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JP2000168525A - 車両旋回特性制御装置 - Google Patents

車両旋回特性制御装置

Info

Publication number
JP2000168525A
JP2000168525A JP34593198A JP34593198A JP2000168525A JP 2000168525 A JP2000168525 A JP 2000168525A JP 34593198 A JP34593198 A JP 34593198A JP 34593198 A JP34593198 A JP 34593198A JP 2000168525 A JP2000168525 A JP 2000168525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
turning
braking
road
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34593198A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Nishiyama
景一 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP34593198A priority Critical patent/JP2000168525A/ja
Publication of JP2000168525A publication Critical patent/JP2000168525A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、ステアリング操作の基づいた
車両の旋回性能を道路状況や運転者の好み、必要性に応
じて変えることができるような車両旋回特性制御装置を
提供することである。 【解決手段】上記課題を解決するため、本発明は、ステ
アリング操作による車両の旋回特性を制御する車両旋回
特性制御装置において、当該車両の走行する道路の状況
を判定し、その判定結果に応じて、ステアリング操作に
基づいた旋回特性が変わるように、左右各輪の制動力を
調整するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両旋回特性制御
装置に係り、詳しくは、運転者の好みや必要性あるい
は、道路状況等に応じてステアリング操作に基づく車両
の旋回特性を変えるように車両の制動系を制御するよう
にした車両旋回特性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のステアリング操作に基づ
く車両旋回特性(所謂、アンダーステア(US)、オー
バーステア(OS))は、操舵輪の設置構造、操舵系の
構造等の車両諸元に基づいて車両毎に一義的に定まって
いる。また、カーブ路において、車速に対する操舵角度
が適切でなく、所謂アンダーステアの状況となったとき
に、車両が適正な走行軌跡に戻るようにカーブ内側の車
輪制動力を強めるような車両の挙動制御装置も提案され
ている(例えば、特開平9−48338)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両が走行
する道路の状況は、直線路が続いたり、折り返しのカー
ブ路が続いたり種々変化する。更に、そのカーブ路のカ
ーブ半径も種々変化する。上記のようにステアリング操
作に基づく車両旋回特性が固定的に定められている場合
には、種々の道路状況に対して、その車両旋回特性が常
に運転操作のし易いものとは、必ずしもいえない。
【0004】また、運転者のステアリング操作感覚に対
する嗜好は、常に一定ではなく、車両の旋回特性が、所
謂オーバーステア気味を好む者、所謂アンダーステア気
味を好む者、その双方でない状態を好む者等、種々あ
る。更に、前方障害物を緊急的に回避する状況では、通
常の車両旋回特性より、更に、障害物の回避を容易にす
るために、より、回頭性を高めること(オーバーステア
気味にすること)が好ましい場合がある。
【0005】上記のような状況においては、従来のよう
に、車両の旋回特性が一義的に定められている場合や、
適正な走行軌跡を逸出した場合にのみ車両の旋回特性を
変更するように制動系を制御する従来の車両の挙動制御
装置では、十分に対応できるものではない。そこで、本
発明の課題は、ステアリング操作の基づいた車両の旋回
性能を道路状況や運転者の好み、必要性に応じて変える
ことができるような車両旋回特性制御装置を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1に記載されるように、ステアリ
ング操作による車両の旋回特性を制御する車両旋回特性
制御装置において、当該車両の走行する道路の状況を判
定する道路状況判定手段と、ステアリング操作時に、道
路状況判定手段での判定結果に応じて、ステアリング操
作に基づいた旋回特性が変わるように、左右各輪の制動
力を調整する制動力バランス調整手段とを備えるように
構成される。
【0007】このような車両旋回特性制御装置では、ス
テアリング操作時に、道路状況に応じて左右各輪の制動
力を制御することによって、ステアリング操作に基づい
た旋回特性が変えられる。従って、道路状況が変わって
も、その道路状況においてより運転操作のし易い旋回性
能での運転を実現することができる。例えば、直線路が
長く続くような道路状況では、回頭能を多少低下させ
(アンダーステア気味)るように左右の各車輪に対する
制動力が調整される。具体的には、ステアリング操作に
基づく旋回方向外側の車輪の制動力をその内側の車輪の
制動力より僅かに大きくする(制動操作が行われていな
い場合は、内側の車両の制動力はゼロ)。このような場
合、ステアリング操作に対する車両の旋回応答性が和ら
ぎ、長い直線路の運転がよりし易くなる。
【0008】また、例えば、急激なカーブが連続するよ
うな道路状況では、回頭性を多少増す(オーバーステア
気味)ように左右の各車輪に対する制動力が調整され
る。具体的には、ステアリング操作に基づく旋回方向内
側の車輪の制動力をその外側の車輪の制動力より僅かに
大きくする(制動操作が行われていない場合は、外側の
車輪の制動力はゼロ)。このような場合、ステアリング
操作に対する車両の旋回応答性が増し、ステアリング操
作により忠実な車両の旋回が可能とななって、急激なカ
ーブが連続する道路での運転がよりし易くなる。
【0009】上記旋回特性とは、ステアリング操作量に
対する車両旋回の程度をいう。道路状況判定手段は、運
転者の運転操作や車両の走行状態に基づいてその道路の
状況を間接的に判定することも、また、カメラ等にて得
られた画像情報によって直接的に判定することもでき
る。上記道路状況は、運転者の運転操作に影響を与える
と見込まれる道路の状況であって、道路の凹凸、傾斜、
曲がり形状等の道路そのものの形状や、横風、障害物等
の運転者の運転操作に影響を与えると見込まれる道路の
外的な状況である環境状況を含む。
【0010】前者の場合、本発明は、請求項2に記載さ
れるように、上記道路状況判定手段は、車両の走行する
道路の形状を判定する道路形状判定手段を備え、上記制
動力バランス調整手段は、該道路形状判定手段での判定
結果に応じて、ステアリング操作に基づいた旋回特性が
変わるように、左右各輪の制動力を調整するように構成
される。
【0011】このような車両旋回特性制御装置では、上
述したように、ステアリング操作時に、道路の形状(カ
ーブの状況等)に応じて左右の制動力を調整することに
より、より運転操作のし易い車両の旋回性能にてステア
リング操作を行うことができる。また、後者の場合、本
発明は、請求項3に記載されるように、上記道路状況判
定手段は、車両の走行する道路の環境状況を判定する道
路環境状況判定手段を備え、上記制動力バランス調整手
段は、該道路環境状況判定手段での判定結果に応じて、
ステアリング操作に基づいた旋回特性が変わるように、
左右各輪の制動力を調整するように構成される。
【0012】このような車両旋回特性制御装置では、道
路の環境状況(横風、障害物等)に応じて左右各輪の制
動力を調整することにより、よりその状況に適した旋回
性能にてステアリング操作を行うことができる。例え
ば、車両前方の障害物を回避するために、急制動操作を
行いながら、ステアリング操作を行う状況では、回頭性
を増すように(オーバーステア気味)して、障害物の回
避がし易いようにできる。
【0013】また、例えば、横風が強い状況では、横風
に向かう方向の回頭性を増すように(オーバーステア気
味)して、横風による車両に対する横力に素早く抗し易
いようにすることができる。また、上記課題を解決する
ため、本発明は、請求項4に記載されるように、ステア
リング操作による車両の旋回特性を制御する車両旋回特
性制御装置において、運転者の好みのステアリング操作
感覚を判定する操作感覚判定手段と、ステアリング操作
時に、操作感覚判定手段での判定結果に応じて、ステア
リング操作に基づいた旋回特性が変わるように、左右各
輪の制動力を調整する制動力バランス調整手段とを備え
るように構成される。
【0014】このような車両旋回特性制御装置では、運
転者の好みのステアリング操作感覚に応じてステアリン
グ操作に基づいた車両の旋回特性が変えられる。運転者
の好みのステアリング操作感覚は、旋回性能としての回
頭性がより高い、旋回性能としての回頭性がより低い等
の好みに対応し、所謂スポーティーな走行を好む運転者
にとっては、一般的に、旋回性能(ステアリング操作に
対する旋回応答性)が高くなるようなステアリング操作
感が好まれる。また、直線路等で旋回応答性の低い走行
を好む運転者にとっては、一般的に、回頭性が低くなる
ようなステアリング操作感覚が好まれる。
【0015】従って、例えば、スポーティーな走行を好
む運転者にとっては、制動操作を行いながらステアリン
グ操作を行う状況において、旋回性能が多少増す(オー
バーステア気味)ように左右の各車輪の制動力が調整さ
れる。一方、旋回応答性の低い走行を好む運転者にとっ
ては、旋回性能が多少低下する(アンダーステア気味)
ように左右の各車輪の制動力が調整される。
【0016】運転者の好みのステアリング操作感覚は、
運転操作(アクセル操作や制動操作に基づいたエンジン
回転数、車速や加減速の状況、選択するギアポジション
の状況等)に応じて判定できる。また、運転者が好みの
ステアリング操作感覚に対応した情報を装置に直接入力
することによっても判定することができる。前者の場
合、請求項5に記載されるように、上記操作感覚判定手
段は、運転者の運転操作に基づいて運転者のステアリン
グ操作感覚を判定するように構成される。
【0017】また、後者の場合、請求項6に記載される
ように、上記操作感覚判定手段は、運転者の操作により
旋回性能を指定する旋回性能指定手段を備え、該旋回性
能指定手段にて指定された旋回性能を運転者の好みのス
テアリング感覚として判定するように構成される。上記
のように、旋回性能指定手段によって運転者の好みのス
テアリング操作感覚に対応した情報を入力するようにし
た車両旋回性能制御装置において、よりその入力操作を
簡易化するという観点から、請求項7に記載されるよう
に、上記旋回性能指定手段は、予め定めた旋回性能に対
応したノーマルモードと、該旋回性能としての回頭性を
増すオーバーステアモードと、該旋回性能としての回頭
性を低下させるアンダーステアモードの何れかを選択す
るモード選択手段を備え、該モード選択手段にて選択さ
れたモードでの旋回性能を運転者の好みのステアリング
感覚として判定するように構成することができる。
【0018】ステアリング操作を大きく行うほど、車両
の旋回性能の増す程度や低下の程度を大きくするという
観点から、本発明は、請求項8に記載されるように、上
記各装置において、上記制動圧バランス調整手段は、操
舵角が大きくなるほど、左右車輪の制動力の差が大きく
なるように当該左右の制動力を調整するように構成する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明の実施の一形態に係る車両
旋回特性制御装置は、例えば、図1に示すように構成さ
れる。図1において、この車両旋回特性制御装置は、道
路状況判定ユニット10、運転者意思判定ユニット20
及び制動制御ユニット30を有している。道路状況判定
ユニット10は、ヨーレートセンサ11、ブレーキペダ
ルストロークセンサ12及び車速センサ13からの各検
出信号に基づいて、当該車両が走行する道路の状況を判
定する。具体的には、カーブが連続する道路状況である
か否か、及び障害物等にて緊急制動を必要とする状況で
あるか否かが判定される。運転者意思判定ユニット20
は、車速センサ13、スロットル開度センサ14及びエ
ンジン回転センサ15からの検出信号に基づいて、運転
者がスポーティーな運転を好むか、通常の運転(特にス
ポーティーな運転でない)を好むかの判定を行う。
【0020】制動制御ユニット30は、上記道路状況判
定ユニット10及び運転者意思判定ユニット20での判
定結果、更に、操舵角センサ16、車速センサ13及び
ブレーキペダルストロークセンサ13からの各検出信号
に基づいて制動系を制御する。制動系は、左右前輪及び
左右後輪の各制動力を独立して制御できるように、各車
輪に対応するように、右前輪制動アクチュエータ(A
c)31、右後輪制動アクチュエータ(Ac)32、左
前輪制動アクチュエータ(Ac)33、左後輪制動アク
チュエータ(Ac)34が設けられている。
【0021】また、ステアリングホイールの近傍また
は、ダッシュパネル等の運転者の運転操作中に操作可能
な位置にモード選択スイッチ40が設けられている。こ
のモード選択スイッチ40は、例えば、図2に示すよう
に、自動モード(A)と手動モード(M)の選択が可能
なようになっている。手動モード(M)においては、更
に、ノーマルモード(N)、オーバーステアモード(O
S)、アンダーステアモード(US)の選択が可能とな
っている。
【0022】ノーマルモード(N)は、ステアリング操
作に対してステアリング機構、操舵輪の設置構造等で決
まる所定の車両旋回性能が得られるモードである。オー
バーステアモード(OS)は、ステアリング操作に対し
て上記所定の車両旋回性能より高い旋回性能(回頭性)
が得られるモードである。また、アンダーステアモード
(US)は、ステアリング操作に対して上記所定の車両
旋回性能より低い旋回性能(回頭性)が得られるモード
である。
【0023】自動モード(A)は、上記ノーマルモード
(N)、オーバーステアモード(OS)及びアンダース
テアモード(US)での各車両旋回性能が道路状況や運
転者の運転操舵状況に応じて自動的に得られるモードで
ある。上記制動制御ユニット10は、例えば、図3に示
すような、操舵角(右、左)と左右輪の制動圧差との関
係を記述したテーブルを備えている。図3において、特
性Q1(OS)、Q2(OS)、Q3(OS)では、操
舵角が大きくなればなるほど、車両旋回内側の車輪の制
動圧(力)がその外側の車輪の制動圧より順次大きくな
る。このような状況では、車両にはその旋回方向にモー
メントが作用するようになるので、車両の旋回性能が増
す(オーバーステアに対応)。
【0024】一方、特性Q1(US)、Q2(US)、
Q3(US)は、操舵角が大きくなればなるほど、車両
旋回外側の車輪の制動圧がその内側の車輪の制動圧より
順次大きくなる。このような状況では、車両にはその旋
回方向と逆方向のモーメントが作用するようになるの
で、車両の旋回性能が低下する(アンダーステアに対
応)。
【0025】また、特性Q1(OS)、Q2(OS)、
Q3(OS)及び特性Q1(US)、Q2(US)、Q
3(US)は、それぞれ、例えば、モード選択スイッチ
40の近傍に設けられるキースイッチ、タッチパネル等
(図示せず)における運転者の選択操作により選択する
ことができる。上記運転者意思判定ユニット20は、公
知のアルゴリズムに従って、運転者の好みがスポーティ
ー運転、通常運転のいずれかであるかを判定している
が、具体的には、図4に示すような構成になている。図
4において、スロットル開度センサ14からの検出信号
に基づいて演算されるスロットル開度、エンジン回転セ
ンサ15からの検出信号に基づいて演算されるエンジン
回転数、車速センサ12からの検出信号に基づいて演算
される車速、走行中に選択されるギアポジション及び車
速センサ12 からの検出信号に基づいて演算される加減
速度の各情報がニューラルネットワーク(NN)21に
供給されている。このニューラルネットワーク(NN)
21は、予め定められたロジックに従って、供給される
上記各情報の組み合わせに対応した判定結果(スポーツ
走行、通常走行)を出力するように設計されている。
【0026】上記道路状況判定ユニット10は、例え
ば、図5に示すような手順に従って、常時、車両の走行
する道路の状況を判定している。図5において、車速セ
ンサ12からの検出信号に基づいて車速V及び加減速度
を演算する(S1、S2)。また、ブレーキペダルスト
ロークセンサ12からの検出信号に基づいて演算される
ブレーキペダルストロークを取得する。これら、車速、
加減速度、ブレークペダルストロークの変化から、運転
者が緊急制動操作を行いつつあるか否かを判定する(S
4)。
【0027】ここで、もし、緊急制動操作を行いつつあ
るとの判定がなされた場合、障害物を回避し易くするた
めに、車両の旋回性能を増すための判定結果出力を行う
(S7)。一方、運転者が緊急制動操作を行っていない
と判定されると、更に、ヨーレートセンサ11に基づい
て演算される車両のヨーレートを取得する(S5)。そ
して、このヨーレート及び上記のように取得した車速、
加減速度に基づいて、現在車両がきついカーブ路を走行
しつつあるか否か、即ち、旋回性能を向上させるべきで
あるか否かが判定される(S6)。
【0028】ここで、もし、車両がきついカーブ路を走
行中で旋回性能を向上させるべきであると判定される
と、その判定結果(OS指示)を出力する(S7)。上
記のようにして、車両の走行中に、運転意思判定ユニッ
ト20及び道路状況判定ユニット10から道路状況や運
転者の好みの運転に応じた判定結果が出力される。その
ような判定結果が供給れる制動制御ユニット30は、例
えば、図6に示す手順に従って、処理を実行する。
【0029】図6において、まず、モード選択スイッチ
40での運転者による選択モードが手動モード(M)と
自動モード(A)のいずれかであるかが判定される(S
11)。ここで、運転者がモード選択スイッチ40の操
作にて手動モード(M)を選択している場合には、更
に、手動モード(M)のうちのいずれのモード(ノーマ
ルモード(N)、オーバーステアモード(OS)、アン
ダーステアモード(US))が選択されているかが判定
される(S12、S13、S14)。
【0030】ノーマルモード(N)が選択されている場
合には、制動制御(P100)として、通常の制動制御
が実行される。即ち、制動制御ユニット30は、ブレー
キペダルストロークセンサ12からの検出信号に基づい
て得られるブレーキペダルストロークに応じた制動圧が
各車輪に作用するように、右前車輪制動アクチュエータ
31、右後車輪制動アクチュエータ32、左前車輪制動
アクチュエータ33及び左後車輪制動アクチュエータ3
4に対して制御信号を供給する。
【0031】上記ノーマルモード(N)では、特に制動
性が制御されることなく、ステアリング操作に対して、
ステアリング機構、操舵輪(前輪)の設置構造等で決ま
る所定の旋回性能が得られる。運転者がスポーティーな
ステアリング操作感覚を望み、モード選択スイッチ40
によって手動モード(M)のオーバーステアモード(O
S)を選択している場合、そのモード判定結果(S1
3、YES)に従って、車速センサ13からの検出信号
に基づいて演算される車速Vが取得され(S15)、操
舵角センサ16からの検出信号に基づいて演算される操
舵角(右方向、左方向も含む)が取得される(S1
6)。そして、左右輪の制動圧差が演算される(S1
7)。この左右の制動圧差の演算では、図3に示す各特
性Q1(OS)、Q2(OS)、Q3(OS)から運転
者によって選択された特性に従って、操舵角に対応する
左右輪の制動圧差が決定される。
【0032】上記のように左右の制動圧差が決定される
と、上記ブレーキペダルストロークセンサ12からの検
出信号から得られるブレーキペダルストローク及び左右
輪の制動圧差に基づいて制動制御(P100)が実行さ
れる。即ち、ステアリング操作による車両の旋回方向の
内側の車輪の制動圧がその外側の車輪の制動圧より僅か
に大きく制御される。具体的には、右方向の旋回であれ
ば、ステアリング操作を行う状況において、右前輪制動
アクチュエータ31及び右後輪制動アクチュエータ32
にて発生する制動圧が左前輪制動アクチュエータ33及
び左後輪制動アクチュエータ34にて発生する制動圧よ
り僅かに大きくなるように、各制動アクチュエータが制
御される。なお、制動操作がなされていなければ、右前
輪及び右後輪にだけ制動圧が作用するように、右前輪制
動アクチュエータ31及び右後輪制動アクチュエータ3
2が制御される。また、左方向の旋回であれば、同様の
状況において、左前輪制動アクチュエータ33及び左後
輪制動アクチュエータ34にて発生する制動圧が右前輪
制動アクチュエータ31及び右後輪制動アクチュエータ
32にて発生する制動圧より僅かに大きくなるように、
各制動アクチュエータが制御される。なお、この場合
も、制動操作がなされていなければ、左前輪及び左後輪
にだけ制動圧が作用するように、左前輪制動アクチュエ
ータ33及び左後輪制動アクチュエータ34が制御され
る。
【0033】その結果、ステアリング操作を行う状況に
おいて、旋回しようとする車両の動きが増進され、ステ
アリング操作に対して、上記所定の旋回性能より高い旋
回性能が得られる(オーバーステア気味)。これによ
り、運転者は、ステアリング操作時に、比較的少ないス
テアリング操作量で所望の車両旋回を得ることができ、
応答性の良いよりスポーティーなステアリング操作感覚
を得ることができる。
【0034】上記のように手動モード(M)のオーバー
ステアモード(OS)が選択された場合、上述した各ス
テップS11、S12、S13、S15、S16、S1
7での処理及び制動制御P100が、イグニッション・
スイッチがオフする(S18)まで繰り返し実行され
る。一方、運転者が直線路等で、回頭性の低いステアリ
ング操作感覚を望み、モード選択スイッチ40によって
手動モード(M)のアンダーステアモード(US)を選
択している場合、そのモード判定結果(S14、YE
S)に従って、上記と同様に、車速Vの取得(S1
5)、操舵角の取得(S16)、及び左右輪の制動圧の
差の演算(S17)が実行される。この左右の制動圧差
の演算では、図3に示す各特性Q1(US)、Q2(U
S)、Q3(US)から運転者によって選択された特性
に従って、操舵角に対応する左右輪の制動圧差が決定さ
れる。
【0035】このように左右の制動圧差が決定される
と、上記と同様に、ブレーキペダルストロークセンサ1
2からの検出信号から得られるブレーキペダルストロー
ク及び左右輪の制動圧差に基づいて制動制御(P10
0)が実行される。即ち、ステアリング操作による車両
の旋回方向の外側の車輪の制動圧がその内側の車輪の制
動圧より僅かに大きく制御される。具体的には、右方向
の旋回であれば、ステアリング操作を行う状況におい
て、左前輪制動アクチュエータ33及び左後輪制動アク
チュエータ34にて発生する制動圧が右前輪制動アクチ
ュエータ31及び左後輪制動アクチュエータ32にて発
生する制動圧より僅かに大きくなるように、各制動アク
チュエータが制御される。なお、制動操作がなされてい
なければ、左前輪及び左後輪にだけ制動圧が作用するよ
うに、左前輪制動アクチュエータ33及び左後輪制動ア
クチュエータ34だけが制御される。また、左方向の旋
回であれば、同様の状況において、右前輪制動アクチュ
エータ31及び右後輪制動アクチュエータ32にて発生
する制動圧が左前輪制動アクチュエータ33及び左後輪
制動アクチュエータ34にて発生する制動圧より僅かに
大きくなるように、各制動アクチュエータが制御され
る。なお、この場合も制動操作が行われていなければ、
右前輪及び右後輪にだけ制動圧が作用するように、右前
輪制動アクチュエータ31及び右後輪制動アクチュエー
タ32が制御される。
【0036】その結果、制動操作を行いながらステアリ
ング操作を行う場合、旋回しようとする車両の動きが抑
制され、ステアリング操作に対して、上記所定の旋回性
能より低い旋回性能が得られる(アンダーステア気
味)。これにより、運転者は、そのような制動操作を伴
うステアリング操作時において、比較的大きいステアリ
ング操作量で所望の車両旋回を得ることになり、直線路
等において比較的回頭性の低いステアリング操作感覚を
得ることができる。
【0037】上記のように手動モード(M)のアンダー
ステアモード(US)が選択された場合、上述した各ス
テップS11、S12、S13、S14、S15、S1
6、S17での処理及び制動制御P100が、イグニッ
ション・スイッチがオフする(S18)まで繰り返し実
行される。また、一方、運転者がモード選択スイッチ4
0の操作によって自動モード(A)を選択した場合、上
述した道路状況判定ユニット10または、運転者意思判
定ユニット20にて旋回性能向上の判定(OS指示)が
なされるか否かが監視される(S19)。ここで、例え
ば、きついカーブ路が連続する道路状況や、緊急制動が
必要な状況等で、道路状況判定ユニット10にて旋回性
能向上の判定がなされた場合、あるいは、運転者の運転
操作の状況に基づいて運転者意思判定ユニット20にて
旋回性能向上の判定がなされた場合は、上述したオーバ
ーステアモード(OS)と同様にステップS15、S1
6及びS17での処理を経て制動制御P100が実行さ
れる。即ち、車速Vに応じた、図3に示す特性Q1(O
S)、Q2(OS)、Q3(OS)から選択された特性
に従って、操舵角に応じた左右輪の制動圧差が決定され
る。そして、旋回方向の内側の車輪の制動力がその外側
の車輪の制動力より僅かに大きくなるように、各車輪に
対する制動アクチュエータ31、32、33、34が制
御される。
【0038】その結果、カーブ路が続くような道路状況
では、ステアリング操作を行う状況において、上記所定
の旋回性能より高い旋回性能が得られる(オーバーステ
ア気味)。これにより、運転者は、カーブ路をステアリ
ング操作を行って走行する状況において、比較的少ない
ステアリング操作量で所望の車両旋回を得ることがで
き、よりカーブ路の走行が容易になる。
【0039】また、緊急制動を行うような状況では、そ
の急制動操作時に、上記所定の旋回性能より高い旋回性
能が得られる(オーバーステア気味)。これにより、運
転者が緊急制動操作と共にステアリング操作にて障害物
を回避しようとした場合、より急峻に車両を旋回するこ
とが可能となって、障害物回避が的確にできるようにな
る。
【0040】更に、運転者がスポーティーなステアリン
グ操作感覚を好む場合、上述したオーバーステアモード
(OS)の場合と同様に、その運転者は、ステアリング
操作を行う状況において、比較的少ないステアリング操
作量で所望の車両旋回を得ることができ、応答性の良い
よりスポーティーなステアリング操作感覚を得ることが
できる。
【0041】また、上述したような車両旋回性能制御装
置によれば、例えば、図7に示すような車両の旋回方向
Lと逆方向に操舵輪FLW、FRWをきる、所謂カウン
タ操舵の場合、オーバーステアモード(OS)を選択し
ておけば、常に、旋回方向の外側輪FLW、RLWの制
動圧が旋回方向の内側輪FRW、RRWの制動圧より大
きく制御されるので、車両の旋回方向と逆方向にモーメ
ント(アンチスピンモーメント)が作用するようにな
る。その結果、このようなカウンタ操舵を行う状況で
は、車両の姿勢を安定させるために大きな修正舵を要す
ることなく、より容易な操作となる。
【0042】更に、横風等のように、一定の方向からの
横力を車両が受ける場合、例えば、車両右側からの横力
を受ける場合、図3に示す第一象限及び第二象限の特性
に従って、制動操作時に常に右方向のモーメントが車両
に作用するように制動制御を行うことにより、右方向の
横力に抗する力を車両に発生させることができる。ま
た、車両左方向からの横力を受ける場合、図3に示す第
三象限及び第四象限の特性に従って、常に左方向のモー
メントが車両に作用するように制動制御を行うことによ
り、左方向の横力に抗する力を車両に発生させることが
できる。これにより、車両が一定の方向から横風を受け
る状況において、車線変更するためのステアリング操作
を行う場合など、車両の安定性を増すことができる。
【0043】上述した例において、図5に示す手順にて
処理を実行する道路状況判定ユニット10が道路状況判
定手段に対応し、特に、図5に示すステップS1、S
2、S5及びS6での処理が道路形状判定手段に対応
し、また、図5に示すステップS1S2S3S4での処
理が道路環境状況判定手段に対応する。また、図4に示
す構成を有する運転者意思判定ユニット20が操作感覚
判定手段に対応し、モード選択スイッチ40が旋回性能
指定手段に対応する。
【0044】
【発明の効果】以上、説明してきたように、各請求項に
記載された本発明によれば、道路状況や運転者の意思を
判定して、それらの判定結果に基づいてステアリング操
作に対する旋回性能を変えるようにしたため、ステアリ
ング操作を行う状況において、当該ステアリング操作の
基づいた車両の旋回性能を道路状況や運転者の好み、必
要性に応じて変えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る車両旋回特性制御
装置を示すブロック図である。
【図2】モード選択スイッチの外観例を示す図である。
【図3】左右輪の制動圧差と操舵角との関係を示す図で
ある。
【図4】運転者意思判定ユニットの具体的な構成を示す
ブロック図である。
【図5】道路状況判定ユニットでの処理の手順を示すフ
ローチャートである。
【図6】制動制御ユニットでの処理の手順を示すフロー
チャートである。
【図7】カウンタ操舵の状況を示す図である。
【符号の説明】
10 道路状況判定ユニット 11 ヨーレートセンサ 12 ブレーキペダルストロークセンサ 13 車速センサ 14 スロットル開度センサ 15 エンジン回転センサ 16 操舵角センサ 20 運転者意思判定ユニット 21 ニューラルネットワーク 30 制動制御ユニット 31 右前輪制動アクチュエータ 32 右後輪制動アクチュエータ 33 左前輪制動アクチュエータ 34 左後輪制動アクチュエータ 40 モード選択スイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリング操作による車両の旋回特性を
    制御する車両旋回特性制御装置において、 当該車両の走行する道路の状況を判定する道路状況判定
    手段と、 ステアリング操作時に、道路状況判定手段での判定結果
    に応じて、ステアリング操作に基づいた旋回特性が変わ
    るように、左右各輪の制動力を調整する制動力バランス
    調整手段とを備えた車両旋回特性制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車両旋回特性制御装置にお
    いて、 上記道路状況判定手段は、車両の走行する道路の形状を
    判定する道路形状判定手段を備え、 上記制動圧バランス調整手段は、該道路形状判定手段で
    の判定結果に応じて、ステアリング操作に基づいた旋回
    特性が変わるように、左右各輪の制動力を調整するよう
    にした車両旋回特性制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の車両旋回特性制御
    装置において、 上記道路状況判定手段は、車両の走行する道路の環境状
    況を判定する道路環境状況判定手段を備え、 上記制動圧バランス調整手段は、該道路環境状況判定手
    段での判定結果に応じて、ステアリング操作に基づいた
    旋回特性が変わるように、左右各輪の制動力を調整する
    ようにした車両制動制御装置。
  4. 【請求項4】ステアリング操作による車両の旋回特性を
    制御する車両旋回特性制御装置において、 運転者の好みのステアリング操作感覚を判定する操作感
    覚判定手段と、 ステアリング操作時に、操作感覚判定手段での判定結果
    に応じて、ステアリング操作に基づいた旋回特性が変わ
    るように、左右各輪の制動力を調整する制動力バランス
    調整手段とを備えた車両旋回特性制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の車両旋回特性御装置におい
    て、 上記操作感覚判定手段は、運転者の運転操作に基づいて
    運転者の好みのステアリング操作感覚を判定するように
    した車両旋回特性制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の車両旋回特性制御装置にお
    いて、 上記操作感覚判定手段は、運転者の操作により旋回性能
    を指定する旋回性能指定手段を備え、該旋回性能指定手
    段にて指定された旋回性能を運転者の好みのステアリン
    グ感覚として判定するようにした車両旋回特性制御装
    置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の車両旋回特性制御装置にお
    いて、 上記旋回性能指定手段は、予め定めた旋回性能に対応し
    たノーマルモードと、旋回性能としての回頭性を増すオ
    ーバーステアモードと、旋回性能としての回頭性を低下
    させるアンダーステアモードの何れかを選択するモード
    選択手段を備え、該モード選択手段にて選択されたモー
    ドでの旋回性能を運転者の好みのステアリング感覚とし
    て判定するようにした車両旋回特性制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7いずれか記載の車両旋回特
    性制御装置において、 上記制動圧バランス調整手段は、操舵角が大きくなるほ
    ど、左右車輪の制動力の差が大きくなるように当該左右
    の制動力を調整するようにした車両旋回特性制御装置。
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