[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/
トレンドニュース

「CP+ 2018」に合わせデジタル一眼の新モデルが続々登場! 注目度No.1はやっぱりソニー「α7 III」

「CP+ 2018」に合わせて新モデルを発表した、キヤノン、ソニー、富士フイルムが注目を集める

2018年3月1日~4日にかけて、国内のカメラ市場最大のショーである「CP+ 2018」が開催された。例年、この「CP+」に合わせて、各メーカーがデジタルカメラの新モデルを発表する傾向にあり、今年もどんな製品が出てくるのか期待されていたが、今年は予想以上に注目製品が多く登場した印象だ。

図1:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図1:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図2:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去3か月)

図2:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去3か月)

その前に、現状のデジタル一眼市場がどのような状況になっているかをおさらいしておこう。図1・図2は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス推移を示したもの。図1は過去2年間の推移を示したグラフで、これを見ると、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの人気は、若干の浮き沈みはあるものの全体的には右肩下がりになっていることがわかる。しかしながら、直近かなりアクセスが改善しているが、これが今回の「CP+ 2018」の開催および、これに関連して発表されたデジタルカメラ新製品の影響である。過去3か月間の推移を示した図2を見るとよりわかりやすいが、2月26日以降にアクセスが急上昇している。この2月26日には、キヤノンが「CP+ 2018」に合わせて、この春の新製品を一挙に発表しており、まずこれで大きくアクセスが上昇。その後、2月27日にソニーが、フルサイズのミラーレス機・新モデルの「α7 III」を発表したことで、アクセスがピークに達した。その後、「CP+ 2018」の開催期間中も、アクセス数は高いレベルで維持されており、3月6日時点でもほとんど落ちていない。

図3:「デジタル一眼カメラ」カテゴリー・注目ランキング ベスト5製品のアクセス推移(過去1か月)

図3:「デジタル一眼カメラ」カテゴリー・注目ランキング ベスト5製品のアクセス推移(過去1か月)

図3は、過去1か月間における「デジタル一眼カメラ」カテゴリー・注目ランキング ベスト5製品のアクセス推移を示したものだが、これを見ると、「CP+ 2018」に関連して発表された新モデルのうち、ソニー「α7 III」、キヤノン「EOS Kiss M」、富士フイルム「FUJIFILM X-H1」の3モデルが大きくアクセスを伸ばしていることがわかる。上位モデル(2017年11月発売)のソニー「α7R III」もこの時期にアクセスを伸ばしているが、これは姉妹モデルとなる「α7 III」の影響によるもの。ニコン「D850」を除けば、注目ランキングのベスト5は最新モデルあるいはその関係モデル(しかも全てミラーレス機)で占められており、上位の顔ぶれはすっかり様変わりした模様だ。

図4:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける主要5メーカーのアクセス推移(過去3か月)

図4:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける主要5メーカーのアクセス推移(過去3か月)

この流れを受けて、各メーカーごとのアクセスシェアも大きく変わっている。図4は、過去1か月「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける主要5メーカーのアクセス推移を示したものだが、キヤノン、ソニー、富士フイルムの3社が「CP+ 2018」がらみでアクセスを伸ばしており、なかでもソニーの伸びがもっとも大きいことがわかる。パナソニックやオリンパス(グラフ外)に関しては、新製品の発表が1月という比較的早い時期からあったため、ゆるやかに上昇。「CP+ 2018」で新モデルを登場させなかったニコンはほぼ横ばいとなった。

なかでも、やはりソニーの注目度上昇率は群を抜いており、一時的とはいえ、2位のニコンを上回るほどの勢いとなった。これとは逆に、主要メーカーでは唯一新モデルを出さなかったニコンは、相対的にアクセスのシェアを減らす結果となった。

ソニー「α7 III」がひとり勝ちの様相。そのほかの新モデルの追随なるか?

上記のデータからもわかるように、今回の「CP+ 2018」の目玉となったのは、大きく3モデルと言っていい。ひとつはダントツの注目度を誇るソニーのフルサイズ・エントリー機「α7 III」(3月23日発売)、もうひとつはキヤノンのエントリー向けミラーレス機「EOS Kiss M」(3月23日発売)、そして最後は富士フイルムのフラッグシップモデル「FUJIFILM X-H1」(3月1日発売)だ。各製品ともそれぞれに大きな特徴があり、ほかの製品の追随を許さない注目を集めている。

ソニー「α7 III」

ソニー「α7 III」

まず、ソニー「α7 III」であるが、2017年11月に発売された上位モデル「α7R III」の性能を多くの部分で引き継ぎながらも、よりお求めやすい価格を実現したベーシックモデルとなる。同社のラインアップ上ではベーシックモデルとはいえ、23万円程度のプライスがついており、実質的には、他社のミラーレス機のフラッグシップモデルと争うような上級機となる。画素数は約2420万画素で「α7R III」より劣るが、高感度撮影とAF性能はむしろ上がっており、悩ましい選択となりそうだ。

富士フイルム「FUJIFILM X-H1」(※レンズ別売)

富士フイルム「FUJIFILM X-H1」(※レンズ別売)

この「α7 III」のいいライバルになりそうなのが、富士フイルムの「FUJIFILM X-H1」である。同社のミラーレス機ではフラッグシップとなる製品で、約2420万画素の画素数、ISO 51200までの高感度撮影、約23万円のプライスといったさまざまな面で競合する。実際、「α7R III」とよく比較されている競合製品のライバルランキングでも、本機は「α7R III」に次いでよく比較されており(図5)、完全に競合関係にあると言っていい。

図5:「α7R III」のライバルランキング(2018年3月6日時点)

図5:「α7R III」のライバルランキング(2018年3月6日時点)

「FUJIFILM X-H1」は、従来の同社のフラッグシップ機である「FUJIFILM X-T2」の改良版とも言えるが、センサーや映像エンジンなどの基本的な部分は変わっていない。最大の進化ポイントは、これまで非搭載だった本体内の手ぶれ補正機能を搭載した点で、この機能に対する需要が、本製品の売れ行きを大きく左右するだろう。

キヤノン「EOS Kiss M」

キヤノン「EOS Kiss M」

最後に、キヤノン「EOS Kiss M」であるが、こちらはその製品名からもわかるように、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ・ラインアップのボトムを担うベストセラーシリーズ「EOS Kiss」シリーズのDNAを受け継ぎつつも、ミラーレス機である「EOS M」シリーズと同様のミラーレスシステムを採用したという製品。そういう意味では、「EOS Kiss」と「EOS M」のいいとこ取りという感じの製品であるが、本製品が新たにキヤノンのラインアップのボトムを担うシリーズになるのかどうか、クチコミ掲示板でもさまざまな議論が巻き起こっている。

図6:「デジタル一眼カメラ」カテゴリー・注目ランキング ベスト5製品の売れ筋ランキング推移(過去1か月)

図6:「デジタル一眼カメラ」カテゴリー・注目ランキング ベスト5製品の売れ筋ランキング推移(過去1か月)

上記3製品のうち、すでに発売されたのは、富士フイルム「FUJIFILM X-H1」のみなので、実際の売れ行きは3月末を待たなければならないが、図6の注目ランキング ベスト5製品の売れ筋ランキング推移を見る限り、予約の段階でもダントツ人気なのは、ソニー「α7 III」で、すでに売れ筋ランキングで4位に入っている。「FUJIFILM X-H1」も注目度は高いものの、現状のランキングは26位とややふるわない。さらに「EOS Kiss M」に関しては、現状34位と、それ以下のスタートとなっている。

このように、久々に注目すべき製品が多く登場した今年の「CP+」であったが、現状では、ソニー「α7 III」が大ヒットになりそうなものの、ほかのモデルについては正直今ひとつ動きが鈍い印象だ。

鎌田 剛(編集部)
Writer / Editor
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×