【ベイジ枌谷 × レコモット東郷】対談後編:コロナショックで見出した光。居住地にとらわれない理想的な働き方とは
- 投稿日:2022 - 3 - 16
- 更新日:2022 - 9 - 16
株式会社ベイジの代表取締役、枌谷力さんと、株式会社レコモットの代表取締役、東郷剛による対談企画。
リモートワークの課題や解決策について語った前半に続き、後編ではアフターコロナを見据えた理想的な働き方について経営者2人が意見を交わします。
両社に共通しているのは、コロナ禍のなかでも売り上げを伸ばし、組織を大幅に拡大しているということ。日本の社会全体で人手不足が深刻化するなか、多くの人材を確保した秘策とは?
また、2022年の4月から福岡に移住するという枌谷さんに、東郷がその思いをお聞きしました。
「ハイブリッドワーク」はコロナ禍で見出したワークスタイルの最適解
東郷
枌谷さんはもともとリモートワークに懐疑的だったということですが、ツールの導入により課題を好転させたわけですよね。これからはオフィスワークとリモートワークをどんなバランスで進めていこうとお考えですか?
枌谷
リモートワークとオフィスワーク、どちらも大事なので、「どちらか一方を中心に」とは考えていません。ワークプレイスを従業員一人ひとりが自由に選べる「ハイブリッドワーク」が理想的な働き方ではないでしょうか。
リモートワークを始めてみて、オンラインならではの良さにも気付くことができました。例をあげると、ミーティングでの画面共有はリアルよりもリモートの方が圧倒的に良いかなと思ったり。
東郷
たしかに、オンラインミーティングだと個別の画面で拡大して細かいところまで見る、みたいなことも自由にできますよね。
枌谷
そうですよね。逆に、リアルなコミュニケーションの良さも当然あります。
コロナ第五波の後、外食が一時再開した2021年の秋頃に従業員を5グループくらいに分けて順番に飲みに行ったんですけど、直接対面で話すと、オンラインだと絶対出てこないような話題が生まれるんですよね。
例えば6人で会話をするとき、最初は全員で話していたところから、3対3になったり、2対4になったり、2対2対2になったり、コミュニケーションのパスがいろんな軸で瞬時に変わっていく、これはリアルならではの面白さだなと。
東郷
情報量も多いし熱量も伝わる。リモートワークによって、対面のコミュニケーションの変え難い魅力にも気付かされましたね。
レコモットも、やはりこれからはハイブリッドワークが軸になると考えています。もちろんコロナ禍の緊急事態宣言期間中のように、有事の際はリモートワーク中心になりますが、そうでないときは従業員がその日の気分で働く場所を選べるのが理想ですよね。
オフィス、自宅、コワーキングスペース、カフェなど、どんな場所でも変わらない働き方ができる状態が目指したい世界観。我々が提供しているmoconaviは、まさにそれを実現するためのサービスです。
枌谷
従業員が働く場所を選ぶときの選択肢のひとつとして、会社がオフィシャルに、オフィスという場所を用意しているということにも大きな意味がありますよね。仕事場としての価値に加え、雑談的が生まれ、人と人とを結びつける場所としての役割も果たすので、オフィスはこれからも私たちにとって大切な場所だと考えています。
リモートワーク推進と採用のオンライン化で人材獲得に成功。居住地にとらわれない働き方を体現する代表の移住計画
東郷
ベイジさんのコロナ禍における採用活動についてもお話を伺いたいです。
枌谷
まず、選考の工程がすべてオンラインに置き換わりました。応募者の方に来社してもらうことはほとんどありません。また、リモートワークによって東京以外の遠方に住む人でも採用できるようになりました。時差さえなければ国外でも問題ない、それくらいの感覚で、最近では福岡や長野の人も一緒に働いています。
積極的に採用活動を進め、社員数はコロナ以前の17名から2022年3月現在で34名にまで増えました。
東郷
リモートワークや採用のオンライン化は人材獲得の面で非常に有効ですよね。レコモットも採用からオンボーディングまで全てリモートですし、地方在住者も含めてコロナ禍で30名以上の増員ができました。
枌谷
リモートワーク自体はコロナ以前もあった発想ですが、採用活動がここまでオンライン化されるという未来は想像もしていませんでしたね。
東郷
そうですね。
この4月には枌谷さん自身が福岡に移住されるのですよね?
枌谷
はい、妻の実家が福岡ということもあって、これを機に引っ越そうと。空港から近い場所に家を建てるので、東京にもすぐ行けて、東京よりも安い物価で、東京と変わらない都会的な生活ができます。移住後は福岡にいるときはリモートワークで、月に2回くらいは東京に来て、平日はホテルに泊まりながらたまに出社するみたいな感じになると思います。
東郷
まさにハイブリッドワーク。代表自らが理想の働き方を体現していくということですね。
枌谷
一昔前までは、理想のリーダー像として「いつも現場にいて、何かトラブルがあったときは社員を見送ってから自分が出ていく」みたいなイメージがあったと思います。社員の立場からすると、会社から「好きな場所で働いていいですよ」と言われても、社長が東京にいるのに自分が地方に行くなんて…と、足踏みするかもしれません。だったらまず自分が率先して移住して「みんなも私と同じように好きな場所で働いていいんだよ」という方がいいのかなと。
東郷
従業員の背中を押すのではなく、経営者自身が背中で見せる。枌谷さんらしい素敵な考え方です。
枌谷
実際、私に続いて金沢への移住を考える人も出てきました。ベイジで働く仲間には「理想の場所で理想的な働き方をする」ということを諦めずに追い求めて欲しいです。
東郷
コロナという苦境のなかで、私たち日本人の働き方に対する考え方は5年くらい前に進んだような感じがしますね。今回ベイジさんのさまざまな取り組みを伺い、私たちも課題解決の多くのヒントをいただきました。
レコモットでは、さらにこの先の5年を見据えて、2021年にビジョン・ミッション・バリューを再定義し、ビジョンには「Envision Your Style」という言葉を掲げました。
誰もが「Your Style」を制約なく実現できる社会を目指して、これからもより良いサービスを提供していきます。そのために、引き続きベイジさんのデザイン力やマーケティングの力を借してください。
枌谷
もちろんです!今度福岡にいらっしゃるときはぜひご連絡くださいね。
東郷
ありがとうございます!図々しくもご連絡させていただきます(笑)