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仮想通貨「100%勝てる1週間」という情報を信じた男の末路…。一撃勝負でロスカット…負けた金額の合計は

『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』の作者であるハッシー橋本が、漫画で稼いだカネで“怪しい投資”に挑む実録マンガ。  前回、1月28日〜2月4日までの“旧正月”の期間「仮想通貨がアツい!」という情報を得たことをきっかけに、大勝負に出る決意をしたハッシー橋本。旧正月は過去8年間「100%プラスになっている」との情報を信じ、満を持して勝負に挑んだ結果は——。 漫画 マンガ 漫画 マンガ

百八十話 瞬消

 もうヤダ、仮想通貨なんか見たくない……。  いや、正確には「現物は見えない」けど、チャートすら見たくない。  60万円が一瞬で消えた。4,000ドル、日本円にして約60万円。これが一瞬で吹き飛ぶとは……。  ちなみに60万円あれば何ができたのか、ゆっくりと考えてみる。 ・2ヶ月は慎ましく暮らせる。 ・そこそこの中古車が買える。 ・高級ホテルに泊まりまくれる。 ・ゲーム機もPCも爆買いできる。 ・美味しいものをたくさん食べられる。  なのに、現実は「ロスカットしました」の無機質な通知だけ。  ぎぇー! ヤダー!!  もう立ち直れないかも……。

下がるときは、まるで“落下”

「上がるのは階段なのに、下がるのは落下!」  これはトレードの世界の真理。じわじわ上がるのに、落ちるときは一瞬。まるでフリーフォールのようなスピード感。  しかも今回、考える間もなくロスカット。 「どうしよう……損切りしよっかな」なんて悩む余裕すらなかった。まるで遠くからライフルでヘッドショットを喰らって一瞬で絶命したようなものだ。  気づいたときには、すべてが終わっていた。  もう本当にやめたくなった。さすがに今回ばかりは心が折れた。もう仮想通貨なんて触りたくない。いや、そもそも目にすら入れたくない。  でも!5万円だけ残ってた。そして、気づいたらビットコイントレードをしていた。これはもうトレーダーの性(さが)としか言いようがない。

旧正月アノマリーを「信じすぎた代償」

「旧正月アノマリー」というものがある。この時期、仮想通貨市場は上がりやすい……らしい。だから、今回も「まぁ、言うても上がるだろう」と思っていた。  その結果、大爆死。完全に過信していた。 「もうここからは下がらんやろ」そう思った瞬間、さらに下がる。  これが市場の罠。「もう下がらんだろう」は、だいたい罠。  これこそ、今回の60万円の授業料で得た教訓だった。高い勉強代だったな……(遠い目)。  でも、まだ終わりじゃない。5万円を握りしめ、俺は再びチャートを見つめる。 「今度こそ……」  そう思った瞬間が、また罠だったりするのだが……。 漫画・文/ハッシー橋本
愛知県出身の漫画家。パチンコ・パチスロ漫画を中心に活躍し、‘15年より月刊ヤングマガジンで連載を始めた『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』が大ヒット。サウナとビールの愉悦を描いた『極上!サウナめし』はサウナ好き必見の一冊 Twitter @hashimotosan84

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