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JP2000094547A - 多層容器 - Google Patents

多層容器

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Publication number
JP2000094547A
JP2000094547A JP26774998A JP26774998A JP2000094547A JP 2000094547 A JP2000094547 A JP 2000094547A JP 26774998 A JP26774998 A JP 26774998A JP 26774998 A JP26774998 A JP 26774998A JP 2000094547 A JP2000094547 A JP 2000094547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polyamide
acid
silicate
multilayer container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26774998A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Yasue
健治 安江
Tsuneo Tamura
恒雄 田村
Takashi Ida
孝 井田
Masatake Yoshikawa
昌毅 吉川
Koji Fujimoto
康治 藤本
Sachiko Kokuryo
佐知子 國領
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP26774998A priority Critical patent/JP2000094547A/ja
Publication of JP2000094547A publication Critical patent/JP2000094547A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及びガスバリヤー性に優れ、内容物の
高温充填や加圧下での高温殺菌を可能にする多層容器を
提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位を主体とす
る熱可塑性ポリエステルの層(A)と、珪酸塩層で補強
されたポリアミドの層(B)とからなる多層容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層容器に関する。
さらに詳しくは、耐熱性及びガスバリヤー性に優れ、内
容物の高温充填や加圧下での高温殺菌を可能にする新規
な多層容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリエチレンテレフタレート
(PET)は、その優れた機械的特性や化学的特性によ
って、プラスチック容器素材として注目され、二軸延伸
ブロー技術の進歩とも相まって、現在では各種飲料用の
プラスチック容器の主要な素材となっている。
【0003】しかし、PETは、そのガラス転移温度が
70℃付近にあり、必ずしも耐熱性は高いものではない。
また、真空成形や延伸ブロー成形などの加工時に生じる
大きな成形歪みを包含するため、内容物の高温充填や高
温殺菌に際して変形が生じたりする点でも満足できるも
のではない。例えば、65℃以上の高温下で飲料を充填す
ると、容器の変形をきたすなどの不具合を生じる。現在
では、ヒートセット技術や容器口栓部の結晶化技術の開
発により、その耐熱性は85℃程度にまで向上している
が、ヒートセットや口栓部の結晶化処理には高温で長時
間を要し、それに伴うコストアップが問題となってい
る。
【0004】また、上記した後処理によって耐熱性が改
良された容器も、常圧下での高温充填にのみ有効であ
り、加圧下での高温充填や炭酸ガスを多く含む飲料の高
温殺菌では容器の変形を引き起こし、そのような用途に
は使用できないという問題があった。
【0005】さらに、PETのガスバリヤー性はポリオ
レフィンに比べると優れてはいるが、ポリ塩化ビニルや
ポリ塩化ビニリデンに比べると劣る。そのため、特に酸
素や炭酸ガスのバリヤー性が必要とされる飲料容器には
その使用が制限されていた。
【0006】他方、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデ
ンは耐熱性が不十分であることに加えて、ハロゲン原子
を含むことによる、環境汚染の問題が指摘されており、
プラスチック容器の素材としては適しているとはいえな
い。
【0007】このように十分な耐熱性と高度のガスバリ
ヤー性とを併せもち、プラスチック容器に使用可能な素
材は殆どないのが実状である。また、上記した容器の後
処理の効果も必ずしも十分ではない。そこで従来より、
PET層と耐熱性あるいはガスバリヤー性を有する異種
の素材とからなる層とからなる多層容器が提案されてい
る。
【0008】例えば、特開昭59−204552号公報には、P
ET層と耐熱性に優れたポリアリレート樹脂組成物の層
とからなる多層容器が提案されている。また、プラスチ
ックエージ、1986年、11巻、191 頁には、PET層とガ
スバリヤー性に優れたポリメタキシリレンアジパミド層
とからなる多層容器が提案されている。しかし、これら
の多層容器は、耐熱性とガスバリヤー性とを同時に満足
するものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解消するものであり、耐熱性及びガスバリヤー性に優
れ、内容物の高温充填や加圧下での高温殺菌を可能にす
る新規な多層容器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、多層容器の少
なくとも一層に特定の強化材で補強されたポリアミド層
を用いると、耐熱性及びガスバリヤー性を同時に向上さ
せることができることを見い出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) エチレンテレフタレート単位を主体とする熱可塑性
ポリエステルの層(A) と、珪酸塩層で補強されたポリア
ミドの層(B) とからなる多層容器。 (2) 層(B) 中における珪酸塩層の量が 0.1〜30重量%で
ある上記(1) 記載の多層容器。 (3) 多層容器中の層(B) の割合が1〜99重量%である上
記(1) 記載の多層容器。 (4) 少なくとも一方向に延伸された上記(1) 記載の多層
容器。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明の層(A) に用いられるエチレンテレ
フタレート単位を主体とする熱可塑性ポリエステルと
は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから
なり、全酸成分の20モル%以下の割合でフタル酸、イソ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸成分
やトリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン
酸成分、あるいは全アルコール成分の20モル%以下の割
合で1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,
4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコー
ル成分やトリメチロールプロパン、トリエチロールプロ
パン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール成
分、あるいは酸成分とアルコール成分とを併せた全成分
の20モル%以下の割合でp−オキシ安息香酸、乳酸など
のオキシ酸成分を含有するものである。このような熱可
塑性ポリエステルは、常法による溶融重縮合あるいは固
相重合を併用して製造される。
【0014】上記熱可塑性ポリエステルの固有粘度は、
特に制限されるものではないが、容器の成形及び性能を
考慮すると、フェノール/テトラクロルエタン=60/40
(重量比)の混合溶媒を用い、温度25℃で測定した値が
0.5〜1.5 の範囲にあることが好ましい。
【0015】本発明の層(B) に用いられるポリアミド
は、ラクタム、アミノカルボン酸、あるいはジアミンと
ジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)などのポ
リアミドを形成するモノマーを、常法による溶融重合
(もしくは溶融重縮合)あるいは固相重合を併用して製
造されるものである。
【0016】このようなポリアミドを形成するモノマー
の具体例としては、ラクタムとしてはε−カプロラクタ
ム、ω−ウンデシルラクタム、ω−ラウロラクタムなど
がある。また、アミノカルボン酸酸としては6−アミノ
カプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸、p−アミノメチル安息香酸などがある。さら
に、ジアミンとしてはテトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメ
チレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4/2,4,
4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメ
チレンジアミン、2,4-ジメチルオクタメチレンジアミ
ン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミ
ノ-3- アミノメチル-3,5,5- トリメチルシクロヘキサ
ン、3,8-ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス
(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4
- アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノ
シクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピ
ペラジン、アミノエチルピペラジンなどがある。ジカル
ボン酸としてはアジピン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2-クロロテレ
フタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル
酸、5-ナフリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール
酸などがある。
【0017】本発明に用いるポリアミドの具体例として
は、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリウンデカミ
ド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポ
リテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチ
レンセバカミド(ナイロン 610)、ポリヘキサメチレン
ドデカミド(ナイロン 612)、ポリウンデカメチレンア
ジパミド(ナイロン 116)、ポリトリメチルヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロンTMHT/6)、ポリヘキサメチレ
ンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレ
ンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリノナメチレン
テレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリ〔ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)メタンドデカミド〕(ナイロンPACM
12)、ポリ〔ビス(3-メチル-4- アミノシクロヘキシ
ル)メタンドデカミド〕(ナイロンDMPACM12)、ポリメ
タキシリレンアジパミド(ナイロンMDX6)、ポリウンデ
カメチレンテレフタルアミド(ナイロン 11T)、ポリウ
ンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド、及びこ
れらの共重合体あるいはこれらの混合体などが挙げられ
る。これらの中では、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン11、ナイロン12及びこれらの共重合体あるいは混合体
が好ましく、ナイロン6及びこの共重合体がコストと性
能のバランスがとれている点で特に好ましい。
【0018】上記ポリアミドの相対粘度は、特に制限さ
れるものではないが、容器の成形及び性能を考慮する
と、溶媒として96%濃硫酸溶媒を用い、温度25℃、濃度
1g/dlの条件で測定した値が 1.5〜6.0 の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0019】本発明の層(B) に用いられる珪酸塩層は、
層状珪酸塩を構成する基本単位であって、膨潤性層状珪
酸塩を劈開処理することによって得られるものであり、
ポリアミド中において一辺の長さが 0.002〜1μm、厚
みが6〜20Åの大きさを有するものである。このような
膨潤性層状珪酸塩は、天然のものであっても合成された
ものであってもよく、その具体例としては、モンモリロ
ナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソ
ーコナイトなどのスメクタイト系鉱物、バーミキュライ
トなどのバーミキュライト系鉱物、白雲母、黒雲母、パ
ラゴナイト、レビトライト、膨潤性フッ素雲母などの雲
母系鉱物、マーガライト、クリントナイト、アナンダイ
トなどの脆雲母系鉱物、ドンバサイト、スドーアイト、
クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト
などの緑泥石系鉱物、セピオライトなどの含水イノケイ
酸塩系鉱物などが挙げられるが、これらの中では、下記
式で示される膨潤性フッ素雲母系鉱物(雲母の水酸基
をフッ素で置換したもの、合成品)が、ポリアミド樹脂
中における分散性と白色度の点で特に好ましい。 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 (式中、Mはナトリウムまたはリチウムを表し、α、
β、γ、a及びbは各々計数を表し、0.1 ≦a≦2、2
≦β≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a
+b=1である)。
【0020】このような膨潤性フッ素雲母の製造法とし
ては、例えば、酸化珪素と酸化マグネシウムと各種フッ
化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉中
で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過
程で反応容器内にフッ素雲母を結晶成長させる、いわゆ
る溶融法がある。また、タルクを出発物質として用い、
これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして
フッ素雲母を得る方法がある(特開平2-149415号公
報)。この方法では、タルクに珪フッ化物アルカリある
いはフッ化アルカリを混合し、磁製ルツボ内で 700〜12
00℃で短時間加熱処理することによって膨潤性フッ素雲
母を得ることができる。
【0021】本発明における珪酸塩層で補強されたポリ
アミド(B) を得る方法としては、例えば、特開平6-2481
76号公報に記載された方法に基づいて、膨潤性層状珪酸
塩とポリアミドを形成するモノマーとを重合により得る
方法がある。また、特開昭63- 221125号公報に基づい
て、まず膨潤性層状珪酸塩を予め有機処理して複合体を
得、次いでこの複合体とポリアミドを形成するモノマー
とを重合により得る方法がある。
【0022】このような方法を用いると、珪酸塩層がポ
リアミド中に分子レベルで分散され、補強効果に優れた
ものが得られる。なお、分子レベルでの分散状態につい
ては、具体的には、広角X線測定を行うことにより確認
できる。すなわち、原料の状態では、層状珪酸塩のc軸
方向の層間距離(通常湿熱下において8〜20Å)に由来
する回折が観測されるが、珪酸塩層がポリアミド樹脂中
に分子レベルで分散した状態では、層状珪酸塩の各層が
剥離し、ランダムな方向をとり、結果として、層状珪酸
塩の結晶構造に由来するピークが観測されなくなること
で確認できる。また、電子顕微鏡写真観察により、ポリ
アミド中の珪酸塩層のおおよその大きさを見ることによ
り確認することもできる。
【0023】本発明の層(B) 中における珪酸塩層の量
は、0.1 〜30重量%であることが好ましく、0.2 〜15重
量%であることがより好まししい。この量が 0.1重量%
未満では、耐熱性及びガスバリヤー性を同時に満足する
多層容器を得ることが難しく、一方、この量が30重量%
を超えると、多層容器を成形することが難しくなる。
【0024】次に、本発明の多層容器について説明す
る。本発明の多層容器においては、その層数や層配置な
どの層構成には特に制限はなく、少なくとも層(A) と層
(B) とをそれぞれ一層以上含めばよく、層構成は容器の
用途に応じて適宜選定することができる。また、層(A)
と層(B) との重量比も用途に応じて適宜選択できるが、
本発明の効果を十分に発現するためには、多層容器中の
層(B) の割合が1〜99重量%の範囲にすることが好まし
く、5〜80重量%の範囲にすることがより好ましい。さ
らに、必要に応じて接着剤層やその他の機能層を介在さ
せることも可能である。
【0025】本発明の多層容器は、例えば、上記構成を
もつ共押し出し多層シートを加熱後、真空成形又は圧縮
成形などの深絞り加工することによって得ることができ
る。また、共押し出しによるダイレクトブロー成形で得
ることもできる。また、共射出成形により多層プレフォ
ームを得た後、これを二軸延伸することによっても得る
ことができる。さらに、共押し出し多層パイプを定長に
切断した後、その両端を加熱し、圧縮成形によって口部
形成および底部の融着を行って得られた多層プレフォー
ムを得、これを二軸延伸して得ることもできる。
【0026】上記の方法によって得られた多層容器は、
未延伸のまま用いてもよいし、一軸方向あるいは多軸方
向に延伸して用いることもできる。延伸の有無およびそ
の条件などは用途に応じて適宜選定することができる。
【0027】
〔測定方法〕
(a) ポリアミドの相対粘度 ポリアミドを1g/dlの濃度となるよう96%濃硫酸に溶解
し、ウベローデ型粘度計を用いて温度25℃にて流下時間
の測定を行った。試料溶液流下時間を溶媒流下時間で割
った値を試料の相対粘度とした。なお、ポリアミドの試
料溶液濃度を1g/dlに調整する際には、あらかじめ含ま
れる珪酸塩層の濃度を考慮して、珪酸塩層を除いたポリ
アミドの濃度が1g/dlとなるようにした。 (b) PETの固有粘度 フェノール/テトラクロルエタン=60/40(重量比)の
混合溶媒を用い、ウベローデ型粘度計を用いて温度25℃
で測定した。 (c) ポリアミド中の珪酸塩層の分散性(1) 珪酸塩シートで補強されたポリアミドのペレットについ
て、広角X線回折装置(リガク社製、RAD-rB型)を用い
て測定を行い、ポリアミド中の珪酸塩層の分散性を評価
した。原料の膨潤性フッ素雲母系鉱物に認められた層状
構造に由来するc軸方向のピークが認めらない場合、ポ
リアミドマトリクス中に珪酸塩層が分子レベルで分散さ
れていると見なした。 (d) ポリアミド中の珪酸塩層の分散性(2) 珪酸塩層で補強されたポリアミドのペレットを小さく切
り出し、これをエポキシ樹脂に包埋し、ダイヤモンドナ
イフにて超薄切片に切り出した。この超薄切片につい
て、透過型電子顕微鏡(日本電子製、JEM-200CX 型、加
速電圧 100kV)を用いて電子顕微鏡写真観察を行い、ポ
リアミド中の珪酸塩層の分散性を評価した。 (e) ポリアミド中の珪酸塩層の含有量 珪酸塩層で補強されたポリアミドのペレットを磁製ルツ
ボに精秤し、500 ℃に保持した電気炉で15時間焼却処理
(灰化処理)した後の灰分量を測定することにより求め
た。 珪酸塩層の含有量(重量%)=〔(灰分重量)/(試料
の重量)〕×100 (f) 酸素もしくは炭酸ガス透過係数 モダンコントロール社製のガス透過率測定装置 MOCONOX
-TRAN-100Aを用いて、ASTM D-3985-81に準じて、各種の
厚みのシートの酸素もしくは炭酸ガス透過量を測定し
た。測定は、23℃、100%RH、1気圧の条件下で行い、
酸素もしくは炭酸ガス透過係数は次式より求めた。 酸素透過係数(ml・mm/m2・24hrs ・atm )=酸素透過
量(ml/m2・24hrs ・atm )×厚み(mm) 炭酸ガス透過係数(ml・mm/m2・24hrs ・atm )=炭酸
ガス透過量(ml/m2・24hrs ・atm )×厚み(mm) なお、この値はガスバリヤー性の指標となるもので、小
さいものほどガスバリヤー性が良好である。
【0028】〔参考例1〕珪酸塩層で補強されたポリア
ミド(P-1)の調製 ε−カプロラクタム10kg、水1kg及び膨潤性フッ素雲母
系鉱物(コープケミカル社製、ソマシフ「MEー100」、広
角X線で測定したシリケート層の層間距離は 9.6Å及び
12.5Å)200gを混合し、これを内容量30リットルの反応
缶に入れ、次の方法で珪酸塩層で補強されたポリアミド
(P-1)を調製した。すなわち、反応缶の内容物を攪拌
しながら 260℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、
4kg/cm2から15kg/cm2の圧力まで昇圧した。その後、圧
力15kg/cm2、温度 260℃に保って1時間制圧した後、1
時間かけて徐々に水蒸気を放出しつつ、常圧まで放圧
し、その後 260℃で1時間重合した。重合の終了した時
点で反応生成物を反応缶から払い出し、冷却した後、こ
れを切断してペレットとした。次いで、得られたペレッ
トを95℃の熱水で精錬処理を3時間行い、乾燥して珪酸
塩層で補強されたポリアミドを得た。このポリアミド
(P-1)の相対粘度は 2.8であった。また、このポリア
ミド(P-1)のペレットについて広角X線回折測定を行
ったところ、原料の膨潤性フッ素雲母系鉱物に認められ
た層状構造に由来するピークは認められず、珪酸塩の層
状構造は劈開し、ポリアミドマトリクス中に分子レベル
で分散されていることがわかった。さらに、このポリア
ミド(P-1)のペレットについて透過型電子顕微鏡写真
観察を行ったところ、珪酸塩層がばらばらになってポリ
アミドマトリクス中に分子レベルで分散されているのが
確認された。なお、灰分測定によるポリアミド(P-1)
中の珪酸塩シートの含有量は 2.1重量%であった。
【0029】〔参考例2〕珪酸塩層で補強されたポリア
ミド(P-2)の調製 ε−カプロラクタム8kg、12−アミノドデカン酸2kg、
水1kg及び膨潤性フッ素雲母系鉱物(コープケミカル社
製、ソマシフ「MEー100」)300gを用いた他は、参考例1
と同様にして珪酸塩シートで補強されたポリアミド(P
-2)を調製した。このポリアミド(P-2)の相対粘度は
3.0であった。また、このポリアミド(P-2)のペレッ
トについて広角X線回折測定を行ったところ、原料の膨
潤性フッ素雲母系鉱物に認められた層状構造に由来する
ピークは認められず、珪酸塩の層状構造は劈開し、ポリ
アミドマトリクス中に分子レベルで分散されていること
がわかった。さらに、このポリアミド(P-2)のペレッ
トについて透過型電子顕微鏡写真観察を行ったところ、
珪酸塩層がばらばらになってポリアミドマトリクス中に
分子レベルで分散されているのが確認された。なお、灰
分測定によるポリアミド(P-2)中の珪酸塩層の含有量
は 2.8重量%であった。
【0030】実施例1及び比較例1 固有粘度 1.0のPET及び参考例1の珪酸塩層で補強さ
れたポリアミド(P-1)を用い、これらの材料を加熱真
空乾燥により十分に乾燥した上で、多層ダイを備えた押
し出し機を用いて、270 ℃で押し出し、層厚み構成がP
ET/Pー1/PET=340/80/340(単位:μm)の三層
構造で幅 800mmのシートを得た。このシート中でのPー1
の割合は9重量%であった。次に、このシートを 150℃
で5秒間加熱した後、真空成形によって直径 100mm厚み
270μm、深さ40mmのカップを成形した。このカップは
均一に延伸されたものであった。なお、比較のためPE
Tの単層シート(厚み 760μm)を用いて同様なカップ
を成形した(比較例1)。これら2種類のカップに95℃
の熱湯を注いだところ、PET単独からなるカップは大
きく変形収縮したのに対し、本発明のカップには何らの
変形も認められなかった。また、カップから切り出した
シート(厚み 270μm)を用いて、モコン法で酸素及び
炭酸ガス透過係数を測定したところ、表1に示すように
PET単独の容器の場合に比べて本発明の容器ではガス
バリヤー性が大きく向上していた。 表1 容器(カップ)のガスバリヤー性 実施例1 比較例1 酸素透過係数 1.1 2.0 炭酸ガス透過係数 4.2 8.0 (注)単位:ml・mm/m2・24hrs ・atm
【0031】実施例2及び比較例2 固有粘度 1.0のPET及び参考例2の珪酸塩層で補
強されたポリアミド(P-2)を用い、これらの材料を加
熱真空乾燥により十分に乾燥した上で、多層射出成形機
を用いて 280℃の温度で成形し、長さ 131mm、外径25m
m、平均厚み4mmのプリフォームを成形した。この多層
プリフォームは、層厚み構成がPET/Pー2/PET=
1.75/0.5/1.75 (単位:mm)の三層構造のものであっ
た。このプリフォーム中のPー2の割合は15重量%であっ
た。次に、このプリフォームを二軸延伸ブロー機に移
し、表面温度が 100℃になるまで加熱し、二軸延伸ブロ
ー成形を行い、二軸延伸ボトルを得た。このボトルの寸
法は高さ 308mm、外径91.5mm、厚み 370μm、内容積は
1.5リットルであった。また、比較のためPETの単層
プリフォーム(厚み 4.0mm)を用いて同様な二軸延伸ボ
トルを成形した(比較例2)。これら2種類のボトルに
95℃の熱湯を注いだところ、PET単独からなるボトル
は大きく変形収縮したのに対し、本発明のボトルには何
らの変形も認められなかった。またボトルから切り出し
たシート(厚み 370μm)を用いて、モコン法で酸素及
び炭酸ガス透過係数を測定したところ、表2に示すよう
にPET単独の容器の場合に比べて本発明の容器ではガ
スバリヤー性が大きく向上していた。 表2 容器(ボトル)のガスバリヤー性 実施例1 比較例1 酸素透過係数 1.2 2.3 炭酸ガス透過係数 4.8 9.2 (注)単位:ml・mm/m2・24hrs ・atm
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性及びガスバリヤ
ー性に優れ、内容物の高温充填や加圧下での高温殺菌を
可能にする多層容器が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 昌毅 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 藤本 康治 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 國領 佐知子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 3E033 BA18 BA21 BB01 BB08 CA07 CA16 FA03 GA02 4F100 AA03B AA03H AC05B AC05H AK42A AK42C AK46B AK48B BA03 BA06 BA15 DA01 EH20 GB16 JB16A JB16C JC00 JD02 JJ03 YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主体とす
    る熱可塑性ポリエステルの層(A) と、珪酸塩層で補強さ
    れたポリアミドの層(B) とからなる多層容器。
  2. 【請求項2】 層(B) 中における珪酸塩層の量が 0.1〜
    30重量%である請求項1記載の多層容器。
  3. 【請求項3】 多層容器中の層(B) の割合が1〜99重量
    %である請求項1記載の多層容器。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方向に延伸された請求項1
    記載の多層容器。
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