JP2000192205A - 耐酸化性に優れた耐熱合金 - Google Patents
耐酸化性に優れた耐熱合金Info
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- JP2000192205A JP2000192205A JP10364854A JP36485498A JP2000192205A JP 2000192205 A JP2000192205 A JP 2000192205A JP 10364854 A JP10364854 A JP 10364854A JP 36485498 A JP36485498 A JP 36485498A JP 2000192205 A JP2000192205 A JP 2000192205A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、安価に製造することができ、か
つ高温への加熱と冷却を繰り返しても酸化量が少ない耐
酸化性の優れた耐熱合金を提供することを課題としてい
る。 【解決手段】 重量%で、C:0.03〜0.10%、
Si:3.0%以下、Mn:1.5%以下、Ni:20
〜35%、Cr:12〜25%、Cu0.8〜5.0
%、Ti:0.1〜0.5未満%およびAl:0.1〜
0.5未満%を含有し、残部実質的にFeからなる合金
組成のものとすることである。
つ高温への加熱と冷却を繰り返しても酸化量が少ない耐
酸化性の優れた耐熱合金を提供することを課題としてい
る。 【解決手段】 重量%で、C:0.03〜0.10%、
Si:3.0%以下、Mn:1.5%以下、Ni:20
〜35%、Cr:12〜25%、Cu0.8〜5.0
%、Ti:0.1〜0.5未満%およびAl:0.1〜
0.5未満%を含有し、残部実質的にFeからなる合金
組成のものとすることである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車排気ガス浄
化装置などの高温への加熱と冷却を繰り返す各種耐熱部
品に適した耐酸化性に優れた耐熱合金に関する。
化装置などの高温への加熱と冷却を繰り返す各種耐熱部
品に適した耐酸化性に優れた耐熱合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車排気ガス浄化装置、加熱炉
用部材などの加熱と冷却を繰り返す各種耐熱部品には、
JIS NCF800(C:0.10%以下、Si:
1.00以下、Mn:2.50%以下、P:0.030
以下、S:0.015%以下、Ni:30.00〜3
5.00%、Cr:19.00〜23.00%、Cu:
0.75%以下、Al:0.15〜0.60%、Ti:
0.15〜0.60%を含み、残部実質的にFe)が広
く使用されている。
用部材などの加熱と冷却を繰り返す各種耐熱部品には、
JIS NCF800(C:0.10%以下、Si:
1.00以下、Mn:2.50%以下、P:0.030
以下、S:0.015%以下、Ni:30.00〜3
5.00%、Cr:19.00〜23.00%、Cu:
0.75%以下、Al:0.15〜0.60%、Ti:
0.15〜0.60%を含み、残部実質的にFe)が広
く使用されている。
【0003】また、さらに高温での耐酸化性が求められ
る場合には、JIS NCF601(C:0.10%以
下、Si:0.50%以下、Mn:1.00%以下、
P:0.030%以下、S:0.015%以下、Ni:
58.00〜63.00%、Cr:21.00〜25.
00%、Cu:1.00%以下、Al:1.00〜1.
70%、残部実質的にFe)などの鉄基超合金が用いら
れている。しかし、このJIS NCF601の耐熱合
金は、Niを多量に含有しており高価であるという欠点
がある。
る場合には、JIS NCF601(C:0.10%以
下、Si:0.50%以下、Mn:1.00%以下、
P:0.030%以下、S:0.015%以下、Ni:
58.00〜63.00%、Cr:21.00〜25.
00%、Cu:1.00%以下、Al:1.00〜1.
70%、残部実質的にFe)などの鉄基超合金が用いら
れている。しかし、このJIS NCF601の耐熱合
金は、Niを多量に含有しており高価であるという欠点
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価に製造
することができ、かつ高温への加熱と冷却を繰り返して
も酸化減量が少ない耐酸化性の優れた耐熱合金を提供す
ることを課題としている。
することができ、かつ高温への加熱と冷却を繰り返して
も酸化減量が少ない耐酸化性の優れた耐熱合金を提供す
ることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者達は、安価に製造することができ、かつ高
温で加熱と冷却を繰り返しても酸化減量が少ない耐酸化
性の優れた耐熱合金について種々検討していたところ、
JIS NCF800の耐熱合金およびこれに類似する
耐熱合金に安価なCuを0.8〜5.0%含有させる
と、スケールの剥離を抑制できるため、高温への加熱と
冷却を繰り返しても酸化減量を抑制できるとの知見を得
て本発明をなしたものである。すなわち、本発明の耐酸
化性に優れた耐熱合金においては、C:0.03〜0.
10%、Si:3.0%以下、Mn:1.5%以下、N
i:20〜35%、Cr:15〜25%、Cu0.8〜
5.0%、Ti:0.1〜0.5未満%およびAl:
0.1〜0.5未満%を含有し、残部実質的にFeから
なる合金組成を有するものとすることである。
め、本発明者達は、安価に製造することができ、かつ高
温で加熱と冷却を繰り返しても酸化減量が少ない耐酸化
性の優れた耐熱合金について種々検討していたところ、
JIS NCF800の耐熱合金およびこれに類似する
耐熱合金に安価なCuを0.8〜5.0%含有させる
と、スケールの剥離を抑制できるため、高温への加熱と
冷却を繰り返しても酸化減量を抑制できるとの知見を得
て本発明をなしたものである。すなわち、本発明の耐酸
化性に優れた耐熱合金においては、C:0.03〜0.
10%、Si:3.0%以下、Mn:1.5%以下、N
i:20〜35%、Cr:15〜25%、Cu0.8〜
5.0%、Ti:0.1〜0.5未満%およびAl:
0.1〜0.5未満%を含有し、残部実質的にFeから
なる合金組成を有するものとすることである。
【0006】また、上記課題を解決するため、本発明の
耐酸化性に優れた耐熱合金においては、上記合金組成
に、Nb:0.1〜0.5%およびTa:0.1〜0.
5%の1種又は2種の群と、Mo:1.5%以下および
W:3.0%以下の1種又は2種の群と、B:0.00
1〜0.010%およびZr:0.001〜0.1%の
1種又は2種の群とCa:0.001〜0.01%およ
びMg:0.001〜0.01%の1種又は2種の群の
うちの1種又は2種以上を含有する成分組成を有するも
のとすることである。
耐酸化性に優れた耐熱合金においては、上記合金組成
に、Nb:0.1〜0.5%およびTa:0.1〜0.
5%の1種又は2種の群と、Mo:1.5%以下および
W:3.0%以下の1種又は2種の群と、B:0.00
1〜0.010%およびZr:0.001〜0.1%の
1種又は2種の群とCa:0.001〜0.01%およ
びMg:0.001〜0.01%の1種又は2種の群の
うちの1種又は2種以上を含有する成分組成を有するも
のとすることである。
【0007】
【作用】次に、上記本発明の耐酸化性に優れた耐熱合金
の合金組成を上記のように限定している理由を説明す
る。 C:0.03〜0.10% Cは、Cr、Ti、Nb、Ta、Mo、Wと炭化物を形
成し、合金の高温強度を高くするために含有させる元素
であるが、0.03%未満では期待する高温強度が得ら
れず、0.10%を超えると粗大な炭化物が多量に生成
し、強度および靱性を低下するだけでなく基地中のCr
を減少して耐酸化性も劣化するので、その含有量を0.
03〜0.10%とする。 Si:3.0%以下 Siは、溶解精錬時の脱酸剤として含有させるととも
に、耐酸化性を向上するるために含有させる元素である
が、3.0%を超えると熱間加工性を低下するので、そ
の含有量を3.0%以下とする。
の合金組成を上記のように限定している理由を説明す
る。 C:0.03〜0.10% Cは、Cr、Ti、Nb、Ta、Mo、Wと炭化物を形
成し、合金の高温強度を高くするために含有させる元素
であるが、0.03%未満では期待する高温強度が得ら
れず、0.10%を超えると粗大な炭化物が多量に生成
し、強度および靱性を低下するだけでなく基地中のCr
を減少して耐酸化性も劣化するので、その含有量を0.
03〜0.10%とする。 Si:3.0%以下 Siは、溶解精錬時の脱酸剤として含有させるととも
に、耐酸化性を向上するるために含有させる元素である
が、3.0%を超えると熱間加工性を低下するので、そ
の含有量を3.0%以下とする。
【0008】Mn:1.5%以下 Mnは、Siと同様に溶解精錬時の脱酸剤として含有さ
せる元素であるが、多量に含有すると耐酸化性、熱間加
工性および高温強度を低下するので、その含有量を1.
5%以下とする。 Ni:20〜35% Niは、オーステナイト相を安定し、高温クリープ強度
を高くするために含有させる元素であるが、20%未満
ではオーステナイト相が不安定となり、35%を超える
とコストを上昇するので、その含有量を20〜35%と
する。
せる元素であるが、多量に含有すると耐酸化性、熱間加
工性および高温強度を低下するので、その含有量を1.
5%以下とする。 Ni:20〜35% Niは、オーステナイト相を安定し、高温クリープ強度
を高くするために含有させる元素であるが、20%未満
ではオーステナイト相が不安定となり、35%を超える
とコストを上昇するので、その含有量を20〜35%と
する。
【0009】Cr:12〜25% Crは、耐酸化性を向上するとともにCr炭化物を形成
して高温強度を高くするために含有させる元素である
が、12%未満では期待する効果が得られず、25%を
超えるとシグマ相の析出を助長して高温強度、靱性およ
び熱間加工性を低下するので、その含有量を12〜25
%とする。 Cu:0.8〜5.0% Cuは、高温下で合金表面に生成する酸化スケールの剥
離を抑制し、特に加熱と冷却を繰り返す環境下での耐酸
化性を改善させるために含有させる元素であるが、0.
8%以下ではその効果が小さく、5.0%を超えると熱
間加工性を低下するので、その含有量を0.8〜5.0
%とする。
して高温強度を高くするために含有させる元素である
が、12%未満では期待する効果が得られず、25%を
超えるとシグマ相の析出を助長して高温強度、靱性およ
び熱間加工性を低下するので、その含有量を12〜25
%とする。 Cu:0.8〜5.0% Cuは、高温下で合金表面に生成する酸化スケールの剥
離を抑制し、特に加熱と冷却を繰り返す環境下での耐酸
化性を改善させるために含有させる元素であるが、0.
8%以下ではその効果が小さく、5.0%を超えると熱
間加工性を低下するので、その含有量を0.8〜5.0
%とする。
【0010】Ti:0.1〜0.5未満% Tiは、炭化物を形成して高温強度を高くするととも
に、550〜700℃の間に長時間保持するとAlとと
もにγ′相を析出して高温強度をより一層高くするの
で、そのために含有させる元素であるが、0.1%未満
では期待する高温強度が得られず、また0.5%以上に
すると熱間加工性が低下するので、その含有量を0.1
〜0.5未満%とする。 Al:0.1〜0.5未満% Alは、溶解精錬時の脱酸剤として含有させるととも
に、耐酸化性を向上し、また550〜700℃の間に長
時間保持すると金属間化合物のγ′(Ni3 Al)相を
析出して高温強度をより一層高くするので、そのために
含有させる元素であるが、0.1%未満では期待する耐
酸化性および高温強度が得られず、また0.5%以上に
なると熱間加工性が低下するので、その含有量を0.1
〜0.5未満%とする。
に、550〜700℃の間に長時間保持するとAlとと
もにγ′相を析出して高温強度をより一層高くするの
で、そのために含有させる元素であるが、0.1%未満
では期待する高温強度が得られず、また0.5%以上に
すると熱間加工性が低下するので、その含有量を0.1
〜0.5未満%とする。 Al:0.1〜0.5未満% Alは、溶解精錬時の脱酸剤として含有させるととも
に、耐酸化性を向上し、また550〜700℃の間に長
時間保持すると金属間化合物のγ′(Ni3 Al)相を
析出して高温強度をより一層高くするので、そのために
含有させる元素であるが、0.1%未満では期待する耐
酸化性および高温強度が得られず、また0.5%以上に
なると熱間加工性が低下するので、その含有量を0.1
〜0.5未満%とする。
【0011】Nb、Ta:0.1〜0.5% NbおよびTaは、Tiと同様に炭化物を形成して高温
強度を高くするとともに、550〜700℃の間に長時
間保持するとAlとともに金属間化合物のγ′を形成し
より一層高温強度を高くするので、そのために含有させ
る元素であるが、0.1%未満では期待する耐酸化性お
よび高温強度が得られず、また0.5%以上になると熱
間加工性や耐酸化性が低下するので、その含有量を0.
1〜0.5%とする。 Mo:1.5%以下、W:3.0%以下 MoとWは、一部を炭化物として形成させて高温強度を
高くするとともに、主に基地の固溶硬化による高温強度
を高くするために含有させる元素であるが、多量に含有
させるとコストを上昇するばかりでなく、耐酸化性や熱
間加工性を低下するので、その含有量をMoは1.5%
以下、Wは3.0%以下とする。
強度を高くするとともに、550〜700℃の間に長時
間保持するとAlとともに金属間化合物のγ′を形成し
より一層高温強度を高くするので、そのために含有させ
る元素であるが、0.1%未満では期待する耐酸化性お
よび高温強度が得られず、また0.5%以上になると熱
間加工性や耐酸化性が低下するので、その含有量を0.
1〜0.5%とする。 Mo:1.5%以下、W:3.0%以下 MoとWは、一部を炭化物として形成させて高温強度を
高くするとともに、主に基地の固溶硬化による高温強度
を高くするために含有させる元素であるが、多量に含有
させるとコストを上昇するばかりでなく、耐酸化性や熱
間加工性を低下するので、その含有量をMoは1.5%
以下、Wは3.0%以下とする。
【0012】B:0.001〜0.010%、Zr:
0.001〜0.1% BとZrは、粒界に偏析して粒界を強化するために含有
させる元素であるが、0.001%より少ないとその効
果が得られず、Bが0.010%、Zrが0.1%より
多くなると熱間加工性を低下するので、その含有量をB
は0.001〜0.010%、Zrは0.001〜0.
1%とする。 Ca:0.001〜0.01%、Mg:0.001〜
0.01% CaとMgは、安定な硫化物を形成して遊離Sを低減し
て耐酸化性を向上するために含有させる元素であるが、
0.001%より少ないとその効果が得られず、また
0.01%より多いと逆に耐酸化性を低下するばかりで
なく、熱間加工性や高温強度を低下するので、その含有
量をCaは0.001〜0.01%、Mgは0.001
〜0.01%とする。
0.001〜0.1% BとZrは、粒界に偏析して粒界を強化するために含有
させる元素であるが、0.001%より少ないとその効
果が得られず、Bが0.010%、Zrが0.1%より
多くなると熱間加工性を低下するので、その含有量をB
は0.001〜0.010%、Zrは0.001〜0.
1%とする。 Ca:0.001〜0.01%、Mg:0.001〜
0.01% CaとMgは、安定な硫化物を形成して遊離Sを低減し
て耐酸化性を向上するために含有させる元素であるが、
0.001%より少ないとその効果が得られず、また
0.01%より多いと逆に耐酸化性を低下するばかりで
なく、熱間加工性や高温強度を低下するので、その含有
量をCaは0.001〜0.01%、Mgは0.001
〜0.01%とする。
【0013】不純物について Pは、基地を脆化するとともに延性を低下するので、少
ないほど好ましいが、0.030%以下であれば、合金
に及ぼす影響が少なく、またコストを高くすることがな
いので、0.030%以下、できれば0.025%以下
にするのが好ましい。Sは、高温になると自身が酸化
し、さらにこの酸化物が合金の酸化速度を著しく促進さ
せ、酸化スケールの剥離を助長するるので、できるだけ
低減するのが好ましいが、0.01%以下になれば合金
に及ぼす影響が少なく、またコストの上昇もわずかであ
るので、その含有量を0.01%以下、できれば0.0
01以下にするのが好ましい。
ないほど好ましいが、0.030%以下であれば、合金
に及ぼす影響が少なく、またコストを高くすることがな
いので、0.030%以下、できれば0.025%以下
にするのが好ましい。Sは、高温になると自身が酸化
し、さらにこの酸化物が合金の酸化速度を著しく促進さ
せ、酸化スケールの剥離を助長するるので、できるだけ
低減するのが好ましいが、0.01%以下になれば合金
に及ぼす影響が少なく、またコストの上昇もわずかであ
るので、その含有量を0.01%以下、できれば0.0
01以下にするのが好ましい。
【0014】本発明の耐酸化性に優れた耐熱合金は、N
i及びCrの含有量が同様な公知の合金、例えばJIS
NCF800の合金と同様な製造方法によって製造す
ることができる。また、本発明の耐酸化性に優れた耐熱
合金の用途は、自動車排気ガス浄化装置、加熱炉用部
材、ボイラー用部材、焼却炉用部材、暖房用機器の燃焼
部部材などの高温での加熱と冷却が繰り返される部分の
部品に最適である。
i及びCrの含有量が同様な公知の合金、例えばJIS
NCF800の合金と同様な製造方法によって製造す
ることができる。また、本発明の耐酸化性に優れた耐熱
合金の用途は、自動車排気ガス浄化装置、加熱炉用部
材、ボイラー用部材、焼却炉用部材、暖房用機器の燃焼
部部材などの高温での加熱と冷却が繰り返される部分の
部品に最適である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明す
る。
る。
【実施例】下記表1の成分組成の各合金を高周波誘導炉
で溶製し、鋳造して50kgのインゴットを得た。この
鋳塊を熱間鍛造および熱間圧延後、試験片を切り出し、
1050℃に1時間加熱した後油冷する熱処理をして酸
化試験用試験片とした。この試験片を用いて1000℃
における繰り返し酸化試験をJIS Z 2282に準
拠して行い、その酸化増量を測定した。その結果を下記
表2に示す。
で溶製し、鋳造して50kgのインゴットを得た。この
鋳塊を熱間鍛造および熱間圧延後、試験片を切り出し、
1050℃に1時間加熱した後油冷する熱処理をして酸
化試験用試験片とした。この試験片を用いて1000℃
における繰り返し酸化試験をJIS Z 2282に準
拠して行い、その酸化増量を測定した。その結果を下記
表2に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】これらの結果より、本発明の実施例の酸化
増量は、40.8〜69.6mg/cm2 であるのに対
して、比較例のものは46.4〜79.2mg/cm2
で、Cuを含有させた本発明の実施例のものは、Cuを
含有しない比較例のものより平均して約12%低下して
いた。さらに、詳細に検討すると、実施例の No.1 およ
び No.2 は、Cuを含有しない比較例の No.11および N
o.12と比較して酸化増量が約14%低下していた。ま
た、高Siの実施例の No.3 は、高SiでCuを含有し
ない比較例のNo.13と比較して酸化増量が約12%低下
しており、高Si合金においてもCuを含有させる効果
が認められた。
増量は、40.8〜69.6mg/cm2 であるのに対
して、比較例のものは46.4〜79.2mg/cm2
で、Cuを含有させた本発明の実施例のものは、Cuを
含有しない比較例のものより平均して約12%低下して
いた。さらに、詳細に検討すると、実施例の No.1 およ
び No.2 は、Cuを含有しない比較例の No.11および N
o.12と比較して酸化増量が約14%低下していた。ま
た、高Siの実施例の No.3 は、高SiでCuを含有し
ない比較例のNo.13と比較して酸化増量が約12%低下
しており、高Si合金においてもCuを含有させる効果
が認められた。
【0019】また、高温強度を向上させるためにNb、
Ta、Mo、Wを含有させた実施例の No.4〜 No.6
は、NbおよびMoを含有し、Cuを含有しない比較例
の No.14と比較して酸化増量が約12〜18%低下して
いた。また、粒界を強化するためにB、Zr含有させた
実施例の No.7、 No.8は、B、Zr含有しない実施例
の No.5 、 No.6 と比較して酸化増量が増加していなか
った。また、Sを大幅に低下するとともに、安定な硫化
物を形成して遊離Sを低減させるためにCa、Mgを含
有させた実施例の No.9、No.10は、Sを大幅に低下さ
せることなく、Ca、Mg、Cuを含有しない比較例の
No.14と比較して約26%低下しており、またSを大幅
に低下すことなく、Ca、Mgを含有しない実施例の N
o.8と比較すると約11%と約15%低下している。
Ta、Mo、Wを含有させた実施例の No.4〜 No.6
は、NbおよびMoを含有し、Cuを含有しない比較例
の No.14と比較して酸化増量が約12〜18%低下して
いた。また、粒界を強化するためにB、Zr含有させた
実施例の No.7、 No.8は、B、Zr含有しない実施例
の No.5 、 No.6 と比較して酸化増量が増加していなか
った。また、Sを大幅に低下するとともに、安定な硫化
物を形成して遊離Sを低減させるためにCa、Mgを含
有させた実施例の No.9、No.10は、Sを大幅に低下さ
せることなく、Ca、Mg、Cuを含有しない比較例の
No.14と比較して約26%低下しており、またSを大幅
に低下すことなく、Ca、Mgを含有しない実施例の N
o.8と比較すると約11%と約15%低下している。
【0020】
【発明の効果】本発明は、上記構成、すなわち安価なC
uを0.8〜5.0%含有させたことにより、Cuを含
有していないものと比較して高温での耐酸化性が改善さ
れるという優れた効果を奏する。
uを0.8〜5.0%含有させたことにより、Cuを含
有していないものと比較して高温での耐酸化性が改善さ
れるという優れた効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%で(以下同じ)、C:0.03〜
0.10%、Si:3.0%以下、Mn:1.5%以
下、Ni:20〜35%、Cr:12〜25%、Cu
0.8〜5.0%、Ti:0.1〜0.5未満%および
Al:0.1〜0.5未満%を含有し、残部実質的にF
eからなる合金組成を有することを特徴とする耐酸化性
に優れた耐熱合金。 - 【請求項2】 請求項1において、Nb:0.1〜0.
5%およびTa:0.1〜0.5%の1種又は2種を含
有することを特徴とする耐酸化性に優れた耐熱合金。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、Mo:
1.5%以下およびW:3.0%以下の1種又は2種を
含有することを特徴とする耐酸化性に優れた耐熱合金。 - 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3におい
て、B:0.001〜0.010%およびZr:0.0
01〜0.1%の1種又は2種を含有することを特徴と
する耐酸化性に優れた耐熱合金。 - 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3又は請求
項4において、Ca:0.001〜0.01%およびM
g:0.001〜0.01%の1種又は2種を含有する
ことを特徴とする耐酸化性に優れた耐熱合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10364854A JP2000192205A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 耐酸化性に優れた耐熱合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10364854A JP2000192205A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 耐酸化性に優れた耐熱合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000192205A true JP2000192205A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18482837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10364854A Withdrawn JP2000192205A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 耐酸化性に優れた耐熱合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000192205A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1998
- 1998-12-22 JP JP10364854A patent/JP2000192205A/ja not_active Withdrawn
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