好きな曲が全部言ってくれてたから、私もう何も言えなくなった。ノイズキャンセリングが着いている新しいイヤホンが欲しい。頭の中のグルグルがいつか消える日は来るのかな、「電車がきます」の点滅ですら私を寂しくさせた。
私が居るところが1番いいでしょ。私がいるところに居たいでしょ。声を大にして言いたかった。私が居たら全部どうでもいいでしょう、遠くに行かないで。叶わなかったら寂しい。ぽやぽやして、でもどうせまた、私に連絡を寄越す皆様方。
神様にお礼が言いたかった、こんなに楽しくて最高な世界に私を産み落としてくれてありがとう。でも同じくらい殺してくれと全部を恨んで眠れなかった日があった。どうして全員が私の事好きだって疑わずに立ってられるかな。新宿駅の改装工事で、帰り道がわからなかったとき。ここが何度姿を変えたって私はまたいきたいところへ行けるだろうって急に思った。朝の新宿駅東口前の信号待ち、出勤するのが億劫だった。待てることが知性で、焦らすことは品性だと思った。誰かを教科書にしなくても、立っていられる私になりたかった。私が生きてたらそれが正解で、私が居るところが1番良いってなるような、そんなふうに考えて信じて疑わないよ。
いつになったら飽きることを覚えるのだろう。ずっと同じご飯、ずっと同じ本、ずっと同じ曲、ずっと同じ駅、ずっと同じ場所、ずっと同じ店、ずっと同じ人。子どもの頃と変わらない。同じぬいぐるみでずっと遊べる。新しいものが入る隙がない。そういう物でしょう。いつになったら。