JP2000119865A - アルミニウム又はアルミニウム合金材の塗布型表面処理剤及び表面処理方法 - Google Patents
アルミニウム又はアルミニウム合金材の塗布型表面処理剤及び表面処理方法Info
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Abstract
出性、上塗り塗膜との密着性が優れた被膜を形成できる
塗布型表面処理剤を提供する。 【解決手段】全クロムイオン(6価クロムイオン+3価
クロムイオン)1〜100g/Lと、リン酸イオンと、
ジルコニウムフッ素イオンとを含有し、3価クロムイオ
ン/全クロムイオンの重量比が0.4〜0.8であり、
かつ金属換算での重量比が、リン/クロム=0.13〜
1.00及びジルコニウム/クロム=0.4〜2.5で
ある塗布型表面処理剤。
Description
アルミニウム合金材の塗布型表面処理剤及びその表面処
理方法に関するものである。更に詳しくは、本発明はア
ルミニウム又はアルミニウム合金材上に耐食性、上塗り
塗膜密着性及び耐クロム溶出性に優れた皮膜を形成する
ための塗布型表面処理剤に関するものである。なお、本
発明の適用できる分野はアルミニウム又はアルミニウム
合金を使用する建築材料、家電製品、自動車部品などが
対象である。
塗布型クロメート表面処理剤が多用されている。その理
由として、前記塗布型クロメート処理剤は、10〜10
0mg/m2 程度の少ない皮膜量で耐食性が発揮され、
コストが安価であることが挙げられる。また、塗布型処
理は、廃水処理が全く必要がないため環境への負荷がな
く、処理剤を加熱することにより強制乾燥するため皮膜
量や皮膜物性のコントロールが容易であり、比較的均一
な皮膜が得られる。このような背景から、最近は主に金
属シート材を対象として、耐食処理として化成型クロメ
ート処理から、ベーキング炉を備えた塗布型クロメート
処理剤へ移行してきている。従来から、鉄鋼の分野を中
心に、亜鉛系メッキ鋼板用の塗布表面処理剤として、ク
ロム酸、重クロム酸又はクロム酸塩を主成分としたクロ
メート系処理剤が使用されており、かかる処理剤には必
要に応じてリン酸、硝酸、フッ酸等の無機アニオン成分
を添加したり、更に耐食性を向上する目的で有機高分子
化合物やシリカを添加している。
しては、多くの公報が開示されている。例えば、特開平
02−30771号公報には、亜鉛メッキ鋼板用クロメ
ート処理剤として、クロム酸、りん酸イオン、ジルコニ
ウムフッ化物イオン及び亜鉛イオンからなる組成とそれ
ら成分の重量比を特定したものが開示されており、6価
クロムイオン/3価クロムイオン=3/4〜3/2、ク
ロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン=10/1〜10
0/1に成分率を限定している。このクロメート処理剤
で塗布乾燥して形成されたクロメート皮膜上に、溶剤型
有機高分子化合物を塗布して、焼付処理することによ
り、クロム溶出がなく、耐食性が優れるクロメート鋼板
を製造している。
は、亜鉛メッキ鋼板用のクロメート処理剤として、クロ
ム酸、3価クロムイオン、りん酸イオン及びジルコニウ
ムフッ化物イオン、シリカを含有し、それらの重量比を
特定したものが開示されており、6価クロムイオン/3
価クロムイオン=1.5/1〜5/1、クロム酸/ジル
コニウムフッ化物イオン=5/1〜1000/1、りん
酸イオン/ジルコニウムフッ化物イオン=1/2〜2/
1に成分に限定している。このクロメート処理剤で塗布
乾燥して形成された皮膜は、耐食性及び塗装密着性に優
れているとされている。
は、亜鉛メッキ鋼板用のクロメート処理剤として、りん
酸イオン、ジルコニウムフッ化物イオン及び還元剤を添
加したクロム酸を含有し、それらの重量比を限定したも
のが開示されており、3価クロムイオン/全クロムイオ
ン=0.41〜0.70、クロム酸/ジルコニウムフッ
化物イオン=10/1〜40/1、りん酸イオン/3価
クロムイオン=0.03以上かつ9.2X−4.0≦Y
≦9.2X−1.4(Y=りん酸イオン/3価クロムイ
オン重量比、X=3価クロムイオン/全クロムイオン重
量比)としている。このクロメート処理剤で塗布乾燥し
て形成された皮膜は、クロム溶出が少なく、耐食性に優
れているとされている。
板用クロメート処理剤は共通して、クロム酸、還元物に
より還元されたクロム酸、りん酸、ジルコニウムフッ化
物を含有したクロメート処理剤であり、金属クロム量に
対して金属ジルコニウム量の比率が0.01〜0.2程
度と少ない。使用されているジルコニウムフッ化物の効
果について着目すると、金属表面のエッチング効果や、
高還元クロメート剤のゲル化を防ぐために添加されてい
る。
それ自体が特有の酸化皮膜を形成するため、鉄鋼と比較
すると耐食性が良いと言われている。しかし、近年、酸
性雨が問題となってきている自然環境や、強酸性雰囲気
下での過酷な環境といったところでアルミ材料が多く使
われるようになってきており、合金自体の性能に頼る耐
食性では満足できず、性能の向上が次第に要求されてき
ている。一方、アルミニウム用クロメート処理剤として
は、PO4 3- 2〜10%、CrO3 0.6〜2%、F-
0.15〜0.6%のものが古くから知られている。こ
れ以外にも二三の処理剤はあるが、現在のところに耐食
性、耐クロム溶出性、上塗り塗膜との密着性がともに優
れた皮膜をアルミニウム材料に形成させるような表面処
理剤は得られていないのである。
術の有する問題点を解決するためのものであり、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金材の表面に耐食性、耐クロ
ム溶出性、上塗り塗膜の密着性に優れる皮膜を形成する
ための塗布型表面処理剤及びその表面処理方法を提供す
ることを目的とするものである。
解決するための手段について鋭意検討して、全クロムイ
オン(6価クロムイオン+3価クロムイオン)、リン酸
イオン及びジルコニウムフッ化物イオンを必須成分とし
た処理剤に、更にジルコニウムフッ化物イオンを添加す
ることに着目した。この検討の結果、ジルコニウムフッ
化物イオンには少量の添加で素材のエッチング性や液安
定性を向上させる効果があり、加えて、ジルコニウム/
クロム重量比を同程度高めたジルコニウムとクロムの複
合皮膜では、クロムのみならずジルコニウムが本来もつ
耐食性能も期待できることが分かったので、本発明を完
成するに至った。
アルミニウム合金材の塗布型表面処理剤は、全クロムイ
オン(6価クロムイオン+3価クロムイオン)1〜10
0g/Lと、リン酸イオンと、ジルコニウムフッ化物イ
オンとを含有し、3価クロムイオン/全クロムイオンの
重量比が0.4〜0.8であり、かつ金属換算での重量
比が、リン/クロム=0.13〜1.00、ジルコニウ
ム/クロム=0.40〜2.50であることを特徴とす
るものである。また、本発明に係るアルミニウム又はア
ルミニウム合金材の表面処理方法は、前記塗布型表面処
理剤をアルミニウム又はアルミニウム合金材にクロム換
算で3から100mg/m2 塗布後、60〜260℃に
加熱乾燥することを特徴とするものである。
塗布型クロメート表面処理剤の必須成分である全クロム
イオンは、無水クロム酸を水溶化することにより得られ
る。このクロム酸は全て6価クロムイオンであるので、
還元剤を添加することにより3価クロムイオンを得るこ
とができる。還元剤としては、アルコール類、多糖類等
で水酸基を有する有機化合物が挙げられる。例えば、タ
ンニン酸、メタノール、ヒドラジン、ショ糖などが好ま
しいが、特に限定されるものではない。還元剤の添加量
により生成する3価クロムイオン量を調整することがで
き、添加量を多くするほど3価クロムイオン量が多くな
る。また、クロム酸を還元する方法は特に限定しない
が、還元率、すなわち全クロムイオン量に対する3価ク
ロムイオン量の重量比については、0.4〜0.8にす
ることが好ましい。より好ましくは0.5〜0.7であ
る。上記の塗布型クロメート処理剤においては3価クロ
ムイオン/全クロムイオンの重量比が0.8を超える
と、形成される皮膜の耐食性が劣化する。また、この重
量比が0.4未満では、溶解性のある6価クロムイオン
の量が多くなり、皮膜からのクロム溶出が多くなる。
て含有するりん酸イオンはオルトりん酸、りん酸アンモ
ニウムの形でクロム酸水溶液に添加するのが好ましい。
りん酸イオンは、処理剤のゲル化防止、すなわち経時安
定性を確保し、さらに皮膜からのクロム溶出を低減す
る。りん酸イオンは、りん/クロム比に換算した重量比
で0.13〜1.00である。好ましくは0.25〜
0.80である。この重量比が0.13未満では表面処
理剤が貯蔵中にゲル化したり、あるいは皮膜内に存在す
る6価クロム量が多くなるためにアルミ材使用環境にお
けるクロムの溶出が多くなる。一方上記の重量比が1.
00を超えると、過剰のりん酸イオンが皮膜形成を阻害
するためクロム溶出が多くなる上、十分な耐食性が得ら
れない。
て含有するジルコニウムフッ化物イオンは、ジルコニウ
ムフッ化水素酸もしくはジルコニウムフッ化アンモニウ
ムの形でクロム酸水溶液に添加するのが好ましい。ジル
コニウムフッ化物イオンは、被塗物となるアルミニウム
素材をエッチングするので素材から溶出した金属イオン
と錯化合物を形成しながら皮膜を形成するため、素材と
の優れた密着性が確保できる。また、ジルコニウムフッ
化物イオンの含有量が多いほど、アルミニウムがアノー
ドとして溶解されるエッチング反応が多くなりこれに伴
い、処理剤に含有する6価クロムイオンから3価クロム
イオンへのカソード折出反応が促進され、皮膜中の3価
クロムが増えるので、皮膜からのクロムの溶出が低減で
きる。ジルコニウムフッ化物イオンは、ジルコニウム/
クロムに換算した重量比で0.4〜2.5である。好ま
しくは0.5〜2.0である。この重量比が0.4未満
では、クロム溶出が1%以上と多くなる上、ジルコニウ
ムの存在量が少ないため、十分な耐食性が得られない。
2.5を超えると耐食性は十分得られるものの、上塗り
塗膜を形成した場合に、皮膜内のフッ化物が過剰となり
層間剥離が生じ易くなるため好ましくない。なお、乾燥
温度を高くすると、クロムの溶出は少なくなるが、耐食
性は劣化すると言う二律背反的性質があるが、上記のジ
ルコニウム/クロム重量比範囲ではこれらの性質が両立
する。
用する上塗り塗膜としては、例えば、装飾性、防汚性、
潤滑性、親水性、防菌防塵等の機能を備えている塗膜が
好ましいが、有機塗膜、無機塗膜または有機無機複合被
膜のような種類は特定するものではない。
食性を向上させるためにシリカ粒子を含有することもで
きる。シリカ粒子の種類は特に限定されるものではな
く、例えば、気相シリカ、コロイダルシリカが挙げられ
る。シリカ粒子の添加量は、シリカ粒子/全クロムイオ
ンに換算した重量比が0.5〜2.0であることが好ま
しい。この重量比が0.5未満ではシリカ粒子添加の効
果は期待できず、一方2.0を超えると耐食性が飽和す
るため経済的に不利になる。
更に水酸基またはカルボニル基から選ばれる少なくとも
1種の官能基を骨格中に含む有機化合物を後添加する
と、上塗り塗膜の密着性や耐クロム溶出性が更に向上す
ることが期待できる。後添加する有機化合物としては、
例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル
酸及びメタクリル酸の共重合物、タンニン酸、フィチン
酸、セルロース、ポリビニルアルコールが挙げられる
が、特にこれらに限定されるものではない。
象となる金属材料はアルミニウム又はアルミニウム合金
である。アルミニウム合金の種類は、特に限定されるも
のではなく、例えば、アルミニウム−マンガン合金、ア
ルミニウム−マグネシウム合金等が挙げられる。また、
金属基材の形状に関しても、特に限定されるものではな
い。例えば、主としては、アルミニウム(合金)コイル
シート材に適用するものであるが、板からの成形物に対
しても適用可能である。
面に、本発明の塗布型表面処理剤を塗布処理する方法
は、特に限定しないが、浸漬法及びロールコート法を用
いるのが好ましい。また、塗布温度及び時間についても
特に限定しないが、処理温度は10〜40℃、処理時間
は0.1〜30秒であることが好ましい。より好ましい
時間は0.2〜15秒の範囲である。塗布後の加熱乾燥
温度は60〜260℃であることが好ましく、より好ま
しくは80〜240℃である。この加熱乾燥時間が60
℃未満では十分な造膜ができず、260℃を超えると耐
食性が劣化する。
コニウム−クロム複合皮膜の付着量は、ジルコニウムに
換算して1.2〜250mg/m2 、クロムに換算して
3〜100mg/m2 の範囲となることが好ましい。こ
れらの範囲内でかつクロム+ジルコニウムの合計の付着
量は4〜350mg/m2 の範囲にするのが好ましい。
この合計付着量が4mg/m2 未満であると耐食性が不
十分となり、一方、350mg/m2 を超えると、皮膜
性能が飽和するため経済的に不利になる。
コニウム−クロム複合皮膜の持つ効果は次のようなさま
ざまな反応に起因するものと推測される。 クロム酸の中で3価クロムイオンは、高分子化したク
ロム酸化物として皮膜の骨格を形成する。同様に、ジル
コニウムフッ化物も高分子化して皮膜中に存在する。こ
れらの複合皮膜は高分子化しており、水、酸素、塩化物
等の腐食因子が存在する環境下においても、それらを遮
断そして侵入を効果的に遅延する。ジルコニウムフッ
化物イオンは、アルミニウム素材表面をエッチングし、
溶出したアルミニウムイオンと錯化合物を形成するため
皮膜の密着性が優れる。高分子化したジルコニウム酸
化物とクロム酸化物が複合して、ジルコニウムとクロム
の複合酸化皮膜の骨格となる。りん酸イオンと6価ク
ロムイオンは高分子化した3価クロム酸化物及びジルコ
ニウムフッ化物中に各々が配置した形で、皮膜内に存在
する。6価クロムイオンは溶解性があるが配位している
ため皮膜の系外に溶出することはなく、腐食因子が皮膜
内に侵入しても、自己修復機能を有している。具体的に
は、欠陥部であるアルミ新生面に対して、配置した6価
クロムイオンが3価クロム酸化物に還元されることによ
って保護皮膜を形成する効果と、更に6価クロムイオン
及びジルコニウムフッ化物の作用によりアルミ酸化物を
形成する効果により防食性が保持される効果との両者の
相乗効果により自己補修機能が発現する。このため耐食
性が維持できると考えられる。
具体的に説明する。 <供試材>アルミニウム材料として、厚さ0.1mm、
幅70mm、長さ150mmのJIS 1200相当の
アルミニウム薄板市販品を使用した。 <供試材の洗浄方法>上記アルミニウム板を、アルカリ
脱脂剤(登録商標:ファインクリーナー4377K、日
本パーカライジング株式会社製)を薬剤濃度:20g/
Lで建浴し、処理温度:60℃、処理時間:7秒の条件
でスプレー処理した。これにより、表面に付着している
ゴミや油を除去した。さらに、表面に残存しているアル
カリ分を水道水により15秒スプレー洗浄後、乾燥器内
で80℃で3分間熱風乾燥した。
処理剤に関して、実施例1〜8を比較例1〜8と共に図
1(表1)に示した。
ン酸を、ジルコニウムフッ化物イオンとしてはジルコニ
ウムフッ化水素酸を、クロムイオンとしては無水クロム
酸を使用した。塗布型処理剤は以下に示す方法で作成し
た。まず無水クロム酸にオルトリン酸を添加したのち、
水を加えてクロム酸とリン酸の混合水溶液を作成した。
次に、有機還元剤としてメタノールを添加し、その添加
量により3価クロムイオン/全クロムイオンの重量比を
調整した還元クロム水溶液を作成した。続いて、ジルコ
ニウムフッ化水素酸を添加した。尚、表面処理剤の濃度
調整には、全て脱イオン水を使用した。
た。シリカ粒子はコロイダルシリカ(平均粒子径:8m
μ)を使用した。コロイダルシリカの添加量は、二酸化
珪素/クロム重量比で1.0添加した。
た。有機化合物はポリアクリル酸水溶液(数平均分子
量:10万)を使用した。
ニウム板上に、ロールコーターで前記表面処理剤を接触
させて塗布した。塗布後、表2に示すような到達板温に
なるように加熱乾燥した。
成分であるジルコニウムフッ化物イオンを含有しない表
面処理剤である。比較例2は、ジルコニウムフッ化水素
酸を過剰量添加した表面処理剤である。比較例3は、全
クロムに対して6価クロム量が過剰であるクロム酸を添
加した表面処理剤である。比較例4は、全クロムに対し
て6価クロム量が不足であるクロム酸を添加した表面処
理剤である。比較例5は、オルトりん酸を過剰に添加し
た表面処理剤である。比較例6は、実施例1及び4で添
加したジルコニウムフッ化水素酸のかわりに、同モル数
のチタンフッ化水素酸を添加した表面処理剤である。比
較例7は、実施例1及び4で添加したジルコニウムフッ
化水素酸のかわりに、同モル数の珪フッ化水素酸を添加
した表面処理剤である。比較例8は、化成処理である
が、りん酸クロメート系処理剤(登録商標:アルクロム
K702、日本パーカライジング株式会社製)を用い
て、スプレー 処理を行ったものである。処理温度50
℃、時間7秒で化成処理し、水道流水7秒で処理剤を十
分に除去した後、乾燥機を用いて温度80℃、時間3分
で、皮膜処理したアルミニウム板表面の水分を蒸発させ
た。実施例及び比較例の性能結果を図2(表2)に示
す。
実施し、評価基準に従い判定を行った。 (1)付着量 蛍光X線分光分析装置(XRF)で、クロム及びジルコ
ニウム付着量(mg/m2 )を判定した。 (2)クロム溶出試験 供試片の表面処理面積が0.2m2 /Lになるように脱
イオン水に72時間浸漬し、クロム溶出率を測定した。
浸漬試験後の溶出クロム量はプラズマ発光分析装置(I
CP)で定量した。クロム溶出率(%)は次式により算
出した。 クロム溶出率(%)=試験片から溶出した面積(m2 )
当りのクロム量/試験前のクロム付着量×100
板の1000時間後の白錆発生率(%)を外観観察し
た。
ルミニウム板上に、所定の上塗り塗料を塗装し、200
℃で5分間の焼き付けを行った。塗料は、アルミ缶内面
やアルミニウムキャップ内面用として一般的に用いられ
ている、アクリル−エポキシ系を使用した。次に、塗装
板に1mm角幅の100マス基盤目をカッターナイフで付
与し、50℃の脱イオン水に72時間浸漬した。塗装板
を冷風乾燥した後、テープ剥離試験を実施し、残存して
いる基盤目数で評価した。
ように、本発明の塗布型表面処理剤を用いた実施例1〜
8は、耐食性、クロム溶出性、密着性とも全て優れてい
た。一方、本発明の範囲外の表面処理剤を用いた比較例
1〜8は、耐食性、クロム溶出性、密着性のいずれかが
劣っていた。
の有する問題点を解決するためのものであり、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金表面に適用することにより、
耐食性、耐クロム溶出性、且つ上塗り塗膜の密着性に優
れるアルミニウム材料を提供することができる。また、
幅広い分野での用途展開が可能であることから実用上で
の効果が大きいことに加え、塗布型処理であるため配水
処理が必要なく、環境保全の面でも極めて有効と言え
る。
1)である。
2)である。
Claims (5)
- 【請求項1】 全クロムイオン(6価クロムイオン+3
価クロムイオン)1〜100g/Lと、リン酸イオン
と、ジルコニウムフッ素イオンとを含有し、3価クロム
イオン/全クロムイオンの重量比が0.4〜0.8であ
り、かつ金属換算での重量比が、リン/クロム=0.1
3〜1.00及びジルコニウム/クロム=0.4〜2.
5であることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウ
ム合金材の塗布型表面処理剤。 - 【請求項2】 更にシリカ粒子を0.5〜200g/L
含有する請求項1記載のアルミニウム又はアルミニウム
合金材の塗布型表面処理剤。 - 【請求項3】 前記シリカ粒子/全クロムイオンの重量
比が0.5〜2.0である請求項2記載のアルミニウム
又はアルミニウム合金材の塗布型表面処理剤。 - 【請求項4】 更に水酸基またはカルボニル基から選ば
れる少なくとも1種の官能基を骨格中に含む有機化合物
を後添加する請求項1記載のアルミニウム又はアルミニ
ウム合金材の塗布型表面処理剤。 - 【請求項5】 請求項1から4までの何れか1項記載の
塗布型表面処理剤をアルミニウム又はアルミニウム合金
材の表面に、クロム換算で3〜100mg/m2 塗布
後、60〜260℃に加熱乾燥することを特徴とするア
ルミニウム又はアルミニウム合金材の表面処理方法。
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---|---|---|---|
JP29041698A JP3964992B2 (ja) | 1998-10-13 | 1998-10-13 | アルミニウム又はアルミニウム合金材の塗布型表面処理剤及び表面処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002332581A (ja) * | 2001-05-07 | 2002-11-22 | Nippon Paint Co Ltd | 化成皮膜用酸性洗浄剤及び処理方法 |
JP2007285513A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-11-01 | Tokai Rubber Ind Ltd | 金具付きゴム部材およびその製法 |
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1998
- 1998-10-13 JP JP29041698A patent/JP3964992B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4707258B2 (ja) * | 2001-05-07 | 2011-06-22 | 日本ペイント株式会社 | 化成皮膜用酸性洗浄剤及び処理方法 |
JP2007285513A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-11-01 | Tokai Rubber Ind Ltd | 金具付きゴム部材およびその製法 |
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