JP2000046061A - バーフィールド型等速ジョイントとその製造方法 - Google Patents
バーフィールド型等速ジョイントとその製造方法Info
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- JP2000046061A JP2000046061A JP10214949A JP21494998A JP2000046061A JP 2000046061 A JP2000046061 A JP 2000046061A JP 10214949 A JP10214949 A JP 10214949A JP 21494998 A JP21494998 A JP 21494998A JP 2000046061 A JP2000046061 A JP 2000046061A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】摩擦係数を低下させることにより運転時の温度
上昇を抑制し、ボールのフレーキングを防止するバーフ
ィールド型等速ジョイントとその製造方法を提供する。 【解決手段】バーフィールド型等速ジョイントにおい
て、アウターレースおよびインナーレースのボール転動
溝表面にショットブラストにより微細な窪みを形成し、
さらにアウターレースおよびまたはインナーレースにり
ん酸マンガン皮膜を形成し、アウターレース、インナー
レース、リテーナーおよびボールを組み立ててなるジョ
イントに充填するグリースに潤滑剤として、二硫化モリ
ブデン粉末と、高温領域において二硫化モリブデンを反
応生成する有機モリブデン化合物とを加える。
上昇を抑制し、ボールのフレーキングを防止するバーフ
ィールド型等速ジョイントとその製造方法を提供する。 【解決手段】バーフィールド型等速ジョイントにおい
て、アウターレースおよびインナーレースのボール転動
溝表面にショットブラストにより微細な窪みを形成し、
さらにアウターレースおよびまたはインナーレースにり
ん酸マンガン皮膜を形成し、アウターレース、インナー
レース、リテーナーおよびボールを組み立ててなるジョ
イントに充填するグリースに潤滑剤として、二硫化モリ
ブデン粉末と、高温領域において二硫化モリブデンを反
応生成する有機モリブデン化合物とを加える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪駆動の乗用車
の前輪等に用いられるバーフィールド型等速ジョイン
ト、より詳細に述べるならば該バーフィールド型等速ジ
ョイントのボール耐久性向上技術に関するものである。
の前輪等に用いられるバーフィールド型等速ジョイン
ト、より詳細に述べるならば該バーフィールド型等速ジ
ョイントのボール耐久性向上技術に関するものである。
【0002】
【従来技術】図1にバーフィールド型等速ジョイントの
断面図を、図2〜図4には等速ジョイントを構成する部
品であるアウターレース、インナーレースおよびリテー
ナーをそれぞれ示す。シャフト5より与えられる入力ト
ルクは、スプライン嵌合を介してインナーレース2に伝
わり、インナーレースボール転動溝2a、ボール3,ア
ウターレースボール転動溝1a、アウターレース1へと
伝達される。また、リテーナー4は、アウターレース内
球面1bとインナーレース外球面2bにて球面嵌合さ
れ、ボール3を常に二軸のなす角(ジョイント角)Aの
二等分面上に位置決めすることにより、ジョイントの等
速性を保証している。
断面図を、図2〜図4には等速ジョイントを構成する部
品であるアウターレース、インナーレースおよびリテー
ナーをそれぞれ示す。シャフト5より与えられる入力ト
ルクは、スプライン嵌合を介してインナーレース2に伝
わり、インナーレースボール転動溝2a、ボール3,ア
ウターレースボール転動溝1a、アウターレース1へと
伝達される。また、リテーナー4は、アウターレース内
球面1bとインナーレース外球面2bにて球面嵌合さ
れ、ボール3を常に二軸のなす角(ジョイント角)Aの
二等分面上に位置決めすることにより、ジョイントの等
速性を保証している。
【0003】このような等速ジョイントでは、ジョイン
ト角A=0度のときにはアウターレース1とインナーレ
ース2とはボール3を介して単にスプライン嵌合されて
いることと同等なので、等速ジョイント内に摺動は起こ
らないが、ジョイント角A>0度のときには、ボール3
とアウターレースボール転動溝1aおよびインナーレー
スボール転動溝2aとは角度振幅Aで転がり−摺り混合
摺動が起こり、リテーナー4とアウターレース内球面1
bおよびインナーレース外球面2bとは角度振幅A/2
で摺り摺動が起こることになる。また、これに伴いリテ
ーナー4は回転するボール3を位置決めするためにこれ
らの間にも摺り摺動が起こる。
ト角A=0度のときにはアウターレース1とインナーレ
ース2とはボール3を介して単にスプライン嵌合されて
いることと同等なので、等速ジョイント内に摺動は起こ
らないが、ジョイント角A>0度のときには、ボール3
とアウターレースボール転動溝1aおよびインナーレー
スボール転動溝2aとは角度振幅Aで転がり−摺り混合
摺動が起こり、リテーナー4とアウターレース内球面1
bおよびインナーレース外球面2bとは角度振幅A/2
で摺り摺動が起こることになる。また、これに伴いリテ
ーナー4は回転するボール3を位置決めするためにこれ
らの間にも摺り摺動が起こる。
【0004】このときの摺動条件は、前輪駆動の乗用車
に用いられる等速ジョイントの場合、摺動の振動数とし
ては高々30Hz程度のため、摺動速度はそれほど大き
くならないが、荷重は最も大きいところでは3GPa近
くに上昇することがある。このような状況では、ボール
には常に繰り返し高荷重が負荷されるので、ボール表面
に金属疲労が起こり、いずれはその部分がフレーク状に
剥離(フレーキング)して、これが等速ジョイントの寿
命を決定する。特に、前記のような過酷な摺動条件下で
はアウターレース外周の温度は100℃を軽く越えるこ
とになり、温度によっては充填されるグリースが劣化し
てしまい、ボール寿命をより短縮する。
に用いられる等速ジョイントの場合、摺動の振動数とし
ては高々30Hz程度のため、摺動速度はそれほど大き
くならないが、荷重は最も大きいところでは3GPa近
くに上昇することがある。このような状況では、ボール
には常に繰り返し高荷重が負荷されるので、ボール表面
に金属疲労が起こり、いずれはその部分がフレーク状に
剥離(フレーキング)して、これが等速ジョイントの寿
命を決定する。特に、前記のような過酷な摺動条件下で
はアウターレース外周の温度は100℃を軽く越えるこ
とになり、温度によっては充填されるグリースが劣化し
てしまい、ボール寿命をより短縮する。
【0005】以上の問題を解決し、ボール寿命すなわち
等速ジョイントの寿命を向上させるために、摺動箇所の
面圧ができるだけ小さくなるような設計サイドからの工
夫や前記各摺動箇所における摩擦係数をできるだけ低下
させるような潤滑サイドからの工夫がなされている。
等速ジョイントの寿命を向上させるために、摺動箇所の
面圧ができるだけ小さくなるような設計サイドからの工
夫や前記各摺動箇所における摩擦係数をできるだけ低下
させるような潤滑サイドからの工夫がなされている。
【0006】ただし、摺動面圧の低下を意図した設計で
は等速ジョイントが概して大型となってしまい、昨今の
自動車部品軽量小型化の動向からは限界がある。また、
潤滑サイドからは、耐熱性の向上を含めたグリースの進
歩もめざましいがまだ十分とはいえない。
は等速ジョイントが概して大型となってしまい、昨今の
自動車部品軽量小型化の動向からは限界がある。また、
潤滑サイドからは、耐熱性の向上を含めたグリースの進
歩もめざましいがまだ十分とはいえない。
【0007】一方、潤滑サイドからの工夫として、特公
平1−55688号公報に示されるように、等速ジョイ
ントの部品表面にりん酸マンガン処理を施したり、りん
酸マンガン処理に加えて二硫化モリブデン等の固体潤滑
剤を含有する潤滑樹脂塗料をコーティングするなどの対
策も試みられている。ただし、りん酸マンガン処理は、
摺動初期においては摺動面の金属−金属接触を妨げなが
ら摺動に都合の良い面を形成する作用(初期なじみ性)
を有するが、いずれは摩耗により消失するので、その効
果が恒久的ではない。また、りん酸マンガン処理後、さ
らに潤滑樹脂コーティングを行う方法は、りん酸マンガ
ン処理のみより摺動面の摩擦係数低減効果が大きく、よ
り効果的ではあるが、高コストであること、および特に
高面圧摺動条件においてはりん酸マンガン処理のみの場
合と同様いずれは摩耗により消失してしまう。
平1−55688号公報に示されるように、等速ジョイ
ントの部品表面にりん酸マンガン処理を施したり、りん
酸マンガン処理に加えて二硫化モリブデン等の固体潤滑
剤を含有する潤滑樹脂塗料をコーティングするなどの対
策も試みられている。ただし、りん酸マンガン処理は、
摺動初期においては摺動面の金属−金属接触を妨げなが
ら摺動に都合の良い面を形成する作用(初期なじみ性)
を有するが、いずれは摩耗により消失するので、その効
果が恒久的ではない。また、りん酸マンガン処理後、さ
らに潤滑樹脂コーティングを行う方法は、りん酸マンガ
ン処理のみより摺動面の摩擦係数低減効果が大きく、よ
り効果的ではあるが、高コストであること、および特に
高面圧摺動条件においてはりん酸マンガン処理のみの場
合と同様いずれは摩耗により消失してしまう。
【0008】従って、昨今の自動車部品の軽量小型化傾
向に対応するために避けられない過酷な摺動条件下で、
低コストかつ満足な寿命を有する等速ジョイントは未だ
得られていないのが現状である。
向に対応するために避けられない過酷な摺動条件下で、
低コストかつ満足な寿命を有する等速ジョイントは未だ
得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は前記
従来技術における問題点を解決することを目的とし、具
体的には高面圧の過酷な摺動条件においても、各部品間
の摩擦係数を恒久的に低下させることにより、運転時の
温度上昇を抑制し、結果的にボールのフレーキングを防
止して、長寿命の等速ジョイントとその製造方法を提供
することを目的とする。
従来技術における問題点を解決することを目的とし、具
体的には高面圧の過酷な摺動条件においても、各部品間
の摩擦係数を恒久的に低下させることにより、運転時の
温度上昇を抑制し、結果的にボールのフレーキングを防
止して、長寿命の等速ジョイントとその製造方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、 a)成形加工した等速ジョイント部品のボール転動溝に機
械的な表面加工を施すことにより、該表面に微細な窪み
を形成すること、 b)前記部品にさらにりん酸マンガン処理を施すこと、 c)組立後の等速ジョイントに充填するグリースに特定の
潤滑添加剤を適用すること、 の3つの対策を同時に適用した等速ジョイントが前記課
題を満足することを新たに見いだしたのである。
を解決するために鋭意研究を行った結果、 a)成形加工した等速ジョイント部品のボール転動溝に機
械的な表面加工を施すことにより、該表面に微細な窪み
を形成すること、 b)前記部品にさらにりん酸マンガン処理を施すこと、 c)組立後の等速ジョイントに充填するグリースに特定の
潤滑添加剤を適用すること、 の3つの対策を同時に適用した等速ジョイントが前記課
題を満足することを新たに見いだしたのである。
【0011】すなわち、本発明のバーフィールド型等速
ジョイントは、ボール転動溝を有するアウターレースお
よびインナーレース、ボールを等速面位置に保持するリ
テーナー、およびボールの4部品からなるバーフィール
ド型等速ジョイントにおいて、アウターレースおよびイ
ンナーレースのボール転動溝表面はショットブラスト処
理により形成された微細な窪みを有し、さらに、前記ア
ウターレースおよびインナーレースの何れか一つもしく
は両方の表面全体にはりん酸マンガン皮膜を有し、前記
アウターレース、インナーレース、リテーナーおよびボ
ールの4部品により組み立てられた等速ジョイントに充
填されるグリースには、潤滑添加剤として少なくとも二
硫化モリブデン粉末と、高温領域において二硫化モリブ
デンを反応生成する有機モリブデン化合物が添加されて
いることを特徴とするものである。
ジョイントは、ボール転動溝を有するアウターレースお
よびインナーレース、ボールを等速面位置に保持するリ
テーナー、およびボールの4部品からなるバーフィール
ド型等速ジョイントにおいて、アウターレースおよびイ
ンナーレースのボール転動溝表面はショットブラスト処
理により形成された微細な窪みを有し、さらに、前記ア
ウターレースおよびインナーレースの何れか一つもしく
は両方の表面全体にはりん酸マンガン皮膜を有し、前記
アウターレース、インナーレース、リテーナーおよびボ
ールの4部品により組み立てられた等速ジョイントに充
填されるグリースには、潤滑添加剤として少なくとも二
硫化モリブデン粉末と、高温領域において二硫化モリブ
デンを反応生成する有機モリブデン化合物が添加されて
いることを特徴とするものである。
【0012】さらに、本発明のバーフィールド型等速ジ
ョイントの製造方法は、ボール転動溝を有するアウター
レースおよびインナーレース、ボールを等速面位置に保
持するリテーナー、およびボールの4部品からなるバー
フィールド型等速ジョイントにおいて、アウターレース
およびインナーレースは冷間塑性加工に次いで熱処理が
行われ、すくなくとも前記アウターレースおよびインナ
ーレースのボール転動溝には前記冷間塑性加工後および
/または前記熱処理後にショットブラスト処理が行わ
れ、次いで、アウターレースおよびインナーレースのい
ずれかもしくは両方の部品にりん酸マンガン処理が施さ
れ、アウターレース、インナーレース、リテーナーおよ
びボールの4部品により組み立てられた等速ジョイント
には、潤滑添加剤として少なくとも二硫化モリブデン粉
末と高温領域において二硫化モリブデンを反応生成する
有機モリブデン化合物が添加されているグリースを充填
することを特徴とするものである。
ョイントの製造方法は、ボール転動溝を有するアウター
レースおよびインナーレース、ボールを等速面位置に保
持するリテーナー、およびボールの4部品からなるバー
フィールド型等速ジョイントにおいて、アウターレース
およびインナーレースは冷間塑性加工に次いで熱処理が
行われ、すくなくとも前記アウターレースおよびインナ
ーレースのボール転動溝には前記冷間塑性加工後および
/または前記熱処理後にショットブラスト処理が行わ
れ、次いで、アウターレースおよびインナーレースのい
ずれかもしくは両方の部品にりん酸マンガン処理が施さ
れ、アウターレース、インナーレース、リテーナーおよ
びボールの4部品により組み立てられた等速ジョイント
には、潤滑添加剤として少なくとも二硫化モリブデン粉
末と高温領域において二硫化モリブデンを反応生成する
有機モリブデン化合物が添加されているグリースを充填
することを特徴とするものである。
【0013】本発明のバーフィールド型等速ジョイント
に用いられるアウターレースには、JIS S50C〜
S60Cなどの構造用鋼を、インナーレースにはJIS
SCR420またはSCM420などの構造用合金鋼
を用いることができる。冷間塑性加工工程によりアウタ
ーレースおよびインナーレース形状に成形されたそれぞ
れの部品は、少なくともそれらのボール転動溝にショッ
トブラスト処理を施すことにより該表面に微細な窪みを
形成させることが必要である。この処理は後の熱処理に
悪影響を及ぼさないように塑性加工時に付着された潤滑
剤を除去する目的も有するが、あくまでも表面に微細な
窪みを形成するのが主目的であるために、少なくともそ
れらのボール転動溝にはショットブラスト後に研磨等の
表面仕上げを施すべきではない。
に用いられるアウターレースには、JIS S50C〜
S60Cなどの構造用鋼を、インナーレースにはJIS
SCR420またはSCM420などの構造用合金鋼
を用いることができる。冷間塑性加工工程によりアウタ
ーレースおよびインナーレース形状に成形されたそれぞ
れの部品は、少なくともそれらのボール転動溝にショッ
トブラスト処理を施すことにより該表面に微細な窪みを
形成させることが必要である。この処理は後の熱処理に
悪影響を及ぼさないように塑性加工時に付着された潤滑
剤を除去する目的も有するが、あくまでも表面に微細な
窪みを形成するのが主目的であるために、少なくともそ
れらのボール転動溝にはショットブラスト後に研磨等の
表面仕上げを施すべきではない。
【0014】次ぎに、前記アウターレースおよびインナ
ーレースは材料強度を付与するために焼き入れ−焼き戻
し等の熱処理が施される。このときの材料表面の硬度は
HRC55〜65であることが好ましい。また、この熱
処理により材料表面には酸化膜が形成されるが、後のり
ん酸マンガン処理を安定的に行うために該酸化膜は除去
することが好ましい。通常、酸化膜除去にはショットブ
ラストのような機械的方法または酸洗のような化学的な
方法が適用されるが、本発明においては前記理由により
前者の機械的方法が好ましい。
ーレースは材料強度を付与するために焼き入れ−焼き戻
し等の熱処理が施される。このときの材料表面の硬度は
HRC55〜65であることが好ましい。また、この熱
処理により材料表面には酸化膜が形成されるが、後のり
ん酸マンガン処理を安定的に行うために該酸化膜は除去
することが好ましい。通常、酸化膜除去にはショットブ
ラストのような機械的方法または酸洗のような化学的な
方法が適用されるが、本発明においては前記理由により
前者の機械的方法が好ましい。
【0015】上記の工程では、最大2工程のショットブ
ラストが行われるが、次のりん酸マンガン処理が施され
る前の段階において、部品表面に微細な窪みが存在すれ
ばよいため、必ずしも塑性加工後および熱処理後の両方
にショットブラスト処理を適用する必要はない。ただ
し、熱処理後では表面が硬化しているためショットブラ
ストによる窪み形成効果が得られにくいことから、塑性
加工後に行うのが好ましく、かつ前記のようにりん酸マ
ンガンの処理性を考慮して熱処理後にも行うのがより好
ましい。結果的には、以上の工程により形成されたボー
ル転動溝表面の窪みは、窪みの平均径がφ30〜80μ
m、深さが10〜30μmであることが好ましい。従っ
て、ショットブラストの方法およびブラスト材は特に限
定されないが、通常はブラスト材として硬質鋼球(φ
0.10〜0.30mm、硬度HRC40〜50)などが用
いられ、スーパーコアノックアウト式のショットブラス
ト装置などにより行われる。
ラストが行われるが、次のりん酸マンガン処理が施され
る前の段階において、部品表面に微細な窪みが存在すれ
ばよいため、必ずしも塑性加工後および熱処理後の両方
にショットブラスト処理を適用する必要はない。ただ
し、熱処理後では表面が硬化しているためショットブラ
ストによる窪み形成効果が得られにくいことから、塑性
加工後に行うのが好ましく、かつ前記のようにりん酸マ
ンガンの処理性を考慮して熱処理後にも行うのがより好
ましい。結果的には、以上の工程により形成されたボー
ル転動溝表面の窪みは、窪みの平均径がφ30〜80μ
m、深さが10〜30μmであることが好ましい。従っ
て、ショットブラストの方法およびブラスト材は特に限
定されないが、通常はブラスト材として硬質鋼球(φ
0.10〜0.30mm、硬度HRC40〜50)などが用
いられ、スーパーコアノックアウト式のショットブラス
ト装置などにより行われる。
【0016】次に、表面に微細な窪みが形成されたアウ
ターレースおよび/またはインナーレースは、りん酸マ
ンガン処理が施される。りん酸マンガン処理方法は特に
限定されず、市販のりん酸マンガン処理薬剤を用いれば
よい。すなわち、アルカリ脱脂剤等で表面の油汚れを洗
浄除去した後、2価のマンガンイオンと酸化剤としての
硝酸イオン等を含有するりん酸酸性水溶液を90℃以上
に加温し、その中に10分程度浸漬すればよい。また、
りん酸マンガン処理に先立って、りん酸マンガンの微細
粒子を水溶液中にコロイド状に分散させた表面調整剤に
浸漬処理すると、りん酸マンガン処理がより安定的に行
われるので好ましい。
ターレースおよび/またはインナーレースは、りん酸マ
ンガン処理が施される。りん酸マンガン処理方法は特に
限定されず、市販のりん酸マンガン処理薬剤を用いれば
よい。すなわち、アルカリ脱脂剤等で表面の油汚れを洗
浄除去した後、2価のマンガンイオンと酸化剤としての
硝酸イオン等を含有するりん酸酸性水溶液を90℃以上
に加温し、その中に10分程度浸漬すればよい。また、
りん酸マンガン処理に先立って、りん酸マンガンの微細
粒子を水溶液中にコロイド状に分散させた表面調整剤に
浸漬処理すると、りん酸マンガン処理がより安定的に行
われるので好ましい。
【0017】りん酸マンガン処理では、その反応過程に
おいて鉄鋼表面のエッチングを伴うことから、該表面に
多少の凹凸を形成しながらりん酸マンガン皮膜を形成す
るが、本発明のように予め部品表面に機械的な方法によ
り微細な窪みを形成しておくことにより、より深部にま
でりん酸マンガン皮膜を存在させることができるのであ
る。
おいて鉄鋼表面のエッチングを伴うことから、該表面に
多少の凹凸を形成しながらりん酸マンガン皮膜を形成す
るが、本発明のように予め部品表面に機械的な方法によ
り微細な窪みを形成しておくことにより、より深部にま
でりん酸マンガン皮膜を存在させることができるのであ
る。
【0018】りん酸マンガン処理は、アウターレースお
よびインナーレースの両方に適用することが最も好まし
いが、場合によっては一方だけでも良い。ただし、何れ
の場合にも次に述べるリテーナーに適用してはならな
い。
よびインナーレースの両方に適用することが最も好まし
いが、場合によっては一方だけでも良い。ただし、何れ
の場合にも次に述べるリテーナーに適用してはならな
い。
【0019】次に、等速ジョイントに用いられるリテー
ナーは、通常アウターレースやインナーレースに比べて
より加工精度が要求される。従って、リテーナーの材料
は加工の容易な低炭素鋼を用いるのが好ましいが、使用
上はボールの位置決めのために高面圧がかかるので、後
の浸炭焼き入れ性を考慮してクロムおよびモリブデンが
添加された構造用合金鋼を用いるべきである。このよう
なリテーナーは、最終的に切削加工および表面研磨加工
により高精度に仕上げられた後、浸炭焼き入れ−焼き戻
しを行うが、このときの材料表面の硬度はHRC60〜
65であることが好ましい。
ナーは、通常アウターレースやインナーレースに比べて
より加工精度が要求される。従って、リテーナーの材料
は加工の容易な低炭素鋼を用いるのが好ましいが、使用
上はボールの位置決めのために高面圧がかかるので、後
の浸炭焼き入れ性を考慮してクロムおよびモリブデンが
添加された構造用合金鋼を用いるべきである。このよう
なリテーナーは、最終的に切削加工および表面研磨加工
により高精度に仕上げられた後、浸炭焼き入れ−焼き戻
しを行うが、このときの材料表面の硬度はHRC60〜
65であることが好ましい。
【0020】本発明の等速ジョイントに用いられるボー
ルには、少なくともその疲労強度を確保するために高炭
素鋼、例えば軸受鋼を使用するべきであり、焼き入れ−
焼き戻し後の表面硬度はHRC60〜65であることが
好ましい。さらに、ボールは高い真球度が要求されるこ
とから、例えば前記機械的表面処理などで表面形状を変
化させるべきではないし、りん酸マンガン処理のような
化学的な表面処理も行うべきではない。
ルには、少なくともその疲労強度を確保するために高炭
素鋼、例えば軸受鋼を使用するべきであり、焼き入れ−
焼き戻し後の表面硬度はHRC60〜65であることが
好ましい。さらに、ボールは高い真球度が要求されるこ
とから、例えば前記機械的表面処理などで表面形状を変
化させるべきではないし、りん酸マンガン処理のような
化学的な表面処理も行うべきではない。
【0021】以上のような構成の本発明のバーフィール
ド型等速ジョイントでは、初期なじみ段階では通常のり
ん酸マンガン処理鉄鋼表面と同様に、りん酸マンガン皮
膜がグリースとグリースに添加されている潤滑添加剤を
良く保持しながら、低い摩擦係数の状態で摺動に適切な
面ができあがる。この状態で使用を続けると、りん酸マ
ンガン皮膜が摩耗消失する。しかし本発明では予め形成
されているショットブラスト処理による窪みの中までり
ん酸マンガン皮膜が存在するため、なじみ過程のりん酸
マンガン皮膜が消失してもりん酸マンガン皮膜が存在す
る窪みが多数残存し、潤滑剤の保持効果を恒久的に継続
させることができる。
ド型等速ジョイントでは、初期なじみ段階では通常のり
ん酸マンガン処理鉄鋼表面と同様に、りん酸マンガン皮
膜がグリースとグリースに添加されている潤滑添加剤を
良く保持しながら、低い摩擦係数の状態で摺動に適切な
面ができあがる。この状態で使用を続けると、りん酸マ
ンガン皮膜が摩耗消失する。しかし本発明では予め形成
されているショットブラスト処理による窪みの中までり
ん酸マンガン皮膜が存在するため、なじみ過程のりん酸
マンガン皮膜が消失してもりん酸マンガン皮膜が存在す
る窪みが多数残存し、潤滑剤の保持効果を恒久的に継続
させることができる。
【0022】図5〜図7は従来技術の模式図である。図
5の如く鉄鋼表面にはりん酸マンガン皮膜が形成され
る。このりん酸マンガン皮膜は金属−金属接触を防止
し、潤滑剤を良く保持するが、図6に示す如くそれ自身
が摩耗してフラットな面となる。この状態で使用を続け
ると、最終的には図7の如く、りん酸マンガン皮膜自体
は摩耗消失する。
5の如く鉄鋼表面にはりん酸マンガン皮膜が形成され
る。このりん酸マンガン皮膜は金属−金属接触を防止
し、潤滑剤を良く保持するが、図6に示す如くそれ自身
が摩耗してフラットな面となる。この状態で使用を続け
ると、最終的には図7の如く、りん酸マンガン皮膜自体
は摩耗消失する。
【0023】図8〜図9は本発明技術の模式図である。
図8にみられる如く、本発明ではショットブラストによ
る窪みの中にもりん酸マンガン皮膜が形成されている。
本発明においても最終的に図9に示す如くフラットな面
となるが、しかしショットブラストによる窪みにりん酸
マンガン皮膜が残存するので、潤滑剤の保持能力が持続
する。
図8にみられる如く、本発明ではショットブラストによ
る窪みの中にもりん酸マンガン皮膜が形成されている。
本発明においても最終的に図9に示す如くフラットな面
となるが、しかしショットブラストによる窪みにりん酸
マンガン皮膜が残存するので、潤滑剤の保持能力が持続
する。
【0024】ただし、初期なじみ過程が終了した段階に
おいては部分的に鉄鋼表面が露出する部分も存在するた
め(図9参照)、摺動による金属−金属接触が起こりう
る部分も存在する。この部分の摺動性を確保するため
に、本発明の等速ジョイントに使用するグリースには、
潤滑添加剤として二硫化モリブデン粒子および高温領域
において二硫化モリブデンを反応生成する有機モリブデ
ン化合物を添加しなければならない。
おいては部分的に鉄鋼表面が露出する部分も存在するた
め(図9参照)、摺動による金属−金属接触が起こりう
る部分も存在する。この部分の摺動性を確保するため
に、本発明の等速ジョイントに使用するグリースには、
潤滑添加剤として二硫化モリブデン粒子および高温領域
において二硫化モリブデンを反応生成する有機モリブデ
ン化合物を添加しなければならない。
【0025】前記二硫化モリブデン粒子はその平均粒径
が2〜10μmで、グリース全体に対する添加濃度は1
〜10重量%であることが好ましい。また、前記有機モ
リブデン化合物には、Mo−DTC(モリブデン−ジチ
オカーバメート)および/またはMo−DTP(モリブ
デン−ジチオフォスフェート)などを用いることがで
き、この場合の平均粒径は2〜10μmで、その添加濃
度は1〜10重量%であることが好ましい。
が2〜10μmで、グリース全体に対する添加濃度は1
〜10重量%であることが好ましい。また、前記有機モ
リブデン化合物には、Mo−DTC(モリブデン−ジチ
オカーバメート)および/またはMo−DTP(モリブ
デン−ジチオフォスフェート)などを用いることがで
き、この場合の平均粒径は2〜10μmで、その添加濃
度は1〜10重量%であることが好ましい。
【0026】二硫化モリブデン粒子はそれ自体が露出鉄
面に吸着して低摩擦係数を発現するが、局所的に高温と
なる部分では、分解して三酸化モリブデンとなりその効
果が失われる。一方、前記有機モリブデン化合物は局所
的に高温となる部分で自己分解し、新たに二硫化モリブ
デンを生成し、潤滑効果が失われた部分を補修する。従
って、これら二つの潤滑添加剤は同時に存在しなければ
ならない。
面に吸着して低摩擦係数を発現するが、局所的に高温と
なる部分では、分解して三酸化モリブデンとなりその効
果が失われる。一方、前記有機モリブデン化合物は局所
的に高温となる部分で自己分解し、新たに二硫化モリブ
デンを生成し、潤滑効果が失われた部分を補修する。従
って、これら二つの潤滑添加剤は同時に存在しなければ
ならない。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共にあげて
より具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により
限定されるものではない。
より具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により
限定されるものではない。
【0028】実施例および比較例に用いた等速ジョイン
トを構成する各部品とグリース添加剤の組み合わせと、
それぞれの評価結果を表1に示す。
トを構成する各部品とグリース添加剤の組み合わせと、
それぞれの評価結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】アウターレースおよびインナーレースには
それぞれJIS S55C材およびJIS SCM420
材を用い、冷間鍛造加工により実際の形状に成形後、ア
ウターレースは高周波焼き入れ−焼き戻しを、インナー
レースには浸炭焼き入れ−焼き戻しを行った。この時点
での表面硬度は両部品ともHRC60であった。また、
鍛造加工後および熱処理後のショットブラストは、ブラ
スト材として硬質鋼球(平均粒径φ0.20ミクロン、
硬度HRC45)を用い、スーパーコアノックアウト式
のブラスト装置を用いて行った。
それぞれJIS S55C材およびJIS SCM420
材を用い、冷間鍛造加工により実際の形状に成形後、ア
ウターレースは高周波焼き入れ−焼き戻しを、インナー
レースには浸炭焼き入れ−焼き戻しを行った。この時点
での表面硬度は両部品ともHRC60であった。また、
鍛造加工後および熱処理後のショットブラストは、ブラ
スト材として硬質鋼球(平均粒径φ0.20ミクロン、
硬度HRC45)を用い、スーパーコアノックアウト式
のブラスト装置を用いて行った。
【0031】リテーナーにはJIS SCM415材を
用い、切削加工および表面研磨加工により実際の形状に
成形後、浸炭焼き入れ−焼き戻しを行った。この時点で
の表面硬度はHRC62であった。
用い、切削加工および表面研磨加工により実際の形状に
成形後、浸炭焼き入れ−焼き戻しを行った。この時点で
の表面硬度はHRC62であった。
【0032】りん酸マンガン処理は、60℃に加熱した
日本パーカライジング(株)製強アルカリ脱脂剤ファイン
クリーナー4360の2%水溶液に処理物を5分間浸漬
後水洗して表面を清浄にした後、日本パーカライジング
(株)製表面調整剤プレパレンVMA3g/Lおよび同プレ
パレンVMB3g/Lの常温混合水溶液中に1分間浸漬
し、直ちに95℃に加熱した日本パーカライジング(株)
製りん酸マンガン処理剤パルフォスM1Aの14%水溶
液中に10分間浸漬後、十分水洗して行った。このと
き、りん酸マンガン処理を安定的に行うために、りん酸
マンガン処理液には95℃に加熱後予め10g/Lの割合
でスチールウールを10分間投入して鉄イオンを混入さ
せた。
日本パーカライジング(株)製強アルカリ脱脂剤ファイン
クリーナー4360の2%水溶液に処理物を5分間浸漬
後水洗して表面を清浄にした後、日本パーカライジング
(株)製表面調整剤プレパレンVMA3g/Lおよび同プレ
パレンVMB3g/Lの常温混合水溶液中に1分間浸漬
し、直ちに95℃に加熱した日本パーカライジング(株)
製りん酸マンガン処理剤パルフォスM1Aの14%水溶
液中に10分間浸漬後、十分水洗して行った。このと
き、りん酸マンガン処理を安定的に行うために、りん酸
マンガン処理液には95℃に加熱後予め10g/Lの割合
でスチールウールを10分間投入して鉄イオンを混入さ
せた。
【0033】スチールボールには焼き入れ−焼き戻しを
施したJIS SUJ2材を用いた。表1に示す組み合
わせで前記各工程の各処理を施したアウターレースおよ
びインナーレースにリテーナーと6個のスチールボール
を組み付けて評価用等速ジョイントを完成させた。
施したJIS SUJ2材を用いた。表1に示す組み合
わせで前記各工程の各処理を施したアウターレースおよ
びインナーレースにリテーナーと6個のスチールボール
を組み付けて評価用等速ジョイントを完成させた。
【0034】前記等速ジョイントに充填するグリース
は、ウレア系増ちょう材を添加した鉱油系グリースをベ
ースとし、それに必要に応じて平均粒径5μmの二硫化
モリブデン粒子を3重量%の割合で、平均粒径5μmの
モリブデン−ジチオカーバメートを3重量%の割合で添
加した。
は、ウレア系増ちょう材を添加した鉱油系グリースをベ
ースとし、それに必要に応じて平均粒径5μmの二硫化
モリブデン粒子を3重量%の割合で、平均粒径5μmの
モリブデン−ジチオカーバメートを3重量%の割合で添
加した。
【0035】以上により作製した評価用等速ジョイント
は、ジョイント角を8度とし、トルク25kgmを負荷し
て、回転数1400rpmにて160時間運転した。評価
は、運転中のアウターレース外面の平均温度および運転
終了後取り外したボールフレーキング状態の目視判定に
より行った。フレーキングの判定は下記のような5段階
評価とし、6個のボールがあるのでその合計点数(満
点:30点)とした。
は、ジョイント角を8度とし、トルク25kgmを負荷し
て、回転数1400rpmにて160時間運転した。評価
は、運転中のアウターレース外面の平均温度および運転
終了後取り外したボールフレーキング状態の目視判定に
より行った。フレーキングの判定は下記のような5段階
評価とし、6個のボールがあるのでその合計点数(満
点:30点)とした。
【0036】5点:フレーキング無し 4点:わ
ずかにフレーキングが見られる 3点:フレーキングが見られる 2点:激しいフレーキ
ングが見られる 1点:より激しいフレーキングが見られる 表1の結果から明らかなように、本発明の等速ジョイン
トでは運転中の温度上昇が抑えられ、ボールのフレーキ
ング発生程度がきわめて少ないことがわかる。これに対
して、比較例の方法、すなわちグリース中に必要な潤滑
添加剤が含有されていなかったり(比較例1)、ショッ
トブラスト処理およびりん酸マンガン処理がなされてい
なかったり(比較例3および比較例4)すると、温度上
昇が大きくフレーキングも激しい。特に、アウターレー
ス、インナーレースおよびリテーナーの全部品にりん酸
マンガン処理を適用すると(比較例2)激しいフレーキ
ングが発生する。
ずかにフレーキングが見られる 3点:フレーキングが見られる 2点:激しいフレーキ
ングが見られる 1点:より激しいフレーキングが見られる 表1の結果から明らかなように、本発明の等速ジョイン
トでは運転中の温度上昇が抑えられ、ボールのフレーキ
ング発生程度がきわめて少ないことがわかる。これに対
して、比較例の方法、すなわちグリース中に必要な潤滑
添加剤が含有されていなかったり(比較例1)、ショッ
トブラスト処理およびりん酸マンガン処理がなされてい
なかったり(比較例3および比較例4)すると、温度上
昇が大きくフレーキングも激しい。特に、アウターレー
ス、インナーレースおよびリテーナーの全部品にりん酸
マンガン処理を適用すると(比較例2)激しいフレーキ
ングが発生する。
【0037】
【発明の効果】本発明の等速ジョイントでは、きわめて
過酷な運転条件でもフレーキング寿命を著しく向上する
ことができるので、等速ジョイントの設計に大きな自由
度を提供することができ、昨今の自動車軽量化動向に対
応して、等速ジョイントを軽量小型化することができ
る。
過酷な運転条件でもフレーキング寿命を著しく向上する
ことができるので、等速ジョイントの設計に大きな自由
度を提供することができ、昨今の自動車軽量化動向に対
応して、等速ジョイントを軽量小型化することができ
る。
【図1】バーフィールド型等速ジョイントの縦断面図。
【図2】アウターレースを示す図。
【図3】インナーレースを示す図。
【図4】リテーナーを示す図。
【図5】従来技術によるりん酸マンガン処理が施された
鉄鋼表面断面概念図。
鉄鋼表面断面概念図。
【図6】従来技術によるりん酸マンガン処理が施された
鉄鋼表面のなじみ過程の概念図。
鉄鋼表面のなじみ過程の概念図。
【図7】従来技術で摺動に都合の良いフラットな面を作
り出すが、りん酸マンガン皮膜自体が摩耗消失した図。
り出すが、りん酸マンガン皮膜自体が摩耗消失した図。
【図8】本発明によるりん酸マンガン処理が施された鉄
鋼表面の断面概念図。
鋼表面の断面概念図。
【図9】本発明でフラットな面が形成され、しかも窪み
にはりん酸マンガン皮膜が残存する事を示す図。
にはりん酸マンガン皮膜が残存する事を示す図。
1:アウターレース、 1a:アウターレースボール転
動溝、 1b:アウターレース内球面、 2:インナー
レース、 2a:インナーレースボール転動溝、 2
b:インナーレース外球面、 3:ボール、 4:リテ
ーナー、 5:シャフト、 6:ブーツ。
動溝、 1b:アウターレース内球面、 2:インナー
レース、 2a:インナーレースボール転動溝、 2
b:インナーレース外球面、 3:ボール、 4:リテ
ーナー、 5:シャフト、 6:ブーツ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 秀二 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 川口 純 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】ボール転動溝を有するアウターレースおよ
びインナーレース、ボールを等速面位置に保持するリテ
ーナー、およびボールの4部品からなるバーフィールド
型等速ジョイントにおいて、アウターレースおよびイン
ナーレースのボール転動溝表面はショットブラスト処理
により形成された微細な窪みを有し、さらに、前記アウ
ターレースおよびインナーレースの何れか一つの部品も
しくは両方の部品の表面全体にはりん酸マンガン皮膜を
有し、アウターレース、インナーレース、リテーナーお
よびボールの4部品により組み立てられた等速ジョイン
トに充填されるグリースには、潤滑添加剤として少なく
とも二硫化モリブデン粉末と、高温領域において二硫化
モリブデンを反応生成する有機モリブデン化合物が添加
されていることを特徴とする、バーフィールド型等速ジ
ョイント。 - 【請求項2】ボール転動溝を有するアウターレースおよ
びインナーレース、ボールを等速面位置に保持するリテ
ーナー、およびボールの4部品からなるバーフィールド
型等速ジョイントにおいて、アウターレースおよびイン
ナーレースは冷間塑性加工に次いで熱処理が行われ、す
くなくとも前記アウターレースおよびインナーレースの
ボール転動溝には前記冷間塑性加工後および/または前
記熱処理後にショットブラスト処理が行われ、次いで、
アウターレースおよびインナーレースのいずれか一つの
部品もしくは両方の部品にりん酸マンガン処理が施さ
れ、前記アウターレース、インナーレース、リテーナー
およびボールの4部品により組み立てられた等速ジョイ
ントには、潤滑添加剤として少なくとも二硫化モリブデ
ン粉末と高温領域において二硫化モリブデンを反応生成
する有機モリブデン化合物が添加されているグリースを
充填することを特徴とする、バーフィールド型等速ジョ
イントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10214949A JP2000046061A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | バーフィールド型等速ジョイントとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10214949A JP2000046061A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | バーフィールド型等速ジョイントとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000046061A true JP2000046061A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16664239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10214949A Pending JP2000046061A (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | バーフィールド型等速ジョイントとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000046061A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7390128B2 (en) * | 2000-03-16 | 2008-06-24 | Nsk Ltd. | Rolling sliding member, process for the production thereof and rolling sliding unit |
US7520815B2 (en) | 2005-03-09 | 2009-04-21 | Jtekt Corporation | Constant velocity universal joint |
US8127585B2 (en) * | 2006-02-27 | 2012-03-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Process for manufacturing outer ring member for constant-velocity joint |
US8474130B2 (en) | 2009-04-16 | 2013-07-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Tripod constant velocity joint, and method and device for assembling same |
JP2014095404A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-05-22 | Ntn Corp | 固定式等速自在継手 |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP10214949A patent/JP2000046061A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7390128B2 (en) * | 2000-03-16 | 2008-06-24 | Nsk Ltd. | Rolling sliding member, process for the production thereof and rolling sliding unit |
US7520815B2 (en) | 2005-03-09 | 2009-04-21 | Jtekt Corporation | Constant velocity universal joint |
US8127585B2 (en) * | 2006-02-27 | 2012-03-06 | Honda Motor Co., Ltd. | Process for manufacturing outer ring member for constant-velocity joint |
US8474130B2 (en) | 2009-04-16 | 2013-07-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Tripod constant velocity joint, and method and device for assembling same |
JP2014095404A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-05-22 | Ntn Corp | 固定式等速自在継手 |
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050712 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070626 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071106 |