外出先でもパソコンやスマートフォンからリアルタイムで映像を見られるネットワークカメラ。昨今は、おやつが飛び出すペット向けカメラや、赤ちゃん向けのベビーモニター、老人などサポートが必要な家族の様子を確認するための見守りカメラ、360°全方位視野で警報機能がついた本格的な防犯カメラなど、さまざまな用途のものが販売されています。
筆者の場合は、赤ちゃん向けのベビーモニターを探していたのですが、天井や壁にネジなどで固定するタイプと、置くだけのタイプがほとんど。筆者のように賃貸物件に住んでいるとネジ留めはできませんし、置くだけタイプだと、ベビーベッドの周りにテーブルなど何もない筆者の環境には適しません。もちろん、首振りやトラッキング、360°全方位視野などの機能が搭載されていればいいですが、高機能になるほど価格が高くなります。
そうしてたどり着いたのが、+Styleの「スマートホームカメラ(フレキシブルアーム)」(以下、スマートホームカメラ)。アームをグニャッと曲げることで、設置場所を選ばないというのが大きな特徴で、画質はフルHD、気温/湿度センサー、双方向の音声通話機能、赤外線暗視モード、動体検知機能など、ベビーモニターとしてだけではなく、ネットワークカメラとしての機能も十分。それでいて、価格は6,800円(税込)とネットワークカメラの中では比較的安価な部類に入ります。
+Styleのネットワークカメラ「スマートホームカメラ(フレキシブルアーム)」
「スマートホームカメラ」は、スマートフォン向け専用アプリ「+Style」(iOS/Android)からリアルタイムで映像を確認できるネットワークカメラ。基本スペックは、1/3 CMOSセンサー(200万画素)、F2.0、視野角110°、画質フルHD(1920×1080)/SD(自動録画時。640×360)、マイク&スピーカー搭載(双方向音声通話可)、対応microSD最大128GBといったところです。
このほかにも、録画機能や動体検知によるアラーム機能、温度/湿度測定機能などを搭載。ベビーモニターとしての基本機能は網羅しており、見守りカメラとしても十分な機能性です。
カメラ部は、鳥よけの目玉風船や「ゲゲゲの鬼太郎」の目玉おやじのような形で、ネットワークカメラでありがちな堅牢なイメージはなく、リビングや寝室に溶け込みやすいデザインです。
カメラは手にすっぽり収まるサイズで非常にコンパクト。インテリアに自然に溶け込んでくれます。少し見えにくいですが、レンズの上部に赤外線LED、下部にステータスLEDを備えます
本体背面にスピーカーとマイク(背面下部)を搭載し、双方向通話も可能
録画した映像は、microSDカード、および、スマートフォン本体に保存されます
給電はACアダプター(同梱)経由で行い、電池式ではありません
USBケーブルとアダプターの間に気温/湿度センサーアダプター(同梱)を取り付けることで、気温と湿度が測定可能になります
本機の大きな特徴であるフレキシブルアームは、手で簡単に曲げてベビーベッドやカーテンレールなどに取り付けられます。ただし、取り付け部の周長があまりにも長いと、フレキシブルアームの長さ(215mm)が足りなくなるので注意が必要です。
ベビーベッドの柵ぐらいだと取り付けは問題なし
上や下向きなど角度をつけて設置できるのもフレキシブルアームのメリット
カーテンレールなど周長が短いものなら、余裕を持って取り付けられます
フレキシブルアームは、しっかりと巻き付けて固定しないと、自重によって意図しない方向に傾いてしまうことがありました。もう少しアーム部が長いとよかったな、というのが正直なところです。
アプリ「+Style」をダウンロードして、アカウント作成、スマートホームカメラをネットワークに接続したら、すぐに使用可能。自動録画を行う場合は、microSDカードが別途必要になります。
ベビーモニターとして使う我が家では、以下写真のように、ベビーベッド付近の手すりに設置。赤ちゃん(写真では人形)への距離は40〜50cmほどですが、ベビーベッドの端まで映りました。この距離であれば、赤ちゃんの表情がしっかりとわかるくらい鮮明です。赤ちゃんが思いっきり動いても、大きくブレたり、カクついたりすることはなし。ベビーモニターとしてのカメラ性能はしっかりと押さえられていまし、アプリをインストールすれば、使用者以外の家族も映像を見られます。
我が家での設置例
上記画像の設置例であれば、ベッド全体を見渡せる画角です。モニターなどで見ると画質の粗さが気になりますが、スマートフォンであればまったく問題ありません
消灯して真っ暗にすると、自動で赤外線暗視モードに切り替わり、モノクロで映像を確認できます。青色に点灯するステータスLEDがまぶしいのですが、これはアプリから手動でオフにすることが可能です。アプリ右上のメニュー→基本機能の設定→表示ランプと進んだ画面でオン/オフを切り替えられます。
部屋が真っ暗になると赤外線暗視モードに自動で切り替わります。暗くてもばっちり鮮明に映ります
アプリのUIは、縦向きだと上部に画面、下部にメニューが表示され、横向きだと映像の全画面表示に切り替わります。室温や湿度も表示されるので、温度や湿度の調整が必要な赤ちゃんの部屋で使うのに適しています。
アプリの縦向きUI
縦向き時のメニューは「プレビュー」と「再生」の2つのタブで構成。「プレビュー」の「アラーム」では、動きが検出されたときに通知を送る「モーション検知アラーム」のオン/オフを設定可能。感度は、低/中/高の3段階で設定できます。
「モーション検知アラーム」は、ベビーモニターとして使用するときはあまり活用する機会がありませんが、見守りカメラとして使うときは子どもの帰宅などを仕事先から知ることができますし、不審者の侵入を検知するなど防犯カメラとして使うときにも重宝するでしょう。
動体検知をオンにすると、動きが検出された時に通知を送信(写真左)。そのときの様子もタイムラインのようにして確認できます
画面の音量アイコンをタップすると、スマートフォンでカメラからの音声を確認可能。「通話」をタップすれば、こちらの音声をカメラから出力できます。音質に関しては、スマートフォンで聞く分には問題ないですが、カメラのスピーカーに関しては、少し音割れが発生。双方向通話の音質は、ネットワークカメラとしてなら必要十分といったところでした。
「記録」を押すと、映像を動画(フルHD、SDから画質を選択。mp4)でスマートフォンに保存可能。「スクリーンショット」は押した瞬間の静止画(png)をスマートフォンに保存できます。
また、起動中は自動で映像をmicroSDカードに自動録画(SD画質。mp4)してくれ、保存された動画は容量が少なくなると古い順から削除されます。録画やスクリーンショットは、赤ちゃんが就寝中の様子を後から見て楽しんだり、記録用途として活用できます。
「再生」タブをタップすると、microSDカードに自動録画された動画を再生するメニューに切り替わります。この中では、日付けをさかのぼって動画を確認できる「カレンダー」が便利。過去の動画をカレンダーから確認できるのは、データの記録や防犯用途でも重宝するでしょう。
「カレンダー」は過去の動画を探しやすい
そのほかの機能としては、GoogleアシスタントやAmazon Alexaに対応しており、スマートスピーカーでの音声操作に対応。現在のところ、音声操作はChromecastでテレビに画面を映したり、Echo Spotのディスプレイに映したりなど、映像の確認のみの対応です。
ベビーモニターの必要有無は、それぞれの家庭の環境や考え方により異なりますが、スマートホームカメラを数週間使用した結果、「ベビーモニターはあったら超便利」という結論にいたりました。キッチンで料理中や、リビングでくつろいでいるときなど、ベビーベッドがある部屋にいなくても様子を確認できると安心しますし、外出先から赤ちゃんの様子を確認できるのも働く親御さんにとっては便利でしょう。
「スマートホームカメラ」の長所をフレキシブルアーム以外にあげるのであれば、とにかくアプリがシンプルで使いやすいこと。ネットワークカメラとしての機能も網羅しており、音声操作への対応などトレンドを押さえた機能も導入しています。アップデート次第では動作検知や温度/湿度センサーを活用した新しい機能が追加される可能性も秘めています。
ベビーモニターだけでなく、ペットカメラや見守りカメラ、簡易な防犯カメラの導入を考えているけども、賃貸物件などの理由で設置することができない、または、わざわざ壁や天井に取り付けるのはちょっと……というような人は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。