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JP2000054300A - 断熱容器の製造方法 - Google Patents

断熱容器の製造方法

Info

Publication number
JP2000054300A
JP2000054300A JP10222701A JP22270198A JP2000054300A JP 2000054300 A JP2000054300 A JP 2000054300A JP 10222701 A JP10222701 A JP 10222701A JP 22270198 A JP22270198 A JP 22270198A JP 2000054300 A JP2000054300 A JP 2000054300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
treatment
molded product
water
pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10222701A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Suenaga
浩 末永
Hisao Ishikawa
久夫 石川
Shunsuke Shioi
俊介 塩井
Koji Iwasaki
廣司 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Seitai Kaisha Ltd
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Seitai Kaisha Ltd
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Seitai Kaisha Ltd, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Seitai Kaisha Ltd
Priority to JP10222701A priority Critical patent/JP2000054300A/ja
Publication of JP2000054300A publication Critical patent/JP2000054300A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性にすぐれた容器を製造するにあたり、
環境に優しいパルプ等の素材を使って生産性良く製造で
き、かつ安価な断熱性容器を提供することにある。 【解決手段】 カナダ標準フリーネスが550ml以上
の組成物からなる水性スラリーを用いて、多数の小孔を
有する成形型で湿潤成形物を形成し、続いて、該湿潤成
形物を型内乾燥して成形物とした後に、該成形物表面
に、表面強度向上処理、撥水処理、耐水処理から選ばれ
る少なくとも一種の表面処理を施す断熱容器の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境に優しい天然
パルプ等の素材を使って生産性良く安価に得られる、優
れた断熱性を有する容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡スチロールは、軽量、安価
で、断熱性、加工性に優れ、しかも外観体裁も良好であ
る等の特徴を生かしてディスポーザブル用途のコップ、
お碗、皿等の容器に用いられている。しかし、近年、環
境問題への関心が高まるにつれて、他の所謂プラスチッ
ク製品と同様に、使用後の処理性を問題視する声が高ま
っている。すなわち、使用した後、焼却した場合には、
高温の発生による炉の損傷、有毒ガスの発生が指摘され
ている。また、埋め立て処理を行った場合は、分解性が
なく、さらに嵩張るため、処理場の不足を招く一因とも
考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発泡スチロールの
処理上の問題点を解決するものとして、最近では、断熱
性や強度を高める等の目的のためのコルゲート加工を紙
に施し、更に耐水性を持たせるためにフィルムで表面の
ラミネート加工を施したタイプの紙製の容器が研究され
ている。しかし、一般に紙製の容器は、発泡スチロール
製の容器と比べると、断熱性が劣る、生産性が悪くて高
価等の問題を有している。本発明の目的は、環境に優し
いパルプ等の素材を使って生産性良く安価に得られる、
優れた断熱性を有する容器及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の構成を採用する。即ち、本発明は、
「カナダ標準フリーネス(CSF)が550ml以上の
組成物からなる水性スラリーを用いて、多数の小孔を有
する成形型の小孔から水を除去することによって該成形
型にスラリー中の小孔不通過成分を堆積させて湿潤成形
物を形成し、続いて、該湿潤成形物を型内乾燥して成形
物とした後に、該成形物表面に、表面強度向上処理、撥
水処理、耐水処理から選ばれる少なくとも一種の表面処
理を施すことを特徴とする断熱容器の製造方法」であ
る。
【0005】本発明の型内乾燥は前記湿潤成形物に加熱
エアーを通過させて行うことが望ましい。また、本発明
の表面処理がプラスチックフィルムを表面に積層するこ
とによる耐水処理であり、かつ、該積層処理は、型内乾
燥後に、型内において吸引しながら行う方法が推奨され
る。本発明の水性スラリー組成物の主成分はセルロース
系繊維であることが推奨される。該セルロース系繊維の
一部がカール処理の施されたセルロース繊維であること
が推奨される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水性スラリー
原料としては、生分解性を有して環境に優しく、しかも
原料調達が容易であるパルプ等のセルロース系繊維が最
も好ましいものであるが、それ以外のものでも成形型の
小孔に対して大部分が不通過の微細物で、スラリー組成
物のカナダ標準フリーネス(CSF)が550ml以上
となるものであれば本発明の効果が期待出来る。中で
も、カナダ標準フリーネス(CSF)が620ml以上
となるものは本発明の効果が特に顕著である。
【0007】使用できる素材としては、例えば、天然有
機高分子の繊維や粗粉・微粒子等を挙げることが出来
る。原料の大きさは特に限定されるものではないが、ス
ラリーにする場合の分散性と、成形時の原料歩留りを考
慮して、通常0.1〜50mmの範囲のものが使われ
る。かかる原料は2種以上併用してもかまわない。当然
のことながら原料としてはリサイクル用として回収され
たものも利用できる。
【0008】原料としてより具体的には以下のものが挙
げられる。天然有機高分子繊維としては、例えば、パル
プ等のセルロース系繊維、ウールや絹糸やコラーゲン繊
維等の蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギン酸
繊維等の複合糖鎖系繊維等、天然有機高分子粗粉・微粒
子としては、例えば、木材、バカス、稲藁等のセルロー
ス系材料を粗粉砕して得られるセルロース系粗粉、もみ
がら、ふすま、ビール粕、大豆粕等が挙げられる。
【0009】本発明のスラリー原料として最も適してい
るセルロース系繊維としては、例えば、針葉樹、広葉樹
をクラフトパルプ化、サルファイトパルプ化、アルカリ
パルプ化等して得られる未晒又は晒化学パルプ、或いは
GP、TMP(サーモメカニカルパルプ)等の機械パル
プ、或いはコットンパルプ、リンターパルプ、液体アン
モニア処理パルプ、マーセル化パルプ、架橋処理パル
プ、カールドファイバー等が挙げられる。カナダ標準フ
リーネス(CSF)が550ml以上の他の素材と併用
する場合には、カナダ標準フリーネス(CSF)が55
0ml以下のものも使用できるが、本発明の効果の点で
550ml以上のものがより好ましい。中でも、カナダ
標準フリーネス(CSF)が550〜850mlの範囲
のものは、濾水性が良好でしかも該繊維の製造が容易で
安価でありより好ましい。
【0010】カナダ標準フリーネス(CSF)が550
ml以上のセルロース系繊維の中でもカール処理を施し
てカール形状を与えたカールドファイバーは、低密度性
と断熱性の面で特に優れた成形物が得られるので好まし
い。中でも取り分け、湿潤カールファクターが0.4〜
1.0の範囲にあるカールドファイバーは、長時間水に
分散した状態においてもカール形状が良好に保たれる性
質を有しており、優れた低密度性と断熱性を有する成形
体を長時間安定して生産するのに適するので特に好まし
い。湿潤カールファクターが0.4未満では低密度性の
やや劣るものとなり、一方、1.0を超えて大きくなる
と、パルプ繊維に変形を付与する際の機械的処理の強化
によって生ずるパルプ繊維の損傷による繊維強度の低
下、紙粉の発生が顕著になり、実用可能であるが余り好
ましくない。
【0011】因みに、湿潤カールファクターとは、湿潤
状態での繊維の変形の程度を示す指標で、カールドファ
イバーを室温下、24時間純水に浸漬した後の繊維の実
際の長さ(LA)と繊維の最大投影長さ(繊維を囲む長
方形の最長辺の長さ、LB)を顕微鏡を用いて測定し、
〔(LA/LB)−1〕で算出される値で、直線的な元
の繊維の長さからどれだけ曲線化しているかを数値化し
たものである。
【0012】カールドファイバーは、通常セルロース系
繊維に架橋剤を添加した後、繊維を変形させる機械的撹
拌を施し、次いでフラッフ化と加熱処理を行い、変形を
固定することによって得られる。公知のものとしては、
例えば、C2〜C8のジアルデヒド並びに酸官能基を有
するC2〜C8のモノアルデヒドを使用してセルロース
系繊維の内部を架橋させた平均保水度28%〜50%の
架橋繊維(特公平5−71702号公報)、C2〜C9
のポリカルボン酸を用いてセルロース系繊維を内部架橋
させた保水度25%〜60%の架橋繊維(特開平3−2
06174号公報、特開平3−206175号公報、特
開平3−206176号公報参照)等が挙げられる。カ
ールドファイバーの原料として用いられるセルロース系
繊維としては、例えば、針葉樹、広葉樹をクラフトパル
プ化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化等して
得られる未晒又は晒化学パルプ、或いはGP、TMP
(サーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、或いはコ
ットンパルプ、リンターパルプ等が挙げられる。
【0013】上記の素材を主原料にスラリーが調製され
るが、耐水性のある断熱容器が必要な場合、或いは後の
フィルムとの貼り合わせ工程で、フィルムと成形物との
接着を強力に行いたい場合には、熱融着性のポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン−ポリプロ
ピレン鞘芯繊維、脂肪族ポリエステル繊維(例えば、ビ
オノーレ繊維)、アセチルセルロース繊維等の合成有機
高分子繊維、ポリエチレンビーズ、アセチルセルロース
粉砕物等の合成有機高分子粒子を添加すると効果があ
る。その際、これらの合成有機高分子繊維・粒子は、通
常組成物に対して乾燥重量で1〜30%の範囲で配合さ
れる。
【0014】又、カールドファイバーのように原料によ
っては相互に結合力が弱くて単独では層間強度の不十分
なものになる場合もあり、その場合には必要に応じて、
層間強度を高める作用のある材料、例えば、接着剤、微
細繊維等がスラリー中に添加される。中でも、成形体製
造時の排水処理が容易な点で微細繊維が好ましく用いら
れる。接着剤としては、例えば、澱粉、加工澱粉、植物
ガム、ゼラチン、カゼイン、PVA、CMC、ヒドロキ
シエチルセルロース、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド尿素ホルムアル
デヒド樹脂、ケトン樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリ
ン樹脂、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、アクリル酸エ
ステル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重
合エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合エマルジ
ョンなどが挙げられる。微細繊維としては、例えば、天
然有機高分子繊維あるいは合成有機高分子繊維を、媒体
撹拌ミル、振動ミル、高圧均質化装置、コロイドミル処
理、叩解機処理等で湿式機械的処理して得られる繊維が
挙げられ、通常数平均繊維長が0.01〜0.80mm
の範囲のものが使われる。
【0015】微細繊維の原料となる天然有機高分子繊維
としては、例えば、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ
化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化等して得
られる未晒又は晒化学パルプ、或いはGP、TMP(サ
ーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、或いはコット
ンパルプ、リンターパルプ、バクテリアセルロース等の
セルロース系繊維、ウールや絹糸やコラーゲン繊維等の
蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギン酸繊維等
の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。合成有機高分子繊維
としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン鞘芯繊維、ポリア
クリロニトリル繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、ポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維、アセチルセルロース
系繊維等が挙げられる。上記接着剤、微細繊維は、通常
組成物に対して乾燥重量で2〜40%の範囲で配合され
る。
【0016】スラリー組成物には、他に性能向上等のた
めに必要に応じて適宜、耐水化剤、撥水剤、増粘剤、サ
イズ剤、歩留向上剤、界面活性剤、染料、顔料、填料、
PH調整剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、発泡性マイクロ
カプセル、発泡剤、消臭剤等を選択し配合することがで
きる。これらは複数種併用することも出来る。
【0017】スラリーは、通常撹拌機を有する装置でバ
ッチ式或いは連続的に調製される。スラリー形成に用い
られる媒体としては水が使用されるが、他にアルコー
ル、アセトン、酢酸エチル、グリセリン等、水に混合可
能な有機溶媒と水との混和液を使用することもできる。
水とアルコールの混和液を用いる場合、乾燥性が良くて
生産性が上がる、或いは乾燥時の成形物の寸法変化が少
なく精度の良いものが得られる等のメリットがある。ま
た、媒体の加温は乾燥速度を上げる効果がある。スラリ
ーの濃度は、通常乾燥固形分量が0.002〜5重量%
の範囲に調製されるが、分散状態の点で0.002〜2
重量%の範囲のものが好ましい。
【0018】本発明に用いられる成形法としては、これ
に限定されるものではないが、下記の〜が好ましい
方法として挙げられる。
【0019】:雄型の多数の小孔を有する成形型をパ
ルプスラリー(本発明においては、スラリー組成物はパ
ルプに限定されるものではないが、図の説明においては
以下、パルプで説明する)槽中に沈めて、通常のパルプ
モールドのように吸引口から吸引し、図1(a)の様に
パルプを成形型表面に堆積させた後に槽から出し、その
後吸引しながら成形体に熱風を当てて型内で乾燥する方
法。
【0020】:雄型の多数の小孔を有する成形型をパ
ルプスラリー槽中に沈めて吸引口から吸引し、図1
(a)の様にパルプを成形型表面に堆積させた後に槽か
ら出し、その後図1(b)の様に雌型を被せて軽く堆積
層を圧縮して面を整え、その後吸引口から吸引しながら
雌型の熱風供給口から熱風を送って型内で乾燥する方
法。
【0021】:雌型の小孔を有する成形型をパルプス
ラリー槽中に沈めて、通常のパルプモールドのように吸
引口から吸引し、図2(a)の様にパルプを成形型表面
に堆積させた後に槽から出し、その後吸引しながら成形
体に熱風を当てて型内で乾燥する方法。
【0022】:雌型の小孔を有する成形型をパルプス
ラリー槽中に沈めて吸引口から吸引し、図2(a)の様
にパルプを成形型表面に堆積させた後に槽から出し、そ
の後図2(b)の様に雄型を被せて軽く堆積層を圧縮し
て面を整え、その後吸引口から吸引しながら雄型の熱風
供給口から熱風を送って型内で乾燥する方法。
【0023】:図3(a)の様に、多数の小孔を有す
る雌型と雄型の間の空隙にパルプスラリーを入れ、その
後雌型と雄型間の距離を狭めながら両方の型の小孔から
脱水を行って雌型と雄型の間に図3(b)の様にパルプ
層を形成せしめ、その後雌型から吸引しながら雄型から
熱風を送って型内で乾燥する方法。
【0024】中でも、の方法は、成形物の表面の
平滑性に優れ好ましい。取り分けの方法によって得ら
れたものは、低密度で断熱性の面で特に優れ好ましい。
他に、成形物の表面を平滑にするための手段として、湿
潤状態のパルプ堆積層の表面の凹凸を水流で均す操作が
有効である。
【0025】スラリーの媒体である水を小孔から除去す
る方法としては、吸引脱水法、ガス加圧脱水法、機械加
圧脱水法、電気浸透脱水法等があり、これらを組合せる
こともできる。また、図示していないが、小孔からから
の水を外部へ排出するための排水機構を有する。
【0026】本発明で言う型内乾燥とは、湿潤成形物を
乾燥する際に、変形しないように雄型または雌型の少な
くとも一つに成形体をあてがって寸法を固定しながら乾
燥する方法を指す。最も望ましくは、雄雌両型で成形体
を押さえた状態で乾燥するが、雄型または雌型のみを使
用する場合は、成形体を他の治具で押さえれば良い。乾
燥に使用する型は、湿潤成形体を製造する型でも良い
し、別の型に移して行っても良い。
【0027】湿潤成形物の乾燥には、例えば熱風乾燥、
赤外線乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の公知の方法をと
ることが出来るが、乾燥効率の点で堆積層に加熱エアー
を通過させる方法が好ましい。中でも、0.1リッター
/(cm2・分)以上の流量で、加熱エアーが堆積層内
を流れるような条件で乾燥を行うのが好ましい。堆積層
内に加熱エアーを効率的に流す手段としては、例えば
加熱エアーを堆積層内に加圧注入する、成形物の反対
側から加熱エアーを常圧或いは加圧で供給しながら、堆
積層内のエアーを吸引する、成形物に赤外線或いはマ
イクロウェーブを当てながら、堆積層内のエアーを吸引
する、成形物に赤外線或いはマイクロウェーブを当て
ながら、常温エアー或いは加熱エアーを堆積層内に加圧
注入する(場合によっては同時に、堆積層内のエアー吸
引をする)等の手段を挙げることができる。
【0028】乾燥条件として、エアーの流量0.1リッ
ター/(cm2・分)以上で十分効果があるが、中でも
流量1リッター/(cm2・分)以上が好ましい。取り
分け、流量5リッター/(cm2・分)以上が好まし
い。加熱エアーとしては通常50℃以上のものが使用さ
れるが、乾燥効率の点で100℃以上のものが好まし
い。中でも、130℃以上のものが特に好ましい。乾燥
には、加熱エアー以外に加熱した窒素ガス,加熱水蒸気
等も用いることができるが、乾燥効率やコストの面で加
熱エアーが最も好ましい。
【0029】成形物表面の強度向上処理、撥水処理、耐
水処理には、成形物表面への接着剤、撥水剤の塗布或い
はフィルムの貼り合わせの手段が用いられる。成形物表
面への塗布に使われる接着剤としては、例えば、澱粉、
加工澱粉、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、植物
ガム、ゼラチン、カゼイン、PVA、尿素ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド
尿素ホルムアルデヒド樹脂、ケトン樹脂、ポリアミドエ
ピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロ
ルヒドリン樹脂、グリセロールポリグリシジルエーテル
樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、SBR樹脂、アクリル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン系樹
脂、テルペン系樹脂、天然ゴム、合成ゴム、その他にU
V或いはEB硬化樹脂等を挙げることができ、これらは
単独或いは組み合わせて用いることができる。これら
は、通常水或いは溶剤に溶解して、或いはエマルジョン
として、或いは液体の場合はそのまま塗布される。中で
も、作業環境上水性系の使用が好ましい。塗布は、通常
スプレーによる噴霧や刷毛塗りや含浸等によって行われ
る。塗布量は通常乾燥重量で2〜50g/m2(成形体
の表面に対して)である。塗布後、必要に応じて熱風、
赤外線、マイクロウェーブ、紫外線、電子線等を使って
乾燥、硬化の処理が施される。
【0030】塗布に使われる撥水剤としては、例えば、
天然ワックス、石油系ワックス、塩素化パラフィン等の
ワックスエマルジョン、シリコン樹脂、フッ素化合物等
を挙げることができ、これらは単独或いは組み合わせて
用いることができる。これらは、通常エマルジョン或い
は溶液として塗布される。塗布は、通常スプレーによる
噴霧や刷毛塗りや含浸等によって行われる。塗布量は通
常乾燥重量で2〜30g/m2(成形体の表面に対し
て)である。塗布後、通常熱風、赤外線、マイクロウェ
ーブを使って乾燥の処理が施される。又、接着剤と撥水
剤を混合した形で塗布することもできる。又、上記塗液
には、性能向上や機能付与等のために必要に応じて他に
適宜、染料、顔料、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、帯電防止
剤、界面活性剤等の各種助剤が添加される。尚、接着
剤、撥水剤の塗布は、成形物の乾燥後に行うのが望まし
いが、乾燥の途中に行うこともできる。塗布は必要に応
じて、片面或いは両面になされる。
【0031】成形物表面への貼り合わせに使われるフィ
ルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ナイロン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体
(エバール)、ポリカーボネート、ポリエステル(PE
T)、脂肪族ポリエステル、アセテート、セロハン等が
挙げられるが、中でも、生分解性樹脂或いは水溶性樹脂
からなるフィルムは、廃棄処理が容易であり特に好まし
い。具体的には、ビオノーレ(昭和高分子)、レーシア
(三井化学)、ルナーレZT(日本触媒)、セロハン、
ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、フィルム
として顔料や小孔を有するものも使うことが出来る。本
発明においては、通常8μm〜1mm程度の範囲の厚さ
のフィルムが使われる。
【0032】フィルムの貼り合わせは、必要に応じて成
形体の片面或いは両面になされる。図4(b)の様な片
面の貼り合わせ品は、雌型内にある乾燥後の成形物を吸
引しておいて、図4(a)の様にその上からフィルム
(或いは予め成形しておいたフィルム)を被せて吸引し
て成形物表面に密着させ、場合によってはその状態で加
熱して接着させる方法が有効である。また、成形物の表
面に凹凸がある場合、フィルムの貼り合わせ時或いは後
に、雄型で弱く加圧することによって面を良くすること
ができる。また、フィルムと成形体の接着が不十分な場
合、予めフィルム或いは成形体に接着剤或いは粘着剤
(ポリビニールアルコールの場合は水)を塗布しておけ
ばよい。両面に貼り合わせを行う場合、上記の片面貼り
合わせ品を逆型(使用した型が雄型なら雌型)で吸引し
て取り出し、その上からフィルムを被せて、続いて型で
(場合によっては型にエアーを注入して)圧着する等の
方法をとることができる。尚、フィルムの貼り合わせを
両面に行う場合、表面と裏面の処理は必ずしも同一であ
る必要はない。当然のことながら、表面がフィルムの貼
り合わせ、裏面が接着剤、撥水剤の塗布という組合せも
ある。フィルム或いは成形体に塗布される接着剤或いは
粘着剤としては、例えば酢酸ビニル樹脂、アクリル樹
脂、SBR樹脂、アクリル系粘着剤等が挙げられる。
【0033】成形物の表面強度アップ或いは耐水性アッ
プには、合成紙、耐水紙、撥水紙、アルミ等の金属箔等
の貼り合わせも有効である。また、成形物に、従来の紙
容器や合成樹脂容器をはめ込んで使用する方法も有効で
ある。
【0034】得られた断熱容器は、必要に応じて適宜印
刷等の加工が施され、熱い飲食物や冷たい飲食物を入れ
る容器等に使われるが、用途に関しては特に限定される
ものではない。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げてより具体的に説明する
が、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において「部」及び「%」とある
のは特に断らない限り「固形分重量部」及び「重量%」
を示す。
【0036】<実施例1>叩解処理を施していない針葉
樹晒クラフトパルプ絶乾100gに、非ホルマリン系架
橋剤(商品名:スミテックスNF−500K、住友化学
工業社製)とその架橋助剤(商品名:スミテックスAC
CELERATER MX、住友化学工業社製)をそれ
ぞれ有効成分換算で5g、2g含有する水溶液100g
を加え、よく混合した。この架橋剤含浸処理パルプを湿
潤状態のまま容量1リットルの双腕型ニーダー(型式:
S1−1、森山製作所製)にいれ、室温にて双腕をそれ
ぞれ60rpmと100rpmで回転させ、40分間ニ
ーディング処理を施した。次いで、このニーディング処
理済みパルプを、湿潤状態のままワーブルグブレンダー
に入れ、繊維状に解繊させた。さらに、この繊維を袋か
ら取り出し、ステンレス製のバットに入れて、150℃
の送風乾燥器中で30分間加熱して架橋反応を完結させ
て、カールドファイバーを得た。このカールドファイバ
ーの湿潤カールファクターを測定したところ、0.63
であった。また、この繊維のカナダ標準フリーネス(C
SF)を測定したところ753mlであった。
【0037】また、固形分濃度1%の広葉樹晒クラフト
パルプの水スラリーを、平均粒径2mmφのガラスビー
ズを80%充填した1.5リットル容のダイノミル(型
式:KDL−PILOT型、シンマル・エンタープライ
ゼス社製)装置に350ml/分で導入、通過させるこ
とにより数平均繊維長0.28mm、保水度285%の
微細繊維を得た。
【0038】以上のようにして得られたカールドファイ
バー90部と、微細繊維10部、及び水を加えて固形分
濃度が0.5%となるように原料スラリーを調整した。
尚、この二種類の混合繊維のフリーネスは721mlで
あった。次に、コップ状の雌型の金型を用いてパルプモ
ールド方式で、上記スラリーを吸引・脱水し、その上か
ら雄型の金型を押し当てて面を整えて、堆積層の厚みが
5mmのコップ状の湿潤成形物を得た。続いて、型内の
湿潤成形物を−300mmHgで雌型の金型側から吸引
しながら、150℃の熱風を雄型の金型から送って堆積
層を通過させ乾燥した。乾燥に要した時間は20秒であ
った。次に、雄型を外し、乾燥した成形物の上から、3
0μmのヒートシール性フィルムを被せて吸引しなが
ら、150℃の熱を加えてフィルムを成形体に密着さ
せ、耐水性のある断熱カップを得た。
【0039】
【発明の効果】上記のように本発明は、極めて濾水性の
良い組成物のスラリーを用いて成形物とし、その後に該
成形物の表面に、表面強度アップ或いは耐水処理を施し
て断熱容器を得るので、環境に優しいパルプ等の素材を
使って優れた断熱性の容器が生産性良く安価に得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の1形態であり、雄型にパルプ
等を吸着する方法を示す断面模式図である。
【図2】 本発明の実施の1形態であり、雌型にパルプ
等を吸着する方法を示す断面模式図である。
【図3】 本発明の実施の1形態であり、シリンダー型
の容器にスラリーを入れ、雄型雌型の距離を狭めること
により、水を排出しながら成形体を形成する方法を示す
断面模式図である。
【図4】 成形物の内側にフィルムまたは、成形物と同
型のプラスチック成形品を貼合する方法を示す断面模式
図である。
【符号の説明】
1:雄型 2:雌型 3:スラリー 4:パルプ等の小穴不透過成分 5:成形品 6:小孔 7:フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩井 俊介 東京都中央区銀座四丁目7番5号 王子製 紙株式会内 (72)発明者 岩崎 廣司 東京都千代田区外神田三丁目6番4号 王 子製袋株式会内 Fターム(参考) 4L055 AF09 AF44 AF46 AH16 AH23 AH50 AJ02 BE08 BE14 BF08 BF09 EA05 FA13 FA19 FA30 GA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カナダ標準フリーネスが550ml以上
    の組成物からなる水性スラリーを用いて、多数の小孔を
    有する成形型の小孔から水を除去することによって該成
    形型にスラリー中の小孔不通過成分を堆積させて湿潤成
    形物を形成し、続いて、該湿潤成形物を型内乾燥して成
    形物とした後に、該成形物表面に、表面強度向上処理、
    撥水処理、耐水処理から選ばれる少なくとも一種の表面
    処理を施すことを特徴とする断熱容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記型内乾燥は前記湿潤成形物に加熱エ
    アーを通過させて行う請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記表面処理がプラスチックフィルムを
    表面に積層することによる耐水処理であり、かつ、該積
    層処理は、型内乾燥後に、型内において吸引しながら行
    う請求項1に記載の断熱容器の製造方法。
  4. 【請求項4】 スラリー組成物の主成分がセルロース系
    繊維である請求項1に記載の断熱容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 該セルロース系繊維がカール処理の施さ
    れたセルロース繊維である請求項4に記載の断熱容器の
    製造方法。
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