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記事一覧

詩/小雨

詩/小雨

 
  彼は人の気持ちが分からない
  無意識のうちに人を傷つける
  そのことにすら
  彼は気付いていない

  彼は世界に興味がない
  なんのニュースも関心がない
  その都度の目的を果たせば
  もうなにもすることがない
  もうやりたいこともない

  彼はまるでにわか雨
  刹那の生き物
  誰かをひととき不快にして
  誰かをひととき喜ばす
  そして止まらずに去ってゆく

  僕

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詩/月曜日の不協和音

詩/月曜日の不協和音

  今日は朝から暗く
  雲の中に青空が見えた

  傘を持たない時に限って
  天気予報は的中し
 
  土砂降りの雨に打たれ
  火傷しそうになる

  友人のくだらない話に
  おかしくもないのに笑って

  君を抱きしめたいのに
  飽きた仕草でいじわるして
 
  つまらないはずの映画を観ながら
  涙を流したりしたのさ

詩/潮騒

詩/潮騒

   ずいぶん遠くまで来たねと

   あなたが言う
 
   時計の針の天辺を

   夜間飛行が越える
 
   むらさきに染まる部屋
  
   あなたの瞳の中の私は
 
   窮屈そうに髪をなぞる
 
   ほどけた腕
 
   不確かな距離
 
   ふくろうの羽ばたき 

   あなたは自分の影に寄り掛かり

   ぽかりと煙草をふかす

   窓は果てしない絵画

   静かなざわめ

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詩/青い鳥 小鳥

詩/青い鳥 小鳥

  
 青い鳥 小鳥
 どうして鳴くの?
 「私の幸せはどこかしら」
 そんなこと聞かれたら
 僕は困ってしまう
 
 青い鳥 小鳥 
 それなら探しに行ってごらん
 君の羽は羽ばたくためにある
 思い切り広げてごらん
 ほうら自由に飛べるのさ
 
 青い鳥 小鳥
 けれど時々雨が降る
 暗い森や大きい鳥が
 待ち受けてる
 振り向かないで急ぐんだ
 でも気をつけて
 でも無茶はしないで
 
 青

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 詩/背中

 詩/背中

   20分の遅刻ぐらい
  
  すぐに許してあげればよかった
 
  雨だからちょっと心細かったのって
 
  素直に言えばよかった
 
  君の靴紐がほどけてたこと
 
  もっと早く気付いてたら

  私たち
 
  別々の傘の中を
 
  歩かなくて
 
  すんだのに

詩/よくあるね

詩/よくあるね

  

  本屋に来て欲しかった本があった試しがない
  と文句する友人に
  激しく同意
  結局予定外の本を買ってしまうってことも
  含めて