JP2000053657A - ブラシノステロイド生合成阻害剤 - Google Patents
ブラシノステロイド生合成阻害剤Info
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Abstract
害作用を有し、植物成長調節剤として有用な化合物を提
供する。 【解決手段】 下記の式(I): 【化1】 (式中、R1は低級アルキル基を示し、R2は置換基を
有することもあるフェニル基又は低級アルキル基を示
し、R3は置換基を有することもあるフェニル基を示
す)で表される化合物(例えば4−(4−クロロフェニ
ル)−2−フェニル−3−(1,2,4−トリアゾイ
ル)ブタン−2−オールなど)又はその塩。
Description
生合成阻害作用を有する化合物及び該化合物を含む植物
成長調節剤に関するものである。
学と生合成研究が結びつくことにより新しい分類の植物
ホルモンとして認識されるようになった (Yokota, Tren
ds in Plant Sci. 2, 137-143, 1997)。ブラシノステロ
イドの化学が確立されて以来、それら同族体の生物活性
が広く研究されており、茎の伸長、花粉管の生長、葉の
屈曲、葉の開放、根の抑制、プロトンポンプの活性化
(Mandava, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Bio
l. 39, 23-52, 1988)、エチレン生産の促進 (Schlagnha
ufer et al., Physiol. Plant, 61, pp.555-558, 198
4)、導管要素の分化 (Iwasaki et al., Plant Cell Phy
siol. 32, 1007-1014, 1991; Yamamoto et al.,Plant C
ell Physiol. 38, 980-983, 1997)、及び細胞伸長 (Azp
iroz et al., Plant Cell, 10, pp.219-230, 1998)を含
む注目すべき植物生長反応が示されている。
る広範囲の研究から、その生理作用のメカニズム及び調
節が解明され始めている (Clouse, Plant J. 10, pp.1-
8, 1996; Fujioka et al., Physiol. Plant, 100, pp.7
10-715, 1997)。現在のところ、40個以上のブラシノス
テロイドが同定されているが、C28-ブラシノステロイド
のほとんどはごく一般的な植物ステロールであり、側鎖
の炭素骨格がブラシノライドと同じであるカンペステロ
ールから生合成されると考えられている。
が幾つか単離されており、dwarf1 (dwf1: Feldman et a
l., Science, 243, pp.1351-1354, 1989; dim: Takahas
hi etal., Genes Dev., 9, pp.97-107, 1995; cbb1: Ka
uschmann et al., Plant J.,9, pp.701-703, 1996)、構
造的な光形態形成及び矮小化 (cpd; Szekeres et al.,
Cell, 85, pp.171-182, 1997)、並びに脱黄化 (det2: L
i et al., Science, 272, pp.398-401, 1996; Fujioka
et al., Plant Cell, 9, pp.1951-1962, 1997)が知られ
ている。これらはブラシノステロイド生合成経路に欠損
を有している。また、エンドウマメのdwarf変異体が最
近特性決定されており、ブラシノステロイド欠損体であ
ることが報告された(Nomura et al., Plant Physiol.,
113, pp.31-37, 1997)。これらの例では、ブラシノライ
ドを使用すると変異体の重度の矮小化が打ち消されるこ
とが知られている。これらの知見はブラシノステロイド
が植物の生長及び発達に必要不可欠な役割を持つことを
示唆しているが、ブラシノライドの生理学的重要性を解
明するには変異体分析よりも別の有効な道具が求められ
ている。
るように生合成の特異的阻害剤は内因性物質の生理的機
能を知る上で非常に有効である。ブラシノステロイド生
合成の特異的阻害剤は、ブラシノステロイドの機能を理
解するための新たな手段を提供することが期待される。
ユニコナゾールは ent-カウレンからent-カウレン酸へ
のジベレリン生合成段階でチトクローム P-450による酸
化を阻害する強力な植物生長調節剤(PGR)であり、横田
らはこの化合物の副作用として内因性カスタステロン量
の僅かな減少を観察している(Yokota et al., “Gibber
ellin”, Springer Verlag, New York, pp.339-349, 19
91)。実際に、ユニコナゾールはブラシノライドが誘導
する導管要素の分化を阻害するが(Iwasaki et al., Pla
nt Cell Physiol. 32, 1007-1014, 1991)、ユニコナゾ
ールは本質的にジベレリン生合成を阻害するところか
ら、ブラシノライド阻害作用は付随的な性質でしかな
い。
の手段】本発明の課題は、ブラシノステロイド生合成の
特異的阻害剤を提供することにある。生合成酵素の欠損
した変異体がアラビドプシスでいくつか知られており、
その形態的変化はブラシノステロイド生合成欠損に特有
であるところから、本発明者らはブラシノステロイド生
合成の特異的阻害剤を見出すべく、ブラシノステロイド
生合成酵素欠損株に特有な形態変化を惹起する化合物を
鋭意探索した。その結果、下記の式(I)で表されるトリ
アゾール化合物が所望の阻害作用を有していることを見
出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたも
のである。
有することもあるフェニル基又は低級アルキル基を示
し、R3は置換基を有することもあるフェニル基を示
す)で表される化合物又はその塩を提供するものであ
る。この発明の好ましい態様によれば、R1がメチル基
又はエチル基であり、R2が置換基を有することもある
フェニル基又はtert-ブチル基である上記化合物又はそ
の塩が提供される。
(I)で表される化合物又は生理的に許容されるその塩を
含むブラシノステロイド生合成阻害剤が提供される。本
発明の阻害剤は、例えば、植物の伸長抑制、花粉成長抑
制、花の鮮度保持、植物の抗ストレス剤、雑草防除、植
物の老化抑制、根の肥大化などの植物成長調節剤として
用いることができる。
アルキル基を示す。低級アルキル基としては、炭素数1
個〜6個程度の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を用いるこ
とができる。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル
基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert
-ブチル基などを挙げることができる。R1が示す低級
アルキル基としては、メチル基又はエチル基が好まし
い。
基又は低級アルキル基を示す。R2が示す低級アルキル
基としては炭素数3個〜6個程度の分枝鎖のアルキル基
が好ましく、例えば、イソプロピル基、tert-ブチル基
などの嵩高いアルキル基が好適である。R2又はR3が
示すフェニル基が置換基を有する場合には、その置換基
の種類、個数、又は結合位置は特に限定されない。例え
ば、1個ないし3個、好ましくは1個又は2個程度の置
換基を有していることが好ましく、2個以上の置換基を
有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよ
い。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は
ヨウ素原子のいずれでもよい)、低級アルキル基(メチ
ル基、エチル基など)、低級シクロアルキル基(シクロ
プロピル基など)、ハロゲン化低級アルキル基(トリフ
ルオロメチル基など)、低級アルコキシ基(メトキシ
基、エトキシ基など)、アミノ基、モノ若しくはジアル
キルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基(エトキシカルボニル基など)、アルカノイル基(ア
セチル基など)、アロイル基(ベンゾイル基など)、ア
ラルキル基(ベンジル基など)、アリール基(フェニル
基など)、ヘテロアリール基(ピリジル基など)、ヘテ
ロ環基(ピロリジニル基など)、水酸基、ニトロ基、シ
アノ基などを挙げることができるが、これらに限定され
ることはない。これらのうち、ハロゲン原子、低級アル
キル基、ハロゲン化低級アルキル基、低級アルコキシ基
などが好ましい。
炭素を有しており、置換基の種類に応じて、さらに1個
又は2個以上の不斉炭素を有する場合がある。これらの
不斉炭素に基づく純粋な形態の光学活性体又はジアステ
レオ異性体のほか、任意の異性体混合物(例えば、2以
上のジアステレオ異性体の混合物)又はラセミ体などが
本発明の範囲に包含される。また、本発明の化合物は酸
付加塩を形成することができ、置換基の種類に応じて酸
付加塩を形成することもある。塩の種類は特に限定され
ず、塩酸、硫酸などの鉱酸類との塩、p-トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、酒石酸などの有機酸類との
塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金
属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミンなどの有機ア
ミンとの塩、グリシンなどのアミノ酸との塩を挙げるこ
とができる。
本発明の化合物はこれらに限定されることはない。表中
の記号は、Me:メチル基;Et:エチル基;MeO:
メトキシ基;tert-Bu:三級ブチル基;Ph:フェニ
ル基を示し、置換基を有するフェニル基については4−
Cl−Ph:4-クロロフェニル基;2,4−di−Cl
−Ph:2,4-ジクロロフェニル基;2−Cl−4−F−
Ph:2-クロロ-4-フルオロフェニル基を示し、その他
も同様に表示した。
ないが、例えば、下記の方法に従って製造することがで
きる。本明細書の実施例には、本発明の代表的な化合物
について、その製造方法が具体的かつ詳細に説明されて
いる。従って、当業者は、下記の一般的な説明及び実施
例の具体的説明を参照しつつ、原料化合物、反応試薬、
反応条件などを適宜選択し、必要に応じてこれらの方法
に適宜の修飾ないし改変を加えることによって一般式
(I)に包含される本発明の化合物を容易に製造すること
が可能である。なお、必要に応じて原料化合物又は反応
試薬の反応性官能基を適宜の保護基で保護しておいても
よい。このような保護基は官能基の種類に応じて当業者
が適宜選択可能である。
ル、メタノール、エタノール、ジメチルホルミアミド等
の適当な溶媒中で、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、カ
リウムブトキサイド、ナトリウムハイドライド、カリウ
ムハイドライド、ナトリウムメトキサイド、ナトリウム
エトキサイド等の適当な酸結合剤の存在下に、化合物(I
I)と1,2,4-トリアゾール又はそのアルカリ金属塩を反応
することにより製造できる(スキーム中、Xnは水素原
子、塩素原子、フッ素原子、又はメトキシ基などの1又
は2以上の置換基を表し、Halは塩素原子、臭素原
子、又はヨウ素原子を表す)。
トリウムハイドライド、カリウムハイドライド、ナトリ
ウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド等の適当な
塩基の存在下にメタノール、エタノール、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミド等の適当な乾燥溶媒中で
ベンジルハライド誘導体と反応させることにより化合物
(IV)を製造することができる(スキーム中、Ynは塩素
原子、臭素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メ
トキシ基などの1又は2以上の置換基を表す)。
ド、ヂグリム、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのア
プロティックな無水溶媒中で、アルキルリチウム又はグ
リニャール試薬などの有機金属化合物を化合物(IV)と反
応させることにより本発明の化合物(I)を製造すること
ができる(式中、R1は式(I)における定義と同義であ
り、好ましくはメチル基又はエチル基を示し、Xn及び
Ynは上記定義のとおりである)。本反応においてアル
キル化を行う際に、アルキルリチウム又はアルキルマグ
ネシウムブロミドを反応させた場合では生成物の立体異
性体の割合が異なる場合があり、メチル化の際には、各
々異なるジアステレオ異性体をほぼ100%に近い割合で
与える場合がある。従って、反応試薬を適宜選択するこ
とにより、所望の立体異性体を選択的に製造することが
可能である。
テロイド生合成に対して特異的な阻害作用を有してい
る。従って、本発明の化合物またはその塩は、例えば、
植物の成長調節剤の有効成分として有用である。本明細
書において用いられる「植物成長調節」という用語は、
例えば、植物の矮化(伸長抑制)、花粉成長抑制、花の
鮮度保持、植物の抗ストレス剤(熱、乾燥、寒さな
ど)、生殖制御による雑草防除、植物の老化抑制、根の
肥大化などを含めて、最も広義に解釈する必要がある。
例えば、植物成長矮化剤、植物成長抑制剤、除草剤など
は、本発明の植物成長調節剤の典型的な例であるが、本
発明の植物成長調節剤はこれらに限定されることはな
い。
界で周知の製剤用添加物を用いて、農薬用組成物として
調製することができる。農薬用組成物の形態は特に限定
されず、当業界で利用可能な形態であればいかなる形態
を採用してもよい。例えば、乳剤、液剤、油剤、水溶
剤、水和剤、フロアブル、粉剤、微粒剤、粒剤、エアゾ
ール、くん蒸剤、又はペースト剤などの形態の組成物を
用いることができる。農薬用組成物の製造方法も特に限
定されず、当業者に利用可能な方法を適宜採用すること
ができる。本発明の植物成長調節剤の有効成分として
は、上記式(I)で表される化合物またはその塩の2種以
上を組み合わせて用いてもよい。また、殺虫剤、殺菌
剤、殺虫殺菌剤、除草剤などの他の農薬の有効成分を配
合してもよい。本発明の植物成長調節剤の適用方法及び
適用量は、適用目的、剤型、適用場所などの条件に応じ
て当業者が適宜選択可能である。
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 例1:本発明の化合物の製造 20 mlのジメチルホルムアミド中に、ブロモアセトフェ
ノン1.99 g、トリアゾール 0.69 g、及び炭酸カリウム
2 gを加えて、室温で16時間反応させた。反応液を 100
mlの水に注ぎ、析出した結晶を濾別した。得られた結晶
を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して2-(1,2,4-トリ
アゾイル)アセトフェノンを得た(収率 85%)。
87 gの 2-(1,2,4-トリアゾイル)アセトフェノンを溶解
し、氷冷下に 60 %ナトリウムハイドライド 0.48 gを加
えて10分間攪拌した。ジメチルホルムアミドに溶解した
1.61 gの4-クロロベンジルクロライドを滴下し、滴下
後2時間攪拌した。反応混合物にメタノール1 mlを添加
して反応を停止し、減圧下に溶媒を留去し、残渣を水と
エーテルで分配してエーテル層を分離した。水層をエー
テルで2回抽出を行い、先のエーテル層と合わせて飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧
下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2-(4-
クロロベンジル)-2-(1,2,4-トリアゾイル)アセトフェノ
ンを得た(収率 68%)。
ラン中に 0.312 gの2-(4-クロロベンジル)-2-(1,2,4-ト
リアゾイル)アセトフェノンを溶解した。この溶液をド
ライアイス−アセトンで ‐80℃に冷却し、攪拌下にメ
チルリチウムのエーテル溶液を1.1当量滴下し、反応混
合物を30分攪拌した後に室温に戻した。反応液を塩化ア
ンモニウム溶液に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。有
機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製
し、4-(4-クロロフェニル)-2-フェニル-3-(1,2,4-トリ
アゾイル)ブタン-2-オールを得た(化合物1、ジアステ
レオマー混合物:収率58%)。
の混合物(80:20)であり、各々のジアステレオマーは
光学対掌体の等量混合物である。それぞれのジアステレ
オマーは上記カラムクロマトにより二つに分離できる。1 H-NMR(δ,ppm, CDCl3) ジアステレオマー(I)(化合物2) 1.28 (s, 3H), 2.70 (dd, 1H, J=2.6, 14.3 Hz), 3.24
(dd, 1H, J=11.5, 14.3Hz), 4.38 (s, 1H, OH), 4.42
(dd, 1H, J=2.3, 11.5 Hz), 6.54 (d, 2H, J=8.4Hz),
7.07 (d, 2H, J=8.4 Hz), 7.32-7.60 (m, 5H), 7.67
(s, 1H), 8.06 (s,1H) ジアルテレオマー(II)(化合物3) 1.62 (s, 3H), 3.33 (dd, 1H, J=3.19, 14.1 Hz), 3.49
9 (dd, 1H, J=11.5, 14.1 Hz), 4.495 (dd, 1H, J=2.9,
11.5 Hz), 4.71 (s, 1H, OH), 6.78 (d, 2H, J=8.4 H
z), 7.13 (d, 2H, J=8.4 Hz), 7.10-7.26 (m, 5H), 7.2
36 (s, 1H), 7.799(s,1H)
にメチルマグネシウムブロミドを用いることにより、異
性体(I)を選択的に合成することができる。窒素気流
下、10 mlの乾燥テトラヒドロフラン中に 0.312 gの2-
(4-クロロベンジル)-2-(1,2,4-トリアゾイル)アセトフ
ェノンを溶解した。この溶液をドライアイス−アセトン
で ‐80℃に冷却し、攪拌下にメチルマグネシウムブロ
ミドのエーテル溶液を1.1当量滴下して、反応混合物を3
0分攪拌した後に室温に戻した。反応液を塩化アンモニ
ウム溶液に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、4-
(4-クロロフェニル)-2-フェニル-3-(1,2,4-トリアゾイ
ル)ブタン-2-オールを得た(合計収率75%)。
れ2種のエナンチオマーの混合物(1:1)である。これら
のエナンチオマーを、光学分割カラム(ダイセル社、キ
ラルセルOJ)を用いて分割し、最終的に4種類の立体異
性体(2a, 2b/3a, 3b)を得た。NMRスペクトルは各々異
性体(I)及び異性体(II)と同じであった。
ル値を示す(δ,ppm, CDCl3;化合物番号は上記の表中
の化合物番号に対応させてある)。化合物2、化合物2
a及び化合物2b(2a及び2bは化合物2のエナンチ
オマーを示し、以下、同様に表示する) 1.28 (s, 3H), 2.70 (dd, 1H, J=2.6, 14.3Hz), 3.24
(dd, 1H, J=11.5, 14.3Hz), 4.38 (s, 1H, OH), 4.42
(dd, 1H, J=2.3, 11.5Hz), 6.54 (d, 2H, J=8.4Hz), 7.
07 (d, 2H, J=8.4Hz), 7.32-7.60 (m, 5H), 7.67 (s, 1
H), 8.06 (s, 1H)化合物3、化合物3a及び化合物3b 1.62 (s, 3H), 3.33 (dd, 1H, J=3.19, 14.1Hz), 3.499
(dd, 1H, J=11.5, 14.1Hz), 4.495 (dd, 1H, J=2.9, 1
1.5Hz), 4.71 (s, 1H, OH), 6.78 (d, 2H, J=8.4Hz),
7.13 (d, 2H, J=8.4Hz), 7.10-7.26 (m, 5H), 7.236
(s, 1H), 7.799(s, 1H)
2 (dd, 1H, J=11.5, 14.3Hz), 4.368 (s, 1H, OH), 4.4
17 (dd, 1H, J=2.4, 11.7Hz), 6.48 (d, 2H, J=8.4Hz),
7.221 (d, 2H, J=8.4Hz), 7.48-7.34 (m, 5H), 7.675
(s, 1H), 8.059 (s, 1H) 化合物5、化合物5a及び化合物5b 1.771(s, 3H), 3.317 (dd, 1H, J=3, 14.1Hz), 3.492
(dd, 1H, J=11.5, 14.1Hz), 4.492 (dd, 1H, J=3, 11.
5Hz), 4.706 (s, 1H, OH), 6.725 (d, 2H, J=8.27Hz),
7.298-7.138 (m, 8H), 7.805 (s, 1H)
5 (dd, 1H, J=11.6, 14.2Hz), 4.477(s, 1H, OH), 4.67
0 (dd, 1H, J=2.9, 11.5Hz), 6.416 (d, 1H, J=8.3Hz),
6.890 (dd, 1H, J=2.0, 8.3Hz), 7.245 (d, 1H, J=2.0
Hz), 7.633-7.319(m, 5H), 7.713 (s, 1H), 8.043 (s,
1H) 化合物7 1.286(s, 3H), 2.687 (dd, 1H, J=2.8, 14.4Hz), 3.244
(dd, 1H, J=11.5, 14.4Hz), 4.285 (s, 1H, OH), 4.43
3 (dd, 1H, J=2.7, 11.5Hz), 6.412 (dd, 1H, H=2.0,
8.2Hz), 6.763 (d, 1H, J=2.0Hz), 7.151 (d, 1H, J=8.
2Hz), 7.60-7.34 (m, 5H), 7.734 (s, 1H), 8.073 (s,
1H) 化合物8 1.285 (s, 3H), 2.216 (s, 3H), 2.675 (dd, 1H, J=2.
7, 14.3Hz), 3.171 (dd,1H, J=11.6, 14.2Hz), 4.436
(dd, 1H, J=2.5, 11.6Hz), 4.525 (s, 1H, OH), 6.485
(d, 2H, J=7.8Hz), 6.90 (d, 2H, J=7.8Hz), 7.616-7.3
27 (m, 5H), 7.629(s, 1H), 8.054 (s, 1H)
8 (dd, 1H, J=11.5, 14.2Hz), 4.336 (s, 1H, OH), 4.4
65 (dd, 1H, J=2.5, 11.5Hz), 6.734 (d, 2H, J=8Hz),
7.360 (d, 2H, J=8Hz), 7.613-7.346 (m, 5H), 7.682
(s, 1H), 8.074 (s, 1H) 化合物10 1.288 (s, 3H), 2.703 (dd, 1H, J=2.4, 14.2Hz), 3.23
7 (dd, 1H, J=11.6, 14.2Hz), 4.399 (s, 1H, OH), 4.4
56 (dd, 1H, J=2.6, 11.6Hz), 6.457 (d, 1H, J=7.5H
z), 6.666 (s, 1H), 6.989-7.102 (m, 2H), 7.611-7.33
8 (m, 5H), 7.696 (s, 1H), 8.070 (s, 1H)
7 (dd, 1H, J=11.5, 14.2Hz), 3.638 (s, 3H), 4.465
(dd, 1H, J=2.4, 11.5Hz), 4.509 (s, 1H), 6.113(s, 1
H), 6.213 (d, 1H, J=7.68Hz), 6.642 (dd, 1H, J=2.4,
8.2Hz), 7.024 (t, 1H, J=7.9Hz), 7.615-7.326 (m, 5
H), 7.664 (s, 1H), 8.066 (s, 1H) 化合物12 1.262 (s, 3H), 2.649 (dd, 1H, J=2.6, 14.4Hz), 3.2
13 (dd, 1H, J=11.7, 14.2Hz), 4.358 (dd, 1H, J=2.5,
11.5Hz), 4.499(s, 1H, OH), 6.534 (d, 2H, J=8.3H
z), 7.077 (d, 2H, J=8.3Hz), 7.429 (d, 2H, J=8.4H
z), 7.537 (d, 2H, J=8.4Hz), 7.648 (s, 1H), 8.065
(s, 1H)
69 (dd, 1H, 11.4, 14.1Hz), 4.459 (dd, 1H, J=3.1, 1
1.4Hz), 4.848 (s, 1H, OH), 6.764 (d, 2H, J=8.4Hz),
7.130-7.230 (m, 7H), 7.810 (s, 1H) 化合物14 1.265 (s, 3H), 2.886 (dd, 1H, J=3.0, 14.2Hz), 3.24
8 (dd, 1H, J=11.6, 14.2Hz), 4.582 (s, 1H, OH), 4.6
33 (dd, 1H, 3.0, 11.4Hz), 6.409 (d, 1H, J=8.3Hz),
6.90 (dd, 1H, J=2.1, 8.3Hz), 7.179 (d, 1H, J=2.7H
z), 7.414 (d, 2H,J=8.7Hz), 7.568 (d, 2H, J=8.7Hz),
7.687 (s, 1H), 8.05 (s, 1H)
(dd, 1H, J=11.7, 14.3Hz), 4.359 (dd, 1H, 2.4, 11.
5Hz), 4.457 (s, 1H, OH), 6.537 (d, 2H, J=8.4Hz),
7.078 (d, 2H, J=8.4HZ), 7.144 (t, 2H, J=8.5Hz), 7.
569 (dd, 2H), 7.649 (s, 1H), 8.065 (s, 1H) 化合物16 1.754 (s, 3H), 3.343 (dd, 1H, J=3.2, 11.5Hz), 3.5
0 (dd, 1H, J=11.5, 14.2Hz), 4.478 (dd, 1H, J=3.0,
14.4Hz), 4.488 (s, 1H, OH), 6.779-7.286 (m,9H),
7.814 (s, 1H)
5 (dd, 1H, J=11.5, 14.2Hz), 4.544 (s, 1H, OH), 4.6
14 (dd, 1H, J=3.0, 11.5Hz), 6.402 (d, 1H, J=8.3H
z), 6.871 (dd, 2H, J=2, 8.5Hz), 7.125 (t, 2H, J=8.
8Hz), 7.594 (dd, 2H, J=5.2, 8.9Hz), 7.688 (s, 1H),
8.049 (s, 1H) 化合物18 1.272 (s, 3H), 2.219 (s, 3H), 2.653 (dd, 1H, J=2.
5, 14.2Hz), 3.159 (dd,1H, J=11.5, 14.2Hz), 4.374
(dd, 1H, J=2.3, 11.5Hz), 4.596 (s, 1H, OH), 6.476
(d, 2H, J=8.0Hz), 6.905 (d, 2H, J=7.7Hz), 7.155
(d, 2H, J=8.0Hz), 7.576 (dd, 2H, J=5.3, 8.9Hz), 7.
607 (s, 1H), 8.053 (s, 1H)
2 (dd, 1H, J=11.5, 14.2Hz), 3.854 (s, 3H), 4.335
(s, 1H), 4.361 (dd, 1H, J=2.6, 11.5Hz), 6.556(d, 2
H, J=8.4Hz), 6.972 (d, 2H, J=8.9Hz), 7.069 (d, 2H,
J=8.4Hz), 7.489(d, 2H, J=8.9Hz), 7.654 (s, 1H),
8.042 (s, 1H) 化合物20 1.745 (s, 3H), 3.301 (dd, 1H, J=3.1, 14.1Hz), 3.48
6 (dd, 1H, J=11.6, 14.1Hz), 3.723 (s, 3H), 4.452
(dd, 1H, J=3.1, 11.6Hz), 4.560 (s, 1H, OH), 6.724
(m, 4H), 7.187 (m, 5H), 7.821 (s, 1H)
1 (dd, 1H, J=11.5, 14.1Hz), 3.848 (s, 3H), 4.416
(s, 1H), 4.623 (dd, 1H, 2.9, 11.5Hz), 6.427 (d, 1
H, J=8.2Hz), 6.957 (d, 2H, J=8.4Hz), 7.047-6.821
(m, 2H), 7.522 (d,2H, J=8.4Hz), 7.694 (s, 1H), 8.0
30(s, 1H) 化合物22 0.593 (t, 3H), 1.09 (q, 1H, J=7.14Hz), 1.68 (q, 1
H, J=7.3Hz), 2.64 (dd,1H, J=2.74, 14.5Hz), 3.225
(dd, 1H, J=11.5, 14.4Hz), 4.201 (s, 1H), 4.44(dd,
1H, J=2.4, 11.5Hz), 6.523 (d, 2H, J=8.4Hz), 7.066
(d, 2H, J=8.4Hz), 7.56-7.30 (m, 5H), 7.680 (s, 1
H), 8.063 (s, 1H)
249 (dd, 1H, J=11.5, 13.6Hz), 3.454 (dd, 1H, J=2.
5, 13.6Hz), 4.374 (dd, 1H, J=2.5, 11.5Hz), 6.713
(d, 2H, J=8.3Hz), 7.115 (d, 2H, J=8.3Hz), 7.612
(s, 1H), 7.950 (s, 1H) 化合物24 0.833 (s, 9H), 1.456 (s, 3H), 3.228(dd, 1H, J=3.6,
13.8Hz), 3.332 (dd, 1H, J=11.3, 13.8Hz), 3.437
(s, 1H), 4.466 (dd, 1H, J=3.6, 11.3Hz), 6.747(d, 2
H, J=8.3Hz), 7.138 (d, 2H, J=8.3Hz), 7.529 (s, 1
H), 7.935 (s, 1H) 化合物25 0.780 (s, 9H), 1.490 (s, 3H), 3.315 (dd, 1H, J=11.
7, 13.7Hz), 3.529 (dd,1H, J=3.5, 13.7Hz), 3.864
(s, 1H), 4.776 (dd, 1H, J=3.4, 11.6Hz), 6.432(d, 1
H, J=8.2Hz), 6.890 (dd, 1H, J=2.1, 8.3Hz), 7.330
(d, 1H, J=2.1Hz),7.552 (s, 1H), 7.914 (s, 1H)
ド生合成阻害作用 ブラシノステロイド生合成経路中に欠陥があるアラビド
プシス変異体は幾つか単離されており、それらの共通の
形態学的特徴点は矮小化であることが明らかになってい
る。det2(de-etiolation)及び cpd(constitutive photo
morphogenesis and dwarfism)のようなアラビドプシス
変異体は濃い緑で巻いた葉になる強い矮小化を示す。こ
の表現型は外部からのブラシノライド投与によって打ち
消されるが、IAAやジベレリンのような他の植物ホルモ
ンは効果を示さない。これらの知見に基づいて、本発明
の化合物(例1で得られた化合物1)をアラビドプシス
(野生型、コロンビア)発芽アッセイに供した。スクリ
ーニングは、アラビドプシスに対して、1) ブラシノス
テロイド生合成変異体と形態学的に同様であって、2)ブ
ラシノライドの添加によって打ち消される奇形を発生さ
せるか否かを指標として明条件下で行った。また、供試
化合物により誘導された形態学的変化が暗条件下でブラ
シノライドを添加することによって野生型の形態に回復
するか否かを検討した。
で行った。野生型及びdet2種子を低温(2℃)で2日間処理
した後、1% NaOCl溶液で2分間表面殺菌し滅菌蒸留水で7
回洗浄した。被検化合物の存在下又は非存在下で種子を
プラスチックプレート中の0.5× Murashige and Skoog
(1962)塩及び1.5%スクロース(w/v)を含む1%寒天固形
化培地上に蒔いた。野生型及びdet2植物を生育チャンバ
ー内で16時間明条件 (240mE/m2s)及び8時間暗条件で生
長させた(25℃)。スクリーニング実験用にプレートをパ
ラフィルム(アメリカン・ナショナル・カン社,シカ
ゴ,IL,USA)でシールした。より長い実験が必要にな
る回復実験用には種子をアグリポット(キリンビール株
式会社)内の0.5× Murashige and Skoog(1962)塩及
び1.5%スクロース(w/v)を含む1%寒天固形化培地上に蒔
いた。植物は生育チャンバー内で16時間明条件 (240mE/
m2s)及び8時間暗条件で生長させた(28℃)。
ステロイド生合成変異体と形態学的に類似した奇形苗の
誘導が観察された。供試化合物のうち、化合物1(以
下、実施例において「RMB-61」という場合がある)は 1
0-6 Mで最も強い矮小化誘導を示したが、この作用はブ
ラシノライドを同時に投与することにより打ち消され
た。RMB-61の用量−作用試験の結果から、10-5 M以上の
濃度では植物の形状が det2変異体の形状に非常に似て
くることが証明された。そこで、以下の実験においては
RMB-61を用い、ブラシノステロイド生合成阻害剤として
の特性を評価した。
は、感度が高く信頼性も高いイネ葉身屈曲インビトロバ
イオアッセイ(外植法:Wada et al., Plant Cell Phys
iol., 22, pp. 323-325, 1981; Takatsuto, J. Chroma
t. A., 658, pp.3-15, 1994)により評価することが多い
が、この従来法はブラシノステロイド生合成阻害剤の作
用機作を分析するのには適していない。最近、藤岡らは
イネ葉身屈曲バイオアッセイをインビトロ系に改良した
方法(全植物法)を報告している。この方法は、ブラシ
ノライドの種々の前駆体を投与することによりブラシノ
ステロイド生合成過程の実際を反映するものである。本
発明の化合物のブラシノライド生合成阻害作用を外植法
及び全植物法で評価した。
(Oryza sativa cv. Tan-ginbozu)を用いて、本質的に上
記藤岡らの報告の手順に従って行った。種子を28℃で2
日間、水に浸漬し、発芽した種子を子葉鞘の長さが一様
に(約 1-2 mm)なるように選択し、5個の発芽した種子
をガラスジャー(内径 26 mm× 60 mm)に入れた30 ml
の 1%寒天培地に植え、上記の条件で3日間インキュベー
トした。バイオアッセイ用の供試化合物はエタノールに
溶解してマイクロシリンジで0.5 mlずつ葉身の上部にの
せた。同じ生育条件で2日間インキュベートした後、葉
身とその葉鞘の間の外部角度を環状分度器を用いて測定
した。全部で30植物(ジャー6本)をそれぞれの処理に
ついて用いた。
ノライドの作用を全く阻害しなかった(図1)。また、
全植物法では、RMB-61はブラシノライドの前駆体である
カサステロンの作用を抑制し、テアステロン、チファス
テロール及びカスタステロンによる屈曲作用を相殺しな
かった(図2)。この結果は、RMB-61がブラシノステロ
イドの生合成過程をカサステロンからテアステロンへの
転化段階で阻害し、植物中でのブラシノライドの供給を
停止することを示している。
も確認するため、種子に上記のブラシノライド前駆体を
加えて生長させてRMB-61処理による生長遅延の回復を観
察した。アラビドプシスのブラシノステロイド生合成の
最近の研究から、カンペステロールからカサステロン、
テアステロン及びチファステロールを経てカスタステロ
ンへ到るルートが初期の段階におけるC-6酸化を伴う主
要経路であり、従ってこれらの段階における変異がブラ
シノライド欠損による一般的表現型の本質と考えられる
ことが明らかにされている (Szekeres et al., Cell, 8
5, pp.171-182, 1996)。RMB-61がカサステロンの酸化に
対する特異的阻害剤であるならば、処理された植物の形
態学的特徴がcpdのような変異体表現型と類似点を有す
ることが予想される(Szekeres et al., Cell, 85, pp.1
71-182, 1996)。さらにRMB-61の作用がチファステロー
ル、カスタステロン又はブラシノライドを与えることに
よって消失すると同時にそれらのブラシノステロイドに
よるcpd表現型が現れなくなると考えられる。
チファステロール、カスタステロンおよびブラシノライ
ドはアラビドプシスにけるRMB-61の作用を強く阻害した
が、カサステロンの存在下ではRMB-61による生長遅延は
持続していた。暗条件下での投与実験でも同様の結果が
得られた。生長遅延に加えてRMB-61は弱光下でも植物の
緑化を促進したが、この作用もカサステロン以外の上記
ブラシノステロイドを与えることによって消滅した。
イを行った。イネ(Oryza sativa cv.Koshihikari)の種
子を水道水に2時間浸し、供試化合物の存在下又は非存
在下で滅菌15ml試験管に入れた10 mM CaCl2を含む2 ml
の 10 mM酢酸ナトリウムバッファー (pH 5.4) に10個の
種子を浸した。植物は生育チャンバー内で16時間明条件
(240mE/m2s)及び8時間暗条件で生長させた(25℃)。植物
を回収して苗条の長さを測定した。
ールは、ジベレリン生合成の阻害活性によりイネに強力
な生長遅延活性を示したが、RMB-61はイネの生長に影響
を与えなかった。一方、RMB-61によりカサステロンの作
用が打ち消されているイネに対してテアステロン又はブ
ラシノライドを加えると、ブラシノステロイドに対する
イネの反応が回復した。この結果は上記の結果とよく一
致していた。また、RMB-61の作用はジベレリン処理に対
して全く反応しなかったが、このことはRMB-61の標的サ
イトが、ジベレリン生合成の強い阻害剤であるユニコナ
ゾール又はパクロブトラゾールのそれとは本質的に異な
っていることを示唆している。
ある。 植物材料 デエチオレイテッド2 (det2)変異体はコロンビア生態型
の野性型種子を独自に突然変異生成させた後に単離した
(Chory et al., Plant Cell, 3, pp.445-459, 1991; Li
et al., Science, 272, pp.398-401, 1996)。野性型
種子(コロンビア)は LHELEシード(ラウンド・ロック,T
X,USA)から購入した。イネ (Oryza sativacv. Koshihi
kari及び Tan-ginbozu)種子は Dr. I. Honda(国立農業
研究センター、筑波、日本)から贈与された。 供試化合物 ブラシノライドは CIDtechリサーチ社(オンタリオ,カ
ナダ)から購入した。カサステロン及びカスタステロン
は先に述べたように合成した。Murashige and Skoog塩
及びビタミン混合物は GIBCOBRL(グランド・アイラン
ド,NY,USA)から購入した。
される形態学的変化は外因性ブラシノライドを加えるこ
とによって打ち消され、また、本発明の化合物が阻害す
るブラシノステロイド生合成過程は、テアステロン形成
の前段階であることが明らかとなった。さらに、類似の
化学構造を有するジベレリン生合成阻害剤であるパクロ
ブトラゾールが伸長遅延作用を示すイネの伸長試験にお
いて、本発明の化合物は成長阻害作用を示さず、ブラシ
ノステロイド生合成の特異的阻害剤であることが明らか
になった。
合成の特異的阻害作用を有しており、植物成長調節剤の
有効成分などに有用である。
シノステロイド類(BR)(0.1 ng/植物)に対する作用を
示した図である。図中、Angleは傾斜角度;Contは対照
(無処置):BLはブラシノライド(0.1 ng);CSはカスタ
ステロン(1 ng);TYはティファステロン(10 ng);3DTは
3-デヒドロテアステロン(10 ng);TEはテアステロン(10
0 ng);CTはカサステロン(100 ng)(用量は植物あた
り)の結果を示す。また、左側の濃グラフはBRのみの結
果を、右側の淡グラフはBR+RMB-61の結果を示す。
用を示した図である。図中、Angleは傾斜角度;Contは
対照(無処置):CTはカサステロン(100 ng);TEはテア
ステロン(100 ng);BLはブラシノライド(0.1 ng)(用量
は植物あたり)を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の式(I): 【化1】 (式中、R1は低級アルキル基を示し、R2は置換基を
有することもあるフェニル基又は低級アルキル基を示
し、R3は置換基を有することもあるフェニル基を示
す)で表される化合物又はその塩。 - 【請求項2】 R1がメチル基又はエチル基であり、R
2が置換基を有することもあるフェニル基又はtert-ブ
チル基である請求項1に記載の化合物又はその塩。 - 【請求項3】 4−(4−クロロフェニル)−2−フェ
ニル−3−(1,2,4−トリアゾイル)ブタン−2−
オール又はその塩。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の化合物またはその塩を有効成分として含む植物成長調
節剤。
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