JP2000095861A - ナイロン6樹脂組成物 - Google Patents
ナイロン6樹脂組成物Info
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- JP2000095861A JP2000095861A JP26630698A JP26630698A JP2000095861A JP 2000095861 A JP2000095861 A JP 2000095861A JP 26630698 A JP26630698 A JP 26630698A JP 26630698 A JP26630698 A JP 26630698A JP 2000095861 A JP2000095861 A JP 2000095861A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶融紡糸や製膜時等におけるε−カプロラク
タム生成量が少なく、品質の良好な繊維やフィルム等に
することのできるナイロン6樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ナイロン6(又はその共重合体)と下記
式で示されるビスラクタム系化合物とからなるナイロ
ン6樹脂組成物。 【化3】
タム生成量が少なく、品質の良好な繊維やフィルム等に
することのできるナイロン6樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ナイロン6(又はその共重合体)と下記
式で示されるビスラクタム系化合物とからなるナイロ
ン6樹脂組成物。 【化3】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融紡糸性、製膜
性及び操業性の改良されたナイロン6樹脂組成物に関す
るものである。
性及び操業性の改良されたナイロン6樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6樹脂は、機械的強度、耐熱
性、耐薬品、加工性等に優れた汎用性のあるエンジニア
リングプラスチックであり、タイヤコード、衣料、包装
フィルムをはじめとして、自動車、家電製品、事務機器
等の部品として幅広く利用されている。
性、耐薬品、加工性等に優れた汎用性のあるエンジニア
リングプラスチックであり、タイヤコード、衣料、包装
フィルムをはじめとして、自動車、家電製品、事務機器
等の部品として幅広く利用されている。
【0003】一般に、溶融重合もしくは溶融重縮合によ
り製造されたナイロン6樹脂のチップ中には、未反応の
ε−カプロラクタムやオリゴマーが相当量含まれている
ので、熱水抽出を行ってこれらは除去されている。しか
し、この熱水抽出による除去を行っても、例えば溶融紡
糸して繊維にするとき、長時間溶融押出しを行っている
と、これらのε−カプロラクタムやオリゴマーが再生成
して、口金の吐出孔周辺に蓄積し、やがて吐出孔周辺で
熱変性を起こす。その結果、吐出孔周辺で糸が変形した
り、糸切れや糸むらが発生したりする。また、フィルム
を製造する際にも、チップの溶融時にε−カプロラクタ
ムやオリゴマーが再生成するため、フィルム切れを起こ
したり、品質低下をもたらすという問題があった。
り製造されたナイロン6樹脂のチップ中には、未反応の
ε−カプロラクタムやオリゴマーが相当量含まれている
ので、熱水抽出を行ってこれらは除去されている。しか
し、この熱水抽出による除去を行っても、例えば溶融紡
糸して繊維にするとき、長時間溶融押出しを行っている
と、これらのε−カプロラクタムやオリゴマーが再生成
して、口金の吐出孔周辺に蓄積し、やがて吐出孔周辺で
熱変性を起こす。その結果、吐出孔周辺で糸が変形した
り、糸切れや糸むらが発生したりする。また、フィルム
を製造する際にも、チップの溶融時にε−カプロラクタ
ムやオリゴマーが再生成するため、フィルム切れを起こ
したり、品質低下をもたらすという問題があった。
【0004】そこで従来より、これらの問題を解決する
ために種々の方法が試みられているが、無機化合物をナ
イロン6樹脂に配合する方法が一般的な方法であり、例
えば酸化マグネシウムを配合したナイロン6組成物(特
公昭55− 20007号公報)や、特定の結晶構造を有する酸
化マグネシウム微粒子を特定量配合したナイロン6組成
物(特公昭55− 27172号公報)等が提案されている。し
かし、これらの無機化合物は、ナイロン6の溶融温度に
おいて固体の粉末であり、長時間紡糸を行っているとノ
ズル圧が上昇して操業上問題となる。また、ε−カプロ
ラクタムやオリゴマーをさらに低減することを目的とし
て、これらを多量に加えると、紡糸の安定性や糸むら
等、製品の品質低下を招くといった問題もあった。
ために種々の方法が試みられているが、無機化合物をナ
イロン6樹脂に配合する方法が一般的な方法であり、例
えば酸化マグネシウムを配合したナイロン6組成物(特
公昭55− 20007号公報)や、特定の結晶構造を有する酸
化マグネシウム微粒子を特定量配合したナイロン6組成
物(特公昭55− 27172号公報)等が提案されている。し
かし、これらの無機化合物は、ナイロン6の溶融温度に
おいて固体の粉末であり、長時間紡糸を行っているとノ
ズル圧が上昇して操業上問題となる。また、ε−カプロ
ラクタムやオリゴマーをさらに低減することを目的とし
て、これらを多量に加えると、紡糸の安定性や糸むら
等、製品の品質低下を招くといった問題もあった。
【0005】他方、溶融成形時におけるε−カプロラク
タムやオリゴマーの再生成量を低減する方法として、ナ
イロン6分子鎖の末端を封鎖する方法も種々試みられて
おり、例えば、特定量のモノアミノ炭化水素でカルボキ
シル基末端を封鎖する方法(特開昭62−252424号公報)
や、シクロヘキシルアミン等によりカルボキシル基末端
を封鎖する方法(特開平8-231711号公報)等が提案され
ている。しかしこれらの方法では、ナイロン6の溶融成
形時におけるε−カプロラクタムやオリゴマーの再生成
を低減することはできるものの、重合度の大きいものを
得ることが難しく、これらを用いたポリアミド6樹脂成
形品の物性が低下するという問題があった。
タムやオリゴマーの再生成量を低減する方法として、ナ
イロン6分子鎖の末端を封鎖する方法も種々試みられて
おり、例えば、特定量のモノアミノ炭化水素でカルボキ
シル基末端を封鎖する方法(特開昭62−252424号公報)
や、シクロヘキシルアミン等によりカルボキシル基末端
を封鎖する方法(特開平8-231711号公報)等が提案され
ている。しかしこれらの方法では、ナイロン6の溶融成
形時におけるε−カプロラクタムやオリゴマーの再生成
を低減することはできるものの、重合度の大きいものを
得ることが難しく、これらを用いたポリアミド6樹脂成
形品の物性が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶融紡糸や
製膜時等におけるε−カプロラクタム生成量が少なく、
品質が良好で、かつ溶融紡糸性、製膜性及び操業性の改
良されたナイロン6樹脂組成物を提供するものである。
製膜時等におけるε−カプロラクタム生成量が少なく、
品質が良好で、かつ溶融紡糸性、製膜性及び操業性の改
良されたナイロン6樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のビスラ
クタム系化合物をナイロン6(又はその共重合体)に配
合することで、この目的が達成できることを見出し、本
発明に到達した。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のビスラ
クタム系化合物をナイロン6(又はその共重合体)に配
合することで、この目的が達成できることを見出し、本
発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は次の通りである (1) ナイロン6(又はその共重合体)と下記式で示さ
れるビスラクタム系化合物とからなるナイロン6樹脂組
成物。
れるビスラクタム系化合物とからなるナイロン6樹脂組
成物。
【化2】 (2) 上記(1) 記載の樹脂組成物であって、該樹脂組成物
を水分率0.02重量%以下にして、0.01Torr以下、250 ℃
で30分間溶融したときに検出されるε−カプロラクタム
量が、樹脂組成物1kgに対して 0.09mol以下であること
を特徴とするナイロン6樹脂組成物。 (3) ナイロン6(又はその共重合体)の末端アミノ基の
モル数(A) と上記式で示されるビスラクタム系化合物
のアミド基のモル数(B) との比 (A)/(B)を、0.3〜10に
なるように配合することを特徴とする上記(1) 又は(2)
記載のナイロン6樹脂組成物。
を水分率0.02重量%以下にして、0.01Torr以下、250 ℃
で30分間溶融したときに検出されるε−カプロラクタム
量が、樹脂組成物1kgに対して 0.09mol以下であること
を特徴とするナイロン6樹脂組成物。 (3) ナイロン6(又はその共重合体)の末端アミノ基の
モル数(A) と上記式で示されるビスラクタム系化合物
のアミド基のモル数(B) との比 (A)/(B)を、0.3〜10に
なるように配合することを特徴とする上記(1) 又は(2)
記載のナイロン6樹脂組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0010】本発明において用いられるナイロン6(又
はその共重合体)は、ε−カプロラクタムを主成分とし
て重合する、あるいは6−アミノカプロン酸を主成分と
して重縮合することにより得られるもので、カプロアミ
ド単位を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有す
る溶融成形可能な重合体である。
はその共重合体)は、ε−カプロラクタムを主成分とし
て重合する、あるいは6−アミノカプロン酸を主成分と
して重縮合することにより得られるもので、カプロアミ
ド単位を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有す
る溶融成形可能な重合体である。
【0011】上記のナイロン6(又はその共重合体)の
相対粘度は、溶媒として97重量%濃硫酸を用い、温度25
℃、濃度1g/dlの条件で求めた値で 1.5〜 5.0の範囲に
あることが好ましい。この相対粘度が 1.5未満のもので
は、繊維やフィルムにしたときの機械的強度が低下す
る。逆にこれが 5.0を超えるものでは、成形性が急速に
低下する。
相対粘度は、溶媒として97重量%濃硫酸を用い、温度25
℃、濃度1g/dlの条件で求めた値で 1.5〜 5.0の範囲に
あることが好ましい。この相対粘度が 1.5未満のもので
は、繊維やフィルムにしたときの機械的強度が低下す
る。逆にこれが 5.0を超えるものでは、成形性が急速に
低下する。
【0012】なお、ナイロン6の共重合体は、本発明の
特性を損なわない範囲で、ε−カプロラクタムや6−ア
ミノカプロン酸以外の各種のラクタム、アミノカルボン
酸もしくはナイロン塩が、共重合成分として20モル%未
満、好ましくは10モル%未満の割合で含有するものであ
る。
特性を損なわない範囲で、ε−カプロラクタムや6−ア
ミノカプロン酸以外の各種のラクタム、アミノカルボン
酸もしくはナイロン塩が、共重合成分として20モル%未
満、好ましくは10モル%未満の割合で含有するものであ
る。
【0013】上記の共重合成分の具体例としては、ω−
ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノ
ドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸、ナイロン46
塩、ナイロン66塩、ナイロン 610塩、ナイロン6T塩、ナ
イロン6I塩、ナイロン9T塩、メタキシリレンジアミンと
アジピン酸との塩(ナイロン MXD塩) 等が挙げられる。
ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノ
ドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸、ナイロン46
塩、ナイロン66塩、ナイロン 610塩、ナイロン6T塩、ナ
イロン6I塩、ナイロン9T塩、メタキシリレンジアミンと
アジピン酸との塩(ナイロン MXD塩) 等が挙げられる。
【0014】本発明において用いられるビスラクタム系
化合物としては、水分率0.02重量%以下の樹脂組成物を
0.01Torr以下、250 ℃で30分間溶融したときに検出され
るε−カプロラクタム量が、樹脂組成物1kgに対して
0.09mol以下であるものを選択する必要がある。
化合物としては、水分率0.02重量%以下の樹脂組成物を
0.01Torr以下、250 ℃で30分間溶融したときに検出され
るε−カプロラクタム量が、樹脂組成物1kgに対して
0.09mol以下であるものを選択する必要がある。
【0015】上記式で示されるビスラクタム系化合物
としては、N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラク
タム、N,N'−イソフタロイルビス−ε−カプロラクタ
ム、N,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタム、N,N'
−テレフタロイルビスバレロラクタム、N,N'−イソフタ
ロイルビスブチロラクタム、N,N'−テレフタロイルビス
ブチロラクタム等が挙げられる。
としては、N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラク
タム、N,N'−イソフタロイルビス−ε−カプロラクタ
ム、N,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタム、N,N'
−テレフタロイルビスバレロラクタム、N,N'−イソフタ
ロイルビスブチロラクタム、N,N'−テレフタロイルビス
ブチロラクタム等が挙げられる。
【0016】上記の化合物はカルボン酸ジハライドとラ
クタムとを、アミンあるいは無機アルカリの存在下に反
応させることにより容易に合成することができる。
クタムとを、アミンあるいは無機アルカリの存在下に反
応させることにより容易に合成することができる。
【0017】本発明のナイロン6樹脂組成物において
は、ナイロン6(又はその共重合体)の末端アミノ基の
モル数(A) とビスラクタム系化合物のアミド基のモル数
(B) との比 (A)/(B)を、0.3 〜10になるように配合する
ことが好ましく、0.3 〜2になるように配合することが
より好ましい。この (A)/(B)の値が 0.3未満では、過剰
に存在するビスラクタム系化合物が溶融成形時に分解し
て、樹脂組成物が着色したり、ε−カプロラクタムが副
生したりする。一方、この(A)/(B) の値が10を超える
と、溶融成形時に生成するモノマー量(ε−カプロラク
タム量)の抑制効果が不十分なものとなる。
は、ナイロン6(又はその共重合体)の末端アミノ基の
モル数(A) とビスラクタム系化合物のアミド基のモル数
(B) との比 (A)/(B)を、0.3 〜10になるように配合する
ことが好ましく、0.3 〜2になるように配合することが
より好ましい。この (A)/(B)の値が 0.3未満では、過剰
に存在するビスラクタム系化合物が溶融成形時に分解し
て、樹脂組成物が着色したり、ε−カプロラクタムが副
生したりする。一方、この(A)/(B) の値が10を超える
と、溶融成形時に生成するモノマー量(ε−カプロラク
タム量)の抑制効果が不十分なものとなる。
【0018】この際、ナイロン6(又はその共重合体)
とビスラクタム系化合物は、それらが互いに均一に混合
されるならいかなる方法でも採用することができる。具
体的には、ナイロン6(又はその共重合体)のチップと
ラクタム系化合物とを上記の割合に配合して、タンブラ
ーブレンダーやヘンシェルミキサーやリボンミキサーな
どで混合(ドライブレンド)する方法や、ドライブレン
ドした後、エクストルーダー(押出機)もしくはニーダ
ー等の混練機を用いて溶融混練する方法等が用いられ
る。溶融混練する際の温度は、ナイロン6(又はその共
重合体)が溶融する温度であれば特に制限はされない
が、通常は 200〜270 ℃の範囲で用いられる。
とビスラクタム系化合物は、それらが互いに均一に混合
されるならいかなる方法でも採用することができる。具
体的には、ナイロン6(又はその共重合体)のチップと
ラクタム系化合物とを上記の割合に配合して、タンブラ
ーブレンダーやヘンシェルミキサーやリボンミキサーな
どで混合(ドライブレンド)する方法や、ドライブレン
ドした後、エクストルーダー(押出機)もしくはニーダ
ー等の混練機を用いて溶融混練する方法等が用いられ
る。溶融混練する際の温度は、ナイロン6(又はその共
重合体)が溶融する温度であれば特に制限はされない
が、通常は 200〜270 ℃の範囲で用いられる。
【0019】本発明の樹脂組成物には、その物性を損な
わない限り、熱安定剤、耐候剤、無機充填剤、補強剤、
酸化防止剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、滑剤、難
燃剤などが添加されていてもよく、これらは重合時、ド
ライブレンド時、溶融混練時もしくは溶融成形する際に
加えられる。
わない限り、熱安定剤、耐候剤、無機充填剤、補強剤、
酸化防止剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、滑剤、難
燃剤などが添加されていてもよく、これらは重合時、ド
ライブレンド時、溶融混練時もしくは溶融成形する際に
加えられる。
【0020】また、本発明の樹脂組成物は、ナイロン6
(又はその共重合体)以外の熱可塑性樹脂と混合して用
いることもできる。このような熱可塑性樹脂の具体例と
しては、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン 610、ナイ
ロン 612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6T、ナイ
ロン6I、ナイロン9T、ナイロン 11T、ナイロンPACM12、
ナイロンMXD6、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン
共重合体、アクリルゴム、エチレン/プロピレン共重合
体、エチレン/プロピレン/ブタジエン共重合体、天然
ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン等のエラ
ストマー又はこれらの無水マレイン酸などによる酸変性
物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/フ
ェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
エーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケト
ン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリアリレート等どがある。
(又はその共重合体)以外の熱可塑性樹脂と混合して用
いることもできる。このような熱可塑性樹脂の具体例と
しては、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン 610、ナイ
ロン 612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6T、ナイ
ロン6I、ナイロン9T、ナイロン 11T、ナイロンPACM12、
ナイロンMXD6、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン
共重合体、アクリルゴム、エチレン/プロピレン共重合
体、エチレン/プロピレン/ブタジエン共重合体、天然
ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン等のエラ
ストマー又はこれらの無水マレイン酸などによる酸変性
物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/フ
ェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
エーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケト
ン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリアリレート等どがある。
【0021】さらに、本発明の樹脂組成物は、常法によ
り繊維やフィルムや成形品とすることができる。
り繊維やフィルムや成形品とすることができる。
【0022】
【作用】本発明のナイロン6樹脂組成物が、溶融成形時
にε−カプロラクタムの再生成を抑制する理由は、ラク
タム系化合物のアミド基がナイロン6(又はその共重合
体)の末端アミノ基と交換反応することにより、アミノ
末端を封鎖し、アミノ末端からの環化によるε−カプロ
ラクタムの生成速度を抑制することができるためと推定
される。そのため、溶融紡糸や製膜時等に、糸切れや糸
むら、フィルム切れを等を起こすことがなく、安定操業
が可能となる。
にε−カプロラクタムの再生成を抑制する理由は、ラク
タム系化合物のアミド基がナイロン6(又はその共重合
体)の末端アミノ基と交換反応することにより、アミノ
末端を封鎖し、アミノ末端からの環化によるε−カプロ
ラクタムの生成速度を抑制することができるためと推定
される。そのため、溶融紡糸や製膜時等に、糸切れや糸
むら、フィルム切れを等を起こすことがなく、安定操業
が可能となる。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例並びに比較例で用いた原料及び
測定法は次の通りである。 1.原料 ・ナイロン6 ユニチカ社製、A1030BRL、相対粘度 2.5、末端アミノ基
濃度55モル/トン ・N,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタム 〔合成品〕アジポイルクロライド(試薬、東京化成社
製)とε−カプロラクタム(試薬、東京化成社製)と
を、トリエチルアミンの存在下、ジエチルエーテル中で
2時間反応させた後、濾過、乾燥することにより合成し
た。 ・N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラクタム 〔合成品〕テレフタロイルクロライド(試薬、東京化成
社製)とε−カプロラクタム(試薬、東京化成社製)と
を、トリエチルアミンの存在下、クロロホルム中で2時
間反応させた後、濾過、乾燥することにより合成した。
説明する。なお、実施例並びに比較例で用いた原料及び
測定法は次の通りである。 1.原料 ・ナイロン6 ユニチカ社製、A1030BRL、相対粘度 2.5、末端アミノ基
濃度55モル/トン ・N,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタム 〔合成品〕アジポイルクロライド(試薬、東京化成社
製)とε−カプロラクタム(試薬、東京化成社製)と
を、トリエチルアミンの存在下、ジエチルエーテル中で
2時間反応させた後、濾過、乾燥することにより合成し
た。 ・N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラクタム 〔合成品〕テレフタロイルクロライド(試薬、東京化成
社製)とε−カプロラクタム(試薬、東京化成社製)と
を、トリエチルアミンの存在下、クロロホルム中で2時
間反応させた後、濾過、乾燥することにより合成した。
【0024】2.測定法 (a) 末端アミノ基濃度 ナイロン6のチップ 0.5gとm−クレゾール20mlとをフ
ラスコに入れ、60℃で溶解した後、室温まで冷却し、0.
1Np−トルエンスルホン酸水溶液で滴定を行うことによ
り求めた。 (b) ε−カプロラクタム(環状モノマー)検出量 水分率0.02重量%以下の樹脂組成物を、0.01Torr以下、
250 ℃で30分間溶融した後、凍結粉砕して得られた粉砕
物について測定した。ε−カプロラクタム検出量につい
ては、上記粉砕物を 100℃で熱水抽出を行った後、高速
液体クロマトグラフ(ウォーターズ社製、600E)を用い
て、抽出水中のε−カプロラクタムを定量した。なお、
高速液体クロマトグラフ測定は、次の条件で行った。 カラム:C18(ウォーターズ社製、長さ 250mm、内径
4.6mm) カラム温度:室温 溶出液:メタノール/水(35/65、体積比) 流速:0.7ml/分、 検出器:UV 210nm
ラスコに入れ、60℃で溶解した後、室温まで冷却し、0.
1Np−トルエンスルホン酸水溶液で滴定を行うことによ
り求めた。 (b) ε−カプロラクタム(環状モノマー)検出量 水分率0.02重量%以下の樹脂組成物を、0.01Torr以下、
250 ℃で30分間溶融した後、凍結粉砕して得られた粉砕
物について測定した。ε−カプロラクタム検出量につい
ては、上記粉砕物を 100℃で熱水抽出を行った後、高速
液体クロマトグラフ(ウォーターズ社製、600E)を用い
て、抽出水中のε−カプロラクタムを定量した。なお、
高速液体クロマトグラフ測定は、次の条件で行った。 カラム:C18(ウォーターズ社製、長さ 250mm、内径
4.6mm) カラム温度:室温 溶出液:メタノール/水(35/65、体積比) 流速:0.7ml/分、 検出器:UV 210nm
【0025】実施例1 ナイロン6のチップ 100重量部に対して、アジポイルビ
ス−ε−カプロラクタム0.95重量部を配合し、タンブラ
ーブレンダーでドライブレンドした後、エクストルーダ
ーによる溶融混練を行って、ポリアミド6とアジポイル
ビス−ε−カプロラクタムとが均一に混合された樹脂組
成物のチップを得た。この際、ナイロン6の末端アミノ
基のモル数(A) とN,N'−アジポイルビス−ε−カプロラ
クタムのアミド基のモル数(B) との比(A)/(B) は1の割
合で配合され、エクストルーダー内の温度は 205℃〜 2
55℃〜 265℃の3段階に調整されており、滞留時間は3
分であった。次に、このチップの一部を 100℃で12時間
減圧乾燥を行って水分率0.02重量%以下とし、ガラス管
中で0.01Torr以下、250 ℃で30分間溶融した。この溶融
後の樹脂組成物を、液体窒素中で凍結粉砕した後、この
粉砕物中のε−カプロラクタム検出量を高速液体クロマ
トグラフにより求めた。
ス−ε−カプロラクタム0.95重量部を配合し、タンブラ
ーブレンダーでドライブレンドした後、エクストルーダ
ーによる溶融混練を行って、ポリアミド6とアジポイル
ビス−ε−カプロラクタムとが均一に混合された樹脂組
成物のチップを得た。この際、ナイロン6の末端アミノ
基のモル数(A) とN,N'−アジポイルビス−ε−カプロラ
クタムのアミド基のモル数(B) との比(A)/(B) は1の割
合で配合され、エクストルーダー内の温度は 205℃〜 2
55℃〜 265℃の3段階に調整されており、滞留時間は3
分であった。次に、このチップの一部を 100℃で12時間
減圧乾燥を行って水分率0.02重量%以下とし、ガラス管
中で0.01Torr以下、250 ℃で30分間溶融した。この溶融
後の樹脂組成物を、液体窒素中で凍結粉砕した後、この
粉砕物中のε−カプロラクタム検出量を高速液体クロマ
トグラフにより求めた。
【0026】実施例2 N,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタム0.95重量部
の代わりに、N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラ
クタム1.00重量部を用いた他は、実施例1と同様にして
樹脂組成物の粉砕物を得、この粉砕物中のε−カプロラ
クタム検出量を求めた。
の代わりに、N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラ
クタム1.00重量部を用いた他は、実施例1と同様にして
樹脂組成物の粉砕物を得、この粉砕物中のε−カプロラ
クタム検出量を求めた。
【0027】比較例1 ナイロン6のチップを 100℃で12時間減圧乾燥を行って
水分率0.02重量%以下とし、ガラス管中で0.01Torr以
下、250 ℃で30分間溶融した。この溶融後のナイロン6
を液体窒素中で凍結粉砕した後、この粉砕物中のε−カ
プロラクタム検出量を求めた。
水分率0.02重量%以下とし、ガラス管中で0.01Torr以
下、250 ℃で30分間溶融した。この溶融後のナイロン6
を液体窒素中で凍結粉砕した後、この粉砕物中のε−カ
プロラクタム検出量を求めた。
【0028】上記実施例1〜2及び比較例1における結
果を表1に示した。なお、表1に記載のε−カプロラク
タム検出量は、ナイロン6樹脂組成物1kgに対して検出
されたε−カプロラクタム量(mol 数)である。
果を表1に示した。なお、表1に記載のε−カプロラク
タム検出量は、ナイロン6樹脂組成物1kgに対して検出
されたε−カプロラクタム量(mol 数)である。
【0029】
【表1】
【0030】実施例3 ナイロン6のチップに、ナイロン6の末端アミノ基のモ
ル数(A) とN,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタム
のモル数(B) との比(A)/(B) が1になるように、N,N'−
アジポイルビス−ε−カプロラクタムを配合し、これを
エクストルーダーに供給して 260℃で溶融紡糸した。こ
の際、口金は24ホール、Y字型吐出孔のものを用い、吐
出量29g/分で押出し、4000m/分の速度で巻き取っ
て、65デニール、24フィラメントの糸とした。糸切れが
発生する度に口金孔周りの熱変性物を除去しつつ延べ1
週間紡糸を行って、この間における糸切れの回数を調べ
た。
ル数(A) とN,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタム
のモル数(B) との比(A)/(B) が1になるように、N,N'−
アジポイルビス−ε−カプロラクタムを配合し、これを
エクストルーダーに供給して 260℃で溶融紡糸した。こ
の際、口金は24ホール、Y字型吐出孔のものを用い、吐
出量29g/分で押出し、4000m/分の速度で巻き取っ
て、65デニール、24フィラメントの糸とした。糸切れが
発生する度に口金孔周りの熱変性物を除去しつつ延べ1
週間紡糸を行って、この間における糸切れの回数を調べ
た。
【0031】実施例4 N,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタムの代わり
に、N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラクタムを
用いた他は、実施例3と同様にして延べ1週間紡糸を行
って、この間における糸切れの回数を調べた。
に、N,N'−テレフタロイルビス−ε−カプロラクタムを
用いた他は、実施例3と同様にして延べ1週間紡糸を行
って、この間における糸切れの回数を調べた。
【0032】比較例2 N,N'−アジポイルビス−ε−カプロラクタムを配合せ
ず、その他は実施例3と同様にして延べ1週間紡糸を行
って、この間における糸切れの回数を調べた。
ず、その他は実施例3と同様にして延べ1週間紡糸を行
って、この間における糸切れの回数を調べた。
【0033】上記実施例3〜4及び比較例2における結
果を表2に示した。
果を表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、溶融紡糸や製膜時等に
おけるε−カプロラクタム生成量が少なく、品質の良好
な繊維やフィルム等にすることのできるナイロン6樹脂
組成物が得られる。
おけるε−カプロラクタム生成量が少なく、品質の良好
な繊維やフィルム等にすることのできるナイロン6樹脂
組成物が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ナイロン6(又はその共重合体)と下記
式で示されるビスラクタム系化合物とからなるナイロ
ン6樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物であって、該
樹脂組成物を水分率0.02重量%以下にして、0.01Torr以
下、250 ℃で30分間溶融したときに検出されるε−カプ
ロラクタム量が、樹脂組成物1kgに対して 0.09mol以下
であることを特徴とするナイロン6樹脂組成物。 - 【請求項3】 ナイロン6(又はその共重合体)の末端
アミノ基のモル数(A) と上記式で示されるビスラクタ
ム系化合物のアミド基のモル数(B) との比 (A)/(B)を、
0.3 〜10になるように配合することを特徴とする請求項
1又は2記載のナイロン6樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26630698A JP2000095861A (ja) | 1998-09-21 | 1998-09-21 | ナイロン6樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26630698A JP2000095861A (ja) | 1998-09-21 | 1998-09-21 | ナイロン6樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000095861A true JP2000095861A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17429109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26630698A Pending JP2000095861A (ja) | 1998-09-21 | 1998-09-21 | ナイロン6樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000095861A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1553122A1 (en) * | 2004-01-08 | 2005-07-13 | DSM IP Assets B.V. | Process for preparing a high molecular polycondensate |
JP2007519770A (ja) * | 2003-12-19 | 2007-07-19 | ロディア インダストリアル ヤーンズ アーゲー | 補強材及び熱可塑性マトリックスを含む複合材料、この材料の前駆体複合物品及びこの材料を用いて得られる製品 |
WO2016052706A1 (ja) * | 2014-10-01 | 2016-04-07 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ骨格体およびタイヤ |
JP2017228358A (ja) * | 2016-06-20 | 2017-12-28 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 蓄電デバイス用外装材 |
-
1998
- 1998-09-21 JP JP26630698A patent/JP2000095861A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007519770A (ja) * | 2003-12-19 | 2007-07-19 | ロディア インダストリアル ヤーンズ アーゲー | 補強材及び熱可塑性マトリックスを含む複合材料、この材料の前駆体複合物品及びこの材料を用いて得られる製品 |
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WO2005068532A1 (en) * | 2004-01-08 | 2005-07-28 | Dsm Ip Assets B.V. | Process for preparing a high molecular polycondensate |
WO2016052706A1 (ja) * | 2014-10-01 | 2016-04-07 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ骨格体およびタイヤ |
JP5989280B1 (ja) * | 2014-10-01 | 2016-09-07 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ骨格体およびタイヤ |
JP2017228358A (ja) * | 2016-06-20 | 2017-12-28 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 蓄電デバイス用外装材 |
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