[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

舞浜新聞

東京ディズニーリゾートなどのディズニーパークをはじめとして、ディズニーに関する様々な情報をお伝えします。



舞浜新聞の夏休み2024 in アメリカ東西パーク&クルーズライン(3) ディズニースタジオ編

 

 

はじめに

舞浜新聞は2024年の夏休みに、アメリカ・カリフォルニアの「ディズニーランド・リゾート」、フロリダの「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」、さらに「ディズニークルーズライン」のバハマ諸島クルーズへ行ってきました。

 

maihama.hateblo.jp

maihama.hateblo.jp

 

実は今回、ディズニーパークだけではなく、バーバンクにある「ウォルト・ディズニー・スタジオ」の見学ツアーにも参加してきました。ずっと憧れだったバーバンク。今回の記事では、ツアーの申し込みから当日の様子について、私の感想を含めてご紹介していきたいと思います。

 

 

予約とチケット購入

カリフォルニアのバーバンクにある「ウォルト・ディズニー・スタジオ」。1940年の誕生以来、多くのディズニー作品がこのスタジオから生み出されてきました。現在は一部機能を縮小したものの、今もウォルト・ディズニー・カンパニー(ディズニー社)の本社が置かれています。

 

 

そんなディズニースタジオですが、一般には開放されておらず、自由に見学することはできません。しかし、ディズニーの公式ファンクラブ「D23」のメンバー向けに、不定期ですが見学ツアーが開催されているのです。D23のメンバー(無料会員)もしくはゴールドメンバー(有料会員)であれば、本人+同行者1名のチケットを購入することができます。

 

ツアーの日程は、2ヶ月分がまとめて発表されます。同じ日に複数の時間帯でツアーが組まれていることもあれば、逆に開催がない日も…。カリフォルニアを訪れる日程が決まったら、こまめに公式サイトをチェックしておいたほうがよいでしょう。

 

d23.com

 

私が参加した2024年8月現在では、参加料金(一人当たり)は以下の通りでした。

  • メンバー:平日149ドル・土日159ドル
  • ゴールドメンバー:平日99ドル・土日109ドル
  • (購入時に7ドルのサービス料が加算)

 

公式サイトで申し込んで決済すると、すぐにメールでチケットが送られてきます。Appleウォレットにも登録できますが、念のため紙でも印刷して持っていくことをおすすめします。ツアー当日は、このチケットに加えて、D23の会員証(デジタル版でもOK)と身分証明書(パスポート)が必要になります。

 

ディズニースタジオまでの行き方

ディズニースタジオは、ディズニーランドがあるアナハイムから車で1時間ほどの場所にあります。電車やバスなどの公共交通機関も利用できますが、治安が心配なところも…。できれば、ウーバーやリフトといった、ライドシェアを利用したほうがよいでしょう。アナハイムからだと、片道10,000円から15,000円くらいになります。

 

ちなみに、ディズニースタジオはユニバーサルスタジオ・ハリウッドのすぐ近くにありますので、こちらの近くに宿泊していれば、より楽に行くことができますね。ロサンゼルス空港からスタジオまでだと、車で30分~40分くらいになります。なお、スタジオには、大きな荷物を預ける場所がないのでご注意を。

 

ライドシェアを利用した場合、スタジオ北側にあるアラメダゲートの前で降ろされます。しかし、見学ツアーの受付は、スタジオ西側にあるブエナビスタゲート。ぐるっと回らなくてはいけません。

 

スタジオ北側にあるアラメダゲート

 

スタジオ西側にあるブエナビスタゲート

 

いよいよスタジオの中へ!

ブエナビスタゲートをくぐると、正面にいる守衛さんが「スタジオツアーですか?」と声を掛けてくれます。ここでツアーのチケットとパスポートを提示すると、紙の入構証を渡してくれます。バッジになっていますので、スタジオ内にいるときは、この入構証を見えるところに付けておきます。

 

入構証(個人情報は削除済)

 

スタジオの中に入っていくと、ソーサラーミッキーが描かれたD23のバナーが置いてあります。ここがツアーの受付です。

 

 

ここにいたキャストさんに声を掛けると、トイレの場所と集合時間を教えてくれました。集合時間までは自由行動ですので、近くにあるスタジオストアへ行くことに。

 

 

ここでは、アメリカ国内にあるディズニーストアや、ディズニーパークの商品が販売されています。奥は「従業員センター」になっており、スタジオで働くスタッフ向けの雑貨やクリーニングサービスを取り扱っています。

 

 

実は従業員センターには、ここでしか買えない限定グッズがたくさん!ツアー終了後にも立ち寄れますので、中の様子を見てから、後でお買い物するのもいいですね。

 

集合時間になり、今回のツアー参加者が集まってきました。ツアーガイドさんの自己紹介と、参加者一人ずつ出身地などを紹介していきます。

 

とにかくツアーガイドさんがハイテンション!派手なアロハシャツを着ていたのですが、「これ、何の作品の衣装か分かる?」と聞かれ、全員が「?」の顔をすると「もう!レスキュー・レンジャーズのアロハシャツだよ!」とまくし立ててたのが印象的でしたね。

 

自己紹介が終わると、集合場所近くにある「ハイピリオン・バンガロー」という、小屋の紹介からツアーは始まっていきます。

 

 

バーバンクに移転する前、ディズニースタジオはハリウッドのハイピリオン通り沿いにありました。ディズニー初の長編アニメーション『白雪姫』が制作されたのも、このハイピリオンスタジオ。この小屋はハイピリオンからバーバンクに移築され、現在もその姿を残しているのです。バーバンクへの移築後は、経理、広報、郵便局などとして使われ、現在は会議スペースに。

 

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーの「ハイピリオン・シアター」や、ディズニーアンバサダーホテルの「ハイピリオン・ラウンジ」も、もちろんこのハイピリオン通りが由来。ディズニーがいかにハイピリオンという地を大切にしているかが分かりますね。

 

シャーマン・ブラザーズ・ステージ

1964年に公開された映画『メリー・ポピンズ』。この映画製作の舞台裏を描いたのが『ウォルト・ディズニーの約束』という作品です。『メアリー・ポピンズ』シリーズの作者、パメラ・トラヴァースをエマ・トンプソン、ウォルト・ディズニーをトム・ハンクスが演じました。

 

実はこの作品の中に、ディズニースタジオが多く登場するのです。スタジオの中を歩きながら「映画で見たそのままだ…」と一人で感動していました。

 

ガイドさんの紹介を聞きながら向かったのが「シャーマン・ブラザーズ・ステージ」。ここは多くのディズニーソングを手掛けた、シャーマン兄弟の名前が刻まれています。楽曲の収録スタジオとして使われてきましたが、現在も同じ用途で使われているようです。中には入らず、外からの見学のみでした。

 

女子テニス界のレジェンドである、セリーナ・ウィリアムズのドキュメンタリー「イン・ジ・アリーナ:セリーナ・ウィリアムズ」のパネルが置かれていた。

 

スタジオの敷地内を進んで行くと、「プルートコーナー」と呼ばれる場所へ。ここには施設案内の標識が立てられているのですが、実はこれ、1941年公開の映画『リラクタント・ドラゴン』で登場したものなのです。現在は施設配置などが変わってしまったものの、通りの名前はそのまま残され、この標識も大切に保存されているそうです。

 

 

次に向かったのが「シアター」。ここは関係者向けに作品の試写を行う場所です。1940年公開の映画『ファンタジア』の頃から使われている、歴史ある建物だそう。こちらも中には入れず、外からの見学となりました。

 

 

アニメーション・ビル

私たちが次に訪れたのが「アニメーション・ビル」。アニメーション制作がまだ手作業だった時代は、ここから多くの作品が送り出されました。当時は3階でストーリー、2階でレイアウトや背景、1階でアニメーションの線画といったように、分業体制が取れるようになっていたそう。現在はプロデューサーたちのオフィスとなっています。

 

 

中に入っていくと、廊下にはディズニー・アニメーションの歴史、制作過程、そして過去作品の貴重なコンセプトアートやセル画がたくさん展示されています。

 

 

最後には、最新作の『モアナと伝説の海2』の大きなコンセプトアートが飾られていました。

 

 

このほかにも、ミッキーマウスやその仲間たちが登場する、アニメーションの制作過程を紹介するジオラマや、ディズニースタジオの設計図面、さらにはディズニーパークの歴史の展示も。とにかくディズニーの歴史が詰まっていましたね。

 

私たちツアー一行は、「3H」の番号が付けられた部屋へと向かいました。

 

ここはかつてウォルト・ディズニーが執務をしていた場所。ウォルトの死後は改装されてしまったのですが、その後ディズニー・アーカイブスの創設者であるデイヴ・スミスが主導して、当時の姿に復元されました。現在は「Suite 3H」と呼ばれています。

 

この部屋に入る前には、ロッカーに荷物を預ける必要があります。もちろんスマートフォンやカメラなど、小さなものは大丈夫。ただ、ガイドさんからは「絶対に展示に触らないでね」と念押しされます。

 

いよいよ中へと入っていきます。先ほども触れた『ウォルト・ディズニーの約束』の中にも、このオフィスが登場するのですが、当時の空気が感じられて、鳥肌が立ってしまいました。同じツアーだったご夫婦の方は、奥様が感動で泣いてしまって…。ディズニーファンにとって、ここは本当に特別な場所なのだと強く感じましたね。

 

 

日本語の本や日本の置物、人形などもありますので、日本人としては少し誇らしい気持ちにもなります。

 

本棚にあるのは、山内宏利の『ぼくのアメリカ日記』(1960年)読売新聞社主催のコンクールで入賞した、当時小学生だった山内さんは、アメリカ旅行に招待され、ウォルト・ディズニーと面会しています。この本にはそのときの様子が書かれています。

 

奥にはウォルトが個人的に使っていた仕事部屋や、キッチンも復元されています。ディズニーランドの大きな写真が飾られ、当時建設中だったアトラクションなどの紹介が書かれているのを見ると、当時ウォルトがここで陣頭指揮を執っていたんだ…となんだか感慨深くなりました。

 

アナハイムのディズニーランドの写真。黄色はウォルトが亡くなる直前に、建設中だったアトラクション。赤色はオープンした施設を示している。

 

キッチンの棚には、ウォルトの好物だった野菜ジュースやチリコンカンの缶詰がしまわれている。

 

さらに奥へと進んでいくと、かつてシャワールームなどがあった場所に、当時の資料などが飾られた展示スペースがあります。どれも貴重なものばかりで、時間があっという間に過ぎていきました。

 

マイケル・アイズナー・ビル

興奮冷めやらぬうちに向かったのが、「マイケル・アイズナー・ビル」です。映画『白雪姫』の小人たちが柱を支えている、象徴的なデザインの建物です。テレビ番組でもたびたび登場するので、見たことのある方も多いかもしれません。ここには、ロバート・アイガーCEOをはじめとする、ディズニー社の経営陣のオフィスがあります。

 

 

建物の名前になっている「マイケル・アイズナー」は、ウォルトの死後、業績が低迷していたディズニー社を立て直した、中興の祖として知られている有名な経営者です。

 

この建物の中は見学できないのですが、正面は「ディズニー・レジェンズ・プラザ」という広場になっていて、ツアーではここを見学することができます。「ディズニー・レジェンド」とは、ディズニー社に多大な貢献をした人物に贈られる称号のこと。

 

maihama.hateblo.jp

 

ディズニー社の幹部やハリウッドスターたちにまじって、オリエンタルランドの加賀見俊夫さんの手形も飾られています。加賀見さん以外にも、日本人の受賞者の名前がたくさん。これだけ見て回るだけでも、時間があっという間に過ぎていきます。

 

 

このディズニー・レジェンズ・プラザには、ディズニーパークにも飾られている「パートナーズ像」や「シェアリング・ザ・マジック像」も一緒に置かれています。中央にはディズニー・レジェンドの受賞者に贈られるブロンズ像の大きなものも。レジェンドたちの功績を後世まで称える場所ですね。

 

東京ディズニーランドのプラザにもある「パートナーズ像」

 

東京ディズニーランドのワールドバザールにもある「シェアリング・ザ・マジック像」

 

ディズニーレジェンドに贈られるブロンズ像の中には、なんと映画『シンデレラ』に登場するネズミのガスが!

 

ディズニーパークに飾られているブロンズ像については、こちらをどうぞ。

maihama.hateblo.jp

 

フランク・ウェルズ・ビル

次に向かったのが「フランク・ウェルズ・ビル」。この建物に冠されたフランク・ウェルズとは、かつてディズニー社の社長を務め、オリエンタルランドと東京ディズニーリゾートの第2パーク建設でも交渉を行った人物として知られています。

 

将来を期待されていたものの、1994年のヘリコプター墜落事故でこの世を去ることに…。彼の死後に公開された『ライオン・キング』には、ウェルズへのメッセージが加えられています。

 

 

実はこの建物の中には、ディズニー社の貴重な資料などを保管する「ウォルト・ディズニー・アーカイブス」のオフィスがあるのです。私もテレビ番組でしか見たことがなかったので、入る前から興奮していました。

 

 

アーカイブスのオフィスに入ると、たくさんの本やパンフレットなどが置かれた棚が目に入ります。その周りには、過去の作品に関係する資料に加えて、ディズニーパークで使われていた貴重なものもたくさん…。

 

 

展示紹介の後は、ディズニー社がかつて受賞した、本物のオスカー像を手に取って記念撮影することもできます。ガイドさんが「絶対に落とさないように!両手で持ってね」と念押しするくらい、本当に貴重な体験になりました。

 

アーカイブスのオフィスを出たところにもショーケースがあり、たくさんの貴重な資料が展示されています。傍らには、アニメーションの撮影で使われた、マルチプレーンカメラも。そのすぐ横でスターバックスのコーヒーを片手に、たくさんの方が仕事をしているのを見て、ここでディズニーの新しい歴史が生まれているんだ…と感じましたね。

 

 

フランク・ウェルズ・ビルを出たところには、映画『タイタニック』の撮影で使われたベンチも置かれています。ふとした場所に貴重なものが置いてあるので、気が抜けません。

 

 

インキング&ペインティングビル

次に訪れたのが「インキング&ペインティングビル」。ここでは、かつてアニメーションで使うセル画の彩色や仕上げが行われていました。この建物は、アニメーション・ビルなどと地下通路でつながっていて、その通路も見学することに。カリフォルニアは冬になると雨が多くなるため、紙やセル画が濡れないように地下通路で運んでいたそうです。こんなところにも、作品作りのこだわりが感じられますね。

 

ちなみに、このビルの奥には、なんとルーカスフィルムの本社が置かれています。もちろん中に入るのはNG。写真を撮るのもダメ。チラッと覗けるだけでしたね。

 

サウンドステージ

私たちが次に向かったのが「サウンドステージ」という撮影スタジオ。ここでは今もディズニー社の映画やドラマなどが撮影されています。中にはメリー・ポピンズ役としても有名な、女優のジュリー・アンドリュースの名が付けられた場所も。ここもディズニーの歴史が詰まっていますね。

 

 

ここで、作品の音声を収録しているスタジオの中も見学できることに。出迎えてくれたのは、なんとDoc Kaneさん。彼はアカデミー賞の音響部門に4回ノミネートされるほどの、超有名な音響技師なのです。そんな彼に会えたことで、ツアーの参加者はみんな大興奮でした。

 

www.disneydigitalstudio.com

 

音響技師のDoc Kaneさん

 

 

Kaneさん自ら、作品の音声がどのように録音されていくのか、実際に使われている機械を使って説明してくれました。作品の裏話(というか愚痴?)には、みんな大笑い。ディズニー作品を手掛けてきた方から直接お話を聞けたのは、本当に貴重でした。

 

あっという間の「3時間」

再び、最初のハイピリオン・バンガローに戻ってきたところで、ガイドさんとはお別れすることに…。記念のピンバッジをもらって終了です。8時半から受付開始、ツアー開始が9時から、そして終了が12時。なんと休憩なしで3時間!歩きっぱなしのツアーだったのですが、全く疲れは感じませんでした。

 

 

ツアー終了後は、トイレやショップに立ち寄ってから、そのまま解散になります。私は貴重なスタジオ限定グッズを買い込んで、アナハイムへと戻ることになりました。

 

「英語が苦手だから」「ディズニーの歴史はあんまり詳しくないし」という方でも、一度はバーバンクのスタジオツアーに参加することを、強くおすすめします。多くの作品が生まれた場所であり、ディズニーパークと並ぶ「聖地」であることに間違いないからです。

 

ぜひ一度、バーバンクに足を運んでみてください。ディズニー作品への見方が変わるはずですよ。

 

 

最後に余談なのですが、短編映画『ワンス・アポン・ア・スタジオ』にも登場した、魔法使いの帽子の形をした建物「ロイ・ディズニー・アニメーション・ビル」。こちらには、このスタジオツアーでは行くことができません。あくまでも道路の外から見るだけになります。

 

d23.com

 

合わせて読みたい

maihama.hateblo.jp

maihama.hateblo.jp