JP2000169629A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤInfo
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- JP2000169629A JP2000169629A JP10351588A JP35158898A JP2000169629A JP 2000169629 A JP2000169629 A JP 2000169629A JP 10351588 A JP10351588 A JP 10351588A JP 35158898 A JP35158898 A JP 35158898A JP 2000169629 A JP2000169629 A JP 2000169629A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 湿潤路面でのグリップ性及び乾燥路面でのグ
リップ性を向上させたタイヤを与えることができるとと
もに、押出し工程における空隙の発生及び引火の危険性
が少ないゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤ
を提供すること。 【解決手段】 (A)天然ゴムやジエン系合成ゴム、
(B)ケイ酸系無機充填剤、(C)フェニル基と水酸基
を有する特定構造の有機ケイ素化合物及び場合により
(D)カップリング剤を含有してなるゴム組成物、並び
にこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤである。
リップ性を向上させたタイヤを与えることができるとと
もに、押出し工程における空隙の発生及び引火の危険性
が少ないゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤ
を提供すること。 【解決手段】 (A)天然ゴムやジエン系合成ゴム、
(B)ケイ酸系無機充填剤、(C)フェニル基と水酸基
を有する特定構造の有機ケイ素化合物及び場合により
(D)カップリング剤を含有してなるゴム組成物、並び
にこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物及びそ
れを用いた空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、湿
潤路面でのグリップ性及び乾燥路面でのグリップ性を向
上させたタイヤを与えることができるとともに、押出し
工程での空隙(ポーラス)の発生及び引火の危険性が少
ないゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた空気入り
タイヤに関するものである。
れを用いた空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、湿
潤路面でのグリップ性及び乾燥路面でのグリップ性を向
上させたタイヤを与えることができるとともに、押出し
工程での空隙(ポーラス)の発生及び引火の危険性が少
ないゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた空気入り
タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴム用補強充填剤としては、カー
ボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラ
ックが他の充填剤に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗
性を付与しうるからである。一方、近年の省エネルギー
の社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的と
して、タイヤ用ゴムの低発熱化、すなわち低転がり抵抗
を図る場合、カーボンブラックの充填量減量、あるいは
大粒径のカーボンブラックの使用が考えられるが、いず
れの場合も、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ
性が低下するのを免れないことが知られている。他方、
低発熱性と、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ
性を両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリ
カ)が知られており、例えば特開平3−252431号
公報,特開平6−248116号公報,特開平7−70
369号公報,特開平7−188466号公報,特開平
7−196850号公報,特開平8−225684号公
報,特開平8−245838号公報,特開平8−337
687号公報など、数多くの特許が出願されている。
ボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラ
ックが他の充填剤に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗
性を付与しうるからである。一方、近年の省エネルギー
の社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的と
して、タイヤ用ゴムの低発熱化、すなわち低転がり抵抗
を図る場合、カーボンブラックの充填量減量、あるいは
大粒径のカーボンブラックの使用が考えられるが、いず
れの場合も、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ
性が低下するのを免れないことが知られている。他方、
低発熱性と、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ
性を両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリ
カ)が知られており、例えば特開平3−252431号
公報,特開平6−248116号公報,特開平7−70
369号公報,特開平7−188466号公報,特開平
7−196850号公報,特開平8−225684号公
報,特開平8−245838号公報,特開平8−337
687号公報など、数多くの特許が出願されている。
【0003】しかしながら、この含水ケイ酸は、同程度
の比表面積を有するカーボンブラックと比較して、乾燥
路面でのグリップ性が劣るという欠点を有している。上
記貯蔵弾性率を高める方法として、含水ケイ酸の充填量
の増量、含水ケイ酸の比表面積の増大などが知られてい
るが、いずれの場合も、ゴム組成物の粘度が上昇し、工
場作業性を低下させるという問題がある。ところで、ゴ
ム組成物の諸物性を改良する目的で、これまで、様々な
有機ケイ素化合物の配合が試みられている。例えばアリ
ール基を有するクロロシランやアルコキシシランをシリ
カに対して5〜50重量%の割合で用いたシリカ配合高
減衰ゴム組成物(特開平7−41603号公報)、シリ
ル化剤として、フェニル基を有するアルコキシシランを
配合したトレッド用ゴム組成物(特開平8−25973
8号公報公報)、アルコキシシランを含有するシリカ配
合ゴム組成物(特開平10−182885号公報)など
が提案されている。
の比表面積を有するカーボンブラックと比較して、乾燥
路面でのグリップ性が劣るという欠点を有している。上
記貯蔵弾性率を高める方法として、含水ケイ酸の充填量
の増量、含水ケイ酸の比表面積の増大などが知られてい
るが、いずれの場合も、ゴム組成物の粘度が上昇し、工
場作業性を低下させるという問題がある。ところで、ゴ
ム組成物の諸物性を改良する目的で、これまで、様々な
有機ケイ素化合物の配合が試みられている。例えばアリ
ール基を有するクロロシランやアルコキシシランをシリ
カに対して5〜50重量%の割合で用いたシリカ配合高
減衰ゴム組成物(特開平7−41603号公報)、シリ
ル化剤として、フェニル基を有するアルコキシシランを
配合したトレッド用ゴム組成物(特開平8−25973
8号公報公報)、アルコキシシランを含有するシリカ配
合ゴム組成物(特開平10−182885号公報)など
が提案されている。
【0004】しかしながら、上記クロロシランはケイ酸
系化合物との反応により塩化水素が発生するため、装置
の腐食などの問題があり、工業的には使用しにくい。ま
た、アルコキシシランは、ケイ酸系化合物との反応によ
りアルコールが生成するため、引火の危険性がある上、
発泡や空隙が生じ、所望の形状及び品質を有する成形品
が得られにくいなどの問題がある。また、シラノール末
端ポリジメチルシロキサンを配合したゴム組成物が開示
されているが(特開平10−176081号公報)、こ
のゴム組成物は可塑剤などの移行を抑制し、低モジュラ
スでかつ加工性を向上させたものであって、乾燥路面で
のグリップ性の改良効果については、なんら示されてい
ない。
系化合物との反応により塩化水素が発生するため、装置
の腐食などの問題があり、工業的には使用しにくい。ま
た、アルコキシシランは、ケイ酸系化合物との反応によ
りアルコールが生成するため、引火の危険性がある上、
発泡や空隙が生じ、所望の形状及び品質を有する成形品
が得られにくいなどの問題がある。また、シラノール末
端ポリジメチルシロキサンを配合したゴム組成物が開示
されているが(特開平10−176081号公報)、こ
のゴム組成物は可塑剤などの移行を抑制し、低モジュラ
スでかつ加工性を向上させたものであって、乾燥路面で
のグリップ性の改良効果については、なんら示されてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、特に自動車のタイヤに使用した場合に、湿潤
路面でのグリップ性と乾燥路面でのグリップ性を向上さ
せるとともに、押出し工程での空隙の発生及び引火の危
険性が少ないゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタ
イヤを提供することを目的とするものである。
状況下で、特に自動車のタイヤに使用した場合に、湿潤
路面でのグリップ性と乾燥路面でのグリップ性を向上さ
せるとともに、押出し工程での空隙の発生及び引火の危
険性が少ないゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタ
イヤを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の好ま
しい性質を有するゴム組成物を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、天然ゴムやジエン系合成ゴムに対し、ケイ酸
系無機充填剤、特定の構造のフェニル基と水酸基を有す
る有機ケイ素化合物及び所望によりカップリング剤を配
合することにより、その目的を達成しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、(1)(A)天然ゴム及び/
又はジエン系合成ゴム、(B)ケイ酸系無機充填剤及び
(C)一般式(I) 〔R1 3SiO1/2 〕a 〔R2 2SiO〕b 〔R3 SiO3/2 〕c 〔SiO2 〕d 〔 O1/2 H〕(-a+c+2d+2) ・・・(I) (式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれフェニル基又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、三つのR1 及び二
つのR2 は、それぞれにおいて同一でも異なっていても
よいが、分子中に少なくとも一つのフェニル基を有する
ことが必要であり、a,b,c及びdは0以上の整数を
示し、a+b+cは1以上の整数、−a+c+2dは−
1以上の整数である。なお、aが複数のとき複数の〔R
1 3SiO1/ 2 〕は互いに同一でも異なっていてもよく、
bが複数のとき複数の〔R2 2SiO〕は互いに同一でも
異なっていてもよく、またcが複数のとき複数の〔R3
SiO3/2 〕は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるフェニル基と水酸基を有する有機ケイ素化合
物を含有することを特徴とするゴム組成物、(2)さら
に、(D)カップリング剤を、(B)成分に対し、1〜
15重量%の割合で含有する上記(1)のゴム組成物、
及び(3)上記(1),(2)のゴム組成物を用いた空
気入りタイヤ、を提供するものである。
しい性質を有するゴム組成物を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、天然ゴムやジエン系合成ゴムに対し、ケイ酸
系無機充填剤、特定の構造のフェニル基と水酸基を有す
る有機ケイ素化合物及び所望によりカップリング剤を配
合することにより、その目的を達成しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、(1)(A)天然ゴム及び/
又はジエン系合成ゴム、(B)ケイ酸系無機充填剤及び
(C)一般式(I) 〔R1 3SiO1/2 〕a 〔R2 2SiO〕b 〔R3 SiO3/2 〕c 〔SiO2 〕d 〔 O1/2 H〕(-a+c+2d+2) ・・・(I) (式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれフェニル基又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、三つのR1 及び二
つのR2 は、それぞれにおいて同一でも異なっていても
よいが、分子中に少なくとも一つのフェニル基を有する
ことが必要であり、a,b,c及びdは0以上の整数を
示し、a+b+cは1以上の整数、−a+c+2dは−
1以上の整数である。なお、aが複数のとき複数の〔R
1 3SiO1/ 2 〕は互いに同一でも異なっていてもよく、
bが複数のとき複数の〔R2 2SiO〕は互いに同一でも
異なっていてもよく、またcが複数のとき複数の〔R3
SiO3/2 〕は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるフェニル基と水酸基を有する有機ケイ素化合
物を含有することを特徴とするゴム組成物、(2)さら
に、(D)カップリング剤を、(B)成分に対し、1〜
15重量%の割合で含有する上記(1)のゴム組成物、
及び(3)上記(1),(2)のゴム組成物を用いた空
気入りタイヤ、を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物においては、
(A)成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴ
ムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、
例えばポリイソプレン合成ゴム(IR),ポリブタジエ
ンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SB
R),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),ク
ロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(IIR)などが
挙げられる。この(A)成分の天然ゴムやジエン系合成
ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。次に、本発明のゴム組成物においては、
(B)成分として、ケイ酸系無機充填剤が用いられる。
このケイ酸系無機充填剤としては特に制限はなく、従来
ゴム補強用として慣用されている乾式法シリカや湿式法
シリカ(含水ケイ酸)などの中から適宜選択して用いる
ことができるが、これらの中で湿式法シリカが好まし
く、特にゴム組成物の物性面を考慮すると、窒素吸着比
表面積(BET)が80〜300m2 /gの範囲にある
ものが好適である。なお、該BET値は、J.Am.C
hem.Soc.,60巻,309頁(1938年)に
記載された理論に基づいて、マイクロ・データ(株)
製、全自動比表面積測定装置ベータ4232型を用い
て、一点法により測定した値である。
(A)成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴ
ムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、
例えばポリイソプレン合成ゴム(IR),ポリブタジエ
ンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SB
R),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),ク
ロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(IIR)などが
挙げられる。この(A)成分の天然ゴムやジエン系合成
ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。次に、本発明のゴム組成物においては、
(B)成分として、ケイ酸系無機充填剤が用いられる。
このケイ酸系無機充填剤としては特に制限はなく、従来
ゴム補強用として慣用されている乾式法シリカや湿式法
シリカ(含水ケイ酸)などの中から適宜選択して用いる
ことができるが、これらの中で湿式法シリカが好まし
く、特にゴム組成物の物性面を考慮すると、窒素吸着比
表面積(BET)が80〜300m2 /gの範囲にある
ものが好適である。なお、該BET値は、J.Am.C
hem.Soc.,60巻,309頁(1938年)に
記載された理論に基づいて、マイクロ・データ(株)
製、全自動比表面積測定装置ベータ4232型を用い
て、一点法により測定した値である。
【0008】また、このケイ酸系無機充填剤は、所望に
より、後述の(C)成分である有機ケイ素化合物を用
い、予め表面処理して用いてもよい。また、処理時にK
OH,(CH3)4 NOH,(n−C4 H9)4 POH等の
アルカリ触媒や、硫酸,塩酸などの酸触媒を用いてもよ
い。本発明においては、この(B)成分のケイ酸系無機
充填剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。また、その含有量は、前記(A)成分10
0重量部当たり、通常5〜140重量部の範囲で選定さ
れる。この量が5重量部未満では充分な補強効果が得ら
れず、また、140重量部を超えると、ゴム組成物に要
求される他の物性が低下するおそれがある。補強性、そ
の他物性などを考慮すると、この(B)成分の好ましい
配合量は、10〜90重量部の範囲である。
より、後述の(C)成分である有機ケイ素化合物を用
い、予め表面処理して用いてもよい。また、処理時にK
OH,(CH3)4 NOH,(n−C4 H9)4 POH等の
アルカリ触媒や、硫酸,塩酸などの酸触媒を用いてもよ
い。本発明においては、この(B)成分のケイ酸系無機
充填剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。また、その含有量は、前記(A)成分10
0重量部当たり、通常5〜140重量部の範囲で選定さ
れる。この量が5重量部未満では充分な補強効果が得ら
れず、また、140重量部を超えると、ゴム組成物に要
求される他の物性が低下するおそれがある。補強性、そ
の他物性などを考慮すると、この(B)成分の好ましい
配合量は、10〜90重量部の範囲である。
【0009】本発明の組成物においては、(C)成分と
して、フェニル基及び水酸基を有する有機ケイ素化合物
が用いられる。この有機ケイ素化合物は、一般式(I) 〔R1 3SiO1/2 〕a 〔R2 2SiO〕b 〔R3 SiO3/2 〕c 〔SiO2 〕d 〔 O1/2 H〕(-a+c+2d+2) ・・・(I) (式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれフェニル基又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、三つのR1 及び二
つのR2 は、それぞれにおいて同一でも異なっていても
よいが、分子中に少なくとも一つのフェニル基を有する
ことが必要であり、a,b,c及びdは0以上の整数を
示し、a+b+cは1以上の整数、−a+c+2dは−
1以上の整数である。なお、aが複数のとき複数の〔R
1 3SiO1/ 2 〕は互いに同一でも異なっていてもよく、
bが複数のとき複数の〔R2 2SiO〕は互いに同一でも
異なっていてもよく、またcが複数のとき複数の〔R3
SiO3/2 〕は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するものである。このように、
(C)成分の有機ケイ素化合物は、分子内にフェニル基
と水酸基を両方の基を有し、かつアルコキシル基を有し
ないことを特徴としており、前記(B)成分のケイ酸系
無機充填剤と併用することにより、その水酸基がケイ酸
系無機充填剤と反応して、ゴム組成物に所望の物性を付
与する。特に、有機ケイ素化合物中のフェニル基の存在
により、乾燥路面でのグリップ性が向上する。
して、フェニル基及び水酸基を有する有機ケイ素化合物
が用いられる。この有機ケイ素化合物は、一般式(I) 〔R1 3SiO1/2 〕a 〔R2 2SiO〕b 〔R3 SiO3/2 〕c 〔SiO2 〕d 〔 O1/2 H〕(-a+c+2d+2) ・・・(I) (式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれフェニル基又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、三つのR1 及び二
つのR2 は、それぞれにおいて同一でも異なっていても
よいが、分子中に少なくとも一つのフェニル基を有する
ことが必要であり、a,b,c及びdは0以上の整数を
示し、a+b+cは1以上の整数、−a+c+2dは−
1以上の整数である。なお、aが複数のとき複数の〔R
1 3SiO1/ 2 〕は互いに同一でも異なっていてもよく、
bが複数のとき複数の〔R2 2SiO〕は互いに同一でも
異なっていてもよく、またcが複数のとき複数の〔R3
SiO3/2 〕は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するものである。このように、
(C)成分の有機ケイ素化合物は、分子内にフェニル基
と水酸基を両方の基を有し、かつアルコキシル基を有し
ないことを特徴としており、前記(B)成分のケイ酸系
無機充填剤と併用することにより、その水酸基がケイ酸
系無機充填剤と反応して、ゴム組成物に所望の物性を付
与する。特に、有機ケイ素化合物中のフェニル基の存在
により、乾燥路面でのグリップ性が向上する。
【0010】なお、従来の有機ケイ素化合物のように、
分子内にアルコキシル基が存在すると、前述したように
押出し工程でアルコールが生成して、成形品に空隙や発
泡が生じるなど、好ましくない事態を招来するおそれが
ある上、火災の危険性もあるが、本発明に係る有機ケイ
素化合物は、分子内にアルコキシル基が存在していない
ので、このような不都合をもたらすことがない。前記一
般式(I)で表される有機ケイ素化合物としては、例え
ば一般式(I−a)
分子内にアルコキシル基が存在すると、前述したように
押出し工程でアルコールが生成して、成形品に空隙や発
泡が生じるなど、好ましくない事態を招来するおそれが
ある上、火災の危険性もあるが、本発明に係る有機ケイ
素化合物は、分子内にアルコキシル基が存在していない
ので、このような不都合をもたらすことがない。前記一
般式(I)で表される有機ケイ素化合物としては、例え
ば一般式(I−a)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、Qはフェニル基,炭素数1〜6の
アルキル基又は水酸基を示し、Phはフェニル基を示
し、pは1〜10の整数を示す。)で表される化合物を
好ましく挙げることができる。上記一般式(I−a)に
おけるQのうちのアルキル基としては、炭素数1〜6の
ものが挙げられるが、炭素数1〜4の低級アルキル基が
好ましく、特にメチル基が最適である。この一般式(I
−a)で表される有機ケイ素化合物の例としては、ジフ
ェニルシランジオール,トリフェニルシラノール,フェ
ニルシラントリオール,テトラ(フェニルメチルシロキ
サン)ジオール(式 HO[(C6 H5 )(CH3 )S
iO]4 H),オクタ(フェニルメチルシロキサン)ジ
オール(式 HO[(C 6 H5 )(CH3 )SiO]8
H)および式
アルキル基又は水酸基を示し、Phはフェニル基を示
し、pは1〜10の整数を示す。)で表される化合物を
好ましく挙げることができる。上記一般式(I−a)に
おけるQのうちのアルキル基としては、炭素数1〜6の
ものが挙げられるが、炭素数1〜4の低級アルキル基が
好ましく、特にメチル基が最適である。この一般式(I
−a)で表される有機ケイ素化合物の例としては、ジフ
ェニルシランジオール,トリフェニルシラノール,フェ
ニルシラントリオール,テトラ(フェニルメチルシロキ
サン)ジオール(式 HO[(C6 H5 )(CH3 )S
iO]4 H),オクタ(フェニルメチルシロキサン)ジ
オール(式 HO[(C 6 H5 )(CH3 )SiO]8
H)および式
【0013】
【化3】
【0014】で表されるOH変性フェニルメチルシリコ
ーンオイルなどが挙げられる。本発明においては、この
(C)成分の有機ケイ素化合物は一種用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量
は、前記(B)成分に対し、通常0.5〜10重量%の範
囲で選定される。この量が0.5重量%未満では乾燥路面
でのグリップ性の向上効果が充分に発揮されないおそれ
があり、10重量%を超えるとその量の割には効果の向
上がみられず、むしろ経済的に不利となることがある。
乾燥路面でのグリップ性の向上効果及び経済性などを考
慮すると、この(C)成分の有機ケイ素化合物の好まし
い含有量は1〜6重量%の範囲である。なお、この
(C)成分の有機ケイ素化合物は、ゴム組成物中に、そ
のまま含有させてもよいし、前記(B)成分の説明で述
べたように、その一部又は全部を用いて、(B)成分の
ケイ酸系無機充填剤の表面処理を行い、該無機充填剤に
結合させた形態でゴム組成物中に含有させてもよい。
ーンオイルなどが挙げられる。本発明においては、この
(C)成分の有機ケイ素化合物は一種用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量
は、前記(B)成分に対し、通常0.5〜10重量%の範
囲で選定される。この量が0.5重量%未満では乾燥路面
でのグリップ性の向上効果が充分に発揮されないおそれ
があり、10重量%を超えるとその量の割には効果の向
上がみられず、むしろ経済的に不利となることがある。
乾燥路面でのグリップ性の向上効果及び経済性などを考
慮すると、この(C)成分の有機ケイ素化合物の好まし
い含有量は1〜6重量%の範囲である。なお、この
(C)成分の有機ケイ素化合物は、ゴム組成物中に、そ
のまま含有させてもよいし、前記(B)成分の説明で述
べたように、その一部又は全部を用いて、(B)成分の
ケイ酸系無機充填剤の表面処理を行い、該無機充填剤に
結合させた形態でゴム組成物中に含有させてもよい。
【0015】本発明のゴム組成物において、前記(B)
成分の効果を、さらに向上させるために、所望により、
(D)成分として、カップリング剤を含有させることが
できる。このカップリング剤としては、シランカップリ
ング剤が好ましく、該シランカップリング剤としては、
従来公知のシランカップリング剤の中から任意のものを
用いることができるが、特に一般式(II) AmB3-mSi-X-Se-X-SiAmB3-m・・(II) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、mは1〜3の整数、eは1以
上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のと
きは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、m
が2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても
異なっていてもよい。)で表される化合物、一般式(II
I) AmB3-mSi-X-Y ・・・(III) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、Yはメルカプト基,ビニル
基,アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1
〜3の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同
じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のとき
は二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物、及び一般式(IV) AmB3-mSi-X-Se-Z ・・・(IV) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、Zはベンゾチアゾリル基,
N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイ
ル基、mは1〜3の整数、eは1以上の整数で分布を有
することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じ
であっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは
二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一
種を用いるのが好ましい。
成分の効果を、さらに向上させるために、所望により、
(D)成分として、カップリング剤を含有させることが
できる。このカップリング剤としては、シランカップリ
ング剤が好ましく、該シランカップリング剤としては、
従来公知のシランカップリング剤の中から任意のものを
用いることができるが、特に一般式(II) AmB3-mSi-X-Se-X-SiAmB3-m・・(II) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、mは1〜3の整数、eは1以
上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のと
きは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、m
が2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても
異なっていてもよい。)で表される化合物、一般式(II
I) AmB3-mSi-X-Y ・・・(III) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、Yはメルカプト基,ビニル
基,アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1
〜3の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同
じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のとき
は二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物、及び一般式(IV) AmB3-mSi-X-Se-Z ・・・(IV) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、Zはベンゾチアゾリル基,
N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイ
ル基、mは1〜3の整数、eは1以上の整数で分布を有
することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じ
であっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは
二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一
種を用いるのが好ましい。
【0016】前記一般式(II)で表されるシランカップ
リング剤の例としては、ビス(3−トリエトキシシリル
プロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリメトキシ
シリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−メチル
ジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス
(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド,
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィ
ド,ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフ
ィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリス
ルフィドなどが、一般式(III)で表されるシランカップ
リング剤の例としては、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン,3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシ
シラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−
アミノプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン,γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシランなどが、一般式(IV) で表される
シランカップリング剤の例としては、3−トリメトキシ
シリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラ
スルフィド,3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチ
アゾリルテトラスルフィド,3−トリメトキシシリルプ
ロピルメタクリロイルモノスルフィドなどが、それぞれ
挙げられる。
リング剤の例としては、ビス(3−トリエトキシシリル
プロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリメトキシ
シリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−メチル
ジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス
(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド,
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィ
ド,ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフ
ィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリス
ルフィドなどが、一般式(III)で表されるシランカップ
リング剤の例としては、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン,3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシ
シラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−
アミノプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン,γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシランなどが、一般式(IV) で表される
シランカップリング剤の例としては、3−トリメトキシ
シリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラ
スルフィド,3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチ
アゾリルテトラスルフィド,3−トリメトキシシリルプ
ロピルメタクリロイルモノスルフィドなどが、それぞれ
挙げられる。
【0017】本発明においては、この所望により用いら
れる(D)成分のカップリング剤は単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その
含有量は、通常前記(B)成分のケイ酸系無機充填剤に
対して1〜15重量%の範囲で選ばれる。この含有量が
1重量%未満ではカップリング剤を配合した効果が充分
に発揮されないおそれがあり、一方、15重量%を超え
るとその量の割には効果の向上がみられず、むしろ経済
的に不利となる。配合効果及び経済性などを考慮する
と、この(D)成分のカップリング剤の好ましい含有量
は1〜12重量%の範囲である。本発明のゴム組成物に
は、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、
通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,
加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,軟化剤,他
の充填剤(カーボンブラックなど),亜鉛華,ステアリ
ン酸などを含有させることができる。そして、本発明の
ゴム組成物はタイヤのトレッドゴムに好適に用いられ
る。本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を
用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要
に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明に
係るゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出
し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付
け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加
硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このように
して得られた本発明の空気入りタイヤは、発泡や空隙が
なく、タイヤ形状が安定する上に、湿潤路面でのグリッ
プ性及び乾燥路面でのグリップ性が共に良好である。
れる(D)成分のカップリング剤は単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その
含有量は、通常前記(B)成分のケイ酸系無機充填剤に
対して1〜15重量%の範囲で選ばれる。この含有量が
1重量%未満ではカップリング剤を配合した効果が充分
に発揮されないおそれがあり、一方、15重量%を超え
るとその量の割には効果の向上がみられず、むしろ経済
的に不利となる。配合効果及び経済性などを考慮する
と、この(D)成分のカップリング剤の好ましい含有量
は1〜12重量%の範囲である。本発明のゴム組成物に
は、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、
通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,
加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,軟化剤,他
の充填剤(カーボンブラックなど),亜鉛華,ステアリ
ン酸などを含有させることができる。そして、本発明の
ゴム組成物はタイヤのトレッドゴムに好適に用いられ
る。本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を
用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要
に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明に
係るゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出
し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付
け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加
硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このように
して得られた本発明の空気入りタイヤは、発泡や空隙が
なく、タイヤ形状が安定する上に、湿潤路面でのグリッ
プ性及び乾燥路面でのグリップ性が共に良好である。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、ゴム組成物の物性は、下記の要
領に従い測定した。 (1)tanδ(30℃) 幅5mm、厚さ2mmの加硫ゴム試験片について、東洋
精機(株)製レオログラフソリッドを用いて、温度30
℃、初期荷重150g、サンプル挟み幅2cm、周波数
50Hzの条件で測定した際のtanδの値を、比較例
1を100として指数表示した。数値が大きいほど、乾
燥路面でのグリップ性が良好である。 (2)湿潤路面での摩擦係数(WETμ) スタンレーロンドン社製ブリティッシュポータブルスキ
ッドテスターを用いて、湿潤コンクリート路面上を、加
硫ゴム試験片でこすって測定した際の抵抗値を、比較例
1を100として指数表示した。数値が大きいほど、湿
潤路面での摩擦係数(μ)が高く良好である。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、ゴム組成物の物性は、下記の要
領に従い測定した。 (1)tanδ(30℃) 幅5mm、厚さ2mmの加硫ゴム試験片について、東洋
精機(株)製レオログラフソリッドを用いて、温度30
℃、初期荷重150g、サンプル挟み幅2cm、周波数
50Hzの条件で測定した際のtanδの値を、比較例
1を100として指数表示した。数値が大きいほど、乾
燥路面でのグリップ性が良好である。 (2)湿潤路面での摩擦係数(WETμ) スタンレーロンドン社製ブリティッシュポータブルスキ
ッドテスターを用いて、湿潤コンクリート路面上を、加
硫ゴム試験片でこすって測定した際の抵抗値を、比較例
1を100として指数表示した。数値が大きいほど、湿
潤路面での摩擦係数(μ)が高く良好である。
【0019】(3)空隙率 未加硫ゴム組成物1gをサンプリングし、(株)東洋精
機製作所製FAD型比重計を用いて空隙率を測定した。
また、ゴム組成物の調製に用いた有機ケイ素化合物の種
類を以下に示す。 <有機ケイ素化合物> a:ジフェニルシランジオール b:HO〔(C6 H5 )(CH3 )SiO〕4 H c:〔(CH3 )2 SiO〕2 〔C6 H5 SiO3/2 〕
2 〔O1/2 H〕4 d:トリメトキシデシルシラン e:オクタメチルテトラシロキサンジオール
機製作所製FAD型比重計を用いて空隙率を測定した。
また、ゴム組成物の調製に用いた有機ケイ素化合物の種
類を以下に示す。 <有機ケイ素化合物> a:ジフェニルシランジオール b:HO〔(C6 H5 )(CH3 )SiO〕4 H c:〔(CH3 )2 SiO〕2 〔C6 H5 SiO3/2 〕
2 〔O1/2 H〕4 d:トリメトキシデシルシラン e:オクタメチルテトラシロキサンジオール
【0020】実施例1〜5及び比較例1〜3 「SBR0120」〔JSR(株)製、スチレンブタジ
エンゴム〕137.5重量部(ゴム成分:100重量部、
伸展油:37.5重量部)に対し、カーボンブラックN3
39「シーストKH」〔東海カーボン(株)製〕20.0
重量部、含水ケイ酸「Nipsil AQ」〔日本シリ
カ工業(株)製〕60.0重量部、シランカップリング剤
であるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィド(デグサ社製、Si69)3.0重量部、第1
表に示す種類と量の有機ケイ素化合物、アロマオイル1
5重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C〔N
−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−
フェニレンジアミン〕1重量部、亜鉛華3重量部、加硫
促進剤DPG(1,3−ジフェニルグアニジン)0.5重
量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィ
ド)0.5重量部、加硫促進剤CZ(N−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部及び
硫黄1.5重量部を配合し、ゴム組成物を調製した。この
ゴム組成物の空隙率を測定するとともに、150℃で3
0分間加硫して、物性測定用試験片を作製し、tanδ
(30℃)及びWETμを測定した。結果を第1表に示
す。
エンゴム〕137.5重量部(ゴム成分:100重量部、
伸展油:37.5重量部)に対し、カーボンブラックN3
39「シーストKH」〔東海カーボン(株)製〕20.0
重量部、含水ケイ酸「Nipsil AQ」〔日本シリ
カ工業(株)製〕60.0重量部、シランカップリング剤
であるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィド(デグサ社製、Si69)3.0重量部、第1
表に示す種類と量の有機ケイ素化合物、アロマオイル1
5重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C〔N
−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−
フェニレンジアミン〕1重量部、亜鉛華3重量部、加硫
促進剤DPG(1,3−ジフェニルグアニジン)0.5重
量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィ
ド)0.5重量部、加硫促進剤CZ(N−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部及び
硫黄1.5重量部を配合し、ゴム組成物を調製した。この
ゴム組成物の空隙率を測定するとともに、150℃で3
0分間加硫して、物性測定用試験片を作製し、tanδ
(30℃)及びWETμを測定した。結果を第1表に示
す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】比較例4 「SBR0120」137.5重量部に対し、カーボンブ
ラックN339「シーストKH」80.0重量部、アロマ
オイル15重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤
6C1重量部、亜鉛華3重量部、加硫促進剤DPG0.2
重量部、加硫促進剤DM0.2重量部、加硫促進剤CZ0.
5重量部及び硫黄1.5重量部を配合し、ゴム組成物を調
製した。このゴム組成物の空隙率を測定するとともに、
150℃で30分間加硫して、物性測定用試験片を作製
し、tanδ(30℃)及びWETμを測定した。その
結果、tanδ(30℃)123、WETμ87及び空
隙率0.6であった。以上、実施例1〜5及び比較例1〜
4の結果、フェニル基と水酸基を有する有機ケイ素化合
物を配合した実施例1〜5のゴム組成物は、有機ケイ素
化合物を配合しない比較例1のゴム組成物に比べて、充
分なWETμと低い空隙率を保持したまま、高いtan
δ(30℃)を得ることができる。一方、アルコキシシ
ランを用いた場合(比較例2)、フェニル基を有しない
シロキサノールを用いた場合(比較例3)、従来のカー
ボンブラックのみを用いた場合(比較例4)は、それぞ
れ空隙率が高くなる、乾燥路面でのグリップ性に劣る
〔tanδ(30℃)が低い〕、WETμが低いという
問題が生じる。
ラックN339「シーストKH」80.0重量部、アロマ
オイル15重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤
6C1重量部、亜鉛華3重量部、加硫促進剤DPG0.2
重量部、加硫促進剤DM0.2重量部、加硫促進剤CZ0.
5重量部及び硫黄1.5重量部を配合し、ゴム組成物を調
製した。このゴム組成物の空隙率を測定するとともに、
150℃で30分間加硫して、物性測定用試験片を作製
し、tanδ(30℃)及びWETμを測定した。その
結果、tanδ(30℃)123、WETμ87及び空
隙率0.6であった。以上、実施例1〜5及び比較例1〜
4の結果、フェニル基と水酸基を有する有機ケイ素化合
物を配合した実施例1〜5のゴム組成物は、有機ケイ素
化合物を配合しない比較例1のゴム組成物に比べて、充
分なWETμと低い空隙率を保持したまま、高いtan
δ(30℃)を得ることができる。一方、アルコキシシ
ランを用いた場合(比較例2)、フェニル基を有しない
シロキサノールを用いた場合(比較例3)、従来のカー
ボンブラックのみを用いた場合(比較例4)は、それぞ
れ空隙率が高くなる、乾燥路面でのグリップ性に劣る
〔tanδ(30℃)が低い〕、WETμが低いという
問題が生じる。
【0024】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、特に自動車のタ
イヤに使用した場合に、湿潤路面でのグリップ性と乾燥
路面でのグリップ性を向上させるとともに、押出し工程
において、発泡や空隙の発生がなく、安定した形状及び
品質の成形品を与えることができる上、引火の危険性が
少ない。
イヤに使用した場合に、湿潤路面でのグリップ性と乾燥
路面でのグリップ性を向上させるとともに、押出し工程
において、発泡や空隙の発生がなく、安定した形状及び
品質の成形品を与えることができる上、引火の危険性が
少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5:54)
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)天然ゴム及び/又はジエン系合成
ゴム、(B)ケイ酸系無機充填剤及び(C)一般式
(I) 〔R1 3SiO1/2 〕a 〔R2 2SiO〕b 〔R3 SiO3/2 〕c 〔SiO2 〕d 〔 O1/2 H〕(-a+c+2d+2) ・・・(I) (式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれフェニル基又
は炭素数1〜6のアルキル基を示し、三つのR1 及び二
つのR2 は、それぞれにおいて同一でも異なっていても
よいが、分子中に少なくとも一つのフェニル基を有する
ことが必要であり、a,b,c及びdは0以上の整数を
示し、a+b+cは1以上の整数、−a+c+2dは−
1以上の整数である。なお、aが複数のとき複数の〔R
1 3SiO1/ 2 〕は互いに同一でも異なっていてもよく、
bが複数のとき複数の〔R2 2SiO〕は互いに同一でも
異なっていてもよく、またcが複数のとき複数の〔R3
SiO3/2 〕は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるフェニル基と水酸基を有する有機ケイ素化合
物を含有することを特徴とするゴム組成物。 - 【請求項2】 (B)成分のケイ酸系無機充填剤が湿式
法シリカであり、その含有量が、(A)成分100重量
部当たり、5〜140重量部である請求項1記載のゴム
組成物。 - 【請求項3】 (C)成分の有機ケイ素化合物が、一般
式(I−a) 【化1】 (式中、Qはフェニル基,炭素数1〜6のアルキル基又
は水酸基を示し、Phはフェニル基を示し、pは1〜1
0の整数を示す。)で表される化合物である請求項1記
載のゴム組成物。 - 【請求項4】 (C)成分の含有量が、(B)成分に対
し、0.5〜10重量%である請求項1〜3のいずれかに
記載のゴム組成物。 - 【請求項5】 さらに、(D)カップリング剤を、
(B)成分に対し、1〜15重量%の割合で含有する請
求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。 - 【請求項6】 (D)成分のカップリング剤が、一般式
(II) AmB3-mSi-X-Se-X-SiAmB3-m・・(II) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、mは1〜3の整数、eは1以
上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のと
きは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、m
が2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても
異なっていてもよい。)で表される化合物、一般式(II
I) AmB3-mSi-X-Y ・・・(III) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、Yはメルカプト基,ビニル
基,アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1
〜3の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同
じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のとき
は二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物、及び一般式(IV) AmB3-mSi-X-Se-Z ・・・(IV) (式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩
素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1
〜15の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数
7〜15のアリーレン基、Zはベンゾチアゾリル基,
N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイ
ル基、mは1〜3の整数、eは1以上の整数で分布を有
することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じ
であっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは
二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよ
い。)で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一
種である請求項5記載のゴム組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組
成物を用いた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10351588A JP2000169629A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10351588A JP2000169629A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000169629A true JP2000169629A (ja) | 2000-06-20 |
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ID=18418294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10351588A Pending JP2000169629A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000169629A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001329116A (ja) * | 2000-05-25 | 2001-11-27 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | トレッド用ゴム組成物 |
JP2007177109A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴム組成物およびそれを用いたタイヤトレッドを有する空気入りタイヤ |
JP2007262423A (ja) * | 2000-10-13 | 2007-10-11 | Soc De Technol Michelin | カップリング剤として多官能性オルガノシランを含むゴム組成物 |
JP2020075982A (ja) * | 2018-11-07 | 2020-05-21 | Toyo Tire株式会社 | インナーライナー用ゴム組成物および空気入りタイヤ |
JP2020075986A (ja) * | 2018-11-07 | 2020-05-21 | Toyo Tire株式会社 | インナーライナー用ゴム組成物および空気入りタイヤ |
-
1998
- 1998-12-10 JP JP10351588A patent/JP2000169629A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001329116A (ja) * | 2000-05-25 | 2001-11-27 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | トレッド用ゴム組成物 |
JP4516182B2 (ja) * | 2000-05-25 | 2010-08-04 | 住友ゴム工業株式会社 | トレッド用ゴム組成物 |
JP2007262423A (ja) * | 2000-10-13 | 2007-10-11 | Soc De Technol Michelin | カップリング剤として多官能性オルガノシランを含むゴム組成物 |
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