JP2000152854A - マットレス - Google Patents
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- Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
Abstract
なく使用感のよいマットレスを提供する。 【解決手段】 全体が発泡ポリウレタンより形成され、
基板の上に多数の突部を立設してなり、突部が二層構造
を有し、上部側の層が低反ぱつポリウレタンよりなるも
のとする。
Description
スに関する。
り、全体が発泡ポリウレタン等の発泡樹脂により形成さ
れたマットレスが用いられている。
上に仰臥したときに体圧(身体にかかる圧力)が局部的
に集中して血行障害をおこし易い。そのため、身体に圧
迫感やしびれを感じて頻繁に寝返りをうつため安眠でき
なかったり、また起床後も疲労感が残ったりするという
問題がある。さらに、寝たきりの老人などのように寝返
りをうてない人の場合には、大きな体圧によって毛細血
管が破壊され、これが体組織の破壊につながり、ついに
褥瘡が生じるという問題もある。
本明細書で比較例1として説明されているムアツふとん
のように、マットレスの表面形状に工夫を施すことが行
われている(図7、図8参照)。このような形状の工夫
によって上記問題はかなり改善されてはいるが、まだ完
全ではなく、さらに体圧分布性能の優れたマットレスが
求められている。
弾性率の小さい合成樹脂発泡体をマットレスの素材とし
て使用することも考えられる。しかし、このようなマッ
トレスでは、身体が沈みすぎてかえって寝心地が悪く、
寝返りもしにくいという問題がある。また、反ぱつ弾性
の小さい素材は密度が大きく、通気性が悪いという問題
もある。
り、その目的は、体圧分散性能がよく、かつ、寝心地も
よい、上記各問題が解決されたマットレスを提供するこ
とにある。
マットレスは、上記の課題を解決するために、全体が発
泡ポリウレタンより形成され、基板の上に多数の突部を
立設してなり、前記突部が二層構造を有し、上部側の層
が低反ぱつポリウレタンよりなるものとする。
のものにおいて、反ぱつ弾性率が、突部の上部側の層に
おいて13%以下であり、突部の上部側の層を除く部分
において20〜60%であるものとする。
ときに吸収されずに残留した位置エネルギーの大きさを
尺度として表される性質をいい、一定の高さから、一定
の質量の鉄丸棒などでゴム材料、合成樹脂などの試料を
打撃したときの反ぱつ高さにより評価される(JIS
B 0116)。発泡ポリウレタンの反ぱつ弾性につい
ては後述する。
または2のものにおいて、突部の頂面がほぼ平坦である
ものとする。
〜3のいずれか1項に記載のものにおいて、突部の基部
がくびれているものとする。
用はつぎのとおりである。
ともに、突部の上部に反ぱつ弾性率の小さい低反ぱつポ
リウレタンからなる層が形成されており、これがマット
レスの上に仰臥した人の身体に当接するので、突部上面
が人の身体の表面の凹凸形状にやわらかくなじんで容易
に弾性変形する。すなわち、このマットレスは、突部を
形成したことと突部の上部側に低反ぱつポリウレタン層
を設けたこととの相乗効果により体圧分散性能に優れ、
このマットレスを使用した場合、局部的に大きな体圧を
受けず、身体に圧迫感が感じられない。したがって、血
行障害を起こさず、安眠ができて、疲労が残らず、さら
に、褥瘡が生じるおそれもない。
レタン層を除く部分、すなわち基板と突部の下部とは、
反ぱつ弾性率が比較的大きい素材より構成されているの
で、マットレス全体としては適度の腰があり、人の身体
が過剰に沈むことがない。
ことから、寝返りも容易である。また、人体が突部によ
り受け止められており、寝返りの際に突部が適切に横方
向に傾動して寝返りに伴う反力を吸収するので、寝返り
がいっそう容易になるという効果も得られる。
接するので、マットレスの全表面が人体に当接する場合
と比較して、通気性がよい。さらに、隣り合う突部同士
間の空間はマットレスの全体にわたって連続して空気流
通経路を構成しているので、いっそう大きな通気性が確
保される。また、前記の空間ないし空気流通経路内に滞
留した湿気をふくんだ空気は、人が寝返りをしてその体
重により突部を下方に圧縮することにより強制的に外部
に排出され、また、さらに寝返りして突部が圧縮から解
放されることにより、乾いた空気が新たに取り込まれ
る。すなわち、このマットレスは換気機能も有する。
部側層とそれ以外の部分の反ぱつ弾性率を特定の範囲に
限定したものであり、反ぱつ弾性率をこの範囲内にする
ことにより、上記した体圧分散性能、過剰な沈みこみ防
止等の効果が特に顕著に得られる。
面がほぼ平坦であるので、平坦な面の全体が人体に当接
することにより、体圧分散性能がよりよくなる。また、
突部の頂面がほぼ平坦であると、寝返りをした際に突部
にかかる圧縮力がより大きくなるので、突部間に滞留し
た湿気の換気機能がより優れる。
部がくびれているので、突部が傾きやすく、寝返りがさ
らに容易になる。また、突部が人の体重を受けて圧縮さ
れて径が膨張しても、突部の基部においては空間部がな
お確保されるので通気性を失わない。
ように基板の上に多数の突部を立設してなり、各部の形
状及び寸法等は、例えば以下のように設計することがで
きるが、これに限定されるものではない。
向の寸法は、全く限定されないが、例えば従来のマット
レスと同様、幅800〜1450mm、長さ1900〜
2100mm程度の長方形とすることができる。基板と
突部を含む全体の厚さも特に限定されるものではない
が、床(畳)用のマットレスの場合は約30〜100m
m、ベッド用の場合は約150〜200mm程度が一般
的である。
したように頂面が平坦で基部がくびれていることが好ま
しく、平面形状及び横断面形状は、製造が容易である等
の理由から正方形や長方形等の四角形が好ましい。縦断
面形状としては、上記くびれた部分がなめらかな曲線を
なしているのが好ましく、上端部付近の膨れた部分も丸
みを帯びているのが好ましい。すなわち、突部の側壁
は、断面が緩やかなS字を描く、なめらかな起伏面をな
していることが好ましい(図4、図5参照)。このよう
な形状をなしていることにより、突部に圧力が加わって
倒れた際に隣接する突部に引っ掛かって復元しない等の
トラブルを防ぐことができる。
例えば、平面形状及び断面形状が正方形で基部がくびれ
たものの場合、その太さは、最大径部分で一辺の長さが
20〜100mm程度、くびれた部分で一辺の長さが1
5〜70mm程度であることが好ましく、突部の高さ、
すなわち突部間の溝の深さが30〜70mm程度である
ことが好ましい。なお、これらの突部各部の形状及び寸
法をマットレスの部位によって変えることにより、体圧
分散性能及び使用感ともにより優れたマットレスを得る
ことができる。これについては実施例によってさらに詳
しく説明する。
して相互にほぼ隣接していることが好ましく、隙間の寸
法の好ましい範囲は突部の大きさ(太さ)にもよるが、
通常は最狭部で5〜8mm程度である。隙間の寸法が大
きすぎると突部が安定せず、一方、小さすぎると通気性
が悪くなるおそれがある。
層は、所望の体圧分散効果を得るために厚みが10mm
以上であることが好ましい。厚みの上限は、反ぱつ弾性
率の大きさ等にもよるので一概には言えないが、過剰な
沈み込みを防止するという観点から、おおよその目安と
しては、マットレス全体の厚みの50%以下とする。
ポリウレタンとしては、従来の原料及び製法によるもの
が適宜使用できるが、以下の物性をそなえたものを用い
ることが好ましい。
圧分散性能向上のために低反ぱつポリウレタンを用い
る。低反ぱつポリウレタンとは、一般に反ぱつ弾性率の
比較的低い発泡ポリウレタンをいい、その具体的な反ぱ
つ弾性率は特に定められていない。本発明では20%未
満であれば使用可能であるが、顕著な体圧分散性能を得
るためには、約13%以下が好ましく、10%前後が特
に好ましい。
部の下部側の反ぱつ弾性率は、過剰な沈みこみ防止や寝
返りのし易さの点から約20〜60%が好ましく、約3
0〜40%が特に好ましい。
反ぱつ弾性率が得られるように適宜選択可能であるが、
一応の目安としては次の範囲が挙げられる。
〜80kg/m3、基板及び突部の下部では、30〜5
0kg/m3が好ましく、硬さは、上部側の層では、3
0〜90N、基板及び突部の下部では、150〜250
Nが好ましい。
性率、密度、硬さ等は、それぞれマットレスの性能を決
定する一要素であり、マットレスの性能はこれらの要素
を含む多数の要素が複雑に絡み合って決まるものであ
る。従って、いずれかの要素が上記した好ましい範囲か
ら外れていたとしても、それによって即そのマットレス
が使用に耐えないものになるというわけではなく、他の
要素とのかね合いで調整が可能な場合もある。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ットレスを示す。
を符号10で示している。マットレス10は発泡ポリウ
レタンより形成され、基板12とその上に立設された多
数の突部14よりなる。なお、符号14は突部を全般的
に示し、以下に記載する形状の異なる種々の突部につい
ては、14a,14b……などの符号によりそれぞれ別
個に示す。
3つの部分10a,10b,10cに区分されている。
これら3つの部分はマットレスの長手方向における長さ
がほぼ等しい。これら3部分は別体に形成してふとんカ
バーに収納することにより一体のふとんとなしてもよ
く、あるいは3部分を連続した形態に形成してもよい。
部の形状や大きさの概略を次に述べる。ただし、部分1
0aと部分10cとは、突部も含めて同一寸法及び形状
に形成されているので、ここでは部分10aについて説
明する(図1〜図4参照)。
突部14aは平面で見て正方形をなしている。これに対
し、マットレスの長手方向に延びる両側部において位置
する突部14bはマットレスの幅方向に細長く形成され
ている。また、マットレス10の幅方向に延びる両側端
部に位置する突部14cはマットレスの長手方向に細長
く形成されている。そして、部分10aの4つの隅角部
に位置する突部14dは平面で見てほぼ正方形をなして
おり、中央部に位置する突部14aより大きい。
いては、四周を除く中央部に位置する突部14Aは平面
で見て正方形をなしている。これに対し、マットレスの
長手方向に延びる両側部において位置する突部14Bは
マットレスの幅方向にやや細長く形成されている。ま
た、マットレス10の幅方向に延びる両側端部に位置す
る突部14Cはマットレスの長手方向に細長く形成され
ている。そして、中央部10bの4つの隅角部に位置す
る突部14Dは長手方向に細長く形成されている(図
1,2)。
厚みと突部14の厚みの和を厚みとして有する矩形の発
泡体から、隣接する突部間にある空所(カット部)16
を切除することにより得られる。
レス10の長手方向および幅方向において直線上に整列
している。部分10aについていえば、隣接する各2つ
の突部14a,14a;14a,14b;14a,14
c;14b,14dまたは14c,14dの間にあるカ
ット部16はマットレスの下方側において円弧状に広が
っている。すなわち、各突部14a,14b,14c,
14dはその基部において湾曲状に括れている。このよ
うな突部の態様は、部分10b,10cにおいても同様
である。
することにより、極めて優れた体圧分散効果を得ること
ができ、またマット周辺部の突部の安定性の点でも優れ
る。しかし、突部14の形状等は上記のものに限られる
わけではなく、例えば、すべての突部が平面で見てほぼ
正方形であってもよい。また、マットレスの長手方向お
よび幅方向に並列する突部の数にも限定がない。
a,14b,14c,14d;14A,14B,14
C,14Dの下部側17とは反ぱつ弾性が比較的大きい
発泡ポリウレタンよりなり、各突部の上部側18は反ぱ
つ弾性が比較的小さい発泡ポリウレタン(低反ぱつポリ
ウレタン)よりなっている(図3〜5参照)。表1に、
基板12及び突部下部17と、突部上部18の素材の一
例を示す。
の数値は試験片の上面から3mmの個所における密度を
表し、「下」の項に記載の数値は試験片の下面から3m
mの個所の密度を表す。表1における「硬さ」について
も同様である。
はつぎのとおりである(詳細は、JIS K 6400
を参照)。
0mmの試験片の体積と重量を測定し、次式により算出
する。
50mmの試験片を平らに置き、200mmの円形加圧
板を試験片の上面にのせて、前荷重を0.5kgにした
時の厚さを測定し、これをはじめの厚さとする。次に円
形加圧板を10mm/sec以下の速度で、はじめの厚
さの75%の距離押し込んだのち、ただちに荷重を除
き、再び、ただちに円形加圧板を10mm/sec以下
の速度ではじめの厚さの25%の距離押し込み、静止後
20秒のときの荷重を読む。
上に置き、鋼球を試験片上460mmの距離から自由落
下させ、その時の最高反ぱつ距離を測定する。試験片は
3個の試験片か又は1個の試験片の3個所について、そ
れぞれ3回以上行ない、それぞれの個所の最高反ぱつ距
離を記録する。反ぱつ弾性率は次式により算出する。
厚さ40mmの試験片を温度70℃±1℃の恒温槽中で
連続22時間加熱条件下で50%圧縮固定し、取り出し
たのち30分放置後、その厚さを測定する。なお、試験
片の数は3個とし、厚さをダイヤルゲージ式測厚器で測
定しておく。圧縮残留歪は次式により算出する。
方形で厚さ50mmの試験片を予め厚みをダイヤルゲー
ジ式側厚器で測定した後、平行平面板の間にはさみ、6
0±1回/minの速さで厚さの50%を連続80,0
00回繰返し圧縮したのち試験片を取り出し、30分後
の厚さを測定する。繰返し圧縮残留歪は次式により算出
する。
試験片でダンベル状試験片を作り、試験片の平行部分の
中央に40mmの間隔をもって標線をつけ、平行部分の
3ケ所以上について厚さを測定し、それらの最小値を求
める。測定に当ってはゆがみが出ないようにチャックで
充分締めつけ、これを500±25mm/minの速さ
で引張り、切断時の荷重及び標線間距離を求める。引張
り強さ及び伸びは次式により算出する。
びに類し、試験片の引裂に要する荷重を求める。10m
mの厚さの試験片を採り、平行部分の3ケ所以上につい
て厚さを測定し、それらの最少値を求める。測定に当っ
ては試験片がはずれないようにチャックで充分締めつ
け、これを500±25mm/minの速さで引裂き、
切断時の荷重を求める。引裂き強さを次式により算出す
る。
れた図1〜6に示す実施例を「実施例1」又は「快圧」
と称する。
ぎのとおりである。
長さは2000mm、厚さ70mmである。
a,10cは、同形・同寸法であり、その長さ(マット
レスの長手方向の寸法)は667mmである。
マットレスの幅方向に21個、マットレスの長手方向に
15個が設けられている。
寸法の異なる数種類のものが設けらている。すなわち、
部分10a,10cの周縁部においては、寸法が比較的
大きい突部14b,14c,14dが額縁状に並んでお
り、その内部には寸法が比較的小さく互いに同一寸法の
突部14aが縦横に並んでいる。
のうち、突部14dはマットレス10の部分10a,1
0cの4つの隅角部に設けられており、その形状はほぼ
正方形である。また、突部14bは、マットレスの幅方
向に細長い形状であり、部分10a,10cの長手方向
に延びる両側部において、隅角部にある2つの突部14
d,14dの間において13個配されている。さらに、
突部14cは、マットレスの長手方向に細長い形状であ
り、部分10a,10cの幅方向に延びる両側部におい
て、隅角部にある2つの突部14d,14dの間におい
て19個配されている。また、突部14aは正方形であ
り、マットレスの幅方向に19個、長手方向に13個が
配されている。各突部14a,14b,14c,14d
の寸法は表2に記載のとおりである。なお、各突部の寸
法は図4のm,nに示すように膨みの最大径である。
てoで示す個所)はマットレスの長手方向、幅方向とも
25mmである。また、カット部16の底部からマット
レスの底面までの距離(q)は30mmであり、したが
って、カット部16の深さrはさらに、40mmであ
る。隣接する突部間の間隔s(突部の最大径の個所同士
の間隔)はマットレスの長手方向、幅方向とも6mmで
ある。また、全体の厚みhは70mm、突部の上部18
の厚みh1は15mm、残りの厚みh2は55mmであ
る。
ついては、長さ(マットレスの長手方向の寸法)は66
6mmである。
の幅方向に14個、マットレスの長手方向に10個が設
けられている。
なる数種類のものが設けらている。すなわち、部分10
bの周縁部においては、寸法が比較的大きい突部14
B,14C,14Dが額縁状に並んでおり、その内部に
は寸法が比較的小さく互いに同一寸法の突部14Aが並
んでいる。
のうち、突部14Dは部分10bの4つの隅角部に設け
られており、マットレスの長手方向に細長い。また、突
部14Bは、マットレスの幅方向にやや細長い形状であ
り、部分10bの長手方向に伸びる両側部において、隅
角部にある2つの突部14D,14Dの間において8個
配されている。さらに、突部14Cは、マットレスの長
手方向に細長い形状であり、部分10bの幅方向に延び
る両側部において、隅角部にある2つの突部14D,1
4Dの間において12個配されている。また、突部14
Aは正方形であり、マットレスの幅方向に12個、長手
方向に8個が配されている。各突部14A,14B,1
4C,14Dの寸法は表3に記載のとおりである。な
お、この場合も、各突部の寸法は図5のM,Nに示すよ
うに膨みの最大径を示している。
てOで示す個所)の径はマットレスの長手方向、幅方向
とも45mmである。また、カット部16の底部からマ
ットレスの底面までの距離(Q)は20mmであり、し
たがって、カット部16の深さRは50mmである。さ
らに、隣接する突部間の間隔Sはマットレスの長手方
向、幅方向とも6mmである。また、全体の厚みHは7
0mm、突部の上部18の厚みH1は15mm、残りの
厚みH2は55mmである。
アツ)と称されるマットレスを用いた。なお、「ムアツ
ふとん」は登録商標である。
す。このマットレスは全体が発泡ポリウレタンよりな
り、全体の寸法が幅910mm、長さ1950mm、厚
さ80mm(図8のT)であり、また、山の高さは3
5.0mm(図8のt)である。図8に示すように、山
の一つの列(第一列)に隣接する山の他の列(第2列)
においては、第1列の隣り合う2つの山の間に第2列の
山が位置している。このマットレスの物性を表4に示
す。
綿)と称されるマットレスを用いた。
い板状に形成され、幅1000mm、長さ2050m
m、厚さ100mmである。ポリエステル100%から
なる中芯の全面(6面)を、ウール50%とポリエステ
ル50%とからなる巻綿により囲繞してなる。中芯、巻
綿ともに重量は2kgである。中芯の物性は表5のとお
りである。
スを用いて体圧分散性能の評価を行った。
Hとした。
MASS INDEX」の略称であり、肥満度ないし
体格を表す指数の一つである。BMI値は国際的に広く
普及しており、体の中に占める脂肪量との相関関係が高
いことから、日本肥満学会も推薦している。
2乗で割って算出し、20未満が「やせぎみ」、20以
上24未満が「正常体重」、24以上26.5未満が
「やや肥満」、26.5以上が「肥満」とされている。
センサシート「BIGMAT2000」と測定システム
「VIRTUAL」を用いた。このセンサシートは幅4
40mm、長さ960mmであり、行方向に延びる電極
と列方向に延びる電極とが交叉しており、各交叉部分に
おいて圧力を検知する。各交叉部分の面積は1.016
cm2であり、これを1ポイントとする。以下の記述に
おいて面積を表す数値に単位が付されていないものはポ
イント数を表している。上記したところから分かるよう
に1ポイントは1cm2にほぼ等しい。
上面の中心部にセンサシートを設置し、その上にシーツ
を敷いた。より詳細には、マットレスの長手方向の一端
(例えば部分10aの自由端)から他端(10c)の側
へ350mmの幅を余してセンサシートをマットレスの
幅方向の中央部に敷いた。このとき、前記の350mm
の幅の箇所には枕をおいた。
た。枕の材質は表1に示された、マットレスの基板と突
部下部において用いる素材と同じである。
を肩から大腿部までがセンサシート上に載るように仰臥
させた。センサシートの特性を考慮して、2分後に記録
を開始し、およそ1秒間隔で6回データを収録した。各
被験者につき各試料(実施例1と比較例1,2のマット
レス)ごとに同様の試験を行なった。
況を測定した。データの解析には3回目に収録したデー
タを用いた。以下の記述及び図面において示すデータは
4人の平均値である。
0〜12の体圧分布図に示す。
分は背面下部、C部分は腰部を示す。
えた領域のそれぞれの圧力を図10の右側において示し
ている。評点1〜14は数値が大きいほど圧力が高いこ
とを表している。従って、数値の大きい評点が与えられ
た領域が狭く、数値の小さい評点が与えられた領域が広
い方が体圧がよく分散されていることを示す。すなわ
ち、人の体重をより広い面積で受け止めて圧力を分散さ
せるものが体圧分散性能がよいといえる。図によれば、
臀部に最も大きな圧力がかかっている。
体圧分布図を作成した(添付を省略する)。
するために、前者については図10に示すデータを、ま
た後者については不図示の体圧分布図に表われたデータ
をそれぞれ処理して図13に示すグラフと表とを作成し
た。
に示す評点1〜14の領域につき10mmHgごとに面
積を集計し、グラフと表に示した。比較例1,2につい
ても同様にした。
〜12の評点1の領域と評点2の領域(「0−10mm
Hg」に相当)の面積(ポイント)を集計して、図13
の下部の表においての文字を付した横枠の該当箇所に
「891.0」と記入した。比較例1,2についても、
それぞれの体圧分布図(不図示)から同様に面積を集計
して、その数値をの数字を付した横枠の該当箇所に記
入した。すなわち、ムアツでは「991.3」、固綿で
は「970.3」と記入した。以下同様にして、10m
mHgごとに面積を集計して、横枠〜の該当箇所に
記入した。以上から明らかなように、〜の数字は、
図10〜12に示す評点の場合と同様に、数値が小さい
ものが圧力が小さいことを示している。
積を表す数値を棒グラフに表している。棒グラフの各バ
ーは上下方向に複数の部分に区分されており、各部分の
高さが〜の横枠に記載された数値を表している。各
バーの各部分であって、〜の横枠に記載された数値
を表した各部分には、該当する〜の数字を記入し
た。ただし、各バーにおける〜に対応する部分は、
グラフ上におけるその面積が小さすぎるので、〜の
数字の記入を省略した。
の縦軸には、この折線グラフのために圧力を5mmHg
間隔目盛で取った。
枠の番号の数値の小さいもの)が広いものが好ましい
が、図13に示すように、実施例1(快圧)が比較例
1,2(ムアツ、固綿)に比して、棒グラフのうち〜
の部分が大きい。したがって、まず、マットレス全体
の体圧分散性能について見た場合、この発明は比較例に
比して優れていることが明らかである。
いて特に重要なことは、マットレスのうち高い圧力がか
かる部分における分散性能である。すなわち、高い圧力
がかかると血行が阻害されて寝返りをせざるを得ず、眠
りが浅くなり、また寝たきり老人などの場合には褥瘡が
発生するので、高い圧力がかかる部分においてこそ、で
きるだけ分散性能をよくして、局部的な圧力の集中をさ
けることが重要である。
32mmHgとして、それ以上は褥瘡が発生する「高い
値」であるとしている。これは、毛細血管が直接圧力を
受けたとき、32mmHg以上で不可逆的な変化をして
人体の組織を壊すとされているからである(例えば、三
田勝己、赤滝久美、伊東晋彦、篠田剛、石田義人、吉田
誠「新合繊マットレス物理的特性と褥予防効果」総合リ
ハ22巻10号、858、1994)。
散性能を見るために、32mmHg以上の圧力が測定さ
れた総面積を集計したものが図14である。なお、体圧
の分散傾向は、背肩甲骨付近と臀部を高い圧力として現
れる傾向が大きいため、便宜的に、測定した人体面を上
半身部分と下半身部分とに2分割し、上半身部分をさら
に2分割して、合計3部位すなわち背上部A、背下部
B、腰部C(図10参照)に分けて分析した。
mmHg以上の高い圧力がかかる部分の面積が、比較例
1(ムアツ)と比較例2(固綿)にくらべて小さく、こ
のことから、本発明は特に高い圧力がかかる領域におい
て体圧分散性能が優れていることが分かる。
体的にも体圧分散性能がよく、また、特に問題となる高
い圧力のかかる領域においても体圧分散性能が優れてい
ると言える。
に、さらに実施例2及び3、比較例3〜6として、次に
示す各マットレスを用いて同様の体圧分布性能の評価を
行った。
率が2%のポリウレタンで形成した以外は、実施例1と
同じ形状・寸法・素材で構成したマットレス。
弾性率が60%のポリウレタンで形成した以外は、実施
例1と同じ形状・寸法・素材で構成したマットレス。
総計を高さとして有する矩形に形成され(すなわちカッ
ト部を有しない)、全体を実施例1のマットレスの突部
の上部側の素材(低反ぱつポリウレタン、表1参照)の
みにより構成したマットレス。
総計を高さとして有する矩形に形成され、全体を実施例
1のマットレスの基板及び突部の下部側の素材のみによ
り構成したマットレス。
総計を高さとして有する矩形に形成され、その上層部
(厚さ15mm)は実施例1のマットレスの突部の上部
側の素材により構成し、その下部層は実施例1のマット
レスの突部の下部側の素材により構成したマットレス。
ットレスの突部の下部側の素材により構成した以外は、
実施例1と同じ形状・寸法で構成したマットレス。
は、幅910mm、長さ2000mm、厚さ70mmで
ある。
7に、比較例4についての試験結果を図18〜20に示
し、また、これらの図に表れたデータについて図13と
図14の場合と同じ処理をして、それぞれ、図21と図
22を得た。
成されたマットレスの場合、反ぱつ弾性の小さい素材を
全体的に使用したものが反ぱつ弾性が比較的大きい素材
を全体的に使用したものに比して、全体的に見て体圧の
分散がよく、また、腰部においても高い圧力(32mm
Hg以上)が分散されていることが分かる。
す。また、比較例5を実施例1(図10〜12)と比較
するために、図13と図14の場合と同じ処理をして、
それぞれ、図26と図27を得た。
が比較的大きい素材と比較的小さい素材との二層構造で
あり、かつ突部を有する(カット部を有する)ものが、
比較例5のように二層構造ではあっても突部を有しない
ものに比して、マットレス全体で見ても(図26)、ま
た高い圧力がかかる部分においても(図27)、体圧分
散性能に優れていることが分かる。
要なのは、上記したように高い圧力がかかる部分におけ
る分散性能であるので、さらに実施例2,3及び比較例
6についても同様の試験を行い、圧力32mmHg以上
の部分の面積を求めた。
例3〜6の圧力32mmHg以上の部分の面積を下表7
に示す。
場合、一般に体圧分散性能は優れるが、それと引き替え
に沈みこみ感が大きくなりすぎ、寝返りも困難になる傾
向がある。
と使用感との関係を調べるために、上記実施例1〜3、
比較例3〜6の各マットレスに被験者A〜Dを仰臥さ
せ、仰臥した際の沈みこみ感と寝返りのし易さを次の基
準に従って申告させ、それぞれの平均値を求めた。少数
以下は四捨五入した。結果を表7に併せ示す。
る。
…悪い。
板の上に突部を立設した構成にするとともに、突部の上
部側と、突部の上部を除くその余の部分を反ぱつ弾性率
を所定の範囲内にすることにより、体圧分散性能向上と
沈み込み感や寝返りのし易さとのバランスのとれた、理
想的なマットレスを得ることが可能となる。
性能に優れており、使用者の身体に局部的に大きな圧力
を与えない。したがって、身体に圧迫感ないし刺激感を
感じず、安眠ができて、睡眠時の疲労がない。さらに、
血行障害を起こさないので、長期間寝たきりの使用者に
も褥瘡を生じにくい。
く、寝返りも容易であるので、寝心地がよい。
しやすい。
能と寝心地のバランスが特によい。
性能と換気機能が特に優れる。
きやすく、これにより寝返りがさらに容易になる。ま
た、突部が人の重量により拡径しても、その基部におい
ては空間部が確保されており通気性を失わない。
省略した斜視図。
す側面図。
図。
体圧分散性能試験の結果を示す体圧分布図。
スの体圧分散性能を比較したグラフ。
スの体圧分散性能を高い圧力がかかる部分について比較
したグラフ。
性能試験の結果を示す図10〜12と同様の体圧分布
図。
様の拡大図。
様の拡大図。
性能試験の結果を示す図10と同様の体圧分布図。
様の拡大図。
様の拡大図。
性能を比較した図13と同様のグラフ。
高い圧力がかかる部分について比較した図13と同様の
グラフ。
性能試験の結果を示す図10と同様の体圧分布図。
様の拡大図。
様の拡大図。
体圧分散性能を比較した図13と同様のグラフ。
性能を高い圧力がかかる部分について比較した図13と
同様のグラフ。
B,14C,14D…突部 17…突部の下部側 18…突部の上部側
Claims (4)
- 【請求項1】全体が発泡ポリウレタンより形成され、基
板の上に多数の突部を立設してなるマットレスであっ
て、前記突部が二層構造を有し、上部側の層が低反ぱつ
ポリウレタンよりなることを特徴とするマットレス。 - 【請求項2】前記突部の上部側の層の反ぱつ弾性率が1
3%以下であり、突部の上部側の層を除く部分の反ぱつ
弾性率が20〜60%であることを特徴とする、請求項
1に記載のマットレス。 - 【請求項3】前記突部の頂面がほぼ平坦であることを特
徴とする、請求項1または2に記載のマットレス。 - 【請求項4】前記突部の基部がくびれていることを特徴
とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマットレ
ス。
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