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カヤック旅ってこんなんです【移動編】

カヤックについては数回に分けてどんな歴史があって、どんな乗り物なのかをご説明してきましたので読んで頂いた方は少しは理解できたのではないでしょうか?

まだカヤックについて分からない方は過去の記事をご参照ください。


こんな小船でどんな旅ができるでしょうか。カヤックのことを理解しただけではカヤック旅のイメージはちっとも湧かないはずです。

ということで、今日からは数回にかけて私たちのカヤック旅の内容や旅の様子などをお話しようかと思います。

まず1回目の本日はカヤックの移動距離に関してです。

早歩きと同じペース

カヤックは1日に何キロ進めると思いますか?
だいたい私たちの漕ぐスピードは荷物を積載した状態で平均7キロ台です。

しかしこの7キロと言う数字。
これは風もなく、潮も動かず、うなりもない穏やかな平水面での話です。

もちろん向かい風が強い場合や向かい潮の場合は時速は5キロ以下になる可能性も十分に考えられます。
昨年は強い向かい風の日に8時間漕いで20キロしか進まない日もありました。 
逆に追い風が強い日はのんびり漕いでも時速8キロ以上で波に乗りながら進めることもあります。

要するに海の上に浮かぶカヤックは外的な要因に影響されやすい乗り物であることをご理解頂ければと思います。

また、いくら穏やかな日でも30℃ある暑い日は長時間連続して漕げないため、1時間に1度水分補給などの休憩も挟むことになります。
そうすると実質は穏やかな日でも時速6キロ台まで落ちてしまいます。
これは早歩きしているのと同じペースであり、基本的な私達のカヤックの速度ということになります。

インドネシア遠征コモド島近辺での実際のログ

距離より時間

前述した通りカヤックは向かい風が強ければ1日頑張っても20キロしか進まないこともあります。
逆に追い風が強ければ楽して50キロ漕げることもあります。
距離はあくまで目安であって、カヤック旅において大切なことは「何時間漕ぎ続けられるか」です。

旅では平均6時間

私達の旅では朝から漕ぎ出し、昼過ぎに上陸するため、だいたい6〜7時間を目安に毎日漕ぎ進みます。
計画段階でも全行程を800キロを25日間くらいの予定で進むことを想定して、1日35キロ弱を目安にルートを考えてます。1日平均6時間漕げればゴールに辿り着ける計算になります。

しかし自然はそんなに毎日優しくないため、風が強く進めない日や海が時化て停滞が続けば、その分を取り返すために1日10時間漕いだりすることもよくあります。

基本的には海外の国に入国する際は帰りのチケットが必要になるため、期限内に漕ぎ終えることが最も重要ですので、体力のある前半戦になるべく距離を稼ぎ、後半戦に日程に余裕を持たせる戦法をとっています。

24時間不眠不休

ちなみにカヤックって1日最高何キロくらい漕げると思いますか?
1日24時間あるので、時速6キロで進めれば単純計算で144キロ移動できることになります。

さすがに24時間ぶっ続けでは漕いだことはないですが、今の私達の漕力があれば特に問題なく漕げると思います。
前回の遠征では最も長い横断で90キロ15時間でしたが、想定では120キロを予定して漕ぎ出していました。
睡魔にさえ勝てれば30時間は漕ぎ続けられそうですね。

夜間は赤色灯をつけてパドリングします

まとめ

・平均時速は6キロ(早歩きくらい)
・旅では平均6時間を移動に当てる
・1ヶ月の旅で漕行距離は800キロが目安
・頑張れば1日100キロ以上の海峡も横断可能

みなさんが思っている以上のパフォーマンスがカヤックにあることを分かっていただけたでしょうか?
もちろん漕ぎ手である私たちもカヤックのパフォーマンスを最大限引き出せるような鍛錬をこれまで続けてきてます。

化石燃料を使うことなくこれだけの長距離移動ができるカヤックは究極にエコロジーな乗り物でもあります。(人間の燃料となる食料と水は必要)

自然に翻弄されやすく、とても弱い乗り物でもあるカヤックは海の上では水面に浮かぶ木の葉のようです。
自然に逆らうことなくいかに自然と調和し漕ぎ進めるかが、とても大切に感じます。

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南平 純
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