JP2000158020A - 耐衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロール - Google Patents
耐衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロールInfo
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Abstract
ール及び矯正用ロールに使用する耐衝撃性及び耐食性に
優れた製鉄圧延設備用複合ロールを提供する。 【解決手段】 電磁誘導加熱コイル11を備えた組み合
わせモールド10に鋼を素材とする母材17を同心垂直
に挿入し、母材17の外周の環状空隙部20に、〔C〕
1.0〜3.0重量%、〔Si〕0.1〜1.0重量
%、〔Mn〕0.1〜1.0重量%、〔Cr〕8.0〜
20.0重量%、〔Mo〕4.0〜15.0重量%、
〔V〕4.0〜20.0重量%、〔W〕10.0重量%
以下、〔Co〕10.0重量%以下、〔Ni〕10.0
重量%以下、残部は実質的にFe及び不可避的不純物元
素からなると共に、0.5≦V/Cr≦1.0の式を満
足することを特徴とする溶湯19を注入し、母材17を
降下させて、母材外表面に溶湯19を溶着させながら、
肉盛層21を形成し、所定の熱処理、機械加工を行う。
Description
圧延設備における圧延用ロール及び矯正用ロールに使用
する耐衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロ
ールに関する。
は、適度の耐摩耗性を有した〔C〕2.3〜2.9重量
%、〔Si〕0.4〜0.9重量%、〔Mn〕0.8〜
1.2重量%、〔Cr〕13.0〜18.0重量%、
〔Mo〕0.7〜2.0重量%、〔Ni〕0.5〜1.
5重量%、〔Nb〕1.0重量%以下、〔V〕1.0重
量%以下の高クロム鋳鉄、或いは、〔C〕3.2〜3.
4重量%、〔Si〕0.7〜0.9重量%、〔Mn〕
0.5〜0.8重量%、〔Cr〕1.5〜1.9重量
%、〔Mo〕0.3〜0.6重量%、〔Ni〕4.2〜
4.6重量%の高合金グレン材が広く使用されている
(「わが国における最近のホットストリップの製造技
術」頁148参照、日本鉄鋼協会、昭和62年8月10
日発行)。また、従来製鉄圧延設備用矯正ロール材につ
いては、JIS G 4404のSKD11合金工具鋼
が広く採用されて来た。近年、ロール材として、従来の
高速度鋼よりも炭素量を増やして、共晶炭化物を多く晶
出させた多合金系白鋳鉄(いわゆる高炭素ハイス材)す
なわち多種類の合金元素を含有する材料が研究されてお
り(「鋳物」、66(1994)、No.11、頁81
5〜821)、その一例として、〔C〕2.5重量%以
下、〔Cr〕2.0〜7.0重量%、〔Mo〕2.0〜
9.0重量%、〔W〕10.0重量%以下、〔V〕3.
0重量%以上の多合金系白鋳鉄(いわゆる高炭素ハイス
材)により圧延ロールの耐摩耗性向上が図られ、高クロ
ム鋳鉄系の数倍の寿命を持つことがしられている(「鉄
と鋼」、80(1994)、No.7、頁386〜38
9)。
鋼の圧延ラインにおいては、高圧化、高速連続圧延化、
ステンレス鋼や珪素鋼のような難圧延材の増加、或いは
製品の薄物化が進み、ロールの使用条件が苛酷化の一途
を辿っている。例えば、製鉄圧延設備用圧延ロールにつ
いて、衝撃、腐食が激しく、耐衝撃性及び耐食性向上の
ニーズが高くなっている。上記衝撃、腐食が増大するこ
とによって、鋼板製品の板厚精度の悪化と共に、ロール
の取り替え頻度も多くなり圧延効率が低下している。前
記高クロム鋳鉄、高合金グレン材及びSKD11合金工
具鋼においては、圧延ラインの益々高くなってきた要求
レベルを到底満足するものではなく、また、前記「鉄と
鋼」刊行物に記載された多合金系白鋳鉄(いわゆる高炭
素ハイス材)において、耐衝撃性及び耐食性を改善する
必要がある。特に、該多合金系白鋳鉄ロールは耐摩耗性
が著しく改善された結果、機械的な摩耗量が減少し、圧
延設備内でより長期間の使用ができるようになった反
面、ロールの耐衝撃性及び耐食性の不足によって使用期
間が制限される場合が生じてきた。
衝撃性及び耐食性を高位の水準に高め、製鉄熱間又は冷
間圧延設備における圧延用ロール及び矯正用ロールに使
用する耐衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合
ロールを提供することを目的とする。
明に係る耐衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複
合ロールは、電磁誘導加熱コイルを備えた耐火性加熱型
の下部に、冷却型を一体的に配置した組み合わせモール
ドを用い、該組み合わせモールドの内部に鋼を素材とす
る中実又は中空の母材を同心垂直に挿入し、同母材の外
周の環状空隙部に、別途、準備した溶湯を注入し、前記
母材を断続的に降下させて、該母材外表面に前記溶湯を
溶着させながら、冷却により凝固せしめて、該母材の外
周に肉盛層を形成し、所定の熱処理、機械加工を行って
製造される製鉄圧延設備用複合ロールであって、前記溶
湯の成分は、〔C〕1.0〜3.0重量%、〔Si〕
0.1〜1.0重量%、〔Mn〕0.1〜1.0重量
%、〔Cr〕8.0〜20.0重量%、〔Mo〕4.0
〜15.0重量%、〔V〕4.0〜20.0重量%、
〔W〕10.0重量%以下、〔Co〕10.0重量%以
下、〔Ni〕10.0重量%以下で、残部は実質的にF
e及び不可避的不純物元素からなり、しかも、0.5≦
V/Cr≦1.0の式を満足している。
性に優れた製鉄圧延設備用複合ロールは、電磁誘導加熱
コイルを備えた耐火性加熱型の下部に、冷却型を一体的
に配置した組み合わせモールドを用い、該組み合わせモ
ールドの内部に鋼を素材とする中実又は中空の母材を同
心垂直に挿入し、同母材の外周の環状空隙部に、別途、
準備した溶湯を注入し、前記母材を断続的に降下させ
て、該母材外表面に前記溶湯を溶着させながら、冷却に
より凝固せしめて、該母材の外周に肉盛層を形成し、所
定の熱処理、機械加工を行って製造される製鉄圧延設備
用複合ロールであって、前記溶湯の成分は、〔C〕1.
0〜3.0重量%、〔Si〕0.1〜1.0重量%、
〔Mn〕0.1〜1.0重量%、〔Cr〕8.0〜2
0.0重量%、〔Mo〕4.0〜15.0重量%、
〔V〕4.0〜20.0重量%、〔W〕10.0重量%
以下、〔Co〕10.0重量%以下、〔Ni〕10.0
重量%以下で、しかも〔Nb〕0.5〜5.0重量%、
〔Ti〕0.5〜5.0重量%、〔Zr〕0.5〜5.
0重量%からなる群から選ばれた1種又は2種以上を含
み、残部は実質的にFe及び不可避的不純物元素からな
り、更には、0.5≦V/Cr≦1.0の式を満足して
いる。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。本発明材の製造方法は、基本的には
本出願人が提案した特公昭44−4903号公報(特許
第552637号)及び特公昭53−47767号公報
(特許第965888号)に示された連続鋳掛け法を用
いている。ここに、図1は本発明の実施の形態に係る耐
衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロールの
製造に好適に使用できる組み合わせモールドの概略説明
図(連続鋳掛け法の概略説明図)である。
及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロールの製造に
ついて説明する。本発明の一実施の形態に係る製鉄圧延
設備用複合ロールを製造する組み合わせモールド10
は、図1に示すように、電磁誘導加熱コイル11が内部
に配置された中空環状の耐火枠12を備えた耐火性加熱
型13と、耐火性加熱型13の下部に配置され、これと
同軸の内孔を有する冷却型14とを一体的に有し、その
下方には、図示しない油圧シリンダーなどの昇降手段に
よって上下し、上部に搭載されたロールからなる製鉄圧
延設備用複合ロール15を徐々に降下させる昇降装置1
6を備えている。この組み合わせモールド10を使用し
て、製鉄圧延設備用複合ロール15を製造する場合に
は、組み合わせモールド10の中央に同心垂直に、鋼を
素材とする中実又は、中空の母材17を挿入する。次い
で、別途溶解炉18にて準備した外層になる肉盛材の溶
湯19を母材17と組み合わせモールド10との環状空
隙部20に、電磁誘導加熱コイル11に電流を流しなが
ら注入し、母材17を断続的に降下させる。これによっ
て、溶湯19は母材17の表面に溶着しながら、冷却型
14によって順次冷却凝固され肉盛層21が形成され
る。この後、製品より少し大きい外径寸法に機械加工
し、次に所定の焼入れ、焼戻し等の熱処理を行い、更に
製品寸法への機械加工を行って製鉄圧延設備用複合ロー
ル15が製造される。
ホウケイ酸ガラス皮膜22を形成させておき、組み合わ
せモールド10の上に配置された予熱用の電磁誘導加熱
コイル23によって母材17を予熱すると共に、ホウケ
イ酸ガラス皮膜22が溶融焼成されることによって、母
材17の表面を清浄に保ちながら肉盛層21を形成でき
る。なお、図1において、24は芯出し装置、25は溶
融部、26は溶融フラックスを示す。ここで、肉盛層2
1の化学成分、即ち溶湯19の化学成分は、第1の実施
の形態として、〔C〕1.0〜3.0重量%、〔Si〕
0.1〜1.0重量%、〔Mn〕0.1〜1.0重量
%、〔Cr〕8.0〜20.0重量%、〔Mo〕4.0
〜15.0重量%、〔V〕4.0〜20.0重量%、
〔W〕10.0重量%以下、〔Co〕10.0重量%以
下、〔Ni〕10.0重量%以下、残部は実質的にFe
及び不可避的不純物元素からなると共に、0.5≦V/
Cr≦1.0の式を満足する。
1の化学成分、即ち溶湯19の化学成分は、〔C〕1.
0〜3.0重量%、〔Si〕0.1〜1.0重量%、
〔Mn〕0.1〜1.0重量%、〔Cr〕8.0〜2
0.0重量%、〔Mo〕4.0〜15.0重量%、
〔V〕4.0〜20.0重量%、〔W〕10.0重量%
以下、〔Co〕10.0重量%以下、〔Ni〕10.0
重量%以下、及び〔Nb〕0.5〜5.0重量%、〔T
i〕0.5〜5.0重量%、〔Zr〕0.5〜5.0重
量%からなる群から選ばれた1種又は2種以上、残部は
実質的にFe及び不可避的不純物元素からなると共に、
0.5≦V/Cr≦1.0の式を満足する。
の化学成分を上記のように限定した理由について説明す
る。 C:1.0〜3.0重量% CはCr、Mo、W、VとM23C6 、M2 C、MC型の
極めて硬い炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。ま
た、基地に固溶し、焼入れ性を向上させると共に、基地
の強度、硬さを向上させる。下限を1.0重量%とした
のは、炭化物が減少し耐摩耗性が低下するためであり、
また、上限を3.0重量%としたのは、ネット状の炭化
物が多くなり、靭性が低下するためである。なお、ここ
で、MはCと合金となる金属を示す。 Si:0.1〜1.0重量% Siは脱酸剤として必要であるが、0.1重量%未満で
は効果がなく、1.0重量%を超えると、耐摩耗性が低
下することから、下限、上限をそれぞれ0.1重量%、
1.0重量%とした。特に、耐摩耗性を高めるためには
0.5重量%以下添加することが好ましい。
害なSをMnSとして固定するが、0.1重量%未満で
は効果がなく、1.0重量%を超えると、耐摩耗性が低
下することから、下限を0.1重量%、上限を1.0重
量%とした。特に、耐摩耗性を高めるためには0.5重
量%以下添加することが好ましい。 Cr:8.0〜20.0重量% Crは一部基地に固溶し、硬化性を高めると共に、耐腐
食性、耐酸化性を向上させるのに必要であるが、8.0
重量%未満ではその効果が小さく、20.0重量%を超
えると焼付き性を低下させ、また粗大なCr炭化物が生
成するため、下限、上限をそれぞれ8.0重量%、2
0.0重量%とした。特に、耐腐食性を高めるためには
9.0重量%以上添加することが好ましい。
Cと結びついて耐摩耗性に有効なM2 C炭化物を形成す
る。4.0重量%未満ではその効果が小さく、15.0
重量%を超えるとM2 C炭化物が顕著に粗大化すること
から、下限、上限をそれぞれ4.0重量%、15.0重
量%とした。 V:4.0〜20.0重量% Vは最も炭化物の形成傾向が大きくMC炭化物を形成
し、4.0重量%未満ではMCの量が少なく、耐摩耗性
が十分得られず、またM2 C炭化物の粗大化を抑制する
ことができず、20.0重量%を超えるとMC炭化物が
粗大化し、機械的性質を低下せしめることから、下限を
4.0重量%、上限を20.0重量%とした。
に、耐摩耗性に有効なM2 C炭化物を形成するが、1
0.0重量%を超えるとM2 C炭化物が粗大化すること
から、上限を10.0重量%とした。 Co:10.0重量%以下 Coは、大部分が基地に固溶し、基地強度を向上させ、
特に、高温でその効果が大きい。MC、M2 Cなどの極
めて硬く、耐摩耗性に有効な炭化物が存在する場合、基
地も炭化物にバランスした硬さ、強度がないと炭化物の
周囲の基地が極めて短時間で摩耗し肌荒れをもたらすの
で、炭化物に見合った基地の強度が必要となるためであ
る。また、Coは耐腐食性に極めて有効であり、上限を
10.0重量%としたのは、それを超えて加えても効果
が少なく、また高価なためである。
腐食性及び材料の焼入れ性を向上させるが、10.0重
量%を超えると残留オーステナイトの増加をもたらし、
割れや肌荒れなどの問題が生じることがあり、上限を1
0.0重量%とした。 Nb:0.5〜5.0重量%、Ti:0.5〜5.0重
量%、Zr:0.5〜5.0重量%の中の1種又は2種
以上 Nb、Ti、Zrを適量添加することがロール性能(耐
久性、靱性、耐食性)を向上させるのに有効である。N
b、Ti、ZrはVと同様Cと結合しやすく、MC炭化
物を形成することによって、耐摩耗性を向上させる。N
b、Ti、Zrの効果は実用的に認められる下限として
0.5重量%とした。5.0重量%を超えるとMC炭化
物が顕著に粗大化することから、上限を5.0重量%と
した。また、Nb、Ti、Zrは共に高価なものである
ため、コストとの関連で、実用にはNb、Ti、Zrの
中の1種又は2種以上とした。
を限定すると共に、0.5≦V/Cr≦1.0の式を満
足することにある。Crは耐食性に極めて有効である
が、しかし、大量のCrを従来の多合金系白鋳鉄(いわ
ゆる高炭素ハイス材)に添加すると、粗大なM3 C、M
7 C3 炭化物が晶出し、靭性及び耐食性が大幅に低下す
る。従って、従来の多合金系白鋳鉄(いわゆる高炭素ハ
イス材)は粗大なM3 C、M7 C3 炭化物を晶出させな
いため、Cr含有量が7重量%を超えていない(「鉄と
鋼」、80(1994)、No.7、頁386〜38
9)。本発明者らは、V/ Crの比率を制御し、つま
り、0.5≦V/Cr≦1.0の式を満足させることに
よって、8.0〜20.0重量%のCrを加えても、粗
大なM3 C、M7 C3 炭化物を晶出せず、高耐衝撃性、
高耐食性多合金系白鋳鉄(いわゆる高炭素ハイス材)を
得られることを見出した。V/ Crの比率は、後述の実
施例からも明らかなように、0.5未満では粗大なM3
C、M7 C3 炭化物の晶出を抑制出来ず、1.0を超え
るとMC炭化物が粗大化し、靭性及び耐食性が低下する
ことから、下限、上限をそれぞれ0.5、1.0とし
た。
び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロールの作用、効
果を確認するために行った実施例(発明材)を、比較例
(試験材)と共に説明する。
D)、試験材(E〜H)の化学成分を示す。これらの発
明材、試験材は、いずれも所定の焼入れ、焼戻し処理を
施した後、使用層である外層から、それぞれの試験片を
切り出し、X線回折による炭化物の同定、シャルピー衝
撃試験及び腐食試験を行い、材料の特性を評価した。表
2は連続鋳掛け法による発明材、試験材における炭化物
の同定結果である。図2は発明材及び試験材におけるシ
ャルピー衝撃値に及ぼすV/ Cr比率の影響を示すグラ
フであり、図3は発明材、試験材の単位面積当たり腐食
減量を示すグラフである。
発明材、試験材における炭化物の種類を同定し、その結
果を表2に示す。V/ Crの比率が0.5より小さい場
合は、M3 C、M7 C3 炭化物が晶出している。V/ C
rの比率が0.5以上である場合は、M3 C、M7C3
炭化物が晶出していないことがわかった。
Z 2242によって、発明材及び試験材のシャルピー
衝撃値を測定した。図2はシャルピー衝撃値に及ぼすV
/ Cr比率の影響を示し、V/ Crの比率は0.5未満
の場合、シャルピー衝撃値が低く、0.5〜1.0の範
囲で、シャルピー衝撃値が顕著に向上し、1.0を超え
た場合は、シャルピー衝撃値が低下する。
ーを有する三角フラスコの中に、圧延設備用冷却水を入
れて60℃に保持し、試験する材料を浸漬することによ
って、該試験材表面を腐食させ、100時間経過した後
に、表面の腐食生成物を除去し、腐食減量を試験片表面
積で除した値を求め、耐腐食性を評価した。図3は腐食
試験の結果を示したもので、本発明材は試験材に比べ
て、極めて優れた耐食性を有していることがわかった。
これらの試験結果から、本発明材は試験材に比較して、
極めて優れた耐衝撃性及び耐食性を有することが明らか
で、製鉄熱間又は冷間圧延設備用圧延ロール、矯正ロー
ルの耐久性を向上することができる。
に優れた製鉄圧延設備用複合ロールにおいては、母材の
外周に、〔C〕1.0〜3.0重量%、〔Si〕0.1
〜1.0重量%、〔Mn〕0.1〜1.0重量%、〔C
r〕8.0〜20.0重量%、〔Mo〕4.0〜15.
0重量%、〔V〕4.0〜20.0重量%、〔W〕1
0.0重量%以下、〔Co〕10.0重量%以下、〔N
i〕10.0重量%以下で、残部は実質的にFe及び不
可避的不純物元素からなり、しかも、0.5≦V/Cr
≦1.0の式を満足する溶湯を注湯し、母材の外周に肉
盛層を形成しているので、本発明材のシャルピー衝撃値
が顕著に増大し、更には、耐食性も顕著に向上した。そ
の結果、本発明材は製鉄熱間又は冷間圧延設備用圧延ロ
ール、矯正ロールの寿命を著しく向上した。特に、請求
項2記載の耐衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用
複合ロールにおいては、更に、前記溶湯に〔Nb〕0.
5〜5.0重量%、〔Ti〕0.5〜5.0重量%、
〔Zr〕0.5〜5.0重量%からなる群から選ばれた
1種又は2種以上を含んでいるので、微細なMC炭化物
の形成が促進されて耐摩耗性、靭性を向上させることが
できる。
に優れた製鉄圧延設備用複合ロールの製造に好適に使用
できる組み合わせモールドの概略説明図である。
ぼすV/ Cr比率の影響を示すグラフである。
すグラフである。
加熱コイル 12 耐火枠 13 耐火性加
熱型 14 冷却型 15 製鉄圧延
設備用複合ロール 16 昇降装置 17 母材 18 溶解炉 19 溶湯 20 環状空隙部 21 肉盛層 22 ホウケイ酸ガラス皮膜 23 予熱用の
電磁誘導加熱コイル 24 芯出し装置 25 溶融部 26 溶融フラックス
Claims (2)
- 【請求項1】 電磁誘導加熱コイルを備えた耐火性加熱
型の下部に、冷却型を一体的に配置した組み合わせモー
ルドを用い、該組み合わせモールドの内部に鋼を素材と
する中実又は中空の母材を同心垂直に挿入し、同母材の
外周の環状空隙部に、別途、準備した溶湯を注入し、前
記母材を断続的に降下させて、該母材外表面に前記溶湯
を溶着させながら、冷却により凝固せしめて、該母材の
外周に肉盛層を形成し、所定の熱処理、機械加工を行っ
て製造される製鉄圧延設備用複合ロールであって、 前記溶湯の成分は、〔C〕1.0〜3.0重量%、〔S
i〕0.1〜1.0重量%、〔Mn〕0.1〜1.0重
量%、〔Cr〕8.0〜20.0重量%、〔Mo〕4.
0〜15.0重量%、〔V〕4.0〜20.0重量%、
〔W〕10.0重量%以下、〔Co〕10.0重量%以
下、〔Ni〕10.0重量%以下で、残部は実質的にF
e及び不可避的不純物元素からなり、しかも、0.5≦
V/Cr≦1.0の式を満足することを特徴とする耐衝
撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロール。 - 【請求項2】 電磁誘導加熱コイルを備えた耐火性加熱
型の下部に、冷却型を一体的に配置した組み合わせモー
ルドを用い、該組み合わせモールドの内部に鋼を素材と
する中実又は中空の母材を同心垂直に挿入し、同母材の
外周の環状空隙部に、別途、準備した溶湯を注入し、前
記母材を断続的に降下させて、該母材外表面に前記溶湯
を溶着させながら、冷却により凝固せしめて、該母材の
外周に肉盛層を形成し、所定の熱処理、機械加工を行っ
て製造される製鉄圧延設備用複合ロールであって、 前記溶湯の成分は、〔C〕1.0〜3.0重量%、〔S
i〕0.1〜1.0重量%、〔Mn〕0.1〜1.0重
量%、〔Cr〕8.0〜20.0重量%、〔Mo〕4.
0〜15.0重量%、〔V〕4.0〜20.0重量%、
〔W〕10.0重量%以下、〔Co〕10.0重量%以
下、〔Ni〕10.0重量%以下で、しかも〔Nb〕
0.5〜5.0重量%、〔Ti〕0.5〜5.0重量
%、〔Zr〕0.5〜5.0重量%からなる群から選ば
れた1種又は2種以上を含み、残部は実質的にFe及び
不可避的不純物元素からなり、更には、0.5≦V/C
r≦1.0の式を満足することを特徴とする耐衝撃性及
び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロール。
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---|---|---|---|
JP10357001A JP2000158020A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 耐衝撃性及び耐食性に優れた製鉄圧延設備用複合ロール |
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JP (1) | JP2000158020A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014168142A1 (ja) | 2013-04-11 | 2014-10-16 | 株式会社フジコー | 圧延ロールの製造方法及び圧延ロール並びに圧延ロールの製造装置 |
EP3508608A1 (en) * | 2017-08-09 | 2019-07-10 | Garrett Transportation I Inc. | Stainless steel alloys and turbocharger kinematic components formed from stainless steel alloys |
-
1998
- 1998-11-30 JP JP10357001A patent/JP2000158020A/ja active Pending
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