JP2000164986A - 半導体発光装置及びその製造方法 - Google Patents
半導体発光装置及びその製造方法Info
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- JP2000164986A JP2000164986A JP11270864A JP27086499A JP2000164986A JP 2000164986 A JP2000164986 A JP 2000164986A JP 11270864 A JP11270864 A JP 11270864A JP 27086499 A JP27086499 A JP 27086499A JP 2000164986 A JP2000164986 A JP 2000164986A
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Abstract
置の劈開、組立による歩留まりを向上させ、j−dow
nで組み立てた場合にリッジストライプ部分へのストレ
スを軽減し、高出力、長寿命を達成する。 【解決手段】 基板上に、活性層を含む化合物半導体
層、電流が注入される開口部上に形成されたリッジ型の
化合物半導体層、該開口部の両側を覆う保護膜及び該保
護膜の更に外側に形成された電流ブロック層を有するこ
とを特徴とする半導体発光装置及びその製造方法。
Description
びその製造方法に係わり、特に半導体レーザとして好適
な、リッジ型ストライプ構造を有する半導体発光装置及
びその製造方法に関するものである。
半導体レーザの構造及びその作成方法を図4に示す。図
4(a)に示す様に、基板21上に第1導電型第1クラ
ッド層11、活性層12及び第2導電型第2クラッド層
13及び第2導電型コンタクト層14を成長した後、図
4(b)の様にエッチングにより第2導電型コンタクト
層14及び第2導電型第2クラッド層13をエッチング
することによってリッジ部を形成する。この際、リッジ
以外の部分は活性層12の上部にある第2導電型第2ク
ラッド層13の途中までエッチングし、その後、このリ
ッジ部側面およびリッジ以外の部分の表面を絶縁層31
を用いて電流が流れないようにし、その上にリッジ上部
を含めて電極32を形成する事により作成する(図4
(c))。
ジ部を通じて活性層12に注入され、リッジ部の下の活
性層12で活性層12の組成に対応した光が発生する。
一方、半導体部分に比べて屈折率の小さい絶縁層31を
形成しているため、リッジ以外の部分の活性層の実効屈
折率はリッジ部の実効屈折率より小さくなる。その結
果、発生した光はリッジ下部の光導波路に閉じこめられ
ることになる。
発光装置はリッジ部分をエッチングにて形成しているた
め、活性層上のリッジ以外の部分のエッチングされたク
ラッド層部分の厚みを一定にすることが困難であった。
その結果、このリッジ以外の部分のクラッド層の厚みの
わずかな違いにより、この部分の活性層の実効屈折率が
大きく変動する。また電流注入の幅を決定するリッジ底
部の幅も変動し、そのために、低しきい値で光広がり角
を一定にしたレーザを再現性良く作成することは困難で
あった。
上部のクラッド層の厚みを結晶成長時の結晶成長速度を
用いて決定し、リッジ部分以外に保護膜を作成して、リ
ッジ部分を再成長する方法が提案されている(特開平5
−121822号公報、特開平9−199791号公報
等)。 このようなレーザの構造とその作成方法を図5
に示す。まず、基板21上に、第1導電型第1クラッド
層11、活性層12及び第2導電型第1クラッド層13
を成長した(図5(a))後、該第2導電型第1クラッド
層13表面をSiO2 等の保護膜31で被覆し、フォト
リソグラフィ法でストライプ状の窓を開け、該ストライ
プ領域にのみ第2導電型第2クラッド層13aと第2導
電型コンタクト層14を選択成長する(図5(b))。
次いで、リッジ以外の部分を覆う保護膜31、リッジを
形成する第2導電型第2クラッド層13aの側面及び第
2導電型コンタクト層14の表面全体をSiNx 等の絶
縁層31aで被覆し、再度リッジ頂部のSiNx 絶縁層
をフォトリソグラフィ法で除去した後、表面全体に電極
32を形成する(図5(c))。
電流が流れないようにすると表面は絶縁層で覆われてし
まい劈開がしずらく、また電極剥がれなどの問題があっ
た。また、絶縁層にピンホール等が存在した場合に、リ
ッジ以外の部分に、電流が流れてしまいリッジ部分で十
分に電流を狭窄できないという問題もあった。さらに図
9(b)のように、基板側を上にエピタキシャル層側を
下にするj−down(ジャンクションダウン)で組み
立てた際には、半田材が電極と保護膜の厚み分回り込む
だけでその下の化合物半導体層に達してしまい電流漏れ
を生じやすく、リッジ部分が他の部分に比べて、とびだ
しているためストレスによる劣化を招きやすい等の問題
があり好ましい状態ではない。
ッジストライプ型導波路構造半導体発光装置は、再成長
を用いて作成する場合でも、絶縁層等でリッジ以外の部
分に電流が流れないようにしたLDでは、劈開、組立が
しづらくまた、保護膜等で十分に電流が狭窄されずに歩
留まりが低下する場合があった。またj−downに組
み立てた場合には、リッジ以外の部分への電流漏れやス
トレスによる劣化を招き、十分なLD特性が得られない
場合があった。
題を解決すべく鋭意検討した結果、リッジの外側にある
保護膜のさらに外側に、電流ブロック層となる半導体層
を形成した構造を有する半導体発光装置とすることで、
保護膜の存在を最小限にし、劈開、組立等の歩留まりを
向上することを見いだし、また、j−downで組み立
てた場合に十分なLD特性が得られることを見いだし、
本発明に到達した。
び製法の一例を示したようなリッジストライプ型導波路
構造を持つ半導体発光装置及びその製造方法である。具
体的には、基板上に、活性層を含む化合物半導体層、電
流が注入される開口部上に形成されたリッジ型の化合物
半導体層、該開口部の両側を覆う保護膜を有する半導体
発光装置において該保護膜の外側に形成された電流ブロ
ック層を有することを特徴とする半導体発光装置、基板
上に活性層を含む化合物半導体層及び開口部を有する保
護膜をこの順に形成する工程、該保護膜の両側に電流ブ
ロック層を選択成長する工程、該保護膜の開口部に対応
する部分を除去する工程、開口部にリッジ型の化合物半
導体層を選択成長する工程を含むことを特徴とする半導
体発光装置の製造方法、並びに基板上に、活性層を含む
化合物半導体層及び電流ブロック層をこの順に積層する
工程、該電流ブロック層の一部を除去する工程、その除
去された部分に該開口部を有する保護膜を形成する工
程、開口部にリッジ型の化合物半導体層を選択成長する
工程を含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法
である。
本発明の構造は再成長によって作成されるものである。
すなわち、図1にあるように、最初に基板上に形成され
る、活性層を含む化合物半導体層は、通常、活性層の上
下に活性層より屈折率の小さい層を含んでおり、そのう
ち基板側の層は第1導電型クラッド層、他方のエピタキ
シャル側の層は第2導電型第1クラッド層として機能す
る。このほか光ガイド層として機能する層を含んでいて
もよい。通常は、2層のクラッド層で活性層を挟んでな
るダブルへテロ(DH)構造であり、基板21上に第1
導電型クラッド層11、活性層12、第2導電型クラッ
ド層13を順次積層する。このとき、第2導電型クラッ
ド層13の上にさらに表面酸化を防止する機能をもつ酸
化防止層を含んでいてもよく、例えば直接酸化防止層1
5を積層することができ、これは好ましいものである
(図1(a))。次に絶縁層である保護膜31を堆積さ
せ、フォトリソグラフィー法によりこの保護膜の外側部
分にリッジダミー領域の保護膜を除去する。リッジダミ
ー領域とは、図8に示すようにエピタキシャル層側から
見て、保護膜の外側部分を基板からエピタキシャル層を
含んで、リッジダミー領域と称することとする。それに
は保護膜31に乗りかかるように成長したエピタキシャ
ル層も含むこととする。リッジダミー領域に電流ブロッ
ク層16を形成する(図(b))。さらにフォトリソグ
ラフィー法により保護膜の中心部分にリッジ形成用の開
口部を開ける。開口部の形状としては、ストライプに限
定されず、例えばその一部が広がっていたり、狭くなっ
ていてもよい。この上にリッジ型の化合物半導体層、即
ち、通常は活性層よりも屈折率の低い化合物半導体層で
ある第2導電型第2クラッド層と抵抗低減のためのコン
タクト層を形成する。このほかに光ガイド層として機能
する層を含んでいてもよい。そうする事により、リッジ
部分に第2導電型クラッド層13aとコンタクト層14
が、リッジダミー領域にはこれと対応するようなそれぞ
れの層13bと14bが堆積する。
に第1導電型クラッド層11、活性層12、第2導電型
クラッド層13、必要により酸化防止層15、電流ブロ
ック層になる16を形成する(図(a))。次にフォト
リソグラフィー法とエッチング技術を用いて、リッジ部
と保護膜を形成する部分を除去する(図(b))、次い
で絶縁体である保護膜31を堆積させ、フォトリソグラ
フィー法によりリッジダミー領域とリッジ部分に開口部
を開ける。この上に第2導電型クラッド層とコンタクト
層を形成する。そうする事により、リッジ部分に第2導
電型クラッド層13aとコンタクト層14が、リッジダ
ミー領域にはこれと対応するようなそれぞれの層13b
と14bが堆積する(図(c))。尚、図1(d)及び
図2(d)において、32及び33は電極であり、公知
の方法で堆積させて形成される。
MOCVDやMBEなどの公知の成長方法を用いればよ
い。また、基板についても導電性があるものであれば使
用できるが、望ましくはその上に結晶薄膜を成長するた
め、GaAs、InP、Si、ZnSeといった半導体
単結晶基板、特に閃亜鉛鉱型構造を有する半導体結晶基
板を用いるのが良く、その場合基板の結晶成長面は(1
00)面またはそれと結晶学的に等価な面が好ましい。
なお、本明細書において(100)面という場合、必ず
しも厳密に(100)の面である必要はなく、最大15
°程度のオフアングルを有する場合までを包含すること
とする。
の場合はAl2O3 、6H-SiC等の上にも形成されるものであ
る。
要に応じて接触抵抗低減のために第2導電型第2クラッ
ド層上に形成される第2導電型コンタクト層についても
限定はしないが、AlGaAs、AlGaInP、Ga
InPAs、AlGaInN、BeMgZnSSe、C
dZnSeTe等の一般的なIII-V族、II−VI族半導体
を用いてDH構造を作成すればよい。また、このとき、
電流ブロック層は、リッジ部分に電流を集中させ、リッ
ジ部分でのみレーザー発振を起こせるような材料であれ
ばよいが、厚みに関しては厚すぎると、例えばリッジス
トライプ幅の制御性が悪くなり、薄いとj−downに
組立てた場合にリッジストライプ部分へのストレスを回
避する効果が薄れる。そのため電流ブロック層の厚みの
下限値は、100nm以上が好ましく、300nm以上
がより好ましく、500nm以上が最も好ましい。また
その上限値は、2000nm以下が好ましく、1500
nm以下がより好ましく、1000nm以下が最も好ま
しい。電流ブロック層は、絶縁層でもよいが、半導体層
であることが好ましい。この場合、導電型としては第1
導電型であるかまたは高抵抗であり、キャリア濃度の下
限値は、1×1017cm-3以上が好ましく、5×1017
cm-3以上がより好ましく、7×1017cm -3以上が最
も好ましい。またその上限値は、1×1019cm-3以下
が好ましく、5×1018cm-3以下がより好ましく、3
×1018cm-3以下が最も好ましい。また、保護膜と電
流ブロック層の境界部分での電流の漏れを防ぐために
は、電流ブロック層は保護膜上にのりかかる様に形成さ
れることがより好ましい。
d(図1(b))とこの保護膜の繰り返し幅L(図1
(b))については、特に限定しないが、この保護膜の
幅dとこの保護膜の繰り返し幅Lの比d/Lが、0.0
02以上0.5以下である場合にはリッジのあつみや、
キャリア濃度の制御が容易となるので好ましい。又、こ
の保護膜に、リッジ形成用の開口部を開ける必要がある
ことから、保護膜の幅dが、開口部の幅Wに近いと、精
度良く開口部を空けることが難かしく、保護膜にリッジ
部分やリッジダミー領域が乗りかかるような選択成長を
することが不可能となる。この時、リッジ再成長用の保
護膜の幅D(図1(c))はd=2D+Wとなる。保護
膜Dの幅についても特に限定しないが、上記の理由によ
り、下限は好ましくは5μm以上、より好ましくは7μ
m以上、最も好ましくは10μm以上であり上限につい
ては、d/Lの比を満たしていれば好ましい。
り屈折率が小さい材料が選択される。コンタクト層とし
ては、通常、バンドギャップがクラッド層のそれよりも
小さい材料が選択され、金属電極とのオーミック性を取
るための低抵抗で、適当なキャリア密度、キャリア濃度
の下限値は、1×1018cm-3以上が好ましく、5×1
018cm-3以上がより好ましい。またその上限値は、5
×1019cm-3以下が好ましく、2×1019cm-3以下
がより好ましい。
も、よりキャリア濃度の高い層をコンタクト層として用
いてもよいし、或いは第2導電型第2クラッド層の表面
側の一部にキャリア濃度の高い部分を作り、キャリア濃
度の高い部分をコンタクト層として用いてもよい。ま
た、活性層は、単一の層からなる場合に限定されず、量
子井戸層および該量子井戸層を上下から挟む光ガイド層
からなる単一量子井戸構造(SQW)や、複数の量子井
戸層およびそれらに挟まれたバリア層ならびに最上の量
子井戸層の上および最下の量子井戸層の下に積層された
光ガイド層からなる多量子井戸構造(MQW)をも包含
することとする。さらに、リッジ部分のクラッド層の屈
折率を活性層の上にあるクラッド層の屈折率よりも低い
構造としてレーザ作製時の組成のバラツキが原因となる
光の拡がり角のバラツキを小さくすることができる。
膜の開口部上に形成されたリッジ部の下の活性層の領域
にのみ電流注入を行えるように、開口部両脇の保護膜で
電流狭窄を行うために絶縁性を有する必要があり、ま
た、活性層に水平方向にリッジ部、保護膜の間で実効屈
折率差をつけ、レーザ発振の横モードの安定化を図るた
めに、保護膜の屈折率はクラッド層の屈折率よりも小さ
いことが好ましい。しかし、実用上は、屈折率差が大き
すぎると活性層内での横方向の有効屈折率段差が大きく
なり易いために、リッジ下の第1クラッド層を厚くしな
ければならなくなる。一方、屈折率差が小さすぎる場
合、保護膜の外側へ光が漏れやすくなるために保護膜を
ある程度厚くする必要があるが、このことにより劈開性
が悪くなるという問題が生じる。これらのことを考え併
せて、保護膜とクラッド層との屈折率差の下限値は0.
1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.7
以上が最も好ましい。またその上限値は2.5以下が好
ましく、2.0以下がより好ましく、1.8以下が最も
好ましい。
示すことができ、かつ保護膜の外側に光が漏れない程度
の厚さがあれば、特に問題はない。保護膜の厚みの下限
値は、10nm以上が好ましく、50nm以上がより好
ましく、100nm以上が最も好ましい。またその上限
値は、50nm以下が好ましく、300nm以下がより
好ましく、200nm以下が最も好ましい。また、保護
膜の幅Dとリッジ部分の繰り返し幅Lについては特に限
定しないが、この保護膜の幅Dとリッジ部分の繰り返し
幅Lとの比D/Lが0.001以上0.25以下である
場合には、リッジ部分の厚みやキャリア濃度の制御が容
易となるので好ましい。ここで保護膜の幅Dやリッジ部
分の繰り返し幅Lは、それぞれの繰り返し単位中での幅
が同一ならその同一の幅を、各繰り返し単位中での幅に
ばらつきがあれば、それぞれの幅の平均値を用いればよ
い。
であることが好ましく、具体的には、SiNx膜、SiO2膜、
SiON膜、Al2O3 膜、ZnO 膜、SiC 膜及びアモルファスSi
からなる群から選択される。保護膜は、マスクとしてMO
CVD などを用いてリッジ部を選択再成長により形成する
場合に用いられるとともに、電流狭窄の目的でも用いら
れる。プロセスの簡便さから、電流狭窄用の保護膜と選
択成長用の保護膜は同一組成のものを使用することが好
ましいが、組成が異っていてもよく、また必要に応じて
組成の異なる層を多層に成膜してもよい。
(100)面又はそれと結晶学的に等価な面の場合、リ
ッジ部側面に後述するコンタクト層が成長しやすくする
ためには、保護膜の開口部として好ましく用いられるス
トライプ領域長手方向が[01−1]方向又はそれと結
晶学的に等価な方向に伸びていることが好ましい。その
場合リッジ側面の大部分が(311)A面となることが
多く、リッジを形成する第2導電型第2クラッド層上の
成長可能な実質的全面にコンタクト層を成長させること
ができる。 同様の理由により、ウルツァイト型の基板
を用いた場合には、ストライプ領域の伸びる方向は、例
えば(0001)面上では[ 11−20]又は[ 1−1
00] が好ましい。HVPE(Hydride Vapor Phase Epitax
y) ではどちらの方向でもよいが、MOVPE では[ 11−
20] 方向がより好ましい。
素として含む化合物半導体、より具体的にはAlGaAs系化
合物半導体をクラッド層として用いた場合、第2導電型
第2クラッド層がAlGaAs特にAlAs混晶比の下
限値は0.2以上が好ましく、0.3以上がより好まし
く、0.4以上が最も好ましい。またその上限値は、
1.0以下が好ましく、0.9以下がより好ましく、
0.8以下が最も好ましい。なお、本明細書において
「[01−1]方向」という場合は、一般的なIII −V
族、II−VI族半導体において、(100)面と[01−
1]面との間に存在する[11−1]面が、それぞれV
族又はVI族元素が現れる面であるように[01−1]方
向を定義する。また、必ずしも[01−1]ジャストの
方向である必要はなく、[01−1]方向から±10°
程度方向がずれた方向までを包含するものとする。
イプ形状である場合のストライプ領域が[01−1]方
向の場合に限定されない。以下に他の実施態様を説明す
る。ストライプ領域が[011]方向又はそれと結晶学
的に等価な方向に伸びている場合、例えば、成長条件に
より、成長速度に異方性をもたせることができ、(10
0)面では速く、(111)B面ではほとんど成長しな
いようにすることができる。その場合、ストライプ状の
窓部(100)面に選択的に成長を行うと、(111)
B面を側面とするリッジ状第2導電型第2クラッド層が
形成される。この場合も次にコンタクト層を形成する
際、より等方性の強い成長が起こる条件を選ぶことによ
り、(100)面のリッジ頂部とともに(111)B面
からなるリッジ側面にも全面的にコンタクト層が形成さ
れる。MOCVD法を用いてIII-V族化合物半導体層を
成長する場合、ダブルヘテロ構造は、成長温度700°
C前後、V/III比25〜45程度、リッジ部分は成長温
度630〜700°C、V/III比45〜55程度で行う
のが好ましい。特に保護膜を用いて選択成長するリッジ
部分がAlGaAs等のAlを含むIII-V族化合物半導
体である場合、成長中に微量のHClガスを導入するこ
とにより、保護膜上へのポリの堆積が防止され、非常に
好ましい。その場合、HClガスの導入量が多すぎると
AlGaAs層の成長が起こらず、逆に半導体層がエッ
チングされてしまう(エッチングモード)が、最適なH
Cl導入量はトリメチルアルミニウム等のAlを含んだ
III族原料供給モル数に大きく依存する。具体的には、
HClの供給モル数とAlを含んだIII 族原料供給モル
数の比(HCl/III 族)の下限値は、0.01以上が
好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が
最も好ましい。またその上限値は、50以下が好まし
く、10以下がより好ましく、5以下が最も好ましい。
表面の再成長表面を酸化しづらいもしくは酸化しても容
易に酸化膜を除去できるような酸化防止層を形成するこ
とも可能である。また、リッジ部分のクラッド層の屈折
率を活性層の上にあるクラッド層の屈折率よりも低くな
る構造として、レーザ作成時の組成のばらつきにより光
の拡がり角のばらつきを小さくすることもできる。さら
には、上記MOCVD法等公知の手法を使用して再成長
部のクラッド層を保護膜の上面にかかるように成長し、
保護膜とリッジ部の近傍にしみ出す光の分布の制御性を
良くしたり、再成長部のコンタクト層を保護膜の上面に
かかるように成長し、クラッド層側面の酸化防止やエピ
タキシャル面側の電極との接触面積の増加を行うことも
できる。これら再成長部のクラッド層やコンタクト層を
保護膜上部にかかるように成長することはそれぞれ単独
に行っても良いし、両方を組み合わせても良い。このよ
うに、本発明は様々なリッジストライプ型導波路構造半
導体発光装置に応用が可能である。またこの構造は、端
面発光型のLEDとしても応用可能である。
外側に電流ブロック層を形成することで絶縁膜を使用す
る面積を最小限にしたことを特徴とし、これにより、劈
開の際に共振器に平行な方向には保護膜が存在せず、ま
た、垂直方向には最小限の保護膜しか存在しないため劈
開が容易となる。また、電流ブロック層の存在によりリ
ッジダミー領域がリッジストライプ部分より厚くするこ
とができ、図9(a)に示すようにj−downで組み
立てた場合に中央のリッジに大きなストレスがはいら
ず、劣化を防ぐという利点がある。また電流ブロック層
の存在により、リッジダミー領域がサイリスタ構造とな
るためj−down構造で組みたてた場合の半田材のま
わりこみによる電流もれを防ぐという利点がある。
は、図3に示すようにDH表面に酸化防止層15を設
け、再成長したクラッド層13aとコンタクト層14a
は保護膜31上部までかかるように成長させ、さらにリ
ッジ部クラッド層13aの屈折率を活性層の上にあるク
ラッド層13の屈折率よりも低くなる構造にし、電流ブ
ロック層16も同様に保護膜31の上部にかかる構造に
したものである。
常、大部分が第2導電型第2クラッド層であるが、その
側面及び上面等の実質的全面に、リッジ型化合物半導体
層の他の部分より低抵抗のコンタクト層が形成されてい
ることが好ましい。この様に、コンタクト層を介して、
隣接する電極及び第2導電型第2クラッド層との間に十
分な接触面積を持たせることにより、装置全体の抵抗を
低く抑えることができる。
側面及び上面の一部を更に酸化防止等の目的の層で覆う
ことも可能である。その場合も、リッジ側面にコンタク
ト層を形成せずに電極を形成するよりは装置全体の抵抗
を小さく抑えることができ、その限りにおいて、本発明
に包含されるものである。特に、AlGaInP 系やAlGaInN
系など比抵抗の高い材料(とりわけp型において)にお
いて、装置全体の抵抗低減には有効である。
して再成長した第2導電型第2クラッド層であるリッジ
型の化合物半導体層の一部が、保護膜上にのりかかるよ
うに形成されている構造が好ましい。第2導電型、第2
クラッド層の保護膜上への重なりの部分の下限値は、
0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好
ましい。またその上限値は、2.0μm未満が好まし
く、1.0μm以下がより好ましい。上記の様に形成さ
れることによりコンタクト層と電極との接触面積を増大
させることができ、コンタクト層と電極との接触抵抗が
下がるとともに、保護膜とリッジ底部との境界近傍にし
み出す光分布の制御性を向上させることができる。ま
た、活性層から発光する光のエネルギーより小さいバン
ドギャップを有するコンタクト層を使用した場合には、
リッジ側面に形成されるコンタクト層の光吸収を低減す
ることができ、レーザ特性や信頼性の向上が実現でき
る。この場合、従来のリッジ導波型レーザのように必ず
しもリッジ型の化合物半導体層の側面に保護膜を形成さ
れていなくてもよく、本発明においては、前記リッジ形
状部の側面の底部に保護膜が接してあればよいのでプロ
セスの簡素化、コスト低減においても有効である。
型第1クラッド層の屈折率が第2導電型第2クラッド層
の屈折率よりも大きい。この第2導電型第1クラッド層
と第2導電型第2クラッド層の屈折率差の下限値は、
0.005以上が好ましく、0.01以上がより好まし
く、0.02以上が最も好ましい。またその上限値は、
0.15以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、
0.08以下が最も好ましい。これにより、リッジ部分
への光分布(近視野像)の裾引きを抑制することがで
き、垂直広がり角(遠視野像)の対象性向上、水平広が
り角(遠視野像)のサイドピーク抑制、あるいはコント
クト層での光吸収抑制によるレーザ特性や信頼性の向上
を達成できる。
導電型第1クラッド層上の少なくとも保護膜開口部直
下、即ち、ストライプ領域及び好ましくはその両側にも
酸化防止層を有する。これによりリッジ部のクラッド層
を再成長により形成する場合、再成長界面で通過抵抗を
増大させるような高抵抗層の発生を防ぐことが可能にな
る。また、再成長界面に酸素等の不純物が多量に存在す
ると、結晶品質低下による界面での光吸収(発熱)や欠
陥を介した不純物拡散の促進などを引き起こし、特性や
信頼性の劣化を招いてしまう。酸化防止層を設けると、
これらの界面における結晶品質低下を少なくすることが
できる。
と組み合わせることが可能である等、本発明は様々なリ
ッジ導波型半導体発光装置に応用可能である。 (1)ストライプ領域の両側を覆う保護膜の更に外側に
半導体、誘電体等好ましくは半導体の電流ブロック層を
形成することにより、劈開、組立時の歩留まりを向上さ
せ、ジャンクションダウンで組み立てた際のリッジ部へ
のストレスを軽減して長寿命とすることができる。 (2)表面が低次の面方位に対してオフアングルを有す
る基板を採用することにより、再成長リッジ部が左右非
対称の形状となっても光密度分布(あるいはビームプロ
ファイル)の横方向の対称性は良好となる様にし、高出
力まで安定な基本横モードで発振可能とし、素子歩留ま
り及び信頼性を向上させることができる。 (3)ストライプ領域の両側を覆う保護膜の更に外側に
電流ブロック層が形成されるリッジダミー領域を有する
構造を形成することにより、ストライプ部分の厚みや組
成、キャリア濃度の制御を容易に行う。
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、下記実施
例により限定されるものではない。 (実施例)この実施例は図1に示すものである。表面が
(100)面である厚さ350μmのn型GaAs(n
=1×1018cm-3)基板21上に、MOCVD法によ
りSiドープAlx Ga1-x As(x=0.55:n=
1×1018cm-3)で厚さ1.5μmのn型第1クラッ
ド層11、ノンドープAlX Ga1-X As(x=0.1
4)で厚さ0.06μmの活性層12、ZnドープAl
X Ga1-X As(x=0.55:p=1×1018c
m-3)で厚さ0.25μmのp型第1クラッド層13、
厚さ10nmのZnドープAlX Ga1-X As(x=
0.2:p=1×1018cm-3)を順次積層した。次に
保護膜としてSiNX 膜31を200nm堆積させ、フ
ォトリソグラフィー法によりこのSiNX 保護膜に[0
1−1]B方向に幅22μmのストライプ状にSiNX
膜を残した。ここで[01−1]B方向とは(100)
面と[01−1]面の間に存在する[11−1]がAs
面が表面に表れるように定義される。また、このリッジ
部分の繰り返し幅Lは250μmごととした。(D/L
=0.088)。この上にMOCVD法により、厚さ
0.5μmのSiドープGaAs(n=1×1018c m
-3)16を選択成長させた。次に、フォトリソグラフィ
ー法により、ストライプ状のSiNX 膜の中心に[01
−1]B方向に幅2.2μmのストライプ状の窓を開け
た。この上に、MOCVD法により選択成長を行い、リ
ッジストライプ状に、ふつうの基板上への全面成長を行
った場合に、ZnドープAlX Ga1-X As(x=0.
57:p=1×1018cm-3)で厚さ1.25μmとな
るようなp型第2クラッド層13aとキャリア濃度1×
1019cm-3のZnドープGaAsて厚さ0.5μmと
なるようなp型コンタクト層14を形成した。リッジ部
分に成長したクラッド層やコンタクト層の厚みを断面観
察により測定した結果、その厚みはふつうの基板に全面
成長した場合と誤差の範囲で一致した。この後、p側の
電極を蒸着し、基板を100μmまで薄くした後にn側
の電極を蒸着した。図10に本実施例の半導体発光装置
の断面図を示した。こうして作成したウエハーより劈開
でチップを切り出したところ、劈開による損傷がなく、
組立による電極剥がれもなかった。近視野像を確認した
所、リッジ部分でのみ発光が観察され、電流ブロックに
より、リッブ部分のみに電流狭窄されているのが確認さ
れた。また、図9(a)のようにj−downで組立を
行ったところ、図6に示す通り非常に良好な電流−電圧
特性を示し、非リッジ部分への電流もれがないことを確
認し、製品歩留まりも良好で有ることを確認した。
作成した。この際、電流ブロック層としての半導体層1
6の選択成長をせずにp型コンタクト層14の上にSi
NX 絶縁膜XYを200nm堆積させ、フォトリソグラ
フィー法によりこのSiNX 絶縁膜に[0−1−1]A
方向にリッジストライプ上に幅10μmにストライプ状
の窓を開けた。これ以外は全く実施例と同じにした。図
11に本比較例の半導体発光装置の断面図を示した。劈
開、組立を行った結果、p-側表面にSiNX 膜、電極が
形成されるために劈開性が悪くなったり、電極、SiN
X 膜が剥がれるなどの問題が起こった。近視野像を確認
した所、リッジダミー領域での電流もれにより活性層全
体が発光している様子が確認されSiNx絶縁膜により
十分に電流が狭窄されないレーザーが多数認められた。
また、図9(b)のようにj-downで組み立てた場合は、
電流漏れを生じ、図7に示す通り、電流−電圧特性のと
れないものが多数発生し、リッジストライプとその両側
に成長した部分の厚みが同じであるため半田材からのス
トレス等での劣化を招きやすく十分なレーザー特性が得
られず、また、歩留まりが低下した。
波路構造半導体発光装置の電流狭窄を目的とした絶縁層
を使用しないことから劈開、組立による歩留まりが向上
し、リッジストライプの外側には電流ブロック層が存在
し、リッジストライプ部分よりも厚いためj−down
で組み立てた場合にリッジストライプ部分へのストレス
を軽減し、高出力、長寿命が達成できる。
施例の半導体発光装置のダブルヘテロ構造の成長が終わ
った段階での断面図。bはリッジ部を再成長により作成
する本発明実施例の半導体発光装置の電流ブロック層再
成長が終わった段階での断面図。cはリッジ部を再成長
により作成する本発明実施例の半導体発光装置のリッジ
再成長が終わった段階での断面図。dはリッジ部を再成
長により作成する本発明実施例の半導体発光装置の完成
したものの断面図。
施例の半導体発光装置のダブルヘテロ構造の成長が終わ
った段階での断面図。bはリッジ部を再成長により作成
する本発明実施例の半導体発光装置の電流ブロック層の
形成が終わった段階での断面図。cはリッジ部を再成長
により作成する本発明実施例の半導体発光装置のリッジ
再成長が終わった段階での断面図。dはリッジ部を再成
長により作成する本発明実施例の半導体発光装置の完成
したものの断面図。
ち、あるひとつの実施例の半導体発光装置の完成したも
のの断面図。
の半導体発光装置のDH成長が終わった段階での断面
図。bはリッジ部をエッチングにより作成する従来の半
導体発光装置のリッジエッチングが終わった段階での断
面図。cはリッジ部をエッチングにより作成する従来の
半導体発光装置の完成したものの断面図。
導体発光装置のDH成長が終わった段階での断面図。b
はリッジ部を再成長により作成する従来の半導体発光装
置のリッジ再成長が終わった段階での断面図。cはリッ
ジ部を再成長により作成する従来の半導体発光装置の完
成したものの断面図。
例で作製した半導体発光装置の電流−電圧特性。
発光装置を比較例として作製した電流−電圧特性。
から見た図であり、保護膜、リッジダミー領域を示した
図。
ンダウン型に組みたてた様子を示した図、(b)本発明
の半導体発光装置の比較例をジャンクションダウン型に
組みたてた様子を示した図。
したもので、実施例に使用した発導体発光装置の断面
図。
ものの断面図。
ラッド層 14 第2導電型コンタクト層 14a リッジ部分に出来た第2導電型コンタクト層 14b リッジダミー領域に出来た第2導電型コンタ
クト層 15 酸化防止層 16 電流ブロック層 21 基板 31 保護膜 31a 絶縁層 32 エピタキシャル層側電極 33 基板側電極 34 はんだ材 35 ヒートシンク 36 ボンディングワイヤー
Claims (9)
- 【請求項1】 基板上に、活性層を含む化合物半導体
層、開口部に形成されたリッジ型の化合物半導体層及び
該開口部領域の両側を覆う保護膜を有する半導体発光装
置において該保護膜の外側に電流ブロック層が形成され
ていることを特徴とする半導体発光装置。 - 【請求項2】 前記の活性層を含む化合物半導体層が、
活性層の上下にそれぞれ活性層より屈折率の小さい層を
含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。 - 【請求項3】 前記の活性層の上下の活性層より屈折率
の小さい層のうち、基板側の層が第1導電型クラッド層
であり、他方の層が第2導電型第1クラッド層であるこ
とを特徴とする請求項2記載の半導体発光装置。 - 【請求項4】 前記のリッジ型の化合物半導体層が、活
性層より屈折率の小さい層を含むことを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項5】 前記の活性層より屈折率の小さい層が、
第2導電型第2クラッド層であることを特徴とする請求
項4記載の半導体発光装置。 - 【請求項6】 前記電流ブロック層が、半導体層である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導
体発光装置。 - 【請求項7】 前記電流ブロック層が、第1導電型の半
導体層または高抵抗の半導体層であることを特徴とする
請求項6記載の半導体発光装置。 - 【請求項8】 基板上に活性層を含む化合物半導体層及
び少なくとも開口部を覆う保護膜をこの順に形成する工
程、該保護膜の両側に電流ブロック層を選択成長する工
程、該保護膜に開口部を形成する工程、該開口部にリッ
ジ型の化合物半導体層を選択成長する工程を含むことを
特徴とする半導体発光装置の製造方法。 - 【請求項9】 基板上に、活性層を含む化合物半導体層
及び電流ブロック層をこの順に積層する工程、該電流ブ
ロック層の一部を除去する工程、その除去された部分に
開口部を有する該保護膜を形成する工程、該開口部にリ
ッジ型の化合物半導体層を選択成長する工程を含むこと
を特徴とする半導体発光装置の製造方法。
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