JP2000055998A - 磁気センサ装置および電流センサ装置 - Google Patents
磁気センサ装置および電流センサ装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 バイアス磁界用の永久磁石の使用に伴う動作
点や感度のばらつきおよび磁界の攪乱を防止でき、被測
定磁界または被測定電流が小さい領域における感度、お
よび磁界と出力との直線性がよく、更に、磁界または電
流の方向を判別することができるようにした磁気センサ
装置および電流センサ装置を提供する。 【解決手段】 GMR素子11には、被測定磁界Hが印
加されると共に、コイル13および交流電源14によっ
て交流磁界が印加される。GMR素子11の出力信号の
うちの交流成分は、プロダクト検波器17の一方の入力
端に入力される。プロダクト検波器17の他方の入力端
には、交流電源14が発生する交流信号が入力される。
プロダクト検波器17は、各入力端に入力される信号を
乗算して、GMR素子11の出力の磁界についての微分
係数に対応し、被測定磁界の大きさおよび方向の情報を
含む微分信号を検波する。
点や感度のばらつきおよび磁界の攪乱を防止でき、被測
定磁界または被測定電流が小さい領域における感度、お
よび磁界と出力との直線性がよく、更に、磁界または電
流の方向を判別することができるようにした磁気センサ
装置および電流センサ装置を提供する。 【解決手段】 GMR素子11には、被測定磁界Hが印
加されると共に、コイル13および交流電源14によっ
て交流磁界が印加される。GMR素子11の出力信号の
うちの交流成分は、プロダクト検波器17の一方の入力
端に入力される。プロダクト検波器17の他方の入力端
には、交流電源14が発生する交流信号が入力される。
プロダクト検波器17は、各入力端に入力される信号を
乗算して、GMR素子11の出力の磁界についての微分
係数に対応し、被測定磁界の大きさおよび方向の情報を
含む微分信号を検波する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界を測定する磁
気センサ装置、および電流によって発生する磁界を測定
することで電流を測定する電流センサ装置に関する。
気センサ装置、および電流によって発生する磁界を測定
することで電流を測定する電流センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業界で広く利用されている磁気
応用製品等において、磁界を測定する磁気センサ装置が
広く用いられている。また、磁気センサ装置の応用とし
て、電流によって発生する磁界を測定することで電流を
非接触で測定する電流センサ装置も広く用いられてい
る。また、今後、電流センサ装置の用途としては、電気
自動車やソーラー電池のような直流大電流を扱う装置に
おいて直流大電流を非接触で測定するような用途も見込
まれる。なお、被測定電流が交流電流の場合には、トラ
ンスを用いて簡単に非接触で測定できる。しかし、被測
定電流が直流電流の場合には、電流を非接触で測定する
には、直流磁界で動作する磁気センサが必要となる。
応用製品等において、磁界を測定する磁気センサ装置が
広く用いられている。また、磁気センサ装置の応用とし
て、電流によって発生する磁界を測定することで電流を
非接触で測定する電流センサ装置も広く用いられてい
る。また、今後、電流センサ装置の用途としては、電気
自動車やソーラー電池のような直流大電流を扱う装置に
おいて直流大電流を非接触で測定するような用途も見込
まれる。なお、被測定電流が交流電流の場合には、トラ
ンスを用いて簡単に非接触で測定できる。しかし、被測
定電流が直流電流の場合には、電流を非接触で測定する
には、直流磁界で動作する磁気センサが必要となる。
【0003】直流電流を測定するための電流センサ装置
に利用する磁気センサ(磁気検出素子)としては、ホー
ル素子、磁気抵抗効果素子、フラックスゲート型磁気セ
ンサ等がある。
に利用する磁気センサ(磁気検出素子)としては、ホー
ル素子、磁気抵抗効果素子、フラックスゲート型磁気セ
ンサ等がある。
【0004】この中では、磁界とセンサ出力との直線性
の良さから、ホール素子が多く用いられている。しか
し、ホール素子には、出力が小さいという欠点がある。
ホール素子の代表的な例では、素子電流1mA、磁束密
度10mTにおいて、出力が10mV程度である。従っ
て、ホール素子を用いた電流センサ装置では、ホール素
子の出力を直流増幅する必要がある。しかし、増幅技術
のうち、直流増幅技術は、ドリフトを考慮すると、技術
的に最も難しい部類に属する。そのため、ホール素子を
用いた電流センサ装置は高価なものとなっていた。ま
た、従来、ホール素子の駆動電流を交流として、直流増
幅技術を回避する方法も広く採用されているが、この場
合には、整流回路等が新たに必要になるため、やはり、
ホール素子を用いた電流センサ装置が高価なものとなっ
てしまう。
の良さから、ホール素子が多く用いられている。しか
し、ホール素子には、出力が小さいという欠点がある。
ホール素子の代表的な例では、素子電流1mA、磁束密
度10mTにおいて、出力が10mV程度である。従っ
て、ホール素子を用いた電流センサ装置では、ホール素
子の出力を直流増幅する必要がある。しかし、増幅技術
のうち、直流増幅技術は、ドリフトを考慮すると、技術
的に最も難しい部類に属する。そのため、ホール素子を
用いた電流センサ装置は高価なものとなっていた。ま
た、従来、ホール素子の駆動電流を交流として、直流増
幅技術を回避する方法も広く採用されているが、この場
合には、整流回路等が新たに必要になるため、やはり、
ホール素子を用いた電流センサ装置が高価なものとなっ
てしまう。
【0005】フラックスゲート型磁気センサは、それ自
体の構造が複雑で扱いにくいため、電流センサ装置への
適用の例は少ない。また、フラックスゲート型磁気セン
サは、高感度ではあるが、直流出力を得るまでの信号処
理が複雑であるという欠点を有する。そのため、フラッ
クスゲート型磁気センサを用いた電流センサ装置は、や
はり、高価なものとなってしまう。
体の構造が複雑で扱いにくいため、電流センサ装置への
適用の例は少ない。また、フラックスゲート型磁気セン
サは、高感度ではあるが、直流出力を得るまでの信号処
理が複雑であるという欠点を有する。そのため、フラッ
クスゲート型磁気センサを用いた電流センサ装置は、や
はり、高価なものとなってしまう。
【0006】磁気抵抗効果素子としては、異方性磁気抵
抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Resistive )
と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁気抵抗
(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )と記
す。)効果を用いたGMR素子とがある。GMR素子
は、AMR素子に比べて出力が大きい。なお、一般に、
AMR素子は、単にMR素子とも呼ばれる。
抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Resistive )
と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁気抵抗
(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )と記
す。)効果を用いたGMR素子とがある。GMR素子
は、AMR素子に比べて出力が大きい。なお、一般に、
AMR素子は、単にMR素子とも呼ばれる。
【0007】このような磁気抵抗効果素子は、出力が大
きいという利点を有する。特に、GMR素子は、10m
T当たりの抵抗変化量が5%程度となるので、例えば差
動構成として、GMR素子を1mAで駆動し、磁界がゼ
ロのときのGMR素子の抵抗値を10kΩとすると、磁
束密度10mTにおいて、出力は1Vとなり、ホール素
子の100倍程度の出力が得られる。従って、磁気抵抗
効果素子を用いることにより、直流増幅の困難性を回避
することが可能となり、安価な電流センサ装置を実現で
きる可能性がある。
きいという利点を有する。特に、GMR素子は、10m
T当たりの抵抗変化量が5%程度となるので、例えば差
動構成として、GMR素子を1mAで駆動し、磁界がゼ
ロのときのGMR素子の抵抗値を10kΩとすると、磁
束密度10mTにおいて、出力は1Vとなり、ホール素
子の100倍程度の出力が得られる。従って、磁気抵抗
効果素子を用いることにより、直流増幅の困難性を回避
することが可能となり、安価な電流センサ装置を実現で
きる可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GMR
素子は、出力は大きいが、磁気抵抗効果が磁界の方向に
依存しないため、印加磁界の方向(電流センサ装置の場
合には電流の方向)を判別できないという問題点があ
る。さらに、GMR素子は、印加磁界が小さい領域にお
いて、感度が低いと共に非線形性が強いという問題点が
ある。
素子は、出力は大きいが、磁気抵抗効果が磁界の方向に
依存しないため、印加磁界の方向(電流センサ装置の場
合には電流の方向)を判別できないという問題点があ
る。さらに、GMR素子は、印加磁界が小さい領域にお
いて、感度が低いと共に非線形性が強いという問題点が
ある。
【0009】なお、このような問題点は、印加磁界がゼ
ロのときに出力が最大または最小となるように構成した
AMR素子においても同様である。
ロのときに出力が最大または最小となるように構成した
AMR素子においても同様である。
【0010】従来、上述のような磁気抵抗効果素子にお
ける問題点を回避するための一般的な方法としては、特
開昭63−277977号公報に示されるように、磁気
抵抗効果素子の磁界−抵抗変化特性に基づいて、抵抗値
が比較的大きく変化する領域内の磁界をバイアス磁界と
して選択し、このバイアス磁界を磁気抵抗効果素子に印
加して、バイアス磁界を中心とした磁界の領域内で、被
測定磁界を測定する方法が採られていた。
ける問題点を回避するための一般的な方法としては、特
開昭63−277977号公報に示されるように、磁気
抵抗効果素子の磁界−抵抗変化特性に基づいて、抵抗値
が比較的大きく変化する領域内の磁界をバイアス磁界と
して選択し、このバイアス磁界を磁気抵抗効果素子に印
加して、バイアス磁界を中心とした磁界の領域内で、被
測定磁界を測定する方法が採られていた。
【0011】しかしながら、バイアス磁界は、通常、永
久磁石で与えられることから、上述の方法では、以下の
ような問題点があった。すなわち、上述の方法では、磁
石の組み込みの際の位置のばらつきや磁石そのものの磁
化のばらつき等で、磁気抵抗効果素子の動作点や感度が
大きくばらつくため、調整工程に多大な費用がかかると
いう問題点がある。更に、必要なバイアス磁界は、通
常、4000〜8000A/mと大きいので、被測定磁
界近傍に磁性体が存在するようなときに、バイアス磁界
による被測定磁界の攪乱が起こるという問題点もある。
久磁石で与えられることから、上述の方法では、以下の
ような問題点があった。すなわち、上述の方法では、磁
石の組み込みの際の位置のばらつきや磁石そのものの磁
化のばらつき等で、磁気抵抗効果素子の動作点や感度が
大きくばらつくため、調整工程に多大な費用がかかると
いう問題点がある。更に、必要なバイアス磁界は、通
常、4000〜8000A/mと大きいので、被測定磁
界近傍に磁性体が存在するようなときに、バイアス磁界
による被測定磁界の攪乱が起こるという問題点もある。
【0012】また、磁気抵抗効果素子、特にGMR素子
には、感度が高いだけに、素子間の動作点や感度のばら
つきが大きいという問題点や、温度により抵抗値が変化
するという温度依存性を有するという問題点がある。
には、感度が高いだけに、素子間の動作点や感度のばら
つきが大きいという問題点や、温度により抵抗値が変化
するという温度依存性を有するという問題点がある。
【0013】特開昭62−22088号公報には、磁気
抵抗効果素子における感度のばらつきや非線形性の改善
のために、磁気センサに出力を負帰還する方法が示され
ている。この方法では、磁気センサに被測定磁界と逆位
相の磁界を帰還し、磁気センサ自体は、常に磁束密度が
ゼロの近傍で動作するようにする。しかしながら、この
方法では、磁気抵抗効果素子の動作点のばらつきは改善
されず、バイアス磁界による被測定磁界の攪乱も防止す
ることができない。
抵抗効果素子における感度のばらつきや非線形性の改善
のために、磁気センサに出力を負帰還する方法が示され
ている。この方法では、磁気センサに被測定磁界と逆位
相の磁界を帰還し、磁気センサ自体は、常に磁束密度が
ゼロの近傍で動作するようにする。しかしながら、この
方法では、磁気抵抗効果素子の動作点のばらつきは改善
されず、バイアス磁界による被測定磁界の攪乱も防止す
ることができない。
【0014】その他、上述の磁気抵抗効果素子における
種々の問題点を部分的に回避する方法として、以下のよ
うな2つの方法も提案されている。
種々の問題点を部分的に回避する方法として、以下のよ
うな2つの方法も提案されている。
【0015】第1の方法は、特公昭63−57741号
公報に示されるように、被測定磁界に微小振幅の交流バ
イアス磁界を重畳し、被測定磁界を、交流バイアス磁界
を搬送波としたときの変調波として検出する方法であ
る。この方法によれば、被測定磁界の攪乱を防止するこ
とができる。しかしながら、この方法では、磁気抵抗効
果素子の出力信号を増幅した後、整流し、積分して、被
測定磁界の大きさに比例した出力を得るため、被測定磁
界の方向を検出することができない。更に、この方法で
は、感度のばらつきや温度依存性も改善することができ
ない。
公報に示されるように、被測定磁界に微小振幅の交流バ
イアス磁界を重畳し、被測定磁界を、交流バイアス磁界
を搬送波としたときの変調波として検出する方法であ
る。この方法によれば、被測定磁界の攪乱を防止するこ
とができる。しかしながら、この方法では、磁気抵抗効
果素子の出力信号を増幅した後、整流し、積分して、被
測定磁界の大きさに比例した出力を得るため、被測定磁
界の方向を検出することができない。更に、この方法で
は、感度のばらつきや温度依存性も改善することができ
ない。
【0016】第2の方法は、特公平4−60555号公
報に示されるように、被測定磁界に補助磁界を重畳し、
磁気センサの出力電圧より補助磁界の電圧成分を検出
し、この電圧成分によって、磁気センサの変換係数を制
御する方法である。この方法によれば、感度のばらつき
や温度依存性を改善することができる。しかしながら、
この方法では、被測定磁界の方向を検出することができ
ない。更に、この方法は、磁界とセンサ出力との直線性
を前提しており、この直線性が保証されていなければ実
用にならない。
報に示されるように、被測定磁界に補助磁界を重畳し、
磁気センサの出力電圧より補助磁界の電圧成分を検出
し、この電圧成分によって、磁気センサの変換係数を制
御する方法である。この方法によれば、感度のばらつき
や温度依存性を改善することができる。しかしながら、
この方法では、被測定磁界の方向を検出することができ
ない。更に、この方法は、磁界とセンサ出力との直線性
を前提しており、この直線性が保証されていなければ実
用にならない。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、バイアス磁界用の永久磁石の
使用に伴う動作点や感度のばらつきおよび磁界の攪乱を
防止することができると共に、被測定磁界または被測定
電流が小さい領域における感度、および磁界と出力との
直線性がよく、更に、磁界または電流の方向を判別する
ことができるようにした磁気センサ装置および電流セン
サ装置を提供することにある。
ので、その第1の目的は、バイアス磁界用の永久磁石の
使用に伴う動作点や感度のばらつきおよび磁界の攪乱を
防止することができると共に、被測定磁界または被測定
電流が小さい領域における感度、および磁界と出力との
直線性がよく、更に、磁界または電流の方向を判別する
ことができるようにした磁気センサ装置および電流セン
サ装置を提供することにある。
【0018】また、本発明の第2の目的は、上記目的に
加え、磁気検出素子自身が持つ動作点や感度のばらつき
および温度依存性を小さくすることができるようにした
磁気センサ装置および電流センサ装置を提供することに
ある。
加え、磁気検出素子自身が持つ動作点や感度のばらつき
および温度依存性を小さくすることができるようにした
磁気センサ装置および電流センサ装置を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気センサ装置
は、被測定磁界に応じて出力が非線形に変化する磁気検
出素子と、この磁気検出素子を用いて、磁気検出素子の
出力の磁界についての微分係数に対応し、被測定磁界の
大きさおよび方向の情報を含む微分信号を生成する微分
信号生成手段とを備えたものである。
は、被測定磁界に応じて出力が非線形に変化する磁気検
出素子と、この磁気検出素子を用いて、磁気検出素子の
出力の磁界についての微分係数に対応し、被測定磁界の
大きさおよび方向の情報を含む微分信号を生成する微分
信号生成手段とを備えたものである。
【0020】この磁気センサ装置では、微分信号生成手
段によって、磁気検出素子の出力の磁界についての微分
係数に対応し、被測定磁界の大きさおよび方向の情報を
含む微分信号が生成される。
段によって、磁気検出素子の出力の磁界についての微分
係数に対応し、被測定磁界の大きさおよび方向の情報を
含む微分信号が生成される。
【0021】本発明の電流センサ装置は、被測定電流に
よって発生する磁界を測定することによって電流を測定
する電流センサ装置であって、被測定電流によって発生
する磁界に応じて出力が非線形に変化する磁気検出素子
と、この磁気検出素子を用いて、磁気検出素子の出力の
磁界についての微分係数に対応し、被測定電流の大きさ
および方向の情報を含む微分信号を生成する微分信号生
成手段とを備えたものである。
よって発生する磁界を測定することによって電流を測定
する電流センサ装置であって、被測定電流によって発生
する磁界に応じて出力が非線形に変化する磁気検出素子
と、この磁気検出素子を用いて、磁気検出素子の出力の
磁界についての微分係数に対応し、被測定電流の大きさ
および方向の情報を含む微分信号を生成する微分信号生
成手段とを備えたものである。
【0022】この電流センサ装置では、微分信号生成手
段によって、磁気検出素子の出力の磁界についての微分
係数に対応し、被測定電流の大きさおよび方向の情報を
含む微分信号が生成される。
段によって、磁気検出素子の出力の磁界についての微分
係数に対応し、被測定電流の大きさおよび方向の情報を
含む微分信号が生成される。
【0023】本発明の磁気センサ装置または電流センサ
装置において、磁気検出素子は、例えば磁気抵抗効果素
子である。
装置において、磁気検出素子は、例えば磁気抵抗効果素
子である。
【0024】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、微分信号生成手段は、例えば、磁
気検出素子に対して所定の交流磁界を印加する交流磁界
印加手段と、磁気検出素子の出力と交流磁界に対応した
交流信号とを乗算して、微分信号として、磁気検出素子
の出力のうちの交流磁界に対応した成分の振幅および位
相の情報を含む信号を検波する検波手段とを有するもの
である。
センサ装置において、微分信号生成手段は、例えば、磁
気検出素子に対して所定の交流磁界を印加する交流磁界
印加手段と、磁気検出素子の出力と交流磁界に対応した
交流信号とを乗算して、微分信号として、磁気検出素子
の出力のうちの交流磁界に対応した成分の振幅および位
相の情報を含む信号を検波する検波手段とを有するもの
である。
【0025】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置において、微分信号生成手段は、例えば、磁
気検出素子としての磁気抵抗効果素子に対して所定の交
流磁界を印加する交流磁界印加手段と、磁気抵抗効果素
子に対して、交流磁界と相似な波形の駆動電流を供給す
る駆動電流供給手段と、微分信号として、磁気検出素子
の出力を検出する検出手段とを有するものである。
センサ装置において、微分信号生成手段は、例えば、磁
気検出素子としての磁気抵抗効果素子に対して所定の交
流磁界を印加する交流磁界印加手段と、磁気抵抗効果素
子に対して、交流磁界と相似な波形の駆動電流を供給す
る駆動電流供給手段と、微分信号として、磁気検出素子
の出力を検出する検出手段とを有するものである。
【0026】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置は、更に、磁気検出素子の出力の磁界につい
ての2階微分係数を、一定になるように制御する制御手
段を備えていてもよい。
センサ装置は、更に、磁気検出素子の出力の磁界につい
ての2階微分係数を、一定になるように制御する制御手
段を備えていてもよい。
【0027】また、本発明の磁気センサ装置または電流
センサ装置は、更に、微分信号生成手段によって生成さ
れる微分信号を間欠的な信号とする手段を備えていても
よい。
センサ装置は、更に、微分信号生成手段によって生成さ
れる微分信号を間欠的な信号とする手段を備えていても
よい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【0029】始めに、図4ないし図6を参照して、本発
明の概要について説明する。図4は、被測定磁界に応じ
て出力が非線形に変化する磁気検出素子としてのGMR
素子の磁界−抵抗変化特性を示す特性図である。図4に
おいて、横軸は、磁界を表し、縦軸は抵抗値を表してい
る。なお、図4における縦軸の抵抗値は、被測定磁界に
応じて変化するGMR素子の抵抗値の最小値を基準とし
たときの、その最小値からの抵抗値の変化量で表してい
る。図4に示したように、GMR素子における抵抗値の
変化の特性は、磁界がゼロの位置を中心にして対称であ
る。なお、磁界の値が正のときと負のときとでは、互い
に磁界の方向が逆となる。GMR素子は、図4に示した
ような特性を有するので、抵抗値だけでは磁界の方向を
判別することができない。
明の概要について説明する。図4は、被測定磁界に応じ
て出力が非線形に変化する磁気検出素子としてのGMR
素子の磁界−抵抗変化特性を示す特性図である。図4に
おいて、横軸は、磁界を表し、縦軸は抵抗値を表してい
る。なお、図4における縦軸の抵抗値は、被測定磁界に
応じて変化するGMR素子の抵抗値の最小値を基準とし
たときの、その最小値からの抵抗値の変化量で表してい
る。図4に示したように、GMR素子における抵抗値の
変化の特性は、磁界がゼロの位置を中心にして対称であ
る。なお、磁界の値が正のときと負のときとでは、互い
に磁界の方向が逆となる。GMR素子は、図4に示した
ような特性を有するので、抵抗値だけでは磁界の方向を
判別することができない。
【0030】そこで従来は、一般に、例えば図4に示し
たようにバイアス磁界BをGMR素子に印加し、GMR
素子の動作点を原点から離れたP点としてGMR素子を
動作させるようにしていた。この場合には、被測定磁界
の値が正のときにはGMR素子の抵抗値が増加し、被測
定磁界の値が負のときにはGMR素子の抵抗値が減少す
るので、GMR素子の出力から、被測定磁界の大きさお
よび方向を検出することが可能となる。
たようにバイアス磁界BをGMR素子に印加し、GMR
素子の動作点を原点から離れたP点としてGMR素子を
動作させるようにしていた。この場合には、被測定磁界
の値が正のときにはGMR素子の抵抗値が増加し、被測
定磁界の値が負のときにはGMR素子の抵抗値が減少す
るので、GMR素子の出力から、被測定磁界の大きさお
よび方向を検出することが可能となる。
【0031】しかしながら、図4から分かるように、G
MR素子の磁界−抵抗変化特性は曲線となっているの
で、バイアス磁界Bが変動すると、P点における抵抗値
そのものが変化すると共に、P点における微分感度すな
わちP点における特性曲線の傾きが変化する。そのた
め、GMR素子の特性が同一であっても、バイアス磁界
用の磁石の組み込みの際の位置のばらつきや磁石そのも
のの磁化のばらつき等によるバイアス磁界のばらつきに
より、動作点や感度のばらつきが発生することが分か
る。
MR素子の磁界−抵抗変化特性は曲線となっているの
で、バイアス磁界Bが変動すると、P点における抵抗値
そのものが変化すると共に、P点における微分感度すな
わちP点における特性曲線の傾きが変化する。そのた
め、GMR素子の特性が同一であっても、バイアス磁界
用の磁石の組み込みの際の位置のばらつきや磁石そのも
のの磁化のばらつき等によるバイアス磁界のばらつきに
より、動作点や感度のばらつきが発生することが分か
る。
【0032】また、図4より、GMR素子は、バイアス
磁界を印加しない場合には、被測定磁界がゼロ近傍の小
さい領域において、磁界の変化に対する抵抗値の変化す
なわち感度が小さいと共に、抵抗値の変化の非線形性が
きわめて強いことも分かる。従って、バイアス磁界を印
加しない場合には、被測定磁界が小さい領域において、
被測定磁界を精度よく測定することが難しい。
磁界を印加しない場合には、被測定磁界がゼロ近傍の小
さい領域において、磁界の変化に対する抵抗値の変化す
なわち感度が小さいと共に、抵抗値の変化の非線形性が
きわめて強いことも分かる。従って、バイアス磁界を印
加しない場合には、被測定磁界が小さい領域において、
被測定磁界を精度よく測定することが難しい。
【0033】本発明では、GMR素子の出力の磁界につ
いての微分係数を利用することで、バイアス磁界を用い
ることなく磁界の方向も検出することができるようにす
ると共に、被測定磁界が小さい領域においても被測定磁
界を精度よく測定することができるようにしている。
いての微分係数を利用することで、バイアス磁界を用い
ることなく磁界の方向も検出することができるようにす
ると共に、被測定磁界が小さい領域においても被測定磁
界を精度よく測定することができるようにしている。
【0034】図5は、図4に示した磁界−抵抗変化特性
を磁界で微分して得られる特性、すなわち磁界−微分係
数特性を示したものである。図5に示したように、磁界
−微分係数特性は、磁界がゼロの位置を中心とした所定
の領域において直線性がよく、また、磁界がゼロ近傍の
小さい領域においても変化が急峻であり、更に、磁界の
方向に対応して微分係数も極性を持つことが分かる。従
って、GMR素子の出力の磁界についての微分係数を利
用して被測定磁界を測定することで、磁石によるバイア
ス磁界を用いることなく、被測定磁界が小さい領域にお
いても被測定磁界を精度よく測定することができる。ま
た、バイアス磁界のばらつきによる動作点や感度のばら
つきも発生せず、被測定磁界を攪乱することもなくな
る。
を磁界で微分して得られる特性、すなわち磁界−微分係
数特性を示したものである。図5に示したように、磁界
−微分係数特性は、磁界がゼロの位置を中心とした所定
の領域において直線性がよく、また、磁界がゼロ近傍の
小さい領域においても変化が急峻であり、更に、磁界の
方向に対応して微分係数も極性を持つことが分かる。従
って、GMR素子の出力の磁界についての微分係数を利
用して被測定磁界を測定することで、磁石によるバイア
ス磁界を用いることなく、被測定磁界が小さい領域にお
いても被測定磁界を精度よく測定することができる。ま
た、バイアス磁界のばらつきによる動作点や感度のばら
つきも発生せず、被測定磁界を攪乱することもなくな
る。
【0035】図6は、GMR素子の磁界−抵抗変化特性
の測定結果とそれに基づく磁界−微分係数特性の一例を
示したものである。なお、図6において、符号101
は、磁界−抵抗変化特性を示し、符号102は、磁界−
微分係数特性を示している。なお、図6における縦軸
は、抵抗変化量を表している。この抵抗変化量は、GM
R素子の抵抗値の最小値を基準としたときの、その最小
値からの抵抗値の変化量を百分率で表したものである。
の測定結果とそれに基づく磁界−微分係数特性の一例を
示したものである。なお、図6において、符号101
は、磁界−抵抗変化特性を示し、符号102は、磁界−
微分係数特性を示している。なお、図6における縦軸
は、抵抗変化量を表している。この抵抗変化量は、GM
R素子の抵抗値の最小値を基準としたときの、その最小
値からの抵抗値の変化量を百分率で表したものである。
【0036】また、本発明では、好ましくは、GMR素
子自身が持つ動作点や感度のばらつきおよび温度依存性
を小さくするために、GMR素子の出力の磁界について
の微分係数を、更に磁界で微分して得られる2階微分係
数を、一定になるように制御する。すなわち、図5に示
したように、磁界−微分係数特性は、磁界がゼロの位置
を中心とした所定の領域において略直線となるため、こ
の領域において2階微分係数は略一定値となる。この2
階微分係数は、GMR素子の磁界に対する感度そのもの
に対応する。従って、2階微分係数を、一定になるよう
に制御すれば、GMR素子自身が持つ動作点や感度のば
らつきおよび温度依存性を完全に除去することが可能と
なる。
子自身が持つ動作点や感度のばらつきおよび温度依存性
を小さくするために、GMR素子の出力の磁界について
の微分係数を、更に磁界で微分して得られる2階微分係
数を、一定になるように制御する。すなわち、図5に示
したように、磁界−微分係数特性は、磁界がゼロの位置
を中心とした所定の領域において略直線となるため、こ
の領域において2階微分係数は略一定値となる。この2
階微分係数は、GMR素子の磁界に対する感度そのもの
に対応する。従って、2階微分係数を、一定になるよう
に制御すれば、GMR素子自身が持つ動作点や感度のば
らつきおよび温度依存性を完全に除去することが可能と
なる。
【0037】次に、図1ないし図3を参照して、本発明
の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態
は、GMR素子の出力の磁界についての微分係数に対応
する微分信号を生成するために、GMR素子に対して微
小な交流磁界を印加すると共に、GMR素子の出力と交
流磁界に対応した交流信号とを乗算して、微分信号とし
て、GMR素子の出力のうちの交流磁界に対応した成分
の振幅および位相の情報を含む信号を検波するようにし
た例である。
の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態
は、GMR素子の出力の磁界についての微分係数に対応
する微分信号を生成するために、GMR素子に対して微
小な交流磁界を印加すると共に、GMR素子の出力と交
流磁界に対応した交流信号とを乗算して、微分信号とし
て、GMR素子の出力のうちの交流磁界に対応した成分
の振幅および位相の情報を含む信号を検波するようにし
た例である。
【0038】図1は、本実施の形態に係る磁気センサ装
置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁気
センサ装置は、一端が接地されたGMR素子11と、こ
のGMR素子11の他端に接続され、GMR素子11に
定電流を供給する定電流源12と、GMR素子11の周
囲に設けられ、一端が接地された交流磁界印加用のコイ
ル13と、このコイル13の他端に接続され、所定の交
流信号を発生して、コイル13に交流電流を供給する交
流電源14とを備えている。
置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁気
センサ装置は、一端が接地されたGMR素子11と、こ
のGMR素子11の他端に接続され、GMR素子11に
定電流を供給する定電流源12と、GMR素子11の周
囲に設けられ、一端が接地された交流磁界印加用のコイ
ル13と、このコイル13の他端に接続され、所定の交
流信号を発生して、コイル13に交流電流を供給する交
流電源14とを備えている。
【0039】磁気センサ装置は、更に、一端がGMR素
子11の他端に接続されたコンデンサ15と、入力端が
コンデンサ15の他端に接続された増幅器16と、一方
の入力端が増幅器16の出力端に接続され、他方の入力
端が交流電源14に接続されたプロダクト検波器17
と、入力端がプロダクト検波器17の出力端に接続され
たローパスフィルタ(以下、LPFと記す。)18と、
入力端がLPF18の出力端に接続され、出力端が磁気
センサ装置の出力端子20に接続された増幅器19とを
備えている。
子11の他端に接続されたコンデンサ15と、入力端が
コンデンサ15の他端に接続された増幅器16と、一方
の入力端が増幅器16の出力端に接続され、他方の入力
端が交流電源14に接続されたプロダクト検波器17
と、入力端がプロダクト検波器17の出力端に接続され
たローパスフィルタ(以下、LPFと記す。)18と、
入力端がLPF18の出力端に接続され、出力端が磁気
センサ装置の出力端子20に接続された増幅器19とを
備えている。
【0040】GMR素子11は、例えばパーマロイ(N
i−Fe)膜を含む多層膜で構成され、大きさは、例え
ば幅100μm、厚さ10μm、長さ5mmである。
i−Fe)膜を含む多層膜で構成され、大きさは、例え
ば幅100μm、厚さ10μm、長さ5mmである。
【0041】コイル13は、例えば、長さ7mmのボビ
ンに直径0.1mmのウレタン被覆導線を280回巻い
て構成されている。このコイル13は、電流10mA当
たり400A/mの磁界を発生する。本実施の形態で
は、GMR素子11は、ボビンの中に挿通されている。
この場合、コイル13が発生する交流磁界の方向は、G
MR素子11の長手方向となる。交流電源14が発生す
る交流信号の波形は、任意のものでよいが、例えば正弦
波が用いられる。
ンに直径0.1mmのウレタン被覆導線を280回巻い
て構成されている。このコイル13は、電流10mA当
たり400A/mの磁界を発生する。本実施の形態で
は、GMR素子11は、ボビンの中に挿通されている。
この場合、コイル13が発生する交流磁界の方向は、G
MR素子11の長手方向となる。交流電源14が発生す
る交流信号の波形は、任意のものでよいが、例えば正弦
波が用いられる。
【0042】なお、GMR素子11とコイル13との位
置関係は、図1に示したものに限らず、GMR素子11
に対して所定の交流磁界を印加できるという条件を満た
すものであればよい。
置関係は、図1に示したものに限らず、GMR素子11
に対して所定の交流磁界を印加できるという条件を満た
すものであればよい。
【0043】また、本実施の形態では、被測定磁界Hの
方向は、交流磁界の方向と平行であるものとするが、必
ずしも平行である必要はない。
方向は、交流磁界の方向と平行であるものとするが、必
ずしも平行である必要はない。
【0044】プロダクト検波器17は、増幅器16の出
力信号と交流電源14が発生する交流信号とを乗算し
て、GMR素子11の出力のうちの交流磁界に対応した
成分の振幅および位相の情報を含む信号を検波する。な
お、プロダクト検波は、ホモダイン検波あるいは同期検
波とも呼ばれる。
力信号と交流電源14が発生する交流信号とを乗算し
て、GMR素子11の出力のうちの交流磁界に対応した
成分の振幅および位相の情報を含む信号を検波する。な
お、プロダクト検波は、ホモダイン検波あるいは同期検
波とも呼ばれる。
【0045】なお、プロダクト検波器17に対する2つ
の入力信号の間には、信号経路の違いによる位相差が生
じるので、必要に応じて、2つの入力信号の少なくとも
一方に対して位相補償を行うようにしてもよい。また、
増幅器19は、必要に応じて設けられる。
の入力信号の間には、信号経路の違いによる位相差が生
じるので、必要に応じて、2つの入力信号の少なくとも
一方に対して位相補償を行うようにしてもよい。また、
増幅器19は、必要に応じて設けられる。
【0046】図1に示した磁気センサ装置において、コ
イル13、交流電源14、コンデンサ15、プロダクト
検波器17およびLPF18が、本発明における微分信
号生成手段に対応する。そのうち、コイル13および交
流電源14は、交流磁界印加手段に対応し、プロダクト
検波器17は、検波手段に対応する。
イル13、交流電源14、コンデンサ15、プロダクト
検波器17およびLPF18が、本発明における微分信
号生成手段に対応する。そのうち、コイル13および交
流電源14は、交流磁界印加手段に対応し、プロダクト
検波器17は、検波手段に対応する。
【0047】図2は、図1に示した磁気センサ装置を利
用した本実施の形態に係る電流センサ装置の要部を示し
たものである。この電流センサ装置は、被測定電流が通
過する導電部21を囲うように設けられ、一部にギャッ
プを有する磁気ヨーク22を備えている。磁気ヨーク2
2のギャップに生じる磁界は、図2における左右方向と
なる。GMR素子11は、磁気ヨーク22のギャップ内
に、長手方向が図2における左右方向を向くように配置
されている。コイル13は、GMR素子11の周囲に設
けられている。この電流センサ装置における他の部分の
構成は、図1に示した磁気センサ装置と同様である。な
お、図2に示した電流センサ装置では、コイル13を、
GMR素子11の周囲ではなく、磁気ヨーク22の一部
の周囲に設けてもよい。
用した本実施の形態に係る電流センサ装置の要部を示し
たものである。この電流センサ装置は、被測定電流が通
過する導電部21を囲うように設けられ、一部にギャッ
プを有する磁気ヨーク22を備えている。磁気ヨーク2
2のギャップに生じる磁界は、図2における左右方向と
なる。GMR素子11は、磁気ヨーク22のギャップ内
に、長手方向が図2における左右方向を向くように配置
されている。コイル13は、GMR素子11の周囲に設
けられている。この電流センサ装置における他の部分の
構成は、図1に示した磁気センサ装置と同様である。な
お、図2に示した電流センサ装置では、コイル13を、
GMR素子11の周囲ではなく、磁気ヨーク22の一部
の周囲に設けてもよい。
【0048】次に、図1に示した磁気センサ装置の動作
について説明する。GMR素子11には、被測定磁界H
が印加されると共に、コイル13および交流電源14に
よって交流磁界が印加される。GMR素子11は、定電
流源12より供給される定電流によって駆動され、被測
定磁界Hおよび交流磁界に対応した出力信号を発生す
る。この出力信号は、GMR素子11の抵抗値に比例し
た電圧信号である。GMR素子11の出力信号のうち、
直流成分はコンデンサ15によって遮断され、交流成分
のみがコンデンサ15を通過し、増幅器16によって増
幅され、プロダクト検波器17の一方の入力端に入力さ
れる。プロダクト検波器17の他方の入力端には、交流
電源14が発生する交流信号が入力される。
について説明する。GMR素子11には、被測定磁界H
が印加されると共に、コイル13および交流電源14に
よって交流磁界が印加される。GMR素子11は、定電
流源12より供給される定電流によって駆動され、被測
定磁界Hおよび交流磁界に対応した出力信号を発生す
る。この出力信号は、GMR素子11の抵抗値に比例し
た電圧信号である。GMR素子11の出力信号のうち、
直流成分はコンデンサ15によって遮断され、交流成分
のみがコンデンサ15を通過し、増幅器16によって増
幅され、プロダクト検波器17の一方の入力端に入力さ
れる。プロダクト検波器17の他方の入力端には、交流
電源14が発生する交流信号が入力される。
【0049】ここで、図4に示した磁界−抵抗変化特性
を参照すると、被測定磁界Hに重畳された交流磁界は、
GMR素子11の磁界−抵抗変化特性における被測定磁
界に対応する点の近傍での交流的な抵抗変化を引き起こ
す。被測定磁界Hに重畳された交流磁界の振幅は小さい
ので、この交流的な抵抗変化は、磁界−抵抗変化特性に
おける被測定磁界に対応する点での接線、すなわち微分
係数に対応する。従って、GMR素子11の出力信号の
うちの交流磁界に対応した成分の振幅および位相を検出
すれば、被測定磁界に対応する点での微分係数を検出で
きることになり、その結果、被測定磁界の大きさおよび
方向を検出できることになる。
を参照すると、被測定磁界Hに重畳された交流磁界は、
GMR素子11の磁界−抵抗変化特性における被測定磁
界に対応する点の近傍での交流的な抵抗変化を引き起こ
す。被測定磁界Hに重畳された交流磁界の振幅は小さい
ので、この交流的な抵抗変化は、磁界−抵抗変化特性に
おける被測定磁界に対応する点での接線、すなわち微分
係数に対応する。従って、GMR素子11の出力信号の
うちの交流磁界に対応した成分の振幅および位相を検出
すれば、被測定磁界に対応する点での微分係数を検出で
きることになり、その結果、被測定磁界の大きさおよび
方向を検出できることになる。
【0050】本実施の形態では、GMR素子11の出力
信号のうちの交流磁界に対応した成分の振幅および位相
を同時に検出するために、プロダクト検波器17を用い
ている。
信号のうちの交流磁界に対応した成分の振幅および位相
を同時に検出するために、プロダクト検波器17を用い
ている。
【0051】プロダクト検波器17は、増幅器16の出
力信号と交流信号とを乗算して、検波信号を出力する。
ここで、交流信号の振幅と位相は一定であるから、検波
信号は、GMR素子11の出力信号のうちの交流磁界に
対応した成分の振幅および位相に応じた信号となる。G
MR素子11の出力信号のうちの交流磁界に対応した成
分の振幅は、GMR素子11の磁界−微分係数特性にお
いて被測定磁界に対応する点での微分係数の絶対値に対
応し、GMR素子11の出力信号のうちの交流磁界に対
応した成分の位相は、この微分係数の極性に対応する。
従って、プロダクト検波器17の検波信号より、被測定
磁界に対応した微分係数の大きさおよび極性が分かり、
GMR素子11の磁界−微分係数特性に基づいて、被測
定磁界の大きさおよび方向が分かる。
力信号と交流信号とを乗算して、検波信号を出力する。
ここで、交流信号の振幅と位相は一定であるから、検波
信号は、GMR素子11の出力信号のうちの交流磁界に
対応した成分の振幅および位相に応じた信号となる。G
MR素子11の出力信号のうちの交流磁界に対応した成
分の振幅は、GMR素子11の磁界−微分係数特性にお
いて被測定磁界に対応する点での微分係数の絶対値に対
応し、GMR素子11の出力信号のうちの交流磁界に対
応した成分の位相は、この微分係数の極性に対応する。
従って、プロダクト検波器17の検波信号より、被測定
磁界に対応した微分係数の大きさおよび極性が分かり、
GMR素子11の磁界−微分係数特性に基づいて、被測
定磁界の大きさおよび方向が分かる。
【0052】プロダクト検波器17の検波信号は、LP
F18を経て、不要な交流成分が除去され、必要に応じ
て、増幅器19によって増幅されて、被測定磁界の大き
さおよび方向の情報を含む出力信号として、出力端子2
0より出力される。
F18を経て、不要な交流成分が除去され、必要に応じ
て、増幅器19によって増幅されて、被測定磁界の大き
さおよび方向の情報を含む出力信号として、出力端子2
0より出力される。
【0053】次に、図2に示した電流センサ装置の動作
について説明する。この電流センサ装置では、導電部2
1を紙面直交方向に流れる被測定電流によって磁界が発
生する。この磁界は、磁気ヨーク22のギャップ内に配
置されたGMR素子11に印加される。この磁界の大き
さは電流の大きさに応じて変化する。また、電流の方向
に応じて、磁界の方向も変化する。電流センサ装置は、
被測定電流によって発生した磁界を測定することで、間
接的に被測定電流を測定する。この電流センサ装置にお
いて、被測定電流によって発生した磁界を測定する動作
は、上述の磁気センサ装置の動作と同様である。
について説明する。この電流センサ装置では、導電部2
1を紙面直交方向に流れる被測定電流によって磁界が発
生する。この磁界は、磁気ヨーク22のギャップ内に配
置されたGMR素子11に印加される。この磁界の大き
さは電流の大きさに応じて変化する。また、電流の方向
に応じて、磁界の方向も変化する。電流センサ装置は、
被測定電流によって発生した磁界を測定することで、間
接的に被測定電流を測定する。この電流センサ装置にお
いて、被測定電流によって発生した磁界を測定する動作
は、上述の磁気センサ装置の動作と同様である。
【0054】図3は、図1に示した磁気センサ装置にお
けるプロダクト検波器17の構成の一例を示す回路図で
ある。この図に示したプロダクト検波器17は、増幅器
16の出力信号が入力される入力端31と、交流電源1
4が発生する交流信号が入力される入力端32と、検波
された信号を出力する出力端33と、演算増幅器(以
下、オペアンプと記す。)34とを備えている。オペア
ンプ34の反転入力端は、抵抗器35を介して入力端3
1に接続されている。オペアンプ34の非反転入力端
は、抵抗器36を介して入力端31に接続されている。
オペアンプ34の出力端は、抵抗器37を介して反転入
力端に接続されている。また、プロダクト検波器17
は、電界効果型トランジスタ38を備えている。このト
ランジスタ38のゲートは入力端32に接続され、ドレ
インはオペアンプ34の非反転入力端に接続され、ソー
スは接地されている。なお、抵抗器35,36,37の
抵抗値は、全てRとする。
けるプロダクト検波器17の構成の一例を示す回路図で
ある。この図に示したプロダクト検波器17は、増幅器
16の出力信号が入力される入力端31と、交流電源1
4が発生する交流信号が入力される入力端32と、検波
された信号を出力する出力端33と、演算増幅器(以
下、オペアンプと記す。)34とを備えている。オペア
ンプ34の反転入力端は、抵抗器35を介して入力端3
1に接続されている。オペアンプ34の非反転入力端
は、抵抗器36を介して入力端31に接続されている。
オペアンプ34の出力端は、抵抗器37を介して反転入
力端に接続されている。また、プロダクト検波器17
は、電界効果型トランジスタ38を備えている。このト
ランジスタ38のゲートは入力端32に接続され、ドレ
インはオペアンプ34の非反転入力端に接続され、ソー
スは接地されている。なお、抵抗器35,36,37の
抵抗値は、全てRとする。
【0055】ここで、図3に示したプロダクト検波器1
7の動作について説明する。このプロダクト検波器17
では、入力端31に入力された信号が、抵抗器35を介
してオペアンプ34の反転入力端に逆相入力として入力
されると共に、抵抗器36を介してオペアンプ34の非
反転入力端に同相入力として入力される。図3に示した
回路では、逆相ゲインG- は、G- =R/R=1とな
る。一方、同相ゲインG+ は、トランジスタ38のドレ
イン、ソース間インピーダンスをRq とすると、G+ =
(1+R/R)×{Rq /(R+Rq )}となる。従っ
て、Rq =Rのときは、同相ゲインG+ が1となり、逆
相ゲインG- と等しくなって、プロダクト検波器17の
出力はゼロとなる。Rq =0のときは、同相入力がなく
なるので、プロダクト検波器17のゲインGは−1とな
り、ゲイン1の逆相出力が得られる。また、Rq =∞の
ときは、同相ゲインは2となり、プロダクト検波器17
のゲインGは、同相ゲインと逆相ゲインとの差、すなわ
ち1となり、ゲイン1の同相出力が得られる。
7の動作について説明する。このプロダクト検波器17
では、入力端31に入力された信号が、抵抗器35を介
してオペアンプ34の反転入力端に逆相入力として入力
されると共に、抵抗器36を介してオペアンプ34の非
反転入力端に同相入力として入力される。図3に示した
回路では、逆相ゲインG- は、G- =R/R=1とな
る。一方、同相ゲインG+ は、トランジスタ38のドレ
イン、ソース間インピーダンスをRq とすると、G+ =
(1+R/R)×{Rq /(R+Rq )}となる。従っ
て、Rq =Rのときは、同相ゲインG+ が1となり、逆
相ゲインG- と等しくなって、プロダクト検波器17の
出力はゼロとなる。Rq =0のときは、同相入力がなく
なるので、プロダクト検波器17のゲインGは−1とな
り、ゲイン1の逆相出力が得られる。また、Rq =∞の
ときは、同相ゲインは2となり、プロダクト検波器17
のゲインGは、同相ゲインと逆相ゲインとの差、すなわ
ち1となり、ゲイン1の同相出力が得られる。
【0056】このように、図3に示したプロダクト検波
器17では、入力端子31に入力される信号に対するゲ
インが、入力端子32に入力される信号に応じて、−1
〜1の間で変化する。ここで、入力端子31に入力され
る信号をE1、入力端子32に入力される信号をE2と
し、プロダクト検波器17のゲインGを、G=KE2
(Kは比例定数)となるようにすれば、入力端子31に
入力される信号E1に対して、出力端33より、E1×
KE2となる乗算出力が得られる。
器17では、入力端子31に入力される信号に対するゲ
インが、入力端子32に入力される信号に応じて、−1
〜1の間で変化する。ここで、入力端子31に入力され
る信号をE1、入力端子32に入力される信号をE2と
し、プロダクト検波器17のゲインGを、G=KE2
(Kは比例定数)となるようにすれば、入力端子31に
入力される信号E1に対して、出力端33より、E1×
KE2となる乗算出力が得られる。
【0057】図3に示したプロダクト検波器17におい
て、入力端子31に入力される信号E1は、GMR素子
11の出力信号のうちの交流磁界に対応した成分であ
り、入力端子32に入力される信号E2は、振幅と位相
が一定の交流信号である。従って、プロダクト検波器1
7の出力信号は、GMR素子11の出力信号のうちの交
流磁界に対応した成分に比例した信号(E1×KE2)
となる。ここで、信号E1,E2が同相ならば、プロダ
クト検波器17の出力信号は正の値となり、信号E1,
E2が逆相ならば、プロダクト検波器17の出力信号は
負の値となる。
て、入力端子31に入力される信号E1は、GMR素子
11の出力信号のうちの交流磁界に対応した成分であ
り、入力端子32に入力される信号E2は、振幅と位相
が一定の交流信号である。従って、プロダクト検波器1
7の出力信号は、GMR素子11の出力信号のうちの交
流磁界に対応した成分に比例した信号(E1×KE2)
となる。ここで、信号E1,E2が同相ならば、プロダ
クト検波器17の出力信号は正の値となり、信号E1,
E2が逆相ならば、プロダクト検波器17の出力信号は
負の値となる。
【0058】以上説明したように、本実施の形態に係る
磁気センサ装置または電流センサ装置によれば、磁石に
よるバイアス磁界を用いていないので、バイアス磁界用
の磁石の使用に伴う動作点や感度のばらつきおよび磁界
の攪乱を防止することができる。また、本実施の形態に
係る磁気センサ装置または電流センサ装置によれば、G
MR素子11の出力の磁界についての微分係数を利用し
て被測定磁界または被測定電流を測定するようにしたの
で、被測定磁界または被測定電流が小さい領域における
感度および磁界と出力との直線性がよく、被測定磁界ま
たは被測定電流が小さい領域においても被測定磁界また
は被測定電流を精度よく測定することができると共に、
磁界または電流の方向を判別することができる。更に、
本実施の形態によれば、構成が簡単で、安価な磁気セン
サ装置および電流センサ装置を実現することができる。
磁気センサ装置または電流センサ装置によれば、磁石に
よるバイアス磁界を用いていないので、バイアス磁界用
の磁石の使用に伴う動作点や感度のばらつきおよび磁界
の攪乱を防止することができる。また、本実施の形態に
係る磁気センサ装置または電流センサ装置によれば、G
MR素子11の出力の磁界についての微分係数を利用し
て被測定磁界または被測定電流を測定するようにしたの
で、被測定磁界または被測定電流が小さい領域における
感度および磁界と出力との直線性がよく、被測定磁界ま
たは被測定電流が小さい領域においても被測定磁界また
は被測定電流を精度よく測定することができると共に、
磁界または電流の方向を判別することができる。更に、
本実施の形態によれば、構成が簡単で、安価な磁気セン
サ装置および電流センサ装置を実現することができる。
【0059】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。本実施の形態は、GMR素子の出力の磁界に
ついての微分係数に対応する微分信号を生成するため
に、GMR素子に対して微小な交流磁界を印加すると共
に、GMR素子に対して、交流磁界と相似な波形の駆動
電流を供給し、微分信号として、GMR素子の出力を検
出するようにした例である。GMR素子に印加する交流
磁界が微小な場合には、GMR素子の出力信号のうちの
交流磁界に対応した成分は、交流磁界と駆動電流の積に
比例する。すなわち、GMR素子自身が乗算機能を持つ
ことになる。本実施の形態は、このようなGMR素子の
特徴を積極的に利用して、GMR素子に対して、交流磁
界と相似な波形の駆動電流を供給することで、GMR素
子自身にプロダクト検波を行わせるようにしたものであ
る。
説明する。本実施の形態は、GMR素子の出力の磁界に
ついての微分係数に対応する微分信号を生成するため
に、GMR素子に対して微小な交流磁界を印加すると共
に、GMR素子に対して、交流磁界と相似な波形の駆動
電流を供給し、微分信号として、GMR素子の出力を検
出するようにした例である。GMR素子に印加する交流
磁界が微小な場合には、GMR素子の出力信号のうちの
交流磁界に対応した成分は、交流磁界と駆動電流の積に
比例する。すなわち、GMR素子自身が乗算機能を持つ
ことになる。本実施の形態は、このようなGMR素子の
特徴を積極的に利用して、GMR素子に対して、交流磁
界と相似な波形の駆動電流を供給することで、GMR素
子自身にプロダクト検波を行わせるようにしたものであ
る。
【0060】図7は、本実施の形態に係る磁気センサ装
置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁気
センサ装置は、一端が接地されたGMR素子11と、G
MR素子11の周囲に設けられ、一端が接地された交流
磁界印加用のコイル13と、このコイル13の他端に接
続され、所定の交流信号を発生して、コイル13に交流
電流を供給する交流電源14とを備えている。本実施の
形態では、GMR素子11の他端には、抵抗器41を介
して、交流電源14に接続され、GMR素子11には、
交流磁界と相似な波形の交流の駆動電流が供給されるよ
うになっている。
置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁気
センサ装置は、一端が接地されたGMR素子11と、G
MR素子11の周囲に設けられ、一端が接地された交流
磁界印加用のコイル13と、このコイル13の他端に接
続され、所定の交流信号を発生して、コイル13に交流
電流を供給する交流電源14とを備えている。本実施の
形態では、GMR素子11の他端には、抵抗器41を介
して、交流電源14に接続され、GMR素子11には、
交流磁界と相似な波形の交流の駆動電流が供給されるよ
うになっている。
【0061】磁気センサ装置は、更に、入力端がGMR
素子11の他端に接続された増幅器42と、入力端が増
幅器42の出力端に接続されたLPF43と、入力端が
LPF43の出力端に接続され、出力端が磁気センサ装
置の出力端子45に接続された増幅器44とを備えてい
る。
素子11の他端に接続された増幅器42と、入力端が増
幅器42の出力端に接続されたLPF43と、入力端が
LPF43の出力端に接続され、出力端が磁気センサ装
置の出力端子45に接続された増幅器44とを備えてい
る。
【0062】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
の動作について説明する。GMR素子11には、被測定
磁界Hが印加されると共に、コイル13および交流電源
14によって交流磁界が印加される。また、GMR素子
11は、交流電源14より供給される交流の駆動電流に
よって駆動される。これにより、GMR素子11は、被
測定磁界Hおよび交流磁界に対応した出力信号を発生す
る。前述のように、GMR素子11の出力信号のうちの
交流磁界に対応した成分は、交流磁界と、これに相似な
波形の交流の駆動電流の積に比例する。ここで、駆動電
流は、振幅と位相が一定であるから、GMR素子11の
出力信号のうちの交流磁界に対応した成分は、GMR素
子11自身のプロダクト検波機能により、GMR素子1
1の磁界−微分係数特性において被測定磁界に対応する
点での微分係数に対応した値となる。従って、GMR素
子11の出力信号のうちの交流磁界に対応した成分よ
り、被測定磁界に対応した微分係数の大きさおよび極性
が分かり、GMR素子11の磁界−微分係数特性に基づ
いて、被測定磁界の大きさおよび方向が分かる。
の動作について説明する。GMR素子11には、被測定
磁界Hが印加されると共に、コイル13および交流電源
14によって交流磁界が印加される。また、GMR素子
11は、交流電源14より供給される交流の駆動電流に
よって駆動される。これにより、GMR素子11は、被
測定磁界Hおよび交流磁界に対応した出力信号を発生す
る。前述のように、GMR素子11の出力信号のうちの
交流磁界に対応した成分は、交流磁界と、これに相似な
波形の交流の駆動電流の積に比例する。ここで、駆動電
流は、振幅と位相が一定であるから、GMR素子11の
出力信号のうちの交流磁界に対応した成分は、GMR素
子11自身のプロダクト検波機能により、GMR素子1
1の磁界−微分係数特性において被測定磁界に対応する
点での微分係数に対応した値となる。従って、GMR素
子11の出力信号のうちの交流磁界に対応した成分よ
り、被測定磁界に対応した微分係数の大きさおよび極性
が分かり、GMR素子11の磁界−微分係数特性に基づ
いて、被測定磁界の大きさおよび方向が分かる。
【0063】GMR素子11に交流磁界を印加しない場
合には、GMR素子11の出力信号は、駆動電流と同じ
位相で、原点を中心に対称な波形の交流信号となり、そ
の直流成分はゼロとなる。GMR素子11に交流磁界を
印加した場合には、GMR素子11の出力信号に直流成
分が生じ、且つその直流成分の大きさおよび方向は、被
測定磁界の大きさおよび方向に対応する。
合には、GMR素子11の出力信号は、駆動電流と同じ
位相で、原点を中心に対称な波形の交流信号となり、そ
の直流成分はゼロとなる。GMR素子11に交流磁界を
印加した場合には、GMR素子11の出力信号に直流成
分が生じ、且つその直流成分の大きさおよび方向は、被
測定磁界の大きさおよび方向に対応する。
【0064】GMR素子11の出力信号は、増幅器42
で増幅され、LPF43を経て、不要な交流成分が除去
され、必要に応じて、増幅器44によって増幅されて、
出力端子45より出力される。この出力端子45より出
力される信号は、GMR素子11の出力信号の直流成分
であり、被測定磁界の大きさおよび方向の情報を含む信
号である。
で増幅され、LPF43を経て、不要な交流成分が除去
され、必要に応じて、増幅器44によって増幅されて、
出力端子45より出力される。この出力端子45より出
力される信号は、GMR素子11の出力信号の直流成分
であり、被測定磁界の大きさおよび方向の情報を含む信
号である。
【0065】本実施の形態に係る電流センサ装置は、電
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図7に示した磁気センサ装置と同様で
ある。
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図7に示した磁気センサ装置と同様で
ある。
【0066】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
に比べて回路構成を大幅に簡略化することができ、より
安価に、磁気センサ装置および電流センサ装置を実現す
ることができる。本実施の形態におけるその他の構成、
動作および効果は、第1の実施の形態と同様である。
に比べて回路構成を大幅に簡略化することができ、より
安価に、磁気センサ装置および電流センサ装置を実現す
ることができる。本実施の形態におけるその他の構成、
動作および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0067】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。本実施の形態は、第2の実施の形態と同様の
原理によって、GMR素子の出力の磁界についての微分
係数に対応する微分信号を生成するものである。本実施
の形態では、更に、4つのGMR素子によってブリッジ
回路を構成することによって、不要な信号を除去するよ
うにしている。
説明する。本実施の形態は、第2の実施の形態と同様の
原理によって、GMR素子の出力の磁界についての微分
係数に対応する微分信号を生成するものである。本実施
の形態では、更に、4つのGMR素子によってブリッジ
回路を構成することによって、不要な信号を除去するよ
うにしている。
【0068】図8は、本実施の形態に係る磁気センサ装
置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁気
センサ装置は、同一の特性の4つのGMR素子51〜5
4と、交流磁界印加用の2つのコイル55,56と、こ
れらのコイル55,56に交流電流を供給する交流電源
14とを備えている。コイル55,56は、それぞれ、
例えば、ボビンに導線が巻かれて構成されていると共
に、導線の巻き方が互いに逆向きになっている。また、
コイル55,56は、それぞれの中心軸が被測定磁界H
と平行な方向に沿うように配置されている。コイル55
のボビン内にはGMR素子51,53が配置され、コイ
ル56のボビン内にはGMR素子52,54が配置され
ている。
置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁気
センサ装置は、同一の特性の4つのGMR素子51〜5
4と、交流磁界印加用の2つのコイル55,56と、こ
れらのコイル55,56に交流電流を供給する交流電源
14とを備えている。コイル55,56は、それぞれ、
例えば、ボビンに導線が巻かれて構成されていると共
に、導線の巻き方が互いに逆向きになっている。また、
コイル55,56は、それぞれの中心軸が被測定磁界H
と平行な方向に沿うように配置されている。コイル55
のボビン内にはGMR素子51,53が配置され、コイ
ル56のボビン内にはGMR素子52,54が配置され
ている。
【0069】コイル55,56のそれぞれの一端は交流
電源14に接続され、それぞれの他端は接地されてい
る。コイル55,56には、交流電源14より交流電流
が供給され、コイル55,56は、互いに逆方向の交流
磁界を発生するようになっている。
電源14に接続され、それぞれの他端は接地されてい
る。コイル55,56には、交流電源14より交流電流
が供給され、コイル55,56は、互いに逆方向の交流
磁界を発生するようになっている。
【0070】本実施の形態に係る磁気センサ装置は、オ
ペアンプ57を備えている。GMR素子52の一端は交
流電源14に接続され、他端はGMR素子51の一端と
オペアンプ57の反転入力端に接続されている。GMR
素子51の他端は、オペアンプ57の出力端に接続され
ている。また、GMR素子53の一端は交流電源14に
接続され、他端はGMR素子54の一端とオペアンプ5
7の非反転入力端に接続されている。GMR素子54の
他端は接地されている。
ペアンプ57を備えている。GMR素子52の一端は交
流電源14に接続され、他端はGMR素子51の一端と
オペアンプ57の反転入力端に接続されている。GMR
素子51の他端は、オペアンプ57の出力端に接続され
ている。また、GMR素子53の一端は交流電源14に
接続され、他端はGMR素子54の一端とオペアンプ5
7の非反転入力端に接続されている。GMR素子54の
他端は接地されている。
【0071】本実施の形態に係る磁気センサ装置は、更
に、入力端がオペアンプ57の出力端に接続され、出力
端が磁気センサ装置の出力端子59に接続されたLPF
58を備えている。
に、入力端がオペアンプ57の出力端に接続され、出力
端が磁気センサ装置の出力端子59に接続されたLPF
58を備えている。
【0072】図9は、図8に示した本実施の形態に係る
磁気センサ装置の回路構成を、コイル55,56を省略
して分かりやすく表現した回路図である。
磁気センサ装置の回路構成を、コイル55,56を省略
して分かりやすく表現した回路図である。
【0073】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
の動作について説明する。GMR素子51〜54には、
被測定磁界Hが印加されると共に、コイル55,56お
よび交流電源14によって交流磁界が印加される。ここ
で、コイル55,56は、互いに逆相の交流磁界を発生
する。従って、交流磁界の印加に伴うGMR素子51,
53の抵抗値の変化の方向とGMR素子52,54の抵
抗値の変化の方向は、互いに逆になる。
の動作について説明する。GMR素子51〜54には、
被測定磁界Hが印加されると共に、コイル55,56お
よび交流電源14によって交流磁界が印加される。ここ
で、コイル55,56は、互いに逆相の交流磁界を発生
する。従って、交流磁界の印加に伴うGMR素子51,
53の抵抗値の変化の方向とGMR素子52,54の抵
抗値の変化の方向は、互いに逆になる。
【0074】ここで、図9に示したように、GMR素子
51〜54の各抵抗値をR1 〜R4とすると、オペアン
プ57およびGMR素子51〜54からなる回路の逆相
ゲインG- と同相ゲインG+ は、それぞれ以下のように
表される。
51〜54の各抵抗値をR1 〜R4とすると、オペアン
プ57およびGMR素子51〜54からなる回路の逆相
ゲインG- と同相ゲインG+ は、それぞれ以下のように
表される。
【0075】 G- =R1 /R2 G+ ={R4 /(R3 +R4 )}×(1+R1 /R2 )
【0076】交流磁界を印加しないときにおけるGMR
素子51〜54の各抵抗値が全てRであるとすると、上
記逆相ゲインG- と同相ゲインG+ は共に1となり、オ
ペアンプ57の出力はゼロとなる。
素子51〜54の各抵抗値が全てRであるとすると、上
記逆相ゲインG- と同相ゲインG+ は共に1となり、オ
ペアンプ57の出力はゼロとなる。
【0077】GMR素子51〜54に交流磁界を印加す
ると、GMR素子51,53の抵抗値R1 ,R3 と、G
MR素子52,54の抵抗値R2 ,R4 は、互いに逆相
で変化する。そこで、変化後のGMR素子51〜54の
抵抗値R1 〜R4 を、以下のように表す。
ると、GMR素子51,53の抵抗値R1 ,R3 と、G
MR素子52,54の抵抗値R2 ,R4 は、互いに逆相
で変化する。そこで、変化後のGMR素子51〜54の
抵抗値R1 〜R4 を、以下のように表す。
【0078】 R1 =R3 =R−ΔR R2 =R4 =R+ΔR
【0079】すると、逆相ゲインG- は、以下のような
る。
る。
【0080】 G- =(R−ΔR)/(R+ΔR) =(1−ΔR/R)/(1+ΔR/R) ≒(1−ΔR/R)・(1−ΔR/R) (∵ΔR<<R) ≒1−2ΔR/R (∵ΔR<<R)
【0081】一方、同相ゲインG+ は、以下のような
る。
る。
【0082】 G+ ={(R+ΔR)/2R}・{2R/(R+ΔR)} =1
【0083】従って、オペアンプ57およびGMR素子
51〜54からなる回路のゲインGは、G=G+ −G-
=2ΔR/Rとなる。
51〜54からなる回路のゲインGは、G=G+ −G-
=2ΔR/Rとなる。
【0084】ここで、ΔRは交流磁界に比例して周期的
に変化するが、ΔRの変化の位相は、被測定磁界が正の
値のときと負の値のときとで逆になる。例えば、被測定
磁界が正の値のときに、ΔRの変化が交流磁界と同相で
あるとすると、被測定磁界が負の値のときには、ΔRの
変化は交流磁界と逆相になる。この場合には、被測定磁
界が正の値のときにはオペアンプ57の出力信号は正の
値となり、被測定磁界が負の値のときにはオペアンプ5
7の出力信号は負の値となる。また、オペアンプ57の
出力信号の絶対値は、ΔRの振幅に比例するが、ΔRの
振幅は、GMR素子51〜54の出力の磁界についての
微分係数の絶対値に対応する。従って、オペアンプ57
の出力信号は、GMR素子51〜54の出力の磁界につ
いての微分係数に対応し、被測定磁界の大きさおよび方
向の情報を含む信号となる。
に変化するが、ΔRの変化の位相は、被測定磁界が正の
値のときと負の値のときとで逆になる。例えば、被測定
磁界が正の値のときに、ΔRの変化が交流磁界と同相で
あるとすると、被測定磁界が負の値のときには、ΔRの
変化は交流磁界と逆相になる。この場合には、被測定磁
界が正の値のときにはオペアンプ57の出力信号は正の
値となり、被測定磁界が負の値のときにはオペアンプ5
7の出力信号は負の値となる。また、オペアンプ57の
出力信号の絶対値は、ΔRの振幅に比例するが、ΔRの
振幅は、GMR素子51〜54の出力の磁界についての
微分係数の絶対値に対応する。従って、オペアンプ57
の出力信号は、GMR素子51〜54の出力の磁界につ
いての微分係数に対応し、被測定磁界の大きさおよび方
向の情報を含む信号となる。
【0085】オペアンプ57の出力信号は、LPF58
を経て、不要な交流成分が除去されて、出力端子59よ
り出力される。
を経て、不要な交流成分が除去されて、出力端子59よ
り出力される。
【0086】本実施の形態に係る電流センサ装置は、図
2におけるGMR素子11およびコイル13の代わり
に、図8におけるGMR素子51〜54およびコイル5
5,56を配置し、他の部分の構成を図8に示した磁気
センサ装置と同様としたものとなる。
2におけるGMR素子11およびコイル13の代わり
に、図8におけるGMR素子51〜54およびコイル5
5,56を配置し、他の部分の構成を図8に示した磁気
センサ装置と同様としたものとなる。
【0087】本実施の形態によれば、ブリッジ回路構成
とすることにより、いわゆる搬送波抑圧型のプロダクト
検波を行うことができ、不要な信号を除去することがで
きる。また、本実施の形態によれば、よく知られている
GMR素子のヒステリシスの影響も除去することができ
る。本実施の形態におけるその他の構成、動作および効
果は、第2の実施の形態と同様である。
とすることにより、いわゆる搬送波抑圧型のプロダクト
検波を行うことができ、不要な信号を除去することがで
きる。また、本実施の形態によれば、よく知られている
GMR素子のヒステリシスの影響も除去することができ
る。本実施の形態におけるその他の構成、動作および効
果は、第2の実施の形態と同様である。
【0088】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。本実施の形態に係る磁気センサ装置は、第1
の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、更に、G
MR素子の出力の磁界についての2階微分係数を、一定
になるように制御する制御手段を設けたものである。
説明する。本実施の形態に係る磁気センサ装置は、第1
の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、更に、G
MR素子の出力の磁界についての2階微分係数を、一定
になるように制御する制御手段を設けたものである。
【0089】図10は、本実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁
気センサ装置は、図1に示した第1の実施の形態に係る
磁気センサ装置に対して、以下のような構成を付加した
ものである。すなわち、本実施の形態に係る磁気センサ
装置は、交流電源14の他に、交流電源71を備えてい
る。磁気センサ装置は、更に、交流電源14より供給さ
れる交流電流と交流電源71より供給される交流電流と
を加算して、コイル13に供給する加算器72を備えて
いる。なお、交流電源14より供給される交流電流の周
波数(以下、第1の周波数と言う。)と、交流電源71
より供給される交流電流の周波数(以下、第2の周波数
と言う。)は、互いに異なっている。また、プロダクト
検波器17には、第1の実施の形態と同様に、増幅器1
6の出力信号と交流電源14が発生する交流信号とが入
力される。
装置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁
気センサ装置は、図1に示した第1の実施の形態に係る
磁気センサ装置に対して、以下のような構成を付加した
ものである。すなわち、本実施の形態に係る磁気センサ
装置は、交流電源14の他に、交流電源71を備えてい
る。磁気センサ装置は、更に、交流電源14より供給さ
れる交流電流と交流電源71より供給される交流電流と
を加算して、コイル13に供給する加算器72を備えて
いる。なお、交流電源14より供給される交流電流の周
波数(以下、第1の周波数と言う。)と、交流電源71
より供給される交流電流の周波数(以下、第2の周波数
と言う。)は、互いに異なっている。また、プロダクト
検波器17には、第1の実施の形態と同様に、増幅器1
6の出力信号と交流電源14が発生する交流信号とが入
力される。
【0090】本実施の形態に係る磁気センサ装置は、更
に、プロダクト検波器17の出力信号を入力し、この出
力信号より、第2の周波数の成分を抽出するバンドパス
フィルタ(以下、BPFと記す。)73と、このBPF
73の出力信号を整流する検波器74と、この検波器7
4の出力信号を増幅する増幅器75とを備えている。増
幅器75の出力信号は、定電流源12において電流を制
御するための制御入力端に印加されるようになってい
る。
に、プロダクト検波器17の出力信号を入力し、この出
力信号より、第2の周波数の成分を抽出するバンドパス
フィルタ(以下、BPFと記す。)73と、このBPF
73の出力信号を整流する検波器74と、この検波器7
4の出力信号を増幅する増幅器75とを備えている。増
幅器75の出力信号は、定電流源12において電流を制
御するための制御入力端に印加されるようになってい
る。
【0091】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
の動作について説明する。本実施の形態では、交流電源
14より供給される交流電流と交流電源71より供給さ
れる交流電流とが加算器72によって加算されて、コイ
ル13に供給される。従って、コイル13は、第1の周
波数の微小な交流磁界(以下、第1の交流磁界と言
う。)と第2の周波数の微小な交流磁界(以下、第2の
交流磁界と言う。)とを発生し、これらは被測定磁界に
重畳されて、GMR素子11に印加される。GMR素子
11は、定電流源12より供給される定電流によって駆
動され、被測定磁界Hおよび第1および第2の交流磁界
に対応した出力信号を発生する。GMR素子11の出力
信号のうち、直流成分はコンデンサ15によって遮断さ
れ、交流成分のみがコンデンサ15を通過し、増幅器1
6によって増幅され、プロダクト検波器17の一方の入
力端に入力される。プロダクト検波器17の他方の入力
端には、交流電源14が発生する交流信号が入力され
る。
の動作について説明する。本実施の形態では、交流電源
14より供給される交流電流と交流電源71より供給さ
れる交流電流とが加算器72によって加算されて、コイ
ル13に供給される。従って、コイル13は、第1の周
波数の微小な交流磁界(以下、第1の交流磁界と言
う。)と第2の周波数の微小な交流磁界(以下、第2の
交流磁界と言う。)とを発生し、これらは被測定磁界に
重畳されて、GMR素子11に印加される。GMR素子
11は、定電流源12より供給される定電流によって駆
動され、被測定磁界Hおよび第1および第2の交流磁界
に対応した出力信号を発生する。GMR素子11の出力
信号のうち、直流成分はコンデンサ15によって遮断さ
れ、交流成分のみがコンデンサ15を通過し、増幅器1
6によって増幅され、プロダクト検波器17の一方の入
力端に入力される。プロダクト検波器17の他方の入力
端には、交流電源14が発生する交流信号が入力され
る。
【0092】プロダクト検波器17は、増幅器16の出
力信号と交流信号とを乗算して、検波信号を出力する。
本実施の形態において、検波信号は、GMR素子11の
出力信号のうちの第1の交流磁界に対応した成分の振幅
および位相に応じた信号に、第2の交流磁界に対応した
成分が重畳された信号となる。プロダクト検波器17の
検波信号は、LPF18を経て、不要な交流成分が除去
され、必要に応じて、増幅器19によって増幅されて、
被測定磁界の大きさおよび方向の情報を含む出力信号と
して、出力端子20より出力される。
力信号と交流信号とを乗算して、検波信号を出力する。
本実施の形態において、検波信号は、GMR素子11の
出力信号のうちの第1の交流磁界に対応した成分の振幅
および位相に応じた信号に、第2の交流磁界に対応した
成分が重畳された信号となる。プロダクト検波器17の
検波信号は、LPF18を経て、不要な交流成分が除去
され、必要に応じて、増幅器19によって増幅されて、
被測定磁界の大きさおよび方向の情報を含む出力信号と
して、出力端子20より出力される。
【0093】本実施の形態では、プロダクト検波器17
の出力信号は、BPF73にも入力され、ここで、第2
の交流磁界に対応した第2の周波数の成分が抽出され
る。このBPF73の出力信号の振幅は、GMR素子1
1の出力の磁界についての2階微分係数に対応する。B
PF73の出力信号は、検波器74によって整流され、
増幅器75によって増幅されて、上記2階微分係数に対
応する制御信号となって、定電流源12の制御入力端に
印加される。定電流源12は、制御入力端に印加される
制御信号に応じて、発生する電流の大きさを制御する。
すなわち、定電流源12は、制御信号が基準値よりも小
さければ電流を増加させ、制御信号が基準値よりも大き
ければ電流を減少させて、制御信号が一定になるように
電流を制御する。これにより、GMR素子11の出力の
磁界についての2階微分係数が、一定になるように制御
される。
の出力信号は、BPF73にも入力され、ここで、第2
の交流磁界に対応した第2の周波数の成分が抽出され
る。このBPF73の出力信号の振幅は、GMR素子1
1の出力の磁界についての2階微分係数に対応する。B
PF73の出力信号は、検波器74によって整流され、
増幅器75によって増幅されて、上記2階微分係数に対
応する制御信号となって、定電流源12の制御入力端に
印加される。定電流源12は、制御入力端に印加される
制御信号に応じて、発生する電流の大きさを制御する。
すなわち、定電流源12は、制御信号が基準値よりも小
さければ電流を増加させ、制御信号が基準値よりも大き
ければ電流を減少させて、制御信号が一定になるように
電流を制御する。これにより、GMR素子11の出力の
磁界についての2階微分係数が、一定になるように制御
される。
【0094】本実施の形態に係る電流センサ装置は、電
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図10に示した磁気センサ装置と同様
である。
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図10に示した磁気センサ装置と同様
である。
【0095】本実施の形態によれば、GMR素子11の
出力の磁界についての2階微分係数を、一定になるよう
に制御するようにしたので、GMR素子11自身が持つ
動作点や感度のばらつきおよび温度依存性を小さくする
ことができる。
出力の磁界についての2階微分係数を、一定になるよう
に制御するようにしたので、GMR素子11自身が持つ
動作点や感度のばらつきおよび温度依存性を小さくする
ことができる。
【0096】なお、本実施の形態において、交流電源1
4より供給される交流電流と交流電源71より供給され
る交流電流とを加算する方法や、プロダクト検波器17
の出力信号より第2の交流磁界に対応した成分を抽出す
る方法や、2階微分係数を一定になるように制御する方
法や、2階微分係数を一定とするための制御対象等は、
図10に示した例に限定されず、通常の技術による他の
設計が可能である。
4より供給される交流電流と交流電源71より供給され
る交流電流とを加算する方法や、プロダクト検波器17
の出力信号より第2の交流磁界に対応した成分を抽出す
る方法や、2階微分係数を一定になるように制御する方
法や、2階微分係数を一定とするための制御対象等は、
図10に示した例に限定されず、通常の技術による他の
設計が可能である。
【0097】本実施の形態におけるその他の構成、動作
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0098】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。本実施の形態に係る磁気センサ装置は、第2
の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、更に、G
MR素子の出力の磁界についての2階微分係数を、一定
になるように制御する制御手段を設けたものである。
説明する。本実施の形態に係る磁気センサ装置は、第2
の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、更に、G
MR素子の出力の磁界についての2階微分係数を、一定
になるように制御する制御手段を設けたものである。
【0099】図11は、本実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁
気センサ装置は、図7に示した第2の実施の形態に係る
磁気センサ装置に対して、以下のような構成を付加した
ものである。すなわち、本実施の形態に係る磁気センサ
装置は、交流電源14の他に、交流電源71を備えてい
る。磁気センサ装置は、更に、交流電源14より供給さ
れる第1の周波数の交流電流と交流電源71より供給さ
れる第2の周波数の交流電流とを加算して、コイル13
に供給する加算器72を備えている。なお、GMR素子
11には、第2の実施の形態と同様に、抵抗器41を介
して、交流電源14からの交流電流のみが供給される。
装置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁
気センサ装置は、図7に示した第2の実施の形態に係る
磁気センサ装置に対して、以下のような構成を付加した
ものである。すなわち、本実施の形態に係る磁気センサ
装置は、交流電源14の他に、交流電源71を備えてい
る。磁気センサ装置は、更に、交流電源14より供給さ
れる第1の周波数の交流電流と交流電源71より供給さ
れる第2の周波数の交流電流とを加算して、コイル13
に供給する加算器72を備えている。なお、GMR素子
11には、第2の実施の形態と同様に、抵抗器41を介
して、交流電源14からの交流電流のみが供給される。
【0100】本実施の形態に係る磁気センサ装置は、更
に、増幅器42の出力信号を入力し、この出力信号よ
り、第2の周波数の成分を抽出するBPF73と、この
BPF73の出力信号を整流する検波器74と、この検
波器74の出力信号を増幅する増幅器75とを備えてい
る。増幅器75の出力信号は、交流電源14において電
流を制御するための制御入力端に印加されるようになっ
ている。
に、増幅器42の出力信号を入力し、この出力信号よ
り、第2の周波数の成分を抽出するBPF73と、この
BPF73の出力信号を整流する検波器74と、この検
波器74の出力信号を増幅する増幅器75とを備えてい
る。増幅器75の出力信号は、交流電源14において電
流を制御するための制御入力端に印加されるようになっ
ている。
【0101】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
の動作について説明する。本実施の形態では、交流電源
14より供給される交流電流と交流電源71より供給さ
れる交流電流とが加算器72によって加算されて、コイ
ル13に供給される。従って、コイル13は、第1の交
流磁界と第2の交流磁界とを発生し、これらは被測定磁
界に重畳されて、GMR素子11に印加される。また、
GMR素子11は、交流電源14より供給される交流の
駆動電流によって駆動される。GMR素子11の出力信
号は、増幅器42で増幅され、LPF43を経て、不要
な交流成分が除去され、必要に応じて、増幅器44によ
って増幅されて、出力端子45より出力される。
の動作について説明する。本実施の形態では、交流電源
14より供給される交流電流と交流電源71より供給さ
れる交流電流とが加算器72によって加算されて、コイ
ル13に供給される。従って、コイル13は、第1の交
流磁界と第2の交流磁界とを発生し、これらは被測定磁
界に重畳されて、GMR素子11に印加される。また、
GMR素子11は、交流電源14より供給される交流の
駆動電流によって駆動される。GMR素子11の出力信
号は、増幅器42で増幅され、LPF43を経て、不要
な交流成分が除去され、必要に応じて、増幅器44によ
って増幅されて、出力端子45より出力される。
【0102】本実施の形態では、増幅器42の出力信号
は、BPF73にも入力され、ここで、第2の交流磁界
に対応した第2の周波数の成分が抽出される。このBP
F73の出力信号の振幅は、GMR素子11の出力の磁
界についての2階微分係数に対応する。BPF73の出
力信号は、検波器74によって整流され、増幅器75に
よって増幅されて、上記2階微分係数に対応する制御信
号となって、交流電源14の制御入力端に印加される。
交流電源14は、制御入力端に印加される制御信号に応
じて、発生する電流の大きさを制御する。すなわち、交
流電源14は、制御信号が基準値よりも小さければ電流
を増加させ、制御信号が基準値よりも大きければ電流を
減少させて、制御信号が一定になるように電流を制御す
る。これにより、GMR素子11の出力の磁界について
の2階微分係数が、一定になるように制御される。
は、BPF73にも入力され、ここで、第2の交流磁界
に対応した第2の周波数の成分が抽出される。このBP
F73の出力信号の振幅は、GMR素子11の出力の磁
界についての2階微分係数に対応する。BPF73の出
力信号は、検波器74によって整流され、増幅器75に
よって増幅されて、上記2階微分係数に対応する制御信
号となって、交流電源14の制御入力端に印加される。
交流電源14は、制御入力端に印加される制御信号に応
じて、発生する電流の大きさを制御する。すなわち、交
流電源14は、制御信号が基準値よりも小さければ電流
を増加させ、制御信号が基準値よりも大きければ電流を
減少させて、制御信号が一定になるように電流を制御す
る。これにより、GMR素子11の出力の磁界について
の2階微分係数が、一定になるように制御される。
【0103】本実施の形態に係る電流センサ装置は、電
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図11に示した磁気センサ装置と同様
である。
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図11に示した磁気センサ装置と同様
である。
【0104】本実施の形態におけるその他の構成、動作
および効果は、第2の実施の形態または第4の実施の形
態と同様である。
および効果は、第2の実施の形態または第4の実施の形
態と同様である。
【0105】次に、本発明の第6の実施の形態について
説明する。本実施の形態に係る磁気センサ装置は、第2
の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、更に、微
分信号を間欠的な信号とする手段を設けたものである。
上記各実施の形態では、プロダクト検波後の微分信号
は、直流信号となるため、信号が小さい場合には、技術
的に難しい直流増幅が必要となる。本実施の形態では、
この直流増幅を避けるため、微分信号にゼロ基準区間を
設けて、微分信号を間欠的な信号とし、この信号を交流
信号として増幅した後、ゼロ基準区間のレベルを基準と
して直流を再生する。
説明する。本実施の形態に係る磁気センサ装置は、第2
の実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、更に、微
分信号を間欠的な信号とする手段を設けたものである。
上記各実施の形態では、プロダクト検波後の微分信号
は、直流信号となるため、信号が小さい場合には、技術
的に難しい直流増幅が必要となる。本実施の形態では、
この直流増幅を避けるため、微分信号にゼロ基準区間を
設けて、微分信号を間欠的な信号とし、この信号を交流
信号として増幅した後、ゼロ基準区間のレベルを基準と
して直流を再生する。
【0106】図12は、本実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁
気センサ装置は、図7に示した第2の実施の形態に係る
磁気センサ装置に対して、以下のような構成を付加した
ものである。すなわち、本実施の形態に係る磁気センサ
装置は、2つの固定接点と1つの可動接点とを有する切
り換えスイッチ81を備えている。このスイッチ81の
一方の固定接点は、交流電源14に接続され、他方の固
定接点は接地され、可動接点はコイル13および抵抗器
41に接続されている。また、切り換えスイッチ81
は、半導体スイッチであることが望ましい。
装置の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る磁
気センサ装置は、図7に示した第2の実施の形態に係る
磁気センサ装置に対して、以下のような構成を付加した
ものである。すなわち、本実施の形態に係る磁気センサ
装置は、2つの固定接点と1つの可動接点とを有する切
り換えスイッチ81を備えている。このスイッチ81の
一方の固定接点は、交流電源14に接続され、他方の固
定接点は接地され、可動接点はコイル13および抵抗器
41に接続されている。また、切り換えスイッチ81
は、半導体スイッチであることが望ましい。
【0107】また、本実施の形態に係る磁気センサ装置
では、GMR素子11と増幅器42の入力端との間に、
直流遮断用コンデンサ82が設けられ、LPF43と増
幅器44の入力端との間に直流再生用コンデンサ83が
設けられている。本実施の形態において、増幅器42は
交流増幅器とする。磁気センサ装置は、更に、一端がコ
ンデンサ83と増幅器44との接続点に接続され、他端
が接地された開閉用のスイッチ84を備えている。な
お、本実施の形態において、増幅器44は、高入力イン
ピーダンスのものとする。コンデンサ83とスイッチ8
4は、直流再生回路を形成する。磁気センサ装置は、更
に、スイッチ81,84を同期して切り換えるための制
御信号を生成するパルス発生器(図では、PGと記
す。)85を備えている。
では、GMR素子11と増幅器42の入力端との間に、
直流遮断用コンデンサ82が設けられ、LPF43と増
幅器44の入力端との間に直流再生用コンデンサ83が
設けられている。本実施の形態において、増幅器42は
交流増幅器とする。磁気センサ装置は、更に、一端がコ
ンデンサ83と増幅器44との接続点に接続され、他端
が接地された開閉用のスイッチ84を備えている。な
お、本実施の形態において、増幅器44は、高入力イン
ピーダンスのものとする。コンデンサ83とスイッチ8
4は、直流再生回路を形成する。磁気センサ装置は、更
に、スイッチ81,84を同期して切り換えるための制
御信号を生成するパルス発生器(図では、PGと記
す。)85を備えている。
【0108】次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置
の動作について説明する。スイッチ81は、パルス発生
器85からの制御信号に応じて、一定の周期で、可動接
点と接続される固定接点を切り換える。これにより、G
MR素子11とコイル13には、間欠的に電流が供給さ
れる。これにより、GMR素子11の出力信号は、間欠
的にゼロとなり、これを交流とみなすことができる。こ
のGMR素子11の出力信号は、コンデンサ82によっ
て直流成分が遮断されてオフセット等の影響が取り除か
れ、交流として増幅器42によって増幅される。増幅器
42の出力信号は、LPF43によって不要な交流成分
が除去された後、コンデンサ83の一端に印加される。
スイッチ81,84は、パルス発生器85からの制御信
号によって同期して、次のように切り換えられる。すな
わち、スイッチ81の可動接点が接地側の固定接点に接
続されて、GMR素子11の出力信号がゼロのときに
は、スイッチ84は閉じて、コンデンサ83と増幅器4
4との接続点の電位をゼロにする。増幅器44の入力イ
ンピーダンスは大きいので、このゼロ電位は保持され
る。スイッチ81の可動接点が交流電源14側の固定接
点に接続されて、GMR素子11の出力信号がある大き
さを持つときには、スイッチ84は開く。このようにし
て、GMR素子11の間欠的な出力信号は、交流結合に
よって直流レベルの変動(ドリフト)の影響が除かれ
た、ゼロ電位を基準とした信号となる。
の動作について説明する。スイッチ81は、パルス発生
器85からの制御信号に応じて、一定の周期で、可動接
点と接続される固定接点を切り換える。これにより、G
MR素子11とコイル13には、間欠的に電流が供給さ
れる。これにより、GMR素子11の出力信号は、間欠
的にゼロとなり、これを交流とみなすことができる。こ
のGMR素子11の出力信号は、コンデンサ82によっ
て直流成分が遮断されてオフセット等の影響が取り除か
れ、交流として増幅器42によって増幅される。増幅器
42の出力信号は、LPF43によって不要な交流成分
が除去された後、コンデンサ83の一端に印加される。
スイッチ81,84は、パルス発生器85からの制御信
号によって同期して、次のように切り換えられる。すな
わち、スイッチ81の可動接点が接地側の固定接点に接
続されて、GMR素子11の出力信号がゼロのときに
は、スイッチ84は閉じて、コンデンサ83と増幅器4
4との接続点の電位をゼロにする。増幅器44の入力イ
ンピーダンスは大きいので、このゼロ電位は保持され
る。スイッチ81の可動接点が交流電源14側の固定接
点に接続されて、GMR素子11の出力信号がある大き
さを持つときには、スイッチ84は開く。このようにし
て、GMR素子11の間欠的な出力信号は、交流結合に
よって直流レベルの変動(ドリフト)の影響が除かれ
た、ゼロ電位を基準とした信号となる。
【0109】このように、本実施の形態によれば、交流
増幅器42によって直流レベルを増幅でき、微分信号を
精度よく増幅することが可能となる。
増幅器42によって直流レベルを増幅でき、微分信号を
精度よく増幅することが可能となる。
【0110】本実施の形態に係る電流センサ装置は、電
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図12に示した磁気センサ装置と同様
である。
流センサ装置特有の部分の構成は図2と同様であり、他
の部分の構成は、図12に示した磁気センサ装置と同様
である。
【0111】本実施の形態におけるその他の構成、動作
および効果は、第2の実施の形態と同様である。
および効果は、第2の実施の形態と同様である。
【0112】なお、上記第6の実施の形態では、第2の
実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、微分信号を
間欠的な信号とする手段を設けたが、第1の実施の形態
に係る磁気センサ装置に対して、微分信号を間欠的な信
号とする手段を設けてもよい。この場合には、図1にお
ける交流電源14とコイル13との間にスイッチ81を
設け、図1におけるLPF18と増幅器19との間に、
コンデンサ83およびスイッチ84からなる直流再生回
路を設ければよい。また、同様に、他の実施の形態に係
る磁気センサ装置に対して、微分信号を間欠的な信号と
する手段を設けてもよい。
実施の形態に係る磁気センサ装置に対して、微分信号を
間欠的な信号とする手段を設けたが、第1の実施の形態
に係る磁気センサ装置に対して、微分信号を間欠的な信
号とする手段を設けてもよい。この場合には、図1にお
ける交流電源14とコイル13との間にスイッチ81を
設け、図1におけるLPF18と増幅器19との間に、
コンデンサ83およびスイッチ84からなる直流再生回
路を設ければよい。また、同様に、他の実施の形態に係
る磁気センサ装置に対して、微分信号を間欠的な信号と
する手段を設けてもよい。
【0113】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、種々の変更が可能である。例えば、上記各実施
の形態では、被測定磁界に応じて出力が非線形に変化す
る磁気検出素子としてGMR素子を例にとって説明した
が、本発明は、磁気検出素子がAMR素子の場合にも適
用することができる。
されず、種々の変更が可能である。例えば、上記各実施
の形態では、被測定磁界に応じて出力が非線形に変化す
る磁気検出素子としてGMR素子を例にとって説明した
が、本発明は、磁気検出素子がAMR素子の場合にも適
用することができる。
【0114】また、本発明において、磁気センサ装置や
電流センサ装置の出力信号は、その極性が被測定磁界や
被測定電流の極性と一致している必要はなく、被測定磁
界や被測定電流の大きさおよび方向が分かるものであれ
ばよい。例えば、被測定磁界や被測定電流がゼロのとき
に、磁気センサ装置や電流センサ装置の出力信号が所定
値となり、被測定磁界や被測定電流が負のときは、その
絶対値に応じて出力信号が減少し、被測定磁界や被測定
電流が正のときは、その絶対値に応じて出力信号が増加
するようにしてもよい。
電流センサ装置の出力信号は、その極性が被測定磁界や
被測定電流の極性と一致している必要はなく、被測定磁
界や被測定電流の大きさおよび方向が分かるものであれ
ばよい。例えば、被測定磁界や被測定電流がゼロのとき
に、磁気センサ装置や電流センサ装置の出力信号が所定
値となり、被測定磁界や被測定電流が負のときは、その
絶対値に応じて出力信号が減少し、被測定磁界や被測定
電流が正のときは、その絶対値に応じて出力信号が増加
するようにしてもよい。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし6の
いずれかに記載の磁気センサ装置または請求項7ないし
12のいずれかに記載の電流センサ装置によれば、微分
信号生成手段によって、磁気検出素子の出力の磁界につ
いての微分係数に対応し、被測定磁界または被測定電流
の大きさおよび方向の情報を含む微分信号を生成するよ
うにしたので、バイアス磁界用の永久磁石の使用に伴う
動作点や感度のばらつきおよび磁界の攪乱を防止するこ
とができると共に、被測定磁界または被測定電流が小さ
い領域における感度および磁界と出力との直線性がよ
く、更に、磁界または電流の方向を判別することができ
るという効果を奏する。
いずれかに記載の磁気センサ装置または請求項7ないし
12のいずれかに記載の電流センサ装置によれば、微分
信号生成手段によって、磁気検出素子の出力の磁界につ
いての微分係数に対応し、被測定磁界または被測定電流
の大きさおよび方向の情報を含む微分信号を生成するよ
うにしたので、バイアス磁界用の永久磁石の使用に伴う
動作点や感度のばらつきおよび磁界の攪乱を防止するこ
とができると共に、被測定磁界または被測定電流が小さ
い領域における感度および磁界と出力との直線性がよ
く、更に、磁界または電流の方向を判別することができ
るという効果を奏する。
【0116】また、請求項5記載の磁気センサ装置また
は請求項11記載の電流センサ装置によれば、磁気検出
素子の出力の磁界についての2階微分係数を、一定にな
るように制御する制御手段を備えたので、更に、磁気検
出素子自身が持つ動作点や感度のばらつきおよび温度依
存性を小さくすることができるという効果を奏する。
は請求項11記載の電流センサ装置によれば、磁気検出
素子の出力の磁界についての2階微分係数を、一定にな
るように制御する制御手段を備えたので、更に、磁気検
出素子自身が持つ動作点や感度のばらつきおよび温度依
存性を小さくすることができるという効果を奏する。
【0117】また、請求項6記載の磁気センサ装置また
は請求項12記載の電流センサ装置によれば、微分信号
生成手段によって生成される微分信号を間欠的な信号と
する手段を備えたので、更に、微分信号を精度よく増幅
することが可能となるという効果を奏する。
は請求項12記載の電流センサ装置によれば、微分信号
生成手段によって生成される微分信号を間欠的な信号と
する手段を備えたので、更に、微分信号を精度よく増幅
することが可能となるという効果を奏する。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサ装
置の構成を示す回路図である。
置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電流センサ装
置の要部を示す説明図である。
置の要部を示す説明図である。
【図3】図1に示した磁気センサ装置におけるプロダク
ト検波器の構成の一例を示す回路図である。
ト検波器の構成の一例を示す回路図である。
【図4】GMR素子の磁界−抵抗変化特性を示す特性図
である。
である。
【図5】図4に示した磁界−抵抗変化特性を磁界で微分
して得られる磁界−微分係数特性を示す特性図である。
して得られる磁界−微分係数特性を示す特性図である。
【図6】GMR素子の磁界−抵抗変化特性の測定結果と
それに基づく磁界−微分係数特性の一例を示す特性図で
ある。
それに基づく磁界−微分係数特性の一例を示す特性図で
ある。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサ装
置の構成を示す回路図である。
置の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサ装
置の構成を示す回路図である。
置の構成を示す回路図である。
【図9】図8に示した磁気センサ装置の回路構成を表現
を変えて示す回路図である。
を変えて示す回路図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。
装置の構成を示す回路図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。
装置の構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る磁気センサ
装置の構成を示す回路図である。
装置の構成を示す回路図である。
11…GMR素子、12…定電流源、13…コイル、1
4…交流電源、15…コンデンサ、17…プロダクト検
波器、18…LPF。
4…交流電源、15…コンデンサ、17…プロダクト検
波器、18…LPF。
Claims (12)
- 【請求項1】 被測定磁界に応じて出力が非線形に変化
する磁気検出素子と、 この磁気検出素子を用いて、磁気検出素子の出力の磁界
についての微分係数に対応し、被測定磁界の大きさおよ
び方向の情報を含む微分信号を生成する微分信号生成手
段とを備えたことを特徴とする磁気センサ装置。 - 【請求項2】 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子
であることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ装
置。 - 【請求項3】 前記微分信号生成手段は、前記磁気検出
素子に対して所定の交流磁界を印加する交流磁界印加手
段と、前記磁気検出素子の出力と前記交流磁界に対応し
た交流信号とを乗算して、前記微分信号として、前記磁
気検出素子の出力のうちの前記交流磁界に対応した成分
の振幅および位相の情報を含む信号を検波する検波手段
とを有することを特徴とする請求項1または2記載の磁
気センサ装置。 - 【請求項4】 前記微分信号生成手段は、前記磁気検出
素子としての前記磁気抵抗効果素子に対して所定の交流
磁界を印加する交流磁界印加手段と、前記磁気抵抗効果
素子に対して、前記交流磁界と相似な波形の駆動電流を
供給する駆動電流供給手段と、前記微分信号として、前
記磁気検出素子の出力を検出する検出手段とを有するこ
とを特徴とする請求項2記載の磁気センサ装置。 - 【請求項5】 更に、前記磁気検出素子の出力の磁界に
ついての2階微分係数を、一定になるように制御する制
御手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のい
ずれかに記載の磁気センサ装置。 - 【請求項6】 更に、前記微分信号生成手段によって生
成される微分信号を間欠的な信号とする手段を備えたこ
とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁
気センサ装置。 - 【請求項7】 被測定電流によって発生する磁界を測定
することによって被測定電流を測定する電流センサ装置
であって、 被測定電流によって発生する磁界に応じて出力が非線形
に変化する磁気検出素子と、 この磁気検出素子を用いて、磁気検出素子の出力の磁界
についての微分係数に対応し、被測定電流の大きさおよ
び方向の情報を含む微分信号を生成する微分信号生成手
段とを備えたことを特徴とする電流センサ装置。 - 【請求項8】 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子
であることを特徴とする請求項7記載の電流センサ装
置。 - 【請求項9】 前記微分信号生成手段は、前記磁気検出
素子に対して所定の交流磁界を印加する交流磁界印加手
段と、前記磁気検出素子の出力と前記交流磁界に対応し
た交流信号とを乗算して、前記微分信号として、前記磁
気検出素子の出力のうちの前記交流磁界に対応した成分
の振幅および位相の情報を含む信号を検波する検波手段
とを有することを特徴とする請求項7または8記載の電
流センサ装置。 - 【請求項10】 前記微分信号生成手段は、前記磁気検
出素子としての前記磁気抵抗効果素子に対して所定の交
流磁界を印加する交流磁界印加手段と、前記磁気抵抗効
果素子に対して、前記交流磁界と相似な波形の駆動電流
を供給する駆動電流供給手段と、前記微分信号として、
前記磁気検出素子の出力を検出する検出手段とを有する
ことを特徴とする請求項8記載の電流センサ装置。 - 【請求項11】 更に、前記磁気検出素子の出力の磁界
についての2階微分係数を、一定になるように制御する
制御手段を備えたことを特徴とする請求項7ないし10
のいずれかに記載の電流センサ装置。 - 【請求項12】 更に、前記微分信号生成手段によって
生成される微分信号を間欠的な信号とする手段を備えた
ことを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載
の電流センサ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10222167A JP2000055998A (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 磁気センサ装置および電流センサ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10222167A JP2000055998A (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 磁気センサ装置および電流センサ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000055998A true JP2000055998A (ja) | 2000-02-25 |
Family
ID=16778236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10222167A Withdrawn JP2000055998A (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 磁気センサ装置および電流センサ装置 |
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JP (1) | JP2000055998A (ja) |
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- 1998-08-05 JP JP10222167A patent/JP2000055998A/ja not_active Withdrawn
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