吾輩はゴリラである。

以前、三軒茶屋に通っていた者です。
ゴリラビルは何度も見ていたのに、物語は思いつかなかったです。面白い！
楽しませて頂きました。

三茶に寄ったことはあるけれど、こんな面白いビルがあったなんて知らなかった～！ ゴリラと少女のやり取りが洒脱で軽妙。ある文学作品のオマージュでありながら、オリジナリティがありますね。今度三茶に行ったらぜひ本物を見たい。その時、この物語を必ずや思い出すだろうと思いました。

　ううむ、都会にはなかなか面白い建物がございますな。
　さておき今回のも面白かったです。面白かったのは確かだが、さてこうした純文学めいた作品に対してはいつも感想を探すのに苦労するのよな。どうしてだろうね。
　云わばこのゴリラビル、物書きにとっての「お題」みたいなオブジェクトなのだなと思う。何がどうなってこの現状に至るのか、現状を洞察して形に起こすというものは、まさに腕試しとして絶好だったのだなあと。
　何も考えてなければスルーしてしまうような風景からキャラクターを掘り起こすというのは物書き脳としてたいへん健康的でよいですな。

ゴリラと少女。
その街に住む人にとってはあたりまえの景色として馴染んでしまっているもの。
でも、それじゃあ退屈だろう？
たまには空を見上げて思いを馳せてみよう。
彼らの物語に……

なんて詩的なレビューを書きたくなる、クールな作品でした。目の付け所が素敵です。

まずね、アプローチがすごくいいんですよ！　僕はこのビルの存在を知っていたんですけどね、一度たりともこんな発想は思いついたこともないんですよね。

あとね、登場してる女の子がすごくかわいらしいんですよね！　

ネットで検索してみると、このビルの異質さは直ぐに伝わると思うので、一度検索してみることをお勧めします。ほら、今にもシン・キングコングが始まりそうでしょう？

独特な語り口の「吾輩」と、その掌の上の少女の
何とも言えず微笑ましい東京案内。

映画を観たときにも感じたけど、
「吾輩」は、可愛い女にはとても優しくてピュアだ。
むしろ「吾輩」のほうこそ可愛い。
ふさふさもふもふしてるし。

「吾輩」に会いに行きたいと思った。
見上げながらニマニマしそうに、すごく好き。

1.三軒茶屋を知らぬ人に愛を込めて。
地元にオブジェとして立ってるけどなんだか全くわかんねー奴ない？
でも地元民の間で正式名称じゃない略称がついててなんだか慣れ親しんでる。みたいなのない？
それ、このゴリラビル。それ。
東京都世田谷区。いわゆる富裕層の街じゃん。
そこにある。ゴリラビル。それ。なんだかわかんねぇ。
でも昔からある。それ。
そういうこと。それの話。
それと少女の話。ゴリラwith少女なわけ。このオブジェは。
それが正義なわけ。
だから、ゴリラと少女の話なわけ。別にあったってなくたって構いやしねぇわ。でも、なくなったら絶対寂しいってやつ。
多分、あなたの街にもあるっしょ。
そうい…続きを読む

まさかのアイツが主人公で度肝を抜かれましたｗ
しかし、内容は骨太。三軒茶屋という街に現れた主人公とその相棒の存在そのもの、そしてその眼から見た街の姿が、実によくその街の姿を、四次元的に物語っています。これは見事な手法だと思いました。

「新しいもの」の上にさらに「新しいもの」が重なり、それがその土地の歴史を形作っていく、ヤツはそのプロセスそのものなのだなぁ、と感じ入りました。