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JP2000108271A - 剥離基体、その製造方法および剥離性積層体 - Google Patents

剥離基体、その製造方法および剥離性積層体

Info

Publication number
JP2000108271A
JP2000108271A JP27920298A JP27920298A JP2000108271A JP 2000108271 A JP2000108271 A JP 2000108271A JP 27920298 A JP27920298 A JP 27920298A JP 27920298 A JP27920298 A JP 27920298A JP 2000108271 A JP2000108271 A JP 2000108271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
material layer
release
layer
substrate
polyethylene resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27920298A
Other languages
English (en)
Inventor
Takumi Araki
工 荒木
Osamu Miyaji
修 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polyolefins Co Ltd filed Critical Japan Polyolefins Co Ltd
Priority to JP27920298A priority Critical patent/JP2000108271A/ja
Publication of JP2000108271A publication Critical patent/JP2000108271A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間の接着性を充分満足できる水準に維持し
つつ、低温でのラミネート成形であっても短時間(高速
成形)で製造することのできる簡易構成な剥離基体およ
びその製造方法ないしその剥離性積層体。 【解決手段】 基材層12上に、剥離材層14が形成さ
れた剥離基体10であって、剥離材層は、(A)ポリエ
チレン系樹脂と、(B)分子内不飽和結合を有する化合
物とを含むポリエチレン系樹脂組成物からなる層を有
し、該ポリエチレン系樹脂組成物中における前記分子内
不飽和結合の数が103炭素当り0.5個以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラベル等に用いられ
る剥離基体ないし剥離性積層体およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】種々のラベル、粘着シート、接着シー
ト、合成樹脂フィルム・キャスティング成膜等において
は、剥離基体が利用される。剥離基体としては、例え
ば、紙等からなる基材上に、目止め層を介して、シリコ
ーン樹脂等からなる剥離材層が積層されたものが一般的
である。さらに、その剥離材層上に、被剥離体がその接
着剤層により接着することにより、剥離性積層体が概略
構成される。剥離性積層体においては、接着剤層と剥離
材層の間の接着強度が低くされていることから、被剥離
体を剥離基体から剥がして使用に供することができる。
【0003】剥離基体の目止め層は、その剥離材層の塗
工性、剥離性能の向上を図るために形成される。そのよ
うな目止め層には、通常、安価な、高圧ラジカル法低密
度ポリエチレンを単独で、または、チーグラー系触媒を
用いて得られるエチレンの単独重合体である高密度ポリ
エチレン及びエチレンと他のα−オレフィンとの共重合
体である直鎖状低密度ポリエチレンとを高圧ラジカル法
ポリエチレンに混合したものが使用されている。
【0004】一般に、目止め層は、基材層上に押出ラミ
ネート成形により成膜される。このような剥離基体にお
いては、近年特に、剥離基体における各層間の接着強度
をより高めることと、より短時間で製造することが望ま
れている。通常、押出ラミネート成形においては、各層
間の接着強度を向上するには、ラミネート時の樹脂の温
度を高めればよいことは知られており、上記要求に対し
ては主としてラミネート温度を高める(通常、約310
℃以上)ことで対処していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂の
温度を高めることにより、発煙の発生等による作業環
境及び周辺環境への影響の増大、高温での酸化劣化に
よる製品の臭気の悪化等の問題がある。しかも、高い接
着性を確保しつつ成形速度を上げる為に、樹脂温度をよ
り高くしなければならず、上記問題が深刻となってい
る。また、高速成形の為に、オゾン処理を併用しても十
分な接着性を確保することは困難であった。本発明は前
記課題を解決するためになされたもので、層間の接着性
を充分満足できる水準に維持しつつ、低温でのラミネー
ト成形であっても短時間(高速成形)で製造することの
できる簡易構成な剥離基体およびその製造方法ないしそ
の剥離性積層体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定の剥離材層
を設けることにより上記課題を解決し得ることを見い出
し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の剥離基体
は、基材層上に、剥離材層が形成された剥離基体であっ
て、剥離材層は、(A)ポリエチレン系樹脂と、(B)
分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポリエチレン
系樹脂組成物からなる層を有し、該ポリエチレン系樹脂
組成物中における前記分子内不飽和結合の数が103
素当り0.5個以上であることを特徴とするものであ
る。ここで、ポリエチレン系樹脂組成物は、(A)ポリ
エチレン系樹脂を99.9〜50重量%、(B)分子内
不飽和結合を有する化合物を0.1〜50重量%、
(C)他のポリオレフィン系樹脂を0〜49.9重量%
含み、該(B)分子内不飽和結合を有する化合物中にお
ける分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.5〜25
0個であるものが望ましい。さらに、(B)分子内不飽
和結合を有する化合物は、1,2−ポリブタジエン、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリイソプレン
から選択された少なくとも1種であることが望ましい。
【0007】基材層としては紙が望ましい。本発明の剥
離性積層体は、上述した剥離基体の剥離材層上に被剥離
体が接着されていることを特徴とするものである。本発
明の剥離基体の製造方法は、基材層を供給する基材層供
給工程と、ポリエチレン系樹脂と、分子内不飽和結合を
有する化合物とを含み、該分子内不飽和結合の数が10
3炭素当り0.5個以上であるポリエチレン系樹脂組成物
からなる溶融膜の片面にオゾン処理を施す樹脂表面処理
工程と、前記供給された基材層の少なくとも片面に、前
記溶融膜のオゾン処理の施された面を圧接する積層工程
とを有することを特徴とするものである。この基材層供
給工程においては、基材層に表面処理を施すことが望ま
しい。積層工程は、樹脂温度を200〜300℃とする
ことが望ましく、成形速度を200〜400m/min.と
することが望ましい。オゾン処理量としては、5〜10
00g/hrが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における剥離基体は、少な
くとも、基材層と剥離材層とを有するものであって、例
えば図1に示す剥離基体10のように、基材層12上に
剥離材層14が直接積層された構成を採ることができ
る。基材層は、用途に応じて適宜選択され、限定される
ものではないが、一般に、プラスチック、紙、織布、不
織布が適用される。紙としては、上質紙、クラフト紙、
グラシン紙、無機繊維混抄紙、合成樹脂混抄紙等が挙げ
られる。
【0009】剥離材層としては、ポリエチレン系樹脂
と、分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポリエチ
レン系樹脂組成物からなる層を有し、そのポリエチレン
系樹脂組成物中における分子内不飽和結合の数が103
炭素当り0.5個以上であるポリエチレン系樹脂組成物
からなるものが適用される。ポリエチレン系樹脂として
は、より具体的には、高圧ラジカル重合による低密度ポ
リエチレン(LDPE)、エチレン・ビニルエステル共
重合体、エチレン・α、β−不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体との共重合体等が挙げられる。さらにまた、チ
ーグラー系触媒、フィリップス系触媒、メタロセン系触
媒等による低・中・高圧重合によって得られる密度0.
86〜0.98g/cm3のエチレン単独重合体、プロピ
レン単独重合体等の炭素数2〜20のα・オレフィンの
単独またはこれらの相互共重合体であるポリエチレン樹
脂が挙げられる。
【0010】上記低密度ポリエチレン(LDPE)とし
ては、密度は0.91〜0.94g/cm3、好ましくは
0.912〜0.935g/cm3、さらに好ましくは0.
912〜0.930g/cm3である。メルトフローレー
トは0.001〜1000g/10分、好ましくは0.1〜
100g/10分であり、さらに好ましくは1.0〜50
g/10分である。溶融張力は好ましくは1.5〜25
g、より好ましくは3〜20gである。また、Mw/M
nは3.0〜10、好ましくは4.0〜8.0の範囲で選
択されることが望ましい。
【0011】上記エチレン・ビニルエステル共重合体
は、エチレンを主成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸
ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリ
ル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビ
ニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。
これらの中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニル
(EVA)を挙げることができる。特に、エチレン50
〜99.5重量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、
他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5重量%から
なる共重合体が好ましい。特にビニルエステル含有量は
3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲であ
る。
【0012】上記エチレン・α、β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体とし
ては、エチレン−(メタ)アクリル酸またはそのアルキ
ルエステル共重合体、その金属塩等が挙げられる。これ
らのコモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタ
クリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリ
ル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリ
ル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ス
テアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジル等を挙げることができる。この中でも特に好ましい
ものとして、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル(E
EA)等のアルキルエステルを挙げることができる。特
に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜20重量
%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。
【0013】上記高圧ラジカル重合法とは、圧力500
〜3500Kg/cm2Gの範囲、重合温度は100〜
400℃の範囲、チューブ状リアクター、オートクレー
ブリアクターを使用して、有機または無機のパーオキサ
イド等の遊離基発生剤の存在下で重合する方法である。
また、チーグラー系触媒、フィリップス系触媒、メタロ
セン系触媒等による低・中・高圧重合によって得られる
密度0.86〜0.98g/cm3のエチレン単独重合
体、プロピレン単独重合体または炭素数2〜20のα・
オレフィンの相互共重合体としては、密度0.86g/
cm3以上0.91g/cm3未満の超低密度ポリエチレ
ン、密度0.91g/cm3以上0.94g/cm3未満の
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、密度0.94
g/cm3以上の高密度ポリエチレン等のエチレン系重
合体などが挙げられる。上記炭素数2〜20のα−オレ
フィンとしては、具体的にはエチレン、プロピレン、1
−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げるこ
とができる。
【0014】本発明の(A)ポリエチレン系樹脂成分に
は、目的により、非極性のポリオレフィン系樹脂と、例
えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体等の極性基を有するエチレン共重合
体などを50重量%未満、より好ましくは30重量%未
満を併用することができる。また、本発明の(A)成分
の荷重2.16kgでのメルトフローレートは0.001
〜1000g/10分であることが好ましく、より好まし
くは0.1〜100g/10分であり、さらに好ましくは
1.0〜50g/10分である。該メルトフローレートが
低すぎても高すぎても成形性が劣る。また、メルトフロ
ーレートが高すぎる場合には製品の強度が劣る。
【0015】本発明の(B)成分は、分子内不飽和結合
を有する化合物である。その分子内不飽和結合の数は、
ポリエチレン系樹脂組成物全体中において、103炭素
当り0.5個以上であることが必要である。分子内不飽
和結合の数が0.5個未満であると、接着性等の向上効
果が小さい。(B)成分の化合物として、具体的には、
分子内に複数の不飽和結合を有する化合物、ポリブタジ
エン、好ましくは1,2−ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、天然ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アリル、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸ビニルなどから選択される少な
くとも1種の化合物、オリゴマーまたは重合体を挙げる
ことができる。これら中でも1,2−ポリブタジエン、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、
ポリイソプレン、特に1,2−ポリブタジエンの重合体
が、取扱い、作業性等から好ましい。これらは一種のみ
ならず二種以上を併用できる。(B)成分の化合物は、
荷重2.16kgでのメルトフローレートが0.001〜
1000g/10分であることが好ましく、より好ましく
は0.1〜100g/10分であり、さらに好ましくは1.
0〜50g/10分である。メルトフローレートが低すぎ
ても高すぎても成形性が劣る。また、メルトフローレー
トが高すぎる場合には製品の強度が劣るものとなる。
【0016】分子内不飽和結合の数は、(B)成分の化
合物中においても、その103炭素当り、0.5〜250
個であることが好ましく、より好ましくは103炭素中
5〜250個、さらに好ましくは103炭素中50〜2
50個である。分子内不飽和結合の数が過少であると接
着性、塗装性等の改良効果が少なく、過多であると熱安
定性が悪化する場合がある。
【0017】本発明の樹脂層には、必須成分ではないも
のの、(C)成分として他のポリオレフィン系樹脂を含
むことが望ましい。そのような他のポリオレフィン系樹
脂としては、プロピレン系樹脂等の炭素数3〜12の単
独重合体またはそれらとエチレンとの共重合体、相互共
重合体等が挙げられる。
【0018】本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物
は、上記の(A)成分が99.9〜50重量%、(B)
成分が0.1〜50重量%、(C)成分が0〜49.9重
量%の範囲で配合されることが望まれる。より好ましく
は、(A)成分を99.5〜60重量%、更に好ましく
は99.0〜70重量%であり、(B)成分を0.5〜4
0重量%、さらに好ましくは1.0〜30重量%であ
る。また、(C)成分は0〜39.5重量%であればよ
り好ましく、0〜29重量%であればさらに好ましい。
(B)成分が過少((A)成分が過多)であると接着性
能を発現することができず、(B)成分が過多((A)
成分が過少)であると混練時、成形時の耐熱性が低下す
る虞が生じる。また、本発明におけるポリエチレン系樹
脂組成物は、その荷重2.16kgでのメルトフローレ
ートが0.001〜1000g/10分であることが望ま
しい。より好ましくは0.1〜100g/10分であり、
さらに好ましくは1.0〜50g/10分である。メルト
フローレートが低すぎても高すぎても成形性が劣る。ま
た、メルトフローレートが高すぎる場合には製品の強度
が劣る。
【0019】該組成物を得るためのブレンド方法として
は、通常の混合操作、たとえばタンブラーミキサー法、
ヘンシェルミキサー法、バンバリーミキサー法、または
押出造粒法などにより行うことができる。該組成物を得
るにあたっては、中和剤、分散剤、酸化防止剤、滑材、
耐候性改良剤、帯電防止剤、顔料、フィラーなどの他の
付加的成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合する
ことができる。
【0020】このポリエチレン系樹脂組成物であると、
異種材料である基材層等との接着強度が高く、ラミネー
ト温度を低くしても高い接着強度を発現する。また、ラ
ミネート成形速度を速くしても高い接着強度を維持する
ことができる。尚、上述した剥離基体は、基材層、剥離
材層の2層構成からなる積層体について説明したが、本
発明はこれに限られるものではなく、本発明の作用効果
を損なうことのない範囲内で、他の層を設けてよい。例
えば、基材層の剥離材層の形成されていない側の面に他
の任意の層を設けたり、また、基材層の両面に、それぞ
れ剥離材層を設けて3層構成として両表面が剥離材層と
なる剥離基体等としたり、剥離材層を複数層で構成して
もよい。尚、基材層、剥離材層等の各層の層厚は、限定
されるものではなく、各層の機能を果たす範囲内で適宜
設定される。
【0021】本発明の剥離基体は、各層間の接着強度が
高くなるように積層する方法であれば特にその製造方法
は限定されるものではないが、押出ラミネート成形によ
り積層して製造する方法が好適である。例えば、図2に
示すように、基材層供給工程として、紙等からなる基材
層12を繰出機40から所定速度で繰り出し、ニップロ
ール34と冷却ロール32の間に供給する。同時に、樹
脂表面処理工程として、上述したポリエチレン系樹脂組
成物を押出機30のT型ダイからフィルム状態とした溶
融膜として押し出し、その溶融膜の片面にオゾン処理を
施す。押出ラミネート成形する際の装置としては、通
常、T型ダイ方式の装置を用いることができる。そし
て、積層工程として、ニップロール34と冷却ロール3
2の間にて、基材層12と溶融膜を圧接して積層する。
この際、溶融膜のオゾン処理の施された面を基材層12
と接触するようにする。その後、得られた基材層12と
剥離材層14からなる積層体は、巻取工程として、巻取
機42に巻き取られる。積層工程において、樹脂温度
は、一般に、280〜350℃であるが、本発明では2
00〜300℃の範囲で積層できる。このように、30
0℃以下にすることにより、従来のラミネート時に生じ
ていた臭いや環境汚染を防止できる。
【0022】本発明においては、剥離材層14の片面だ
けにオゾン処理を施しておくことが望ましい。オゾン処
理は、Tダイから出た溶融樹脂膜に、オゾン供給器36
からオゾンを吹きつければよく、オゾン処理条件として
は、5〜1000g/hr、好ましくは100〜500
g/hrの範囲である。層間強度を向上させる手段とし
てオゾン処理は従来から利用されてきたものであるが、
本発明においては、その剥離材層中における不飽和結合
とオゾンとが反応することによるオゾン処理による改質
効果が大きく、本発明の剥離材層とオゾン処理の相乗効
果により、基材層との接着強度が従来ないほどに飛躍的
に向上する。このオゾン処理を施すことにより、押出成
形時の樹脂温度を200〜300℃、より好ましくは2
40〜280℃の低温でも接着強度を低下させずにラミ
ネートができる。また、基材層供給工程において、基材
層12に対しても、プレヒート処理、コロナ処理、火炎
処理、UV処理等の表面処理を行うことができるが、中
でもコロナ処理を施しておくことが望ましく、コロナ処
理を施した基材層とオゾン処理を施した剥離材層との層
間接着強度はきわめて高くなる。コロナ処理としては、
コロナ放電器38を用いて、1〜300W分/m2が好
ましく、10〜100W分/m2の範囲がより好適であ
る。
【0023】本発明によれば、高い層間強度をもつ剥離
基体を低温ラミネートにより、また、200〜400m
/minの高速成形で製造することができる。
【0024】また、剥離材層のオゾン処理の施されてい
ない側の面は、ラミネート温度を低くして、剥離材層の
表面の酸化を極力抑えることにより、剥離材層として非
粘着性を発揮することができる。成形温度を230〜2
70℃の範囲で制御することにより、粘着剤に対する剥
離基体として十分な離型性を発揮できる。このように、
本発明の剥離基体においては、その低温ラミネートが可
能な特定の剥離材層は、一方の面においては接着性が高
く、他方の面においては接着性が低くなるので、基材と
の接着性が極めて高いにも拘らず、剥離材層として十分
に機能するものである。従って、本発明の剥離基体にお
いては、シリコーン樹脂ないしその塗工工程を要しない
ので、剥離基体の層数を少なくすることができ、また、
製造工程数を削減することができる。尚、本発明におい
ては、基材層と剥離材層の間に接着剤やアンカーコート
剤を必要とするものではないが、これら接着剤やアンカ
ーコート剤等を使用することも可能ではある。
【0025】本発明の剥離基体は、例えば図1に示すよ
うに、その剥離材層14上に被剥離体20を形成するこ
とにより剥離性積層体24となる。被剥離体20は、紙
やPETフィルムなどからなる被剥離基材22と、この
被剥離基材22を剥離材層14上に、剥離可能に接着す
る接着剤層18とを有してなる。被剥離基材22には目
的に応じて印刷等が施されて使用に供される。接着剤層
18には、被剥離基材22とは高い接着強度を発揮し、
かつ、剥離材層14とは低い接着強度を発揮するものが
適宜選択されて用いられる。このような剥離性積層体
は、各種のラベル等に用いられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。後述す
る各実施例、比較例においては、下記の各樹脂成分を用
いた。 LDPE(I):メルトフローレート(190℃)が
8.5g/10分、密度が0.918g/cm3の高圧ラジ
カル法低密度ポリエチレン。 LDPE(II):メルトフローレート(190℃)が2
0g/10分、密度が0.918g/cm3の高圧ラジカル
法低密度ポリエチレン。 LDPE(III):メルトフローレート(190℃)が
8.2g/10分、密度が0.918g/cm3の高圧ラジ
カル法低密度ポリエチレン。 EPDM:メルトフローレート(230℃)が3.0g
/10分のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体。
分子内不飽和結合数は70個/103炭素 1,2−ポリブタジエン樹脂:メルトフローレート(1
50℃)が3.0g/10分。分子内不飽和結合数は25
0個/103炭素
【0027】[実施例1]上記LDPE(I)が98重
量%、上記EPDMが2.0重量%になるようにポリエ
チレン系樹脂組成物を調製した。得られたポリエチレン
系樹脂組成物中の103炭素当りの分子内不飽和結合の
数を赤外分析法(IR)で測定した。90mm押出機を
備えた幅1100mmのラミネート成形機を使用し、図
2に示すように、得られたポリエチレン系樹脂組成物か
らなる溶融樹脂膜状態の剥離材層にオゾン処理を施し、
これをコロナ処理を施したクラフト紙12上に表1に示
す条件でラミネートして剥離基体を製造した。製造時の
発煙の状況の評価及び得られた剥離基体について層間の
接着強度の測定を行なった。評価結果を表1に示した。
【0028】[実施例2]上記LDPE(I)が97.
8重量%、1,2−ポリブタジエン樹脂が2.2重量%に
なるようなポリエチレン系樹脂組成物を調製した。得ら
れたポリエチレン系樹脂組成物を用いて、90mm押出
機を備えた幅1100mmのラミネート成形機を使用
し、表1に示す条件でクラフト紙上にラミネートして剥
離基体を製造した。製造時の発煙の状況の評価及び得ら
れた剥離基体について層間の接着強度の測定を行なっ
た。評価結果を表1に示した。
【0029】[実施例3]上記LDPE(I)が99.
3重量%、上記1,2−ポリブタジエン樹脂が0.7重量
%になるようなポリエチレン系樹脂組成物を調製した。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を用いて、90mm
押出機を備えた幅1100mmのラミネート成形機を使
用し、表1に示す条件でクラフト紙上にラミネートして
剥離基体を製造した。製造時の発煙の状況の評価及び得
られた剥離基体について層間の接着強度の測定を行なっ
た。評価結果を表1に示した。
【0030】[実施例4]上記LDPE(I)が97.
0重量%、上記1,2−ポリブタジエン樹脂が3.0重量
%になるようにポリエチレン系樹脂組成物を調製した。
得られたポリエチレン系樹脂組成物を基材層側に、上記
LDPE(I)を冷却ロール32側になるように表1に
示す条件でクラフト紙上に、90mm押出機を備えた幅
1100mmのラミネート成形機を使用して共押出ラミ
ネートして、LDPE(I)/LDPE(I)+1,2
−ポリブタジエン樹脂/基材層の3層構成の剥離基体を
製造した。製造時の発煙の状況の評価及び得られた剥離
基体について、剥離材層(LDPE(I)/LDPE
(I)+1,2−ポリブタジエン樹脂)と基材層との間
の接着強度の測定を行なった。評価結果を表1に示し
た。
【0031】[比較例1]上記LDPE(II)のみを9
0mm押出機を備えた幅1100mmのラミネート成形
機を用いて表1に示す条件でクラフト紙上にラミネート
して積層体を製造した。製造時の発煙の状況の評価及び
得られた積層体について層間の接着強度の測定を行なっ
た。評価結果を表1に示した。
【0032】[比較例2]上記LDPE(II)が99.
95重量%、上記1,2−ポリブタジエン樹脂が0.05
重量%になるようなポリエチレン系樹脂組成物を調製し
た。得られたポリエチレン系樹脂組成物を用いて、90
mm押出機を備えた幅1100mmのラミネート成形機
を使用し、表1に示す条件でクラフト紙上にラミネート
して積層体を製造した。製造時の発煙の状況の評価及び
得られた積層体について層間の接着強度の測定を行なっ
た。評価結果を表1に示した。
【0033】[比較例3]上記LDPE(III)のみを
90mm押出機を備えた幅1100mmのラミネート成
形機を用いて表1に示す条件でクラフト紙上にラミネー
トして積層体を製造した。但し、溶融樹脂にオゾン処理
は施さなかった。製造時の発煙の状況の評価及び得られ
た積層体について層間の接着強度の測定を行なった。評
価結果を表1に示した。
【0034】[評価方法] 〔紙との接着強度〕クラフト紙製基材との接着強度は、
層間剥離作業を行った時の状況から以下の3段階の評価
基準で評価した。 ◎:クラフト紙と剥離材層が強固に一体化し、樹脂の糸
引きもなし △:それほど丁寧でなくとも剥離可能 ×:容易に剥がれる 〔発煙〕 a:全く煙りが見えない b:少し煙りが見える c:非常に多い
【0035】
【表1】
【0036】以上から、本実施例の剥離基体では、高い
成形速度で、かつ、低い成形温度でありながら、高い接
着強度を発揮している。これに対して、(B)成分を欠
く比較例1または、(B)成分の配合量が少ない比較例
2では、接着強度が低い。また、(B)成分を欠き且つ
オゾン処理を施していない比較例3においては、成形温
度を高くすることにより、接着強度を改善できているも
のの、発煙が生じてしまった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、低い成形温度で、ま
た、高速成形により層間の接着強度が高い剥離基体とな
る。特にオゾン処理を併用することにより、より高い層
間強度を発揮する。従って、成形速度を高められること
から、生産性を格段に向上させることができる上に、低
温で成形できることから、発煙による作業環境及び周辺
への影響を極力抑えることができる。しかも、本発明の
剥離基体においては、目止め層やシリコーン樹脂等が不
要であるので、層数が少なく、製造も容易でコストダウ
ンを図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 剥離性積層体の層構成の一例を示す側断面図
である。
【図2】 ラミネート成形機の一例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
10 剥離基体 12 基材層 14 剥離材層 18 接着材層 20 被剥離体 22 被剥離基材 24 剥離性積層体 36 オゾン供給器 38 コロナ放電器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 23/10 23:16) Fターム(参考) 4F100 AK03B AK04B AK28B AK29B AK63 AK75B AT00A AT00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA31 CB00C DJ10A EA011 EC012 EH012 EH232 EJ131 EJ552 GB90 JL02 JL11 JL14 JL14B 4J002 AC012 AC042 AC062 BB003 BB021 BB031 BB061 BB071 BB081 BB152 GF00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層上に、剥離材層が形成された剥離
    基体であって、 前記剥離材層は、(A)ポリエチレン系樹脂と、(B)
    分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポリエチレン
    系樹脂組成物からなる層を有し、該ポリエチレン系樹脂
    組成物中における前記分子内不飽和結合の数が103
    素当り0.5個以上であることを特徴とする剥離基体。
  2. 【請求項2】 前記ポリエチレン系樹脂組成物は、
    (A)ポリエチレン系樹脂を99.9〜50重量%、
    (B)分子内不飽和結合を有する化合物を0.1〜50
    重量%、(C)他のポリオレフィン系樹脂を0〜49.
    9重量%含み、該(B)分子内不飽和結合を有する化合
    物中における分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.
    5〜250個であることを特徴とする請求項1記載の剥
    離基体。
  3. 【請求項3】 前記(B)分子内不飽和結合を有する化
    合物が、1,2−ポリブタジエン、エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体、ポリイソプレンから選択された少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の剥
    離基体。
  4. 【請求項4】 前記基材層が紙であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の剥離基体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の剥離基
    体の剥離材層上に被剥離体が接着されていることを特徴
    とする剥離性積層体。
  6. 【請求項6】 基材層を供給する基材層供給工程と、 ポリエチレン系樹脂と、分子内不飽和結合を有する化合
    物とを含み、該分子内不飽和結合の数が103炭素当り
    0.5個以上であるポリエチレン系樹脂組成物からなる
    溶融膜の片面にオゾン処理を施す樹脂表面処理工程と、 前記供給された基材層の少なくとも片面に、前記溶融膜
    のオゾン処理の施された面を圧接する積層工程とを有す
    ることを特徴とする剥離基体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基材層供給工程において、基材層に
    表面処理を施すことを特徴とする請求項6記載の剥離基
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記積層工程において、樹脂温度を20
    0〜300℃とすることを特徴とする請求項6または7
    記載の剥離基体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記積層工程において、成形速度を20
    0〜400m/min.とすることを特徴とする請求項6、
    7、8のいずれかに記載の剥離基体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記オゾン処理量が5〜1000g/
    hrであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに
    記載の剥離基体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004048464A1 (ja) * 2002-11-27 2004-06-10 Mitsubishi Chemical Corporation 離型剤、粘着性積層体および粘着性積層テープ
US7390544B2 (en) 2004-03-02 2008-06-24 Nitto Denko Corporation Thermosetting adhesive or pressure-sensitive adhesive tape or sheet, and process of producing the same

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