JP2000068054A - El素子の製造方法 - Google Patents
El素子の製造方法Info
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Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機EL材料を劣化させることなく、ストラ
イプ状の背面電極を容易に形成すること。 【解決手段】 ガラスや樹脂等の透明な基板12の表面
に透明な電極材料により所定のピッチでストライプ状と
なるように透明電極14を形成し、この透明電極14に
EL材料からなる発光層16を蒸着等の真空薄膜形成技
術により積層する。ここで、予め所定の伸びのストレス
が加えられた状態の単繊維形状の樹脂線状材料22を、
所定の開口部を有したフレーム18のその開口部に等間
隔で平行に配列し固定してマスクフレーム24を形成す
る。背面電極28を形成する際に、マスクフレーム24
の樹脂線状材料22を基板12の面に対面させ、樹脂線
状材料22を介して基板12の面に真空薄膜形成技術に
より背面電極材料を付着させる。そして、マスクフレー
ム24の樹脂線状材料22を取り除いて、ストライプ状
の背面電極28を形成する。
イプ状の背面電極を容易に形成すること。 【解決手段】 ガラスや樹脂等の透明な基板12の表面
に透明な電極材料により所定のピッチでストライプ状と
なるように透明電極14を形成し、この透明電極14に
EL材料からなる発光層16を蒸着等の真空薄膜形成技
術により積層する。ここで、予め所定の伸びのストレス
が加えられた状態の単繊維形状の樹脂線状材料22を、
所定の開口部を有したフレーム18のその開口部に等間
隔で平行に配列し固定してマスクフレーム24を形成す
る。背面電極28を形成する際に、マスクフレーム24
の樹脂線状材料22を基板12の面に対面させ、樹脂線
状材料22を介して基板12の面に真空薄膜形成技術に
より背面電極材料を付着させる。そして、マスクフレー
ム24の樹脂線状材料22を取り除いて、ストライプ状
の背面電極28を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、平面光源やディ
スプレイ、その他所定のパターン等の発光表示に用いら
れるチップ状のEL素子の製造方法に関する。
スプレイ、その他所定のパターン等の発光表示に用いら
れるチップ状のEL素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機EL(エレクトルミネッセン
ス)素子は、図4に示すように、ガラス等からなる透明
な基板1に、透光性のITO膜を一面に形成し、所定の
ストライプ状にエッチングして透明電極2を形成してい
た。そして、透明電極2の全面に、図4(a)に示すよ
うに、レジスト材料3を塗布し、このレジスト材料3の
表面に透明電極2と略直交するストライプ状のレジスト
用パターンを配置し、露光し現像する。
ス)素子は、図4に示すように、ガラス等からなる透明
な基板1に、透光性のITO膜を一面に形成し、所定の
ストライプ状にエッチングして透明電極2を形成してい
た。そして、透明電極2の全面に、図4(a)に示すよ
うに、レジスト材料3を塗布し、このレジスト材料3の
表面に透明電極2と略直交するストライプ状のレジスト
用パターンを配置し、露光し現像する。
【0003】次に不要な部分のレジスト材料3を化学処
理により除去する。このときレジスト材料3の表面付近
は露光により固くなるが、透明電極2付近のレジスト材
料3は柔らかいため溶けやすく、図4(b)に示すよう
に、断面が略逆三角形のレジストパターン4が形成され
る。
理により除去する。このときレジスト材料3の表面付近
は露光により固くなるが、透明電極2付近のレジスト材
料3は柔らかいため溶けやすく、図4(b)に示すよう
に、断面が略逆三角形のレジストパターン4が形成され
る。
【0004】次に図4(c)に示すように、透明電極2
及びレジストパターン4の表面に有機EL材料5を全面
蒸着により薄膜として設け、レジストパターン4間の透
明電極2上に発光層6を形成する。さらに発光層6の表
面及びレジストパターン4上の有機EL材料5の表面に
蒸着等により背面電極材料7を設け、レジストパターン
4間に背面電極8を形成する。
及びレジストパターン4の表面に有機EL材料5を全面
蒸着により薄膜として設け、レジストパターン4間の透
明電極2上に発光層6を形成する。さらに発光層6の表
面及びレジストパターン4上の有機EL材料5の表面に
蒸着等により背面電極材料7を設け、レジストパターン
4間に背面電極8を形成する。
【0005】このとき、レジストパターン4の逆三角形
の底面と透明電極2間に設けられた影の部分9には、蒸
着等による有機EL材料5及び背面電極材料7は付着し
ないことから、レジストパターン4による陰の部分9を
挟んで、隣接する各発光層6と背面電極8は互いに絶縁
される。これにより、背面電極8は、透明電極2と対向
し、略直交するストライプ状に形成される。
の底面と透明電極2間に設けられた影の部分9には、蒸
着等による有機EL材料5及び背面電極材料7は付着し
ないことから、レジストパターン4による陰の部分9を
挟んで、隣接する各発光層6と背面電極8は互いに絶縁
される。これにより、背面電極8は、透明電極2と対向
し、略直交するストライプ状に形成される。
【0006】ここで、有機EL材料5は、トリフェニル
アミン誘導体(TPD)等のホール輸送材料と、発光材
料であるアルミキレート錯体(Alq3)等の電子輸送
材料からなる。発光層6は、ホール輸送材料の上に電子
輸送材料を積層したものや、これらの混合層からなる。
また、背面電極材料7は、Al、Li、Ag、Mg、I
n等の金属またはこれらの合金からなる。
アミン誘導体(TPD)等のホール輸送材料と、発光材
料であるアルミキレート錯体(Alq3)等の電子輸送
材料からなる。発光層6は、ホール輸送材料の上に電子
輸送材料を積層したものや、これらの混合層からなる。
また、背面電極材料7は、Al、Li、Ag、Mg、I
n等の金属またはこれらの合金からなる。
【0007】次に、レジストパターン4と、この表面に
積層された有機EL材料5及び背面電極材料7を除去
し、図4(d)に示すように、基板1上に透明電極2、
発光層6、背面電極8からなる発光部を形成する。
積層された有機EL材料5及び背面電極材料7を除去
し、図4(d)に示すように、基板1上に透明電極2、
発光層6、背面電極8からなる発光部を形成する。
【0008】このようにして形成された発光部は、透明
電極2と背面電極8との間の所定の交点に所定の電流を
流して発光層が発光する、いわゆるドットマトリックス
方式により駆動される。
電極2と背面電極8との間の所定の交点に所定の電流を
流して発光層が発光する、いわゆるドットマトリックス
方式により駆動される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場
合、発光層の有機EL材料は化学的に脆弱な材料であ
り、特に水分の存在下や70℃を越える熱に対し、容易
に劣化するため、エッチング等によるパターン化が極め
て難しかった。
合、発光層の有機EL材料は化学的に脆弱な材料であ
り、特に水分の存在下や70℃を越える熱に対し、容易
に劣化するため、エッチング等によるパターン化が極め
て難しかった。
【0010】また透明電極2の全面に塗布されるレジス
ト材料3は厚さが厚く、さらに断面が略逆三角形状のレ
ジストパターン4を形成するには、露光によるパターニ
ング、エッチング等の化学処理、及び洗浄等の工程が複
雑で、多くの労力と時間を必要とするため製造コストを
抑えることが難しかった。特にエッチング後の洗浄は、
レジストパターン4の影の部分9に化学物質が残りやす
いので、十分に行う必要があった。
ト材料3は厚さが厚く、さらに断面が略逆三角形状のレ
ジストパターン4を形成するには、露光によるパターニ
ング、エッチング等の化学処理、及び洗浄等の工程が複
雑で、多くの労力と時間を必要とするため製造コストを
抑えることが難しかった。特にエッチング後の洗浄は、
レジストパターン4の影の部分9に化学物質が残りやす
いので、十分に行う必要があった。
【0011】さらに背面電極8を形成する際、レジスト
パターン4の影の部分9に背面電極材料7が付着しない
ようにするため、背面電極材料7の蒸着方向は基板1面
とほぼ垂直な方向に限定された。このため背面電極材料
7の蒸着には、通常用いられる基板回転等の技法を用い
ることができなかった。また大きな面積を有した基板1
においては、放射状に広がる蒸着源が使用できないた
め、蒸着源を多点化するか、あるいは基板1を移動させ
て小面積の蒸着を繰り返し行う等の処理が必要となり、
非常に面倒なものであった。
パターン4の影の部分9に背面電極材料7が付着しない
ようにするため、背面電極材料7の蒸着方向は基板1面
とほぼ垂直な方向に限定された。このため背面電極材料
7の蒸着には、通常用いられる基板回転等の技法を用い
ることができなかった。また大きな面積を有した基板1
においては、放射状に広がる蒸着源が使用できないた
め、蒸着源を多点化するか、あるいは基板1を移動させ
て小面積の蒸着を繰り返し行う等の処理が必要となり、
非常に面倒なものであった。
【0012】一方、背面電極8を形成する他の方法とし
て、エッチング用のマスクに細線を等間隔で平行に配置
して固定したマスクを用いるものがある。このマスクの
細線が透明電極2と略直交するように設け、エッチング
により背面電極8を形成する場合は、マスクの平行な細
線の形成が難しく、さらにマスクの細線に引張力が十分
に働かないため、マスク細線の中央部付近で細線がたる
んだり、平行な間隔が不揃いになる等の問題点を有して
いた。
て、エッチング用のマスクに細線を等間隔で平行に配置
して固定したマスクを用いるものがある。このマスクの
細線が透明電極2と略直交するように設け、エッチング
により背面電極8を形成する場合は、マスクの平行な細
線の形成が難しく、さらにマスクの細線に引張力が十分
に働かないため、マスク細線の中央部付近で細線がたる
んだり、平行な間隔が不揃いになる等の問題点を有して
いた。
【0013】また、マスクに金属ワイヤを用いた場合、
塑性変形により金属ワイヤに巻癖が残っており、これを
張力で消すには大きな力を必要とし、さらにこの巻癖及
びそれをとるための張力によりフレームに歪みが生じ、
フレームの平面度を得ることが難しかった。また金属ワ
イヤーをフレームに取り付ける際、固定するには大きな
力をかけてクランプする必要があり、このことも歪みが
生じる原因の一つとされていた。
塑性変形により金属ワイヤに巻癖が残っており、これを
張力で消すには大きな力を必要とし、さらにこの巻癖及
びそれをとるための張力によりフレームに歪みが生じ、
フレームの平面度を得ることが難しかった。また金属ワ
イヤーをフレームに取り付ける際、固定するには大きな
力をかけてクランプする必要があり、このことも歪みが
生じる原因の一つとされていた。
【0014】この発明は上記従来の技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、有機EL材料を劣化させること
なく、ストライプ状の背面電極を容易に形成することが
可能なEL素子の製造方法を提供することを目的とした
ものである。
てなされたものであり、有機EL材料を劣化させること
なく、ストライプ状の背面電極を容易に形成することが
可能なEL素子の製造方法を提供することを目的とした
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明のEL素子の製
造方法は、ガラスや樹脂等の透明な基板表面に透明な電
極材料により所定のピッチでストライプ状となるように
透明電極を形成し、この透明電極にEL材料からなる発
光層を蒸着等の真空薄膜形成技術により積層し、上記発
光層の表面に、上記透明電極に対向し、直交する方向に
ストライプ状に所定のピッチにAl−Li等の背面電極
を形成するEL素子の製造方法である。まず、予め所定
の伸びのストレスが加えられた状態の単繊維形状の樹脂
線状材料を、所定の開口部を有したフレームのその開口
部に等間隔で平行に配列し固定してマスクフレームを形
成し、上記背面電極を形成する際に、上記マスクフレー
ムの上記樹脂線状材料を上記基板面に対面させ、上記樹
脂線状材料を介して上記基板面に真空薄膜形成技術によ
り背面電極材料を付着させ、上記マスクフレームの上記
樹脂線状材料を取り除いてストライプ状の上記背面電極
を形成するEL素子の製造方法である。
造方法は、ガラスや樹脂等の透明な基板表面に透明な電
極材料により所定のピッチでストライプ状となるように
透明電極を形成し、この透明電極にEL材料からなる発
光層を蒸着等の真空薄膜形成技術により積層し、上記発
光層の表面に、上記透明電極に対向し、直交する方向に
ストライプ状に所定のピッチにAl−Li等の背面電極
を形成するEL素子の製造方法である。まず、予め所定
の伸びのストレスが加えられた状態の単繊維形状の樹脂
線状材料を、所定の開口部を有したフレームのその開口
部に等間隔で平行に配列し固定してマスクフレームを形
成し、上記背面電極を形成する際に、上記マスクフレー
ムの上記樹脂線状材料を上記基板面に対面させ、上記樹
脂線状材料を介して上記基板面に真空薄膜形成技術によ
り背面電極材料を付着させ、上記マスクフレームの上記
樹脂線状材料を取り除いてストライプ状の上記背面電極
を形成するEL素子の製造方法である。
【0016】また、上記マスクフレームは、上記透明電
極形成面全面に上記発光層を形成した後、この発光層に
対面させて配置し、上記透明電極と上記線状材料が略直
交するように位置させ、真空薄膜形成技術により背面電
極材料を設けるEL素子の製造方法である。上記線状材
料は、イミド系樹脂の単繊維であり、接着剤で上記フレ
ームに固定するものである。
極形成面全面に上記発光層を形成した後、この発光層に
対面させて配置し、上記透明電極と上記線状材料が略直
交するように位置させ、真空薄膜形成技術により背面電
極材料を設けるEL素子の製造方法である。上記線状材
料は、イミド系樹脂の単繊維であり、接着剤で上記フレ
ームに固定するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面に基づいて説明する。この実施形態の有機EL素
子10は、ガラスや石英、樹脂等の透明な基板12の一
方の表面に、ITO等の透明な電極材料による透明電極
14が形成されている。この透明電極14は、所定のピ
ッチでストライプ状に形成されている。また透明電極1
4の表面には、500Å程度のホール輸送材料、及び5
00Å程度の電子輸送材料、その他発光材料によるEL
材料からなる発光層16が積層されている。そして発光
層16の表面には、Liを0.01〜0.05%程度含
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料による背面電極28が、適宜の500Å〜
1000Å程度の厚みで積層されている。この背面電極
28は、透明電極14と直交して対向し、ストライプ状
に形成されている。これら基板12上に積層された透明
電極14から背面電極28までが発光部を形成する。
て図面に基づいて説明する。この実施形態の有機EL素
子10は、ガラスや石英、樹脂等の透明な基板12の一
方の表面に、ITO等の透明な電極材料による透明電極
14が形成されている。この透明電極14は、所定のピ
ッチでストライプ状に形成されている。また透明電極1
4の表面には、500Å程度のホール輸送材料、及び5
00Å程度の電子輸送材料、その他発光材料によるEL
材料からなる発光層16が積層されている。そして発光
層16の表面には、Liを0.01〜0.05%程度含
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料による背面電極28が、適宜の500Å〜
1000Å程度の厚みで積層されている。この背面電極
28は、透明電極14と直交して対向し、ストライプ状
に形成されている。これら基板12上に積層された透明
電極14から背面電極28までが発光部を形成する。
【0018】ここで発光層16は、母胎材料のうちホー
ル輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体(TP
D)、ヒドラゾン誘導体、アリールアミン誘導体等があ
る。一方、電子輸送材料としては、アルミキレート錯体
(Alq3)、ジスチリルビフェニル誘導体(DPVB
i)、オキサジアゾール誘導体、ビスチリルアントラセ
ン誘導体、ベンゾオキサゾールチオフェン誘導体、ペリ
レン類、チアゾール類等を用いる。さらに適宜の発光材
料を混合してもよく、ホール輸送材料と電子輸送材料を
混合した発光層を形成してもよく、その場合、ホール輸
送材料と電子輸送材料の比は、10:90乃至90:1
0の範囲で適宜変更可能である。
ル輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体(TP
D)、ヒドラゾン誘導体、アリールアミン誘導体等があ
る。一方、電子輸送材料としては、アルミキレート錯体
(Alq3)、ジスチリルビフェニル誘導体(DPVB
i)、オキサジアゾール誘導体、ビスチリルアントラセ
ン誘導体、ベンゾオキサゾールチオフェン誘導体、ペリ
レン類、チアゾール類等を用いる。さらに適宜の発光材
料を混合してもよく、ホール輸送材料と電子輸送材料を
混合した発光層を形成してもよく、その場合、ホール輸
送材料と電子輸送材料の比は、10:90乃至90:1
0の範囲で適宜変更可能である。
【0019】さらに少なくとも発光部の全面を覆うよう
に、図示しない撥水膜や保護膜が形成されている。これ
らの材料はEL材料と反応せず、硬化する際に変形や縮
小等の機械的ストレスを与えることがない材料であれば
よく、また発光部20の耐熱性が高くないので、硬化等
に際して100℃以下で付着可能な材料であることが望
ましい。従って樹脂材料は、常温硬化型あるいはUV硬
化型の樹脂で、気密性が高い材料からなり、透光性、透
気性、含水性を有しないものがよい。
に、図示しない撥水膜や保護膜が形成されている。これ
らの材料はEL材料と反応せず、硬化する際に変形や縮
小等の機械的ストレスを与えることがない材料であれば
よく、また発光部20の耐熱性が高くないので、硬化等
に際して100℃以下で付着可能な材料であることが望
ましい。従って樹脂材料は、常温硬化型あるいはUV硬
化型の樹脂で、気密性が高い材料からなり、透光性、透
気性、含水性を有しないものがよい。
【0020】図1(a)〜図1(c)は、この発明のE
L素子の一実施形態とその製造工程を示す。この実施形
態のEL素子の製造方法は、ガラスや石英、樹脂等の透
明な基板12の表面全面に、ITO等の透明な電極材料
を蒸着等により設け、この表面にレジストを塗布し、所
定のピッチを有するストライプ状のパターンを重ねる。
次に露光、現像してストライプ状のパターンに対応した
形状にレジストを残す。そして透明な電極材料をエッチ
ング処理し、所望のストライプ状の透明電極14を形成
する。
L素子の一実施形態とその製造工程を示す。この実施形
態のEL素子の製造方法は、ガラスや石英、樹脂等の透
明な基板12の表面全面に、ITO等の透明な電極材料
を蒸着等により設け、この表面にレジストを塗布し、所
定のピッチを有するストライプ状のパターンを重ねる。
次に露光、現像してストライプ状のパターンに対応した
形状にレジストを残す。そして透明な電極材料をエッチ
ング処理し、所望のストライプ状の透明電極14を形成
する。
【0021】次に透明電極14の表面に、例えばEL材
料としてTPD等のホール輸送材料からなるホール輸送
層、Alq3等の電子輸送材料からなる電子輸送層やそ
の他発光材料からなる層を、真空蒸着やスパッタリン
グ、その他真空薄膜形成技術により積層し、発光層16
を形成する。
料としてTPD等のホール輸送材料からなるホール輸送
層、Alq3等の電子輸送材料からなる電子輸送層やそ
の他発光材料からなる層を、真空蒸着やスパッタリン
グ、その他真空薄膜形成技術により積層し、発光層16
を形成する。
【0022】蒸着条件として、例えば、真空度が6×1
0−6Torrで、EL材料の場合50Å/secの蒸
着速度で成膜させる。また発光層14等は、フラッシュ
蒸着により形成してもよい。フラッシュ蒸着法は、予め
所定の比率で混合したEL材料を、300℃〜600℃
好ましくは400℃〜500℃に加熱した蒸着源に落下
させ、EL材料を一気に蒸発させるものである。またそ
のEL材料を容器中に収容し、急速にその容器を加熱
し、一気に蒸着させるものでもよい。
0−6Torrで、EL材料の場合50Å/secの蒸
着速度で成膜させる。また発光層14等は、フラッシュ
蒸着により形成してもよい。フラッシュ蒸着法は、予め
所定の比率で混合したEL材料を、300℃〜600℃
好ましくは400℃〜500℃に加熱した蒸着源に落下
させ、EL材料を一気に蒸発させるものである。またそ
のEL材料を容器中に収容し、急速にその容器を加熱
し、一気に蒸着させるものでもよい。
【0023】次に背面電極28の蒸着に際して、ステン
レス等の合金や金属、樹脂等の変形しにくい材料からな
る矩形の環状のフレーム18の表面に、ストライプ状の
マスク22を設ける。マスク22は、ポリイミド系のア
ラミド繊維などの耐熱性のある樹脂線状材料である単繊
維を等間隔にフレーム18の開口部に配置したものであ
る。この単繊維は、例えば直径が約70μmで、0.5
mm程度のピッチで等間隔にフレーム18の開口部に配
置させた後、長手方向に約3%伸張し所定の張力を付与
したものである。フレーム18との固定部は、単繊維を
接着剤20を介して、予め所定の治具により等間隔で平
行に配置し、例えば約3%伸張した状態の単繊維をフレ
ーム18に接着固定し、図2に示すようなマスクフレー
ム24を形成する。単繊維によるマスク22は、接着剤
20の厚みにより高さ、及び位置がずれないように各単
繊維に対して平行にスキージを当て平面化する。
レス等の合金や金属、樹脂等の変形しにくい材料からな
る矩形の環状のフレーム18の表面に、ストライプ状の
マスク22を設ける。マスク22は、ポリイミド系のア
ラミド繊維などの耐熱性のある樹脂線状材料である単繊
維を等間隔にフレーム18の開口部に配置したものであ
る。この単繊維は、例えば直径が約70μmで、0.5
mm程度のピッチで等間隔にフレーム18の開口部に配
置させた後、長手方向に約3%伸張し所定の張力を付与
したものである。フレーム18との固定部は、単繊維を
接着剤20を介して、予め所定の治具により等間隔で平
行に配置し、例えば約3%伸張した状態の単繊維をフレ
ーム18に接着固定し、図2に示すようなマスクフレー
ム24を形成する。単繊維によるマスク22は、接着剤
20の厚みにより高さ、及び位置がずれないように各単
繊維に対して平行にスキージを当て平面化する。
【0024】フレーム18は、外形が基板12よりも大
きく、例えば、内側の開口部の空間の大きさは300×
300mm、フレーム18の外形の大きさは380×3
80mm程度の矩形状の枠で、マスク22を形成する単
繊維を接着する表面は平坦な面である。
きく、例えば、内側の開口部の空間の大きさは300×
300mm、フレーム18の外形の大きさは380×3
80mm程度の矩形状の枠で、マスク22を形成する単
繊維を接着する表面は平坦な面である。
【0025】また接着剤は、流動性に優れ、フレーム1
8に均一な厚さで塗布することができ、またマスク22
の単繊維とフレーム18を確実に接着固定するもので、
30分程度で硬化することが望ましい。
8に均一な厚さで塗布することができ、またマスク22
の単繊維とフレーム18を確実に接着固定するもので、
30分程度で硬化することが望ましい。
【0026】マスク22の単繊維は、例えば直径が約7
0μmの繊維で、0.5mm程度のピッチで等間隔にフ
レーム18の開口部に配置した後、長手方向に約3%伸
張したものである。
0μmの繊維で、0.5mm程度のピッチで等間隔にフ
レーム18の開口部に配置した後、長手方向に約3%伸
張したものである。
【0027】次に基板12上に、単繊維によるマスク2
2を形成したマスクフレーム24を重ね合わせ、図1
(a)に示すようにマスク22の単繊維の長手方向とス
トライプ状の透明電極14のストライプ方向が直交する
ように、発光層16上にマスク22を重ね合わせる。ま
たこのときマスクフレーム24は、図3に示すように、
基板12に対して蒸着源側に位置し、マスク22が発光
層16に押し当てられた状態とする。
2を形成したマスクフレーム24を重ね合わせ、図1
(a)に示すようにマスク22の単繊維の長手方向とス
トライプ状の透明電極14のストライプ方向が直交する
ように、発光層16上にマスク22を重ね合わせる。ま
たこのときマスクフレーム24は、図3に示すように、
基板12に対して蒸着源側に位置し、マスク22が発光
層16に押し当てられた状態とする。
【0028】次に、Liを0.01〜0.05%程度含
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料からなる背面電極材料26を、発光層16
及びマスク22の表面に真空蒸着等の真空薄膜形成技術
により図1(b)に示すように設ける。このときマスク
22間の発光層16上には均一の厚さの背面電極材料2
6が形成される。
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料からなる背面電極材料26を、発光層16
及びマスク22の表面に真空蒸着等の真空薄膜形成技術
により図1(b)に示すように設ける。このときマスク
22間の発光層16上には均一の厚さの背面電極材料2
6が形成される。
【0029】その後マスクフレーム24を基板12から
取り外し、図1(c)に示すように、隣接する背面電極
28が、マスク22による領域によって互いに絶縁され
たストライプ状に形成される。
取り外し、図1(c)に示すように、隣接する背面電極
28が、マスク22による領域によって互いに絶縁され
たストライプ状に形成される。
【0030】マスクフレーム24のマスク22は、およ
そ20回程度繰り返し使用することができ、それ以後は
マスク22の単繊維と接着剤20を除去し、上記と同様
の方法でフレーム18に新しい単繊維を接着してマスク
22を設ける。
そ20回程度繰り返し使用することができ、それ以後は
マスク22の単繊維と接着剤20を除去し、上記と同様
の方法でフレーム18に新しい単繊維を接着してマスク
22を設ける。
【0031】この後、発光層16と背面電極28の全面
に、図示しないSiO等の絶縁性の保護膜等を、真空蒸
着やスパッタリング、その他真空薄膜形成技術により形
成してもよい。さらに、撥水膜や樹脂の保護膜等を設け
てもよい。
に、図示しないSiO等の絶縁性の保護膜等を、真空蒸
着やスパッタリング、その他真空薄膜形成技術により形
成してもよい。さらに、撥水膜や樹脂の保護膜等を設け
てもよい。
【0032】この実施形態のEL素子の製造方法によれ
ば、樹脂系の単繊維のマスクフレーム24を用いて背面
電極28を形成することにより、製造工程が少なく簡単
なものとなった。またマスクフレーム24のマスク22
に耐熱性の単繊維を用いることにより、巻癖がないこと
から、通常の接着剤20でフレーム18に固定すること
が可能である。さらに背面電極材料26の蒸着時に生じ
るマスク22の熱膨張によるたわみは、予め伸びたスト
レスを加えているため吸収され、発光層16への密着性
や平行性が失われることもない。
ば、樹脂系の単繊維のマスクフレーム24を用いて背面
電極28を形成することにより、製造工程が少なく簡単
なものとなった。またマスクフレーム24のマスク22
に耐熱性の単繊維を用いることにより、巻癖がないこと
から、通常の接着剤20でフレーム18に固定すること
が可能である。さらに背面電極材料26の蒸着時に生じ
るマスク22の熱膨張によるたわみは、予め伸びたスト
レスを加えているため吸収され、発光層16への密着性
や平行性が失われることもない。
【0033】なおこの発明のEL素子の製造方法は、上
記実施形態に限定されるものではなく、マスクの本数や
間隔、大きさは透明電極等に対応させて適宜設定するこ
とができる。またフレームの形状は基板よりも大きな内
部空間を有し、マスクにより歪みが生じないものであれ
ばよく、また接着剤以外の材料を用いてフレームに固定
してもよい。また背面電極は、Al、Li、Ag、M
g、In等の金属またはこれらの合金を用いるよい。
記実施形態に限定されるものではなく、マスクの本数や
間隔、大きさは透明電極等に対応させて適宜設定するこ
とができる。またフレームの形状は基板よりも大きな内
部空間を有し、マスクにより歪みが生じないものであれ
ばよく、また接着剤以外の材料を用いてフレームに固定
してもよい。また背面電極は、Al、Li、Ag、M
g、In等の金属またはこれらの合金を用いるよい。
【0034】
【発明の効果】この発明のEL素子の製造方法によれ
ば、フレームのマスクに単繊維形状の樹脂系材料を用い
ているので、製造途中でたるみよじれが発生せず、しか
もフレームに変形を生じさせるような張力を必要とせ
ず、等間隔で互いに平行なストライプ状のマスクを形成
することができ、良好な背面電極を形成することができ
る。
ば、フレームのマスクに単繊維形状の樹脂系材料を用い
ているので、製造途中でたるみよじれが発生せず、しか
もフレームに変形を生じさせるような張力を必要とせ
ず、等間隔で互いに平行なストライプ状のマスクを形成
することができ、良好な背面電極を形成することができ
る。
【図1】この発明の一実施形態のEL素子の製造工程
(a)〜(c)を示す断面図である。
(a)〜(c)を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施形態のマスクフレームを示す
平面図である。
平面図である。
【図3】この発明の一実施形態の基板上の発光層にマス
クフレームを取り付けた状態を示す断面図である。
クフレームを取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】従来のEL素子の製造工程(a)〜(d)を示
す断面図である。
す断面図である。
12 基板 14 透明電極 16 発光層 18 フレーム 20 接着剤 22 マスク 24 マスクフレーム 26 背面電極材料 28 背面電極
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月21日(1998.9.2
1)
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 EL素子の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、平面光源やディ
スプレイ、その他所定のパターン等の発光表示に用いら
れるEL素子の製造方法に関する。
スプレイ、その他所定のパターン等の発光表示に用いら
れるEL素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機EL(エレクトルミネッセン
ス)素子は、図4に示すように、ガラス等からなる透明
な基板1に、透光性のITO膜を一面に形成し、所定の
ストライプ状にエッチングして透明電極2を形成してい
た。そして、透明電極2の全面に、図4(a)に示すよ
うに、レジスト材料3を塗布し、このレジスト材料3の
表面に透明電極2と略直交するストライプ状のレジスト
用パターンを配置し、露光し現像する。
ス)素子は、図4に示すように、ガラス等からなる透明
な基板1に、透光性のITO膜を一面に形成し、所定の
ストライプ状にエッチングして透明電極2を形成してい
た。そして、透明電極2の全面に、図4(a)に示すよ
うに、レジスト材料3を塗布し、このレジスト材料3の
表面に透明電極2と略直交するストライプ状のレジスト
用パターンを配置し、露光し現像する。
【0003】次に不要な部分のレジスト材料3を化学処
理により除去する。このときレジスト材料3の表面付近
は露光により固くなるが、透明電極2付近のレジスト材
料3は柔らかいため溶けやすく、図4(b)に示すよう
に、断面が略逆三角形のレジストパターン4が形成され
る。
理により除去する。このときレジスト材料3の表面付近
は露光により固くなるが、透明電極2付近のレジスト材
料3は柔らかいため溶けやすく、図4(b)に示すよう
に、断面が略逆三角形のレジストパターン4が形成され
る。
【0004】次に図4(c)に示すように、透明電極2
及びレジストパターン4の表面に有機EL材料5を全面
蒸着により薄膜として設け、レジストパターン4間の透
明電極2上に発光層6を形成する。さらに発光層6の表
面及びレジストパターン4上の有機EL材料5の表面に
蒸着等により背面電極材料7を設け、レジストパターン
4間に背面電極8を形成する。
及びレジストパターン4の表面に有機EL材料5を全面
蒸着により薄膜として設け、レジストパターン4間の透
明電極2上に発光層6を形成する。さらに発光層6の表
面及びレジストパターン4上の有機EL材料5の表面に
蒸着等により背面電極材料7を設け、レジストパターン
4間に背面電極8を形成する。
【0005】このとき、レジストパターン4の逆三角形
の底面と透明電極2間に設けられた影の部分9には、蒸
着等による有機EL材料5及び背面電極材料7は付着し
ないことから、レジストパターン4による陰の部分9を
挟んで、隣接する各発光層6と背面電極8は互いに絶縁
される。これにより、背面電極8は、透明電極2と対向
し、略直交するストライプ状に形成される。
の底面と透明電極2間に設けられた影の部分9には、蒸
着等による有機EL材料5及び背面電極材料7は付着し
ないことから、レジストパターン4による陰の部分9を
挟んで、隣接する各発光層6と背面電極8は互いに絶縁
される。これにより、背面電極8は、透明電極2と対向
し、略直交するストライプ状に形成される。
【0006】ここで、有機EL材料5は、トリフェニル
アミン誘導体(TPD)等のホール輸送材料と、発光材
料であるアルミキレート錯体(Alq3)等の電子輸送
材料からなる。発光層6は、ホール輸送材料の上に電子
輸送材料を積層したものや、これらの混合層からなる。
また、背面電極材料7は、Al、Li、Ag、Mg、I
n等の金属またはこれらの合金からなる。
アミン誘導体(TPD)等のホール輸送材料と、発光材
料であるアルミキレート錯体(Alq3)等の電子輸送
材料からなる。発光層6は、ホール輸送材料の上に電子
輸送材料を積層したものや、これらの混合層からなる。
また、背面電極材料7は、Al、Li、Ag、Mg、I
n等の金属またはこれらの合金からなる。
【0007】次に、レジストパターン4と、この表面に
積層された有機EL材料5及び背面電極材料7を除去
し、図4(d)に示すように、基板1上に透明電極2、
発光層6、背面電極8からなる発光部を形成する。
積層された有機EL材料5及び背面電極材料7を除去
し、図4(d)に示すように、基板1上に透明電極2、
発光層6、背面電極8からなる発光部を形成する。
【0008】このようにして形成された発光部は、透明
電極2と背面電極8との間の所定の交点に所定の電流を
流して発光層が発光する、いわゆるドットマトリックス
方式により駆動される。
電極2と背面電極8との間の所定の交点に所定の電流を
流して発光層が発光する、いわゆるドットマトリックス
方式により駆動される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場
合、発光層の有機EL材料は化学的に脆弱な材料であ
り、特に水分の存在下や70℃を越える熱に対し、容易
に劣化するため、エッチング等によるパターン化が極め
て難しかった。
合、発光層の有機EL材料は化学的に脆弱な材料であ
り、特に水分の存在下や70℃を越える熱に対し、容易
に劣化するため、エッチング等によるパターン化が極め
て難しかった。
【0010】また透明電極2の全面に塗布されるレジス
ト材料3は厚さが厚く、さらに断面が略逆三角形状のレ
ジストパターン4を形成するには、露光によるパターニ
ング、エッチング等の化学処理、及び洗浄等の工程が複
雑で、多くの労力と時間を必要とするため製造コストを
抑えることが難しかった。特にエッチング後の洗浄は、
レジストパターン4の影の部分9に化学物質が残りやす
いので、十分に行う必要があった。
ト材料3は厚さが厚く、さらに断面が略逆三角形状のレ
ジストパターン4を形成するには、露光によるパターニ
ング、エッチング等の化学処理、及び洗浄等の工程が複
雑で、多くの労力と時間を必要とするため製造コストを
抑えることが難しかった。特にエッチング後の洗浄は、
レジストパターン4の影の部分9に化学物質が残りやす
いので、十分に行う必要があった。
【0011】さらに背面電極8を形成する際、レジスト
パターン4の影の部分9に背面電極材料7が付着しない
ようにするため、背面電極材料7の蒸着方向は基板1面
とほぼ垂直な方向に限定された。このため背面電極材料
7の蒸着には、通常用いられる基板回転等の技法を用い
ることができなかった。また大きな面積を有した基板1
においては、放射状に広がる蒸着源が使用できないた
め、蒸着源を多点化するか、あるいは基板1を移動させ
て小面積の蒸着を繰り返し行う等の処理が必要となり、
非常に面倒なものであった。
パターン4の影の部分9に背面電極材料7が付着しない
ようにするため、背面電極材料7の蒸着方向は基板1面
とほぼ垂直な方向に限定された。このため背面電極材料
7の蒸着には、通常用いられる基板回転等の技法を用い
ることができなかった。また大きな面積を有した基板1
においては、放射状に広がる蒸着源が使用できないた
め、蒸着源を多点化するか、あるいは基板1を移動させ
て小面積の蒸着を繰り返し行う等の処理が必要となり、
非常に面倒なものであった。
【0012】一方、背面電極8を形成する他の方法とし
て、エッチング用のマスクに細線を等間隔で平行に配置
して固定したマスクを用いるものがある。このマスクの
細線が透明電極2と略直交するように設け、エッチング
により背面電極8を形成する場合は、マスクの平行な細
線の形成が難しく、さらにマスクの細線に引張力が十分
に働かないため、マスク細線の中央部付近で細線がたる
んだり、平行な間隔が不揃いになる等の問題点を有して
いた。
て、エッチング用のマスクに細線を等間隔で平行に配置
して固定したマスクを用いるものがある。このマスクの
細線が透明電極2と略直交するように設け、エッチング
により背面電極8を形成する場合は、マスクの平行な細
線の形成が難しく、さらにマスクの細線に引張力が十分
に働かないため、マスク細線の中央部付近で細線がたる
んだり、平行な間隔が不揃いになる等の問題点を有して
いた。
【0013】また、マスクに金属ワイヤを用いた場合、
塑性変形により金属ワイヤに巻癖が残っており、これを
張力で消すには大きな力を必要とし、さらにこの巻癖及
びそれをとるための張力によりフレームに歪みが生じ、
フレームの平面度を得ることが難しかった。また金属ワ
イヤーをフレームに取り付ける際、固定するには大きな
力をかけてクランプする必要があり、このことも歪みが
生じる原因の一つとされていた。
塑性変形により金属ワイヤに巻癖が残っており、これを
張力で消すには大きな力を必要とし、さらにこの巻癖及
びそれをとるための張力によりフレームに歪みが生じ、
フレームの平面度を得ることが難しかった。また金属ワ
イヤーをフレームに取り付ける際、固定するには大きな
力をかけてクランプする必要があり、このことも歪みが
生じる原因の一つとされていた。
【0014】この発明は上記従来の技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、有機EL材料を劣化させること
なく、ストライプ状の背面電極を容易に形成することが
可能なEL素子の製造方法を提供することを目的とした
ものである。
てなされたものであり、有機EL材料を劣化させること
なく、ストライプ状の背面電極を容易に形成することが
可能なEL素子の製造方法を提供することを目的とした
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明のEL素子の製
造方法は、ガラスや樹脂等の透明な基板表面に透明な電
極材料により所定のピッチでストライプ状となるように
透明電極を形成し、この透明電極にEL材料からなる発
光層を蒸着等の真空薄膜形成技術により積層し、上記発
光層の表面に、上記透明電極に対向し、直交する方向に
ストライプ状に所定のピッチでAl−Li等の背面電極
を形成するEL素子の製造方法である。まず、予め所定
の伸びのストレスが加えられた状態の単繊維の樹脂線状
材料を、所定の開口部を有したフレームのその開口部に
等間隔で平行に配列し固定してマスクフレームを形成
し、上記背面電極を形成する際に、上記マスクフレーム
の上記樹脂線状材料を上記基板面に対面させ、上記樹脂
線状材料を介して上記基板面に真空薄膜形成技術により
背面電極材料を付着させ、この後上記マスクフレームの
上記樹脂線状材料を取り除いてストライプ状の上記背面
電極を形成するEL素子の製造方法である。
造方法は、ガラスや樹脂等の透明な基板表面に透明な電
極材料により所定のピッチでストライプ状となるように
透明電極を形成し、この透明電極にEL材料からなる発
光層を蒸着等の真空薄膜形成技術により積層し、上記発
光層の表面に、上記透明電極に対向し、直交する方向に
ストライプ状に所定のピッチでAl−Li等の背面電極
を形成するEL素子の製造方法である。まず、予め所定
の伸びのストレスが加えられた状態の単繊維の樹脂線状
材料を、所定の開口部を有したフレームのその開口部に
等間隔で平行に配列し固定してマスクフレームを形成
し、上記背面電極を形成する際に、上記マスクフレーム
の上記樹脂線状材料を上記基板面に対面させ、上記樹脂
線状材料を介して上記基板面に真空薄膜形成技術により
背面電極材料を付着させ、この後上記マスクフレームの
上記樹脂線状材料を取り除いてストライプ状の上記背面
電極を形成するEL素子の製造方法である。
【0016】また、上記マスクフレームは、上記透明電
極形成面全面に上記発光層を形成した後、この発光層に
対面させて配置し、上記透明電極と上記線状材料が略直
交するように位置させ、真空薄膜形成技術により背面電
極材料を設けるEL素子の製造方法である。上記線状材
料は、イミド系樹脂の単繊維であり、接着剤で上記フレ
ームに固定するものである。
極形成面全面に上記発光層を形成した後、この発光層に
対面させて配置し、上記透明電極と上記線状材料が略直
交するように位置させ、真空薄膜形成技術により背面電
極材料を設けるEL素子の製造方法である。上記線状材
料は、イミド系樹脂の単繊維であり、接着剤で上記フレ
ームに固定するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面に基づいて説明する。この実施形態の有機EL素
子10は、ガラスや石英、樹脂等の透明な基板12の一
方の表面に、ITO等の透明な電極材料による透明電極
14が形成されている。この透明電極14は、所定のピ
ッチでストライプ状に形成されている。また透明電極1
4の表面には、500Å程度のホール輸送材料、及び5
00Å程度の電子輸送材料、その他発光材料によるEL
材料からなる発光層16が積層されている。そして発光
層16の表面には、Liを0.01〜0.05%程度含
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料による背面電極28が、適宜の500Å〜
1000Å程度の厚みで積層されている。この背面電極
28は、透明電極14と直交して対向し、ストライプ状
に形成されている。これら基板12上に積層された透明
電極14から背面電極28までが発光部を形成する。
て図面に基づいて説明する。この実施形態の有機EL素
子10は、ガラスや石英、樹脂等の透明な基板12の一
方の表面に、ITO等の透明な電極材料による透明電極
14が形成されている。この透明電極14は、所定のピ
ッチでストライプ状に形成されている。また透明電極1
4の表面には、500Å程度のホール輸送材料、及び5
00Å程度の電子輸送材料、その他発光材料によるEL
材料からなる発光層16が積層されている。そして発光
層16の表面には、Liを0.01〜0.05%程度含
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料による背面電極28が、適宜の500Å〜
1000Å程度の厚みで積層されている。この背面電極
28は、透明電極14と直交して対向し、ストライプ状
に形成されている。これら基板12上に積層された透明
電極14から背面電極28までが発光部を形成する。
【0018】ここで発光層16は、母胎材料のうちホー
ル輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体(TP
D)、ヒドラゾン誘導体、アリールアミン誘導体等があ
る。一方、電子輸送材料としては、アルミキレート錯体
(Alq3)、ジスチリルビフェニル誘導体(DPVB
i)、オキサジアゾール誘導体、ビスチリルアントラセ
ン誘導体、ベンゾオキサゾールチオフェン誘導体、ペリ
レン類、チアゾール類等を用いる。さらに適宜の発光材
料を混合してもよく、ホール輸送材料と電子輸送材料を
混合した発光層を形成してもよく、その場合、ホール輸
送材料と電子輸送材料の比は、10:90乃至90:1
0の範囲で適宜変更可能である。
ル輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体(TP
D)、ヒドラゾン誘導体、アリールアミン誘導体等があ
る。一方、電子輸送材料としては、アルミキレート錯体
(Alq3)、ジスチリルビフェニル誘導体(DPVB
i)、オキサジアゾール誘導体、ビスチリルアントラセ
ン誘導体、ベンゾオキサゾールチオフェン誘導体、ペリ
レン類、チアゾール類等を用いる。さらに適宜の発光材
料を混合してもよく、ホール輸送材料と電子輸送材料を
混合した発光層を形成してもよく、その場合、ホール輸
送材料と電子輸送材料の比は、10:90乃至90:1
0の範囲で適宜変更可能である。
【0019】さらに少なくとも発光部の全面を覆うよう
に、図示しない撥水膜や保護膜が形成されている。これ
らの材料はEL材料と反応せず、硬化する際に変形や縮
小等の機械的ストレスを与えることがない材料であれば
よく、また発光部20の耐熱性が高くないので、硬化等
に際して100℃以下で付着可能な材料であることが望
ましい。従って樹脂材料は、常温硬化型あるいはUV硬
化型の樹脂で、気密性が高い材料からなり、透光性、透
気性、含水性を有しないものがよい。
に、図示しない撥水膜や保護膜が形成されている。これ
らの材料はEL材料と反応せず、硬化する際に変形や縮
小等の機械的ストレスを与えることがない材料であれば
よく、また発光部20の耐熱性が高くないので、硬化等
に際して100℃以下で付着可能な材料であることが望
ましい。従って樹脂材料は、常温硬化型あるいはUV硬
化型の樹脂で、気密性が高い材料からなり、透光性、透
気性、含水性を有しないものがよい。
【0020】図1(a)〜図1(c)は、この発明のE
L素子の一実施形態とその製造工程を示す。この実施形
態のEL素子の製造方法は、ガラスや石英、樹脂等の透
明な基板12の表面全面に、ITO等の透明な電極材料
を蒸着等により設け、この表面にレジストを塗布し、所
定のピッチを有するストライプ状のパターンを重ねる。
次に露光、現像してストライプ状のパターンに対応した
形状にレジストを残す。そして透明な電極材料をエッチ
ング処理し、所望のストライプ状の透明電極14を形成
する。
L素子の一実施形態とその製造工程を示す。この実施形
態のEL素子の製造方法は、ガラスや石英、樹脂等の透
明な基板12の表面全面に、ITO等の透明な電極材料
を蒸着等により設け、この表面にレジストを塗布し、所
定のピッチを有するストライプ状のパターンを重ねる。
次に露光、現像してストライプ状のパターンに対応した
形状にレジストを残す。そして透明な電極材料をエッチ
ング処理し、所望のストライプ状の透明電極14を形成
する。
【0021】次に透明電極14の表面に、例えばEL材
料としてTPD等のホール輸送材料からなるホール輸送
層、Alq3等の電子輸送材料からなる電子輸送層やそ
の他発光材料からなる層を、真空蒸着やスパッタリン
グ、その他真空薄膜形成技術により積層し、発光層16
を形成する。
料としてTPD等のホール輸送材料からなるホール輸送
層、Alq3等の電子輸送材料からなる電子輸送層やそ
の他発光材料からなる層を、真空蒸着やスパッタリン
グ、その他真空薄膜形成技術により積層し、発光層16
を形成する。
【0022】蒸着条件として、例えば、真空度が6×1
0−6Torrで、EL材料の場合50Å/secの蒸
着速度で成膜させる。また発光層14等は、フラッシュ
蒸着により形成してもよい。フラッシュ蒸着法は、予め
所定の比率で混合したEL材料を、300℃〜600℃
好ましくは400℃〜500℃に加熱した蒸着源に落下
させ、EL材料を一気に蒸発させるものである。またそ
のEL材料を容器中に収容し、急速にその容器を加熱
し、一気に蒸着させるものでもよい。
0−6Torrで、EL材料の場合50Å/secの蒸
着速度で成膜させる。また発光層14等は、フラッシュ
蒸着により形成してもよい。フラッシュ蒸着法は、予め
所定の比率で混合したEL材料を、300℃〜600℃
好ましくは400℃〜500℃に加熱した蒸着源に落下
させ、EL材料を一気に蒸発させるものである。またそ
のEL材料を容器中に収容し、急速にその容器を加熱
し、一気に蒸着させるものでもよい。
【0023】次に背面電極28の蒸着に際して、ステン
レス等の合金や金属、樹脂等の変形しにくい材料からな
る矩形の環状のフレーム18の表面に、ストライプ状の
マスク22を設ける。マスク22は、ポリイミド系のア
ラミド繊維などの耐熱性のある樹脂線状材料である単繊
維を等間隔にフレーム18の開口部に配置したものであ
る。この単繊維は、例えば直径が約70μmで、0.5
mm程度のピッチで等間隔にフレーム18の開口部に配
置させた後、長手方向に約3%伸張し所定の張力を付与
したものである。フレーム18との固定部は、単繊維を
接着剤20を介して、予め所定の治具により等間隔で平
行に配置し、例えば約3%伸張した状態の単繊維をフレ
ーム18に接着固定し、図2に示すようなマスクフレー
ム24を形成する。単繊維によるマスク22は、接着剤
20の厚みにより高さ、及び位置がずれないように各単
繊維に対して平行にスキージを当て平面化する。
レス等の合金や金属、樹脂等の変形しにくい材料からな
る矩形の環状のフレーム18の表面に、ストライプ状の
マスク22を設ける。マスク22は、ポリイミド系のア
ラミド繊維などの耐熱性のある樹脂線状材料である単繊
維を等間隔にフレーム18の開口部に配置したものであ
る。この単繊維は、例えば直径が約70μmで、0.5
mm程度のピッチで等間隔にフレーム18の開口部に配
置させた後、長手方向に約3%伸張し所定の張力を付与
したものである。フレーム18との固定部は、単繊維を
接着剤20を介して、予め所定の治具により等間隔で平
行に配置し、例えば約3%伸張した状態の単繊維をフレ
ーム18に接着固定し、図2に示すようなマスクフレー
ム24を形成する。単繊維によるマスク22は、接着剤
20の厚みにより高さ、及び位置がずれないように各単
繊維に対して平行にスキージを当て平面化する。
【0024】フレーム18は、外形が基板12よりも大
きく、例えば、内側の開口部の空間の大きさは300×
300mm、フレーム18の外形の大きさは380×3
80mm程度の矩形状の枠で、マスク22を形成する単
繊維を接着する表面は平坦な面である。
きく、例えば、内側の開口部の空間の大きさは300×
300mm、フレーム18の外形の大きさは380×3
80mm程度の矩形状の枠で、マスク22を形成する単
繊維を接着する表面は平坦な面である。
【0025】また接着剤は、流動性に優れ、フレーム1
8に均一な厚さで塗布することができ、またマスク22
の単繊維とフレーム18を確実に接着固定するもので、
30分程度で硬化することが望ましい。
8に均一な厚さで塗布することができ、またマスク22
の単繊維とフレーム18を確実に接着固定するもので、
30分程度で硬化することが望ましい。
【0026】次に基板12上に、単繊維によるマスク2
2を形成したマスクフレーム24を重ね合わせ、図1
(a)に示すようにマスク22の単繊維の長手方向とス
トライプ状の透明電極14のストライプ方向が直交する
ように、発光層16上にマスク22を重ね合わせる。ま
たこのときマスクフレーム24は、図3に示すように、
基板12に対して蒸着源側に位置し、マスク22が発光
層16に押し当てられた状態とする。
2を形成したマスクフレーム24を重ね合わせ、図1
(a)に示すようにマスク22の単繊維の長手方向とス
トライプ状の透明電極14のストライプ方向が直交する
ように、発光層16上にマスク22を重ね合わせる。ま
たこのときマスクフレーム24は、図3に示すように、
基板12に対して蒸着源側に位置し、マスク22が発光
層16に押し当てられた状態とする。
【0027】次に、Liを0.01〜0.05%程度含
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料からなる背面電極材料26を、発光層16
及びマスク22の表面に真空蒸着等の真空薄膜形成技術
により図1(b)に示すように設ける。このときマスク
22間の発光層16上には均一の厚さの背面電極材料2
6が形成される。
む純度99%程度のAl−Li合金、その他Al−Mg
等の陰極材料からなる背面電極材料26を、発光層16
及びマスク22の表面に真空蒸着等の真空薄膜形成技術
により図1(b)に示すように設ける。このときマスク
22間の発光層16上には均一の厚さの背面電極材料2
6が形成される。
【0028】その後マスクフレーム24を基板12から
取り外し、図1(c)に示すように、隣接する背面電極
28が、マスク22による領域によって互いに絶縁され
たストライプ状に形成される。
取り外し、図1(c)に示すように、隣接する背面電極
28が、マスク22による領域によって互いに絶縁され
たストライプ状に形成される。
【0029】マスクフレーム24のマスク22は、およ
そ20回程度繰り返し使用することができ、それ以後は
マスク22の単繊維と接着剤20を除去し、上記と同様
の方法でフレーム18に新しい単繊維を接着してマスク
22を設ける。
そ20回程度繰り返し使用することができ、それ以後は
マスク22の単繊維と接着剤20を除去し、上記と同様
の方法でフレーム18に新しい単繊維を接着してマスク
22を設ける。
【0030】この後、発光層16と背面電極28の全面
に、図示しないSiO等の絶縁性の保護膜等を、真空蒸
着やスパッタリング、その他真空薄膜形成技術により形
成してもよい。さらに、撥水膜や樹脂の保護膜等を設け
てもよい。
に、図示しないSiO等の絶縁性の保護膜等を、真空蒸
着やスパッタリング、その他真空薄膜形成技術により形
成してもよい。さらに、撥水膜や樹脂の保護膜等を設け
てもよい。
【0031】この実施形態のEL素子の製造方法によれ
ば、樹脂系の単繊維のマスクフレーム24を用いて背面
電極28を形成することにより、製造工程が少なく簡単
なものとなった。またマスクフレーム24のマスク22
に耐熱性の単繊維を用いることにより、巻癖がないこと
から、通常の接着剤20でフレーム18に固定すること
が可能である。さらに背面電極材料26の蒸着時に生じ
るマスク22の熱膨張によるたわみは、予め伸びたスト
レスを加えているため吸収され、発光層16への密着性
や平行性が失われることもない。
ば、樹脂系の単繊維のマスクフレーム24を用いて背面
電極28を形成することにより、製造工程が少なく簡単
なものとなった。またマスクフレーム24のマスク22
に耐熱性の単繊維を用いることにより、巻癖がないこと
から、通常の接着剤20でフレーム18に固定すること
が可能である。さらに背面電極材料26の蒸着時に生じ
るマスク22の熱膨張によるたわみは、予め伸びたスト
レスを加えているため吸収され、発光層16への密着性
や平行性が失われることもない。
【0032】なおこの発明のEL素子の製造方法は、上
記実施形態に限定されるものではなく、マスクの本数や
間隔、大きさは透明電極等に対応させて適宜設定するこ
とができる。またフレームの形状は基板よりも大きな内
部空間を有し、マスクにより歪みが生じないものであれ
ばよく、また接着剤以外の材料を用いてフレームに固定
してもよい。また背面電極は、Al、Li、Ag、M
g、In等の金属またはこれらの合金を用いるよい。
記実施形態に限定されるものではなく、マスクの本数や
間隔、大きさは透明電極等に対応させて適宜設定するこ
とができる。またフレームの形状は基板よりも大きな内
部空間を有し、マスクにより歪みが生じないものであれ
ばよく、また接着剤以外の材料を用いてフレームに固定
してもよい。また背面電極は、Al、Li、Ag、M
g、In等の金属またはこれらの合金を用いるよい。
【0033】
【発明の効果】この発明のEL素子の製造方法によれ
ば、フレームのマスクに単繊維形状の樹脂系材料を用い
ているので、製造途中でたるみよじれが発生せず、しか
もフレームに変形を生じさせるような張力を必要とせ
ず、等間隔で互いに平行なストライプ状のマスクを形成
することができ、良好な背面電極を形成することができ
る。
ば、フレームのマスクに単繊維形状の樹脂系材料を用い
ているので、製造途中でたるみよじれが発生せず、しか
もフレームに変形を生じさせるような張力を必要とせ
ず、等間隔で互いに平行なストライプ状のマスクを形成
することができ、良好な背面電極を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のEL素子の製造工程
(a)〜(c)を示す断面図である。
(a)〜(c)を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施形態のマスクフレームを示す
平面図である。
平面図である。
【図3】この発明の一実施形態の基板上の発光層にマス
クフレームを取り付けた状態を示す断面図である。
クフレームを取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】従来のEL素子の製造工程(a)〜(d)を示
す断面図である。
す断面図である。
【符号の説明】 12 基板 14 透明電極 16 発光層 18 フレーム 20 接着剤 22 マスク 24 マスクフレーム 26 背面電極材料 28 背面電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 肇 富山県上新川郡大沢野町下大久保3158番地 北陸電気工業株式会社内 (72)発明者 若林 守光 富山県上新川郡大沢野町下大久保3158番地 北陸電気工業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB18 BA06 BB00 CA01 CA02 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA00 FA01
Claims (3)
- 【請求項1】 透明な基板表面に透明な電極材料により
所定のピッチでストライプ状となるように透明電極を形
成し、この透明電極にEL材料からなる発光層を真空薄
膜形成技術により積層し、上記発光層の表面に、上記透
明電極に対向し、直交する方向にストライプ状に所定の
ピッチに背面電極を形成するEL素子の製造方法におい
て、予め所定の伸びのストレスが加えられた状態の単繊
維形状の樹脂線状材料を、所定の開口部を有したフレー
ムのその開口部に等間隔で平行に配列し固定してマスク
フレームを形成し、上記背面電極を形成する際に、上記
マスクフレームの上記樹脂線状材料を上記基板面に対面
させ、上記樹脂線状材料を介して上記基板面に真空薄膜
形成技術により背面電極材料を付着させ、上記マスクフ
レームの上記樹脂線状材料を取り除いてストライプ状の
上記背面電極を形成するEL素子の製造方法。 - 【請求項2】 上記マスクフレームは、上記透明電極形
成面全面に上記発光層を形成した後、この発光層に対面
させて配置し、上記透明電極と上記線状材料が略直交す
るように位置させ、真空薄膜形成技術により背面電極材
料を設ける請求項1記載のEL素子の製造方法。 - 【請求項3】 上記線状材料は、イミド系樹脂の単繊維
であり、接着剤で上記フレームに固定する請求項1また
は2記載のEL素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10240288A JP2000068054A (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | El素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10240288A JP2000068054A (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | El素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000068054A true JP2000068054A (ja) | 2000-03-03 |
Family
ID=17057260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10240288A Pending JP2000068054A (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | El素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000068054A (ja) |
Cited By (62)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004319241A (ja) * | 2003-04-16 | 2004-11-11 | Nbc Inc | 平行線型マスクおよびその製造方法 |
JP2010229550A (ja) * | 2010-04-28 | 2010-10-14 | Nbc Meshtec Inc | 平行線型マスクおよびその製造方法 |
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