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JP2000030701A - ニッケル・水素二次電池 - Google Patents

ニッケル・水素二次電池

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Publication number
JP2000030701A
JP2000030701A JP10199009A JP19900998A JP2000030701A JP 2000030701 A JP2000030701 A JP 2000030701A JP 10199009 A JP10199009 A JP 10199009A JP 19900998 A JP19900998 A JP 19900998A JP 2000030701 A JP2000030701 A JP 2000030701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
positive electrode
nickel
hydrogen storage
negative electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10199009A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Mukai
宏一 向井
Koji Taguchi
幸治 田口
Kazuhiko Harada
和彦 原田
Kazuhiro Takeno
和太 武野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Battery Co Ltd filed Critical Toshiba Battery Co Ltd
Priority to JP10199009A priority Critical patent/JP2000030701A/ja
Publication of JP2000030701A publication Critical patent/JP2000030701A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大電流放電が可能なニッケル・水素二次電池
の提供。 【解決手段】 LmNixMnyz (LmはLa含有量が70〜100重量%である希土類
元素、MはCo,Al,Fe,Zrの群から選ばれる少
なくとも1種、3.30≦x≦4.50,0.01≦y≦
0.20,0.20≦z≦1.70,4.90≦x+y+z
≦5.50)で示される組成の水素吸蔵合金を主体とす
る負極合剤が集電体シートに担持されている負極1と、
セパレータ3と、ニッケル化合物を主体とする正極合剤
が集電体シートに担持されている正極2とから成る電極
群Aがアルカリ電解液と一緒に電池缶5の中に密封され
ていて、水素吸蔵合金は、2〜30℃,5〜10気圧に
おける1回水素化粉砕時のBET比表面が0.05〜0.
20m2/gであり、かつ、負極1の集電体シートの下
端部1Aに無開口部を有し、その無開口部が集電板6a
を介して電池缶5に接続されているニッケル・水素二次
電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル・水素二次
電池に関し、更に詳しくは、従来のニッケル・水素二次
電池に比べると高容量であり、しかも大電流を取り出す
ことができるニッケル・水素二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電動工具や電動補助付き自転車、
また最近開発が進められている電気自動車などの駆動電
源としては、充放電が可能でかつ携帯可能という点で各
種の二次電池が使用されている。
【0003】上記用途に適合する二次電池には、大電流
放電が可能であるという特性が必要事項とされ、従来か
らは、ニッケル・カドミウム二次電池を採用するケース
が多い。これはつぎのような理由による。すなわち、ニ
ッケル・カドミウム二次電池は、その内部抵抗が低く、
時間率当たりの放電電流(放電率)は大きく、また過充
・過放電した場合であっても電池特性の劣化を起こしに
くいという特性を備えているからである。
【0004】一方、ノート型パソコンや携帯電話などの
小型電子機器の駆動電源としては、前記したニッケル・
カドミウム二次電池よりもニッケル・水素二次電池が広
く使用されている。これはつぎの理由による。すなわ
ち、ニッケル・水素二次電池は、同一サイズのニッケル
・カドミウム二次電池に比べると、その内部抵抗が高
く、放電率も小さいとはいえ、その放電容量は1.5〜
2倍と大きいので、形状が小型であっても、微小電流で
駆動可能な電子機器を長時間に亘って駆動せしめること
ができるからである。
【0005】また、ニッケル・水素二次電池の負極材料
として使用されている水素吸蔵合金は、ニッケル・カド
ミウム二次電池の負極材料であるカドミウムに比べる
と、電池のエネルギー密度を高めることができるので電
池の高容量化を実現することができ、また環境汚染を引
き起こす虞が少ないという利点も備えている。
【0006】このニッケル・水素二次電池には円筒形の
ものと角形のものがあるが、円筒形のものについて、そ
の概略を以下に説明する。
【0007】最初に、正極と負極の製造について説明す
る。
【0008】正極の製造に際しては、活物質である水酸
化ニッケルのようなニッケル化合物の粉末を主体とし、
これとPTFEのような結着剤と例えばコバルト酸化物
やコバルト水酸化物のようなコバルト化合物の導電材と
水とを混練して正極合剤のペーストを調製する。
【0009】ついで、このペーストの所定量を、例えば
3次元網状構造を有するスポンジ状の金属多孔体や金属
繊維マットなどの耐アルカリ性の金属多孔構造体(集電
体シート)に充填したのち、乾燥、必要に応じては加圧
成形,裁断などを行って、所定の厚みと所定の平面形状
を有するシート状の正極にする。したがって、得られた
正極は、集電体シートの内部空隙部と表面に、乾燥した
正極合剤が担持された状態になっている。そして、正極
の上端部には、小片形状をした例えばニッケル製のタブ
端子が取り付けられる。
【0010】一方、負極の製造に際しては、まず、水素
吸蔵合金の粉末を主体とし、更にはカルボキシメチルセ
ルロースのような増粘剤や炭素粉末のような導電材が配
合されている負極合剤のペーストを調製する。
【0011】なお、水素吸蔵合金としては、従来から、
LaNi5に代表される希土類元素のNi基合金が多用
されている。そして、その合金の変形として、希土類元
素に代えてLa系元素の混合物であるミッシュメタルを
用い、またNiの一部を他の金属元素で置換して多元系
合金にしたものも使用されている。
【0012】 その1例として、次式:LmNixMnyz …(1) (ただし、LmはLa含有量が70〜100重量%であ
る希土類元素を表し、MはCo,Al,Fe,Zrの群
から選ばれる少なくとも1種を表し、x,y,zは、そ
れぞれ、3.30≦x≦4.50,0.01≦y≦0.2
0,0.20≦z≦1.70,4.90≦x+y+z≦5.
50の関係を満足する数を表す)で示される組成のもの
が知られている。
【0013】この合金は、常温下において多量の水素を
吸蔵・放出することができるので、負極としての容量を
高めることができるという点で有利な材料である。
【0014】負極合剤のペーストの所定量は、所定の開
口率を有する例えばニッケルパンチングシート(集電体
シート)に塗着され、乾燥,圧延処理,裁断などが施さ
れることにより、所定の厚みと所定の平面形状を有する
シート状の負極が製造される。したがって、得られた負
極は、集電体シートの開口部と表面に乾燥した負極合剤
が担持された状態になっている。
【0015】そして、この負極の場合、正極の場合と同
じように、端部にタブ端子を取り付けることもある。
【0016】このようにして製造された正極と負極を用
いて、次に、電極群が製造される。
【0017】まず、集電体シート(ニッケルパンチング
シート)に負極合剤が担持されている負極と、集電体シ
ート(ニッケル発泡体シート)に正極合剤が担持され、
また一方の端部にタブ端子が取り付けられている正極の
間に、保液性と電気絶縁性を備えた例えばポリオレフィ
ン製不織布のようなセパレータを挟んでシート積層体に
する。そして、このシート積層体の正極に巻き芯を配置
したのち、負極が外側となるように巻回して渦巻形状を
した所定外径の電極群を製造する。
【0018】したがって、電極群の断面構造は、負極と
正極がセパレータを介して交互に積層して成る積層構造
になっていて、その中心部に巻き芯を脱抜したのちに残
る空孔が形成されている。
【0019】そして、この電極群が所定内径の電池缶の
中に挿入され、かつ所定のアルカリ電解液が注液され、
正極端子を備えた封口板で電池缶の上部開口が密閉され
る。このとき、電極群の負極は電池缶の内壁と接触する
ので電池缶は負極端子として機能する。そして、電極群
の電池缶への挿入時には正極のタブ端子が封口板に接続
される。
【0020】なお、角形電池の電極群の場合は、負極と
正極をセパレータを介して複数枚交互に重ね合わせて所
定の厚みにしたものが用いられる。したがって、この場
合も電極群の断面構造は積層構造になっている。
【0021】しかしながら、従来から市販されているニ
ッケル・水素二次電池は、1時間率の1〜3倍程度の放
電時にはじめて公称容量に相当する容量を得ることがで
きるので、微小電流で駆動可能な前記小型電子機器の電
源としては有効であるとはいえ、大電流を必要とする電
動工具や電気自動車などの電源としては事実上使用でき
ないという問題があった。
【0022】例えば、従来のニッケル・水素二次電池の
場合、1時間率の5倍を超えるような大電流で放電させ
ると、作動電圧は大幅に低下してしまい、実用に耐え得
ないという現状にある。
【0023】とくに高容量化したニッケル・水素二次電
池の場合、上記した傾向が顕著に表れ、作動電圧の低下
という問題のみならず、サイクル寿命特性もまた低下す
るという問題が引き起こされる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のニッ
ケル・水素二次電池における上記した問題を解決し、高
容量でかつ大電流放電を行っても作動電圧の低下を抑制
することができる新規構造のニッケル・水素二次電池の
提供を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、次式:LmNixMny z (ただし、LmはLa含有量が70〜100重量%であ
る希土類元素の群を表し、MはCo,Al,Fe,Zr
の群から選ばれる少なくとも1種を表し、x,y,zは
それぞれ3.30≦x≦4.50,0.01≦y≦0.2
0,0.20≦Z≦1.70,4.90≦x+y+z≦5.
50の関係を満足する数を表す)で示される組成の水素
吸蔵合金を主体とする負極合剤が集電体シートに担持さ
れている負極と、セパレータと、ニッケル化合物を主体
とする正極合剤が集電体シートに担持されている正極と
から成る電極群がアルカリ電解液と一緒に電池缶の中に
密封されているニッケル・水素二次電池において、前記
正極の前記正極合剤が担持されている部分の面積が電池
の理論容量当たり30cm2以上の値であり、かつ、前記
水素吸蔵合金は、温度2〜30℃,圧力5〜10気圧
(ゲージ圧)の条件下における1回水素化粉砕時のBE
T比表面が0.05〜0.20m2/gの水素吸蔵合金か
ら成ることを特徴とするニッケル・水素二次電池(以
下、第1の電池という)が提供され、また、前記水素吸
蔵合金は、温度2〜30℃,圧力5〜10気圧(ゲージ
圧)の条件下における1回水素化粉砕時のBET比表面
が0.05〜0.20m2/gの水素吸蔵合金から成り、
かつ、前記負極の集電体シートが、少なくとも一方の端
部に無開口部を有し、前記無開口部が集電板を介して電
池缶に接続されていることを特徴とするニッケル・水素
二次電池(以下、第2の電池という)が提供される。
【0026】本発明のニッケル・水素二次電池は次のよ
うな技術思想に基づいて開発されたものである。
【0027】(1)ニッケル・水素二次電池とニッケル
・カドミウム二次電池を比べると、前者の容積エネルギ
ー密度は後者のそれよりも大きいので、同一サイズの電
池を同じ時間率で放電させた場合、ニッケル・水素二次
電池の放電電流の方が大きくなる。とくに、高容量化し
た電池の場合はこの傾向が顕著に発現する。したがっ
て、ニッケル・水素二次電池を高い放電率で作動させて
も電池の作動電圧が低下しないようにするためには、収
容されている電極群における正極と負極の対向面積を大
きくして両極間を流れる電流の電流密度を小さくすれ
ば、作動電圧の低下は抑制されることになる。
【0028】すなわち、正極と負極との対向面積、基本
的には正極合剤を担持している部分の面積を大きくする
ことは、大電流放電の実現にとって有効であると考えら
れる。
【0029】その場合、電池缶が電極群を収容する体積
は一定であるため、上記した対向面積を増加させるとい
うことは、不可避的に、正極の厚みを薄くしなければな
らないということである。しかしながら、正極を構成す
る集電体シートとしてはその厚みをそれほど変化させる
ことはないので、正極の薄肉化とはとりもなおさず集電
体シートに担持させる正極合剤の薄肉化を意味すること
になる。そのため、結局は、正極活物質の担持量は減少
せざるを得ず、電池の高容量化やサイクル寿命特性の向
上という課題の実現が阻害されるという傾向が生じてく
る。
【0030】(2)上記した問題は、負極の構成材料で
ある水素吸蔵合金として水素吸蔵能が大きいものを用い
れば、負極の単位体積当たりの容量は高くなるので、結
果として電池は高容量化するものと考えられる。
【0031】すなわち、電極群の正極において正極合剤
が担持されている部分の面積を大きくすれば大電流放電
の実現は可能になるが、そのことに伴なって派生してく
る前記電池容量の低下などの不都合は、負極の構成材料
である水素吸蔵合金として水素吸蔵能が大きいものを用
いることにより補償されるものと考えられる。
【0032】例えば、(1)式で示した組成の水素吸蔵合
金の場合、Lm中のLa含有量を多くすることにより水
素吸蔵能を高めることができる。しかしながら、他の合
金成分との関係もあるが、La含有量が多くなると、そ
の合金は水素化粉砕時に微粉化しやすくなり、比表面積
が増加して腐食などの影響を受け、結局は水素吸蔵能が
低下するという問題を引き起こす。
【0033】したがって、(1)式の組成の水素吸蔵合金
において、La含有量をできるだけ大きくすると同時
に、水素化粉砕時における粉末の比表面積をあまり高ま
らないような材料を用いれば、負極の高容量化という問
題と表面腐食の抑制という問題を両立させることができ
るものと思われる。
【0034】このような観点に立って本発明の第1の電
池が開発されたのである。
【0035】(3)また、ニッケル・水素二次電池を高
い放電率で作動させても電池の作動電圧が低下しないよ
うにするためには、その内部抵抗をできるだけ低くする
ことが必要になる。
【0036】従来のニッケル・水素二次電池の場合に
は、負極と電池缶の内壁との接触界面が一方の導通経路
であった。そして微小電流の取り出し時には、その接触
抵抗は大きな電圧低下を引き起こすことはないが、放電
電流が大きくなると、上記接触抵抗は作動電圧の低下に
大きな影響を与えることになるものと考えられる。
【0037】したがって、電池に別の低抵抗な導通経路
を組み込むめば、ニッケル・水素二次電池で大電流放電
を実現することができるものと考えられる。
【0038】このような観点に立って本発明の第2の電
池が開発されたのである。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明における第1の電池,第2
の電池は、いずれも(1)式で示される組成を有し、か
つ、後述する1回水素化粉砕時のBET比表面積が0.
05〜0.20m 2/gになる水素吸蔵合金を負極合剤の
主体とし、また正極合剤の主体は水酸化ニッケルに代表
されるニッケル化合物であることを共通事項とする。
【0040】(1)式の組成において、LmはLaが70
〜100重量%含まれている希土類元素を表す。このL
mにおいて、La含有量が70重量%より少ない場合
は、製造した負極における単位体積当たりの容量が低下
して、電池の高容量化が阻害されるだけではなく電池の
サイクル寿命特性も低下してしまうからである。Laの
Lm中における好ましい含有量は75〜95重量%であ
る。
【0041】一般に、Lmの組成比が大きくなるほどそ
の水素吸蔵合金の水素吸蔵能は増加するので高容量化に
とっては有効であるが、しかし他方では、Lm組成比が
大きくなるにつれて水素化時に合金の微粉化が進み、表
面腐食が起こって水素吸蔵能が低下するようになる。
【0042】そのため、本発明で用いる水素吸蔵合金の
場合には、更にMnや、M(Co,Al,Fe,Zrの
群から選ばれる少なくとも1種)をNiの置換元素とし
て添加することにより、水素吸蔵時における微粉化の程
度が調整される。
【0043】しかし、Mnの組成比が大きくなりすぎる
と、逆に腐食は促進されるようになり、またMnの組成
比が小さくなりすぎると負極の容量低下を招くようにな
るので、Mnの組成比(y)は0.01≦y≦0.20の
範囲に設定される。
【0044】またMは水素解離圧を低める働きをする成
分であり、その組成比(z)が大きくなりすぎると、合
金の水素吸蔵能を低下させて容量低下を招くようにな
り、またその組成比(z)が小さくなりすぎると一旦吸
蔵した水素を放出できなくなって同じく容量低下を招く
ようになるので、Mの組成比(z)は、0.20≦z≦
1.70の範囲に設定される。
【0045】Mn,Mを上記した組成比に設定して合金
を水素吸蔵合金として機能させるために、Niの組成比
(x)は、3.30≦x≦4.50とし、また、Lmに対
する上記各元素の組成比は4.90≦x+y+z≦5.5
0の関係を満足するように設定される。この関係を満足
していないと、合金は水素吸蔵合金として機能しないか
らである。
【0046】また、本発明の負極に用いられる水素吸蔵
合金は、上記した組成を有するとともに、同時に、温度
2〜30℃,圧力5〜10気圧(ゲージ圧)の条件下で
1回水素化して粉砕したときに、得られた粉末のBET
比表面積が0.05〜0.20m2/gを示すという性質
を備えたものである。
【0047】仮に(1)式で示した組成を満足しているも
のであったとしても、このBET比表面積が0.05m2
/gより小さくなる水素吸蔵合金の場合は、水素との反
応面積が小さすぎて高容量化が阻害され、また高い放電
率での放電特性は低下する。BET比表面積が0.20
2/gより大きくなる水素吸蔵合金の場合は、腐食の
影響を受けやすくなって電池の容量低下を引き起こす。
【0048】本発明の第1の電池は、電極群に巻回され
ている正極において正極合剤を担持する部分の面積、す
なわち電池反応に直接寄与する部分の面積が、製造目的
の電池の理論容量(Ah)当たり30cm2以上、すなわち
30cm2以上の値の面積になっていることを特徴とす
る。
【0049】この値が30cm2/Ahより小さい場合は、
電極群Aにおける内部抵抗の低下は不充分となり、大電
流放電が困難になるからである。より好ましくは38cm
2/Ah以上にする。
【0050】正極における正極合剤を担持する部分の面
積を大きくするためには、例えば電極群の外径や高さが
一定であれば、正極の厚みを薄くすればよい。電極群に
巻回される正極の長さは長くなり、その結果、巻回後の
正極の層数も多くなり、電極群における正極の面積が広
くなるからである。しかし、あまり薄くすると、正極の
強度が低下して巻回時にワレや亀裂などが発生し電極群
の不良本数が増加してしまうので、厚みの上限は100
cm2/Ahに設定することが好ましい。
【0051】本発明の第2の電池は、負極合剤を担持す
る集電体シートがメタルパンチングシートであり、その
上端部または/および下端部が、開口の存在しない無開
口部になっていて、その無開口部が集電板を介して電池
缶に接続されていることを特徴とするものである。
【0052】集電板の材料としては、アルカリ電解液で
侵食されず、比抵抗が小さく、しかも比較的低コストで
入手可能な材料が選定され、具体的には、純Niやステ
ンレス鋼,Niめっきを施した金属板などを好適例とす
る。
【0053】この第2の電池の場合、集電体シートの無
開口部の導体抵抗は低く、また集電板の導体抵抗も低い
ので、形成されている電極群としての内部抵抗も低くな
り、大電流放電の達成が実現可能になる。
【0054】この第2の電池の構造例を図1に示す。
【0055】図1において、電池缶5の中には、負極1
とセパレータ3と正極2のシート積層体を渦巻状に巻回
して成る電極群Aが図示しないアルカリ電解液と一緒に
収容されている。
【0056】そして、電池缶5の缶底には、所定の直径
を有する円板形状の集電板6aが溶接して配設され、そ
の上に前記電極群Aが配設され、そして電極群Aの上に
は、正極端子10を備えた封口板8に溶接されたリード
7に接続して所定の直径を有する集電板6bが配置さ
れ、封口板8はガスケット9を介して電池缶5の上部開
口に嵌め込まれ、そこに加締め加工を施すことにより全
体が密閉された構造になっている。
【0057】なお、この第2の電池においては、上端部
への集電板6bの配設は必ずしも必要としない。そし
て、電極群Aの上端部に集電板6bを配設することに代
えて、例えば正極の製造時に、その上端部に複数個のタ
ブ端子を取り付けた態様になっていてもよい。しかしな
がら、複数個のタブ端子の取付の場合に比べると、図1
で示したように、電極群Aの上端部にも集電板6bを配
設した場合は、電池の内部抵抗が下がるという点で有利
であるとともに、電池の組立作業も容易になるので好適
である。
【0058】
【実施例】実施例1〜8,比較例1〜16 (1)正極の製造 Ni発泡体シートを集電体シートとして用意し、このN
i発泡体シートに水酸化ニッケルを主体とする正極合剤
ペーストを充填し、温度100℃で1時間乾燥したの
ち、圧延して正極を製造し、更にその上端部にはタブ端
子を取り付けた。
【0059】このとき、正極合剤ペーストの充填量や充
填厚みを変化させることにより、正極合剤の量は一定に
したまま、負極と一緒に電極群を組み立てたときに、正
極合剤を担持している部分の面積が電池の理論容量当た
り表1の値となるように正極を製造した。
【0060】(2)負極の製造 Lm中のLa含有量が表1で示した値であり、組成はL
mNi3.6Mn0.3Co 0.8Al0.3で示される各種の水素
吸蔵合金を製造し、これらに、Ar雰囲気下で1000
℃,10時間のアニール処理を施した。
【0061】得られた各合金につき、温度20℃,ゲー
ジ圧10気圧の条件下で1回水素化を行い、得られた粉
末の比表面積をBET法で測定した。ついで、各粉末を
機械的に粉砕したのち分級して粒径25〜75μmの合
金粉末にした。
【0062】これらの合金粉末を主体とする負極合剤ペ
ーストを調製し、それをニッケルパンチングシートに塗
着,乾燥したのち圧延し、更に裁断して表1で示した8
種類の水素吸蔵合金電極(負極)を製造した。
【0063】(3)電池の組み立てと特性評価 以上の各正極と各負極とを表1で示したように組み合わ
せて、互いの間にポリオレフィン製不織布をセパレータ
として挟んでシート積層体とし、それを負極が外側とな
るように巻回して電極群を製造した。ついで、この電極
群を電池缶の中に挿入し、KOHを主体とするアルカリ
電解液を注入し、正極のタブ端子を正極端子と溶接した
のち封口して電池を組み立てた。
【0064】以上の各電池につき、1時間率で1.2時
間の充電を行い、30分休止ののち、1時間率の10倍
の電流で放電し、そのときの電池の作動電圧を測定し
た。その結果を図2に示した。
【0065】また、各電池につき、温度45℃で1時間
率の2倍の電流で45分間充電し、ついで、1時間率の
2倍の電流でカットオフ電圧が1Vになるまでの放電を
行うことを1サイクルとする加速充放電サイクル試験を
行い、放電容量が1サイクル目の容量の80%以下にな
るまでのサイクル数を調べた。その結果を一括して表1
に示した。
【0066】
【表1】 図2と表1から次のことが明らかである。
【0067】(1)用いた水素吸蔵合金におけるLa含
有量が少なくなると、仮に1回水素化粉砕時のBET比
表面積が0.05〜0.20m2/gを満足していてもサ
イクル寿命は低下している。
【0068】(2)また、水素吸蔵合金におけるLa含
有量が多くなるとサイクル寿命は漸減していき、とくに
Lm中のLa含有量が75重量%を超える場合(比較例
3,5,11,12,15,16)は、サイクル寿命の
極端な低下が認められる。しかし、1回水素化時のBE
T比表面積が0.05〜0.02m2/gの範囲にある場
合には、サイクル寿命の低下は認められない。
【0069】(3)更に、図1から明らかなように、本
発明の要件を満たしている実施例電池はその作動電圧が
高位水準を維持しているが、これら要件を満たさない比
較例電池は、作動電圧が低いか(比較例1〜8)または
短時間で電池寿命が尽きる(比較例10〜16)かのい
ずれかになっている。
【0070】実施例9〜13,比較例17〜24 図1で示した第2の電池を次のようにして組み立てた。
【0071】負極の製造に用いた水素吸蔵合金における
Lm中のLa含有量が表2で示した値のものであり、組
成は、LmNi3.6Mn0.3Co0.8Al0.3であったこと
を除いては、実施例1〜8と同じようにして水素吸蔵合
金電極(負極)を製造した。また、正極としては実施例
1〜8における正極B(面積:30cm2/Ah)を用い、
この正極と上記負極をセパレータを介して表2のように
組み合わせて積層シートとし、これを巻回して電極群を
製造した。
【0072】上記シート積層体の製造時に、正極2とセ
パレータ3と負極2の各下端部においては、セパレータ
3の下端部と負極2の下端部1Aを正極2の下端部2A
の端面から突出させて電極群にした。なお、それらの電
極群の上端面では、いずれも正極2の上端部2Bが最も
突出した状態になっている。
【0073】つぎに、ニッケル製の集電板を用意し、ま
ず、集電板6aを各電極群Aにおける下端部1Aの端面
に圧接したのち、20箇所を点溶接して両者を一体化し
た。
【0074】ついで、電極群Aを集電板6aを下にして
電池缶5の中に挿入して缶底に集電板6aを接触させた
のち、電極群Aの空孔4から上部溶接電極(図示しな
い)を挿入して集電板6aを加圧し、また電池缶5の外
側には下部溶接電極(図示しない)を配置して前記電池
缶5の缶底を上方に加圧し、両電極間に溶接電流を通電
することにより、集電板6aを電池缶5の缶底に溶接し
た。そして電池缶5の中にKOHを主体とする電解液を
注液した。
【0075】更に電極群Aの上に同じニッケル製集電板
6bを配置し、20箇所を点溶接し、更に集電板6bに
ニッケル製のリード7を溶接したのち封口板8にも溶接
した。そして、ガスケット9を介して封口板8を電池缶
5の上部開口に嵌め込み、全体に加締め加工を行って電
池を組み立てた。
【0076】なお、比較のために次のような電池を組み
立てた。
【0077】すなわち、正極として、上端部2Bにニッ
ケル製タブ端子を1個取り付けたものを用い、それを封
口板8に接続し、また負極としては、表2における負極
Fと負極Iを用い、かつその下端部1Aにも負極合剤が
担持されているものを用いて電極群を製造し、電池缶の
缶底には絶縁板を配置し、その上に電極群を配設した電
池を組み立てた。これらの電池を比較例電池23,24
とする。すなわち、これらの比較例電池は実施例電池の
ように集電板を用いていないが、負極と電池缶の接触界
面で導通経路が形成されているものである。
【0078】以上の各電池につき、1時間率で1.2時
間の充電を行い、30分休止ののち、1時間率の10倍
の電池で放電し、そのときの電池の作動電圧を測定し
た。その結果を図3に示した。
【0079】また、各電池につき、温度45℃で1時間
率の2倍の電池で45分間充電し、ついで、1時間率の
2倍の電流でカットオフ電圧が1Vになるまでの放電を
行うことを1サイクルとする加速充放電サイクル試験を
行い、放電容量が1サイクル目の容量の80%以下にな
るまでのサイクル数を調べた。その結果を一括して表2
に示した。
【0080】
【表2】 図3と表2から次のことが明らかである。
【0081】(1)用いた水素吸蔵合金におけるLa含
有量が少なくなると、仮に1回水素化粉砕時のBET比
表面が0.05〜0.20m2/gを満足していてもサイ
クル寿命は低下している。
【0082】(2)また、水素吸蔵合金におけるLa含
有量が多くなるとサイクル寿命は漸減していき、とくに
Lm中のLa含有量が75重量%を超える場合(比較例
20,21,22)は、サイクル寿命の極端な低下が認
められる。しかし、1回水素化時のBET比表面積が
0.05〜0.20m2/gの範囲にある場合には、サイ
クル寿命の低下は認められない。
【0083】(3)更に、図3から明らかなように、本
発明の要件を満たしている実施例電池はその作動電圧が
高位水準を維持しているが、これら要件を満たさない比
較例電池は、作動電圧が低い(比較例17〜22)。
【0084】(4)そして、集電板を用いなかった比較
例電池23,24は、いずれも放電の初期段階でその作
動電圧が著しく低下し、電池寿命も短くなっている。
【0085】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
第1の電池,第2の電池は、いずれも、高容量であり、
またサイクル寿命特性も優れ、しかも従来のニッケル・
水素二次電池では実現できなかったような大電流放電、
すなわち1時間率の5倍を超えるような放電を行っても
作動電圧の低下は抑制されている。
【0086】したがって、この電池は、電動工具や電機
自動車などの駆動電源としてその工業的価値は大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な第2の電池例を示す断面図であ
る。
【図2】電池の放電容量と作動電圧の関係を示すグラフ
である。
【図3】電池の放電容量と作動電圧の関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 負極 1A 負極1の集電体シートの下端部(無開口
部) 2 正極 2A 正極2の集電体シートの下端部 2B 正極2の集電体シートの上端部 3 セパレータ 4 空孔 5 電池缶 6a,6b 集電板 7 リード 8 封口板 9 ガスケット 10 正極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 和彦 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 武野 和太 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA01 AA02 AA04 BB02 BB04 BC01 BD00 BD01 BD05 5H016 AA01 AA05 BB18 EE01 EE05 HH00 HH06 HH11 HH15 HH17 5H022 AA04 AA18 CC02 CC08 CC21 CC30 5H028 AA01 AA05 AA07 BB15 CC08 EE01 EE05 HH00 HH08 HH09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式:LmNixMnyz (ただし、LmはLa含有量が70〜100重量%であ
    る希土類元素を表し、MはCo,Al,Fe,Zrの群
    から選ばれる少なくとも1種を表し、x,y,zは、そ
    れぞれ、3.30≦x≦4.50,0.01≦y≦0.2
    0,0.20≦z≦1.70,4.90≦x+y+z≦5.
    50の関係を満足する数を表す)で示される組成の水素
    吸蔵合金を主体とする負極合剤が集電体シートに担持さ
    れている負極と、セパレータと、ニッケル化合物を主体
    とする正極合剤が集電体シートに担持されている正極と
    から成る電極群がアルカリ電解液と一緒に電池缶の中に
    密封されているニッケル・水素二次電池において、 前記正極の前記正極合剤が担持されている部分の面積が
    電池の理論容量当たり30cm2以上の値であり、かつ、 前記水素吸蔵合金は、温度2〜30℃,圧力5〜10気
    圧(ゲージ圧)の条件下における1回水素化粉砕時のB
    ET比表面が0.05〜0.20m2/gの水素吸蔵合金
    から成ることを特徴とするニッケル・水素二次電池。
  2. 【請求項2】 次式:LmNixMnyz (ただし、LmはLa含有量が70〜100重量%であ
    る希土類元素を表し、MはCo,Al,Fe,Zrの群
    から選ばれる少なくとも1種を表し、x,y,zは、そ
    れぞれ、3.30≦x≦4.50,0.01≦y≦0.2
    0,0.20≦z≦1.70,4.90≦x+y+z≦5.
    50の関係を満足する数を表す)で示される組成の水素
    吸蔵合金を主体とする負極合剤が集電体シートに担持さ
    れている負極と、セパレータと、ニッケル化合物を主体
    とする正極合剤が集電体シートに担持されている正極と
    から成る電極群がアルカリ電解液と一緒に電池缶の中に
    密封されているニッケル・水素二次電池において、 前記水素吸蔵合金は、温度2〜30℃,圧力5〜10気
    圧(ゲージ圧)の条件下における1回水素化粉砕時のB
    ET比表面が0.05〜0.20m2/gの水素吸蔵合金
    から成り、かつ、 前記負極の集電体シートが、少なくとも一方の端部に無
    開口部を有し、前記無開口部が集電板を介して電池缶に
    接続されていることを特徴とするニッケル・水素二次電
    池。
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