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JP2000064832A - モノリス触媒コンバータおよびその製造方法 - Google Patents

モノリス触媒コンバータおよびその製造方法

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Publication number
JP2000064832A
JP2000064832A JP10235926A JP23592698A JP2000064832A JP 2000064832 A JP2000064832 A JP 2000064832A JP 10235926 A JP10235926 A JP 10235926A JP 23592698 A JP23592698 A JP 23592698A JP 2000064832 A JP2000064832 A JP 2000064832A
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catalyst
monolith
catalytic converter
exhaust gas
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JP10235926A
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Akiyoshi Yamamoto
明慶 山本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リークテストなどの検査を必要とせず、排ガ
ス管の配置が制限されないような設計の自由度が高いモ
ノリス触媒コンバータおよびその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明のモノリス触媒コンバータは、排
ガス管に接続される触媒容器1と、触媒容器内に保持さ
れる両端面が軸方向と直交する丸棒状のモノリス触媒3
と、からなるモノリス触媒コンバータであって、触媒容
器1は、モノリス触媒を内部に保持する両端部が軸方向
と直交する筒状の本体部11と、本体部の両端に本体部
と一体に形成されかつ本体部の端部12からその内径が
短くなり排ガス管と接合される接合端の中心軸と本体部
の中心軸がずれて偏心したロート状の側端部13と、か
らなることを特徴とする。本発明のモノリス触媒コンバ
ータは、排ガス管との接合のスペースが少なく済むとと
もに、設計の自由度が増加する効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の排ガス
の浄化に用いられるモノリス触媒コンバータおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の排ガスの浄化に用いられる触
媒コンバータは、他の排気ガス処理方式と比較して非常
にすぐれた後処理装置であるため、エンジン自体にそれ
ほどの負担をかけなくてすみ、燃費、運転性能を落とす
ことなく、排気ガスをクリーンにできる。この触媒コン
バータには、触媒の形状によりペレット触媒コンバータ
と、モノリス触媒コンバータとがある。この触媒コンバ
ータのうち、モノリス触媒コンバータは、ペレット触媒
コンバータより熱容量が小さいためウォームアップ性能
に優れるとともに、圧力損失も小さいことから広く用い
られている。
【0003】モノリス触媒コンバータは、一体成形のモ
ノリス触媒を触媒容器内に保持したものであり、この触
媒容器が排ガス管に接続され、エンジンから排出される
排ガスがモノリス触媒に導かれ、このモノリス触媒で排
ガス中の有害成分を浄化するものである。従来のモノリ
ス触媒コンバータとしては、たとえば、アッパーケース
とロアーケースとが一体的に接合された触媒容器と、こ
の容器内に保持されたモノリス触媒と、から構成される
ものがある。この触媒コンバータは、アッパーケースお
よびロアーケースの合わせ面の全周にフランジが形成さ
れ、この二つのケースの内部にモノリス触媒を保持した
状態で、二つのケースのフランジを溶接等により接合し
て得られるものである。
【0004】また、他のモノリス触媒コンバータとし
て、特開平9−112259号公報に記載された触媒コ
ンバータがある。このモノリス触媒コンバータは、モノ
リス触媒を内部に保持した筒状の本体部と、本体部の両
端に一体的に形成されたロート状のコーン部と、からな
る触媒コンバータである。また、このモノリス触媒コン
バータは、モノリス触媒を挿入した素管をチャックに固
定し、この素管を回転させながらこの素管にローラーを
あてることで絞り加工を行い、回転軸で対称となるよう
に一体的に製造されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二つの
ケースを溶接した触媒容器を用いたモノリス触媒コンバ
ータは、触媒容器がアッパーケースとロアーケースの合
わせ面に形成されたフランジ同士が当接した状態で溶接
されて接合されたものであり、この溶接時の熱により容
器にゆがみが発生し、排ガス管への組み付け性が損なわ
れることがあった。また、二つのケースの接合部により
排ガスの流れが乱され、この乱れにより排気抵抗が大き
くなりエンジンの出力低下を招くこともあった。さら
に、二つのケースの合わせ面での溶接が不十分だと排ガ
ス漏れが生じるため、リークテストなどの検査が行わ
れ、この検査に手間やコストがよけいにかかっていた。
【0006】また、特開平9−112259号に記載の
触媒コンバータは、パイプの両端に絞り加工を施したも
のであるため、触媒容器自身に接合部がなくなってい
る。このため、触媒容器からのガス漏れが生じなくな
り、リークテストなどの検査の必要がなくなっている。
しかし、この触媒コンバータはパイプの両端を中心軸に
そって絞り加工したものであり、接続される排ガス管と
の接続部の付近では排ガス管を触媒コンバータの中心軸
に接続する必要があるため、触媒コンバータと排ガス管
の接合、配置に大きなスペースを必要としていた。つま
り、排ガス管の配置が制限されるため、設計の自由度が
低下していた。
【0007】本発明は上記実状に鑑みてなされたもので
あり、リークテストなどの検査を必要とせず、排ガス管
の配置が制限されないような設計の自由度が高いモノリ
ス触媒コンバータおよびその製造方法を提供することを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者はモノリス触媒を内部に保持する触媒容器につ
いて検討を重ねた結果、触媒容器自身が軸方向や周方向
の接合部をもたないとともに、モノリス触媒を内部に保
持する本体部の中心軸と、本体部を排ガス管と接続する
ための側端部の中心軸と、がずれて偏心した触媒容器を
用いた触媒コンバータとすることで上記課題を解決する
モノリス触媒コンバータを提供できることを見出した。
【0009】すなわち、本発明のモノリス触媒コンバー
タは、排ガス管に接続される触媒容器と、触媒容器内に
保持される両端面が軸方向と直交する丸棒状のモノリス
触媒と、からなるモノリス触媒コンバータであって、触
媒容器は、モノリス触媒を内部に保持する両端部が軸方
向と直交する筒状の本体部と、本体部の両端に本体部と
一体に形成されかつ本体部の端部からその内径が短くな
り排ガス管と接合される接合端の中心軸と本体部の中心
軸がずれて偏心したロート状の側端部と、からなること
を特徴とする。
【0010】また、本発明のモノリス触媒コンバータの
製造方法は、筒状のパイプ素材内にモノリス触媒を挿入
する挿入工程と、モノリス触媒をもつパイプ素材をへら
絞り加工機のチャック部に固定する工程と、チャック部
とへら絞り加工機の加工ローラーとの間に相対回転を与
えつつ加工ローラーがパイプ素材の外周より僅かに内側
に入る状態となるようにチャック部の回転中心と加工ロ
ーラー間での半径方向の距離を一定にした状態で該パイ
プ素材の開放端と本体部との端部までの間をへら絞り加
工し、順次チャック部の回転中心と加工ローラー間での
半径方向の距離を短くしつつ既に絞り加工されたパイプ
素材の開放端と本体部の端部より僅かに離れた部分まで
との間を絞り加工し、本体部の中心軸がずれて偏心した
ロート状の外側端部を形成するへら絞り加工工程と、を
有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】(モノリス触媒コンバータ)本発
明のモノリス触媒コンバータは、モノリス触媒を内部に
保持する触媒容器が、モノリス触媒を内部に保持する本
体部の中心軸と、排ガス管と接合される接合端の中心軸
とがずれて偏心した側端部を有している。
【0012】触媒容器は、モノリス触媒を内部に保持す
る両端部が軸方向と直交する筒状の本体部と、本体部の
両端に本体部と一体に形成されかつ本体部の端部からそ
の内径が短くなり排ガス管と接合される接合端の中心軸
と本体部の中心軸がずれて偏心したロート状の側端部
と、からなる。この触媒容器は、本体部と側端部とが一
体に形成されたものであり、溶接部等の接合部を軸方
向、径方向および周方向に有しない。この触媒容器に用
いられる材質としては、ステンレスパイプを成形したも
のが好ましい。
【0013】本体部は、両端部が軸方向と直交する筒状
で、モノリス触媒を内部に保持するものである。この本
体部は、丸棒状のモノリス触媒の外周と一致する内径を
有する筒状をしている。側端部は、本体部の端部からそ
の内径が短くなり排ガス管と接合される接合端の中心軸
と本体部の中心軸がずれて偏心したロート状に形成され
たものである。側端部は、その軸方向に垂直な断面にお
ける中心軸が本体部の中心軸よりずれている。また、側
端部は、本体部の端部から内径が短くなるように形成さ
れているとともに、本体部の軸方向の延長線と一致しな
いように形成されている。
【0014】触媒容器は、筒状のパイプ素材を成形した
ものであることが好ましい。このパイプ素材には、継ぎ
目のないもの、あるいは板状の素材を筒状に丸めて接合
した軸方向に継ぎ目を有するものであっても通常市販さ
れているもののようにその接合部が触媒容器の気密性を
損なわないものであれば、用いることができる。モノリ
ス触媒は、両端面が軸方向と直交する丸棒状に形成され
たものが用いられる。このモノリス触媒としては、通常
のモノリス触媒コンバータに用いられるものが用いられ
る。すなわち、セラミックス担体を担体基材として用
い、このセラミックス担体にセラミックス触媒担持層を
形成し、触媒担持層に白金等の触媒金属を担持させたも
のである。なお、波板と平板とを巻いたハニカム体が外
筒内に保持されたメタル担体をモノリス触媒の担体基材
として用いることもできる。
【0015】モノリス触媒は、モノリスシール材が巻き
付けられる。このモノリスシール材には、主に熱膨張性
を有するバーミキュライト、耐熱性の高いセラミックフ
ァイバーからなりバインダーによりシート状に維持され
たものや、アルミナマットを用いることができ、このシ
ール材の熱膨張性により、冷熱条件下で生じる触媒容器
と触媒表面間のすき間の変化が保証され、触媒が保持固
定されるとともに排気ガスの漏れが防止されるものであ
る。
【0016】本体部は、その端部の内径が本体部の内径
より細く形成された触媒保持部を有することが好まし
い。この細く形成された端部は、本体部の内部に挿入さ
れたモノリス触媒の外周面を保持し、モノリス触媒が軸
方向にずれて、欠損することを防止するものである。 (モノリス触媒コンバータの製造方法)本発明のモノリ
ス触媒コンバータの製造方法は、筒状のパイプ素材内に
モノリス触媒を挿入する挿入工程と、このパイプ素材を
絞り加工機のチャック部に固定する工程と、本体部の中
心軸がずれて偏心したロート状の外側端部を形成するへ
ら絞り加工工程と、からなる。
【0017】挿入工程は、筒状のパイプ素材内に丸棒状
のモノリス触媒を挿入する工程である。チャック部に固
定する工程は、モノリス触媒が挿入されたパイプ素材を
へら絞り加工機のチャックに固定する工程である。へら
絞り工程は、チャック部とへら絞り加工機の加工ローラ
ーとの間に相対回転を与えつつ加工ローラーがパイプ素
材の外周より僅かに内側に入る状態となるようにチャッ
ク部の回転中心と加工ローラー間での半径方向の距離を
一定にした状態で該パイプ素材の開放端と本体部との端
部までの間をへら絞り加工し、順次チャック部の回転中
心と加工ローラー間での半径方向の距離を短くしつつ既
に絞り加工されたパイプ素材の開放端と本体部の端部よ
り僅かに離れた部分までとの間を絞り加工し、本体部の
中心軸がずれて偏心したロート状の外側端部を形成する
工程である。
【0018】このへら絞り工程において、パイプ素材を
固定するチャック部と加工ローラーの間に相対回転が与
えられて行われる。ここで、チャック部と加工ローラー
の間に与えられる相対回転とは、チャック部あるいは加
工ローラーが回転することにより与えられるものであ
り、パイプ素材の外周面の全周に加工ローラーが当接で
きるように与えられるものである。このときの回転中心
は、パイプ素材の中心軸と一致することが好ましい。
【0019】また、へら絞り工程におけるへら絞りは、
加工ローラーがパイプ素材の開放端と本体部との端部ま
での間を移動したときに、パイプ素材が径方向に絞られ
る量が僅かであるため、加工ローラーが何度も移動する
ことで行われる。なお、ここでの加工ローラーの移動と
は、加工ローラーがパイプ素材の外周より僅かに内側に
入る状態で移動することを示した。
【0020】この加工ローラーの移動の繰り返しは、開
放端と本体部との間での一方向の移動の繰り返し、ある
いは開放端と本体部との間を往復する移動のいずれの移
動をとってもよい。すなわち、本発明の製造方法におけ
る加工ローラーの移動は、加工ローラーがパイプ素材の
開放端から本体部への方向に移動することを繰り返す方
法や、本体部から開放端への方向に移動することを繰り
返す方法、あるいは開放端と本体部の間で往復を繰り返
す移動のいずれの方向の移動とすることができる。
【0021】本発明の製造方法におけるへら絞り加工工
程は、チャック部の回転中心をへら絞り加工される加工
円の中心軸と一致するようにパイプ素材を偏心した状態
で回転させてへら絞り加工する工程であることが好まし
い。すなわち、チャック部の回転中心がパイプ素材の中
心軸と一致しない状態で回転させ、へら絞り加工しても
よい。この場合、通常のスピニング絞り加工を施すと、
本体部の端部が軸方向と垂直にならず、端部が傾斜する
ようになり、モノリス触媒の端面との間に無駄な空間が
形成され、重量や、コスト、熱容量の無駄が生じるよう
になる。このため、加工ローラーおよびパイプ素材の径
方向の移動の制御が重要になっている。
【0022】本発明の製造方法におけるへら絞り工程
は、スピニング絞り加工装置により行われることが好ま
しい。スピニング絞り加工装置は、図3の模式図に示さ
れる構成をしている。すなわち、本装置は、チャックが
パイプ素材の一端開口を水平に突出させた状態でパイプ
素材を保持可能にもうけられており、このチャックはモ
ーターの回転軸と連結され、これによりパイプ素材は回
転軸まわりに回動可能となっている。このチャックは、
油圧シリンダによりパイプ素材の回転軸と直角な方向で
ある垂直方向に移動可能となっている。また、パイプ素
材の一端開口の上方には、油圧シリンダにより垂直方向
に上下動が可能な上下可動台がもうけられ、この上下可
動台には油圧シリンダにより回転軸の延びる方向に水平
移動が可能な水平移動台がもうけられている。そして、
この水平移動台には、ブラケットにより加工ローラーが
従動可能にもうけられている。この加工ローラーは、そ
の断面がU字状に形成されている。
【0023】本装置を用いる製造方法においては、ま
ず、モノリス触媒が内部に挿入されたパイプ素材をこの
絞り加工機のチャックに固定する。つづいて、モーター
を回転させることでこのモーターに連動したチャックお
よびパイプ素材を回転させる。その後、回転したパイプ
素材の開口端に加工ローラーを押しあてて水平移動台を
基端側に向かって水平方向に移動させながら垂直方向に
も移動させるとともに、チャックを油圧シリンダにより
垂直方向に移動させてパイプ素材を偏心したロート状に
絞り加工していく。ここで、一回の加工ローラーの移動
により加工される絞り量は限られていることから、この
加工ローラーの移動が何度も行われることにより側端部
が形成される。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明のモノリス触媒
コンバータおよびその製造方法を説明する。 (実施例1)本実施例は、図1および2に示されるモノ
リス触媒コンバータであり、ステンレスよりなる触媒容
器1と、触媒容器1内に保持されたモノリス触媒3と、
から構成されるものである。
【0025】モノリス触媒3は、セラミックス担体の表
面にセラミックス触媒担持層が形成され、この触媒担持
層に触媒金属が担持されたものであり、直径129m
m、軸方向の長さ150mmの丸棒状に形成されたもの
が用いられる。また、このモノリス触媒には、一端側の
周面に触媒容器に用いられるステンレスより熱膨張係数
の大きなステンレス繊維を集積してなるリング状の保持
部材(図示せず)と、中央の周面にセラミックスファイ
バーとバーミキュライトとからなるモノリスシール材
(図示せず)とが巻き付けられている。このとき、モノ
リスシール材としては、アルミナマットを用いてもよ
い。
【0026】触媒容器1は、直径140mm、厚さ1.
5mmのステンレスのパイプを成形したものが用いられ
る。この触媒容器は、軸方向の長さが150mmの本体
部11と、この本体部11の両端に軸方向の長さが86
mmの偏心したロート状の側端部13が形成されてい
る。この側端部13は、触媒容器1の本体部11と本体
部より径の短い排ガス管とが接続できるように排ガス管
との接合端15側の内径が短くなるように、徐々に内径
が短くなっているとともに、本体部11を形成するパイ
プの中心軸と、排ガス管との接合端の中心軸が35mm
ずれている。なお、この側端部13の接合端15は、本
体部11の両端において対称な位置に開口している。す
なわち、図2に示されるように、本体部11の両端に形
成された二つの側端部13の中心軸の延長線が重ならな
いように形成されている。
【0027】本実施例のモノリス触媒コンバータは、モ
ノリス触媒3を保持する本体部11の端部12が軸方向
と直交しているため、触媒容器1に無駄な空間が形成さ
れず、軽量で熱容量が小さくなっている。また、接合端
15は本体部11の中心軸の延長線上に形成されていな
いため、パイプ経路に自由に合わせることができる。 (モノリス触媒コンバータの製造)モノリス触媒コンバ
ータの製造は、モノリス触媒を触媒容器に成形されるス
テンレスパイプに挿入した後に、このパイプをスピニン
グ絞り加工装置により絞り加工することで製造される。
ここで、スピニング絞り加工装置は、図3の模式図に示
される構造をしている。すなわち、モーター52と連動
して回転するチャック51と、チャック51を垂直方向
に移動させる油圧シリンダ53と、チャック51に装着
されたパイプ10を変形させる加工ローラー61と、加
工ローラー61を軸方向および径方向に移動させる油圧
シリンダ62、62と、から構成される。
【0028】すなわち、まず、周面に保持部材とモノリ
スシール材とが巻き付けられた、直径129mm、軸方
向の長さ140mmの丸棒状にあらかじめ形成されたモ
ノリス触媒3を、触媒容器1に成形される内径が137
mm、厚さ1.5mmのステンレスパイプ10に挿入し
た。この模様を図4に示す。つづいて、このモノリス触
媒が内部に保持されたステンレスパイプの一端がスピニ
ング絞り加工装置のチャック51にパイプ10の中心軸
が水平に保持されるように固定される。この固定に用い
られたチャック51は、モーター52の回転軸と連結さ
れ、モーター52の回転と連動してチャック51も回転
するようになっている。
【0029】つぎに、ステンレスパイプ10がチャック
51に固定された状態で、モーター52を700rpm
で回転させる。このモーター52の回転にともない、モ
ーター52に連結されたチャック51が回転する。この
回転しているパイプ10において側端部13の排ガス管
との接合端15に加工される先端部に、加工ローラー6
1を押しあてて、パイプ10を変形させるへら絞り加工
を行った。パイプ10に押しあてられた加工ローラー6
1は、パイプ10の開放端からチャック51の方向に向
かって移動するとともに、パイプ10の中心軸から離れ
る方向である垂直方向に油圧シリンダ53により移動す
る。また、パイプ10も加工ローラー61の移動にとも
ない垂直方向に移動する。加工ローラー61およびパイ
プ10のこの移動を繰り返すことで、徐々にパイプ10
を絞り加工していく。ここで、パイプ10の中心軸とチ
ャック51の回転軸が一致している。この加工ローラー
の移動は、加工ローラーの取り付けられたブラケットを
油圧シリンダ62で制御して行われた。この模様を図5
に示した。
【0030】この絞り加工を両端の開口に行い、偏心量
が制御された側端部が両端部に形成されたモノリス触媒
コンバータが得られた。本製造方法を用いると、一回の
成形でモノリス触媒コンバータが得られるため、段替え
や多数の成形機の用意の必要がなくなり、製造にかかる
時間やコストを低減させることができる。また、本発明
のモノリス触媒コンバータの製造方法において、図6に
示されるように、ステンレスパイプ10が固定されるチ
ャック51の回転軸がずれていても、ローラー61の移
動および加工ローラー61を制御することで、偏心した
側端部を加工することができる。
【0031】さらに、他のモノリス触媒コンバータの製
造方法として、図7に示されるように、加工ローラーが
パイプの外周で回転しながら垂直方向および水平方向に
移動し、チャックが垂直方向に移動して、へら絞り加工
を行うことで偏心した側端部を加工することもできる。
本発明のモノリス触媒コンバータの他の実施例を以下に
説明する。
【0032】(実施例2)本実施例は、図8に示される
ように、本体部の端部12が細く形成されるとともに、
本体部11と側端部13とが一体的に形成された以外は
実施例1と同様なモノリス触媒コンバータである。すな
わち、本実施例の本体部11は、軸方向の長さが150
mm、直径140mm、厚さ1.5mmのステンレスパ
イプであり、本体部の端部12は、内径が137mmと
なるように細く形成されたものである。なお、細く形成
された本体部の端部12は、モノリスシール材31を介
してモノリス触媒3を保持固定するものである。
【0033】本実施例のモノリス触媒コンバータの作製
は、モノリス触媒を内部に保持したステンレスパイプを
回転させながら、絞り加工装置の加工ローラーをステン
レスパイプの開口端となる部分で中心軸方向に押しつけ
て、垂直方向及び水平方向にずらしながらパイプを垂直
方向に移動させることで、側端部を形成するとともに細
く形成された本体部の端部を形成する絞り加工により行
われた。
【0034】本実施例は、本体部の端部が本体部より細
く形成されることで、本体部内のモノリス触媒が本体部
の軸方向にずれることをおさえることができるため、モ
ノリス触媒が本体部内でずれて欠損することをおさえる
ことができる。
【0035】
【発明の効果】本発明のモノリス触媒コンバータは、モ
ノリス触媒と排ガス管との接合端の中心軸がずれて偏心
しているため、排ガス管のカーブしているところに接合
することができ、このようなときはこのカーブの曲率を
ゆるめることができる。また、排気系全体として、ボデ
ィーとの干渉や、地上高制限を回避することもできる。
すなわち、本発明のモノリス触媒コンバータは、排ガス
管との接合のスペースが少なく済むとともに、設計の自
由度が増加する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のモノリス触媒コンバータの斜視図
である。
【図2】 実施例1のモノリス触媒コンバータの断面図
である。
【図3】 スピニング絞り加工装置の構成を示す模式図
である。
【図4】 ステンレスパイプにモノリス触媒を挿入する
図である。
【図5】 スピニング絞り加工装置による絞り加工の図
である。
【図6】 パイプの回転軸がずれたときの絞り加工の図
である。
【図7】 加工ローラーがパイプの外周で回転したとき
の絞り加工の図である。
【図8】 実施例2のモノリス触媒コンバータの断面図
である。
【符号の説明】
1…触媒容器 10…パイプ 11…本
体部 12…本体部の端部 13…側端部 3…モノリス触媒 31…モノリスシール材 51…チャック 52…モーター 53…
油圧シリンダ 61…ローラー 62…油圧シリンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス管に接続される触媒容器と、該触
    媒容器内に保持される両端面が軸方向と直交する丸棒状
    のモノリス触媒と、からなるモノリス触媒コンバータに
    おいて、 前記触媒容器は、前記モノリス触媒を内部に保持する両
    端部が軸方向と直交する筒状の本体部と、該本体部の両
    端に該本体部と一体に形成されかつ該本体部の端部から
    その内径が短くなり前記排ガス管と接合される接合端の
    中心軸と該本体部の中心軸がずれて偏心したロート状の
    側端部と、からなることを特徴とするモノリス触媒コン
    バータ。
  2. 【請求項2】 前記本体部は、その端部の内径が該本体
    部の内径より細く形成された触媒保持部を有することを
    特徴とする請求項1記載のモノリス触媒コンバータ。
  3. 【請求項3】 丸棒状のモノリス触媒と、該モノリス触
    媒を内部に保持する両端部が軸方向と直交する筒状の本
    体部および該本体部の両端に該本体部と一体に形成され
    かつ該本体部の端部からその内径が短くなり前記排ガス
    管と接合される接合端の中心軸と該本体部の中心軸がず
    れて偏心したロート状の側端部からなる触媒容器とで構
    成されるモノリス触媒コンバータの製造方法であって、 筒状のパイプ素材内にモノリス触媒を挿入する挿入工程
    と、 該モノリス触媒をもつ該パイプ素材をへら絞り加工機の
    チャック部に固定する工程と、 該チャック部と該へら絞り加工機の加工ローラーとの間
    に相対回転を与えつつ該加工ローラーが該パイプ素材の
    外周より僅かに内側に入る状態となるように該チャック
    部の回転中心と該加工ローラー間での半径方向の距離を
    一定にした状態で該パイプ素材の開放端と該本体部との
    端部までの間をへら絞り加工し、順次該チャック部の回
    転中心と該加工ローラー間での半径方向の距離を短くし
    つつ既に絞り加工された該パイプ素材の開放端と該本体
    部の端部より僅かに離れた部分までとの間を絞り加工
    し、該本体部の中心軸がずれて偏心したロート状の外側
    端部を形成するへら絞り加工工程と、 を有することを特徴とするモノリス触媒コンバータの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記へら絞り加工工程は、前記チャック
    部の回転中心をへら絞り加工される加工円の中心軸と一
    致するように前記パイプ素材を偏心した状態で回転させ
    てへら絞り加工する工程である請求項3記載のモノリス
    触媒コンバータの製造方法。
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