JP2000170757A - 自動調心転がり軸受 - Google Patents
自動調心転がり軸受Info
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- JP2000170757A JP2000170757A JP10351657A JP35165798A JP2000170757A JP 2000170757 A JP2000170757 A JP 2000170757A JP 10351657 A JP10351657 A JP 10351657A JP 35165798 A JP35165798 A JP 35165798A JP 2000170757 A JP2000170757 A JP 2000170757A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C23/00—Bearings for exclusively rotary movement adjustable for aligning or positioning
- F16C23/06—Ball or roller bearings
- F16C23/08—Ball or roller bearings self-adjusting
- F16C23/082—Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface
- F16C23/086—Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface forming a track for rolling elements
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/22—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
- F16C19/34—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load
- F16C19/38—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2220/00—Shaping
- F16C2220/02—Shaping by casting
- F16C2220/06—Shaping by casting in situ casting or moulding
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Support Of The Bearing (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 軸受に装着された潤滑油を保持した固形状の
潤滑剤が、使用中に破損することがなく、潤滑油の飛散
量が少なく、軸受の回転トルクが安定した自動調心転が
り軸受とすることである。 【解決手段】 外輪1の内周に球面の軌道2を形成し、
内輪3の外周に二列の軌道4を形成し、内輪3の軌道4
には多数の転動体5を配列すると共に各転動体5を保持
器6で保持した自動調心転がり軸受において、潤滑油ま
たは潤滑グリース10〜90重量%と、超高分子量ポリ
オレフィン樹脂やシリコーン樹脂などの合成樹脂10〜
90重量%からなる潤滑性樹脂組成物のリング状成形体
7を設け、これを内輪3および外輪1の間の二列の転動
体5で囲まれた軸回りにほぼリング状の間隙に嵌め入れ
る。または自動調心転がり軸受の前記間隙に、潤滑性樹
脂組成物を充填した後に加熱成形した自動調心転がり軸
受とする。
潤滑剤が、使用中に破損することがなく、潤滑油の飛散
量が少なく、軸受の回転トルクが安定した自動調心転が
り軸受とすることである。 【解決手段】 外輪1の内周に球面の軌道2を形成し、
内輪3の外周に二列の軌道4を形成し、内輪3の軌道4
には多数の転動体5を配列すると共に各転動体5を保持
器6で保持した自動調心転がり軸受において、潤滑油ま
たは潤滑グリース10〜90重量%と、超高分子量ポリ
オレフィン樹脂やシリコーン樹脂などの合成樹脂10〜
90重量%からなる潤滑性樹脂組成物のリング状成形体
7を設け、これを内輪3および外輪1の間の二列の転動
体5で囲まれた軸回りにほぼリング状の間隙に嵌め入れ
る。または自動調心転がり軸受の前記間隙に、潤滑性樹
脂組成物を充填した後に加熱成形した自動調心転がり軸
受とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動調心転がり
軸受に関する。
軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】図4の(a)、(b)に示すように、従
来の自動調心転がり軸受Dは、外輪1の内周側に球面
(外輪の軸線上に中心を有する球体の球面)の軌道2を
形成し、内輪3の外周に二列の軌道4を並行に形成し、
内輪3の各軌道4上に多数の転動体5を配列すると共
に、転動体5を保持器6で所定間隔に配置したものであ
る。このような軸受は、転動体5が溝のない球面の軌道
2上で転動するため軌道のずれがある程度許容されるも
のであり、内輪3と外輪1の軸線がある程度傾いた(交
差する)状態で回転可能である。
来の自動調心転がり軸受Dは、外輪1の内周側に球面
(外輪の軸線上に中心を有する球体の球面)の軌道2を
形成し、内輪3の外周に二列の軌道4を並行に形成し、
内輪3の各軌道4上に多数の転動体5を配列すると共
に、転動体5を保持器6で所定間隔に配置したものであ
る。このような軸受は、転動体5が溝のない球面の軌道
2上で転動するため軌道のずれがある程度許容されるも
のであり、内輪3と外輪1の軸線がある程度傾いた(交
差する)状態で回転可能である。
【0003】このように自動調心転がり軸受は、支持す
る回転軸と軸受の回転軸が同一軸線を共有する必要がな
く、両軸線にある程度のずれがあっても、内輪3が外輪
1に対して軸を自在に傾けて回転して、内・外輪の回転
軸のずれを調整できるという調心機能がある。
る回転軸と軸受の回転軸が同一軸線を共有する必要がな
く、両軸線にある程度のずれがあっても、内輪3が外輪
1に対して軸を自在に傾けて回転して、内・外輪の回転
軸のずれを調整できるという調心機能がある。
【0004】このような自動調心転がり軸受は、高速回
転条件や遠心力等の重力加速度が大きく作用する条件で
使用されると、転動体が若干外輪からはみ出して回転す
る場合があり、通常使用される潤滑油や半固体状の潤滑
グリースでは、軸受外に流出する恐れがある。
転条件や遠心力等の重力加速度が大きく作用する条件で
使用されると、転動体が若干外輪からはみ出して回転す
る場合があり、通常使用される潤滑油や半固体状の潤滑
グリースでは、軸受外に流出する恐れがある。
【0005】自動調心転がり軸受の潤滑油やグリースの
流出や飛散を防止する技術としては、潤滑油やグリース
と高分子量ポリオレフィンとの混合物を軸受内に充填
し、高分子量ポリオレフィンを加熱してゲル化した後に
冷却して固形状化したいわゆるプラスチックグリースが
特開平6−50330号公報に開示されている。
流出や飛散を防止する技術としては、潤滑油やグリース
と高分子量ポリオレフィンとの混合物を軸受内に充填
し、高分子量ポリオレフィンを加熱してゲル化した後に
冷却して固形状化したいわゆるプラスチックグリースが
特開平6−50330号公報に開示されている。
【0006】プラスチックグリースは、使用中に摩擦接
触部の表面から徐々に潤滑油が滲み出すので、高速回転
条件でも流出や飛散することなく、自動調心転がり軸受
においても適量の液体潤滑剤を供給できるものである。
触部の表面から徐々に潤滑油が滲み出すので、高速回転
条件でも流出や飛散することなく、自動調心転がり軸受
においても適量の液体潤滑剤を供給できるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の自動調心転がり軸受では、軸受部品を全て組み立てた
後に、潤滑油または潤滑グリースと合成樹脂とのゲル状
混合物を部品同士の間隙を全て満たすように充填し、そ
の後に軸受全体を加熱して前記混合物を固形化したプラ
スチックグリースを保持しているから、図3(a)、
(b)に示すように、固形潤滑組成物20と転動体5の
外周面、および固形潤滑組成物20と内輪3および外輪
1の各軌道2、4とがいずれも隙間無く密接している。
の自動調心転がり軸受では、軸受部品を全て組み立てた
後に、潤滑油または潤滑グリースと合成樹脂とのゲル状
混合物を部品同士の間隙を全て満たすように充填し、そ
の後に軸受全体を加熱して前記混合物を固形化したプラ
スチックグリースを保持しているから、図3(a)、
(b)に示すように、固形潤滑組成物20と転動体5の
外周面、および固形潤滑組成物20と内輪3および外輪
1の各軌道2、4とがいずれも隙間無く密接している。
【0008】このように固形潤滑組成物が、内・外輪の
両方と隙間無く密接している自動調心転がり軸受は、軸
受部品と固形潤滑組成物との接触面積が大きいので、使
用中に固形潤滑組成物が熱膨張したり収縮すると、固形
潤滑組成物の全体または一部が変形したり、割れたり欠
けたりする可能性があり、プラスチックを含む固形潤滑
剤の小破片や変形箇所が内・外輪の軌道などの摩擦面に
圧接したり詰まることがある。
両方と隙間無く密接している自動調心転がり軸受は、軸
受部品と固形潤滑組成物との接触面積が大きいので、使
用中に固形潤滑組成物が熱膨張したり収縮すると、固形
潤滑組成物の全体または一部が変形したり、割れたり欠
けたりする可能性があり、プラスチックを含む固形潤滑
剤の小破片や変形箇所が内・外輪の軌道などの摩擦面に
圧接したり詰まることがある。
【0009】また、固形潤滑組成物が摩擦面に圧接した
り詰まった状態では、摩擦熱が発生して軸受が異常に発
熱したり、高温になって多量に滲み出し、潤滑油が流失
した摩擦面の摩擦抵抗が大きくなって軸受の回転トルク
を増加させるという問題が起こる。
り詰まった状態では、摩擦熱が発生して軸受が異常に発
熱したり、高温になって多量に滲み出し、潤滑油が流失
した摩擦面の摩擦抵抗が大きくなって軸受の回転トルク
を増加させるという問題が起こる。
【0010】また、転がり軸受が異常に発熱すると、潤
滑油の粘性が低下して滲み出した潤滑油がプラスチック
グリース表面から飛散して周囲を汚染したり、軸受の耐
久性(寿命)を縮めることにもなる。
滑油の粘性が低下して滲み出した潤滑油がプラスチック
グリース表面から飛散して周囲を汚染したり、軸受の耐
久性(寿命)を縮めることにもなる。
【0011】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、軸受に装着された潤滑性樹脂組成物の成
形体が、使用中に破損することなく、また潤滑油の飛散
を抑制し、軸受の回転トルクを長時間低く安定させるこ
とができる自動調心転がり軸受を提供することである。
点を解決して、軸受に装着された潤滑性樹脂組成物の成
形体が、使用中に破損することなく、また潤滑油の飛散
を抑制し、軸受の回転トルクを長時間低く安定させるこ
とができる自動調心転がり軸受を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願の自動調心転がり軸受に係る発明では、外輪
内周に球面の軌道を形成し、内輪外周に二列の軌道を形
成し、前記内輪の軌道に転動体を配列すると共に各転動
体を保持器で保持し、前記内・外輪はそれぞれの回転軸
線が交差する状態で回転可能な自動調心転がり軸受にお
いて、前記内・外輪の間で二列の転動体に囲まれた軸回
りにリング状の間隙に、潤滑油または潤滑グリースと合
成樹脂とからなる潤滑性樹脂組成物のリング状成形体
を、内・外輪の少なくとも一方に対して非接触状態に保
持したことを特徴とする自動調心転がり軸受としたので
ある。上記したリング状成形体は、保持器に沿わせて内
・外輪間に組み込み可能な軸受部品であってもよく、保
持器と外輪内周面との間隙に潤滑性樹脂組成物を充填し
て加熱成形したリング状成形体であってもよい。
めに、本願の自動調心転がり軸受に係る発明では、外輪
内周に球面の軌道を形成し、内輪外周に二列の軌道を形
成し、前記内輪の軌道に転動体を配列すると共に各転動
体を保持器で保持し、前記内・外輪はそれぞれの回転軸
線が交差する状態で回転可能な自動調心転がり軸受にお
いて、前記内・外輪の間で二列の転動体に囲まれた軸回
りにリング状の間隙に、潤滑油または潤滑グリースと合
成樹脂とからなる潤滑性樹脂組成物のリング状成形体
を、内・外輪の少なくとも一方に対して非接触状態に保
持したことを特徴とする自動調心転がり軸受としたので
ある。上記したリング状成形体は、保持器に沿わせて内
・外輪間に組み込み可能な軸受部品であってもよく、保
持器と外輪内周面との間隙に潤滑性樹脂組成物を充填し
て加熱成形したリング状成形体であってもよい。
【0013】上記した本願の自動調心転がり軸受に係る
発明では、潤滑性樹脂組成物のリング状成形体を内・外
輪の少なくとも一方に対して非接触状態に保持するの
で、リング状成形体は、内輪および外輪に同時に接触せ
ず、軸受部品とリング状成形体とが接触して摩擦される
面積は適当に小さくなる。
発明では、潤滑性樹脂組成物のリング状成形体を内・外
輪の少なくとも一方に対して非接触状態に保持するの
で、リング状成形体は、内輪および外輪に同時に接触せ
ず、軸受部品とリング状成形体とが接触して摩擦される
面積は適当に小さくなる。
【0014】そのため、リング状成形体は、使用中に過
度に発熱せず、熱膨張や収縮の割合が小さくて破損し難
くなり、その一部が変形したり割れたり欠けたりする可
能性が低くなる。
度に発熱せず、熱膨張や収縮の割合が小さくて破損し難
くなり、その一部が変形したり割れたり欠けたりする可
能性が低くなる。
【0015】リング状成形体の表面に滲み出した潤滑油
は、内輪もしくは外輪または転動体や保持器から間接的
に摩擦面に供給され、軸受の回転トルクを低く安定させ
るが、過度に発熱しないので、潤滑油は安定して適量で
あって余分な潤滑油が摩擦面に存在しないので飛散せ
ず、軸受の周囲に油汚染がなく、潤滑油は少量づつ効率
良く消費されるので、軸受の耐久性(寿命)を延長させ
ることができる。
は、内輪もしくは外輪または転動体や保持器から間接的
に摩擦面に供給され、軸受の回転トルクを低く安定させ
るが、過度に発熱しないので、潤滑油は安定して適量で
あって余分な潤滑油が摩擦面に存在しないので飛散せ
ず、軸受の周囲に油汚染がなく、潤滑油は少量づつ効率
良く消費されるので、軸受の耐久性(寿命)を延長させ
ることができる。
【0016】このような作用効果は、上記自動調心転が
り軸受において、潤滑性樹脂組成物が、潤滑油または潤
滑グリース10〜90重量%と合成樹脂10〜90重量
%とからなる潤滑性樹脂組成物である場合、また、上記
自動調心転がり軸受において、前記合成樹脂が、超高分
子量ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂またはウレタン樹脂を採用した場合においてより確
実に現れる。
り軸受において、潤滑性樹脂組成物が、潤滑油または潤
滑グリース10〜90重量%と合成樹脂10〜90重量
%とからなる潤滑性樹脂組成物である場合、また、上記
自動調心転がり軸受において、前記合成樹脂が、超高分
子量ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂またはウレタン樹脂を採用した場合においてより確
実に現れる。
【0017】また、分子内に反応性有機基を有する変性
シリコーン重合体と、前記反応性有機基に反応する有機
基を有する硬化剤との混合物は、重合反応した際に三次
元網目構造の熱硬化性樹脂となり、潤滑油または潤滑グ
リースを均一分散させて保持する。
シリコーン重合体と、前記反応性有機基に反応する有機
基を有する硬化剤との混合物は、重合反応した際に三次
元網目構造の熱硬化性樹脂となり、潤滑油または潤滑グ
リースを均一分散させて保持する。
【0018】特に、潤滑油またはグリースからなる成分
とシリコーンとが相溶性がないように選択すると、三次
元網目構造体によって形成される潤滑油保持空間が大き
くなり、網目状に形成された連通孔から潤滑油または潤
滑グリースが組成物表面に安定した速度で滲みだすよう
になり、より長時間の安定した潤滑性能を発揮する自動
調心転がり軸受になる。
とシリコーンとが相溶性がないように選択すると、三次
元網目構造体によって形成される潤滑油保持空間が大き
くなり、網目状に形成された連通孔から潤滑油または潤
滑グリースが組成物表面に安定した速度で滲みだすよう
になり、より長時間の安定した潤滑性能を発揮する自動
調心転がり軸受になる。
【0019】
【発明の実施の形態】本願の発明の実施形態を、以下に
添付図面に基づいて説明する。図1(a)、(b)に示
すように、第1実施形態の自動調心転がり軸受Aは、外
輪1の内周に球面(外輪の軸線上に中心を有する球体の
球面)の軌道2を形成し、内輪3の外周に中つば3aを
介して二列の軌道4を形成し、内輪3に溝形に形成され
た軌道4には多数の転動体(ころ)5をのせて保持器6
で等間隔に配置すると共に回転自在に保持している。そ
して、潤滑油または潤滑グリースと合成樹脂との混合物
からなる潤滑性樹脂成形体を別途用意した金型でリング
状成形体7に予め加熱成形しておき、これを軸受部品の
組み立て時に内輪3および外輪1の間で二列の転動体5
で囲まれる軸回りのほぼリング状の間隙に保持されるよ
うに、保持器6に沿わせて嵌め入れた自動調心転がり軸
受である。
添付図面に基づいて説明する。図1(a)、(b)に示
すように、第1実施形態の自動調心転がり軸受Aは、外
輪1の内周に球面(外輪の軸線上に中心を有する球体の
球面)の軌道2を形成し、内輪3の外周に中つば3aを
介して二列の軌道4を形成し、内輪3に溝形に形成され
た軌道4には多数の転動体(ころ)5をのせて保持器6
で等間隔に配置すると共に回転自在に保持している。そ
して、潤滑油または潤滑グリースと合成樹脂との混合物
からなる潤滑性樹脂成形体を別途用意した金型でリング
状成形体7に予め加熱成形しておき、これを軸受部品の
組み立て時に内輪3および外輪1の間で二列の転動体5
で囲まれる軸回りのほぼリング状の間隙に保持されるよ
うに、保持器6に沿わせて嵌め入れた自動調心転がり軸
受である。
【0020】図2に示すように、第2実施形態の自動調
心転がり軸受Bは、第1実施形態における「ころ」に代
えて玉(ボール)の転動体8を採用したものであり、内
輪9の軌道10の溝形状を円溝に形成し、リング状成形
体11を径方向断面が台形状の環状のものとし、また保
持器12を二列の転動体8を食い違い状に配置して保持
するものを採用したこと以外は、第1実施形態と同様に
組み立てられた自動調心転がり軸受である。なお、図中
番号13は、外輪を示している。
心転がり軸受Bは、第1実施形態における「ころ」に代
えて玉(ボール)の転動体8を採用したものであり、内
輪9の軌道10の溝形状を円溝に形成し、リング状成形
体11を径方向断面が台形状の環状のものとし、また保
持器12を二列の転動体8を食い違い状に配置して保持
するものを採用したこと以外は、第1実施形態と同様に
組み立てられた自動調心転がり軸受である。なお、図中
番号13は、外輪を示している。
【0021】図3に示すように、第3実施形態の自動調
心転がり軸受Cは、第1実施形態における中つば3aに
代えて内輪15の中ほどに案内輪14を回転自在に取り
付け、保持器16の形態が、内輪15の軸方向の両端部
から案内輪14の上面に至る延出部分で転動体5を囲む
保持器16であるものである。かご形保持器16と外輪
1の内周面の軌道2との間隙には、軸受の組み立て後に
流動性のある潤滑性樹脂組成物を充填し、これを合成樹
脂がゲル化または軟化する温度以上に加熱成形してリン
グ状成形体17を設けている。
心転がり軸受Cは、第1実施形態における中つば3aに
代えて内輪15の中ほどに案内輪14を回転自在に取り
付け、保持器16の形態が、内輪15の軸方向の両端部
から案内輪14の上面に至る延出部分で転動体5を囲む
保持器16であるものである。かご形保持器16と外輪
1の内周面の軌道2との間隙には、軸受の組み立て後に
流動性のある潤滑性樹脂組成物を充填し、これを合成樹
脂がゲル化または軟化する温度以上に加熱成形してリン
グ状成形体17を設けている。
【0022】このようにすると、リング状成形体17
は、かご形保持器16の外側に固定された状態に保持さ
れ、外輪1とは比較的大きな面積で摺接するが、内輪1
5の軌道18とは接しないように保持されているため、
異常な摩擦熱は発生せず、またその全体または一部が変
形したり、割れたり欠けたりすることがない。
は、かご形保持器16の外側に固定された状態に保持さ
れ、外輪1とは比較的大きな面積で摺接するが、内輪1
5の軌道18とは接しないように保持されているため、
異常な摩擦熱は発生せず、またその全体または一部が変
形したり、割れたり欠けたりすることがない。
【0023】本願の発明に使用される潤滑性樹脂組成物
の成分の潤滑油を例示すると、鉱油、合成炭化水素油、
ポリアルキレングリコール油、ジエステル油、ポリオー
ルエステル油、リン酸エステル油、ポリフェニルエーテ
ル油、シリコーン油、フッ素油などが挙げられ、このよ
うな周知の潤滑油は、軸受の耐熱性などに関わる用途に
合わせて許容できる種類を適宜に選択して使用できる。
の成分の潤滑油を例示すると、鉱油、合成炭化水素油、
ポリアルキレングリコール油、ジエステル油、ポリオー
ルエステル油、リン酸エステル油、ポリフェニルエーテ
ル油、シリコーン油、フッ素油などが挙げられ、このよ
うな周知の潤滑油は、軸受の耐熱性などに関わる用途に
合わせて許容できる種類を適宜に選択して使用できる。
【0024】この発明に使用できる潤滑グリースは、石
けんまたは非石けんで増稠した潤滑グリースであって、
基油や増稠剤の種類については特に限定したものでな
く、グリースの種類を(増ちょう剤−基油系)で示せ
ば、リチウム石けん−ジエステル系グリース、リチウム
石けん−鉱油系グリース、ナトリウム石けん−鉱油系グ
リース、アルミニウム石けん−鉱油系グリース、リチウ
ム石けん−ジエステル鉱油系グリース、非石けん−ジエ
ステル系グリース、非石けん−鉱油系グリース、非石け
ん−ポリオールエステル系グリース、リチウム石けん−
ポリオールエステル系グリース、リチウム石けん−シリ
コーン油系グリース、PTFE−フッ素油系グリースな
どを例示できる。
けんまたは非石けんで増稠した潤滑グリースであって、
基油や増稠剤の種類については特に限定したものでな
く、グリースの種類を(増ちょう剤−基油系)で示せ
ば、リチウム石けん−ジエステル系グリース、リチウム
石けん−鉱油系グリース、ナトリウム石けん−鉱油系グ
リース、アルミニウム石けん−鉱油系グリース、リチウ
ム石けん−ジエステル鉱油系グリース、非石けん−ジエ
ステル系グリース、非石けん−鉱油系グリース、非石け
ん−ポリオールエステル系グリース、リチウム石けん−
ポリオールエステル系グリース、リチウム石けん−シリ
コーン油系グリース、PTFE−フッ素油系グリースな
どを例示できる。
【0025】本願の発明に用いる合成樹脂は、熱可塑性
樹脂または熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、粉
末形態の樹脂材料を使用すれば、混合する際に潤滑油ま
たは潤滑グリースに均一に混合し易くて好ましい。熱可
塑性樹脂粉末の具体例としては、超高分子量ポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリアセタールの各粉末形態のもの
が挙げられる。
樹脂または熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、粉
末形態の樹脂材料を使用すれば、混合する際に潤滑油ま
たは潤滑グリースに均一に混合し易くて好ましい。熱可
塑性樹脂粉末の具体例としては、超高分子量ポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリアセタールの各粉末形態のもの
が挙げられる。
【0026】上記した超高分子量ポリオレフィンは、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンもしくはこれ
らの共重合体または各重合体の粉末を配合した混合粉末
からなる材料であり、これらの粉末の状態の分子量は、
粘度法によって測定される平均分子量として1×106
〜5×106 である。このような超高分子量のポリオレ
フィンからなる成形体は、剛性及び保油性において低分
子量のポリオレフィンより優れており、また加熱しても
ほとんど流動することがないものである。
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンもしくはこれ
らの共重合体または各重合体の粉末を配合した混合粉末
からなる材料であり、これらの粉末の状態の分子量は、
粘度法によって測定される平均分子量として1×106
〜5×106 である。このような超高分子量のポリオレ
フィンからなる成形体は、剛性及び保油性において低分
子量のポリオレフィンより優れており、また加熱しても
ほとんど流動することがないものである。
【0027】潤滑性樹脂成形体の成形材料である混合物
中の超高分子量ポリオレフィンの配合割合は、90〜1
0重量%であり、その配合量によって成形体の離油度、
粘り強さおよび硬さを所要の程度に変更することができ
る。たとえば、超高分子量ポリオレフィンの配合量が多
いほど、これを含む成形体は硬くなる。
中の超高分子量ポリオレフィンの配合割合は、90〜1
0重量%であり、その配合量によって成形体の離油度、
粘り強さおよび硬さを所要の程度に変更することができ
る。たとえば、超高分子量ポリオレフィンの配合量が多
いほど、これを含む成形体は硬くなる。
【0028】前記した潤滑油に、超高分子量ポリオレフ
ィンまたはその他の熱可塑性樹脂を分散保持させるに
は、上記した潤滑油または潤滑グリースを粉状の樹脂材
料を混合した後、熱可塑性樹脂がゲル化を起す温度以上
であって、例えば150〜200℃程度に加熱し、その
後、冷却して固形化させ、油性面すなわち油が滲み出る
面のある潤滑性樹脂成形体とする。
ィンまたはその他の熱可塑性樹脂を分散保持させるに
は、上記した潤滑油または潤滑グリースを粉状の樹脂材
料を混合した後、熱可塑性樹脂がゲル化を起す温度以上
であって、例えば150〜200℃程度に加熱し、その
後、冷却して固形化させ、油性面すなわち油が滲み出る
面のある潤滑性樹脂成形体とする。
【0029】また、潤滑グリースを分散保持させる場合
には、熱可塑性樹脂のゲル化点以上でありかつグリース
の滴点以下の温度を前記加熱温度として採用する。
には、熱可塑性樹脂のゲル化点以上でありかつグリース
の滴点以下の温度を前記加熱温度として採用する。
【0030】本願の発明に用いる熱硬化性樹脂として
は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。
は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。
【0031】上記したシリコーン樹脂の材料のうち、反
応性有機基を有する変性シリコーン重合体は、分子内に
反応性有機基を有するシリコーン樹脂材料であり、これ
は反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤と混合
することによって架橋(硬化)反応し、三次元網目構造
の熱硬化性樹脂になるものである。
応性有機基を有する変性シリコーン重合体は、分子内に
反応性有機基を有するシリコーン樹脂材料であり、これ
は反応性有機基に反応する有機基を有する硬化剤と混合
することによって架橋(硬化)反応し、三次元網目構造
の熱硬化性樹脂になるものである。
【0032】上記の変性シリコーン重合体としては、シ
リコーンの側鎖または末端にアミノ基、エポキシ基、水
酸基、メルカプト基、カルボキシル基などが結合した周
知の変性シリコーン重合体を採用できる。
リコーンの側鎖または末端にアミノ基、エポキシ基、水
酸基、メルカプト基、カルボキシル基などが結合した周
知の変性シリコーン重合体を採用できる。
【0033】変性シリコーン重合体と硬化剤における反
応性有機基との組み合わせは、互いに反応する有機基で
あれば任意に選定して組み合わせることができる。
応性有機基との組み合わせは、互いに反応する有機基で
あれば任意に選定して組み合わせることができる。
【0034】すなわち、変性シリコーンと硬化剤の反応
性有機基との好ましい組み合わせの例は、ヒドロキシル
基とイソシアナート基、ヒドロキシル基とカルボキシル
基、ヒドロキシル基とエポキシ基、またはアミノ基とイ
ソシアナート基、アミノ基とカルボキシル基、アミノ基
とエポキシ基などである。これらの有機基の組み合わせ
例は、一方の有機基がシリコーンまたは硬化剤のいずれ
かに結合することを限定したものでなく、例えば、アミ
ノ基とエポキシ基の組み合わせであれば、アミノ変性シ
リコーンとエポキシ硬化剤、およびエポキシ変性シリコ
ーンとアミン硬化剤の両方の組み合わせを含む。
性有機基との好ましい組み合わせの例は、ヒドロキシル
基とイソシアナート基、ヒドロキシル基とカルボキシル
基、ヒドロキシル基とエポキシ基、またはアミノ基とイ
ソシアナート基、アミノ基とカルボキシル基、アミノ基
とエポキシ基などである。これらの有機基の組み合わせ
例は、一方の有機基がシリコーンまたは硬化剤のいずれ
かに結合することを限定したものでなく、例えば、アミ
ノ基とエポキシ基の組み合わせであれば、アミノ変性シ
リコーンとエポキシ硬化剤、およびエポキシ変性シリコ
ーンとアミン硬化剤の両方の組み合わせを含む。
【0035】また、変性シリコーン重合体は、反応性有
機基以外の部分を金属で置換してもよく、たとえばシリ
コーンの一部をアルミニウムやチタン等の金属で置換し
たメタロシロキサンを使用すれば、より耐熱性に優れた
組成物が得られる。
機基以外の部分を金属で置換してもよく、たとえばシリ
コーンの一部をアルミニウムやチタン等の金属で置換し
たメタロシロキサンを使用すれば、より耐熱性に優れた
組成物が得られる。
【0036】前記エポキシ基を有する硬化剤として好ま
しい化合物の具体例としては、ビスフェノール型エポキ
シ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。ビ
スフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンの反応物があり、その市販品
として油化シェルエポキシ社製:エピコート825,8
27,828,834,815が挙げられ、またビスフ
ェノールFとエピクロルヒドリンの反応物として、油化
シェルエポキシ社製:エピコート807が挙げられる。
しい化合物の具体例としては、ビスフェノール型エポキ
シ化合物、環式脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。ビ
スフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンの反応物があり、その市販品
として油化シェルエポキシ社製:エピコート825,8
27,828,834,815が挙げられ、またビスフ
ェノールFとエピクロルヒドリンの反応物として、油化
シェルエポキシ社製:エピコート807が挙げられる。
【0037】そして、環式脂肪族エポキシ化合物として
は、アリサイクリックジエポキシアセタール(チバガイ
ギー社製:CY175)、アリサイクリックジエポキシ
アジペート(チバガイギー社製:CY177)、アリサ
イクリックジエポキシカルボキシレート(チバガイギー
社製:CY179)、ビニルシクロヘキセンジオキサイ
ド、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒド
ロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、
ジメチルグリシジルフタレート、ジメチルグリシジルヘ
キサヒドロフタレート、ダイコー酸グリシジルエステ
ル、ダイコー酸グリシジルエステル変成物、アロコティ
ックジグリシジルエステル、シクロアリファティックジ
グリシジルエステルなどが挙げられる。
は、アリサイクリックジエポキシアセタール(チバガイ
ギー社製:CY175)、アリサイクリックジエポキシ
アジペート(チバガイギー社製:CY177)、アリサ
イクリックジエポキシカルボキシレート(チバガイギー
社製:CY179)、ビニルシクロヘキセンジオキサイ
ド、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒド
ロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、
ジメチルグリシジルフタレート、ジメチルグリシジルヘ
キサヒドロフタレート、ダイコー酸グリシジルエステ
ル、ダイコー酸グリシジルエステル変成物、アロコティ
ックジグリシジルエステル、シクロアリファティックジ
グリシジルエステルなどが挙げられる。
【0038】上述した合成樹脂と、潤滑油または潤滑グ
リースとの混合物の配合割合は、潤滑油または潤滑グリ
ース10〜90重量%、合成樹脂10〜90重量%とす
ればこの発明の効果が確実に得られる。合成樹脂の配合
割合が、90重量%を越えて多量に配合されると、相対
的に潤滑油または潤滑グリースの配合割合が過少になっ
て潤滑性が不充分になり、10重量%未満の少量では、
潤滑性成形体の強度が不充分になる。
リースとの混合物の配合割合は、潤滑油または潤滑グリ
ース10〜90重量%、合成樹脂10〜90重量%とす
ればこの発明の効果が確実に得られる。合成樹脂の配合
割合が、90重量%を越えて多量に配合されると、相対
的に潤滑油または潤滑グリースの配合割合が過少になっ
て潤滑性が不充分になり、10重量%未満の少量では、
潤滑性成形体の強度が不充分になる。
【0039】前記した熱硬化性樹脂に潤滑油を分散保持
させるには、上記した潤滑油または潤滑グリースを粉状
の樹脂材料および硬化剤(架橋剤)と混合した後、この
混合物を成形型中で硬化温度以上に加熱し、その後、冷
却して油性面すなわち油が滲み出る面のある潤滑性樹脂
組成物からなるリング状成形体とする。
させるには、上記した潤滑油または潤滑グリースを粉状
の樹脂材料および硬化剤(架橋剤)と混合した後、この
混合物を成形型中で硬化温度以上に加熱し、その後、冷
却して油性面すなわち油が滲み出る面のある潤滑性樹脂
組成物からなるリング状成形体とする。
【0040】また、潤滑グリースを分散保持させる場合
には、熱硬化塑性樹脂の硬化点以上でありかつグリース
の滴点以下の温度を前記加熱温度として採用することが
好ましい。
には、熱硬化塑性樹脂の硬化点以上でありかつグリース
の滴点以下の温度を前記加熱温度として採用することが
好ましい。
【0041】また、この発明の自動調心転がり軸受に
は、要所に通常の潤滑グリースや潤滑油を回転時に飛散
しない程度に適量を封入または塗布してもよい。このよ
うにすると、自動調心転がり軸受の初期潤滑性が良くな
り、軸受機構内の防水性および防錆性が高まる。
は、要所に通常の潤滑グリースや潤滑油を回転時に飛散
しない程度に適量を封入または塗布してもよい。このよ
うにすると、自動調心転がり軸受の初期潤滑性が良くな
り、軸受機構内の防水性および防錆性が高まる。
【0042】
【実施例】実施例および比較例で使用した潤滑性樹脂組
成物の原材料を一括して示すと以下の通りである。 (1)超高分子量ポリオレフィン(三井石油化学工業社
製:ミペロン、主成分がポリオレフィンのうちポリエチ
レンであり、粘度法による分子量が200万である) (2)アミノ変性シリコーン油(信越シリコーン社製) (3)環式脂肪族エポキシ樹脂(日本チバガイギー社
製:アラルダイト) 。
成物の原材料を一括して示すと以下の通りである。 (1)超高分子量ポリオレフィン(三井石油化学工業社
製:ミペロン、主成分がポリオレフィンのうちポリエチ
レンであり、粘度法による分子量が200万である) (2)アミノ変性シリコーン油(信越シリコーン社製) (3)環式脂肪族エポキシ樹脂(日本チバガイギー社
製:アラルダイト) 。
【0043】〔実施例1〜4〕表1に示した原材料を攪
拌機によって常温で均一に混合し、これをリング状の金
型に充填し、金型を150〜170℃の恒温槽で30〜
60分加熱した後、冷却して混合物(潤滑性樹脂組成
物)を固形状化し、内径99mm、外径106mm、幅
10mmの断面長方形状のリング状成形体を成形した。
得られたリング状成形体の硬さを調べ、このリング状成
形体を自動調心ころ軸受(22311B)(内径55m
m、外径120mm、幅43mm)に、図1に示すよう
に保持器に沿わせて他の軸受部品と共に組み込んだ。
拌機によって常温で均一に混合し、これをリング状の金
型に充填し、金型を150〜170℃の恒温槽で30〜
60分加熱した後、冷却して混合物(潤滑性樹脂組成
物)を固形状化し、内径99mm、外径106mm、幅
10mmの断面長方形状のリング状成形体を成形した。
得られたリング状成形体の硬さを調べ、このリング状成
形体を自動調心ころ軸受(22311B)(内径55m
m、外径120mm、幅43mm)に、図1に示すよう
に保持器に沿わせて他の軸受部品と共に組み込んだ。
【0044】組み立てられた自動調心ころ軸受を回転さ
せ、軸受回転トルクと潤滑油の飛散量を以下の方法で調
べ、これらの結果を表1に示した。 硬さ: JIS K6301 5.2によりHs(ス
プリング硬さ)を測定した。 回転トルク:試験軸受(22311B)にラジアル荷
重490Nを負荷し、室温にて500rpm、1000
rpmまたは2000rpmで1時間回転させ、1時間
経過直前の回転トルクを測定した。 潤滑油の飛散量:上記回転トルクの測定試験におい
て、それぞれ所定の回転速度で測定後、軸受から飛散し
た潤滑油の飛散量を調べ、「多い」または「少ない」の
2段階に評価した。
せ、軸受回転トルクと潤滑油の飛散量を以下の方法で調
べ、これらの結果を表1に示した。 硬さ: JIS K6301 5.2によりHs(ス
プリング硬さ)を測定した。 回転トルク:試験軸受(22311B)にラジアル荷
重490Nを負荷し、室温にて500rpm、1000
rpmまたは2000rpmで1時間回転させ、1時間
経過直前の回転トルクを測定した。 潤滑油の飛散量:上記回転トルクの測定試験におい
て、それぞれ所定の回転速度で測定後、軸受から飛散し
た潤滑油の飛散量を調べ、「多い」または「少ない」の
2段階に評価した。
【0045】
【表1】
【0046】〔比較例1〕潤滑性樹脂組成物の原材料を
表1に示す配合割合で混合し、この混合物を自動調心こ
ろ軸受(22311B)の部品(内・外輪、転動体およ
び保持器)の間隙に63.5g充填し、この軸受を15
0〜170℃の恒温槽30〜60分間加熱した後、冷却
固化し、潤滑性樹脂組成物が、転動体の外周面および内
・外輪の両軌道に隙間無く接するように自動調心ころ軸
受を製造した。得られた自動調心ころ軸受について、前
記した試験(1) 〜(3) を行い、これらの結果を表1中に
併記した。
表1に示す配合割合で混合し、この混合物を自動調心こ
ろ軸受(22311B)の部品(内・外輪、転動体およ
び保持器)の間隙に63.5g充填し、この軸受を15
0〜170℃の恒温槽30〜60分間加熱した後、冷却
固化し、潤滑性樹脂組成物が、転動体の外周面および内
・外輪の両軌道に隙間無く接するように自動調心ころ軸
受を製造した。得られた自動調心ころ軸受について、前
記した試験(1) 〜(3) を行い、これらの結果を表1中に
併記した。
【0047】〔比較例2〕基油に鉱油を採用し、リチウ
ム石鹸を増ちょう剤に使用したLi石鹸−鉱油系グリー
スを自動調心ころ軸受(22311B)の部品間隙に6
3.5g充填し、グリース充填の自動調心ころ軸受につ
いて、前記した試験(2) 、(3) を行い、これらの結果を
表1中に併記した。
ム石鹸を増ちょう剤に使用したLi石鹸−鉱油系グリー
スを自動調心ころ軸受(22311B)の部品間隙に6
3.5g充填し、グリース充填の自動調心ころ軸受につ
いて、前記した試験(2) 、(3) を行い、これらの結果を
表1中に併記した。
【0048】表1の試験結果から明らかなように、軸受
内間隙に潤滑性樹脂組成物を隙間無く充填した比較例1
は、潤滑油の飛散量は少ないが、500rpmまたは1
000rpmの回転速度で回転トルクが0.55〜0.
61N・mと比較的大きい値であった。また、通常の潤
滑グリースを使用した比較例2は、回転トルクは小さい
が潤滑剤の飛散量が多かった。
内間隙に潤滑性樹脂組成物を隙間無く充填した比較例1
は、潤滑油の飛散量は少ないが、500rpmまたは1
000rpmの回転速度で回転トルクが0.55〜0.
61N・mと比較的大きい値であった。また、通常の潤
滑グリースを使用した比較例2は、回転トルクは小さい
が潤滑剤の飛散量が多かった。
【0049】これに対して、実施例1〜4は、潤滑油の
飛散量が少なく、軸受回転トルクも小さく安定してお
り、軸受の耐久性にも優れていると認められた。
飛散量が少なく、軸受回転トルクも小さく安定してお
り、軸受の耐久性にも優れていると認められた。
【0050】〔実施例5〜8〕表1に示した実施例1〜
4の潤滑性樹脂組成物をそれぞれ図3に示した自動調心
転がり軸受(22216B)(内径80mm、外径14
0mm、幅33mm)のかご形保持器16と外輪1の内
周面の軌道2との間隙に、治具を用いて充填し、そのま
ま軸受全体を150〜170℃の恒温槽で30〜60分
加熱した後、冷却して混合物を固形状化し、リング状成
形体17を設けた自動調心転がり軸受(実施例5〜8)
を製造した。
4の潤滑性樹脂組成物をそれぞれ図3に示した自動調心
転がり軸受(22216B)(内径80mm、外径14
0mm、幅33mm)のかご形保持器16と外輪1の内
周面の軌道2との間隙に、治具を用いて充填し、そのま
ま軸受全体を150〜170℃の恒温槽で30〜60分
加熱した後、冷却して混合物を固形状化し、リング状成
形体17を設けた自動調心転がり軸受(実施例5〜8)
を製造した。
【0051】得られた自動調心ころ軸受を回転させ、軸
受回転トルクと潤滑油の飛散量を実施例1〜4に対する
試験方法と同様にして調べたところ、実施例5〜8は、
比較例1(従来品)の回転トルクに比べて約60%程度
の低い回転トルクを示し、潤滑油の飛散量が少なく、軸
受の耐久性に優れているものと認められた。
受回転トルクと潤滑油の飛散量を実施例1〜4に対する
試験方法と同様にして調べたところ、実施例5〜8は、
比較例1(従来品)の回転トルクに比べて約60%程度
の低い回転トルクを示し、潤滑油の飛散量が少なく、軸
受の耐久性に優れているものと認められた。
【0052】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、自動
調心転がり軸受の所定のリング状の間隙に、潤滑油また
は潤滑グリースと合成樹脂とからなる潤滑性樹脂組成物
のリング状成形体を、内・外輪の少なくとも一方に対し
て非接触状態に保持したので、摩擦面と潤滑性樹脂成形
体に摩擦熱が発生し難く、潤滑性樹脂成形体に保持され
た潤滑油が飛散せず、また潤滑性樹脂成形体が破損し難
くなり、軸受回転トルクが増大せず自動調心転がり軸受
の耐久性が向上するという利点がある。
調心転がり軸受の所定のリング状の間隙に、潤滑油また
は潤滑グリースと合成樹脂とからなる潤滑性樹脂組成物
のリング状成形体を、内・外輪の少なくとも一方に対し
て非接触状態に保持したので、摩擦面と潤滑性樹脂成形
体に摩擦熱が発生し難く、潤滑性樹脂成形体に保持され
た潤滑油が飛散せず、また潤滑性樹脂成形体が破損し難
くなり、軸受回転トルクが増大せず自動調心転がり軸受
の耐久性が向上するという利点がある。
【0053】また、上記したような利点は、自動調心転
がり軸受における潤滑性樹脂組成物が所定の割合で配合
された発明において、または合成樹脂が所定の種類であ
る発明においてより確実に奏される。
がり軸受における潤滑性樹脂組成物が所定の割合で配合
された発明において、または合成樹脂が所定の種類であ
る発明においてより確実に奏される。
【0054】また、分子内に反応性有機基を有する変性
シリコーン重合体と、所定の硬化剤を用いた潤滑性樹脂
組成物からなるリング状成形体を用いた発明では、潤滑
油又は潤滑グリースがより均一に分散するので、上記利
点はより確実に奏される。
シリコーン重合体と、所定の硬化剤を用いた潤滑性樹脂
組成物からなるリング状成形体を用いた発明では、潤滑
油又は潤滑グリースがより均一に分散するので、上記利
点はより確実に奏される。
【図1】(a)第1実施形態の要部の正面図 (b)同上の I−I 線断面図
【図2】第2実施形態の要部の断面図
【図3】(a)第3実施形態の要部の正面図 (b)同上のIII −III 線断面図
【図4】(a)従来例の要部の正面図 (b)同上の IV −IV線断面図
1、13 外輪 2、4、10、18 軌道 3、9、15 内輪 5、8 転動体 6、12、16 保持器 7、11、17 リング状成形体 14 案内輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 剛 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J012 AB12 BB01 DB01 FB07 HB01 3J101 AA03 AA13 AA32 AA43 AA52 AA62 BA80 CA01 CA11 CA40 DA14 EA36 EA37 EA38 EA64 EA67 FA32
Claims (6)
- 【請求項1】 外輪内周に球面の軌道を形成し、内輪外
周に二列の軌道を形成し、前記内輪の軌道に転動体を配
列すると共に各転動体を保持器で保持し、前記内・外輪
はそれぞれの回転軸線が交差する状態で回転可能な自動
調心転がり軸受において、 前記内・外輪の間で二列の転動体に囲まれた軸回りにリ
ング状の間隙に、潤滑油または潤滑グリースと合成樹脂
とからなる潤滑性樹脂組成物のリング状成形体を、内・
外輪の少なくとも一方に対して非接触状態に保持したこ
とを特徴とする自動調心転がり軸受。 - 【請求項2】 リング状成形体が、保持器に沿わせて内
・外輪間に組み込み可能な軸受部品である請求項1記載
の自動調心転がり軸受。 - 【請求項3】 リング状成形体が、保持器と外輪内周面
との間隙に潤滑性樹脂組成物を充填して加熱成形したリ
ング状成形体である請求項1記載の自動調心転がり軸
受。 - 【請求項4】 潤滑性樹脂組成物が、潤滑油または潤滑
グリース10〜90重量%と合成樹脂10〜90重量%
とからなる潤滑性樹脂組成物である請求項1〜3のいず
れか1項に記載の自動調心転がり軸受。 - 【請求項5】 合成樹脂が、超高分子量ポリオレフィン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはウレタン
樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動調
心転がり軸受。 - 【請求項6】 合成樹脂が、反応性有機基を有する変成
シリコーン重合体を前記反応性有機基に反応する基を有
する硬化剤で硬化させた熱硬化性樹脂である請求項1〜
4のいずれか1項に記載の自動調心転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10351657A JP2000170757A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 自動調心転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10351657A JP2000170757A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 自動調心転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000170757A true JP2000170757A (ja) | 2000-06-20 |
Family
ID=18418746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10351657A Pending JP2000170757A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 自動調心転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000170757A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002349681A (ja) * | 2001-05-23 | 2002-12-04 | Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd | 波動歯車装置の潤滑機構 |
JP2007247739A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Nippon Thompson Co Ltd | 潤滑層形成軸受、および、この軸受に潤滑層を形成する方法 |
CN104389899A (zh) * | 2014-10-13 | 2015-03-04 | 北京控制工程研究所 | 一种带预载滚动式关节轴承 |
DE102013221604A1 (de) * | 2013-10-24 | 2015-04-30 | Aktiebolaget Skf | Vollrolliges, mehrreihiges Wälzlager |
-
1998
- 1998-12-10 JP JP10351657A patent/JP2000170757A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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