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JP2000025630A - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置

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Publication number
JP2000025630A
JP2000025630A JP17381299A JP17381299A JP2000025630A JP 2000025630 A JP2000025630 A JP 2000025630A JP 17381299 A JP17381299 A JP 17381299A JP 17381299 A JP17381299 A JP 17381299A JP 2000025630 A JP2000025630 A JP 2000025630A
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JP
Japan
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steering
vehicle
torque
auxiliary
yaw rate
Prior art date
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Application number
JP17381299A
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English (en)
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Shinkichi Asanuma
信吉 浅沼
Yutaka Nishi
裕 西
Takeshi Nishimori
剛 西森
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP17381299A priority Critical patent/JP3176899B2/ja
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Publication of JP3176899B2 publication Critical patent/JP3176899B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 横風や轍路走行などの外乱が車両に作用した
際の偏向抑制性能を高め、直進安定性を向上することが
でき、また雪道などの低μ路走行や低速走行時など路面
反力が少なくなってもステアリングホイール操作負荷が
軽減されるように改良された車両用操舵装置を提供す
る。 【解決手段】 車両の操向車輪を手動転舵する手段の操
舵トルク検出値に基づいた補助操舵トルクを操向車輪に
加えるための電動機を備える車両用操舵装置において、
車両挙動検出手段の検出値に基づく補助反力トルクを電
動機にて発生させることで、車両挙動を抑制する方向へ
の補助反力トルクが、運転者の操舵の有無に関わりなく
操向車輪に作用するようになるので、横風や轍路などの
外乱に基因した車両の不整挙動が運転者の積極的な操舵
を要せずに抑制されることとなり、車両の走行安定性を
向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は車両の操舵装置、
詳しくは、車両の車体挙動に応じ車体挙動を抑制する方
向に転舵させる操舵トルクを操向ハンドルに加えるよう
にした操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は例えば特公昭50−33584号
公報に記載されたものが知られる。これは電気式倍力装
置に関するもので、人力による操舵トルクの検出信号の
増幅度を車速や道路状況等の検出信号により可変するこ
とにより操舵トルク助成用電動機の出力を増減し、常に
最適な操舵トルクを得るようにしたものである。即ち、
操向ハンドルを人力で操舵した場合に前記電動機の出力
増減機能が作動するよう構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、車両に横風
等の外乱が加わった場合、前記操舵装置において、人力
による操舵トルクは発生しないため、横風等の外乱に対
しては抑制効果はなく、また、倍力装置を備えないマニ
ュアル操舵装置でも同様である。従って、このような外
乱を受けた場合運転者はこの外乱を抑える方向に操向ハ
ンドルを操舵しなければならなかった。そこで、本発明
の目的は横風等の外乱に対する車両の外乱抑制性能を高
めることができる車両の操舵装置を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の車両の操舵装置では、車両の操向車輪を
手動により転舵するための手動操舵手段と、該手動操舵
手段に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルク検出
手段と、該操舵トルク検出手段の検出値に基づいて補助
操舵トルクを決定する補助操舵トルク決定手段と、前記
操向車輪に補助操舵トルクを加えるための電動機と、該
補助操舵トルク決定手段の決定値に基づいて前記電動機
を制御する制御手段とを有する車両用操舵装置におい
て、前記車両の挙動を検出する車両挙動検出手段と、前
記車両挙動検出手段によって検出された検出値に基づい
て補助反力トルクを決定する補助反力トルク決定手段と
を有し、前記制御手段が、前記補助反力トルク決定手段
の決定値と前記補助操舵トルク決定手段の決定値とに基
づいて前記電動機の駆動トルクを制御するようになって
いることを特徴とする車両用操舵装置を提供する。
【0005】この発明にかかる車両の操舵装置は、車体
挙動に基づき決定されるトルク値を操舵アクチュエータ
に加算することにより操向ハンドルは車速やラック反力
により決定されるトルク値にだけではなく、更に、正か
ら負に渡るトルク値を操舵アクチュエータによって加算
されるため、ハンドルの切増し、切減らしが容易に可能
となる。換言すれば、外乱によるトルク値を操舵アクチ
ュエータに加算することにより、操向ハンドルは外乱を
抑制する方向に操舵可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。図1から図6はこの発明の一実施例
にかかる車両の操舵装置を示し、図1が模式全体構成
図、図2が制御系の回路ブロック図、図3が制御ブロッ
ク図、図4がフローチャート、図5が制御処理に用いら
れるデータテーブル、図6が従来との比較において作用
を説明するためのグラフである。
【0007】図1において、11は運転者が操舵可能な
操向ハンドルであり、操向ハンドル11はステアリング
シャフト11aに設けられる。ステアリングシャフト1
1aは、車両の車体に回転自在に支持され、反力モータ
(操舵トルク発生手段)12と連結されている。反力モ
ータ12は、制御装置13に接続され、この制御装置1
3から通電されて操向ハンドル11に加える操舵トル
ク、換言すれば、操向ハンドル11の操舵に対する抵抗
力を生じる。
【0008】上述のステアリングシャフト11aにはポ
テンショメータ等のアナログ式センサからなる第1の舵
角センサ14、エンコーダ等のディジタル式センサから
なる第2の舵角センサ15および差動トランス等からな
る操舵トルクセンサ16が設けられ、また、反力モータ
12には通電電流値を検出する電流センサ41が設けら
れ、これらセンサ14,15,16,41が制御装置1
3に接続されている。
【0009】第1の舵角センサ14は、操向ハンドル1
1の所定位置(例えば、中立位置)を基準としてステア
リングシャフト11aの回転角、すなわち操向ハンドル
11の操舵角θを検出し、操舵角θを表す検知信号を制
御装置13に出力する。また、第2の舵角センサ15は
操向ハンドル11の単位操舵角について所定のパルス数
のパルス信号を制御装置13に出力し、同様に、操舵ト
ルクセンサ16は操舵トルクを検出して操舵トルクを表
す検知信号を出力し、電流センサ41は反力モータ12
の通電電流、すなわち出力トルクと対応した検知信号を
出力する。詳細な説明は割愛するが、制御装置13はセ
ンサ14,15の出力信号から操向ハンドル11の操舵
角を、センサ16の出力信号から操舵トルクを算出す
る。
【0010】また、17L,17Rは左右一対の操向車
輪であり、これら操向車輪17L,17Rはそれぞれが
タイロッド18L,18Rを介し転舵機構19と連結さ
れている。転舵機構19は螺旋状の溝が形成されたウォ
ームシャフト20、このウォームシャフト20の溝に多
数のボールを介し螺合するボールナット21およびボー
ルナット21と一体回転可能に結合された伝達ギア22
を有する。
【0011】ウォームシャフト20は、図示しないハウ
ジング等に回転を禁止かつ軸方向移動可能に支持され、
両端が上述のタイロッド18L,18Rを介し操向車輪
17L,17Rに連結されている。このウォームシャフ
ト20は、溝をボールが転動してボールナット21との
間で循環し、ボールナット21の回転で軸方向に移動し
て操向車輪17L,17Rを転舵する。伝達ギア22は
駆動ギア23に噛合して駆動ギア23の回転でボールナ
ット21と一体に回転する。
【0012】駆動ギア23は回転軸24に固設され、回
転軸24は2つの転舵モータ25L,25Rの出力軸に
一体かつ同心状に結合している。転舵モータ25L,2
5Rはそれぞれ制御装置13に接続され、これら転舵モ
ータ25L,25Rには通電電流値を検出する電流セン
サ40L,40Rが設けられている。これら電流センサ
40L,40Rは、制御装置13に接続され、転舵モー
タ25L,25Rへの通電電流値を表す検知信号を出力
する。
【0013】さらに、タイロッド18L,18Rにはそ
れぞれ軸力センサ26L,26Rが、ボールナット21
にはポテンショメータ等のアナログ式センサからなる絶
対位置センサ27(図1中ではボールナット21に内包
されて明示されず)が、転舵モータ25L,25Rには
それぞれエンコーダ等のディジタル式センサからなる転
舵角センサ28L,28Rが設けられている。図2にも
示すように、これらセンサ26L,26R,27,28
L,28Rが制御装置13に接続されている。
【0014】軸力センサ26L,26Rはそれぞれ操向
車輪17L,17Rの転舵反力を検出して転舵反力を表
す検知信号を制御装置13に出力する。同様に、絶対位
置センサ27は前述した第1の操舵角センサ14と同様
に中立位置を基準とするボールナット21の回転角、す
なわち操向車輪17L,17Rの中立位置を基準とする
転舵角度を表す検知信号を出力し、転舵角センサ28
L,28Rは第2の操舵角センサ15と同様に各転舵モ
ータ25L,25Rの出力軸の単位回転角、すなわち操
向車輪17L,17Rの単位転舵角について所定のパル
ス数のパルス信号を制御装置13に出力する。操向ハン
ドル11の操舵角と同様に、操向車輪17L,17Rの
転舵角もこれらセンサ27,28の検知信号から算出さ
れる。
【0015】なお、図1中、29は表示器、30はイグ
ニッションスイッチ、31はバッテリである。表示器2
9は制御装置13に接続されて制御装置13の出力信号
を基に操向ハンドル11の操舵角θと操向車輪17L,
17Rの転舵角δとの相対的なずれを表示する。
【0016】制御装置13は、図2に示すように、ワン
チップマイコン、メモリ、A/Dコンバータおよびクロ
ック等を内蔵した2つのコントローラ13a,13bを
有し、これらコントローラ13a,13bが相互に接続
される。これらコントローラ13a,13bは、それぞ
れにウォッチドグタイマ32a,32bが接続し、ま
た、前述した各センサ14,15,16,26,27,
28,40,41(英字の添字は省略している)が接続
される。さらに、これらコントローラ13a,13bに
は、車速センサ33、ヨーレイトセンサ34および横加
速度センサ88が接続され、また、反力モータ駆動回路
35、転舵モータ駆動回路36L,36Rおよび前述の
表示器29が並列に接続される。
【0017】周知のように、車速センサ33は車速Vを
検出して車速Vを表す検知信号を出力し、ヨーレイトセ
ンサ34は車両のヨー角速度(ヨーレイト)を検出して
ヨー角速度を表す信号を出力し、横加速度センサ88は
車体に車幅方向に作用する横加速度(横G)を検出して
横Gを表す検知信号を出力する。これらヨーレイトセン
サ34および横加速度センサ88は車体挙動検知手段に
相当する。
【0018】コントローラ13a,13b(以下、添字
の無い番号で代表する)はそれぞれが、上述の各センサ
の検知信号を所定のルーチンに従い並行して処理し、各
モータ駆動回路35,36L,36RにPWM駆動信号
を、表示器29に駆動信号を出力する。ウォッチドグタ
イマ32a,32bはそれぞれ、コントローラ13a,
13bのルーチンの実行間隔あるいは内蔵タイマの周期
等を監視し、コントローラ13a,13bの異常を判定
する。詳細な説明は割愛するが、これらコントローラ1
3a,13bは、互いに故障診断を行って、また、ウォ
ッチドグタイマ32a,32bの判定結果により故障を
判断し、故障発生時には故障と診断された部分を切り放
して制御を続行する。
【0019】モータ駆動回路35,36L,36Rはそ
れぞれFETをブリッジ状に結線して構成され、反力モ
ータ駆動回路35が反力モータ12に、転舵モータ駆動
回路36L,36Rが転舵モータ25L,25Rに接続
されている。これらモータ駆動回路35,36L,36
Rは、コントローラ13からPWM信号が入力し、この
PWM信号に応じたデューティファクタの電流をモータ
12,25L,25Rに通電する。
【0020】この実施例は操向ハンドル11と操向車輪
17L,17Rとが機械的に分離されたCBW(CONTROL
BY WIRE)式の操舵装置について例示し、その制御方式
は図3のブロック図に示される。同図に示すように、こ
の操舵装置は、操向ハンドル11の操舵状態を検出し、
操向ハンドル11の操舵角θに基づき操向車輪17L,
17Rの転舵角を帰還制御し、また、車体のヨーレイ
ト、横Gおよび操向車輪17L,17Rの転舵反力を検
出し、これらヨーレイト、横G、転舵反力および操向ハ
ンドル11の操舵角θに基づき操向ハンドル11の操舵
反力を制御する。
【0021】ここで、操舵反力の制御においては、操舵
角θから関数f1で変換して操舵反力の舵角成分T1を
算出し、以下同様に、操舵速度dθ/dtから関数f2で決
定されるダンピング成分T2、ヨーレイトγから関数f
3によって第1の車体挙動抑制成分T3、横Gから関数
f4で第2の車体挙動抑制成分T4、操向車輪17L,
17Rの転舵反力Rから関数f5で路面成分T5を算出
する。これら関数は図5A,B,C,D,Eに示すよう
な車速により傾きが変化する一次関数を採用するが、車
速により変化しない一次関数や他の特性の関数を採用す
ることも可能である。なお、Sはラプラス演算子であ
る。
【0022】そして、これら操舵反力の成分T1,T
2,T3,T4,T5を基に下式から目標操舵反力を決
定し、反力モータの出力トルク、すなわち操向ハンドル
の操舵反力を目標操舵反力Tsに帰還制御する。 Ts=T1+T3+T4+T5+T2 ただし、上式では、操向ハンドル11の正方向の操舵に
対する抵抗力の方向を正として表す。
【0023】なお、図3において、関数Lはリミッタを
示し、リミッタLは後述するように絶対値としての目標
操舵反力の大きさを所定値以下に規定する。また、上述
の各関数はそれぞれ図3からは伝達関数として理解され
るが、伝達関数は一次関数でも達成でき、また、その値
は実用に際しては車両の諸元等に応じた適当な重み付け
を与えて適宜設定でき、さらに、テーブルあるいはマッ
プ等で表してマップ検索により決定するように構成でき
る。
【0024】そして、この実施例の操舵装置は、図4の
フローチャートに示す処理を制御装置13において所定
の周期で繰り返し実行し、上記操舵反力の制御を行う。
同図に示すように、ステップ1において各センサの出力
信号を読み込み、ステップ2でセンサの出力信号から車
体のヨーレイト、横G、転舵反力、車速、操舵トルクお
よび操舵角等を算出する。続いて、ステップ3におい
て、図5に示すようなデータテーブルによって各操舵反
力成分T1,T2,T3,T4,T5を算出した後、ス
テップ4で上式に従い目標操舵反力Tsを算出する。
【0025】次に、ステップ5において目標操舵反力T
sが所定値Tmaxを越えているか否かを判断し、目標操
舵反力Tsが所定値Tmaxを越えていればステップ6で
上限値として上記値Tmaxに規定する。また次のステッ
プ7では、同様に、目標操舵反力Tsが所定値(−Tma
x)より小さいか否かを判断し、目標操舵反力Tsが小さ
い場合は下限値として上記値(−Tmax)に規定する。こ
れらステップ5からステップ8までの処理が上述した図
3におけるリミッタLと対応する。
【0026】続いて、ステップ9において、反力モータ
12へ通電し、反力モータ12の出力トルク、すなわち
操向ハンドル11に作用させる操舵反力を目標操舵反力
Tsに帰還制御する。
【0027】上述のように、この実施例の操舵装置は、
反力モータ12によって操向ハンドル11に加えられる
操舵トルクが車体のヨーレイトに対応した操舵反力成分
T3と、横Gに対応した操舵反力成分T4とを有し、こ
の反力モータ12の操舵トルク(操舵反力)が操向ハン
ドル11をヨーレイトと横Gとを抑制する方向に操舵し
ようとする。このため、横風等の外乱で車体にヨーレイ
トあるいは横G等の車体挙動が発生した場合、仮に運転
者が手放し状態であっても操向ハンドル11は操舵さ
れ、車体挙動を安定化させることができる。また、運転
者が操向ハンドル11を保持している場合も、その作用
で運転者はそのトルクによる操向ハンドル11の動きに
任せておいても同様の効果が得られる。
【0028】詳細には、通常の直進時においては運転者
が操向ハンドル11を中立で軽く保持しており、横風を
受けると車両の進行方向が変るのを車体挙動検出手段が
検知して、直進状態へ復帰する操舵トルクが発生し、操
向ハンドル11が動かされ、実舵角が発生して車両が直
進に戻ることになる。そして、このような場合も含め一
般的な走行での操舵においても、運転者は反力モータ1
2から操向ハンドル11に作用する操舵トルクで車体の
挙動、すなわち車体に発生するヨーレイト、横Gを体感
でき、よりよい操舵感が得られる。また、運転者がこの
トルクに反して操舵あるいは保舵すれば車両の動きは運
転者により自由にできる。
【0029】従前のものと対比して説明すると、本願発
明の操舵装置は、横風外乱で車体挙動が発生すると、操
舵反力に車体挙動としてヨーレイト成分のみを包含させ
た場合および操舵反力に横Gのみを包含させた場合に運
転者が操作を全く行わなくとも、すなわち手放し運転の
状態でもそれぞれ図6(a)に示すような軌跡を維持で
きる。しかしながら、通常の車両は同図に示すように外
乱によって進行方向が大きな影響を受ける。
【0030】また、図6(b)に示すように、運転者が
操向ハンドル11を把持した状態でも、本願発明はヨー
レイトのみに基づき制御した場合および横Gのみに基づ
き制御した場合に横風等の外乱で進行方向が受ける影響
は通常車両と比較して小さくできる。なお、図6は車両
直進時を表し、横軸は車両の直進進行方向、縦軸は進行
方向と直交する方向への偏位量を示す。
【0031】さらに、通常の旋回走行時等においても、
旋回により横Gおよびヨーレイトが発生し、これら横G
等を抑制する方向に反力モータ12が操舵トルクが発
生、すなわち車両を直進状態に復帰させるように操舵ト
ルクが発生する。このため、直進走行に戻る際には、運
転者が操舵トルクに従い徐々に操向ハンドル11を戻す
ことで、車両は直進状態に復帰する。加えて、車両が急
激にオーバステア傾向を示した場合は強い戻り力が作用
するため、カウンタステアが容易となり、ドリフト傾向
では戻り力が弱く切り増しが容易となる。
【0032】なお、上述の実施例では、車体のヨーレイ
トと横Gとの双方に基づく操舵反力を操向ハンドル11
に付与するが、いずれか一方に基づく操舵反力を付与す
ることでも本願発明は達成できることは述べるまでもな
い。
【0033】図7および図8にはこの発明の他の実施例
にかかる操舵装置を示し、図7が全体構成の模式図、図
8が制御ブロック図である。なお、この実施例について
は、前述の実施例と同一の部分には同一の番号を付して
説明を省略する。
【0034】この実施例は、操向ハンドル11がステア
リングシャフト11aおよびジョイント91等を介し転
舵機構19に接続し、操向ハンドル11と操向車輪17
L,17Rとが機械的に連結する。転舵機構19は、ラ
ックアンドピニオン式の機構から構成され、ピニオンに
操舵トルクと操舵角とを検出するセンサ94が設けら
れ、ラックが電動機95とボールスクリュ機構90を介
し双方向の動力伝達可能に連結する。電動機95は、モ
ータ駆動回路96と接続され、このモータ駆動回路96
から通電されて操舵補助トルクを発生する。この電動機
95が操舵トルク発生手段に相当する。
【0035】モータ駆動回路96はコントローラ13と
接続され、このコントローラ13にヨーレイトセンサ3
4と横加速度センサ88とが接続される。前述の実施例
でも述べたように、ヨーレイトセンサ34は車体のヨー
レイトを検出し、横加速度センサ88は横Gを検出し、
コントローラ13は各センサから入力する検知信号に基
づきモータ駆動回路96に制御信号を出力して電動機9
5を通電する。
【0036】この実施例にあっては、操向ハンドル11
と操向車輪17とが機械的に連結し、また、電動機95
の通電を制御して電動機95の出力トルクで操舵の補助
を行う。このため、この操舵装置は、電動機95の制御
で操舵補助特性のみならず、操向ハンドル11の操舵反
力も決定される。
【0037】そして、この実施例でも、図8に示すよう
に、操舵トルク、ヨーレイトおよび横Gを検出し、これ
らの検出値に基づき電動機95の出力トルクを制御す
る。すなわち、操舵トルクから決定される2つの成分
と、ヨーレイトから伝達関数で決定される成分と、横G
から伝達関数で決定される成分とを加算して求められる
和として目標トルクを規定し、この目標トルクに電動機
95の出力トルクを帰還制御する。このため、前述した
実施例と同様に、車体のヨーレイト、横Gが発生する
と、操向ハンドル11の操舵の有無にかかわりなく、こ
れらヨーレイト、横Gを抑制する方向に操向車輪17が
転舵され、すなわち操向ハンドル11が操舵され、車両
挙動の安定化が図れる。
【0038】なお、この実施例においても、舵角に対応
した(操舵反力)成分にかかる伝達関数bをヨーレイ
ト、横Gで変えるため、従来技術として記載した公報に
も述べられているようにより安定化を図ることができ
る。同様に、前述の図5に示すように、伝達関数として
一次関数を採用する場合、その傾きを変えることで、操
舵トルク成分を調整できるため、その特性の選択の自由
度も大きくなり、安定化を図ることが容易である。な
お、その他の構成および作用は前述の実施例と同様であ
り、その詳細な説明は割愛するが、第1実施例と比較し
てシステムが簡略化できる。
【0039】上述の図8において、J1は操向ハンドル
11のイナーシャ、J2は操向車輪17のイナーシャ、
J3はロータイナーシャ、Jは(J2+J3)、aは操
向ハンドル11の操舵速度ゲイン、bはトルクゲイン、
K1はトルク定数、K2はタイヤ定数、KEは誘起電圧
定数、Kγはヨーレイト反力係数、KGは横G反力係
数、Sはラプラス演算子である。
【0040】なお、上述した各実施例では、力系の制御
のみについて述べるが、力系の制御に併せて操舵角度の
制御を行うことも可能であり、また、電動機式の操舵装
置のみならず油圧シリンダを採用する操舵装置にも本願
発明が適用できることは述べるまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
車両の操舵装置によれば、車体の挙動を抑制する方向に
転舵させる操舵トルクが運転者の操舵の有無に関わりな
く操向ハンドルに作用するため、運転者の積極的な操舵
の有無に関わりなく横風等の外乱に起因した車体の挙動
を抑制して車両の安定性を向上でき、また、運転者の意
思で操向ハンドルに作用する操舵トルクに反して操向ハ
ンドルを保持あるいは操舵することもでき運転の自由度
が低下することもなく、さらに、運転者は車両の挙動を
操向ハンドルのトルクで感知できるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる車両の操舵装置を
模式的に示す全体構成図
【図2】同操舵装置の制御系の回路ブロック図
【図3】同操舵装置の制御ブロック図
【図4】同操舵装置の制御処理を示すフローチャート
【図5】同制御処理に用いられるデータテーブル
【図6】従来との比較において本願発明の作用を説明す
るグラフ
【図7】この発明の他の実施例にかかる車両の操舵装置
を示す模式全体図
【図8】同操舵装置の制御ブロック図
【符号の説明】
11・・・操向ハンドル、12・・・反力モータ(操舵トルク
発生手段)、13・・・制御装置(制御手段)、17L,
17R・・・操向車輪、33・・・車速センサ、34・・・ヨー
レイトセンサ(車体挙動検出手段)、88・・・横加速度
センサ(車体挙動検出手段)、95・・・電動機(操舵ト
ルク発生手段)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月24日(1999.6.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 車両用操舵装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用操舵装置、
特に電動機によって補助操舵トルクを発生させる操舵装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】運転者の操舵力を軽減するための所謂パ
ワーステアリング装置として、例えば特公昭50−33
584号公報に記載されたような形式のものが知られて
いる。これは、ステアリングホイールの操舵力を電動機
の出力トルクにて補助するように構成されたものであ
り、ステアリングホイールに運転者が加える操舵トルク
の検出信号の増幅度を、車速や道路状況などの検出信号
に応じて変化させることによって補助電動機の出力トル
クを増減し、常に最適な操舵トルクが得られるようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、走行中に車
両が強い横風を受けたり、轍路を走行したりすると目標
走行ラインから外れる向きに車両が偏向してしまうこと
がある。また、雪道などタイヤと路面との摩擦係数(μ)
が低い路面(以下低μ路と称す)での走行時や低速走行
時には路面反力が減少する。
【0004】上記した従来のパワーステアリング装置の
場合、運転者が操舵して初めて電動機が補助操舵トルク
を発生するものであるため、走行中に横風を受けること
によって車両が偏向しても、電動機は補助操舵トルクを
発生しない。従って、車両の偏向を抑えるためには、運
転者自身がステアリングホイールを操作しなければなら
ないが、他方で上記パワーステアリング装置は一般的に
車両の横加速度並びにヨーレイトが大きくなるほど大き
な操舵力を必要とするようになっているため、外乱によ
る車両の偏向の場合には、それが大きいほど、修正に要
する操舵トルクが大きなものとなる不都合があった。
【0005】これに加えて、一般のパワーステアリング
装置は、通常走行時には運転者の操舵力が小さくて済む
反面、ステアリングホイールからの車両挙動に関する情
報の伝達が得にくくなるため、車両挙動が急激に変化し
たような場合の情報は、専ら運転者の視覚、体感などか
らしか得られなかった。そのため、修正操作が遅れぎみ
となり、操作量が大きくなりがちであった。
【0006】また、ステアリングホイールの戻りは路面
反力によるものであることから雪道などの低μ路の走行
時や低速走行などで路面反力が減少するとステアリング
ホイールの戻りが鈍くなってしてしまい、運転者自身で
ステアリングホイールを戻す動作が必要となり、ステア
リングホイール操作負荷が大きくなりがちであった。
【0007】本発明は、このような従来技術の不都合を
改善するべく案出されたものであり、その主な目的は、
横風や轍路走行などの外乱が車両に作用した際の偏向抑
制性能を高め、車両の安定性を向上することができ、雪
道などの低μ路や低速走行時にもステアリング操作負荷
が軽減されるように改良された車両用操舵装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、車両の操向車輪を手動により転舵するため
の手動操舵手段と、該手動操舵手段に加えられた操舵ト
ルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検
出手段の検出値に基づいて補助操舵トルクを決定する補
助操舵トルク決定手段と、前記操向車輪に補助操舵トル
クを加えるための電動機と、該補助操舵トルク決定手段
の決定値に基づいて前記電動機を制御する制御手段とを
有する車両用操舵装置において、前記車両の挙動を検出
する車両挙動検出手段と、前記車両挙動検出手段によっ
て検出された検出値に基づいて補助反力トルクを決定す
る補助反力トルク決定手段とを有し、前記制御手段が、
前記補助反力トルク決定手段の決定値と前記補助操舵ト
ルク決定手段の決定値とに基づいて前記電動機の駆動ト
ルクを制御するようになっていることを特徴とする車両
用操舵装置を提供することによって達成される。
【0009】このようにすれば、外乱によって引き起こ
される車両の不整挙動を車両のヨーレイト或いは横加速
度から検出し、これに対向する向きのトルクを補助操舵
トルク発生用の電動機にて発生させることができるの
で、外乱による車両挙動を抑制することができる。ま
た、雪道などの低μ路や低速で走行した際でもヨーレイ
ト或いは横加速度から決定した補助反力トルクによって
ステアリングホイールを戻すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、添付の図
面に示された具体的な実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0011】本発明が適用された車両用操舵装置の構成
を図1に示す。この装置は、手動操舵手段としての手動
操舵力発生装置1と電動式補助操舵力発生装置2とから
なっており、手動操舵力発生装置1は、ステアリングホ
イール3と一体結合するステアリングシャフト4に自在
継手を有する連結軸5を介して連結されたピニオン6
と、このピニオン6に噛合して車幅方向に往復動し得る
ラック7とを有し、ラック7の両端には、タイロッド8
を介して左右の前輪9のナックルアームが連結されてい
る。これにより、通常のラック・アンド・ピニオン式の
転舵操作を行うことができるようになっている。
【0012】一方、ラック7と同軸的にその外周に電動
機10が設けられている。この電動機10は、中空のロ
ータ内にラック7を挿通すると共に該ロータに駆動ヘリ
カルギア11が取付けられたものであり、駆動ヘリカル
ギア11には、ラック7と平行に延設されたボールスク
リュー機構のスクリューシャフト12の軸端に取付けら
れた被動ヘリカルギア13が噛合している。そして、ボ
ールスクリュー機構のナット14は、ラック7に固定さ
れている。これにより電動式補助操舵力発生装置2が構
成されている。
【0013】ステアリングシャフト4には、操舵トルク
検出手段としてステアリングシャフト4の操舵トルクに
対応した信号を出力するためのトルクセンサ15と、ス
テアリングホイール3の回転角から回転角速度に対応し
た信号を出力するための角速度センサ16とが取付けら
れている。
【0014】また、車体の適所には、車両挙動検出手段
として車両の横加速度に対応した信号を出力するための
横加速度センサ17、及び車両のヨーイング角速度に対
応した信号を出力するためのヨーレイトセンサ18と、
車両の走行速度に対応した信号を出力するための車速セ
ンサ19とが取付けられている。
【0015】本実施例にあっては、ステアリングホイー
ル3と操向車輪である前輪9とが機械的に連結されてお
り、上記各センサ15〜19の出力を制御ユニット20
で処理して得られた制御信号を、駆動回路21を介して
電動機10に与えることによって電動機10の出力トル
クを制御するようになっている。
【0016】図2は、本発明が適用された制御システム
を示す模式的ブロック図である。制御ユニット20に
は、トルクセンサ15、ハンドル角速度センサ16、横
加速度センサ17、ヨーレイトセンサ18、及び車速セ
ンサ19の各信号出力がそれぞれ入力される。これらの
信号入力は、それぞれ補助操舵トルク決定手段22並び
に補助反力トルク決定手段23に入力され、それぞれが
処理されて、電動機10の出力トルク目標値が決定され
る。この出力トルク目標値は目標電流決定手段24にて
電動機10の目標電流値に換算され、駆動回路21を介
して電動機10を制御するようになっている。
【0017】補助操舵トルク決定手段22においては、
通常の操舵力アシストに関する補助操舵トルクの目標値
の決定が行われる。本決定手段については、例えば、望
ましい操舵トルクを実現する公知の電動式パワーステア
リング制御を適用し得るので、ここでの詳細な説明は省
略する。
【0018】補助反力トルク決定手段23においては、
入力された上記各センサ16〜19からの各信号出力に
基づいて、後記するアルゴリズムによって目標補助反力
トルクを求めるようになっている。
【0019】目標電流決定手段24内では、電動機10
の電流と出力トルクの既知の特性(トルク定数)に応じ
て、出力トルク目標値を目標駆動電流値に換算する。
【0020】制御ユニット20内の補助反力トルク算出
手段23においては、図3のフローチャートに示す処理
が所定の周期で繰り返し実行される。先ず、ステップ1
において、各センサの出力信号を読込み、ステップ2に
おいて補助反力トルクTAを決定し、ステップ3におい
て目標補助反力トルク決定値を出力する。
【0021】この処理を図4〜図7を併せて参照して更
に詳しく説明する。先ず上記ステップ1においては、図
4のフローチャートに示すように、車速V(ステップ1
1)、ハンドル角速度ω(ステップ12)、横加速度G
(ステップ13)、ヨーレイトγ(ステップ14)をそれ
ぞれ読み込む処理が行われる。
【0022】次に上記ステップ2においては、図5のフ
ローチャートに示すように、図7(a)、図7(b)、
図7(c)に示すような操舵角速度ω、横加速度G、ヨ
ーレイトγのそれぞれをアドレスとし、車速Vごとに設
定されている各データテーブルから、各成分についての
補助反力トルクT1(ダンピングトルク成分)・T2(横
Gトルク成分)・T3(ヨーレレイトトルク成分)を求
め(ステップ21〜23)、これら補助反力トルクの成
分T1・T2・T3を加算する(ステップ24)。更に、
必要以上の補助反力トルクを排除するために目標操舵反
力値TAが最大値(Tmax)を超えているか否かを判
断し、目標操舵反力値TAが最大値を超えている場合は
目標操舵反力値TAを上記Tmaxとし、また、目標操
舵反力値TAが最大値(Tmax)を超えていない場合
には、同様に目標操舵反力値TAが負の最大値(−Tm
ax)を超えているか否か判断し、目標操舵反力値TA
が負の最大値を超えている場合には目標操舵反力値TA
を上記−Tmax値とするリミッタ処理(ステップ2
5)を行い、目標補助反力トルク決定値TAを決定す
る。
【0023】上記ステップ2の制御ブロック図は図6に
示すとおりで、ステップ21〜25は図6の各ブロック
に対応する。
【0024】このようにして決定された目標補助反力ト
ルク決定値TAは、別に求めた目標補助操舵トルク決定
値と加算されて目標電流決定手段24にて目標電流値に
変換され、出力される。
【0025】上記処理を行うことで、図8に示すよう
に、横風を受けて車両26が走行ライン27から外れる
ようになった際には、この時の車両26のヨーレイトγ
または横加速度Gを検出し、これらヨーレイトγ並びに
横加速度Gを打ち消す方向に、即ち、その時の車両26
の偏向を走行ライン27に戻す向きに電動機10が駆動
される。
【0026】本発明が適用された操舵装置が組み込まれ
た車両の走行時に横風を受けた場合における特性(実
線)と従来の操舵装置の特性(破線)とを対比して図9
(a)、図9(b)、図9(c)に示す。横風などの外
乱を受けた場合、上記制御が行われない従来の操舵装置
を搭載する車両の挙動に対し、本発明が適用された操舵
装置を搭載する車両ではステアリングが逆方向に切られ
てヨーレイト並びに横ずれ量が共に抑制されていること
がわかる。
【0027】このため、横風などの外乱で車両26にヨ
ーレイトγまたは横加速度Gが発生した場合、仮に運転
者が手放し状態であっても、外乱に対して車両26を常
に直進走行させるように前輪9が自動的に操舵され、不
整挙動を安定化させることができる。また、運転者がス
テアリングホイール3を保持している場合も、運転者は
補助反力トルクによるステアリングホイール3の動きに
任せておけば同様の効果が得られる。
【0028】ところで、轍のある路面、あるいは水溜ま
りのある路面を走行する場合には、ステアリングホイー
ル3が取られ易くなるが、そのような場合にも、横風走
行時と同様にヨーレイトγまたは横加速度Gが車両26
に発生するので、上記制御を実行することによって車両
26を直進させるように自動的に軌道修正が行われる。
【0029】また、通常の旋回走行時などにおいてヨー
レイトγまたは横加速度Gが発生した場合にも、これら
を抑制する方向、即ち車両を直進状態に復帰させる向き
に電動機10が操舵トルクを発生するので、これがセル
フアライニングトルクと同様な役目を果たし、特に雪道
などの低μ路や低速走行時に路面からの反力が少なくな
った場合でも補助反力トルクによってステアリングホイ
ールをニュートラルに戻すことができるので運転者の操
舵負荷、特に切り戻し時の操舵負荷が低減でき、直進走
行に戻す際の操舵が楽に行えるようになる。
【0030】更に、車両が急激にオーバステア傾向を示
した場合には、その時のヨーレイトγに対応して強い戻
り力が作用するため、カウンタステアが容易となる。
【0031】加えて、一般的な走行での操舵に於ても、
補助反力トルク決定手段によって補助反力を路面反力に
加え、補助操舵トルク決定手段によって操舵トルクの軽
減度を調整することができるので運転者に対する操舵フ
ィールを向上させることができる。
【0032】尚、上記構成では車両挙動検出手段を横加
速度センサとヨーレイトセンサの両方にて車両挙動検出
手段としたが、横加速度センサとヨーレイトセンサのど
ちらか一方でも同様の作用・効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】このように本発明によれば、車両挙動を
抑制する方向への補助反力トルクが、運転者の操舵の有
無に関わりなく操向車輪に作用するようになるので、横
風や轍路などの外乱に基因した車両の不整挙動が運転者
の積極的な操舵を要さずに抑制されることとなり、車両
の走行安定性を向上することができる。しかも車両挙動
検出手段の検出値に基づく補助反力トルクが路面反力に
加えられるのでステアリング操作の負荷、特にステアリ
ングを戻す操作を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用操舵装置を模式的に
示す全体構成図。
【図2】同操舵装置の制御系の回路ブロック図。
【図3】同操舵装置の制御処理を示すフローチャート。
【図4】同操舵装置の制御処理を示すフローチャート。
【図5】同操舵装置の制御処理を示すフローチャート。
【図6】同操舵装置の制御系の回路ブロック図及び同制
御処理に用いられるデータテーブル。
【図7】(a)、(b)、(c)は、同制御処理に用い
られるデータテーブルの拡大図。
【図8】直進走行時に横風を受けた場合の車両の動きを
示す模式図。
【図9】(a)、(b)、(c)共に本発明が適用され
た車両操舵装置を搭載する車両の特性と従来構成の操舵
装置を搭載する車両の特性とを比較するグラフ。
【符号の説明】 1 手動操舵力発生装置 2 電動式補助操舵力発生装置 3 ステアリングホイール 4 ステアリングシャフト 5 連結軸 6 ピニオン 7 ラック 8 タイロッド 9 前輪 10 電動機 11 駆動ヘリカルギヤ 12 スクリューシャフト 13 被動ヘリカルギヤ 14 ナット 15 トルクセンサ 16 角速度センサ 17 横加速度センサ 18 ヨーレイトセンサ 19 車速センサ 20 制御ユニット 21 駆動回路 22 補助操舵トルク決定手段 23 補助反力トルク決定手段 24 目標電流決定手段 26 車両 27 直進走行ライン
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 137:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の操向車輪を手動により転舵する
    ための手動操舵手段と、該手動操舵手段に加えられた操
    舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トル
    ク検出手段の検出値に基づいて補助操舵トルクを決定す
    る補助操舵トルク決定手段と、前記操向車輪に補助操舵
    トルクを加えるための電動機と、該補助操舵トルク決定
    手段の決定値に基づいて前記電動機を制御する制御手段
    とを有する車両用操舵装置において、 前記車両の挙動を検出する車両挙動検出手段と、 前記車両挙動検出手段によって検出された検出値に基づ
    いて補助反力トルクを決定する補助反力トルク決定手段
    とを有し、 前記制御手段が、前記補助反力トルク決定手段の決定値
    と前記補助操舵トルク決定手段の決定値とに基づいて前
    記電動機の駆動トルクを制御するようになっていること
    を特徴とする車両用操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記車両挙動検出手段がヨーレイトセ
    ンサを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用操
    舵装置。
  3. 【請求項3】 前記車両挙動検出手段が横加速度セン
    サを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の車両用操舵装置。
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