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本作は、脚本・作曲・作詞を手がけるベンジャミン・ショイヤーの実話を、5本のギターを駆使した演奏と共に描く1人ミュージカル。10歳のベンが、音楽を通じて絆を深めていた父親と死別してから、どのように生き、どのような音楽が彼のそばにあったのかが描かれる。今回は来日版と日本版が同時上演され、昨日19日には、マックス・アレクサンダー・テイラー出演の来日版が初日を迎え、本日20日には出演に加え、宮野つくりと共同で翻訳・訳詞を担った成河による日本版がスタートする。
作者ショイヤーの私小説が、淡々とつづられる本作。劇中では、ベンが死別や関係性の破綻・修復、病気など、人生で出会うさまざまな出来事から経験する、怒りや後悔、恐怖や慈しみといった感情が、美しいギターのメロディに乗せて届けられた。ギターの弾き語りのみで構成される本作だが、楽曲はもちろん、アコースティックギターやエレキギターの音色の多彩さ、複数役に扮する成河の巧みな一人芝居が、色とりどりに立ち上がり、ベンの半生を豊かに想像させた。
柔らかい歌声が持ち味の成河は、時に力強くがなり立て、時にコミカルな間合いで観客を笑わせ、ステージ上を動き回りながら、主人公が“自分らしく生きる”ことに誇りを取り戻すまでを好演。ベンの人生を誠実に伝える成河の様子は観る者を勇気づけ、客席を温かな空気で満たした。
成河は開幕に際し、「ご本人であるベンジャミンは500回、英国版のマックスは実に150回以上の上演を各国で重ねて来ました。そして初めての他言語上演となる今回、彼らは本当に温かく僕のことを受け入れてくれました。今はそのアーティストとしての彼らの心に応えたい、ただひたすらそんな思いです。この熱が、皆さまにとって良いものとなりますように」と語った。
上演時間は休憩なしの約1時間15分。公演は12月23日まで。出演者のコメントは以下の通り。
マックス・アレクサンダー・テイラー コメント
東京での「ライオン」初演に参加できることに、本当にワクワクしています! この作品に長い間取り組んできた中で、訪れる場所ごとに、その土地ならではのエネルギーや好奇心を感じてきました。日本の観客の皆さんが私たちと同じくらいこの作品を楽しんでくださること、そして日本でこの作品が長く愛されることを願っています。そして、成河さんが日本語版「ライオン」を初めて演じることも、とても楽しみにしています。彼のパフォーマンスは素晴らしく、ギターの腕前も本当に見事です!
成河 コメント
この「ライオン」という作品をオリジナルメンバーと共に届けられる事に誇りと喜びを感じます。ご本人であるベンジャミンは500回、英国版のマックスは実に150回以上の上演を各国で重ねて来ました。そして初めての他言語上演となる今回、彼らは本当に温かく僕のことを受け入れてくれました。今はそのアーティストとしての彼らの心に応えたい、ただひたすらそんな思いです。
この熱が、皆さまにとって良いものとなりますように。
ミュージカル「ライオン」来日版・日本版
2024年12月19日(木)〜23日(月)
東京都 品川プリンスホテル クラブeX
スタッフ
脚本・作曲・作詞:ベンジャミン・ショイヤー
演出:アレックス・ステンハウス / ショーン・ダニエルズ
翻訳・訳詞:宮野つくり /
出演
来日版
ベン:マックス・アレクサンダー・テイラー
日本版
ベン:成河
ステージナタリー @stage_natalie
【公演レポート】成河「この熱が良いものとなるように」、ミュージカル「ライオン」来日&日本版上演が開幕(舞台写真 / コメントあり)
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