JP2000109860A - 軽油及びその水素化脱硫方法 - Google Patents
軽油及びその水素化脱硫方法Info
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Abstract
水素化脱硫する方法、及びその方法で得た、特に硫黄分
の少ない色相にも優れた軽油を提供する。 【解決手段】 硫黄を含有する石油系炭化水素の軽油留
分を水素化脱硫する際に、第一工程で水素化脱硫した後
に、第二工程でさらに第一工程よりも高圧で水素化脱硫
して超低硫黄軽油を製造する。
Description
油系炭化水素の軽油留分を水素化脱硫する際に特定の工
程の組合せ、反応装置構成、触媒、かつ特定の反応条件
で軽油を超深度脱硫する方法、及びその方法により得
た、優れた性状の軽油に関する。
重油の分解によって得られる分解軽油は硫黄化合物を含
んでおり、その量は硫黄として1〜3重量%である。硫
黄化合物を含む軽油をディーゼル燃料として使用すると
SOxとして大気中に排出され環境を汚染する。そのた
め通常これら軽油は水素化脱硫処理され硫黄化合物を除
去した後に燃料として使用される。ディーゼル燃料に含
まれる硫黄分の量はJIS規格でその許容値が0. 05
重量%以下と定められており、この値を達成するために
大型のいわゆる深度脱硫装置が建設され使用されてい
る。さらに今後、排気ガス中のNOxを還元処理する浄
化触媒をディーゼル車に搭載したり、排気ガスの一部を
循環再使用(EGR)するためにはさらに硫黄分の量を
低下させる技術、すなわち超深度脱硫技術が必要である
といわれている。
ルトあるいはニッケルとモリブデンを担持した触媒が使
用されてきた。しかしながら、この従来触媒では4−メ
チルジベンゾチオフェンや4, 6−ジメチルジベンゾチ
オフェンが脱硫され難く、脱硫された製品の硫黄含有量
が0. 05重量%あるいはそれ以下のレベルまで脱硫す
るためには反応温度や圧力を非常に高くしなければなら
ず、装置の建設コストや運転コストが極めて大きくなる
という問題点がある。これら難脱硫性の硫黄化合物に対
して脱硫活性を高める方法として、触媒の担体にリンや
ホウ素を含有させた触媒(特開昭52−13503号)
やゼオライトを担体に加えた触媒(特開平7−1970
39)などが報告されている。これらの触媒にはブレン
シュテッド酸点が存在し、(ジ)メチルジベンゾチオフ
ェンのメチル基を異性化したりフェニル基を水素化する
能力が高く、4−メチルジベンゾチオフェンや4, 6−
ジメチルジベンゾチオフェンの脱硫に対して高い活性を
示す。
量%程度のレベルまでのいわゆる深度脱硫を想定して研
究されたもので、さらに低い、例えば0. 005重量%
といったレベルまでの超深度水素化脱硫に関する研究に
用いられたことはなく、実際本発明者らの研究によって
も、これら触媒を従来のプロセスに組み合わせて使用し
ただけでは0. 005重量%というレベルまでの脱硫は
ほとんど不可能であることがわかった。反応装置の面か
ら深度脱硫を達成する研究もなされている。例えば、特
開平5−78670には反応条件の異なる2段階の反応
によって色相を悪化させることなく深度脱硫を行う方法
が提案されており、同じ2段階の反応プロセスでも特開
平5−202369では、第二反応器の空間速度を第一
反応器の空間速度よりも遅くするプロセスが提案されて
いる。また、特開平6−25677では、第二反応器の
温度を第一反応器の温度よりも低くするプロセスが提案
されている。
きな問題点がある。すなわち、アルキルベンゾチオフェ
ン類や4−あるいは6−位置にアルキル置換基を持たな
いジベンゾチオフェン類、例えばジベンゾチオフェン、
1−、2−または3−メチルベンゾチオフェン等に対し
ては、触媒の担体にリンやゼオライトを担体に加えた触
媒は、従来から使用されてきたアルミナ担体にコバルト
とモリブデンを担持した触媒より脱硫活性が低い欠点が
ある(F. van Looijら, Applied Catalysis A:General
170, 1-12 (1998) )。すなわち、種々の硫黄化合物が
含まれる石油の軽油留分の脱硫には必ずしも有効とはい
えない。また、ブレンシュテッド酸点が存在するため、
製品が着色しやすく、オレフィンを含む原料を使用する
場合や350℃以上の高温で反応に用いた場合はチオー
ルやスルフィドが生成して脱硫率が低下してしまう場合
もある。さらにブレンシュテッド酸点でオレフィン成分
が重合してコーク析出し、触媒の失活が速いという大き
な問題点がある。原料油にオレフィンが含まれていない
場合でも、硫黄化合物が脱硫される場合にはオレフィン
を生成するのでコークの析出の原因となる。このこと
は、チオフェンを通油した場合のコーキング速度がオレ
フィンや芳香族を通油した場合のコーキング速度の10
倍にも達することからも理解できる (Catalysis Revie
w, 24, (3), 343(1982))。また前述の装置面の改善から
の提案にしても、反応条件の異なる2段階の反応によっ
て色相を悪化させることなく深度脱硫を行う方法は、色
相の改善には効果があるものの深度脱硫をさらに進める
効果はほとんどなく、0. 005重量%というレベルま
での脱硫は全く考慮されておらず、超深度脱硫への対応
として提案されたプロセスとは言い難い。
従来の問題点を解決し、従来に比べてはるかに硫黄含有
分を少なくし、又着色を少なくした軽油と、その軽油を
得るための超深度脱硫方法を提供することにある。
を解決するため、鋭意研究した結果、特定の工程の組合
せ、及び装置構成、特定の反応条件、特定の触媒を用い
ることにより軽油を超深度脱硫する方法を見出し、本発
明を完成するに至った。
の軽油留分を水素化脱硫する際に、第一工程で水素化脱
硫した後に、第二工程でさらに第一工程よりも高圧で水
素化脱硫する水素化脱硫方法である。又、本発明は、上
記方法により得た、硫黄分0.001重量%以下で、セ
イボルトカラー+20以上の軽油である。本発明のその
他の具体的態様と、その作用を以下に詳記する。
て、まず、第一工程で軽油中に含まれる硫黄化合物の
内、アルキルベンゾチオフェン類と4−あるいは6−位
置にアルキル置換基を持たないジベンゾチオフェン類の
脱硫をほぼ完全に達成することが、重要なポイントであ
る。特に、第一工程で硫黄分が0. 05重量%以下にな
るように脱硫すると、アルキルベンゾチオフェン類と4
−あるいは6−位置にアルキル置換基を持たないジベン
ゾチオフェン類の脱硫率は99重量%以上となり、本発
明の効果を最大限に発揮することができる。第一工程の
反応条件は従来の深度脱硫の反応条件である、温度32
0〜380℃、圧力4〜7MPa、LHSV0. 5〜3
h-1、水素/ 油比500〜2000scfbの範囲が適
切である。さらに好ましくは、温度330〜360℃、
圧力4〜7MPa、LHSV1. 0〜2h-1、水素/ 油
比1000〜2000scfbの範囲である。本発明で
いうところの反応圧力とは、反応器内の全圧力のことで
ある。触媒としては通常の水素化脱硫触媒、すなわち多
孔質担体にコバルトまたはニッケルとモリブデンまたは
タングステンを担持した触媒が使用できる。好ましく
は、アルミナを主成分とする多孔質担体にコバルトとモ
リブデンを担持した触媒を使用すると、アルキルベンゾ
チオフェン類と4−あるいは6−位置にアルキル置換基
を持たないジベンゾチオフェン類の脱硫速度が速く有利
である。この触媒は、4−メチルジベンゾチオフェンや
4, 6−ジメチルジベンゾチオフェンに対する脱硫活性
は、格別には、高い訳ではないが、それでもこれら難脱
硫性の硫黄化合物もその90重量%以上を脱硫すること
ができる。第一工程で使用する水素は硫化水素を含まな
い水素を使用してもよいが、第二工程出口にて分離回収
した硫化水素を含む水素を使用しても良い。
絶対量としては少量ではあるが4−メチルジベンゾチオ
フェンや4, 6−ジメチルジベンゾチオフェンといった
難脱硫性の硫黄化合物が含まれており、これらの硫黄化
合物は第二工程でさらに脱硫される。ここで、本発明の
最大の特徴的は、第二工程では第一工程よりもさらに高
圧で水素化脱硫することである。本発明者らが鋭意検討
した結果、超深度脱硫を達成するためには反応器全圧を
高くすることが好ましく、さらに1工程の高圧反応より
は、2工程で水素化脱硫し、かつ第二工程の圧力を第一
工程よりも高くすると脱硫反応が促進されるうえ、色相
にも優れた生成油が得られることを見出した。2段工程
を採用する利点は、易脱硫性の硫黄化合物と難脱硫性の
硫黄化合物それぞれに最適な触媒及び反応条件が提供で
きることや、第二工程入り口の水素分圧や硫化水素濃度
を自由に設計・制御することができることである。
度320〜380℃、圧力10〜15MPa、LHSV
0. 5〜2h-1、水素/ 油比1000〜5000scf
bであり、さらに好ましくは、温度330〜360℃、
圧力10〜15MPa、LHSV0. 5〜2h-1、水素
/ 油比1000〜3000scfbの範囲である。特に
反応圧力に関しては高めに設定する方が脱硫率や色相の
点で良好な結果をもたらす。反応温度はなるべく低めに
設定する方が色相の改善効果が大きく、第一工程よりも
低温に設定することも可能である。
するという点は本発明の大きな特徴である。従来技術で
は、製品の着色を防止するために2段工程を採用してい
るものもあるが、これらは前述の通り、反応温度や接触
時間にのみ着目されたもので、反応圧力に関しては全く
注意が払われていなかった。これは、第一工程から第二
工程へ原料および水素ガスを連続的に供給するためで、
本発明においては、連続的に供給しても良いが、一度ガ
ス成分と液成分を分離して、第二工程では硫化水素をほ
とんど含まない新たな水素ガスを供給することにより硫
化水素の水素化脱硫に対する反応阻害効果を取り除くこ
とができる。
程の反応圧力は3〜7MPaを採用しているが、本発明
では好ましい反応圧力を10〜15MPaと限定してお
り、従来全く試みられることのなかった圧力条件下で水
素化脱硫反応を実施する。そのため、従来技術では不安
が残った、製品の着色の問題が完全に解決され、硫黄分
が0. 005重量%以下でありながら、製品の色相はセ
イボルトカラーで0以上であり、実際には+20を超え
る優れた製品が得られる場合がほとんどである。さら
に、10〜15MPaという圧力を採用しているため、
従来技術よりも低温で反応を進めることができ、原料軽
油留分中に含まれている芳香族炭化水素の水素化反応を
熱力学的平衡上有利に進行させることができる。そのた
め、本発明で得られる製品中の芳香族炭化水素の含有率
は従来技術よりも極めて低く、ディーゼル燃料として使
用する際に黒煙の排出の少ない良質の製品を製造するこ
とができる。このように、本発明は従来技術と全く異な
るものであり、それは従来技術では、得らる製品が硫黄
分0. 05重量%、セイボルトカラーで0程度であった
ものが、本発明では硫黄分0. 005重量%以下、セイ
ボルトカラーで+20以上と優れていることからも明ら
かである。
が、4−メチルジベンゾチオフェンや4, 6−ジメチル
ジベンゾチオフェンに対する脱硫活性が高い触媒を使用
する方が好ましく、例えばアルミナ85〜99重量%と
ゼオライト1〜15重量%とを含む多孔質担体にニッケ
ルとモリブデンを担持した触媒が使用できる。アルミナ
とゼオライトとの割合は、さらに好ましくはアルミナが
90〜97重量%、ゼオライトが3〜10重量%であ
る。ただし、この触媒は副反応としてチオールやスルフ
ィドおよび着色物質を生成する特徴がある。そのため、
第二工程の触媒の内、入り口部分から40〜80容量%
にアルミナ85〜99重量%とゼオライト1〜15重量
%とを含む多孔質担体にニッケルとモリブデンを担持し
た触媒を充填し、それに続く残りの部分にアルミナを主
成分とする多孔質担体にコバルトまたはニッケルとモリ
ブデンを担持した触媒を使用すると、ゼオライト含有触
媒によって副生したチオールやスルフィドおよび着色物
質が後段の触媒で水素化処理されて低硫黄分で色相に優
れた軽油が製造できる。
度が65容量%以上であり、かつ硫化水素濃度が0. 0
5容量%以下であることが望ましい。さらに好ましく
は、水素純度が70容量%以上であり、かつ硫化水素濃
度が0. 01容量%以下である。これは硫化水素の触媒
活性点への吸着による脱硫反応阻害を防止するためと、
チオールやスルフィドの副生を極力抑制するためであ
る。この水素としては、水素製造装置やガソリンの改質
装置で製造された硫化水素を含まない未使用の水素を使
用してもよいし、第一あるいは第二工程出口で分離され
た水素をアミン吸収装置により硫化水素を除去して使用
してもよい。
条件を、圧力10MPa以上、反応温度320〜360
℃、水素/ 油比2000〜5000scfbで、触媒を
第一工程で使用する触媒がアルミナを主成分とする多孔
質担体にコバルトとモリブデンを担持した触媒であり、
第二工程の入り口部分で使用する触媒がアルミナ85〜
99重量%とゼオライト1〜15重量%とを含む多孔質
担体にニッケルとモリブデンを担持した触媒であり、か
つ第二工程の全触媒に対する割合が40〜80容量%で
あり、第二工程の出口部分の触媒がアルミナを主成分と
する多孔質担体にコバルトまたはニッケルとモリブデン
を担持した触媒とすることにより、硫黄分が0.001
重量%以下でかつセイボルトカラーがほとんど+30近
くすることもできる。
量は、通常の軽油の脱硫触媒に採用されている量を採用
することができる。すなわち担体の重量を100重量部
として(ゼオライト含めた重量)、CoあるいはNiは
酸化物換算で1〜10重量部、好ましくは3〜6重量部
であり、Moは酸化物換算で10〜30重量部、好まし
くは15〜25重量部である。金属量は少ないと活性が
不足し、また触媒の失活速度が大きくなる。一方、多す
ぎても活性が飽和してしまい不経済である。
重量%とゼオライト1〜15重量%とを含む担体にニッ
ケルとモリブデンを担持した触媒を一部使用するとよい
が、この場合ゼオライトとしてはA型ゼオライト、X型
ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、MFI
型ゼオライト、モルデナイト等が使用できる。中でも、
Y型ゼオライトを脱アルミニウムして熱安定を高めたU
SY型ゼオライトが最も好ましい。これらゼオライトは
イオン交換してブレンシュテッド酸点を発現させるが、
プロトン、アルカリ土類金属、希土類金属等でイオン交
換することができる。ゼオライトはアルミナのゲルに混
合して成形して焼成してもよいし、成形したアルミナ担
体にバインダーを用いて付着させてもよい。
善するために少量の各種改質成分を加えた触媒を使用し
てもさしつかえない。たとえば、燐を加えると金属の分
散が良くなるとともにブレンシュテッド酸点が増加する
ため、難脱硫性の4−メチルジベンゾチオフェンや4,
6−ジメチルジベンゾチオフェンの脱硫活性が向上する
ので、第二工程の入り口部分の触媒に加えると効果があ
る場合がある。一方、カリウムやマグネシウムの添加は
ブレンシュテッド酸点を減少させチオールやスルフィド
の生成を抑制するので、第二工程の出口部分の触媒に加
えると効果がある場合がある。
触分解軽油、熱分解軽油等の沸点範囲200〜380℃
の留分である。本発明は沸点のさらに高い減圧軽油の脱
硫にも有効である。原料油に含まれる硫黄分の量は特に
限定されないが、通常の直留軽油の場合は1〜2重量%
程度である。生成油の硫黄分の量は必要に応じて任意に
定めることができ、反応温度、圧力、液空間速度等の反
応条件を最適化することにより必要とされる脱硫率を達
成できる。本発明で脱硫された軽油は、軽油自動車用レ
ギュラーあるいはプレミアムディーゼル燃料として使用
できる。また、A重油等に混合して使用することもでき
る。
来から知られているいかなる様式の反応器、例えば固定
床、移動床いずれでも良く、ダウンフロー式、アップフ
ロー式いずれでもよい。これらの中で最も適しているの
は、固定床ダウンフロー式反応器である。これは従来か
ら軽油の脱硫に用いられている反応器様式であるため、
従来の装置をそのまま使用することができる。反応器は
通常1反応器を複数の触媒ベットに分けたものが使用で
きる。1および2の各工程は通常反応器は1器づつであ
るが、必要に応じて複数の反応器を直列あるいは並列に
設置したものを使用してもさしつかえない。反応器内は
液体と気体が共存するいわゆるトリクルベットであるた
め、各触媒ベットの上には液体を均一に分散させるディ
ストリビューターを設置することが望ましい。また発熱
状況により、クウェンチ水素を最適な場所で導入して発
熱を制御してもよい。実際の装置には、押し出し成形し
た触媒が使用され、触媒は従来の方法によって反応器に
ソック充填またはデンス充填される。触媒を予備硫化し
た後、水素とともに加熱した原料油を触媒を充填した反
応器に通油する。使用済の触媒は通常の焼成再生処理に
よって繰り返し使用しても差し支えない。
る。 実施例1 第一工程として、内径1インチの固定床ダウンフロー式
反応器の反応管にγ−アルミナ担体100重量部に対し
てコバルト5 重量部(CoO換算)とモリブデン20重
量部(MoO3 換算)を担持した触媒を300ml充填
した。この触媒をジメチルジスルフィドを含む直留灯油
(硫黄分3重量%)を用いて300℃、5MPa、LH
SV1h-1、水素/ 油比1000scfbの条件下で、
4時間、予備硫化した後、中東系の直留軽油(沸点23
0〜360℃、硫黄分1. 30重量%)を水素と共に、
温度340℃、圧力5MPa、LHSV1h-1、水素/
油比1000scfbの条件で通油して脱硫した。生成
油の硫黄分は0. 048重量%であった。さらに第二工
程として、内径1インチの、固定床ダウンフロー式反応
器の反応管の上層部にγ−アルミナ97重量%とプロト
ン交換USY型ゼオライト3重量%とを含む担体にニッ
ケル3重量部(NiO換算)とモリブデン20重量部
(MoO3 換算)を担持した触媒を200ml充填し、
下層部にはγ−アルミナ担体にコバルト5 重量部(Co
O換算)とモリブデン20重量部(MoO3 換算)を担
持した触媒を100ml充填した。この触媒をジメチル
ジスルフィドを含む直留灯油(硫黄分3重量%)を用い
て300℃、12MPa、LHSV1h-1、水素/ 油比
1000scfbの条件下で、4 時間、予備硫化した
後、第一反応器の生成油を水素と共に、温度335℃、
圧力12MPa、LHSV1h-1、水素/油比2000
scfbの条件で通油して脱硫した。生成油の硫黄分は
0. 004重量%、色はセイボルトカラー(JISK−
2580)で+22の軽油を製造した。
にγ−アルミナ担体100重量部に対してニッケル5 重
量部(NiO換算)とモリブデン20重量部(MoO3
換算)を担持した触媒をそれぞれ300mlづつ充填し
た。この両反応器の触媒を実施例1と同様に予備硫化
し、実施例1の軽油を用いて、温度350℃、圧力6M
Pa、LHSV1h-1、水素/ 油比1000scfbの
条件で水素と共に通油して脱硫した。第一反応器生成油
の硫黄分は0. 041重量%であった。第一反応器生成
油をさらに第二反応器で実施例1と同一条件で脱硫し、
硫黄分0. 005重量%、色はセイボルトカラーで+2
4の軽油を製造した。
41重量%)80容量%と、接触分解軽油(沸点212
〜345℃、硫黄分0. 23重量%)10容量%と、直
脱分解軽油(沸点181〜346℃、硫黄分0. 08重
量%)10容量%とを混合した。この混合軽油を実施例
1と同一の触媒を同量充填した第一反応器で、水素と共
に、温度350℃、圧力3MPa、LHSV2h-1、水
素/ 油比1000scfbの条件で通油して脱硫した。
生成油の硫黄分は0. 13重量%であった。さらに第二
反応器として、内径1インチの反応管の上層部にアモル
ファスシリカアルミナ90重量%とプロトン交換USY
型ゼオライト10重量%とを含む担体にニッケル4重量
部(NiO換算)とタングステン20重量部(WO3 換
算)を担持した触媒を200ml充填し、下層部にはγ
−アルミナ担体にコバルト5重量部(CoO換算)とモ
リブデン20重量部(MoO3 換算)を担持した触媒を
100ml充填した。この触媒をジメチルジスルフィド
を含む直留灯油(硫黄分3重量%)を用いて300℃、
12MPa、LHSV1h-1、水素/ 油比1000sc
fbの条件下で、4 時間、予備硫化した後、前述の脱硫
軽油と水素を温度350℃、圧力12MPa、LHSV
1h-1、水素/ 油比2000scfbの条件で通油して
脱硫した。生成油の硫黄分は0. 005重量%、色はセ
イボルトカラーで+20の軽油を製造した。
とプロトン交換USY型ゼオライト3重量%とを含む担
体にニッケル3重量部(NiO換算)とモリブデン20
重量部(MoO3 換算)を担持した触媒を600ml充
填した。ジメチルジスルフィドを含む直留灯油(硫黄分
3重量%)を用いて300℃、5MPa、LHSV1h
-1、水素/ 油比1000scfbの条件下で、4 時間、
予備硫化した後、実施例1で使用した軽油を温度340
℃、圧力10MPa、LHSV0. 5h-1、水素/ 油比
2000scfbの条件で通油して脱硫した。生成油の
硫黄分は0. 024重量%であり、色はセイボルトカラ
ーで−10であった。
重量部に対してコバルト5 重量部(CoO換算)とモリ
ブデン20重量部(MoO3 換算)を担持した触媒を6
00ml充填した。この触媒を比較例1と同様に予備硫
化し、実施例1の軽油を通油して比較例1と同一条件で
脱硫した。生成油の硫黄分は0. 029重量%であり、
色はセイボルトカラーで+15であった。
脱硫した。反応条件は温度360℃、圧力10MPa、
LHSV0. 5h-1、水素/ 油比2000scfbであ
る。生成油の硫黄分は0. 013重量%であり、色はセ
イボルトカラーで−15であった。
器で脱硫した。この生成油を実施例1と同様の触媒を充
填した第二反応器で、第一反応器の生成油を水素と共
に、温度320℃、圧力5MPa、LHSV0. 5
h-1、水素/ 油比2000scfbの条件で通油して脱
硫した。生成油の硫黄分は0. 024重量%、色はセイ
ボルトカラーで+10であった。
分の水素化脱硫を行う際に、本発明を採用することによ
り低硫黄分( 硫黄分含有量0.005重量%以下) で色
相にも優れた軽油が製造できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 硫黄分0.005重量%以下で、セイボ
ルトカラー+20以上の軽油。 - 【請求項2】 硫黄分0.001重量%以下で、セイボ
ルトカラー+20以上の軽油。 - 【請求項3】 硫黄を含有する石油系炭化水素の軽油留
分を水素化脱硫する際に、第一工程で水素化脱硫した後
に、第二工程でさらに第一工程よりも高圧で水素化脱硫
する、軽油の水素化脱硫方法。 - 【請求項4】 第一工程の水素化脱硫により原料油の硫
黄分を0. 05重量%以下とした後に、第二工程でさら
に第一工程よりも高圧で水素化脱硫する、請求項3記載
の軽油の水素化脱硫方法。 - 【請求項5】 第一工程の反応条件が、温度320〜3
80℃、圧力4〜7MPa、LHSV0. 5〜3h-1、
水素/ 油比500〜2000scfbであり、第二工程
の反応条件が、温度320〜380℃、圧力10〜15
MPa、LHSV0. 5〜2h-1、水素/ 油比1000
〜5000scfbである、請求項3又は4記載の軽油
の水素化脱硫方法。 - 【請求項6】 第一工程で使用する触媒が、アルミナを
主成分とする多孔質担体にコバルトとモリブデンを担持
した触媒であり、第二工程の入り口部分で使用する触媒
がアルミナ85〜99重量%とゼオライト1〜15重量
%とを含む多孔質担体にニッケルとモリブデンを担持し
た触媒であり、かつ第二工程の全触媒に対する割合が4
0〜80容量%であり、第二工程の出口部分の触媒がア
ルミナを主成分とする多孔質担体にコバルトまたはニッ
ケルとモリブデンを担持した触媒である、請求項3〜5
記載の軽油の水素化脱硫方法。 - 【請求項7】 第二工程で使用する水素ガスの水素純度
が65容量%以上であり、かつ硫化水素濃度が0. 05
容量%以下である、請求項3〜5記載の軽油の水素化脱
硫方法。
Priority Applications (1)
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