JP2000173868A - アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents
アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液Info
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- JP2000173868A JP2000173868A JP10341797A JP34179798A JP2000173868A JP 2000173868 A JP2000173868 A JP 2000173868A JP 10341797 A JP10341797 A JP 10341797A JP 34179798 A JP34179798 A JP 34179798A JP 2000173868 A JP2000173868 A JP 2000173868A
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- cyclohexane
- electrolytic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルミニウム電解コンデンサの電極箔中に銅
が含有されている場合においても、銅の溶解、析出によ
る電極間の短絡防止が可能な駆動用電解液を提供する。 【解決手段】 エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、メチルアルコール、エチルアルコール、水のう
ち、少なくとも一種を含む溶媒に、有機酸またはその塩
を溶解し、0.01%〜0.5wt%の化1で示すシク
ロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸を添加したこ
とを特徴としている。 【化1】
が含有されている場合においても、銅の溶解、析出によ
る電極間の短絡防止が可能な駆動用電解液を提供する。 【解決手段】 エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、メチルアルコール、エチルアルコール、水のう
ち、少なくとも一種を含む溶媒に、有機酸またはその塩
を溶解し、0.01%〜0.5wt%の化1で示すシク
ロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸を添加したこ
とを特徴としている。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム電解コ
ンデンサ駆動用電解液(以下電解液と称する)の改良に
関するものである。
ンデンサ駆動用電解液(以下電解液と称する)の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電解液には、エチレングリコール
を主体とした溶媒にアジピン酸等の有機酸またはその塩
を溶解した電解液が多用されている。
を主体とした溶媒にアジピン酸等の有機酸またはその塩
を溶解した電解液が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような有機酸のア
ンモニウム塩を使用した電解液では、コンデンサを長時
間放置すると、アルミニウム電極箔に銅が含有されてい
る場合、電解箔中の銅が溶解、析出し、著しい場合には
電極間の短絡を起こし、コンデンサの機能が失われるこ
とがある。この防止策として、電極間距離確保のため厚
いセパレータを使用するなどの対策を行ってきたが、電
気特性が悪化し、また小型化に対応できないという問題
があった。
ンモニウム塩を使用した電解液では、コンデンサを長時
間放置すると、アルミニウム電極箔に銅が含有されてい
る場合、電解箔中の銅が溶解、析出し、著しい場合には
電極間の短絡を起こし、コンデンサの機能が失われるこ
とがある。この防止策として、電極間距離確保のため厚
いセパレータを使用するなどの対策を行ってきたが、電
気特性が悪化し、また小型化に対応できないという問題
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、電解液にシクロヘキサン−1,2−ジアミ
ンテトラ酢酸を添加することにより、電極箔より溶出し
た銅イオンとシクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ
酢酸との強固な可溶性錯塩を形成させ、銅イオンが電極
箔へ析出するのを防止しようとするものである。すなわ
ち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、水のうち、少なくと
も一種を含む溶媒に、有機酸またはその塩を溶解し、
0.01〜0.5wt%の化2で示すシクロヘキサン−
1,2−ジアミンテトラ酢酸を添加したことを特徴とす
る電解液である。
決するため、電解液にシクロヘキサン−1,2−ジアミ
ンテトラ酢酸を添加することにより、電極箔より溶出し
た銅イオンとシクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ
酢酸との強固な可溶性錯塩を形成させ、銅イオンが電極
箔へ析出するのを防止しようとするものである。すなわ
ち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、水のうち、少なくと
も一種を含む溶媒に、有機酸またはその塩を溶解し、
0.01〜0.5wt%の化2で示すシクロヘキサン−
1,2−ジアミンテトラ酢酸を添加したことを特徴とす
る電解液である。
【0005】
【化2】
【0006】
【発明の実施の形態】エチレングリコール等からなる溶
媒に、有機酸またはその塩を溶解し、0.01〜0.5
wt%のシクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸
を添加する。
媒に、有機酸またはその塩を溶解し、0.01〜0.5
wt%のシクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸
を添加する。
【0007】
【実施例】表1に示す電解液を以下の通り作成し、実施
例1のCu2+析出状態の調査、および実施例2のCu
(金属)を含有する陰極箔を用いたコンデンサの高温電
圧印加試験を行った。 〔実施例1〕 純水にCu2+66.7ppmを含有する標準水試料を
調製した。 表1の水として、上記標準水試料15wt%をエチレ
ングリコール、アジピン酸アンモニウム、シクロヘキサ
ン−1,2−ジアミンテトラ酢酸と混合し、表1の実施
例1〜3の電解液を作製した。なお、比較例として、シ
クロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸を除いた従
来例の電解液も、上記標準水試料を用いて作製した。
(上記実施例1〜3、および従来例の電解液中のCu2+
量:10ppm) 上記電解液のCu2+量を原子吸光光度法により、測定
した。 上記電解液をビーカーに入れ、アルミニウムの陽極箔
と陰極箔を電解液中に浸漬し、下記条件にて通電し、C
u2+の析出状態を調査した。 ・使用電解液:表1のとおり ・アルミニウム陽極箔:15V化成 ・陽極箔と陰極箔の電解液中浸漬面積:S=2×5cm
2 ・電圧:10V(一定) ・電解液温度:60±5℃ ・通電時間:60±1分 通電後、各電解液のCu2+量を原子吸光光度法によ
り、測定した。上記電解液の通電前/通電後のCu2+量
[ppm]変化を表1に示す。
例1のCu2+析出状態の調査、および実施例2のCu
(金属)を含有する陰極箔を用いたコンデンサの高温電
圧印加試験を行った。 〔実施例1〕 純水にCu2+66.7ppmを含有する標準水試料を
調製した。 表1の水として、上記標準水試料15wt%をエチレ
ングリコール、アジピン酸アンモニウム、シクロヘキサ
ン−1,2−ジアミンテトラ酢酸と混合し、表1の実施
例1〜3の電解液を作製した。なお、比較例として、シ
クロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸を除いた従
来例の電解液も、上記標準水試料を用いて作製した。
(上記実施例1〜3、および従来例の電解液中のCu2+
量:10ppm) 上記電解液のCu2+量を原子吸光光度法により、測定
した。 上記電解液をビーカーに入れ、アルミニウムの陽極箔
と陰極箔を電解液中に浸漬し、下記条件にて通電し、C
u2+の析出状態を調査した。 ・使用電解液:表1のとおり ・アルミニウム陽極箔:15V化成 ・陽極箔と陰極箔の電解液中浸漬面積:S=2×5cm
2 ・電圧:10V(一定) ・電解液温度:60±5℃ ・通電時間:60±1分 通電後、各電解液のCu2+量を原子吸光光度法によ
り、測定した。上記電解液の通電前/通電後のCu2+量
[ppm]変化を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】表1より0.01〜0.5wt%のシクロ
ヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸を配合した実施
例では、配合しない従来例と比較して、通電前/通電後
のCu2+量の変化が著しく小さく、銅の析出が抑えられ
ていることが分かる。
ヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸を配合した実施
例では、配合しない従来例と比較して、通電前/通電後
のCu2+量の変化が著しく小さく、銅の析出が抑えられ
ていることが分かる。
【0010】〔実施例2〕さらに、銅を1wt%含有す
るアルミニウム箔を陰極として、表1の電解液(水15
wt%はCu2+を含有しないもの)を用いて定格16w
v−220μFのコンデンサを作製し、95℃、200
0時間の高温電圧印加試験を行い、ショートパンク発生
個数を調査した。その結果を表2に示す。
るアルミニウム箔を陰極として、表1の電解液(水15
wt%はCu2+を含有しないもの)を用いて定格16w
v−220μFのコンデンサを作製し、95℃、200
0時間の高温電圧印加試験を行い、ショートパンク発生
個数を調査した。その結果を表2に示す。
【0011】
【表2】
【0012】表2から、シクロヘキサン−1,2−ジア
ミンテトラ酢酸を0.01〜0.5wt%配合すると、
銅の溶解、析出による電極間のショートが防止されるこ
とが分かる。また、上記の条件下で溶媒の種類、および
混合比、有機酸の種類、濃度を変えて試験を行ったが、
いずれの場合においても銅の析出防止効果が確認され
た。シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸の添
加量を種々検討した結果、0.01wt%未満では効果
が十分ではなく、また0.5wt%を超えると飽和濃度
に達してしまうので、好ましくない。
ミンテトラ酢酸を0.01〜0.5wt%配合すると、
銅の溶解、析出による電極間のショートが防止されるこ
とが分かる。また、上記の条件下で溶媒の種類、および
混合比、有機酸の種類、濃度を変えて試験を行ったが、
いずれの場合においても銅の析出防止効果が確認され
た。シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸の添
加量を種々検討した結果、0.01wt%未満では効果
が十分ではなく、また0.5wt%を超えると飽和濃度
に達してしまうので、好ましくない。
【0013】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
による電解液は、アルミニウム電極箔中に銅が含有され
ている場合においても、銅の析出を抑えることができ、
電極間の短絡が防止でき、工業的ならびに実用的価値の
大なるものである。
による電解液は、アルミニウム電極箔中に銅が含有され
ている場合においても、銅の析出を抑えることができ、
電極間の短絡が防止でき、工業的ならびに実用的価値の
大なるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、メチルアルコール、エチルアルコール、水のう
ち、少なくとも一種を含む溶媒に、有機酸またはその塩
を溶解し、0.01〜0.5wt%の化1で示すシクロ
ヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸を添加したこと
を特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10341797A JP2000173868A (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10341797A JP2000173868A (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000173868A true JP2000173868A (ja) | 2000-06-23 |
Family
ID=18348840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10341797A Pending JP2000173868A (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000173868A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9281132B2 (en) | 2008-07-28 | 2016-03-08 | Corning Incorporated | Method for sealing a liquid within a glass package and the resulting glass package |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63250108A (ja) * | 1987-04-07 | 1988-10-18 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JPS6480408A (en) * | 1987-09-24 | 1989-03-27 | Tosoh Corp | Separation of metal ion by electrodialysis |
JPH0277109A (ja) * | 1988-09-13 | 1990-03-16 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JPH0544075A (ja) * | 1991-08-15 | 1993-02-23 | Nippon Riironaale Kk | 無電解銅めつき代替銅ストライクめつき方法 |
JPH07197266A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-01 | Nippon Riironaale Kk | 酸化銅(i)コロイドの金属化によるダイレクトプレーティング方法 |
-
1998
- 1998-12-01 JP JP10341797A patent/JP2000173868A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63250108A (ja) * | 1987-04-07 | 1988-10-18 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JPS6480408A (en) * | 1987-09-24 | 1989-03-27 | Tosoh Corp | Separation of metal ion by electrodialysis |
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JPH07197266A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-01 | Nippon Riironaale Kk | 酸化銅(i)コロイドの金属化によるダイレクトプレーティング方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9281132B2 (en) | 2008-07-28 | 2016-03-08 | Corning Incorporated | Method for sealing a liquid within a glass package and the resulting glass package |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050614 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080121 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080321 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080804 |