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JP2000004851A - ピザの製造法 - Google Patents

ピザの製造法

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Publication number
JP2000004851A
JP2000004851A JP10196779A JP19677998A JP2000004851A JP 2000004851 A JP2000004851 A JP 2000004851A JP 10196779 A JP10196779 A JP 10196779A JP 19677998 A JP19677998 A JP 19677998A JP 2000004851 A JP2000004851 A JP 2000004851A
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JP
Japan
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pizza
flour
weight
raw material
wheat protein
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Application number
JP10196779A
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Katsuyuki Yamamoto
勝雪 山本
Naoyuki Mizoguchi
尚之 溝口
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Matsutani Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Matsutani Chemical Industries Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsutani Chemical Industries Co Ltd filed Critical Matsutani Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピザを焼成後に常温、冷蔵、或いは冷凍で保存
し、電子レンジで加熱する時に生じる食感の低下という
問題を解消すること。 【解決手段】ピザの製造に際し、膨潤度7〜11mlの
小麦蛋白0.5〜4重量%を含有する原料粉を用いるこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピザの製造法、更に詳
しくは電子レンジ加熱に対応するピザの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ピザは小麦粉を練って野菜、肉、チーズ
などをのせ、香料を加えて焼いた一種のパイで、ほどよ
い風味があり、歯切れがよく、口溶けやのどごしがよい
などの食感が好まれ、冷蔵品や冷凍品の出現によってま
すますその消費量が増えている食品である。
【0003】ピザの冷蔵品や冷凍品は、通常オーブン等
の乾熱加熱を行って食するが、加熱をより迅速に、且つ
簡単に行うために、他の冷蔵や冷凍食品などと同じよう
に、電子レンジ加熱を利用する、或は利用したいという
要望が強くなっている。
【0004】しかし、オーブンなどの乾熱加熱と異なっ
て、ピザの冷蔵品や冷凍品を電子レンジで加熱すると、
歯切れが悪くなったり、口溶けやのどごしが悪くなるな
どの問題があった。
【0005】さらに、昨今のように飽食の時代になる
と、食品に対する要求が厳しくなり、ピザの食感に対し
ても、口あたりがソフトで歯にまとわりつかない程度の
歯切れがあって、口溶けにも優れたソフトタイプと、口
あたりがハードで、歯切れにサクサク感があって、のど
ごしのよいハードタイプとが好まれるようになり、電子
レンジ加熱後のピザに於いても同じことが要求されるよ
うになっている。
【0006】電子レンジ加熱用のピザとして、例えば特
開平4−66077号には、乳化剤(例:ショ糖脂肪酸
エステル)を小麦粉に対して0.1〜6重量%使用し、
焼成後に冷凍するピザや、特開平9−224548号に
は10℃における固体脂指数が5以下液状油脂(例:ナ
タネ白締油)100重量部、融点50℃以上の硬化油
(例:ナタネ硬化油)0.5〜15重量部、グリセリン
脂肪酸エステル0.05およびソルビタン脂肪酸エステ
ルの少なくとも1種以上0.1〜10重量部、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル0.05重量%からなる油
脂組成物をピザに使用することが開示されている。
【0007】特開平2−182144号には上部がパイ
生地、下部がピザ生地となる2層構造とする電子レンジ
用ピザクラストの製造法が、特開平7−51032号に
はピザクラストの底面に、少なくとも穀粉(例:米粉や
セモリナ粉)20〜80重量%と卵白20〜80重量%
を含有する混合物を0.01〜0.2g程度/cm2
布し、焼成後冷凍する冷凍ピザなどが開示されている。
【0008】特開平4−66077号では乳化剤の使用
でひきがなくふっくらとしたボリューム感があり、焼成
時の食感が維持できる旨記載されており、また特開平9
−224548号では油脂と乳化剤の併用で冷凍保存後
電子レンジ加熱しても食感の低下がなくてサクサクした
食感が得られるとしているが、何れも乳化剤の使用を必
須とするため風味を悪くする。
【0009】特開平2−182144号では多層構造に
してピザ層への具の水分移行を抑えて電子レンジ加熱後
でもべたつきがなく軽くサックリした口溶けのよいピザ
が得られ、また特開平7−51032号ではクラストの
底面に穀粉と卵白をコーテイングすることで電子レンジ
加熱でもクリスピー感があり、長期間冷凍による変化も
ないとしているが、特開平2−182144号ではクラ
ストを多層にすることを必要とし、特開平7−5103
2号ではクラストを焙焼後にコーテイングし、さらに乾
燥することを必要とし、いずれもそれだけ工程が煩雑に
なったり、余分になるので実用性が問題である。
【0010】これら以外に、電子レンジ加熱によるピザ
の食感をソフトにしたり、ハードにする試みも多数行わ
れている。
【0011】ソフトタイプとしては、特開平2−922
30号には上新粉(全小麦粉中の10〜20重量%)ま
たは焙焼小麦粉(全小麦粉中の10〜30重量%)を使
用する電子レンジ用ピザクラストの製造法が、特開平4
−183353号には原料の穀粉に対して馬鈴薯澱粉粕
0.5〜10重量%添加するピザ、パン類やケーキ類な
どのベーカリ食品などが開示されている。
【0012】特開平2−92230号では上新粉や焙焼
小麦粉を使用することで切れのよいソフトな食感が得ら
れ、特開平4−183353号では馬鈴薯澱粉粕を使用
することでひきがなく柔らかい食感のものが得られると
しているが、いずれも口溶けの点ではものたりないもの
であった。
【0013】ハードタイプの電子加熱用ピザとしては、
特開平5−295167号の約85〜35重量%の穀物
粉、約15〜80重量%の高アミロース澱粉、約0.2
5〜5重量%の高アミロース澱粉の混合物を使用するピ
ザ類やパン類などの冷凍ベーカリ食品が開示されている
が、この技術では外部がバリバリになるほどハードな食
感になるが、のどごしが悪い。
【0014】さらに適度な硬さがあって、歯切れや口溶
けに優れ、風味も良好なものが得られる手段として、特
開平6−153769号にはデュラム小麦粉を30〜1
00重量%含有する穀粉を使用するパン類、ケーキ類、
ピザ類などの冷凍ベーカリ食品が開示されているが、デ
ュラム小麦粉の使用で歯切れや口溶けなどの改善はみら
れるものの、口中でのざらつきが感じられるものであっ
た。
【0015】一方、電子レンジ加熱にマイクロ波加熱と
マイクロ波による発熱体を併用する方法を採用し、ピザ
などの冷凍品を加熱してクリスピー感の改善をはかるこ
ともなされており、特開平3−21043号ではピザな
どの盤状小麦粉焼成品とその上面および下面の少なくと
も一方(ピザの場合には下面のみ)に位置するマイクロ
波発熱体との間に油脂層を設けるなどの方法も開発され
ているが、必ずしも十分なものとはいえなかった。
【0016】このように従来の各種方法では、電子レン
ジ加熱に対して必ずしも十分に対応しているものとはい
えず、その改善が望まれている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ピザを焼成後に常温、冷蔵、或いは冷凍で
保存し、電子レンジで加熱する時に生じる食感の低下と
いう問題を解消するピザを容易に得る方法を提供するこ
とである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決すべく鋭意努力の結果、小麦粉を主原料の一つと
して生地を調整し、焼成するピザの製造に際し、原料粉
中に膨潤度7〜11mlの小麦蛋白0.5〜4重量%含
有させる原料粉を用いることで問題の解消がはかれるこ
とを見いだして本発明を完成した。
【0019】
【発明の作用】本発明でいうピザとは、小麦粉を主原料
の一つとして、イースト、砂糖などの糖類、油脂類と
水、必要に応じてイーストフード、卵、乳製品を配合し
て捏上げ、発酵させ、一定の大きさに分割後に成形した
生地をそのまま焼成したピザ台、焼成したピザ台にソー
ス、チーズ、肉、野菜などの具材を載せたり、或は未焼
成のピザ台に上記の具材を載せてから焼成して得られる
ピザパイを包括し、これらを常温、冷蔵または冷凍で保
存するものを対象とする。
【0020】本発明では、ピザを食感から、口あたりが
ソフトで歯にまとわりつかない程度の歯切れがあって、
口溶けにも優れたソフトタイプのピザ、口あたりがハー
ドで、サクサク感のある歯切れがあって、のどごしのよ
いハードタイプのピザに大別する。
【0021】本発明において、単に原料粉という場合は
小麦粉と膨潤度7〜11mlの小麦蛋白の2成分を含む
言葉として用いる。所望によっては小麦粉の一部をライ
麦粉、コーンフラワー、グラハムフラワー、米粉などで
置き換えることもできるがその置換量としては5重量%
程度以下に抑えておくことが適当である。また、本発明
では小麦粉(他の穀粉で一部置換も含む)や膨潤度7〜
11以外に加工澱粉よりなる原料粉を使用するケースは
あるが、その場合には構成原料を明記した原料粉とす
る。
【0022】原料粉が2成分、或は3成分になっても、
使用方法自体は変わらず、これら成分を別々に添加、或
は予め混合してから添加するなど何れの方法であれ、最
終的に生地に含有させればよい。その際用いる小麦粉と
しては特に制限はなく、通常のピザの製造に用いられて
いるクラスの小麦粉が使用できる。
【0023】本発明でいう小麦蛋白の膨潤度とは、小麦
粉の製パン適性をみるスウェリングパワーの測定法(小
麦粉より分離した乾燥前の生グルテンが1/50N乳酸
溶液中で膨潤する度合を測定)の1/50N乳酸溶液を
使用することを基本とし、測定方法が容易で再現性もよ
く乾燥した小麦蛋白にも適用できるように改良した方法
を用いて測定した値であり、膨潤度の値が高いほど製パ
ン適性が優れているとされている。市販の小麦蛋白で
は、元の小麦粉の種類などによっても異なるが、膨潤度
が14ml程度或はそれ以上の値を示すけれども、本発
明にはそれより低い膨潤度7〜11mlの小麦蛋白を使
用する。膨潤度がこの範囲を逸脱すると本発明の目的に
そぐわなくなる。
【0024】かかる膨潤度の小麦蛋白を得るために、例
えば小麦粉より分離された小麦蛋白を原料とし、密閉容
器中で水分を蒸発させないで加熱する、或は5〜40重
量%の含水アルコール溶液中で処理し、アルコールを除
去後に凍結乾燥などで粉末化するなどの方法が例示でき
る。
【0025】ここに示した膨潤度7〜11mlの小麦蛋
白を得る方法は、本発明で用いる小麦蛋白を製造する上
での好ましい態様の一例であり、必ずしもこの条件に拘
るものでなく、要は膨潤度が7〜11mlの範囲にある
ように加工された小麦蛋白が得られる限り特に限定され
る訳でない。尚、原料の小麦蛋白としては、小麦粉に水
を加えて混捏し、小麦粉中に含まれるグルテンを水和、
膨潤させて粘着性でまとまりのある生地をつくり、この
生地を水で洗浄して生地中の澱粉や水溶性物質を洗い出
した生グルテン、生グルテンをそのまま凍結した冷凍グ
ルテン、或は生グルテンを真空乾燥、フラッシュ乾燥、
スプレイ乾燥や凍結乾燥などの方法で乾燥した乾燥小麦
蛋白などを用いることができる。
【0026】尚、本発明における小麦蛋白の膨潤度は以
下の方法によって測定された値である。但し、未乾燥の
生グルテンの場合は、凍結乾燥し、粉砕したものを試料
とする。
【0027】50ml容のビーカーに小麦蛋白0.3g
と1/50N乳酸溶液20mlを投入し、ガラス棒で3
0秒間攪拌後減圧下で軽く脱泡する。脱泡後の懸濁液を
20ml容のメスシリンダー(20mlまでの目盛があ
り、実際には26ml程度までの溶液を注入することが
可能)に移し、1/50N乳酸溶液5ml用いてガラス
棒及びビーカーの壁に付着している小麦蛋白をメスシリ
ンダーに洗い流し、そのまま靜置する。靜置30分後に
メスシリンダーの口をサランラップで蓋をして3回転倒
を繰返した後靜置する。靜置2時間後に沈降した小麦蛋
白の容量(ml)を読みとって膨潤度とする。
【0028】本発明に使用するL−アスコルビン酸は、
慣用的にビタミンCとも称せられ、植物、特に野菜や果
実に多く含まれている成分で、これを分離・抽出しても
よいが、通常は価格の点でD−グルコースから工業的に
合成されたものを利用する。
【0029】本発明で使用する加工澱粉は、天然澱粉に
何らかの処理をした澱粉を意味し、具体的にはエーテル
化澱粉、エステル化澱粉、酸化澱粉、架橋澱粉(架橋エ
ーテル化澱粉、架橋エステル化澱粉も包括)、湿熱処理
澱粉、乳化剤処理など何らかの処理をした澱粉が挙げら
れる。これらの加工澱粉の内でも架橋澱粉(架橋エーテ
ル化澱粉や架橋エステル化澱粉も包括)が本発明に最も
効果的である。単に未処理の澱粉を使用しても効果が少
ない。尚、これ等加工処理の手段や条件は、従来から知
られている手段や条件が採用される。
【0030】加工澱粉に使用する原料としては、タピオ
カ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチワキシーコーンスタ
ーチ、米澱粉などの天然澱粉が使用できる。
【0031】レストランや家庭では、原料粉として小麦
粉を使用して生地をつくり、オーブンで焼成してそのま
ま食するケースが一般的で、好みに合わせてピザの食感
をソフトにしたり、ハードにしている。ソフトタイプの
ピザには原料粉として蛋白含量の少ない小麦粉、ハード
タイプのピザには原料粉として蛋白含量の多い小麦粉を
使用するなど原料粉を選択すること以外に、ソフトタイ
プのピザには成形したピザシートを2枚重ねで焼成した
り、ハードタイプのピザでは焼成温度を高めるなどの方
法も行われている。
【0032】このようにして得られたピザは、出来立て
直後は良好な食感を有し、冷蔵、或は冷凍後にオーブン
などで加熱すると、ソフトタイプであれ、ハードタイプ
であれ、食感にそれなりの復元が認められる。しかし、
冷蔵、或は冷凍後に電子レンジで加熱すると食感が一変
してしまい、元来のソフトタイプやハードタイプのイメ
ージとはほど遠いものになってしまう。
【0033】本発明は、膨潤度7〜11mlの小麦蛋白
を0.5〜4重量%含有させた原料粉を使用してピザを
製造し、得られたピザを冷蔵または冷凍後に電子レンジ
加熱しても食感に優れた電子レンジ加熱対応のピザの製
造法である。
【0034】本発明においては、原料粉の構成が少なく
とも小麦粉と膨潤度7〜11mlの小麦蛋白の2成分か
ら構成されることを必須条件とする。その際、目的とす
るピザの種類、使用する小麦粉の種類やピザの製造条件
によっても影響をうけるが、原料粉中の膨潤度7〜11
mlの小麦蛋白の含量を0.5〜4重量%の割合とす
る。さらに、原料粉中の蛋白含量に関してはピザのタイ
プによって選択するのが好ましく、通常、ソフトタイプ
のピザには9〜9.5重量%程度の蛋白含量、ハードタ
イプのピザには10〜10.5重量%程度の蛋白含量と
するのが適当である。
【0035】原料粉中の膨潤度7〜11mlの小麦蛋白
の割合が上記範囲を逸脱すると本発明の効果を発揮し難
くなる。例えばピザがハードタイプの場合においては、
原料粉中の膨潤度7〜11mlの小麦蛋白の割合が0.
5重量%未満では効果が弱く、4重量%を越えると口当
りやのどごしが悪くなる。
【0036】上記に記載した原料粉を用いてピザを製造
することによって、本発明の初期の目的を目的を達成す
るようになったが、ソフトタイプのピザには上記2成分
を含有する原料粉にL−アスコルビン酸を少量添加、ハ
ードタイプのピザには、加工澱粉も併用した3成分から
なる原料粉を使用することで本発明をより効果的にする
ことができる。
【0037】ソフトタイプのピザの場合には、小麦粉と
膨潤度7〜11mlの小麦蛋白の2成分から構成され、
該小麦蛋白の含量が0.5〜4重量%である原料粉に対
してL−アスコルビン酸を0.001〜0.02重量部
添加することで口当りがさらに良くなる。原料粉に対す
るL−アスコルビン酸の添加量が0.001重量部未満
では添加した効果がみられず、0.02重量部を越えて
も効果に差がみられなくなる。
【0038】ハードタイプのピザの場合には、小麦粉、
加工澱粉、膨潤度7〜11の3成分から構成され、加工
澱粉を5〜15重量%、膨潤度7〜11の小麦蛋白0.
5〜4重量%含有させた原料粉を使用することで歯切れ
がさらによくなる。原料粉中の加工澱粉の比率が5重量
%未満では加工澱粉を含有させた効果がみられず、15
重量%を越えるとのごしが悪くなる。
【0039】本発明は膨潤度7〜11mlの小麦蛋白
0.5〜4重量%を含有させた原料粉を使用することを
基本とする電子レンジ加熱に対応するピザの製造法であ
るが、本発明をより具体的に説明するために、ピザをソ
フトタイプとハードタイプに分けて、それぞれの製造法
の一端を下記に示す。
【0040】ソフトタイプのピザの場合には、混合機に
小麦粉99.5〜96重量部と膨潤度7〜11mlの小
麦蛋白0.5〜4重量部で、蛋白含量を9〜9.5重量
%程度の割合にした原料粉、イースト1〜3重量部、ベ
ーキングパウダー及びモルトパウダーのようなアミラー
ゼ類を適量、胡椒などの香辛料を微量、さらに好ましく
はL−アスコルビン酸0.001〜0.02重量部を添
加し、水45〜60重量部を投入して混合後、オニオン
オイル、サラダオイル、オリーブ油などの液状オイルを
7〜13重量部を添加して更に混合し、25〜26℃の
温度で1〜2時間発酵させる。必要に応じて食塩や砂糖
などの調味料を好みの量添加する。
【0041】発酵終了後の生地を2mm程度の厚さに延
ばし、直径15〜30cm程度の好みの大きさに型抜き
して成形し、成形したシートをピザ用の鉄板に載せ、成
形シートの上部に薄く白絞油、オリーブ油、或はサラダ
油などをスプレイし、同じ大きさの別の成形シートを重
ね、さらに皿を重ねて、35〜40℃のホイロに10〜
20分間程度入れ、その後180℃に設定していたオー
ブンで15〜20分程度焼成する。ソース、チーズ、
肉、野菜などの具材を載せ、冷蔵または冷凍する。尚、
具材を成形したシートに載せ、具材ごとオーブンで焼成
する場合もある。
【0042】ハードタイプのピザの場合には、混合機に
小麦粉99.5〜96重量部と膨潤度7〜11mlの小
麦蛋白0.5〜4重量部で、蛋白含量を10〜10.5
重量%程度の割合にした原料粉、より好ましくは小麦
粉、加工澱粉、膨潤度7〜11の小麦蛋白の3成分より
なり、加工澱粉5〜15重量部、膨潤度7〜11の小麦
蛋白0.5〜4重量部を含有させた原料粉を100重量
部、イースト1〜3重量部、ベーキングパウダー及びモ
ルトパウダーのようなアミラーゼ類を適量、胡椒などの
香辛料を微量、水45〜60重量部を投入して混合後、
オニオンオイル、サラダオイル、オリーブ油などの液状
オイルを7〜13重量部を添加して更に混合し、25〜
26℃の温度で1.5〜2.5時間程度発酵させる。発
酵終了後、所定の重量に分割し、丸めてピザ用の鉄板に
載せ、表面に白絞油、オリーブ油、或はサラダオイルな
どをスプレーし、プレッシャーで加圧して所定の厚みと
直径を有するように成形する。または、ソフトタイプの
ピザと同じように成形してもよい。次いで35〜40℃
に設定しておいたホイロに20〜40分程度入れてか
ら、上火240℃、下火180℃程度のオーブンで10
分程度焼成する。その後、ソース、チーズ、肉、野菜な
どの具材を載せ、冷蔵または冷凍する。食塩や砂糖など
の調味料の添加はソフトタイプのピザと同様にする。
【0043】上記のような方法で製造された冷蔵または
冷凍後のピザを、電子レンジで加熱しても、ソフトタイ
プでは口あたりがソフトで歯にまとわりつかない程度の
歯切れがあって、口溶けにも優れた食感を有するピザ、
ハードタイプでは口あたりがハードで、サクサク感があ
って、のどごしのよいピザとなる。冷蔵、冷凍後のピザ
の加熱にオーブンが使用できることはいうまでもない。
【0044】また、具材を載せないピザ台のみを冷蔵、
或は冷凍しても同じように優れた電子レンジ耐性を有す
るものとなる。以下に参考例、実施例を示し、本発明を
更に詳しく説明する。但し、部は重量部、%は重量%を
示す。
【0045】
【参考例1】市販の活性グルテンをメイワパック株式会
社製のレトルトパウチに入れ、シールした試料を2点用
意し、これらを予め90℃に設定しておいた通風乾燥機
に入れて、乾燥して得られた小麦蛋白を試料No.2と
試料No.3とし、それらの水分含量、蛋白含量、及び
膨潤度を表1に示す。尚、市販の活性グルテンを試料N
o.1とし、蛋白含量は加工前の活性グルテンの水分差
から求めた。
【0046】
【表1】
【0047】
【参考例2】室温で攪拌下にある表2に示す含水アルコ
ール100部に参考例1で使用した活性グルテンを10
部投入し、5分間分散させた後42℃まで昇温した。こ
の温度で10分間攪拌を続けた後直ちに凍結乾燥し、得
られた小麦蛋白を試料No.4、試料No.5、試料N
o.6とし、それらの水分含量、蛋白含量、膨潤度を表
2に示す。蛋白含量は参考例1と同じように計算して求
めた。
【0048】
【表2】
【0049】
【参考例3】市販のピザソース75部、TK−16(松
谷化学工業製のマルトデキストリン)を20部、パイン
ソフトS(松谷化学工業製の食用澱粉)を4部、食塩1
部を混合してピザソースとする。
【0050】
【実験例1】薄力粉(蛋白含量7.5%の小麦粉)、強
力粉(蛋白含量11.0%の小麦粉)、試料No.1〜
試料No.6の小麦蛋白(参考例1と参考例2で得られ
た)からなる原料粉100部とその他の原材料を表3の
割合で用いてソフトタイプのピザを製造した。その際、
対照例では薄力粉50部と強力粉50部よりなる原料粉
(蛋白含量9.25%)、比較例及び実施例では薄力粉
80部、強力粉18部と小麦蛋白2部よりなる原料粉
(蛋白含量約9.48%)を用いた。
【0051】ホバートミキサー(ホバート社、カナダ)
に原料粉100部とオニオンオイル以外の原材料を表3
の割合で投入し、低速3分、高速30秒で混合する。こ
れにオニオンオイル10部を添加し、低速4分、高速8
分で混合した。この時の生地の温度は約27℃になって
いた。次いで生地を26℃で2時間発酵させ、生地を2
mmの厚さに延ばし、直径15cmの円型の抜き型で型
抜き(生地重量約50g)して成形したシートをつく
り、シートをピザ用の鉄板に載せ、少量のサラダオイル
をスプレイし、別のシートを載せ、さらにその上に皿を
載せ、35℃のホイロに15分間入れた。ホイロ後のシ
ートを180℃のオーブンで15分間焼成した。焼成後
のシートに、参考例3のピザソース、チーズ、野菜、肉
を載せてそのまま冷凍する。
【0052】冷凍10日後に電子レンジ(500W)で
45秒間加熱して、下記の基準で評価した食感及び用い
た小麦蛋白を表4に記載した。尚、表3のデルトンは、
オリエンタン酵母工業製の膨張剤である。
【0053】<ソフトタイプのピザの評価> 口当り ◎:ソフト感が十分ある ○:ソフト感がある。 △:ソフト感がやや不足 ×:ソフト感が不足 歯ぎれ(歯への付着) ◎:全くない ○:殆どない △:やや強い ×:非常に強い 口溶け ◎:極めて良好 ○:良好 △:やや悪い ×:悪い
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【実施例2】実施例1で使用した薄力粉と強力粉及び小
麦蛋白からなる原料粉100部とその他の原材料を表5
の割合にして、ハードタイプのピザを製造した。その
際、対照例では薄力粉20部と強力粉80部よりなる原
料粉(蛋白含量10.3%)、比較例及び実施例では薄
力粉77部、強力粉20部と小麦蛋白3部よりなる原料
粉(蛋白含量約10.23%)を用いた。
【0057】ホバートミキサーにサラダオイル以外の原
材料を表5の割合で投入し、低速3分、高速30秒で混
合する。これにサラダオイル10部を添加し、さらに低
速4分、高速8分でさらに混合した。この時の生地の温
度は約27℃になっていた。次いで生地を26℃で2時
間発酵させ、50gに分割・丸め、ベンチタイムを15
分とり、表面に白絞油を少量スプレイし、プレスして直
径15cmにした成形したシートを得る。ホイロを30
分間とり、上火240℃、下火180のオーブンに入
れ、10分間焼成後、参考例3のピザソース、チーズ、
野菜、肉を載せて冷凍する。
【0058】冷凍10日後に電子レンジ500Wで45
秒間加熱して、下記の基準で評価した食感と用いた小麦
蛋白を表6に記載した。
【0059】 口当り ◎:ハード感が十分ある ○:ハード感がある △:ハード感がやや不足 ×:ハード感がないまたは硬くなりすぎる 歯ぎれ(サクサク感) ◎:非常に強い ○:強い △:ややある ×:全くないまたは殆ど感じられない のどごし ◎:非常に良好 ○:良好 △:やや悪い ×:非常に悪い
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【実施例3】小麦粉及び試料No.3の小麦蛋白(蛋白
含量75.24%)を表7の割合にした原料粉、原料粉
に対する加水量を表8の割合にした以外、実施例2に準
じてハードタイプのピザを製造し、同じように評価した
結果を表9に示す。
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【実施例4】小麦粉、試料No.4の小麦蛋白と加工澱
粉を表9の割合にした原料粉を用い、原料粉に対する加
水量を表10の割合にした以外、実施例2に準じてハー
ドタイプのピザを製造し、同じように評価した結果を表
11に示した。尚、加工澱粉としてはパインベークCC
(松谷化学工業製の架橋澱粉)を用いた。
【0066】
【表9】
【0067】
【表10】
【0068】
【実施例5】小麦粉、試料No.3の小麦蛋白を表11
の割合にした原料粉、原料粉に対する加水量とL−アス
コルビン酸を表12の割合にする以外、実施例1に準じ
てソフトタイプのピザを製造し、同じように評価した結
果を表13に示す。
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
【実施例6】実施例5において、焼成したピザを常温で
1日放置後又は冷蔵1週間後に電子レンジで加熱して食
感を比較したところ、何れの場合も冷凍とほぼ同じよう
な傾向を示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピザの製造に際し、膨潤度7〜11mlの
    小麦蛋白0.5〜4重量%を含有する原料粉を用いるこ
    とを特徴とするピザの製造法。
  2. 【請求項2】L−アスコルビン酸を原料粉100重量部
    に対して0.001〜0.02重量部の割合で含有せし
    める請求項1に記載のソフトタイプのピザの製造法。
  3. 【請求項3】原料粉が小麦粉、加工澱粉及び膨潤度7〜
    11mlの小麦蛋白の三成分から構成され、その原料粉
    中に加工澱粉5〜15重量%を含有する請求項1に記載
    のハードタイプのピザの製造法。
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