20aのトルクがVリ
ブドベルト23を介して一方向クラッチ内蔵プーリAに
入力されると、各スプラグ5は、その微小角速度変動に
応じて内外輪1,2間のトルク伝達を断接するように、
保持器4の対応するガイド面8に摺動可能に案内されつ
つ揺動する。つまり、上記微小角速度変動の角速度増加
時には、スプラグ5は、板ばね6の押圧力F1 を受けな
がら、外輪2のロック方向の相対回転によりガイド面8
との接触点Qを外周側に移動しつつ内外輪1,2間に食
い込む方向に傾動して内外輪1,2間のトルク伝達を行
う。
【0033】一方、上記微小角速度変動の角速度減少時
には、スプラグ5は、外輪2のフリー方向の相対回転に
より板ばね6の押圧力F1 に抗してガイド面8との接触
点Qを内周側に移動しつつ内外輪1,2に摺接する方向
に傾動し、このことで上記トルク伝達を遮断する。する
と、この摺接方向の傾動により、上記スプラグ5がガイ
ド面8及び板ばね6間に食い込むことになるので、次の
角速度増加時に外輪2がロック方向に相対回転したとき
には、スプラグ5はガイド面8との接触点Qに作用する
スプラグ5及びガイド面8間の摩擦力F3 により上記食
込み方向の傾動が抑制されることになる。
【0034】このとき、上記スプラグ5の接触点Qに
は、板ばね6の押圧力F1 を受けて該スプラグ5を食込
み方向に傾動させようとする接線方向の傾動力F2 が作
用しており、この傾動力F2 は、上記摩擦力F3 よりも
大きい(F2 >F3 )。よって、微小角速度変動におけ
る角速度減少時に保持器4のガイド面8と板ばね6との
間に食い込んだスプラグ5は、次の角速度増加時には、
ガイド面8との間の摩擦力F3 に抗して内外輪1,2間
に食い込む方向に傾動できるようになる。
【0035】したがって、本実施形態によれば、自動車
エンジン20の爆発行程による微小角速度変動を伴って
回転するクランク軸20aのトルクがVリブドベルト2
3を介して伝達されるオルタネータ22のオルタネータ
軸22aに、各スプラグ5が保持器4の対応するガイド
面8に案内されて内外輪1,2間に食い込む方向に傾動
するように各々の板ばね6により常時押圧される一方向
クラッチ内蔵プーリAを取り付ける際に、そのスプラグ
支持角θをθ≧12°に設定し、このことで、スプラグ
5の接触点Qに作用する傾動力F2 を、この傾動力F2
とは反対の方向に接触点Qに作用するスプラグ5及びガ
イド面8間の摩擦力F3 よりも大きく(F2 >F3 )す
るようにしたので、外輪2のロック方向の相対回転によ
るスプラグ5の内外輪1,2間に食い込む方向への傾動
を確実化することができ、よって、エンジン20の高速
回転域での高周波(例えば、5000rpmのときの1
60〜170Hz)の微小角速度変動における角速度増
加時のロック不良の解消に大きく寄与することができ
る。
【0036】尚、上記実施形態では、内外輪1,2を相
対回転可能に組み付けるために、鋼球4a,4a,…が
スプラグ5,5,…と同じ平面上に配置された1つの単
列軸受4を用いるようにしているが、本発明では、その
他の種類の軸受を用いてもよく、また、その軸方向の配
置や使用する軸受の個数は特に限定されるものではな
い。
【0037】また、上記実施形態では、板ばね6,6,
…により各スプラグ5に対する押圧部材を構成するよう
にしているが、押圧部材としては板ばね6,6,…以外
の公知のものを適宜採用することができる。
【0038】また、上記実施形態では、各スプラグ5に
対する押圧力F1 をガイド面8と直交する方向に作用さ
せるように設定しているが、押圧力F1 の方向がガイド
面8直交していない場合にも本発明を適用することがで
きる。
【0039】さらに、上記実施形態では、プーリに一方
向クラッチが内蔵されてなる一方向クラッチ内蔵プーリ
Aの場合について説明しているが、本発明は、その他の
一方向クラッチにも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、内外輪間に揺動可
能に配置されたスプラグを保持器のガイド面に案内され
て内外輪間に食い込む方向に傾動するように押圧部材に
より常時押圧するようにした一方向クラッチにおいて、
スプラグのガイド面との接触点に作用する傾動力を、該
接触点に作用するスプラグ及びガイド面間の摩擦力より
も大きく設定するようにしたので、内外輪のロック方向
の相対回転時にスプラグを上記摩擦力に抗して内外輪間
に食い込む方向に傾動させることができ、高周波の微小
角速度変動を伴う入力トルクに対し、その角速度増加時
におけるロック不良の解消に寄与することができる。
【0041】請求項2の発明によれば、スプラグが鋼鉄
からなるとともに保持器の少なくともガイド面が樹脂に
より形成され、かつ各押圧部材がスプラグをガイド面と
直交する方向に常時押圧するように構成されている場合
に、スプラグ支持角を12°以上に設定するようにした
ので、上記請求項1の発明による効果を具体的にかつ効
率よく得ることができる。
【0042】請求項3の発明によれば、上記の一方向ク
ラッチを、自動車エンジンのベルト式北駆動装置に用い
られるものとするようにしたので、エンジンの高速回転
域におけるロック不良の解消に寄与することができる。
【0043】請求項4の発明によれば、上記外輪の外周
に、伝動ベルトが巻き掛けられるためのプーリを設ける
ようにしたので、上記請求項3の発明による効果を適正
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る一方向クラッチ内蔵プ
ーリの要部を拡大して示す側面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】自動車エンジンのサーペンタイン式補機駆動装
置を示す概略図である。
【図4】従来の一方向クラッチの要部を拡大して示す図
1相当図である。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 プーリ 4 保持器 5 スプラグ 6 板ばね(押圧部材) 8 ガイド面 20 自動車エンジン 20a クランク軸 22 オルタネータ(補機) 22a オルタネータ軸(補機軸) 23 Vリブドベルト(伝動ベルト) A 一方向クラッチ内蔵プーリ(一方向クラッチ) P 押圧点 Q 接触点 F1 押圧力 F2 傾動力 F3 摩擦力 L 基準線 θ スプラグ支持角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 博文 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 西川 真一郎 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 堂本 正和 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌテイエ ヌ株式会社内 (72)発明者 里田 雅彦 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌテイエ ヌ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と、 上記内輪に相対回転可能に組み付けられた外輪と、 各々、上記内外輪間に該内外輪の回転軸と直交する平面
    内で揺動可能に配置され、内外輪間に食い込む方向に傾
    動して該内外輪間のトルク伝達を行う一方、内外輪に摺
    接する方向に傾動して上記トルク伝達を遮断する複数の
    スプラグと、 上記スプラグの揺動平面と直交するように設けられてい
    て対応するスプラグの揺動時に該スプラグを摺動可能に
    案内する複数のガイド面を有し、上記内外輪間に同心上
    に配置されたリング状の保持器と、 各々、対応する上記スプラグをその揺動平面上における
    上記保持器のガイド面との接触点を移動しつつ上記内外
    輪間に食い込む方向に傾動するように常時押圧する複数
    の押圧部材とを備えた一方向クラッチであって、 上記各スプラグの対応するガイド面との接触点に該スプ
    ラグを内外輪間に食い込む方向に傾動させるように作用
    する接線方向の傾動力が、上記接触点に作用するスプラ
    グ及びガイド面間の摩擦力よりも大きくなるように設定
    されていることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一方向クラッチにおい
    て、 スプラグは、鋼鉄からなり、 保持器の少なくともガイド面は、樹脂により形成され、 各押圧部材は、上記スプラグを上記ガイド面と直交する
    方向に常時押圧するように構成され、 上記各スプラグの揺動平面上において、該スプラグが上
    記押圧部材の押圧力を受ける押圧点から上記ガイド面と
    直交する方向に延びる基準線に対し、該スプラグの押圧
    点及び接触点間の直線のなすスプラグ支持角が、12°
    以上に設定されていることを特徴とする一方向クラッ
    チ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の一方向クラッチ
    は、自動車エンジンの爆発行程による微小角速度変動を
    伴って回転するクランク軸のトルクを伝動ベルトを介し
    て補機の補機軸に伝達するトルク伝達経路に配設される
    ものであることを特徴とする一方向クラッチ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の一方向クラッチにおい
    て、外輪の外周に、伝動ベルトを巻き掛けるためのプー
    リが設けられていることを特徴とする一方向クラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100628575B1 (ko) * 2001-07-13 2006-09-26 가부시키가이샤 제이텍트 일방향 클러치
WO2009014083A1 (ja) * 2007-07-23 2009-01-29 Ntn Corporation 温度感応型クラッチ機構

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