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JP2000070699A - 流動層反応装置及び流動層反応方法 - Google Patents

流動層反応装置及び流動層反応方法

Info

Publication number
JP2000070699A
JP2000070699A JP10244509A JP24450998A JP2000070699A JP 2000070699 A JP2000070699 A JP 2000070699A JP 10244509 A JP10244509 A JP 10244509A JP 24450998 A JP24450998 A JP 24450998A JP 2000070699 A JP2000070699 A JP 2000070699A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluidized bed
reaction
temperature
gas
lower chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10244509A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoneichi Ikeda
米一 池田
Yoshinori Kobayashi
由典 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP10244509A priority Critical patent/JP2000070699A/ja
Publication of JP2000070699A publication Critical patent/JP2000070699A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応が発熱を伴い所要見掛接触時間がかなり
小さい触媒反応に対しても、収率や選択率が良好で、し
かも操業性も良好な流動層反応装置、並びに流動層反応
方法を提供する。 【解決手段】 触媒粒子の流動層を形成しつつ反応原料
を供給して、触媒反応により反応生成物を得る流動層反
応装置において、前記流動層の何れかの位置に前記触媒
粒子の流動を制限する流動制限部材2を設けると共に、
その流動制限部材2の一方側を主に触媒反応を行う高温
流動層4とし、他方側を主に流動層の冷却を行う低温流
動層3としてあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は各種の触媒反応を
行うための流動層反応装置、並びに流動層反応方法に関
するものであり、特に、反応が発熱を伴い高活性を有す
る微粉状触媒を用いて濃厚流動層を形成させる場合で
も、高い反応収率と良好な操業性などを実現できる流動
層反応装置、並びに流動層反応方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】流動層、特に微粉状粒子による濃厚流動
層は、単に微粉流動層とも呼ばれ、流動層内が均一温度
となり、伝熱がよいので熱除去が容易であることなどの
特徴から、従来より多くの発熱を伴う触媒反応に適用さ
れてきた。
【0003】典型的な微粉流動層は、特に重量平均径が
25〜250μm、嵩密度が0.3〜1.5g/cm3
であり、実質的に球状である微粉状粒子を、ガス空塔速
度が0.1〜1.5m/s、好ましくは0.2〜1m/
sで流動させる時に形成される。このような微粉流動層
では、流動化ガスが小さな気泡となって均一に流動層内
に分散するとともに平滑な流動状態を示すので、触媒粒
子とガスの接触がよく反応が十分に進行し、操業が容易
であるなどの特徴があることから広く触媒反応に賞用さ
れてきた。
【0004】このような微粉流動層を発熱を伴う触媒反
応に適用する場合には、通常、流動層の大きい伝熱を利
用して流動層内に冷却管を挿入して冷却し、反応熱を除
去している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、微粉流動層内
に冷却管などを挿入する場合に、十分な伝熱面積を備え
るためには、大きな冷却面積が必要であり、そのために
は流動層の高さを十分に高くしなければならない。その
結果、ガスと触媒との接触時間が大きな値となる。例え
ば、通常の発熱反応においては、冷却面積を確保するた
めの流動層高さは、それを流動化ガスの空塔速度で割っ
た値で5〜50秒程度に相当する高さになる。一方、一
般に触媒反応では、見掛接触時間(=静止層高/流動化
ガス空塔速度)が用いられているが、通常、流動層高さ
は静止層高の約1.2〜1.6倍であるから、前記の値
は見掛接触時間で表すと約3〜30秒に相当する。
【0006】従って見掛接触時間が3秒以下において反
応生成物の最高収率を示し、それ以上になると反応生成
物が分解、重合、副反応などを起して、かえって収率が
低下してしまうような触媒反応に対しては、従来装置の
ままで微粉流動層を適用するが困難であった。
【0007】この場合の対策の一つとして、触媒を他の
粒子と混合し、希釈して使用することで、流動層の熱容
量を大きくする方法が考えられるが、その際使用する粒
子は、反応に対して不活性であるとともに、触媒とよく
混合して流動化するように、触媒と類似した性状を持つ
ことが必要である。しかし、そのような化学的および物
理的条件を満足するような粒子は、入手が著しく困難で
ある。
【0008】また他の対策として、流動化ガスの空塔速
度が数m/s〜10m/s以上のように大きい高速流動
層の適用が考えられるが、そのような流動層では反応熱
の除去が不十分となって、均一温度が得られないため、
反応を選択的に進められず、高収率が達成できない。
【0009】本発明の目的は、以上のような課題を解決
すべく、反応が発熱を伴い所要見掛接触時間がかなり小
さい触媒反応に対しても、収率や選択率が良好で、しか
も操業性も良好な流動層反応装置、並びに流動層反応方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の如き
本発明により達成できる。即ち、本発明の流動層反応装
置は、触媒粒子の流動層を形成しつつ反応原料を供給し
て、触媒反応により反応生成物を得る流動層反応装置に
おいて、前記流動層の何れかの位置に前記触媒粒子の流
動を制限する流動制限部材を設けると共に、その流動制
限部材の一方側を主に触媒反応を行う高温流動層とし、
他方側を主に流動層の冷却を行う低温流動層としてある
ことを特徴とする。
【0011】上記のより具体的な構成としては、前記流
動制限部材は、前記触媒粒子が通過できる開口を有し、
塔内部を上部室と下部室とに仕切る少なくとも一つの隔
壁であり、前記下部室には冷却機構を設けると共に、そ
の下部室の下側には前記低温流動層を形成すべく前記反
応原料の一部及び/又は不活性ガスの供給部を設け、前
記上部室には前記下部室からのガスとともに前記高温流
動層を形成すべく、少なくとも残部の反応原料の供給部
を設けてあることが好ましい。
【0012】上記における触媒反応としては、通常の流
動層触媒反応のいずれも採用することができるが、前記
触媒反応が、高活性の触媒粒子を用いた所要見掛接触時
間0.2〜4秒の発熱反応であることが好ましい。
【0013】また、後述のように、反応原料の種類も1
種又は2種以上のものが採用でき、その供給方法も種々
存在するが、前記下部室下側の供給部が、2種以上で構
成される反応原料の1種を供給するものであることが好
ましい。
【0014】前記高温流動層と前記低温流動層は、温度
差が僅少でも従来装置より効果があるが、前記高温流動
層と前記低温流動層の温度差が10℃以上であることが
好ましい。
【0015】前記流動制限部材やその一例である隔壁と
しては、後述のように、種々の形状のものが採用できる
が、前記隔壁が水平な多孔板状物であり、流動層の断面
積に対する前記開口の面積比率が5〜80%であること
が好ましい。
【0016】一方、本発明の流動層反応方法は、上記の
いずれかに記載の流動層反応装置を用いて、重量平均径
が25〜250μm、嵩密度が0.3〜1.5g/cm
3 、実質的に球状であるような微粉状の触媒粒子を、前
記高温流動層のガス空塔速度0.1〜1.5m/sで流
動化させるものである。
【0017】[作用効果]本発明によると、前記流動層
の何れかの位置に前記触媒粒子の流動を制限する流動制
限部材を設けてあるため、触媒粒子が自由に流動するの
が一部制限され、その流動制限部材の上流側と下流側と
の伝熱量を制限することができる。このため、流動制限
部材の一方側を高温流動層とし、他方側を低温流動層と
して、独立した温度環境にすることができ、高温流動層
で主に触媒反応を行わせながら、低温流動層で主に流動
層の冷却を行うことができる。更に、高温流動層と低温
流動層との間で触媒粒子の移動・交換が可能なため、高
温流動層の熱が低温流動層に伝熱するので、高温流動層
では冷却のため層高さを大きくする必要がなくなり、見
掛接触時間を小さくすることができる。その結果、反応
が発熱を伴い所要見掛接触時間がかなり小さい触媒反応
に対しても、高温流動層を好適に形成して収率や選択率
を良好にすることができ、しかも操業性を特に悪化させ
ることなく良好に維持することができる。
【0018】また、前記流動制限部材は、前記触媒粒子
が通過できる開口を有し、塔内部を上部室と下部室とに
仕切る少なくとも一つの隔壁であり、前記下部室には冷
却機構を設けると共に、その下部室の下側には前記低温
流動層を形成すべく前記反応原料の一部及び/又は不活
性ガスの供給部を設け、前記上部室には前記下部室から
のガスとともに前記高温流動層を形成すべく、少なくと
も残部の反応原料の供給部を設けてある場合、上記隔壁
が触媒粒子の流動を制限しつつその移動・交換が可能と
し、上記冷却機構で低温流動層の冷却を行いながら、高
温流動層で触媒反応を行うことができる。その際、下部
室の下側には反応原料の一部及び/又は不活性ガスを供
給するため、低温なことと相まって、低温流動層の反応
速度をゼロに又は小さくすることができ、一方、上部室
には下部室からのガスとともに少なくとも残部の反応原
料を供給するため、高温流動層で主に触媒反応を行うこ
とができ、上記の作用効果を好適に得ることができる。
なお、通常、ガス流の下流側に位置する上部室の方がガ
ス空塔速度が大きくなるため、上部室を高温流動層とす
る方が、見掛接触時間を小さくする上で有利となる。
【0019】前記触媒反応が高活性の触媒粒子を用いた
所要見掛接触時間0.2〜4秒の発熱反応である場合、
従来装置では、反応熱の冷却を十分行いながら、見掛接
触時間を小さくして、収率や選択率を良好に維持するの
が困難であったところ、本発明の上記作用効果により、
収率や選択率を良好に改善できるため、本発明が特に有
利なものとなる。
【0020】前記下部室下側の供給部が、2種以上で構
成される反応原料の1種を供給するものである場合、不
活性ガスを用いることなく、低温流動層での触媒反応を
抑制して、専ら高温流動層で触媒反応を進行させること
ができるため、簡便なガス供給系にて本発明の上記作用
効果が達成できる。即ち、上部室へ供給された他の反応
原料は、逆混合によって隔壁を通過して僅かに下部室へ
至るだけであり、同様に上部室における反応生成物も僅
かに下部室へ至るだけであるので、そこでの反応進行が
少なく、上部室における過度の反応進行の影響を避ける
ことができる。
【0021】前記高温流動層と前記低温流動層の温度差
が10℃以上である場合、通常、反応速度は温度が10
℃低下すると約1/2に減少するので、下部室の反応速
度が上部室の値に対して小さくなるため、前述した過度
の反応進行をさらに抑制することができる。かかる観点
から、より好ましくは温度差が20℃以上の場合であ
る。
【0022】前記隔壁が水平な多孔板状物であり、流動
層の断面積に対する前記開口の面積比率が5〜80%で
ある場合、隔壁が水平なため流動層の流動状態を乱すこ
とが少なく、また、当該面積比率であると、隔壁の開口
を通る触媒粒子の移動が良好であると共に、粒子移動の
抑制効果も適度なものになる。かかる観点から、より好
ましくは面積比率が8〜50%である。
【0023】一方、本発明の流動層反応方法によると、
上記のいずれかの流動層反応装置を用いて、重量平均径
が25〜250μm、嵩密度が0.3〜1.5g/cm
3 、実質的に球状であるような微粉状の触媒粒子を、前
記高温流動層のガス空塔速度0.1〜1.5m/sで流
動化させるため、発生する気泡が小さく、圧力変動が少
ない極めて均一、平滑な流動状態である典型的な微粉流
動層を形成しつつ、上記と同様の作用により、反応が発
熱を伴い所要見掛接触時間がかなり小さい触媒反応に対
しても、高温流動層を好適に形成して収率や選択率を良
好にすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づき説明する。なお、図1は本発明の流動
層反応装置の一例を示し、図2はその流動制限部材とな
る隔壁の一例を示すものである。
【0025】図1に示すように、触媒粒子による流動層
を内部に形成する反応塔1は、隔壁2によって下部室3
と上部室4とに仕切られている。下部室3には、主に流
動層の冷却を行う低温流動層(冷却部)が形成され、上
部室4には、主に触媒反応を行う高温流動層(反応部)
が形成される。
【0026】隔壁2は、図2((イ)は平面図、(ロ)
は断面図)に示すように開口20を有する多孔板19で
あり、水平に配置されている。多孔板は前述の開口面積
率を有するものが好ましいが、隔壁の形状や開口の孔径
には特に制限がなく、網状、スリット状等いずれの形状
でもよい。また、触媒粒子の流動を制限する流動制限部
材であれば、隔壁には限られず、棒状体を複数配置した
ものや、上下2つの独立した空間を接続する管部等を流
動制限部材として構成してもよい。なお、隔壁2は通
常、1枚でよいが、数枚を重ねて配置してもよい。
【0027】隔壁2を配置する位置は、上部室4の高温
流動層の高さが反応進行に好適な所要見掛接触時間に対
応した高さとなり、下部室3の低温流動層の高さが反応
で発生する熱の除去に十分な長さの冷却管15が配置で
きる高さに定めればよい。なお、流動層の高さは、反応
塔1内のガス空塔速度などの影響も受けるので、運転条
件を考慮しつつ適宜設定することができる。
【0028】各室の底部近傍には、ガスを供給して流動
層を形成するためのガス分散器5,6が設けてある。そ
れぞれのガス分散器5,6には、導入管7,8が予熱器
9,10を経由して接続され、反応原料および必要によ
って添加された不活性ガスが供給される。各室への送入
割合は、流量調節弁11等によって調節される。
【0029】ガス分散器6は、上部室4に流動層を形成
するためのガス供給機能と、下部室3からガスの流入を
許容する機能と、上部室4と下部室3との触媒粒子の移
動・交換を許容する機能を併せ持つ必要がある。このよ
うなガス分散器の形状としては、図3((イ)は平面
図、(ロ)は正面図)に示すものが挙げられるが、上記
機能を有するものであれば、いずれの形状でもよい。図
3に示すガス分散器6は、平行に複数配設された分岐管
6bに、複数のガス吐出口6aを下向きに設けたもので
ある。なお、ガス分散器5は、流動層の形成に通常用い
られるものであればよい。
【0030】上部室4の上側には、フリーボード12が
あり、そこにはサイクロン捕集器13が接続され、生成
ガスはそれらを通って、同伴する触媒粒子が除去された
後、ガス排出管14から外部へ排出される。サイクロン
捕集器13で補修された触媒粒子は、必要に応じて触媒
循環路21を経て下部室3へと導入される。
【0031】下部室3(低温流動層)の内部には、冷却
管15を設けてあり、冷却水導入管16および排出管1
7に接続されて、冷却機構を構成している。冷却管15
を流通させる冷却水の温度や流量を変更することによっ
て、流動層温度や除熱量を調節することができる。な
お、本発明では、上部室4に更に冷却機構を設けて除熱
したり、反応原料の予熱温度を調節したりするなどの手
段が補助的に行われてもよい。
【0032】反応塔1内の触媒粒子は、上部室4での反
応に必要な量と下部室3を満たす量が充填され、上部室
4の触媒量は、マノメーター18の静圧差から知ること
ができる。
【0033】また、高温流動層の反応温度は、予熱器1
0を通るガス温度や流量調節弁11による上下各室への
反応原料の供給割合の変更などによって、所定温度に調
節される。反応によって余剰となった熱は、下部室3へ
と伝熱した後、冷却管15を通る冷却水の顕熱として除
去される。
【0034】つまり、上記装置において、上部室4から
の高温触媒粒子は、その一部が下部室3に至り、低温に
冷却された後、再び上部室4に至るので、発熱反応が進
行する上部室4の高温流動層を直接に冷却しなくても、
一定に保持することができる。従って上部室4には、触
媒反応に必要とする最適な触媒量を存在させればよく、
伝熱冷却のために特別に多く触媒を充填する必要がなく
なる。
【0035】次に、上記装置の運転条件等について説明
する。
【0036】反応原料は、触媒反応の種類に応じて、種
々決定されるが、一般的な流動層触媒反応としては、ア
クリロニトリル、無水マレイン酸、無水フタル酸、又は
二塩化エタンの生成反応などが挙げられ、これらに対応
する各種原料が使用される。本発明では前述のように、
高活性の触媒粒子を用いた所要見掛接触時間0.2〜4
秒の反応に特に有利であるが、当該反応の例としては、 1)ゼオライトを触媒粒子として用い、オキシムとメタノ
ールとによりラクタムを得る反応、 2)モリブデン又はアンチモン含有のシリカ担体を触媒粒
子として用い、プロピレン、アンモニアと酸素とにより
アクリロニトリルを得る反応、 3)バナジウム含有のシリカ、アルミナ又はチタニアを担
体としたものを触媒粒子として用い、ブテン、ブタジエ
ン又はインゼンなどと酸素とにより、無水マレイン酸を
得る反応、 4)バナジウム含有のシリカ、アルミナ又はチタニアを担
体としたものを触媒粒子として用い、ナフタレン又はオ
キソキシレンと酸素とにより、無水フタル酸を得る反
応、 5)バナジウム含有のアルミナ担体を触媒粒子として用
い、芳香族アルキル化物と水素とにより、ナフタレン又
はメチルナフタレンを得る反応、などが挙げられる。
【0037】使用される触媒は、好適な流動層を形成す
るためには、重量平均径が25〜250μm、嵩密度が
0.3〜1.5g/cm3 、実質的に球状であるような
微粉状の触媒粒子が好ましく、各種触媒反応に適した触
媒が選択される。なお、流動化ガスを用いる場合、不活
性ガスが好ましく、流動層触媒反応に通常、使用される
ものが制限なく使用可能である。
【0038】主に触媒反応を行う高温流動層のガス空塔
速度は、前述のように0.1〜1.5m/sが好ましい
が、原料ガス等の供給速度で調整できる。なお、主に冷
却を行う低温流動層のガス空塔速度は、ガスと触媒との
均一な接触を必要としないことから、上記の範囲と比較
してより広い範囲で適用可能である。
【0039】また、高温流動層の温度は、上下各室への
原料ガスの供給量を変えて、隔壁2を通過する粒子量を
調節することによって調節可能である。下部室3への原
料ガスの供給量が極端に少ないと、流動化が十分ではな
く、隔壁を通る粒子の移動量が少なくなる。また逆に下
部室3への原料ガスの供給量が過大になると、隔壁2を
通過上昇するガス速度が大きくなり、粒子が吹上られて
降下し難くなり、移動量が減少する。下部室3への原料
ガスが適切な供給量である場合には、隔壁2を通る粒子
量は、下部室3への原料ガスの供給量にほぼ比例して変
化するので、それによって反応温度を容易に制御でき
る。
【0040】[他の実施形態] (1)前述の実施形態では、不活性ガスを供給しない例
を示したが、本発明では、原料ガスに不活性ガスを添加
することによって、流動化状態を改善したり、隔壁を通
過する粒子移動量を調節したりすることができる。
【0041】(2)前述の実施形態では、水冷による冷
却管を利用した冷却機構を設けた例を示したが、本発明
では、その他の冷媒による各種冷却装置を用いてもよ
い。また、間接熱交換方式に限らず、不活性ガスを予め
冷却してから供給するなど、供給ガスによる直接熱交換
によって冷却してもよい。その場合、他の条件によって
は冷却機構を反応塔内に設けなくてもよい場合が生じ
る。
【0042】(3)前述の実施形態では、上部室に高温
流動層を下部室に低温流動層を形成した例を示したが、
本発明では、図4に示すように、上部室に低温流動層を
下部室に高温流動層を形成してもよい。
【0043】その場合、反応塔1は、同様の隔壁2によ
って下部室3と上部室4とに仕切られ、上部室4には、
主に流動層の冷却を行う低温流動層(冷却部)が形成さ
れ、下部室3には、主に触媒反応を行う高温流動層(反
応部)が形成される。
【0044】隔壁2を配置する位置は、下部室3の高温
流動層の高さが反応進行に好適な所要見掛接触時間に対
応した高さとなり、上部室4の低温流動層の高さが反応
で発生する熱の除去に十分な長さの冷却管15が配置で
きる高さに定めればよい。
【0045】ガス分散器6からは必要に応じて冷却のた
めの不活性ガスが供給され、ガス分散器5からは原料ガ
スの全部が同時に供給される。上部室4(低温流動層)
の内部には、冷却管15を設けてあり、冷却水導入管1
6および排出管17に接続されて、冷却機構を構成して
いる。
【0046】つまり、上記装置において、下部室3から
の高温触媒粒子は、その一部が上部室4に至り、低温に
冷却された後、再び下部室3に至るので、発熱反応が進
行する下部室3の高温流動層を直接に冷却しなくても、
一定に保持することができる。従って下部室3には、触
媒反応に必要とする最適な触媒量を存在させればよく、
伝熱冷却のために特別に多く触媒を充填する必要がなく
なる。
【0047】
【実施例】以下、本発明をより具体的に示す実施例につ
いて説明する。本実施例は、図1に示したものと同様の
装置で、下記の如き仕様のものを用い、下記の操作によ
り本発明を実施する場合の例である。
【0048】1)実験装置の仕様 流動層反応塔:ステンレススチール製、電気ヒータ外部
加熱式 内径20cm、流動層高さ:上部室0.5m、下部室
1.0m、合計1.5m 隔壁:多孔板型、孔径1cm、開口比25%、1枚 冷却管:内径11mm、長さ2m 2)反応冷却操作 所定の微粉状触媒を18kgを充填し、不活性ガスであ
る窒素で流動しながら電気ヒーターで反応温度近くまで
加熱する。次いで窒素を徐々に減少しながら、上下各室
へ予熱した所定量の原料物(オキシムとメタノール)と
を送入し、下部室の冷却管へ冷却水を流す。続いて電気
ヒーター及び上下各室へ原料物の割合や予熱温度および
冷却水の供給量や温度などを調節することによって、所
定の反応条件とする。ほぼ定常化後の操作条件と結果
は、以下のようになる。
【0049】(操作条件) 触媒粒子:ゼオライト触媒(嵩比重:0.55〜0.
7、平均粒経:60〜70μm、形状:球形) 原料物供給量:オキシム12kg/h、メタノール(下
部)13.5kg/h、メタノール(上部)4.5kg
/h 窒素ガス供給量:0.45kg/h(上部)、1.35
kg/h(下部) ガス空塔速度(上部室):35cm/s ガス空塔速度(下部室):20cm/s 高温流動層の見掛接触時間:0.6s 反応圧力:1atm 流動層温度:反応部:380℃、冷却部 320℃ 冷却水温度:90℃ その結果、反応成績は、反応率97〜99%、選択率9
4〜96%が可能となる。即ち、高活性の触媒粒子を用
いた所要見掛接触時間0.6秒の発熱反応に対しても、
高い反応率と選択率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流動層反応装置の一例を示す摸式図
【図2】流動制限部材となる隔壁の一例を示す図
【図3】上部室側のガス分散器の一例を示す図
【図4】別実施形態である流動層反応装置の一例を示す
摸式図
【符号の説明】
1 反応塔 2 隔壁(流動制限部材) 3 下部室(低温流動層) 4 上部室(高温流動層) 5,6 ガス分散器 7,8 導入管 9,10 予熱器 11 流量調節弁 12 フリーボード 13 サイクロン捕集器 14 ガス排出管 15 冷却管 16 冷却水導入管 17 冷却水排出管 18 マノメーター 19 多孔板 20 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G070 AA01 AA05 AB04 AB06 BA02 BA10 BB34 CA01 CA09 CA13 CA16 CA18 CA19 CA25 CA26 CB02 CB17 CC02 CC03 CC06 CC11 CC12 CC20 DA21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒粒子の流動層を形成しつつ反応原料
    を供給して、触媒反応により反応生成物を得る流動層反
    応装置において、 前記流動層の何れかの位置に前記触媒粒子の流動を制限
    する流動制限部材を設けると共に、その流動制限部材の
    一方側を主に触媒反応を行う高温流動層とし、他方側を
    主に流動層の冷却を行う低温流動層としてあることを特
    徴とする流動層反応装置。
  2. 【請求項2】 前記流動制限部材は、前記触媒粒子が通
    過できる開口を有し、塔内部を上部室と下部室とに仕切
    る少なくとも一つの隔壁であり、 前記下部室には冷却機構を設けると共に、その下部室の
    下側には前記低温流動層を形成すべく前記反応原料の一
    部及び/又は不活性ガスの供給部を設け、 前記上部室には前記下部室からのガスとともに前記高温
    流動層を形成すべく、少なくとも残部の反応原料の供給
    部を設けてある請求項1記載の流動層反応装置。
  3. 【請求項3】 前記触媒反応が、高活性の触媒粒子を用
    いた所要見掛接触時間0.2〜4秒の発熱反応である請
    求項1又は2記載の流動層反応装置。
  4. 【請求項4】 前記下部室下側の供給部が、2種以上で
    構成される反応原料の1種を供給するものである請求項
    2又は3記載の流動層反応装置。
  5. 【請求項5】 前記高温流動層と前記低温流動層の温度
    差が、10℃以上である請求項1〜4のいずれかに記載
    の流動層反応装置。
  6. 【請求項6】 前記隔壁が水平な多孔板状物であり、流
    動層の断面積に対する前記開口の面積比率が5〜80%
    である請求項2〜5のいずれかに記載の流動層反応装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の流動層
    反応装置を用いて、重量平均径が25〜250μm、嵩
    密度が0.3〜1.5g/cm3 、実質的に球状である
    ような微粉状の触媒粒子を、前記高温流動層のガス空塔
    速度0.1〜1.5m/sで流動化させる流動層反応方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007167846A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Inst Fr Petrole 2つの流動反応帯域を一体型の気/固分離システムと共に有する新しい反応器
KR100937373B1 (ko) 2008-02-14 2010-01-20 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 유동층 반응기의 온도 제어 방법
JP2012214634A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Osaka Gas Co Ltd 水熱ガス化反応器

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