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平野佳寿は貫禄、牧田和久は魔術。
MLBで「ルーキーズ」の評価は上々。
posted2018/02/27 07:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
マウンド上の佇まいが、少し似ているかも知れない。
アリゾナ・ダイヤモンドバックスの平野佳寿やサンディエゴ・パドレスの牧田和久。ともに33歳で日本プロ野球では「ベテラン」選手の扱いになるはずだが、メジャーリーグではロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平と同じ「新人=ROOKIES」である。
2月、キャンプ施設での投球練習からLive BP=シート打撃というオープン戦登板に向けた流れの中で、平野と牧田は似たようなことを口にし、似たような時間を過ごしている。
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「日本の新人の頃は焦っていたが、今は自分でここまでって言うのが分かっているので、無理することはないし、焦ることもないですよ」
と平野。一方の牧田もこう話している。
「今の自分の状態を把握しつつ、その中で持ってるものを出すだけ。現状を知った上で次にどうやるかということが大事だと思います」
新人のコメントではない。
監督が「貫禄」という言葉を使う新人。
とは言え、過去に「メジャー挑戦」を果たした多くの日本人選手と同様、それなりの初々しさも見せる。
「ここから始まるんだなという感じがする」と平野。
「ユニフォームを着て投げることが、あらめて新鮮に思いました」と牧田。
彼らがほかの「新人たち」と違うのは、彼らの仕事=「ピッチング」をする時だ。
平野がキャンプ初の投球練習を行った2月15日、ヤクルトでプレーしたことでも知られる昨季のナ・リーグ最優秀監督、ダイヤモンドバックスのトレイ・ロブロ監督はこう言った。
「何よりもあの雰囲気が印象的だった」
前後の文脈から「あの雰囲気」としたが、辞書通りの訳し方をすればPresence=貫禄である。