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JP2000105316A - 光学補償シ―ト、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法 - Google Patents

光学補償シ―ト、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法

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Publication number
JP2000105316A
JP2000105316A JP11175550A JP17555099A JP2000105316A JP 2000105316 A JP2000105316 A JP 2000105316A JP 11175550 A JP11175550 A JP 11175550A JP 17555099 A JP17555099 A JP 17555099A JP 2000105316 A JP2000105316 A JP 2000105316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
discotic liquid
alignment film
molecules
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11175550A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Negoro
雅之 根来
Shigeki Yokoyama
茂樹 横山
Yoji Ito
洋士 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP11175550A priority Critical patent/JP2000105316A/ja
Publication of JP2000105316A publication Critical patent/JP2000105316A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直
かつ均一な方向に安定に配向させて、STN型液晶表示
装置に適した光学補償シートを得る。 【解決手段】 側鎖に炭素原子数が10以上の炭化水素
基を有するポリマーまたは含フッ素ポリマーを配向膜に
添加して、ディスコティック液晶性分子を50乃至90
度の範囲の平均傾斜角で配向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明支持体上に配向膜
およびディスコティック液晶性分子から形成された光学
的異方性層をこの順に有する光学補償シートに関する。
また本発明は、STN型液晶表示装置にも関する。さら
に本発明は、50乃至90度の範囲の平均傾斜角でディ
スコティック液晶性分子を配向させる方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと偏光板と
の間に設けられる一枚または二枚の光学補償シート(位
相差板)からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子、それ
を封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電
圧を加えるための電極層からなる。STN型液晶セルで
は、棒状液晶性分子を配向させるための配向膜が、二枚
の基板に設けられる。さらに、カイラル剤を用いて、棒
状液晶性分子を180乃至360度にねじれ配向させ
る。光学補償シートがないSTN型液晶表示装置では、
棒状液晶分子の複屈折性のため、表示画像がブルーまた
はイエローに着色する。表示画像の着色は、モノクロ表
示でもカラー表示でも不都合である。光学補償シート
は、このような着色を解消して、明るい鮮明な画像を得
るために用いられる。光学補償シートにはまた、液晶セ
ルの視野角を拡大する機能を付与する場合もある。光学
補償シートとしては、延伸複屈折フイルムが従来から使
用されている。延伸複屈折フイルムを用いたSTN型液
晶表示装置用の光学補償シートについては、特開平7−
104284号、同7−13021号の各公報に記載が
ある。
【0003】延伸複屈折フイルムからなる光学補償シー
トに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分
子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートを使用
することが提案されている。光学的異方性層は、ディス
コティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定
することにより形成する。ディスコティック液晶性分子
は、一般に大きな複屈折率を有する。そして、ディスコ
ティック液晶性分子には、多様な配向形態がある。ディ
スコティック液晶性分子を用いることで、従来の延伸複
屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有す
る光学補償シートを製造することが可能になる。ディス
コティック液晶性分子を用いた光学補償シートについて
は、特開平6−214116号公報、米国特許5583
679号、同5646703号、ドイツ特許公報391
1620A1号の各明細書に記載がある。ただし、これ
らの光学補償シートは、主な用途としてTN型液晶表示
装置を想定して設計されている。
【0004】ディスコティック液晶性分子を用いた光学
補償シートを、STN型液晶表示装置に利用することが
考えられる。STN型液晶表示装置では、90゜よりも
大きく超ねじれ配向させた棒状液晶性分子を複屈折モー
ドで用いる。STN型液晶表示装置には、能動素子(薄
膜トランジスターやダイオード)がない単純マトリック
ス電極構造でも、時分割駆動によって大容量の鮮明な表
示が可能であるとの特徴がある。ディスコティック液晶
性分子を用いてSTN型液晶セルを光学補償するために
は、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向
(ホモジニアス配向)させる必要がある。ディスコティ
ック液晶性分子は、さらに、ねじれ配向させることが好
ましい。特開平9−26572号公報には、ディスコテ
ィック液晶性分子をねじれ配向させた光学補償シートが
開示されている。さらに同公報の図面には、ディスコテ
ィック液晶性分子を実質的に垂直に配向させた状態が示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−26572
号公報に開示されている技術では、ディスコティック液
晶性分子を、配向膜界面から空気界面まで均一に配向
(モノドメイン配向)させることは難しい。ディスコテ
ィック液晶性分子が均一に配向していないと、ディスク
リネーションによる光散乱が生じ、表示画像のコントラ
スト比が低下する。液晶セルに使用する棒状液晶性分子
を実質的に垂直に配向(ホメオトロピック配向)させる
技術も研究が進められている。例えば、棒状液晶性分子
を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時
に実質的に水平に配向させる垂直配向(Vertical Alignm
ent)液晶モードの液晶セルでは、棒状液晶性分子を実質
的に垂直に配向させる配向膜が必要である。棒状液晶性
分子については、様々な配向膜が提案されている。棒状
液晶性分子とディスコティック液晶性分子では、分子構
造も光学的性質も全く異なる。垂直配向についても、デ
ィスコティック液晶性分子では、棒状液晶性分子とは異
なり、単に垂直に配向させるだけではなく、ディスコテ
ィック液晶性分子の円盤面を一定の方向にそろえる必要
がある(方向性が必要)。本発明者が研究を進めたとこ
ろ、棒状液晶性分子の垂直配向膜として知られている配
向膜の大部分は、ディスコティック液晶性分子を垂直か
つ均一な方向に配向させる機能を示さなかった。
【0006】本発明の目的は、特にSTN型液晶表示装
置に適した光学補償シートを提供することである。ま
た、本発明の目的は、表示画像の着色が解消され、高コ
ントラストの鮮明な画像が得られるSTN型液晶表示装
置を提供することでもある。さらに、本発明の目的は、
ディスコティック液晶性分子を垂直かつ均一な方向に安
定に配向させる方法を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(4)および(7)〜(10)の光学補償シー
ト、下記(5)、(11)のSTN型液晶表示装置、お
よび下記(6)、(7)のディスコティック液晶性分子
を配向させる方法により達成された。 (1)透明支持体上に、配向膜およびディスコティック
液晶性分子から形成された光学的異方性層をこの順に有
する光学補償シートであって、配向膜が側鎖に炭素原子
数が10以上の炭化水素基を有するポリマーを含み、デ
ィスコティック液晶性分子が50乃至90度の範囲の平
均傾斜角で配向していることを特徴とする光学補償シー
ト。 (2)ポリマーの主鎖がポリイミド構造を有する(1)
に記載の光学補償シート。 (3)ポリマーが主鎖または側鎖にステロイド構造を有
する(1)に記載の光学補償シート。 (4)ディスコティック液晶性分子がねじれ配向してお
り、ねじれ角が90乃至360度の範囲である(1)に
記載の光学補償シート。
【0008】(5)STN型液晶セル、その両側に配置
された二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方また
は両方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光
学補償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、
光学補償シートが透明支持体、配向膜およびディスコテ
ィック液晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光
板側からこの順に有し、配向膜が側鎖に炭素原子数が1
0以上の炭化水素基を有するポリマーを含み、ディスコ
ティック液晶性分子が50乃至90度の範囲の平均傾斜
角で配向し、さらにねじれ配向しており、ねじれ角が9
0乃至360度の範囲であることを特徴とするSTN型
液晶表示装置。 (6)側鎖に炭素原子数が10以上の炭化水素基を有す
るポリマーを含む配向膜を用いて、50乃至90度の範
囲の平均傾斜角でディスコティック液晶性分子を配向さ
せる方法。
【0009】(7)透明支持体上に、配向膜およびディ
スコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層
をこの順に有する光学補償シートであって、配向膜が含
フッ素ポリマーを含み、ディスコティック液晶性分子が
50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向していること
を特徴とする光学補償シート。 (8)含フッ素ポリマーの主鎖がポリイミド構造を有す
る(7)に記載の光学補償シート。 (9)含フッ素ポリマーが、フッ素原子を0.05乃至
80重量%の割合で含む(7)に記載の光学補償シー
ト。 (10)ディスコティック液晶性分子がねじれ配向して
おり、ねじれ角が90乃至360度の範囲である(7)
に記載の光学補償シート。
【0010】(11)STN型液晶セル、その両側に配
置された二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方ま
たは両方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の
光学補償シートからなるSTN型液晶表示装置であっ
て、光学補償シートが透明支持体、配向膜およびディス
コティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を
偏光板側からこの順に有し、配向膜が含フッ素ポリマー
を含み、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度
の範囲の平均傾斜角で配向し、さらにねじれ配向してお
り、ねじれ角が90乃至360度の範囲であることを特
徴とするSTN型液晶表示装置。 (12)含フッ素ポリマーを含む配向膜を用いて、50
乃至90度の範囲の平均傾斜角でディスコティック液晶
性分子を配向させる方法。 本明細書において、ディスコティック液晶性分子の平均
傾斜角は、ディスコティック液晶性分子の円盤面と支持
体の面(あるいは配向膜の面)との平均角度を意味す
る。そして、ディスコティック液晶性分子が50乃至9
0度の範囲の平均傾斜角で配向している状態を、ディス
コティック液晶性分子が実質的に垂直に配向していると
称する。
【0011】
【発明の効果】本発明者は研究の結果、側鎖に炭素原子
数が10以上の炭化水素基を有するポリマーまたは含フ
ッ素ポリマーを配向膜に用いて、ディスコティック液晶
性分子を実質的に垂直かつ均一な方向に安定に配向させ
ることに成功した。棒状液晶性分子の配向膜には、側鎖
に炭素原子数が10以上の炭化水素基を有するポリマー
(例えば、特開平5−27244号公報記載のポリイミ
ドの具体例の一部)や含フッ素ポリマー(例えば、特開
平6−346055号公報記載のポリイミド)を含むも
のもある。しかし、棒状液晶性分子の配向膜の大部分
は、ディスコティック液晶性分子の配向膜としては機能
しない。ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直か
つ均一な方向に安定に配向させる手段が得られたこと
で、STN型液晶表示装置に適した光学補償シートを製
造することが可能になった。ディスコティック液晶性分
子を実質的に垂直に配向させた(好ましくは、さらにね
じれ配向させた)光学補償シートを用いることで、ST
N型液晶表示装置の表示画像の着色が解消され、高コン
トラストの鮮明な画像を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、STN型液晶表示装置の
電圧無印加(off)の画素部分における液晶セル内の
棒状液晶性分子の配向状態と光学的異方性層内のディス
コティック液晶性分子の配向状態とを模式的に示す断面
図である。図1に示すように、液晶セルは、上基板(1
1)の下側の配向膜(12)と下基板(15)の上側の
配向膜(14)との間に、棒状液晶性分子(13a〜
e)を封入して形成した液晶層を有する。配向膜(1
2、14)と液晶層に添加したカイラル剤との機能によ
り、棒状液晶性分子(13a〜e)は、図1に示すよう
に、ねじれ配向している。なお、図1では省略したが、
液晶セルの上基板(11)と下基板(15)は、それぞ
れ、電極層を有する。電極層は、棒状液晶性分子(13
a〜e)に電圧を印加する機能を有する。STN型液晶
セルの印加電圧が0であると(電圧無印加時)、図1に
示すように、棒状液晶性分子(13a〜e)は、配向膜
(12、14)の面とほぼ平行(水平方向に)に配向し
ている。そして、棒状液晶性分子(13a〜e)は、厚
み方向に沿ってねじれながら、水平面内で螺旋を巻く
(図1では、13aから13eまで反時計回りにほぼ2
40゜)ような方向に配向している。なお、STN型液
晶セルの電圧印加(on)時には、液晶セル内の中央部
分の棒状液晶性分子(13b〜13d)は、電圧無印加
(off)時と比較して、より垂直に配向(電場方向と
平行に再配列)する。配向膜(12、14)近傍の棒状
液晶性分子(13a、13e)の配向状態は、電圧を印
加しても実質的に変化しない。
【0013】液晶セルの下側に、光学補償シートが配置
されている。図1に示す光学補償シートは、透明支持体
(23)上に、配向膜(22)および光学的異方性層を
この順で有する。光学的異方性層は、ディスコティック
液晶性分子(21a〜e)を配向させ、その配向状態で
分子を固定して得られた層である。本発明では、図1に
示すように、ディスコティック液晶性分子(21a〜
e)の円盤面を、配向膜(22)の面に対して実質的に
垂直に配向させる。そして、図1に示すように、ディス
コティック液晶性分子(21a〜e)は、厚み方向に沿
ってねじれながら、水平面内で螺旋を巻く(図1では、
21aから21eまで時計回りにほぼ240゜)ような
方向に配向させることが好ましい。図1では、棒状液晶
性分子とディスコティック液晶性分子とが、13aと2
1e、13bと21d、13cと21c、13dと21
b、そして13eと21aのそれぞれが対応する関係に
なっている。すなわち、棒状液晶性分子13aをディス
コティック液晶性分子21eが光学的に補償し、以下同
様に、棒状液晶性分子13eを、ディスコティック液晶
性分子21aが光学的に補償する。それぞれの対応関係
については、図2で説明する。
【0014】図2は、液晶セルの棒状液晶性分子と、そ
れを光学補償する関係にある光学補償シートのディスコ
ティック液晶性分子について、それぞれの屈折率楕円体
を示す模式図である。液晶セルの棒状液晶性分子の屈折
率楕円体(13)は、配向膜に平行な面内の屈折率(1
3x、13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13
z)により形成される。STN型液晶セルでは、配向膜
に平行な面内の一方向の屈折率(13x)が大きな値と
なり、それに垂直な方向の面内の屈折率(13y)と液
晶セルの厚み方向の屈折率(13z)は、小さな値とな
る。そのため、屈折率楕円体(13)は、図2に示すよ
うなラグビーボールを横に寝かせた形状になる。このよ
うに球状ではない屈折率楕円体を有する液晶セルでは、
複屈折性に角度依存性が生じる。この角度依存性を、光
学補償シートを用いて解消する。
【0015】この棒状液晶性分子を光学補償する関係に
ある光学補償シートのディスコティック液晶性分子の屈
折率楕円体(21)も、配向膜に平行な面内の屈折率
(21x、21y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折
率(21z)により形成される。本発明では、ディスコ
ティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させること
で、配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(21x)が
小さな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(2
1y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)
は、大きな値となる。そのため、屈折率楕円体(21)
は、図2に示すような円盤を立てた形状になる。以上の
関係から、液晶セル(1)に生じたレターデーション
を、光学補償シート(2)により相殺することができ
る。すなわち、棒状液晶性分子の屈折率(13x、13
y、13z)、ディスコティック液晶性分子の屈折率
(21x、21y、21z)、ディレクターの方向が同
じである棒状液晶性分子層の厚み(13t)およびディ
スコティック液晶性分子層の厚み(21t)を、以下の
式を満足するように液晶表示装置を設計すれば、液晶セ
ルの角度依存性を解消できる。 │(13x−13y)×13t│=│(21x−21
y)×21t│ │(13x−13z)×13t│=│(21x−21
z)×21t│
【0016】図3は、STN型液晶表示装置の層構成を
示す模式図である。図3の(a)に示す液晶表示装置
は、バックライト(BL)側から順に、下偏光板(3
a)、下光学補償シート(2a)、STN型液晶セル
(1)、そして上偏光板(3b)の順に配置されてい
る。図3の(b)に示す液晶表示装置は、バックライト
(BL)側から順に、下偏光板(3a)、下光学補償シ
ート(2a)、上光学補償シート(2b)、STN型液
晶セル(1)、そして上偏光板(3b)の順に配置され
ている。図3の(c)に示す液晶表示装置は、バックラ
イト(BL)側から順に、下偏光板(3a)、STN型
液晶セル(1)、上光学補償シート(2b)、そして上
偏光板(3b)の順に配置されている。図3の(d)に
示す液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順
に、下偏光板(3a)、STN型液晶セル(1)、下光
学補償シート(2a)、上光学補償シート(2b)、そ
して上偏光板(3b)の順に配置されている。図3の
(e)に示す液晶表示装置は、バックライト(BL)側
から順に、下偏光板(3a)、下光学補償シート(2
a)、STN型液晶セル(1)、上光学補償シート(2
b)、そして上偏光板(3b)の順に配置されている。
【0017】図3には、矢印として、下偏光板(3a)
の透過軸(TAa)、下光学補償シート(2a)の配向
膜近傍のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線
(ディレクター)方向(DDa)、下光学補償シート
(2a)の液晶セル近傍のディスコティック液晶性分子
の円盤面の法線(ディレクター)方向(DDb)、液晶
セル(1)の下配向膜のラビング方向(RDa)、液晶
セル(1)の上配向膜のラビング方向(RDb)、上光
学補償シート(2a)の液晶セル近傍のディスコティッ
ク液晶性分子の円盤面の法線(ディレクター)方向(D
Dc)、上光学補償シート(2a)の配向膜近傍のディ
スコティック液晶性分子の円盤面の法線(ディレクタ
ー)方向(DDd)、および上偏光板(3b)の透過軸
(TAb)を示した。それぞれの正確な角度について
は、図4および図5において説明する。
【0018】図4は、STN型液晶表示装置の各要素に
ついて、好ましい光学的方向を示す平面図である。図4
は、正面コントラストを重視した配置である。図4の
(a)は、図3の(a)に示すように、下偏光板とST
N型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚有する場合
である。図4の(b)は、図3の(b)に示すように、
下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを
二枚有する場合である。図4の(c)は、図3の(c)
に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との間に光
学補償シートを一枚有する場合である。図4の(d)
は、図3の(d)に示すように、STN型液晶セルと上
偏光板との間に光学補償シートを二枚有する場合であ
る。図4の(e)は、図3の(e)に示すように、下偏
光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚
およびSTN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シ
ートを一枚の合計二枚有する場合である。Xは基準(0
゜)となる方向であり、それぞれの矢印の意味は、図3
で説明した通りである。なお、下偏光板の透過軸(TA
a)と上偏光板の透過軸(TAb)とを入れ替えた配置
にしてもよい。
【0019】図5は、STN型液晶表示装置の各要素に
ついて、別の好ましい光学的方向を示す平面図である。
図5は、色味を重視した配置である。図5の(a)は、
図3の(a)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セ
ルとの間に光学補償シートを一枚有する場合である。図
5の(b)は、図3の(b)に示すように、下偏光板と
STN型液晶セルとの間に光学補償シートを二枚有する
場合である。図5の(c)は、図3の(c)に示すよう
に、STN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シー
トを一枚有する場合である。図5の(d)は、図3の
(d)に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との
間に光学補償シートを二枚有する場合である。図5の
(e)は、図3の(e)に示すように、下偏光板とST
N型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚およびST
N型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを一枚
の合計二枚有する場合である。Xは基準(0゜)となる
方向であり、それぞれの矢印の意味は、図3で説明した
通りである。なお、下偏光板の透過軸(TAa)と上偏
光板の透過軸(TAb)とを入れ替えた配置にしてもよ
い。
【0020】[透明支持体]光学補償シートの透明支持
体としては、光学的異方性が小さいポリマーフイルムを
用いることが好ましい。支持体が透明であるとは、光透
過率が80%以上であることを意味する。光学的異方性
が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(R
e)が20nm以下であることが好ましく、10nm以
下であることがさらに好ましく、5nm以下であること
が最も好ましい。また、厚み方向のレターデーション
(Rth)は、100nm以下であることが好ましく、5
0nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下
であることが最も好ましい。面内レターデーション(R
e)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞ
れ下記式で定義される。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
【0021】ポリマーの例には、セルロースエステル、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含ま
れる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロ
ースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も
好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法
により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、
20乃至500μmであることが好ましく、50乃至2
00μmであることがさらに好ましい。透明支持体とそ
の上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは光学
的異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表
面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線
(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持
体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0022】[配向膜]本発明者の研究によれば、ディ
スコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させるた
めには、配向膜に含まれるポリマーの主鎖よりも側鎖の
機能が重要である。具体的には、ポリマーの官能基によ
り配向膜の表面エネルギーを低下させ、これによりディ
スコティック液晶性分子を立てた状態にする。配向膜の
表面エネルギーを低下させる官能基としては、炭素原子
数が10以上の炭化水素基またはフッ素原子が有効であ
る。炭化水素基またはフッ素原子を配向膜の表面に存在
させるために、ポリマーの主鎖ではなく側鎖に炭化水素
基またはフッ素原子を導入する。炭化水素基は、脂肪族
基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族
基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。
脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であっても
よい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であっ
てもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロ
ゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有して
いてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10乃至10
0であることが好ましく、10乃至60であることがさ
らに好ましく、10乃至40であることが最も好まし
い。炭素原子数が10以上の炭化水素基を有するポリマ
ーは、主鎖または側鎖にステロイド構造を有することが
好ましい。側鎖に存在するステロイド構造は、炭素原子
数が10以上の炭化水素基に相当し、ディスコティック
液晶性分子を垂直に配向させる機能を有する。本明細書
においてステロイド構造とは、シクロペンタノヒドロフ
ェナントレン環構造またはその環の結合の一部が脂肪族
環の範囲(芳香族環を形成しない範囲)で二重結合とな
っている環構造を意味する。
【0023】含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.0
5乃至80重量%の割合で含むことが好ましく、0.1
乃至70重量%の割合で含むことがより好ましく、0.
5乃至65重量%の割合で含むことがさらに好ましく、
1乃至60重量%の割合で含むことが最も好ましい。ポ
リマーの主鎖は、ポリイミド構造を有することが好まし
い。ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸とジアミン
との縮合反応により合成する。二種類以上のテトラカル
ボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用いて、コポリ
マーに相当するポリイミドを合成してもよい。炭素原子
数が10以上の炭化水素基またはフッ素原子は、テトラ
カルボン酸起源の繰り返し単位に存在していても、ジア
ミン起源の繰り返し単位に存在していても、両方の繰り
返し単位に存在していてもよい。
【0024】重合性基を配向膜のポリマーに導入しても
よい。重合性基を有するポリマーと重合性基を有するデ
ィスコティック液晶性分子とを併用すると、ポリマーと
ディスコティック液晶性分子とを、光学的異方性層と配
向膜との界面を介して化学的に結合させることができ
る。これにより、光学補償シートの耐久性を改善するこ
とができる。ポリマーの主鎖がポリイミド構造を有する
場合、重合性基は、テトラカルボン酸起源の繰り返し単
位に存在していても、ジアミン起源の繰り返し単位に存
在していても、両方の繰り返し単位に存在していてもよ
い。重合性基の種類は、後述するディスコティック液晶
性分子の重合性基(Q)の種類に応じて決定する。液晶
性分子の重合性基(Q)は、後述するように、不飽和重
合性基(後述する例示のQ1〜Q7)、エポキシ基(Q
8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好まし
く、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチ
レン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も
好ましい。配向膜のポリマーの重合性基も同様に、不飽
和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であるこ
とが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ま
しく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ま
しい。
【0025】ポリマーの主鎖と重合性基とは、直結せず
に、連結基を介して連結することが好ましい。連結基の
例には、−O−、−O−CO−、−O−CO−NH−、
−O−CO−NH−アルキレン基−、−O−CO−NH
−アルキレン基−O−、−O−CO−NH−アルキレン
基−CO−O−、−O−CO−NH−アルキレン基−O
−CO−、−O−CO−NH−アルキレン基−CO−N
H−、−O−CO−アルキレン基−O−CO−、−O−
CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O−CO−、
−O−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O−、
−O−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−および
−O−アルキレン基−O−CO−が含まれる(左側が主
鎖に結合し、右側が重合性基に結合する)。上記アルキ
レン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。ア
ルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好
ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至
15であることがさらに好ましく、1乃至12であるこ
とが最も好ましい。上記アリーレン基は、フェニレンま
たはナフチレンであることが好ましく、フェニレンであ
ることがさらに好ましく、p−フェニレンであることが
最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有していても
よい。ポリマーは、二以上の重合性基を有していてもよ
い。
【0026】テトラカルボン酸起源の繰り返し単位(イ
ミド構造の窒素原子はジアミン由来)の例を以下に示
す。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】ジアミン起源の繰り返し単位の例を以下に
示す。
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】ポリイミドの末端に、繰り返し単位とは異
なる基が結合していてもよい。末端基の例を以下に示
す。
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】配向膜に好ましく用いることができる側鎖
に炭化水素基を有するポリイミドの例を、テトラカルボ
ン酸起源の繰り返し単位(A)、ジアミン起源の繰り返
し単位(B)および末端基(E)の番号を引用しながら
示す。コポリマー中の繰り返し単位の割合は、モル%で
ある。
【0050】PI1:−A1−B1− PI2:−(A1−B1)80−(A1−B2)20− PI3:−(A2−B1)50−(A1−B1)50− PI4:−A2−B3− PI5:−(A2−B3)90−(A2−B2)10− PI6:−A3−B1− PI7:−(A2−B1)40−(A2−B4)60− PI8:−A2−B5− PI9:−(A2−B5)85−(A2−B2)15− PI10:−A4−B6−
【0051】 PI11:−(A3−B7)50−(A4−B7)50− PI12:−A2−B8− PI13:−(A3−B9)75−(A4−B9)25− PI14:−A3−B10− PI15:−(A5−B11)85−(A5−B12)15− PI16:−(A2−B13)60−(A5−B13)40− PI17:−A2−B14− PI18:−(A2−B14)30−(A3−B14)30−(A
2−B12)20−(A3−B12)20− PI19:E1−(A2−B15)−E2 PI20:E3−(A5−B5)−E4
【0052】 PI21:−(A2−B1)65−(A2−B2)35− PI22:−A6−B16− PI23:−A4−B17− PI24:−(A4−B18)40−(A3−B18)60− PI25:−A4−B19− PI26:−A4−B20− PI27:−A7−B21− PI28:−A4−B22−
【0053】さらに、配向膜に好ましく用いることがで
きる含フッ素ポリイミドの例を、テトラカルボン酸起源
の繰り返し単位(A)、ジアミン起源の繰り返し単位
(B)および末端基(E)の番号を引用しながら示す。
コポリマー中の繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0054】PI31:−A8−B23− PI32:−A9−B24− PI33:−A10−B25− PI34:−A11−B23− PI35:−A12−B23− PI36:−(A13−B26)90−(A13−B2)10− PI37:−(A13−B26)80−(A13−B2)20− PI38:−(A13−B26)65−(A13−B2)35− PI39:−(A11−B27)−E5 PI40:−A8−B28− PI41:−(A8−B29)60−(A8−B26)40− PI42:−(A8−B29)50−(A8−B26)50− PI43:−(A8−B29)25−(A8−B26)75
【0055】 PI44:−(A9−B30)95−(A3−B30)5 − PI45:−(A9−B30)64−(A3−B30)36− PI46:−(A9−B30)45−(A3−B30)55− PI47:−A9−B31− PI48:−(A14−B32)70−(A2−B32)30− PI49:−(A14−B32)55−(A2−B32)45− PI50:−(A14−B32)20−(A2−B32)80− PI51:−(A15−B33)78−(A15−B34)22− PI52:−(A15−B33)63−(A15−B34)37− PI53:−(A15−B33)22−(A15−B34)78− PI54:−(A16−B35)67−(A2−B36)33− PI55:−(A16−B35)50−(A2−B36)50− PI56:−(A16−B35)22−(A2−B36)78
【0056】 PI57:−(A16−B37)85−(A16−B2)15− PI58:−(A16−B37)98−(A16−B2)2 − PI59:−(A16−B37)64−(A16−B2)36− PI60:−(A16−B38)99−(A4−B38)1 − PI61:−(A16−B38)81−(A4−B38)19− PI62:−(A16−B38)51−(A4−B38)49− PI63:−(A9−B39)30−(A2−B39)70− PI64:−(A9−B39)55−(A2−B39)45− PI65:−(A9−B39)1 −(A2−B39)99− PI66:−(A16−B40)−E6 PI67:−A2−B41− PI68:−A3−B42− PI69:−A4−B42−
【0057】PI70:−A2−B44− PI71:−(A2−B45)70−(A2−B2)30− PI72:−(A2−B45)56−(A2−B2)44− PI73:−(A2−B45)44−(A2−B2)56− PI74:−(A6−B46)60−(A17−B46)40− PI75:−(A6−B46)50−(A17−B46)50− PI76:−(A6−B46)40−(A17−B46)60− PI77:−(A4−B47)90−(A4−B22)10− PI78:−(A4−B47)99−(A4−B22)1 − PI79:−(A4−B47)75−(A4−B22)25− PI80:−(A4−B48)−E7 PI81:−(A8−B23)−E8
【0058】炭素原子数が10以上の炭化水素基または
フッ素原子を含むポリアミック酸も配向膜に用いること
ができる。ポリアミック酸は、テトラカルボン酸とジア
ミンとの部分縮合反応により合成する。すなわち、テト
ラカルボン酸の四個のカルボキシルのうち二つとジアミ
ンとを反応させてアミド結合を形成する。テトラカルボ
ン酸の残り二個のカルボキシルは、ポリアミック酸中に
残存する。ポリアミック酸のままでも、配向膜として機
能できる。また、ポリアミック酸を加熱して、脱水閉環
させポリイミドにしてから、配向膜として利用すること
もできる。ポリアミック酸を短時間または低温で加熱す
ることにより、部分的に脱水閉環させ、得られるポリア
ミック酸とポリイミドとのコポリマーを配向膜として用
いてもよい。
【0059】配向膜に用いるポリマーの重合度は、20
0乃至5000であることが好ましく、300乃至30
00であることが好ましい。ポリマーの分子量は、90
00乃至200000であることが好ましく、1300
0乃至130000であることがさらに好ましい。二種
類以上のポリマーを併用してもよい。
【0060】配向膜に用いるポリマーを架橋させてもよ
い。架橋反応は、配向膜の塗布液の塗布と同時または塗
布後に実施することが好ましい。ポリマーの架橋は、架
橋剤を用いて形成できる。架橋剤の例には、エポキシ化
合物(例、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリ
グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル)、アルデヒド(例、ホ
ルムアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒ
ド、マロンアルデヒド、フタルアルデヒド、テレフタル
アルデヒド、スクシンアルデヒド、イソフタルアルデヒ
ド、ジアルデヒド澱粉)、N−メチロール化合物(例、
ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイ
ン)、ジオキサン(例、2,3−ジヒドロキシジオキサ
ン)、カルベニウム、2−ナフタレートスルホナート、
1,1−ビスピロリジノ−1−クロロピリジニウム、1
−モルホリノカルボニル−3−(スルホナトアミノメチ
ル)、活性ビニル化合物(例、1,3,5−トリアクリ
ロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニル
スルホン)メタン、N,N’−メチレンビス−[β−
(ビニスルホニル)プロピオンアミド)、活性ハロゲン
化合物(例、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−
トリアジン)およびイソオキサゾール類が含まれる。ポ
リマーがポリイミドまたはポリアミック酸である場合
は、架橋剤としてエポキシ化合物を用いることが好まし
い。
【0061】配向膜の厚さは、0.1乃至10μmであ
ることが好ましい。配向膜の形成において、ラビング処
理を実施することが好ましい。ラビング処理は、上記の
ポリマーを含む膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回
こすることにより実施する。なお、配向膜を用いてディ
スコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させてか
ら、その配向状態のままディスコティック液晶性分子を
固定して光学的異方性層を形成し、光学的異方性層のみ
を透明支持体上に転写してもよい。配向状態が固定され
たディスコティック液晶性分子は、配向膜がなくても配
向状態を維持することができる。
【0062】[光学的異方性層]光学的異方性層はディ
スコティック液晶性分子を含む。光学的異方性層では、
上記の配向膜を用いて、ディスコティック液晶性分子の
円盤面を、配向膜に対して、実質的に垂直(50乃至9
0度の範囲の平均傾斜角)に配向させる。ディスコティ
ック液晶性分子は、垂直(ホモジニアス)配向状態のま
ま光学的異方性層内で固定することが好ましい。ディス
コティック液晶性分子は、重合反応により固定すること
がさらに好ましい。ディスコティック液晶性分子は、様
々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cry
st., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊
化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章
第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. C
hem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J.
Am.Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載
されている。ディスコティック液晶性分子の重合につい
ては、特開平8−27284公報に記載がある。ディス
コティック液晶性分子を重合により固定するためには、
ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基と
して重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状
コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向
状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重
合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基
を有するディスコティック液晶性分子は、下記式で表わ
される化合物であることが好ましい。
【0063】D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0064】
【化21】
【0065】
【化22】
【0066】
【化23】
【0067】
【化24】
【0068】
【化25】
【0069】
【化26】
【0070】
【化27】
【0071】上記式において、二価の連結基(L)は、
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0072】L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO−
【0073】 L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0074】AL(アルキレン基またはアルケニレン
基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック
液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
不斉炭素原子を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が
円盤状コア(D)側であり、右側が重合性基(Q)側で
ある。*印を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子であ
る。光学活性は、SとRのいずれでもよい。
【0075】AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
− AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 − AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
− AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
【0076】AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH
2
【0077】AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2
2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2
2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH
2 CH2
【0078】前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種
類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0079】
【化28】
【0080】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基
(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。前記式におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。二種類以上のディス
コティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、二価
の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分
子を併用することができる。また、重合性基(Q)を有
する分子と有していない分子を併用してもよい。不斉炭
素原子を有し重合性基を有していない分子と、重合性基
を有し不斉炭素原子を有していない分子を併用すること
が特に好ましい。この場合は、重合性基を有し不斉炭素
原子を有していない分子のみがディスコティック液晶性
分子として機能し、不斉炭素原子を有し重合性基を有し
ていない分子はカイラル剤(後述)として機能している
と考えることもできる。
【0081】非重合性ディスコティック液晶性分子は、
前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基
(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物
であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコテ
ィック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物である
ことが好ましい。D(−L−R)n式中、Dは円盤状コ
アであり;Lは二価の連結基であり;Rは水素原子また
はアルキル基であり;そして、nは4乃至12の整数で
ある。上記式の円盤状コア(D)の例は、LQ(または
QL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の
重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。ま
た、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性ディスコ
ティック液晶分子の例と同様である。Rのアルキル基
は、炭素原子数が1乃至40であることが好ましく、1
乃至30であることがさらに好ましい。環状アルキル基
よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、分岐を有する鎖
状アルキル基よりも直鎖状アルキル基の方が好ましい。
Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至30の直鎖状
アルキル基であることが特に好ましい。
【0082】ディスコティック液晶性分子の二価の連結
基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素
原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学
的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子
を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原
子を含む化合物としては、様々な天然または合成化合物
が使用できる。不斉炭素原子を含む化合物中には、ディ
スコティック液晶性分子と同じまたは類似の重合性基を
導入してもよい。重合性基を導入すると、ディスコティ
ック液晶性分子を実質的に垂直(ホモジニアス)配向さ
せた後に、固定するのと同時に、同じまたは類似の重合
反応により不斉炭素原子を含む化合物も光学的異方性層
内で固定することができる。
【0083】ディスコティック液晶性分子を空気界面側
においても、実質的に垂直(ホモジニアス)かつ均一に
配向させるため、含フッ素界面活性剤またはセルロース
エステルを光学的異方性層に添加することができる。含
フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性
基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水
性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、
下記式で表わされる。 Rf−L5 −Hy 式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素
基であり、L5 は、単結合または二価の連結基であり、
そして、Hyは親水性基である。上記のRfは、疎水性
基として機能する。炭化水素基は、アルキル基またはア
リール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子
数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭
素原子数は6乃至30であることが好ましい。炭化水素
基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子
で置換されている。フッ素原子で、炭化水素基に含まれ
る水素原子の50%以上を置換することが好ましく、6
0%以上を置換することがより好ましく、70%以上を
置換することがさらに好ましく、80%以上を置換する
ことが最も好ましい。残りの水素原子は、さらに他のハ
ロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換されてい
てもよい。Rfの例を以下に示す。
【0084】Rf1:n−C8 17− Rf2:n−C6 13− Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 − Rf4:H−(CF2 8 − Rf5:H−(CF2 10− Rf6:n−C9 19− Rf7:ペンタフルオロフェニル Rf8:n−C7 15− Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 − Rf10:H−(CF2 4 − Rf11:H−(CF2 6 − Rf12:Cl−(CF2 6 − Rf13:C3 7
【0085】前記式において、二価の連結基は、アルキ
レン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−CO
−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至5のアルキル基
または水素原子)、−O−、−SO2 −およびそれらの
組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である
ことが好ましい。前記式のL5 の例を以下に示す。左側
が疎水性基(Rf)に結合し、右側が親水性基(Hy)
に結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレン
基、Hcは二価のヘテロ環残基を意味する。なお、アル
キレン基、アリーレン基および二価のヘテロ環残基は、
置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
【0086】L0:単結合 L51:−SO2 −NR− L52:−AL−O− L53:−CO−NR− L54:−AR−O− L55:−SO2 −NR−AL−CO−O− L56:−CO−O− L57:−SO2 −NR−AL−O− L58:−SO2 −NR−AL− L59:−CO−NR−AL− L60:−AL−O−AL− L61:−Hc−AL− L62:−SO2 −NR−AL−O−AL− L63:−AR− L64:−O−AR−SO2 −NR−AL− L65:−O−AR−SO2 −NR− L66:−O−AR−O−
【0087】前記式のHyは、ノニオン性親水性基、ア
ニオン性親水性基、カチオン性親水性基あるいは両性親
水性基のいずれかである。ノニオン性親水性基が特に好
ましい。前記式のHyの例を以下に示す。
【0088】Hy1:−(CH2 CH2 O)n −H(n
は5乃至30の整数) Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1(nは5乃至3
0の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基) Hy3:−(CH2 CHOHCH2 n −H(nは5乃
至30の整数) Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 CH2
−SO3 M(nは5乃至30の整数、Mは水素原子また
はアルカリ金属原子) Hy7:−OPO(OH)2 Hy8:−N+ (CH3 3 ・X- (Xはハロゲン原
子) Hy9:−COONH4
【0089】ノニオン性親水性基(Hy1、Hy2、H
y3)が好ましく、ポリエチレンオキサイドからなる親
水性基(Hy1)が最も好ましい。フッ素原子を含む疎
水性基または親水性基を二以上有する含フッ素界面活性
剤を用いてもよい。二種類以上の含フッ素界面活性剤を
併用してもよい。含フッ素界面活性剤については、様々
な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(197
5)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dek
ker Inc.,New York, (1967)、特開平7−13293号
公報)に記載がある。含フッ素界面活性剤は、ディスコ
ティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範
囲であることが好ましく、0.05乃至10重量%であ
ることがさらに好ましく、0.1乃至5重量%であるこ
とがさらに好ましい。
【0090】セルロースエステルとしては、セルロース
の低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。セルロ
ースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」と
は、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子
数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4である
ことがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロ
キシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセ
ルロースとエステルを形成していてもよい。セルロース
の低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレー
ト、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロース
アセテートプロピオネートおよびセルロースアセテート
ブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレー
トが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートの
ブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、3
0乃至80%であることがさらに好ましい。セルロース
アセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下で
あることが好ましく、1乃至30%であることがさらに
好ましい。セルロースエステルは、0.005乃至0.
5g/m2 の範囲の量で使用することが好ましく、0.
01乃至0.45g/m2 の範囲であることがより好ま
しく、0.02乃至0.4/m2 の範囲であることがさ
らに好ましく、0.03乃至0.35/m2 の範囲であ
ることが最も好ましい。また、ディスコティック液晶性
分子の量の0.1乃至5重量%の量で使用することも好
ましい。
【0091】光学的異方性層は、ディスコティック液晶
性分子、さらに必要に応じて不斉炭素原子を含む化合
物、含フッ素界面活性剤、セルロースエステル、あるい
は下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、配向
膜の上に塗布することで形成する。塗布液の調製に使用
する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有
機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルム
アミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシ
ド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素
(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、
クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸
メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチル
エチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハラ
イドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を
併用してもよい。
【0092】塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出
しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング
法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティン
グ法、バーコーティング法)により実施できる。実質的
に垂直(ホモジニアス)配向させたディスコティック液
晶性分子は、配向状態を維持して固定する。固定化は、
ディスコティック液晶性分子に導入した重合性基(Q)
の重合反応により実施することが好ましい。重合反応に
は、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を
用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好まし
い。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米
国特許2367661号、同2367670号の各明細
書記載)、アシロインエーテル(米国特許244882
8号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン
化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核
キノン化合物(米国特許3046127号、同2951
758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾール
ダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ
(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン
およびフェナジン化合物(特開昭60−105667号
公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオ
キサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細
書記載)が含まれる。
【0093】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.
5乃至5重量%であることがさらに好ましい。ディスコ
ティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を
用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/
cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、10
0乃至2000mJ/cm2 であることがさらに好まし
い。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を
実施してもよい。光学的異方性層の厚さは、0.1乃至
50μmであることが好ましく、1乃至30μmである
ことがさらに好ましく、5乃至20μmであることが最
も好ましい。なお、液晶表示装置に光学補償シートを二
枚用いる場合は、一枚使用する場合に必要とされる光学
的異方性層の厚さ(上記の好ましい範囲)の半分の厚さ
でよい。光学的異方性層内のディスコティック液晶性分
子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾斜角度
は、なるべく均一であることが好ましい。ただし、傾斜
角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続して変化
しているならば、若干の変動があっても問題ない。
【0094】ディスコティック液晶性分子のねじれの角
度(ツイスト角)は、STN型液晶セルのツイスト角
(一般に180乃至360゜、好ましくは180゜を越
えて270゜まで)に応じて、類似(なるべく±10゜
以内)の角度となるように調整することが好ましい。液
晶表示装置に光学補償シートを一枚用いる場合は、ディ
スコティック液晶性分子のねじれ角は、180乃至36
0度の範囲であることが好ましい。液晶表示装置に光学
補償シートを二枚用いる場合は、ディスコティック液晶
性分子のねじれ角は、90乃至180度の範囲であるこ
とが好ましい。光学補償シートをSTN型液晶表示装置
に用いる場合、光学的異方性層の複屈折率の波長依存性
(Δn(λ))は、STN型液晶セルの液晶の複屈折率
の波長依存性に近い値であることが好ましい。
【0095】[液晶表示装置]前述したように、本発明
は、STN型液晶セルを用いる液晶表示装置において特
に有効である。STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、液晶セルの片側または両側に配置された一枚また
は二枚の光学補償シートおよびそれらの両側に配置され
た一対の偏光板からなる。液晶セルの棒状液晶性分子の
配向方向とディスコティック液晶性分子の配向方向との
関係は、光学補償シートに最も近い液晶セルの棒状液晶
性分子のディレクタ(棒状分子の長軸方向)と、液晶セ
ルに最も近い光学補償シートのディスコティック液晶性
分子のディレクタ(円盤状コア平面の法線方向)とが、
液晶セルの法線方向から見て、実質的に同じ向き(±1
0゜未満)になるように配置することが好ましい。光学
補償シートの透明支持体を、偏光膜の液晶セル側の保護
膜としても機能させることができる。その場合は、透明
支持体の遅相軸(屈折率が最大となる方向)と偏光膜の
透過軸とが実質的に垂直または実質的に平行(±10゜
未満)になるように配置することが好ましい。
【0096】
【実施例】[実施例1]厚さ100μm、サイズ270
mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。側鎖に炭化水素基を有するポリイミド
(PI1)をメタノールとアセトンとの混合溶媒(容量
比=50/50)に溶解して、5重量%溶液を調製し
た。この溶液をバーコーターを用いて透明支持体の上に
1μmの厚さに塗布した。塗布層を、130℃の温風で
2分間乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を
形成した。配向膜の上に、以下の組成の塗布液をエクス
トルージョン法により塗布した。
【0097】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(1) 80重量部 下記のディスコティック液晶性化合物(2) 20重量部 下記の含フッ素界面活性剤 0.1重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2重量部 メチルエチルケトン 185重量部 ────────────────────────────────────
【0098】
【化29】
【0099】
【化30】
【0100】
【化31】
【0101】塗布層を130℃で2分間加熱して、ディ
スコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させ
た。その温度で、4秒間紫外線を照射し、ディスコティ
ック液晶性化合物を重合させ、配向状態を固定した。こ
のようにして、ディスコティック液晶性化合物が垂直か
つねじれて配向している光学的異方性層を形成し、光学
補償シートを作成した。配向膜のラビング軸に対して4
5゜の角度で、透明支持体側から光学補償シートに偏光
を入射し、光学機器(Multi Chanel Photo Analizer、
大塚電子(株)製)を用いて出射光の偏光解析を行い、
ツイスト角を求めたところ、230〜250゜であっ
た。
【0102】別に、光学的異方性層塗布液からディスコ
ティック液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にし
て、ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直に配
向しているが、ねじれていない光学補償シートを作成し
た。このシートについて、エリプソメーターを用いて、
面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存
性から平均傾斜角を求めたところ、70〜85゜であっ
た。さらに別に、水平配向膜を用いてアンチパラレルセ
ルを作成し、セル内に上記のディスコティック液晶性化
合物(1)および(2)を封入した。得られた液晶セル
について、エリプソメーターを用いて、面内レターデー
ション(Re)を測定し、その値をセルの厚みで割るこ
とによりΔnを求めたところ、0.07であった。
【0103】[実施例2]ポリイミド(PI1)に代え
て、ポリイミド(PI2)を同量用いた以外は、実施例
1と同様に光学補償シートを作成して評価した。ディス
コティック液晶性化合物の平均傾斜角は、70゜であっ
た。
【0104】[実施例3]ポリイミド(PI1)に代え
て、ポリイミド(PI3)を同量用いた以外は、実施例
1と同様に光学補償シートを作成して評価した。ディス
コティック液晶性化合物の平均傾斜角は、60゜であっ
た。
【0105】[実施例4]ポリイミド(PI1)に代え
て、ポリイミド(PI4)を同量用いた以外は、実施例
1と同様に光学補償シートを作成して評価した。ディス
コティック液晶性化合物の平均傾斜角は、75゜であっ
た。
【0106】[比較例1]無機垂直配向膜形成材料(E
XP−OA004、日産化学工業(株)製)をメタノー
ルで希釈し、固形分を2重量%とした。これをガラス板
上に0.4μmとなるようにバーコーターで塗布し、1
40゜で10分間乾燥して、配向膜を形成した。配向膜
をラビングした後、アンチパラセルを二つ作成した。一
方のセルには、棒状液晶性分子(MBBA)を挿入し
た。他方のセルには、実施例1で用いた光学的異方性層
塗布液からメチルエチルケトンを蒸発させて固めたもの
(ディスコティック液晶性分子)を挿入した。それぞれ
のセルについて、液晶性分子の配向状態を調べた。棒状
液晶性分子を挿入したセルでは、棒状液晶性分子がガラ
ス板に垂直な方向にネマチック配向していた。これに対
して、ディスコティック液晶性分子を挿入したセルで
は、平均傾斜角が30゜であり、垂直配向(50〜90
゜)にはならなかった。使用した無機垂直配向膜形成材
料は、棒状液晶性分子用の垂直配向膜として市販されて
おり、最も普通に使用されている。他の市販の棒状液晶
性分子用垂直配向膜を用いた実験結果から、市販の棒状
液晶性分子用垂直配向膜は、ディスコティック液晶性分
子を垂直に配向させる機能が不充分であることが判明し
た。
【0107】[実施例5]実施例1で作成した光学補償
シートを用いて、図3の(e)に示す構造のSTN型液
晶表示装置を作成した。液晶セルと光学補償シートとが
接する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と光
学補償シートのディスコティック液晶性分子の配向方向
とを一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの出
射側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45゜に
調節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸収
軸とは直交するように配置した。得られたSTN型液晶
表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラック
モードになった。視覚特性を測定したところ、コントラ
スト比が5以上の角度範囲が左右で120゜以上、上下
で150゜以上得られた。
【0108】[実施例6]以下の組成の光学的異方性層
塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償
シートを作成して評価したところ、実施例1と同様の結
果が得られた。
【0109】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(3) 63重量部 実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(2) 27重量部 下記の重合性可塑剤 10重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 1重量部 メチルエチルケトン 185重量部 ────────────────────────────────────
【0110】
【化32】
【0111】
【化33】
【0112】[実施例7]厚さ100μm、サイズ27
0mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。含フッ素ポリイミド(PI31)をメタ
ノールとアセトンとの混合溶媒(容量比=50/50)
に溶解して、5重量%溶液を調製した。この溶液をバー
コーターを用いて透明支持体の上に1μmの厚さに塗布
した。塗布層を、120℃の温風で2分間乾燥し、その
表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の
上に、実施例1と同様にして光学的異方性層を形成し、
光学補償シートを作成した。配向膜のラビング軸に対し
て45゜の角度で、透明支持体側から光学補償シートに
偏光を入射し、光学機器(Multi Chanel Photo Analize
r、大塚電子(株)製)を用いて出射光の偏光解析を行
い、ツイスト角を求めたところ、230〜250゜であ
った。
【0113】別に、光学的異方性層塗布液からディスコ
ティック液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にし
て、ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直に配
向しているが、ねじれていない光学補償シートを作成し
た。このシートについて、エリプソメーターを用いて、
面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存
性から平均傾斜角を求めたところ、70〜85゜であっ
た。さらに別に、水平配向膜を用いてアンチパラレルセ
ルを作成し、セル内に上記のディスコティック液晶性化
合物(1)および(2)を封入した。得られた液晶セル
について、エリプソメーターを用いて、面内レターデー
ション(Re)を測定し、その値をセルの厚みで割るこ
とによりΔnを求めたところ、0.07であった。
【0114】[実施例8]ポリイミド(PI31)に代え
て、ポリイミド(PI36)を同量用いた以外は、実施例
7と同様に光学補償シートを作成して評価した。ディス
コティック液晶性化合物の平均傾斜角は、70゜であっ
た。
【0115】[実施例9]ポリイミド(PI31)に代え
て、ポリイミド(PI50)を同量用いた以外は、実施例
7と同様に光学補償シートを作成して評価した。ディス
コティック液晶性化合物の平均傾斜角は、80゜であっ
た。
【0116】[実施例10]ポリイミド(PI31)に代
えて、ポリイミド(PI72)を同量用いた以外は、実施
例7と同様に光学補償シートを作成して評価した。ディ
スコティック液晶性化合物の平均傾斜角は、75゜であ
った。
【0117】[実施例11]実施例7で作成した光学補
償シートを用いて、図3の(e)に示す構造のSTN型
液晶表示装置を作成した。液晶セルと光学補償シートと
が接する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と
光学補償シートのディスコティック液晶性分子の配向方
向とを一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの
出射側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45゜
に調節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸
収軸とは直交するように配置した。得られたSTN型液
晶表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラッ
クモードになった。視覚特性を測定したところ、コント
ラスト比が5以上の角度範囲が左右で120゜以上、上
下で150゜以上得られた。
【0118】[実施例12]以下の組成の光学的異方性
層塗布液を用いた以外は、実施例7と同様にして光学補
償シートを作成して評価したところ、実施例7と同様の
結果が得られた。
【0119】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 実施例6で用いたディスコティック液晶性化合物(3) 63重量部 実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(2) 27重量部 実施例6で用いた重合性可塑剤 10重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 1重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミ カル社製) 0.5重量部 メチルエチルケトン 184.5重量部 ────────────────────────────────────
【図面の簡単な説明】
【図1】STN型液晶表示装置の電圧無印加(off)
の画素部分における液晶セル内の棒状液晶性分子の配向
状態と光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子
の配向状態とを模式的に示す断面図である。
【図2】液晶セルの棒状液晶性分子と、それを光学補償
する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶
性分子について、それぞれの屈折率楕円体を示す模式図
である。
【図3】STN型液晶表示装置の層構成を示す模式図で
ある。
【図4】STN型液晶表示装置の各要素について、好ま
しい光学的方向を示す平面図である。
【図5】STN型液晶表示装置の各要素について、別の
好ましい光学的方向を示す平面図である。
【符号の説明】
1 液晶セル 2、2a、2b 光学補償シート 3、3a、3b 偏光板 11 液晶セルの上基板 12、14 液晶セルの配向膜 13 棒状液晶性分子の屈折率楕円体 13a〜13e 棒状液晶性分子 13t 棒状液晶性分子層の厚み 13x、13y 棒状液晶性分子の配向膜に平行な面内
の屈折率 13z 棒状液晶性分子の厚み方向の屈折率 15 液晶セルの下基板 21 ディスコティック液晶性分子の屈折率楕円体 21a〜21e ディスコティック液晶性分子 21t ディスコティック液晶性分子層の厚み 21x、21y ディスコティック液晶性分子の配向膜
に平行な面内の屈折率 21z ディスコティック液晶性分子の厚み方向の屈折
率 22 配向膜 23 透明支持体 BL バックライト DDa、DDb、DDc、DDd ディスコティック液
晶性分子の円盤面の法線方向 RDa、RDb 液晶セルの配向膜のラビング方向 TAa、TAb 偏光板の透過軸 X 基準となる方向

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、配向膜およびディスコ
    ティック液晶性分子から形成された光学的異方性層をこ
    の順に有する光学補償シートであって、配向膜が側鎖に
    炭素原子数が10以上の炭化水素基を有するポリマーを
    含み、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の
    範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とする光学
    補償シート。
  2. 【請求項2】 ポリマーの主鎖がポリイミド構造を有す
    る請求項1に記載の光学補償シート。
  3. 【請求項3】 ポリマーが主鎖または側鎖にステロイド
    構造を有する請求項1に記載の光学補償シート。
  4. 【請求項4】 ディスコティック液晶性分子がねじれ配
    向しており、ねじれ角が90乃至360度の範囲である
    請求項1に記載の光学補償シート。
  5. 【請求項5】 STN型液晶セル、その両側に配置され
    た二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方または両
    方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光学補
    償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、光学
    補償シートが透明支持体、配向膜およびディスコティッ
    ク液晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光板側
    からこの順に有し、配向膜が側鎖に炭素原子数が10以
    上の炭化水素基を有するポリマーを含み、ディスコティ
    ック液晶性分子が50乃至90度の範囲の平均傾斜角で
    配向し、さらにねじれ配向しており、ねじれ角が90乃
    至360度の範囲であることを特徴とするSTN型液晶
    表示装置。
  6. 【請求項6】 側鎖に炭素原子数が10以上の炭化水素
    基を有するポリマーを含む配向膜を用いて、50乃至9
    0度の範囲の平均傾斜角でディスコティック液晶性分子
    を配向させる方法。
  7. 【請求項7】 透明支持体上に、配向膜およびディスコ
    ティック液晶性分子から形成された光学的異方性層をこ
    の順に有する光学補償シートであって、配向膜が含フッ
    素ポリマーを含み、ディスコティック液晶性分子が50
    乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向していることを特
    徴とする光学補償シート。
  8. 【請求項8】 含フッ素ポリマーの主鎖がポリイミド構
    造を有する請求項7に記載の光学補償シート。
  9. 【請求項9】 含フッ素ポリマーが、フッ素原子を0.
    05乃至80重量%の割合で含む請求項7に記載の光学
    補償シート。
  10. 【請求項10】 ディスコティック液晶性分子がねじれ
    配向しており、ねじれ角が90乃至360度の範囲であ
    る請求項7に記載の光学補償シート。
  11. 【請求項11】 STN型液晶セル、その両側に配置さ
    れた二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方または
    両方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光学
    補償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、光
    学補償シートが透明支持体、配向膜およびディスコティ
    ック液晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光板
    側からこの順に有し、配向膜が含フッ素ポリマーを含
    み、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の範
    囲の平均傾斜角で配向し、さらにねじれ配向しており、
    ねじれ角が90乃至360度の範囲であることを特徴と
    するSTN型液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 含フッ素ポリマーを含む配向膜を用い
    て、50乃至90度の範囲の平均傾斜角でディスコティ
    ック液晶性分子を配向させる方法。
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